JP2019038136A - 両面金属積層板及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】パターニング加工の際に配線パターンのずれが生じにくい両面金属積層板の提供。【解決手段】プラスチックフィルム11と、プラスチックフィルム11の両面に直接成膜された金属シード層12A、Bと、両面の金属シード層12A、Bの上に成膜された金属層13A、Bとを有する両面金属積層板10であって、化学研磨により金属層13A、Bの各膜厚を0.2〜0.9μmの範囲内にまで減膜した時の両面金属積層板10の寸法変化率が、MDにおいて−0.0〜0.01%、TDにおいて0.00〜0.02%の範囲内である両面金属積層板10。プラスチックフィルム11がポリイミドからなり、25〜38μmの厚みであり、層がNi−Cr合金からなり、2〜30nmでである両面金属積層板10。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックフィルムの両面に金属層が成膜された積層構造の両面金属積層板及びその製造方法に関する。
携帯電話やノート型パソコン等の携帯用電子機器はますます小型化・軽量化しており、これに搭載される電子部品群の配置間隔を狭くして高密度に実装する高密度実装化の技術に対する期待が一段と高まっている。これを実現するため、プリント配線基板の多層化、配線ピッチの狭幅化、ビアホールの微細化、ICパッケージの小型多ピン化が進められている。また、コンデンサや抵抗等の受動素子についても、小型化・集積化や表面実装化が合わせて進められている。
上記のプリント配線基板などの表面又は内部に電子部品を直接実装する技術は、高密度実装を達成できるだけでなく信頼性の向上にも寄与するため盛んに研究開発が進められている。これに伴い、プリント配線基板の配線回路パターンの寸法精度、即ち配線ピッチの精度に対する要求レベルが高くなっている。また、プリント配線基板の配線回路パターンが熱により変形しにくいこと、すなわち寸法の熱的安定性に優れていることも要求されている。更に、電子部品等をより高密度に実装するため、プラスチックフィルム基材の両面上に金属層を成膜した両面金属積層板が求められる場合がある。
上記のプリント配線基板には、一般的に基材としてのプラスチックフィルムの表面に金属層等が成膜された金属積層板が用いられており、その製造方法には熱圧着法とメタライジング法が知られている。熱圧着法は、配線回路が形成される導体用の金属箔とその基材となるプラスチックフィルムとを熱圧着(ラミネート)により貼り合わせる方法である。一方、メタライジング法は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の乾式めっき法によって、基材としてのプラスチックフィルムの表面上に薄膜の金属シード層と、該金属シード層上の第1金属層とを成膜し、次に厚膜化のため該第1金属層の表面上に無電解めっき又は電解めっきによる湿式めっき法で第2金属層を成膜する方法である。
後者のメタライジング法による金属積層板の製造方法について、例えば特許文献1には、熱可塑性液晶ポリマーフィルム上に、先ずスパッタリング法でニッケル、クロム、又はこれらの合金からなる金属シード層を成膜し、次いでスパッタリング法で銅導電層を成膜し、更にこの銅導電層の上に電気銅めっき法若しくは無電解銅めっき法、又はこれら両者の併用により銅導電層を成膜する技術が開示されている。また、特許文献2には、ポリイミドフィルムの表面に金属被膜を形成するスパッタリング工程と、該金属被膜の上に連続めっき装置を用いて金属導電体を形成する電気めっき工程とからなる金属被覆ポリイミド基板の製造方法が開示されている。更に、特許文献3には、基材としての熱可塑性液晶ポリマーフィルムの両面に金属シートが接合された両面金属張積層板が開示されている。
特開2005−297405号公報 特開2009−026990号公報 特開2006−137011号公報
上記のような両面金属積層板においても、片面にのみ成膜した金属積層板と同様に電子部品等を実装するために配線加工が施される。その際の加工法としては、セミアディティブ法とサブトラクティブ法が知られている。セミアディティブ法は、金属シード層の表面にパターニングされたレジストを設けてからめっき法で配線回路を直接形成する方法であり、微細な配線加工を比較的容易に行うことができるので、高密度実装が要望されている電子機器に多用されつつある。
一方、サブトラクティブ法は、プラスチックフィルム上にスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の乾式めっき法によって、薄膜の金属シード層及び銅層による第1金属層を形成し、必要に応じて上記の第1金属層の上に電気銅めっき若しくは無電解銅めっき、又はこれら両者を併用して第2金属層を更に形成した後、得られた金属層にパターニング加工を施して銅配線回路を形成する方法である。
ところで、上記のように乾式めっき法によりプラスチックフィルムの両面に金属層を成膜することで両面金属積層板を作製する場合は、プラスチックフィルムを真空中で加熱してほぼ水分のない状態にしてからその両面を金属シード層や第1金属層で覆うことになる。プラスチックフィルムはその両面が金属シード層等で覆われるとほとんど吸湿できなくなるため、上記のように金属シード層等で両面から挟まれたプラスチックフィルムは、最終的に得られる両面金属積層板の金属層をパターニング加工するまでほぼ絶乾状態が保たれる。
その結果、パターニング加工によりプラスチックフィルの一部が露出した時点で吸湿に伴う寸法変化(膨張)が起こり、MD:Machine Direction(機械軸方向/長手方向)及びTD:Transverse Direction(横軸方向/幅方向)の両方とも寸法変化率がプラス側に大きく変動することがある。このように、急激な吸湿による大幅な寸法変化が基材としてのプラスチックフィルムに生じると、当該基材の上に形成した配線パターンが所定のパターン形状からずれる問題が生ずることがあった。本発明は上記したような問題に鑑みてなされたものであり、両面金属積層板をパターニング加工したときの寸法変化率を抑えて配線パターンのずれが生じにくい両面金属積層板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る両面金属積層板は、プラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルムの両面に直接成膜された金属シード層と、前記両面の金属シード層の上に成膜された金属層とを有する両面金属積層板であって、化学研磨により前記金属層の各膜厚を0.2μm以上0.9μm以下の範囲内にまで減膜した時の両面金属積層板の寸法変化率が、MDにおいて−0.01%以上0.01%以下、TDにおいて0.00%以上0.02%以下の範囲内であることを特徴としている。
また、本発明に係る両面金属積層板の製造方法は、プラスチックフィルムの両面上に乾式めっき法により金属シード層及び第1金属層を成膜した後、前記第1金属層の面上に湿式めっき法により第2金属層を成膜する両面金属積層板の製造方法であって、前記湿式めっき法における電流密度を調整することで化学研磨により前記金属層の各膜厚を0.2μm以上0.9μm以下の範囲まで減膜させた時の両面金属積層板の寸法変化率を、MDは−0.01%以上0.01%以下、TDは0.00%以上0.02%以下の範囲にすることを特徴としている。
本発明によれば、両面金属積層板を減膜処理した場合の寸法変化率を抑えることができるので、パターニング加工時に配線パターンにずれが生じるのを抑制できる。
本発明の実施形態に係る両面金属積層板の模式的な断面図である。 本発明の両面金属積層板の製造方法に好適に採用される乾式めっき法によるロールツーロール式連続成膜装置の模式的な正面図である。 本発明の両面金属積層板の製造方法に好適に採用される連続電解めっき装置の模式的な正面図である。 本発明の実施例において行った、電解めっきの電流密度を変えることによる減膜処理時の寸法変化率への影響を示すグラフである。
以下、本発明の両面金属積層板の実施形態ついて説明する。この本発明の実施形態の両面金属積層板は、基材としてのプラスチックフィルムと、該プラスチックフィルムの両面に直接成膜された金属シード層と、該プラスチックフィルムの両面側の金属シード層の上に成膜された金属層とを有しており、該金属層は例えば第1金属層と、該第1金属層上に成膜された第2金属層とからなる。
上記の両面金属積層板について図1を参照しながら具体的に説明する。なお、図1は上記のプラスチックフィルムの表面に対して垂直な面で切断したときの模式的な断面図である。この図1に示す両面金属積層板10は、基材としてのプラスチックフィルム11の一方の面11aの上に、プラスチックフィルム11側から、金属シード層12A、第1金属層13A、及び第2金属層14Aがこの順に積層されている。また、プラスチックフィルム11の他方の面11bの上にも、同様にプラスチックフィルム11側から、金属シード層12B、第1金属層13B、及び第2金属層14Bがこの順に積層されている。すなわち、プラスチックフィルム11の両面(両主表面)上に、金属シード層12A、12B、第1金属層13A、13B、及び第2金属層14A、14Bがそれぞれ順に積層された積層構造を有している。
なお、金属シード層12A、12Bは、プラスチックフィルム11の両面上に接着剤等を介在させることなく直接成膜されている。同様に、金属シード層12A、12Bの上に積層されている各層の間、即ち金属シード層12A、12Bと第1金属層13A、13Bとのそれぞれの間、及び第1金属層13A、13Bと第2金属層14A、14Bとのそれぞれの間においても、接着剤等を介在させることなく面同士が直接接するように成膜することができる。次に、両面金属積層板10を構成する上記各構成要素について説明する。
(プラスチックフィルム)
本発明の実施形態の両面金属積層板10の基材となるプラスチックフィルム11の材料は特に限定がなく、種々の一般的なプラスチック材料を用いることができる。このようなプラスチックフィルム11の材料としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂や、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、液晶ポリマー系樹脂等のうちのいずれか1種又は2種以上の混合樹脂を用いることができる。これらのプラスチックフィルム11の材料の中では、耐熱性や絶縁性に優れることからポリイミド樹脂が好ましい。このようなポリイミド樹脂からなるフィルムは、例えば東レ・デュポン株式会社製のカプトン(登録商標)シリーズや、宇部興産株式会社製のユーピレックス(登録商標)シリーズ等のポリイミドフィルムが市販されている。
上記のプラスチックフィルム11の厚さについては特に限定はないが、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。プラスチックフィルム11の厚さの上限値についても特に限定はないが、過度に厚くなると両面金属積層板10の作製時や作製後に取扱いが困難になるので、80μm以下が好ましい。プラスチックフィルム11の厚さは、25μm以上38μm以下であることが特に好ましい。
(金属シード層)
金属シード層12A、12Bは、上記したプラスチックフィルム11の両面にそれぞれ成膜され、該金属シード層12A、12Bの上にそれぞれ成膜される第1金属層13A、13Bとプラスチックフィルム11との密着性を高める機能を有している。この金属シード層12A、12Bの材料については特に限定がないが、第1金属層13A、13Bとの密着性を高める観点から、例えば、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、バナジウム、スズ、金、銀、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、鉄、アルミニウム、鉛、炭素、鉛−スズ系はんだ合金などのうちの1種若しくは2種以上含む金属又はその合金が好ましい。
この金属シード層12A、12Bの材料は、ニッケル若しくはその合金、クロム若しくはその合金、又はニッケル及びクロムを含む合金であることがより好ましく、ニッケル及びクロムを含む合金、例えば、Ni−Cr合金であることが特に好ましい。このNi−Cr合金からなる層には、製造段階等において不可避的に混入する不純物成分等が含まれていてもよい。
金属シード層12A、12Bの各膜厚は2nm以上50nm以下であることが好ましい。金属シード層12A、12Bの各膜厚が2nm未満では、配線等を形成するためにパターニング加工を行う際に、金属シード層12A、12Bとプラスチックフィルム11との間にエッチング液の浸食によりエッチング液が染み込んで、配線が浮いてしまう場合がある。逆に、金属シード層12A、12Bの各膜厚が50nmを超えると、配線等を形成するためにパターニング加工を行う際、金属シード層12A、12Bのうち除去すべき部分をエッチングにより完全に除去するのが困難になり、残渣として配線間に残って絶縁不良を発生させる恐れがある。金属シード層12A、12Bの各膜厚は2nm以上30nm以下であることがより好ましい。
(金属層)
上記の金属シード層12A、12Bの上に成膜される金属層は、前述したように第1金属層13A、13Bと第2金属層14A、14Bとから構成される。そのため、ここではこれら第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bについて詳細に説明する。第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bの材料は特に限定がなく、用途に応じた電気伝導率を有する材料を適宜選択することができる。一般的には配線基板の材料として銅が用いられていることから、第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bは銅からなる銅導電層とすることが好ましい。
すなわち、第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bの材料は、銅のみ若しくは銅を含む材料、又は銅と、ニッケル、モリブデン、タンタル、チタン、バナジウム、クロム、鉄、マンガン、コバルト、及びタングステンのうちから選択される少なくとも1種の金属との銅合金であることが好ましい。この場合、第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bは、互いに同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bの膜厚は、作製する両面金属積層板10の加工条件等に応じて適宜選択することができる。すなわち、本発明の実施形態の両面金属積層板10を用いて配線を形成する際の方法としては、サブトラクティブ法又はセミアディティブ法がある。セミアディティブ法の場合は、パターニングされたマスクの露出部に第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bを選択的に成長させることで配線加工を行う。この場合、両面金属積層板10の各々の面における第1金属層13A、13Bと第2金属層14A、14Bとの膜厚の合計が0.1μm以上であれば、当該配線加工後に配線回路として良好に機能させることができる。
一方、サブトラクティブ法の場合は、両面金属積層板10の各々の面における第1金属層13A、13Bと第2金属層14A、14Bとの膜厚の合計が20μm以下であれば、第1金属層13A、13B及び第2金属層14A、14Bの上にパターニングされたマスクを設けて、その露出部をエッチングすることで配線加工を行う際にも高い生産性を確保でき、また配線基板としての合計厚みが厚くなりすぎるのを抑えることができる。従って、第1金属層13A、13Bと第2金属層14A、14Bとの合計膜厚は、プラスチックフィルム11の各々の面において、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、1.7μm以上2.3μm以下であることがより好ましい。
両面金属積層板10の各々の面における第1金属層13A、13B単独の膜厚は、10nm以上300nm以下とすることが好ましい。その理由は、後述するように第2金属層14A、14Bを湿式めっき法により形成する場合、第1金属層13A、13Bの各膜厚が10nm以上であれば十分な給電量を確保することができ、均一な第2金属層14A、14Bを成膜することができるからである。他方、生産性の観点からは、第1金属層13A、13Bの各膜厚は300nm以下とすることが好ましい。
また、上記の金属シード層12A、12Bと第1金属層13A、13Bとの合計膜厚は、プラスチックフィルム11の各々の面において、350nm以下であることが好ましい。この合計膜厚を350nm以下とすることで、例えば第2金属層14A、14Bを電解めっき法により成膜する際に十分な給電量を確保することができるうえ、第2金属層14A、14Bにおいて、プラスチックフィルム11に対向する側の密着性を特に高めることができる。プラスチックフィルム11の各々の面における金属シード層12A、12Bと第1金属層13A、13Bとの合計膜厚の下限値は、12nm以上であることが好ましい。
上記の金属層をパターニング加工する場合は、先ずプラスチックフィルム11の各々の面における金属層に対して全面的に化学研磨を行ってプラスチックフィルム11の各々の面の膜厚を0.2〜0.9μmまで減膜処理した後にパターニング加工を行っている。これにより、減膜処理後の銅導電層等の金属層と、その上に形成されるレジストとの密着性を向上させることができる。この場合、パターニング加工の前に行う両面金属積層板のスルーホールのパンチングやレーザーによる穴あけ加工は減膜処理前に行うことが好ましい。その理由は、各金属層の膜厚が0.2〜0.9μmの範囲では、両面金属積層板が柔らかくなりすぎて穴あけ加工時にハンドリングしにくくなるからである。
本発明の実施形態の両面金属積層板は、上記のように化学研磨により銅導電層等からなる各金属層を減膜したときの両面金属積層板の寸法変化率が所定の範囲内となるように規定している。これにより、両面金属積層板をパターニング加工したときの寸法変化率を抑えることができ、配線パターンのずれが生じにくい両面金属積層板を提供することができる。この寸法変化率の評価方法としては、化学研磨では硫酸及び過酸化水素系の市販のエッチング液を使用し、IPC−TM−650に準じた以下の(a)〜(d)の手順に沿って寸法変化率の測定を行う。
(a)測定対象物である両面金属積層板を、23℃、相対湿度55%の雰囲気内で24時間調湿してからMDとTDの初期寸法(I)を測定する。
(b)次に、上記両面金属積層板の両面の金属層を化学研磨により各膜厚が0.2μm以上0.9μm以下の範囲内になるまで減膜する。
(c)上記(b)で減膜させた両面金属積層板を23℃、相対湿度55%の雰囲気内で24時間調湿してから再度MDとTDの減膜後寸法(A)を測定する。
(d)そして、これら初期寸法I及び減膜後寸法Aから下記式1より減膜による寸法変化率を算出する。
[式1]
寸法変化率(%)=(A−I)/I×100
なお、上記の寸法測定は、MDとTDの各々において2箇所で実施し、それら2箇所の算術平均値を減膜前後の寸法変化率とするのが好ましい。本実施形態の両面金属積層板は、この減膜前後の寸法変化率がMDは−0.01%以上0.01%以下、TDは0.00%以上0.02%以下の範囲内のものを用いる。これにより、プラスチックフィルムの両面に成膜された金属層をエッチングすることで両面に配線パターンを形成する際、配線パターンにずれや断線が生じるのを抑えることができる。
[両面金属積層板の製造方法]
次に、上記した本発明の実施形態の両面金属積層板の製造方法について説明する。この本発明の実施形態の両面金属積層板の製造方法は、プラスチックフィルムの両面上に、乾式めっき法により金属シード層を形成する金属シード層成膜工程と、該金属シード層上に、金属層を成膜する金属層成膜工程とから構成される。更に、後者の金属層成膜工程は、以下の2つの工程から構成される。すなわち、第1の工程は、上記金属シード層の上に乾式めっき法により第1金属層を成膜する第1金属層成膜工程であり、第2の工程は、該第1金属層の上に湿式めっき法により第2金属層を成膜する第2金属層成膜工程である。
以下、上記の各工程について具体的に説明する。金属シード層成膜工程は、プラスチックフィルムの表面上に金属シード層を成膜する工程であり、その成膜方法は乾式めっき法であれば特に限定はないが、蒸着法やスパッタリング法が好ましく、金属シード層の膜厚を容易に制御可能なスパッタリング法がより好ましい。この金属シード層成膜工程における具体的な成膜条件についても特に限はなく、金属シード層の材料や金属シード層に要求される性能等に応じて適宜選択することができる。金属シード層成膜工程では、プラスチックフィルムの両面上に金属シード層を同時に成膜してもよい。
上記の金属シード層成膜工程の次工程の金属層成膜工程のうち、第1金属層成膜工程は、上記の金属シード層上に第1金属層を成膜する工程であり、その成膜方法については乾式めっき法であれば特に限定はないが、蒸着法やスパッタリング法が好ましく、第1金属層の膜厚を容易に制御可能なスパッタリング法がより好ましい。この第1金属層成膜工程における具体的な成膜条件についても特に限定はなく、第1金属層の材料や第1金属層に要求される性能等に応じて適宜選択することができる。この第1金属層成膜工程では、プラスチックフィルムの両面上の金属シード層の上に第1金属層を同時に形成してもよい。
次に、上記の金属シード層及び第1金属層を好適に成膜することが可能な、スパッタリングフィルムコータとも称される乾式めっき法によるロールツーロール方式の連続成膜装置の一具体例について説明する。この連続成膜装置は、減圧容器内において成膜手段としてのスパッタリングカソードから叩き出したスパッタ粒子を、ロールツーロールで連続的に搬送される長尺状の被成膜物の表面に堆積させて成膜を行う装置である。
このスパッタ粒子の堆積は、内部に冷却手段を備えた保持手段としてのキャンロールの保持面、即ち外周面に該被成膜物を巻き付けながら行われる。これにより、該被成膜物に対して乾式めっき法による熱的ダメージを与えることなく連続的に成膜処理を行うことができる。なお、上記成膜手段の構成等を変更することで、スパッタリング成膜以外の他の成膜法で成膜を行ったり、スパッタリング成膜とそれ以外の成膜法を併用したりすることができる。
次に、図2を参照しながら、上記のロールツーロール式連続成膜装置を構成する各構成要素、及び該連続成膜装置を用いて長尺状の被成膜物に金属シード層や第1金属層等を成膜する方法について具体的に説明する。なお、被成膜物は成膜前のプラスチックフィルムのみならず成膜条件等により様々な形態が考えられ、例えば第1金属層のみを成膜する場合は、プラスチックフィルムの片面又は両面に金属シード層が成膜されたプラスチックフィルムの場合が考えられる。
この図2に示す連続成膜装置20は、減圧容器としての真空チャンバー21内に後述する搬送手段や成膜手段が搭載された構造を有している。この真空チャンバー21は、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオコイル等の排気手段や、真空チャンバー21内にプロセスガス等を供給する気体供給手段等のような図示しない種々の雰囲気制御手段が設けられている。なお、図2では真空チャンバー21の形状は直方体形状で示されているが、減圧状態に耐え得るものであればその形状や材質については特に限定はない。
この真空チャンバー21内に搭載されている搬送手段は、巻出ロール22から巻き出してキャンロール26を経由させてから巻取ロール30で巻き取るまでのロールツーロールの搬送経路に沿って長尺状の被成膜物Fを搬送させる各種のロール群からなり、具体的には、巻出ロール22からキャンロール26までの搬送経路には、被成膜物Fを案内するフリーロール23、被成膜物Fの張力の測定を行う張力センサロール24、及び該張力センサロール24から送り出される被成膜物Fをキャンロール26に導入する、モータ駆動のフィードロール25がこの順に配置されている。
キャンロール26から巻取ロール30までの搬送経路にも、上記と同様に、モータ駆動のフィードロール27、被成膜物Fの張力測定を行う張力センサロール28、及び被成膜物Fを案内するフリーロール29がこの順に配置されている。キャンロール26の外周面に対向する位置には、被成膜物Fの搬送経路に沿って、成膜手段としての板状のマグネトロンスパッタリングカソード31〜34がこの順に配置されている。これにより、被成膜物Fに対する熱負荷のかかるスパッタリング成膜処理を、当該被成膜物Fをキャンロール26の外周面に巻き付けて冷却しながら施すことができる。
キャンロール26の直ぐ上流側及び下流側にそれぞれ設けられたフィードロール25及び27は、キャンロール26の周速度に対する調整を行えるようにモータで回転駆動可能な構成にすることが好ましい。また、巻出ロール22は、パウダークラッチ等によるトルク制御を用いて被成膜物Fの張力バランスを保つような構成にするのが好ましい。これにより、張力調整されながら巻き出された被成膜物Fを、キャンロール26に連動して回転するフィードロール25及び27によってキャンロール26の外周面に密着させることができ、熱負荷のかかる乾式めっき処理に際して被成膜物Fをより確実に冷却することができる。成膜処理後の被成膜物Fは、モータ駆動の巻取ロール30により巻き取られる。
上記の成膜装置20で被成膜物Fに施す乾式めっき処理は、上記のスパッタリング法のみに限定されるものでなく、例えばスパッタリング法に替えて、CVD(化学蒸着)、イオンプレーティング、真空蒸着などの他の真空成膜法であってもよいし、これら成膜法のいずれかとスパッタリング法とを併用してもよい。なお、スパッタリング法以外の他の真空成膜方法を用いる場合は、マグネトロンスパッタリングカソード31〜34の一部又は全部を他の真空成膜手段に代替させることになる。また、上記の真空チャンバー21には、例えば巻出ロール22から巻き出されたプラスチックフィルムの水分を除去するヒーター等を、プラスチックフィルムの搬送経路に沿って設置してもよい。
次に、上記の連続成膜装置20を用いて、プラスチックフィルム11の両面に乾式めっき法により金属シード層12A、12B及び第1金属層13A、13Bを成膜する方法について説明する。なお、この図2に示す連続成膜装置20では、先ずプラスチックフィルム11の一方の面に同じ真空室内で金属シード層12A及び第1金属層13Aを連続的に成膜処理して巻取ロールで巻き取った後、この片面成膜後のプラスチックフィルム11を巻取ロールから外して巻出ロールに再度取り付け、他方の面に同じ真空室内で金属シード層12B及び第1金属層13Bを連続的に成膜処理することで両面に成膜するものである。
具体的に説明すると、先ず巻出ロール22に長尺状のプラスチックフィルム11を装着し、その先端部を引出し、搬送経路を経て巻取ロール30に取り付け、キャンロール26の内部に図示しない冷却装置等で温度調節された冷却水を循環させる。そして、マグネトロンスパッタリングカソード31に、金属シード層12A、12Bに対応した組成を有する金属シード層用ターゲットを装着し、マグネトロンスパッタリングカソード32〜34に第1金属層13A、13に対応した組成を有する第1金属層用ターゲットを装着する。
次いで、真空チャンバー21内を図示しない排気手段によって排気して真空チャンバー21内を到達圧力10−4Pa程度まで減圧した後、図示しない気体供給手段により、スパッタリングガスを導入して真空チャンバー21内を0.1Pa以上10Pa以下程度に圧力調整する。なお、スパッタリングガスとしては、アルゴンなどの不活性ガスを好適に使用することができ、目的に応じて、更に酸素などのガスを添加することもできる。
この状態で、モータ駆動のロールを起動させてプラスチックフィルム11をロールツーロールで搬送させながら、マグネトロンスパッタリングカソード31〜34に電圧を印加することで、プラスチックフィルムの片面に金属シード層12Aと第1金属層13Aとを成膜する。成膜完了後は、片面に成膜されたプラスチックフィルム11を巻取ロール30から外して再度巻出ロール22に装着し、上記と同様にしてプラスチックフィルムのもう片方の面に金属シード層12Bと第1金属層13Bとを成膜する。
これによりプラスチックフィルム11の両面に金属シード層12A、12B及び第1金属層13A、13Bを成膜することができる。このようにして連続成膜装置20によって両面に乾式めっきで成膜されたプラスチックフィルム11は、次に前述した第2金属層成膜工程の湿式めっきにより、第1金属層13A、13Bの上にそれぞれ第2金属層14A、14Bが成膜される。この第2金属層成膜工程においては、生産性の観点から、プラスチックフィルム11の両面側に同時に第2金属層14A、14Bを成膜するのが好ましい。すなわち、プラスチックフィルム11の一方の面上に成膜された第1金属層13Aの上の第2金属層14Aの成膜と、プラスチックフィルム11の他方の面上に成膜された第1金属層13Bの上の第2金属層14Bの成膜とが同時並行的に行われるのが好ましい。
上記の第2金属層成膜工程において行われる湿式めっき法による第2金属層14A、14Bの具体的な成膜条件等については特に限定はないが、例えば、図3に示す連続電解めっき装置40を用いることで、プラスチックフィルム11の両面側に第2金属層14A、14Bを同時に成膜することができる。この場合のめっき液の種類等のめっき条件については、第2金属層14A、14Bを構成する材料等に応じて適宜選択することができる。なお、図3は、上記の連続成膜装置20で作製された両面金属積層前駆体板F1の搬送方向に平行な鉛直面で連続電解めっき装置40を切断した場合の断面図を示している。
具体的に説明すると、この連続電解めっき装置40は、プラスチックフィルム11の両面に金属シード層12A、12B及び第1金属層13A、13Bがこの順に成膜された両面金属積層前駆体板F1を巻き出す巻出ロール41と、めっき液が満たされためっき液槽42と、めっき液槽42の内部に互いに平行に配置されたアノード(陽極)43a〜43pと、めっき液槽42の内部にあって両面金属積層前駆体板F1の搬送方向を上下反転させる浸漬ロール44a〜44dと、めっき液槽42の液面より上方にあって、両面金属積層前駆体板F1に電力を給電する給電ロール45a〜45eと、両面金属積層前駆体板F1に電気めっき処理を施すことで得られる両面金属積層板F2を巻取る巻取ロール46とを備えている。
これら巻出ロール41、浸漬ロール44a〜44d、給電ロール45a〜45e、及び巻取ロール46によって構成される搬送手段により、長尺状の両面金属積層前駆体板F1は、その幅方向を水平に保ったままロールツーロール方式で搬送され、その間、めっき液槽42内のめっき液への複数回(図3では4回)の浸漬及び該めっき液からの引き上げが行われる。そして、めっき液に浸漬している間に、給電ロールと、その近傍に位置するアノードとによって構成される電気めっき回路により電気めっきが行われる。
すなわち、給電ロール45aとアノード43a、43bとによって第1の電気めっき回路が構成され、給電ロール45bとアノード43c〜43fとによって第2の電気めっき回路が構成され、給電ロール45cとアノード43g〜43jとによって第3の電気めっき回路が構成され、給電ロール45dとアノード43k〜43nとによって第4の電気めっき回路が構成され、給電ロール45eとアノード43o、43pとによって第5の電気めっき回路が構成される。これら電気めっき回路の各々への給電は、個別に制御されるのが好ましく、これにより、両面金属積層前駆体板F1がめっき液に浸漬される度に異なる条件でめっき処理を行うことが可能になる。なお、図3では簡単のため給電ロール45a〜45eが各々1個のロールで図示されているが、実際は各々連続する3個のロールで構成されており、両面金属積層前駆体板F1は片面ずつ交互にこれら3個のロールの外周面に接触するようになっている。
アノード(陽極)43a〜43pの種類については特に限定はなく、めっき液槽42内で使用するめっき液等に応じて適宜選択することができ、例えば、可溶性アノードや不溶性アノードを用いることができる。また、めっき液槽42内で使用するめっき液は、第2金属層14A、14Bの組成に応じて適宜選択することができ、例えば硫酸銅めっき浴(光沢浴)等の各種銅めっき液を用いることができる。めっき液として硫酸銅めっき液を用いる場合、硫酸銅めっき液は、硫酸銅、硫酸、微量の塩素イオン及び各種添加剤等を含有することができ、その組成は目的に応じて適宜選択することができる。この硫酸銅めっき液を用いた電気めっきでは、めっき液中で還元した銅イオンが両面金属積層前駆体板F1の金属シード層の上に堆積していき、めっき条件を調整することで所望の膜厚を有する銅層を容易に形成することができる。
ところで、前述した銅導電層のパターニング加工の際の減膜処理による寸法変化は、めっき皮膜に生じた内部応力がエッチングにより開放されることで生じるため、寸法変化率の大きさはめっき皮膜の内部応力に依存する。このめっき皮膜の内部応力は、特に湿式めっきの過程でめっき皮膜に取り込まれる不純物の量や、析出する銅の結晶粒の大きさの影響を受けやすい。これら不純物の量や結晶粒径は、めっき液の組成やめっき液中の不純物の量のほか、めっき処理時の電流密度の影響を受ける。めっき液の組成を変更することは品質に影響を及ぼすため容易でないことが多く、また不純物の量もコントロールすることは容易ではない。これに対してめっき処理時の電流密度は、めっき皮膜の内部応力を比較的容易にコントロールすることができる。
一般に電流密度が高い程めっき皮膜中に取り込まれる不純物の量が少なくなり、結晶粒の大きさも大きくなると言われており、配線材料としては銅の抵抗は低い方が適していることから電流密度は高い方が有利と言える。また、生産性の観点から見ても電流密度は高い方が好ましい。よって、電流密度が高い領域で減膜処理後の寸法変化率が小さく安定していることが望ましい。この観点から検討したところ、電流密度を0.6〜8A/dmの範囲に抑えるのが好ましく、形成しためっき皮膜の密着性を考慮すると1〜4A/dmの範囲内がより好ましい。特に1〜4A/dmの範囲内で1.7μm以上2.3μm以下の銅金属層を成膜し、化学研磨により金属層の膜厚を0.2μm以上0.9μm以下の範囲まで減膜することが好ましく、これにより両面金属積層板の寸法変化率を、MDは−0.01%以上0.01%以下、TDは0.00%以上0.02%以下の範囲内に確実に抑えることができる。
図1に示すような両面金属積層板を作製し、その両面を減膜処理したときのMDとTDの寸法変化率を測定して寸法安定性を評価した。具体的には、先ず基材となるプラスチックフィルムとして、幅0.5m×長さ1000m×厚さ35μmのポリイミドフィルムであるユーピレックス35CV1(宇部興産株式会社製)をロール状に巻いたものを用意し、これを図2に示すような成膜装置20の巻出ロール22に装着した。カソード31にはNi−20%Cr合金層からなるターゲットを設置し、カソード32〜34には銅からなるターゲットを設置した。キャンロール26の内部には、冷却装置で温度調整した冷却水を循環した。
次に、真空チャンバー21内を先ず1×10−4Pa以下になるまで真空引きした後、該真空チャンバー21内にアルゴンガスを導入することで真空チャンバー21内の圧力を0.3Paに維持した。この状態で、プラスチックフィルムをロールツーロールで搬送してその一方の面に金属シード層及び第1金属層を連続的に成膜した。片面成膜後はプラスチックフィルムを巻取ロール30から外して再度巻出ロール22に装着し、もう一方の面に対して上記と同様に金属シード層及び第1金属層を連続的に成膜した。なお、これら金属シード層及び第1金属層を成膜する前には、図2には図示しないヒーターによりプラスチックフィルムを加熱し、ほぼ絶乾状態になるようにした。これにより、該フィルムの各面に膜厚30nmのNi−20%Cr合金層からなる金属シード層と、膜厚0.1μmの銅層からなる第1金属層とを成膜した。
次いで、めっき液に硫酸銅めっき液を用いた電解めっき法によって、上記にて成膜したプラスチックフィルムの両面の第1金属層の上に、第2金属層として各膜厚2μmの銅層を両面同時に成膜した。なお、第2金属層の成膜には図3に示すような連続電解めっき装置40を用いたが、電気めっき回路の数は図3の4個に代えて18個にした。第2金属層を成膜する際、これら18個の電気めっき回路の電流密度を下記表1に示すように様々に変えて試料1〜12の両面金属積層板を作製した。例えば試料1では、最も上流側に位置する電気めっき回路の電流密度を0.6A/dmとし、下流側になるに従って少しずつ電流密度を高くしていき、最下流に位置する電気めっき回路の電流密度を3.2A/dmとした。試料2〜5においても上流側から下流側に向かうに従って徐々に電流密度を高くしていったが、試料6は電流密度の上昇をわずかな値に留め、試料7〜12では上流側から下流側まで同じ電流密度を維持した。
得られた試料1〜12の両面金属積層板の各々に対して、IPC−TM−650に準拠して寸法変化率の測定を行った。すなわち、先ず各試料の両面金属積層板を、23℃、相対湿度55%の雰囲気内で24時間調湿してからMDとTDの初期寸法(I)を測定した。次に、各試料の両面金属積層板の両面の金属層を化学研磨により各膜厚を下記表1に示す膜厚まで減膜処理した。この減膜処理には、菱江化学株式会社製の硫酸及び過酸化水素系のエッチング液CPE−750を10%まで希釈した23℃の溶液を用いた。
次に、減膜処理後の各試料の両面金属積層板を23℃、相対湿度55%の雰囲気内で24時間調湿してから再度MDとTDの減膜後寸法(A)を測定した。そして、これら初期寸法I及び減膜後寸法Aから前述した式1より減膜処理による寸法変化率を算出した。なお、この場合の寸法変化率は、収縮はマイナス値で、伸張がプラス値で表されることになる。試料1〜12の両面金属積層板のMD及びTDの寸法変化率を電気めっき時の電流密度と共に下記表1及び図4に示す。
Figure 2019038136
上記表1及び図4より、電流密度0.6〜8.0A/dmの範囲においてMDは−0.01%以上0.01%以下、TDは0.00%以上0.02%以下の範囲内に抑えることができた。一方、電流密度0.5A/dm以下の電流密度では上記の寸法変化率の範囲内に抑えることができなかった。
10 両面金属積層板
11 プラスチックフィルム
12A、12B 金属シード層
13A、13B 第1金属層
14A、14B 第2金属層
F 被成膜物
20 連続成膜装置
21 真空チャンバー
22 巻出ロール
23、29 フリーロール
24、28 張力センサロール
25、27 フィードロール
26 キャンロール
30 巻取ロール
31〜34 マグネトロンスパッタリングカソード
F1 両面金属積層前駆体板
40 連続電解めっき装置
41 巻出ロール
42 めっき液槽
43a〜43p アノード(陽極)
44a〜44d 浸漬ロール
45a〜45e 給電ロール
46 巻取ロール

Claims (9)

  1. プラスチックフィルムと、前記プラスチックフィルムの両面に直接成膜された金属シード層と、前記両面の金属シード層の上に成膜された金属層とを有する両面金属積層板であって、化学研磨により前記金属層の各膜厚を0.2μm以上0.9μm以下の範囲内にまで減膜した時の両面金属積層板の寸法変化率が、MDにおいて−0.01%以上0.01%以下、TDにおいて0.00%以上0.02%以下の範囲内であることを特徴とする両面金属積層板。
  2. 前記プラスチックフィルムがポリイミドからなることを特徴とする、請求項1に記載の両面金属積層板。
  3. 前記プラスチックフィルムの厚さが25μm以上38μm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の両面金属積層板。
  4. 前記金属シード層がNi−Cr合金からなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の両面金属積層板。
  5. 前記金属シード層の膜厚が2nm以上30nm以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の両面金属積層板。
  6. 前記金属層が、第1金属層と、前記第1金属層の面上に成膜された第2金属層とを有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の両面金属積層板。
  7. 前記第1金属層の膜厚が、10nm以上300nm以下であることを特徴とする、請求項6に記載の両面金属積層板。
  8. 前記金属シード層及び前記第1金属層の合計膜厚が350nm以下であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の両面金属積層板。
  9. プラスチックフィルムの両面上に乾式めっき法により金属シード層及び第1金属層を成膜した後、前記第1金属層の面上に湿式めっき法により第2金属層を成膜する両面金属積層板の製造方法であって、前記湿式めっき法における電流密度を調整することで化学研磨により前記金属層の各膜厚を0.2μm以上0.9μm以下の範囲まで減膜させた時の両面金属積層板の寸法変化率を、MDは−0.01%以上0.01%以下、TDは0.00%以上0.02%以下の範囲にすることを特徴とする両面金属積層板の製造方法。
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