JP2019079745A - リチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高出力特性と過充電耐性とを兼ね備えたリチウム二次電池を提供する。【解決手段】本発明により、正極と負極と非水電解液とを備えたリチウム二次電池が提供される。上記正極は、正極活物質とLi3PO4とを含む。上記正極活物質を100質量部としたときに、上記Li3PO4の比率は、2質量部以上8質量部以下である。上記非水電解液は、支持塩と溶媒とを含む。上記非水電解液の全体を100質量%としたときに、上記溶媒の割合は、81質量%以上87質量%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウム二次電池に関する。
従来、電池性能の向上や過充電耐性の向上を目的として、電池内に無機リン酸塩を添加することがなされている。例えば特許文献1には、リン酸三リチウム(Li3PO4)を含んだ正極と、負極と、非水電解液と、を有するリチウム二次電池が開示されている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、正極中のLi3PO4の量によっては、過充電耐性がバラつくことがあった。また、本発明者らが新たに得た知見によれば、非水電解液に占める溶媒の割合によっても、過充電耐性や通常使用時の出力特性がバラつくことがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高出力特性と過充電耐性とを兼ね備えたリチウム二次電池を提供することにある。
本発明により、正極と負極と非水電解液とを備えたリチウム二次電池が提供される。上記正極は、正極活物質と、Li3PO4と、を含み、上記正極活物質を100質量部としたときに、上記Li3PO4の比率が、2質量部以上8質量部以下である。上記非水電解液は、支持塩と、溶媒と、を含み、上記非水電解液の全体を100質量%としたときに、上記溶媒の割合が、81質量%以上87質量%以下である。
正極中のLi3PO4の比率、および、非水電解液中の溶媒の割合が、それぞれ上記範囲を満たすことによって、電池抵抗を低く抑えることができる。このことにより、通常使用時には優れた出力特性を実現することができる。また、過充電時にはLi3PO4の添加の効果が適切に発揮されて、発熱を小さく抑えることができる。このことにより、優れた過充電耐性を実現することができる。
以下、ここで開示されるリチウム二次電池の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。なお、本明細書において数値範囲をA〜B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものとする。
本実施形態のリチウム二次電池は、正極と負極と非水電解液とを備える。以下、各構成要素について順に説明する。
正極は、典型的には、正極集電体と、該正極集電体上に固着された正極活物質層と、を備えている。正極集電体としては、例えばアルミニウム箔等の金属箔が好適である。正極活物質層は、多孔質構造である。正極活物質層は、少なくとも正極活物質とリン酸三リチウム(Li3PO4)とを含んでいる。
正極活物質は、電荷担体たるリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。正極活物質の好適例として、リチウムニッケル含有複合酸化物、リチウムコバルト含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルト含有複合酸化物、リチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。なかでも、層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物が好ましい。正極活物質は、典型的には粒子状である。正極活物質の平均粒径(レーザー回折・光散乱法に基づく50体積%粒径(D50粒径)。以下同じ。)は特に限定されないが、典型的には1〜20μm、例えば3〜10μm程度であるとよい。特に限定されるものではないが、正極活物質層全体(100質量%)に占める正極活物質の割合は、ここに開示される技術の効果を高いレベルで発揮する観点から、概ね50〜95質量%、例えば80〜90質量%であるとよい。
Li3PO4は、例えば、(a)正極活物質の表面を被覆する;(b)非水電解液の酸化分解(例えば非水電解液に含まれ得る支持塩の加水分解)を抑制する;(c)非水電解液に含まれ得るフッ素含有支持塩(例えばフッ素含有リチウム塩)やフッ素含有溶媒の加水分解によって生成されるフッ酸(HF)を捕捉あるいは消費して、非水電解液の酸性度(pH)を緩和する;のうち少なくとも1つの作用を奏する。Li3PO4は、かかる作用によって、正極活物質からの金属元素の溶出を抑制して、通常使用時の電池特性、例えば出力特性や耐久特性を向上する効果を奏する。
また、Li3PO4は、典型的には上記(c)の作用に伴って、対向する負極の表面に安定な皮膜を形成する作用を奏する。Li3PO4は、かかる作用によって、過充電時に電池温度の上昇を抑制して、過充電耐性を向上する効果を奏する。
図1は、過充電耐性向上のメカニズムを説明するための説明図である。すなわち、図1の(1)に示すように、過充電時に正極の電位が上昇し、通常使用の範囲を超えて高電位状態になると、非水電解液の成分、例えば後述するフッ素含有リチウム塩やフッ素含有溶媒が正極で分解されて、フッ酸(HF)が発生する。発生したHFは、図1の(2)に示すように、正極のLi3PO4(LPO)と反応する。これによって、リン酸イオン(PO4 3−)が生成される。生成されたリン酸イオンは、図1の(3)に示すように、負極側へと移動して負極活物質の表面に堆積する。これによって、負極上にリン酸イオンを含む皮膜が形成される。かかる皮膜によって、過充電時に負極での発熱が抑えられ、電池温度の上昇が抑制される。
図1は、過充電耐性向上のメカニズムを説明するための説明図である。すなわち、図1の(1)に示すように、過充電時に正極の電位が上昇し、通常使用の範囲を超えて高電位状態になると、非水電解液の成分、例えば後述するフッ素含有リチウム塩やフッ素含有溶媒が正極で分解されて、フッ酸(HF)が発生する。発生したHFは、図1の(2)に示すように、正極のLi3PO4(LPO)と反応する。これによって、リン酸イオン(PO4 3−)が生成される。生成されたリン酸イオンは、図1の(3)に示すように、負極側へと移動して負極活物質の表面に堆積する。これによって、負極上にリン酸イオンを含む皮膜が形成される。かかる皮膜によって、過充電時に負極での発熱が抑えられ、電池温度の上昇が抑制される。
Li3PO4は、典型的には粒子状である。Li3PO4の平均粒径は特に限定されないが、概ね0.1〜30μm、典型的には0.5〜25μm、例えば2〜10μm、好ましくは2〜5μm程度である。Li3PO4の平均粒径は、典型的には正極活物質の平均粒径と同等(±1μm程度)か、正極活物質の平均粒径よりも小さいことが好ましい。
本実施形態では、正極活物質を100質量部としたときに、Li3PO4の比率が、2〜8質量部である。Li3PO4の比率を所定値以上とすることで、上述したLi3PO4の添加の効果を適切に発揮することができる。例えば、過充電時の電池温度の上昇を好適に抑制することができる。また、Li3PO4の比率を所定値以下とすることで、電池抵抗、主には正極の抵抗を好適に低減して、優れた出力特性を実現することができる。Li3PO4の添加の効果をより良く発揮する観点からは、正極活物質を100質量部としたときに、Li3PO4の比率が、概ね3質量部以上、例えば4質量部以上であってもよい。また、電池抵抗をより良く低減する観点からは、正極活物質を100質量部としたときに、Li3PO4の比率が、概ね7質量部以下、例えば6質量部以下であってもよい。
なお、正極には、上記した正極活物質とLi3PO4とに加えて、必要に応じて更なる任意成分を含んでもよい。任意成分の一例としては、例えば、結着剤、導電助剤、増粘剤、分散剤、pH調整剤等が挙げられる。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂や、ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイドが挙げられる。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料が挙げられる。pH調整剤としては、例えば、リン酸等の酸性物質が挙げられる。
負極は、典型的には、負極集電体と、該負極集電体上に固着された負極活物質層と、を備えている。負極集電体としては、例えば銅箔等の金属箔が好適である。負極は、多孔質構造である。負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含んでいる。
負極活物質は、電荷担体たるリチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。負極活物質の好適例として、炭素材料が挙げられる。なかでも、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質コート黒鉛等の黒鉛系炭素材料が好ましい。なお、本明細書において「黒鉛系炭素材料」とは、炭素材料のうちで黒鉛の占める割合が概ね50質量%以上、典型的には80質量%以上の材料をいう。特に限定されるものではないが、負極活物質層全体(100質量%)に占める負極活物質の割合は、概ね50〜99質量%、例えば90〜98質量%であるとよい。
なお、負極には、上記した負極活物質に加えて、必要に応じて更なる任意成分を含んでもよい。任意成分の一例としては、例えば、結着剤、増粘剤、分散剤等が挙げられる。結着剤としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類が挙げられる。分散剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類が挙げられる。
非水電解液は、少なくとも支持塩と溶媒とを含み、室温(25℃)で液体状態を示す。非水電解液の組成は、図1に示した皮膜形成の反応性を左右する1つの重要な要素である。支持塩は、溶媒中で解離して電荷担体(リチウムイオン)を生成する。支持塩は、フッ素を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。溶媒は、フッ素を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。言い換えれば、溶媒は、フッ素含有溶媒と、非フッ素溶媒とを包含する。溶媒は、典型的には非水溶媒である。非水溶媒としては、例えば、非フッ素またはフッ素含有のカーボネートが挙げられる。カーボネートの一好適例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC)等の環状カーボネートや、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチル−2,2,2−トリフルオロエチルカーボネート(MTFEC)等の鎖状カーボネートが挙げられる。本実施形態では、非水電解液の構成成分のうちの少なくとも1種、例えば、支持塩および溶媒の少なくとも一方がフッ素含有化合物を含むとよい。非水電解液は、上記した支持塩と溶媒とに加えて、必要に応じて更なる任意成分を含んでもよい。
本実施形態では、非水電解液の全体を100質量%としたときに、溶媒の割合が、81〜87質量%である。溶媒の割合を所定値以上とすることで、支持塩の含有量を確保して、優れた出力特性を実現することができる。溶媒の割合を所定値以下とすることで、上述した過充電耐性向上のメカニズムをより良く作用させることができる。例えば、図1の(1)〜(3)の皮膜形成反応を促進して、過充電時の電池温度の上昇を顕著に抑制することができる。
出力特性をより良く高める観点からは、非水電解液の全体を100質量%としたときに、溶媒の割合が、概ね82質量%以上、例えば83質量%以上であってもよい。また、過充電耐性をより良く高める観点からは、非水電解液の全体を100質量%としたときに、溶媒の割合が、概ね86質量%以下、例えば85質量%以下であってもよい。
出力特性をより良く高める観点からは、非水電解液の全体を100質量%としたときに、溶媒の割合が、概ね82質量%以上、例えば83質量%以上であってもよい。また、過充電耐性をより良く高める観点からは、非水電解液の全体を100質量%としたときに、溶媒の割合が、概ね86質量%以下、例えば85質量%以下であってもよい。
本実施形態のリチウム二次電池は、上記したような構成によって電池内に良好な導電パスが形成され、電池抵抗を安定して低く抑えることができる。したがって、通常使用時には優れた出力特性を発揮することができる。また、本実施形態のリチウム二次電池は、過充電時に発熱を安定して低く抑えることができる。したがって、優れた過充電耐性を発揮することができる。
本実施形態のリチウム二次電池は、以上のような特性を生かして、例えば、ハイレート放電を繰り返す使用態様が想定される用途や、高い過充電耐性が要求される用途で好ましく用いることができる。本実施形態のリチウム二次電池は、例えば、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車等の車両に搭載されるモーター駆動のための動力源として、好ましく用いることができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極の作製>
まず、正極活物質としての層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2:NCM)と、リン酸三リチウム(Li3PO4:LPO)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して、正極ペーストを調製した。このとき、NCM(100質量部)あたりのLPOの比率を、以下の表1、2に示すように1〜10質量部の範囲で変更した(各例につき、NCMとPVdFとABとの質量比は一定とした)。そして、この正極ペーストをアルミニウム箔の表面に塗布し、乾燥させることによって正極を作製した。
まず、正極活物質としての層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2:NCM)と、リン酸三リチウム(Li3PO4:LPO)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して、正極ペーストを調製した。このとき、NCM(100質量部)あたりのLPOの比率を、以下の表1、2に示すように1〜10質量部の範囲で変更した(各例につき、NCMとPVdFとABとの質量比は一定とした)。そして、この正極ペーストをアルミニウム箔の表面に塗布し、乾燥させることによって正極を作製した。
<負極の作製>
まず、負極活物質としての天然黒鉛と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシルメチルセルロース(CMC)と、溶媒としてのイオン交換水とを混合して、負極ペーストを調製した。そして、この負極ペーストを銅箔の表面に塗布し、乾燥させることによって負極を作製した。
まず、負極活物質としての天然黒鉛と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシルメチルセルロース(CMC)と、溶媒としてのイオン交換水とを混合して、負極ペーストを調製した。そして、この負極ペーストを銅箔の表面に塗布し、乾燥させることによって負極を作製した。
<リチウム二次電池の構築>
次に、上記作製した正極と、上記作製した負極とを、樹脂製のセパレータを介して積層し、電極体を作製した。また、非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒中に、リチウム塩としてのLiPF6を1mol/Lの濃度となるように溶解させたものを用意した。このとき、非水電解液全体(100質量%)に対する溶媒の割合を、以下の表1、2に示すように78〜89質量%の範囲で変更した。そして、上記電極体と上記非水電解液とを電池ケースに収容し、4V級のリチウム二次電池を構築した。
次に、上記作製した正極と、上記作製した負極とを、樹脂製のセパレータを介して積層し、電極体を作製した。また、非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒中に、リチウム塩としてのLiPF6を1mol/Lの濃度となるように溶解させたものを用意した。このとき、非水電解液全体(100質量%)に対する溶媒の割合を、以下の表1、2に示すように78〜89質量%の範囲で変更した。そして、上記電極体と上記非水電解液とを電池ケースに収容し、4V級のリチウム二次電池を構築した。
<初期充放電>
次に、上記構築した各リチウム二次電池に対して、25℃の温度環境下で、次の充放電操作:電池電圧が4.1Vとなるまで0.2Cのレートで定電流充電した後、電流が0.01Cのレートとなるまで定電圧充電する;電池電圧が3.0Vとなるまで0.2Cのレートで定電流放電した後、電流が0.01Cのレートになるまで定電圧放電する;を行った。
次に、上記構築した各リチウム二次電池に対して、25℃の温度環境下で、次の充放電操作:電池電圧が4.1Vとなるまで0.2Cのレートで定電流充電した後、電流が0.01Cのレートとなるまで定電圧充電する;電池電圧が3.0Vとなるまで0.2Cのレートで定電流放電した後、電流が0.01Cのレートになるまで定電圧放電する;を行った。
<25℃、SOC56%での出力測定>
25℃の温度環境下で、上記初期充放電後のリチウム二次電池をSOC(State of Charge)56%の状態に調整した。次に、SOC56%に調整した電池に対して、10Cのレートで10秒間の定電流放電を行った。そして、放電開始から10秒後の電圧値と電流値との積から、出力値(W)を算出した。結果を表1に示す。
25℃の温度環境下で、上記初期充放電後のリチウム二次電池をSOC(State of Charge)56%の状態に調整した。次に、SOC56%に調整した電池に対して、10Cのレートで10秒間の定電流放電を行った。そして、放電開始から10秒後の電圧値と電流値との積から、出力値(W)を算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、Li3PO4の比率を8質量部以下とし、かつ、溶媒の割合を87質量%以下とすることで、出力値を1000W以上とすることができ、Li3PO4の比率および/または溶媒の割合が上記範囲外の場合に比べて、相対的に高い出力値を実現することができた。この理由としては、Li3PO4の比率を所定値以下とすることで、正極活物質や導電助剤の比率が高まったこと、溶媒の割合を所定値以下とすることで、支持塩の割合が高まったこと、が考えられる。
<過充電時の温度上昇の測定>
上記リチウム二次電池の外表面に熱電対を取り付け、−10℃の恒温槽に設置した。次に、−10℃の温度環境下において、上記リチウム二次電池を電池電圧が40V(過充電状態)になるまで定電流充電した。そして、過充電状態となってから30秒後の温度上昇ΔT(℃)を算出した。結果を表2に示す。
上記リチウム二次電池の外表面に熱電対を取り付け、−10℃の恒温槽に設置した。次に、−10℃の温度環境下において、上記リチウム二次電池を電池電圧が40V(過充電状態)になるまで定電流充電した。そして、過充電状態となってから30秒後の温度上昇ΔT(℃)を算出した。結果を表2に示す。
表2に示すように、Li3PO4の比率を2質量部以上とし、かつ、溶媒の割合を81質量%以上とすることで、過充電時の温度上昇を10℃以下(好ましくは6℃以下)とすることができ、Li3PO4の比率および/または溶媒の割合が上記範囲外の場合に比べて、相対的に過充電時の発熱を低く抑えることができた。この理由としては、溶媒の割合を所定値以上とすることで、図1の(1)の反応が促進されて、および/または、Li3PO4の比率を所定値以上とすることで、図1の(2)、(3)の反応が促進されて、負極表面の皮膜形成量が増えたことが考えられる。
以上のとおり、正極活物質100質量部あたりのLi3PO4の比率を2〜8質量部とし、かつ、非水電解液全体に占める溶媒の割合を81〜87質量%とすることで、高出力特性と過充電耐性とを兼ね備えたリチウム二次電池を実現することができる。かかる結果は、ここに開示される技術の意義を示すものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および試験例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
Claims (1)
- 正極と、負極と、非水電解液と、を備え、
前記正極は、正極活物質と、Li3PO4と、を含み、
前記正極活物質を100質量部としたときに、前記Li3PO4の比率は、2質量部以上8質量部以下であり、
前記非水電解液は、支持塩と、溶媒と、を含み、
前記非水電解液の全体を100質量%としたときに、前記溶媒の割合は、81質量%以上87質量%以下である、リチウム二次電池。
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JP2000106210A (ja) * | 1998-09-29 | 2000-04-11 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 有機電解液二次電池 |
JP2011150873A (ja) * | 2010-01-21 | 2011-08-04 | Sanyo Electric Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
WO2017056449A1 (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質二次電池 |
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