JP2019021487A - 圧縮接続部材の組立部品、送電線の圧縮接続構造、及び圧縮接続部材の施工方法 - Google Patents

圧縮接続部材の組立部品、送電線の圧縮接続構造、及び圧縮接続部材の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型化することなく、心線部を内部に収納する心線部圧縮部材を直接圧縮しても心線部が圧壊せずに高い抗張力が得られる圧縮接続部材の組立部品を提供する。【解決手段】カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を接続対象に接続する圧縮接続部材の組立部品であって、心線部の端部を収納する収納穴と、心線部と共に圧縮される圧縮部と、圧縮部よりも収納穴の底側に形成されて心線部と共に圧縮されない非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、導電部及び心線部圧縮部材と共に圧縮される導電部圧縮部材とを備え、収納穴は、心線部圧縮部材の先端から非圧縮部に亘って連続して形成され、非圧縮部における収納穴の長さは、圧縮部を開口端側から圧縮した際の心線部圧縮部材の軸方向への伸び代以上の長さである圧縮接続部材の組立部品。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮接続部材の組立部品、送電線の圧縮接続構造、及び圧縮接続部材の施工方法に関する。
架空送電線として、鋼線材を撚り合わせてなる鋼心の外周に複数のアルミニウム(Al)線が撚り合わされてなる鋼心アルミより線(ACSR:Aluminium Conductor Steel Reinforced)が用いられている。ACSRは、その端部を段剥ぎして露出させた鋼心を内部に収納して圧縮接続する鋼スリーブ(心線部圧縮部材)と、鋼スリーブ及びAl線を内部に収納して圧縮接続するAlスリーブ(導電部圧縮部材)とを備える圧縮形引留クランプ(圧縮接続部材)により鉄塔の碍子に引留められる(例えば、特許文献1)。
ACSRは、通電時のAl線の温度上昇に伴い、鋼線材が高温となり熱膨張することで、弛みが大きくなる。ACSRよりも熱膨張し難く弛み難い送電線として、鋼心に代えてCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)ストランドを用いたカーボンファイバ心アルミより線がある。即ち、カーボンファイバ心アルミより線は、CFRPストランドの外周に複数のAl線が撚り合わされて構成される。CFRPストランドは、炭素繊維と樹脂とを用いて構成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の素線が複数撚り合わされて構成される。
特開2000−278848号公報
カーボンファイバ心アルミより線のCFRPストランドなどは、ACSRの鋼線材に比較して、熱膨張し難くて弛み難いものの圧縮に弱い。そのため、カーボンファイバ心アルミより線を鉄塔に引留めるために、ACSRと同様にして、鋼スリーブでCFRPストランドを圧縮接続することが難しい。鋼スリーブは、通常、CFRPストランドの端部を鋼スリーブの内部に収納する収納穴の開口側とは反対側(底側)から開口側に向かって複数回に分けて圧縮される。そのため、一回当たりの圧縮幅と鋼スリーブの合計圧縮長との関係によっては、CFRPストランドを鋼スリーブで圧縮接続した際、鋼スリーブの開口端側は圧縮状態を一定に保ち難いことがあり、CFRPストランドが圧壊して把持力が低下して、十分な抗張力が得られなくなるからである。
そこで、大型化することなく、心線部を内部に収納する心線部圧縮部材を直接圧縮しても心線部が圧壊せずに高い抗張力が得られる圧縮接続部材の組立部品を提供することを目的の一つとする。
また、圧縮接続部材の組立部品を用いて送電線を接続した送電線の圧縮接続構造を提供することを目的の一つとする。
更に、圧縮接続部材の組立部品を用いて送電線を接続する圧縮接続部材の施工方法を提供することを目的の一つとする。
本開示に係る圧縮接続部材の組立部品は、
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を接続対象に接続する圧縮接続部材の組立部品であって、
前記心線部の端部を内部に収納する収納穴と、前記心線部の端部と共に圧縮される圧縮部と、前記圧縮部よりも前記収納穴の底側に形成されて前記心線部の端部と共に圧縮されない非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材を内部に収納し、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と共に圧縮される導電部圧縮部材とを備え、
前記収納穴は、前記心線部圧縮部材の先端から前記非圧縮部に亘って連続して形成され、
前記非圧縮部における前記収納穴の長さは、前記圧縮部を前記開口端側から圧縮した際の前記心線部圧縮部材の軸方向への伸び代以上の長さである。
本開示に係る送電線の圧縮接続構造は、
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線と、
前記導電部から前記心線部が露出された前記送電線の端部を圧縮してその端部と接続対象とを接続した圧縮接続部材とを備える送電線の圧縮接続構造であって、
前記圧縮接続部材は、
前記心線部の端部を把持する圧縮部と、前記圧縮部よりも前記心線部の先端側で、前記心線部の先端が挿通されない空隙部を形成する非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記心線部の端部を把持した前記心線部圧縮部材と共に前記導電部の端部を把持する導電部圧縮部材とを備える。
本開示に係る圧縮接続部材の施工方法は、
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を、圧縮接続部材の組立部品を用いて接続対象に接続する圧縮接続部材の施工方法であって、
前記圧縮接続部材の組立部品として請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮接続部材の組立部品を準備する準備工程と、
前記送電線の端部を段剥ぎして露出させた前記心線部の端部を前記心線部圧縮部材の前記収納穴の底にまで収納し、前記心線部圧縮部材の前記圧縮部を前記開口端側から複数回に分けて圧縮して、前記心線部の端部と前記心線部圧縮部材とを接続する心線部接続工程と、
前記導電部の端部及び前記心線部の端部が接続された前記心線部圧縮部材を前記導電部圧縮部材の内部に収納し、前記導電部圧縮部材を圧縮して、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と前記導電部圧縮部材とを接続する導電部接続工程とを備える。
上記圧縮接続部材の組立部品は、大型化することなく、心線部を内部に収納する心線部圧縮部材を直接圧縮しても心線部が圧壊せずに高い抗張力が得られる。
上記送電線の圧縮接続構造は、大型化することなく、送電線と圧縮接続部材との接合強度が高い。
上記圧縮接続部材の施工方法は、大型化することなく、送電線と圧縮接続部材との接合強度が高い送電線の圧縮接続構造を形成できる。
実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品の概略を示す部分断面図である。 実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品に備わる心線部圧縮部材の概略を示す部分断面図である。 実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造の概略を示す部分断面図である。 左右の上図は、実施形態1に係る圧縮接続部材の施工方法の概略を説明する工程説明図であり、左右の中図及び下図は、施工方法の比較例を示す模式図である。 実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品の概略を示す部分断面図である。 実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品に備わる心線部圧縮部材の概略を示す部分断面図である。 実施形態2に係る送電線の圧縮接続構造の概略を示す部分断面図である。 左右の上図は、実施形態2に係る圧縮接続部材の施工方法の概略を説明する工程説明図であり、左右の中図及び下図は、施工方法の比較例を示す模式図である。 実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品の概略を示す部分断面図である。 実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品に備わる心線部圧縮部材の概略を示す部分断面図である。 実施形態3に係る送電線の圧縮接続構造の概略を示す部分断面図である。 左右の上図は、実施形態3に係る圧縮接続部材の施工方法の概略を説明する工程説明図であり、左右の中図及び下図は、施工方法の比較例を示す模式図である。
《本発明の実施形態の説明》
本発明者らは、心線部圧縮部材の圧縮部における収納穴の開口側端部での圧縮状態を一定に保って、圧縮部の開口側端部での圧壊を抑制し易くすることを鋭意検討した。その結果、圧縮順序が通常の正圧縮とは逆の逆圧縮することで、圧縮部の開口側端部での圧縮状態を一定に保つことができるとの知見を得た。正圧縮とは、収納穴の底側から開口側に向かう順に複数回に分けて圧縮部を圧縮することをいう。一方、逆圧縮とは、収納穴の開口側から底側に向かう順に複数回に分けて圧縮部を圧縮することをいう。逆圧縮することで、1回目に圧縮部の開口側端部を圧縮できる。圧縮部の開口側端部を最初に圧縮することで、圧縮部の開口側端部で心線部は一定に圧縮されて心線部に過度な圧縮力が作用することを抑制でき、圧縮部の開口側端部での心線部の圧壊を抑制できる。
しかし、逆圧縮すると、正圧縮した場合に比較して、圧縮後の心線部圧縮部材の軸方向に沿った長さが長くなり、圧縮後の送電線の圧縮接続構造が大型化することがわかった。
要求特性として「把持長≧必要把持長」の関係を満たすことが挙げられる。把持長とは、圧縮後に心線部圧縮部材が心線部を把持する長さという。必要把持長とは、所定の抗張力を得るのに必要な最小の把持長をいう。収納穴の内部の心線部は、正・逆圧縮のいずれであっても、圧縮部の圧縮によって軸方向に沿って実質的に伸びない。正圧縮の場合、圧縮に伴う心線部圧縮部材の伸びは先端側(収納穴の開口側)に生じるため、圧縮部には常に心線部が内挿された状態となる。そのため、圧縮前の圧縮部の長さが必要把持長よりも短くても、圧縮後に必要把持長を得ることができる。これに対し、逆圧縮の場合、圧縮に伴う心線部圧縮部材の伸びは後端側(収納穴の底側)に生じるため、圧縮に伴って圧縮部には心線部が内挿されない空隙部が生じる。そのため、圧縮前の圧縮部の長さで必要把持長を確保できていなければ、圧縮後に必要把持長を得ることができないからである。
そこで、圧縮部の逆圧縮前の長さが、圧縮部の正圧縮前の長さよりも長くなることなく、上記要求特性を満たす心線部圧縮部材を鋭意検討した。その結果、詳しくは後述する試験例1で説明するが、収納穴を心線部圧縮部材の先端から圧縮部よりも後端側の非圧縮部に亘って形成し、その非圧縮部における収納穴の長さを特定の長さとすることで、圧縮部の逆圧縮前の長さが、圧縮部の正圧縮前の長さよりも長くなることなく、上記要求特性の関係を満たすことができる、との知見を得た。
本発明は、これらの知見に基づくものである。最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る圧縮接続部材の組立部品は、
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を接続対象に接続する圧縮接続部材の組立部品であって、
前記心線部の端部を内部に収納する収納穴と、前記心線部の端部と共に圧縮される圧縮部と、前記圧縮部よりも前記収納穴の底側に形成されて前記心線部の端部と共に圧縮されない非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材を内部に収納し、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と共に圧縮される導電部圧縮部材とを備え、
前記収納穴は、前記心線部圧縮部材の先端から前記非圧縮部に亘って連続して形成され、
前記非圧縮部における前記収納穴の長さは、前記圧縮部を前記開口端側から圧縮した際の前記心線部圧縮部材の軸方向への伸び代以上の長さである。
上記の構成によれば、上記収納穴を備えることで、圧縮前の圧縮部の長さが上記必要把持長よりも短くて、圧縮部を収納穴の開口側から底側に向かって複数回に分けて圧縮(逆圧縮)しても、上記必要把持長を得ることができる。そのため、心線部圧縮部材の圧縮後の長さが長くなり難いので、送電線の圧縮接続構造が大型化し難い。その上、逆圧縮することで、1回目に圧縮部の開口側端部を圧縮できるため、圧縮部の開口側端部での圧縮状態を一定に保つことができる。それにより、圧縮部の開口側端部で心線部は一定に圧縮されて心線部に過度な圧縮力が作用することを抑制でき、圧縮部の開口側端部での心線部の圧壊を抑制できる。従って、心線部圧縮部材を直接圧縮しても高い抗張力が得られる。
(2)上記圧縮接続部材の組立部品の一形態として、前記収納穴は、その全長に亘って一様な内径を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、収納穴の形成が容易である。
(3)上記圧縮接続部材の組立部品の一形態として、収納穴の横断面形状は、円形であることが挙げられる。
上記の構成によれば、心線部を収納穴に収納し易い。また、収納穴の形成が容易である。
(4)本発明の一態様に係る送電線の圧縮接続構造は、
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線と、
前記導電部から前記心線部が露出された前記送電線の端部を圧縮してその端部と接続対象とを接続した圧縮接続部材とを備える送電線の圧縮接続構造であって、
前記圧縮接続部材は、
前記心線部の端部を把持する圧縮部と、前記圧縮部よりも前記心線部の先端側で、前記心線部の先端が挿通されない空隙部を形成する非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
前記心線部の端部を把持した前記心線部圧縮部材と共に前記導電部の端部を把持する導電部圧縮部材とを備える。
上記の構成によれば、大型化することなく、送電線と圧縮接続部材との接合強度が高い。非圧縮部の内部に上記空隙部が形成されていることから、施工過程では、心線部の端部を収納する収納穴が非圧縮部にまで亘って形成される心線部圧縮部材を用いている。この心線部圧縮部材の圧縮部の長さは、詳しくは後述の実施形態で説明するが、上記必要把持長よりも短くても、逆圧縮後に上記必要把持長を得ることができる。そのため、逆圧縮後の心線部圧縮部材の長さが過度に長くなり過ぎない。その上、逆圧縮しているため、圧縮部の開口側端部で心線部に過度な圧縮力が作用することを抑制できる。それにより、圧縮部の開口側端部における心線部の圧壊を抑制できて心線部と心線部圧縮部材とを強固に接続できる。
(5)上記送電線の圧縮接続構造の一形態として、
前記圧縮部は、その軸方向に並列して形成される3つ以上の圧縮痕を備え、
前記圧縮部における隣り合う前記圧縮痕同士の間隔は、前記心線部圧縮部材の先端側が最も長いことが挙げられる。
上記の構成によれば、送電線と圧縮接続部材との接合強度が高い。圧縮部の開口側端部で心線部が圧壊することなく送電線を圧縮接続部材で接続できているからである。圧縮痕同士の間隔のうち圧縮部の開口側の間隔が最も長いことから、施工過程での圧縮部の圧縮をその開口側から行っている。そのため、施工過程で、圧縮部の開口側端部で心線部に過度な圧縮力が作用することを抑制して、圧縮部の開口側端部での心線部の圧壊を抑制している。
(6)本発明の一態様に係る圧縮接続部材の施工方法は、
カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を、圧縮接続部材の組立部品を用いて接続対象に接続する圧縮接続部材の施工方法であって、
前記圧縮接続部材の組立部品として請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮接続部材の組立部品を準備する準備工程と、
前記送電線の端部を段剥ぎして露出させた前記心線部の端部を前記心線部圧縮部材の前記収納穴の底にまで収納し、前記心線部圧縮部材の前記圧縮部を前記開口端側から複数回に分けて圧縮して、前記心線部の端部と前記心線部圧縮部材とを接続する心線部接続工程と、
前記導電部の端部及び前記心線部の端部が接続された前記心線部圧縮部材を前記導電部圧縮部材の内部に収納し、前記導電部圧縮部材を圧縮して、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と前記導電部圧縮部材とを接続する導電部接続工程とを備える。
上記の構成によれば、特定の長さの収納穴を有する心線部圧縮部材を用いることで、圧縮前の圧縮部の長さが上記必要把持長よりも短くても、逆圧縮後の心線部圧縮部材の長さが長くなり難いため、送電線の圧縮接続構造が大型化し難い。
また、上記の構成によれば、逆圧縮することで、圧縮部の開口側端部での心線部の圧縮状態を一定に保ち易い。そのため、圧縮部を収納穴の底側から圧縮する場合に比較して、圧縮部の開口側端部での心線部の損傷を抑制し易い。その上、軸方向に複数回に分けて圧縮することで、心線部の損傷を抑制し易い。軸方向の分割数を多くするほど、各圧縮幅を小さくできて、心線部の損傷を抑制し易い。各圧縮幅が小さいほど、各圧縮における心線部圧縮部材の変形度合いが小さく、心線部圧縮部材の軸方向への伸びが短い。そのため、心線部圧縮部材の変形による心線部の軸方向に作用する力を小さくできる。従って、送電線と圧縮接続部材との接合強度の高い送電線の圧縮接続構造を構築し易い。
(7)上記圧縮接続部材の施工方法の一形態として、前記心線部接続工程での圧縮率が、5%以上15%以下であることが挙げられる。
圧縮率が5%以上であれば、心線部と心線部圧縮部材とを十分に接続できる。圧縮率が15%以下であれば、心線部に作用する圧縮力が過度に大きくなりすぎず、心線部の圧壊を抑制し易い。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。実施形態での説明は、圧縮接続部材の組立部品、送電線の圧縮接続構造、圧縮接続部材の施工方法の順に行う。
《実施形態1》
〔圧縮接続部材の組立部品〕
主に図1、図2(適宜図3、図4の左右の上図)を参照して、実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aを説明する。図1、図2の圧縮接続部材の組立部品1Aは、圧縮前の状態を示している。圧縮接続部材の組立部品1Aは、送電線9を接続対象に接続する。送電線9の接続対象は、鉄塔の碍子や他の送電線(本線)が挙げられ(いずれも図示略)、圧縮接続部材の組立部品1Aの種類は、送電線9の接続対象によって適宜選択できる。圧縮接続部材の組立部品1Aは、送電線9の接続対象が鉄塔の碍子の場合、圧縮形引留クランプが挙げられ、送電線9の接続対象が他の送電線の場合、圧縮形直線スリーブが挙げられる。本例では、圧縮接続部材の組立部品1Aは、送電線9と鉄塔との間に配置され、送電線9を鉄塔の碍子に接続する圧縮形引留クランプを例に説明する。
本例の圧縮接続部材の組立部品1Aは、送電線9の本線91を把持するL字状のクランプ本体2と、ジャンパ線95を把持し、クランプ本体2の本体側接合部6(後述)に電気的かつ機械的に接続されるジャンパソケット7とを備える圧縮形引留クランプである。この接続により、本線91とジャンパ線95とは電気的に接続される。本線91は、カーボンファイバを主体とする複数(ここでは7本)の素線921が撚り合わされた心線部92と、アルミニウム(Al)を主体とする複数の素線931が心線部92の外周に撚り合わされた導電部93とを備える(代表的には、カーボンファイバ心アルミより線)。ジャンパ線95は、Alより線で構成できる。クランプ本体2は、心線部92の端部を圧縮接続する心線部圧縮部材4と、導電部93の端部を圧縮接続する導電部圧縮部材5とを備える。圧縮接続部材の組立部品1Aの特徴の一つは、心線部圧縮部材4の内部に心線部92の端部を収納する収納穴47を、心線部圧縮部材4の先端から特定の領域に亘って形成し、その特定の領域における収納穴47の長さを特定の長さとする点にある。以下、詳細に説明する。
[クランプ本体]
クランプ本体2は、本線91と共に圧縮されて本線91を把持する圧縮把持部3と、ジャンパソケット7に接続される本体側接合部6とを備える(図1)。
(圧縮把持部)
圧縮把持部3は、内側から順に心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを備える。
〈心線部圧縮部材〉
心線部圧縮部材4は、心線部92の端部を把持する。心線部圧縮部材4は、単一の部材で構成されていてもよいし、複数の部材で構成されていてもよい。ここでは、心線部圧縮部材4は、心線部92の端部を内部に収納する内側パイプ41と、内側パイプ41と共に心線部92の端部を内部に収納する外側スリーブ42とを備える。心線部圧縮部材4は、内側パイプ41を備えず、外側スリーブ42のみで構成してもよい。
・内側パイプ
内側パイプ41は、外側スリーブ42を圧縮した際、心線部92の圧壊を抑制すると共に、心線部92と外側スリーブ42とを接続する。内側パイプ41は、その内部に心線部92を収納する円筒状部材であり、その周方向に切れ目なく連続している。内側パイプ41が、その周方向に切れ目なく連続していることで、外側スリーブ42への圧縮力が外側スリーブ42を介して内側パイプ41に作用した際、その圧縮力を緩和しつつ変形して心線部92を圧壊させることなく心線部92のより溝に入り込み易い。内側パイプ41は、軸方向に内径及び外径の一様な内周面及び外周面を有する。
内側パイプ41の材質は、ビッカース硬さHvが30以下の純アルミニウム(Al)、又はAl合金が好ましい。内側パイプ41のビッカース硬さHvが30以下であることで、外側スリーブ42を圧縮した際に、内側パイプ41は外側スリーブ42を介して変形し易い。そのため、内側パイプ41は、その圧縮力の心線部92への作用を緩和し易い上に、心線部92に密着し易い。内側パイプ41を純Al又はAl合金で構成することで、内側パイプ41への圧縮力の作用により、心線部92を強固に把持できる程度の適当な加工硬化が得られ易い。従って、外側スリーブ42を直接圧縮しても心線部92が圧壊することなく、心線部92と外側スリーブ42とを接続できて高い抗張力が得られる。
ビッカース硬さHvの下限値は特に限定されないが、実用的には15以上が好ましい。内側パイプ41のビッカース硬さHvが15以上であれば、外側スリーブ42を圧縮した際に、内側パイプ41の過度な変形を抑制し易い。そのため、内側パイプ41の過度な変形に伴う心線部92の損傷を抑制し易い。ビッカース硬さHvは、例えば15以上25以下が特に好ましい。純Alは、Al含有量が99.0質量%以上であり、「JIS H 4000(2014) アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条」で規定される1000系、例えば、A1050、A1070、A1100の質別OやH14などやこれらに熱処理したものが挙げられる。Al合金は、例えば、A5052,A6061,A6063などに熱処理を施したものが挙げられる。
内側パイプ41は、外側スリーブ42を圧縮した際、その圧縮力により外側スリーブ42を介して変形することで、その圧縮力の心線部92への作用を緩和でき、心線部92の圧壊を抑制する。その上、内側パイプ41は、その変形により心線部92のより溝に入り込むことで、内側パイプ41と心線部92との間の隙間を埋めて心線部92に密着できる。そのため、内側パイプ41は、心線部92と機械的により強固な結合状態を実現できる。従って、高い抗張力が得られる。その上、内側パイプ41は、送電線9の引張力に対して十分な抗張力を確保できる程度に加工硬化することが期待される。
内側パイプ41の厚さは、心線部92における素線921の直径の1/2倍以上3/2倍以下が好ましい。内側パイプ41の厚さを素線921の直径の1/2倍以上とすれば、外側スリーブ42を圧縮して内側パイプ41を変形させた際、変形した内側パイプ41で心線部92のより溝を埋め易く、心線部92と内側パイプ41との間の隙間を埋め易い。内側パイプ41の厚さを素線921の直径の3/2倍以下とすれば、外側スリーブ42を圧縮した際に内側パイプ41を変形させ易い。その上、内側パイプ41が過度に厚くなりすぎず、圧縮接続部材の組立部品1Aの大型化を抑制できる。内側パイプ41の厚さは、素線921の直径の1/2倍以上1倍以下が特に好ましい。内側パイプ41の厚さは、例えば、1.0mm以上5.0mm以下が好ましく、1.0mm以上3.0mm以下が特に好ましい。
内側パイプ41の内径は、心線部92の外接円の直径との差が小さいほうが好ましい。そうすれば、外側スリーブ42を圧縮して内側パイプ41を変形させた際、変形した内側パイプ41で心線部92のより溝を埋め易く、心線部92と内側パイプ41との間の隙間を埋め易い。内側パイプ41の内径と心線部92の外接円の直径との差は、心線部92の外接円の直径の1/5倍以下が好ましく、例えば1/10倍以下程度が特に好ましい。
内側パイプ41の長さは、外側スリーブ42の圧縮部44(後述)の長さP1(図4左上図)と同等以上の長さであればよい。内側パイプ41の長さは、内側パイプ41を外側スリーブ42の収納穴47の底に接触するように収納穴47内に収納した際、収納穴47の底から圧縮部44における収納穴47の開口側端部に亘る長さ以上であればよい。ここでは、内側パイプ41の長さは、収納穴47の全長に亘る長さ(収納穴47の長さと同等の長さ)としている。
・外側スリーブ
外側スリーブ42は、心線部92の端部を把持する。本例では、外側スリーブ42は、心線部92の端部及び内側パイプ41と共に圧縮される。外側スリーブ42の材質は、鋼が挙げられる。外側スリーブ42は、後述の導電部圧縮部材5内に収納される圧縮部44及び非圧縮部45と、導電部圧縮部材5外に突出する取付部46とを有する。この外側スリーブ42は、その先端(図1,2紙面左側)に開口し、心線部92の端部及び内側パイプ41を内部に収納する収納穴47が、外側スリーブ42の先端から圧縮部44よりも後端側の非圧縮部45に亘って連続して形成されている(図2)。
・・圧縮部
圧縮部44は、心線部92の端部を外側スリーブ42で接続する際、心線部92の端部と共に圧縮(逆圧縮)される。逆圧縮は、圧縮部44を収納穴47の開口側から底側に向かって複数回に分けて圧縮することをいう。圧縮部44は、取付部46を除く非圧縮部45以外の箇所に形成し、ここでは非圧縮部45よりも外側スリーブ42の先端側にのみ形成している。外側スリーブ42の軸方向に沿った圧縮部44の圧縮前の長さP1(図4左上図)は、逆圧縮後の圧縮部44が要求特性として「把持長G≧必要把持長」の関係を満たす範囲で、上記必要把持長よりも短くできる。そのため、圧縮部44の逆圧縮後における外側スリーブ42の長さが長くなり難いので、送電線の圧縮接続構造10A(図3)が大型化し難い。把持長Gは、圧縮後に外側スリーブ42が心線部92を把持する長さという。必要把持長とは、所定の抗張力を得るのに必要な最小の把持長を言う。圧縮部44の長さP1は、「上記把持長G=圧縮部の圧縮後の長さP2」となる長さとすることが好ましい。圧縮部44の圧縮前の長さP1を「上記把持長G=圧縮部の圧縮後の長さP2」となる長さとするには、後述の収納穴47の長さを調整することで行える。詳しくは、後述する。圧縮部44は、直線部分と、直線部分よりも収納穴47の開口側に形成される傾斜部441とを備えることが好ましい。直線部分の外周輪郭形状(横断面形状)は円(筒)形状であり、その外径は軸方向に一様である。
・・・傾斜部
傾斜部441は、心線部92の端部を外側スリーブ42で接続する際、心線部92への過度な圧縮力が作用することを抑制する。圧縮部44を圧縮した際、傾斜部441には緩やかに圧縮力を作用させられるからである。この傾斜部441は、本例では、収納穴47の開口側に向かって外径が小さくなる傾斜面を有する(図2)。傾斜部441の形成箇所は、圧縮部44の先端(図1紙面左側)とすることが好ましい。そうすれば、圧縮部44の先端(ここでは収納穴47の開口端)での心線部92の圧壊を抑制し易い。傾斜部441の先端の外径は、圧縮部44を圧縮する圧縮機(ダイス:図示略)の対辺の間隔と略同等の長さとすることが好ましい。即ち、傾斜部441の先端の外径は、圧縮部44の圧縮後、圧縮前の傾斜部441のサイズが実質的に維持されるサイズであることが好ましい。そうすれば、圧縮部44の先端で心線部92に過度な圧縮力が作用することを抑制し易く、圧縮部44の先端における心線部92の圧壊を抑制し易い。
外側スリーブ42の軸方向に沿った傾斜部441の長さdは、圧縮前の外側スリーブ42の外径Dの1/2倍以上2倍以下が好ましい(図2)。外側スリーブ42の外径Dとは、圧縮部44の直線部分の外径を言う。傾斜部441の長さdが外側スリーブ42の外径Dの1/2倍以上であれば、圧縮部44の開口側端部で心線部92に過度な圧縮力が作用することを抑制し易い。傾斜部441の長さdが外側スリーブ42の外径Dの2倍以下であれば、傾斜部441の長さdが過度に長くならず、外側スリーブ42をその軸方向に沿って十分に圧縮できて把持力を高め易く、高い抗張力を得易い。傾斜部441の長さdは、圧縮部44の外径Dの1/2倍以上3/2倍以下が特に好ましい。
・・非圧縮部
非圧縮部45は、外側スリーブ42の導電部圧縮部材5内に収納される領域のうち圧縮部44以外の箇所であり、心線部92の端部と外側スリーブ42とを接続する際、心線部92と共に圧縮されない。本例での非圧縮部45の形成箇所は、圧縮部44の後端側に連続する箇所で、圧縮部44と取付部46との間である。外側スリーブ42の軸方向に沿った非圧縮部45の長さは、適宜選択でき、非圧縮部45における収納穴47の長さ以上が挙げられる。
非圧縮部45は、嵌合部451とそれ以外の部分の少なくとも一方を有する。嵌合部451は、導電部93の端部及び外側スリーブ42と導電部圧縮部材5とを接続する際、導電部圧縮部材5(図1)の圧縮により嵌合部451の外周面と導電部圧縮部材5の内周面とが嵌合して、外側スリーブ42と導電部圧縮部材5との軸方向への位置ずれを規制する。嵌合部451以外の部分とは、例えば、導電部圧縮部材5と嵌合しない非嵌合部452が挙げられる。
本例の非圧縮部45は、圧縮部44の後端側に連続して形成される嵌合部451と、嵌合部451と取付部46との間に形成される非嵌合部452とで構成されている。非圧縮部45の周方向に沿った嵌合部451の形成領域は、周方向の一部の領域としてもよいが、全周に亘る領域とすることが好ましい。そうすれば、外側スリーブ42と導電部圧縮部材5との軸方向の位置ずれを規制し易い。嵌合部451の外周形状は、外側スリーブ42の外周面と導電部圧縮部材5の内周面とが互いに噛み合う形状であれば、適宜選択できる。ここでは、嵌合部451は、外側スリーブ42の全周に亘って形成されており、その外周形状は、外側スリーブ42の軸方向に沿って連続する凹凸が形成された波付形状としている。嵌合部451の内側には、収納穴47の底が形成されている。非嵌合部452は、横断面形状が円形の丸棒である。
・・取付部
取付部46は、外側スリーブ42を鉄塔の碍子のヨークに接続する。取付部46は、外側スリーブ42の後端に設けられている。取付部46の形状は、リング状である。この取付部46は、外側スリーブ42の圧縮部44及び非圧縮部45を導電部圧縮部材5の内部に収納した際、導電部圧縮部材5の接続対象側の開口部から接続対象側に突出する。
・・収納穴
収納穴47は、内部に心線部92の端部及び内側パイプ41を収納する。外側スリーブ42の軸方向に沿った収納穴47の長さ(形成領域)は、外側スリーブ42の先端から非圧縮部45に亘る長さ(領域)とする。この非圧縮部45における収納穴47の長さは、圧縮部44を逆圧縮した際の外側スリーブ42の軸方向への伸び代以上の長さとすることが挙げられる。そうすれば、圧縮部44の逆圧縮後の外側スリーブ42の長さが長くなり過ぎず、送電線の圧縮接続構造10A(図3)の大型化を抑制できる。詳しくは、後述の試験例1で説明する。ここでは、収納穴47の底の位置が非圧縮部45の嵌合部451に位置している。特に、非圧縮部45における収納穴47の長さは、上記伸び代と略一致する長さであることが好ましい。収納穴47の横断面形状は、円形状であることが好ましく、その内径は、軸方向に一様であることが好ましい。収納穴47の形成は、例えば、外側スリーブ42の先端面にドリルで穴あけ加工を施すことで行える。収納穴47の横断面形状が円形状であること、その内径が軸方向に一様であることで、収納穴47の形成が容易である。
〈導電部圧縮部材〉
導電部圧縮部材5は、導電部93の端部を把持する。導電部圧縮部材5は、導電部93の端部と心線部圧縮部材4の一部を内部に収納する円筒状部材であり、本例では軸方向の両端に開口部を有する。導電部圧縮部材5は、導電部93の端部及び外側スリーブ42の圧縮部44及び嵌合部451と共に圧縮される。導電部圧縮部材5の材質は、導電部93の素線931と同じ材質、具体的には純Al又はAl合金が挙げられる。導電部圧縮部材5は、公知の純Al又はAl合金製のスリーブを用いることができる。
(本体側接合部)
本体側接合部6は、ソケット側接合部72と電気的かつ機械的に接続される。本例の本体側接合部6は、導電部圧縮部材5における接続対象側の端部において、導電部圧縮部材5の軸方向とほぼ直交する平面に延設されている。本体側接合部6の形状は矩形板状であり、その大きさはソケット側接合部72に対応した大きさを有する。本体側接合部6には、ボルト8が挿通される複数の挿通孔(図示略)が形成されている。
[ジャンパソケット]
ジャンパソケット7は、ジャンパ線95を把持するジャンパ把持部71と、クランプ本体2に接続されるソケット側接合部72とを備える。ジャンパソケット7の材質は、純Al又はAl合金が挙げられる。
(ジャンパ把持部)
ジャンパ把持部71は、その内部にジャンパ線95が収納され、ジャンパ線95と共に圧縮されることでジャンパ線95を把持する。ジャンパ把持部71の形状は、円筒形状である。
(ソケット側接合部)
ソケット側接合部72は、本体側接合部6に電気的かつ機械的に接続される。ソケット側接合部72は、本例では矩形板状の本体側接合部6の両平面を挟み込むような二股状に形成されている。このソケット側接合部72は、本体側接合部6に対応した大きさを有する矩形板状に形成されていてもよい。ソケット側接合部72の二股状部分は、それぞれ矩形板であり、本体側接合部6に対応した大きさを有する。各二股状部分には、複数の挿通孔(図示略)が形成されている。ソケット側接合部72には、ボルト8が挿通される複数の挿通孔(図示略)が形成されている。本体側接合部6とソケット側接合部72の接続は、互いの挿通孔を位置合わせして、両挿通孔にボルト8を挿通してナット81で締め付けることで行える。
〔用途〕
実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aは、カーボンファイバ心アルミより線など圧縮に弱い心線部を有する送電線を鉄塔などに引留める圧縮形引留クランプの組立部品に好適に利用できる。
〔作用効果〕
実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aによれば、外側スリーブ42が特定の長さの収納穴47を有することで、圧縮前の圧縮部44の長さが上記必要把持長よりも短くて逆圧縮しても、上記必要把持長を得ることができる。そのため、圧縮部44を逆圧縮しても、詳しくは後述するが図4の右上図と右中図とを比較すると、圧縮部44の圧縮後の長さP2が長くなり難いので、外側スリーブ42の長さが長くなり難い。従って、送電線の圧縮接続構造10A(図3)の大型化を抑制できる。その上、圧縮部44を逆圧縮することで、圧縮部44の開口側端部での圧縮状態を一定に保つことができ、圧縮部44の開口側端部で心線部92に過度な圧縮力が作用することを抑制できる。従って、外側スリーブ42を直接圧縮しても心線部92が圧壊することなく抗張力の高い送電線の圧縮接続構造10Aを構築できる。
〔送電線の圧縮接続構造〕
主として図3(適宜図4の左右の上図)を参照して、実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aを説明する。この送電線の圧縮接続構造10Aは、送電線9の本線91と、本線91の端部を圧縮してその端部を鉄塔の碍子に接続した圧縮接続部材100Aとを備える。この圧縮接続部材100Aは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Aに備わる心線部圧縮部材4の圧縮部44と、導電部圧縮部材5とを個々に圧縮したものである。図3は、図1に示す心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを個々に圧縮した後の状態に相当する。
[送電線]
(本線)
本線91は、鉄塔間に架設されて、発電所で発電した電力を送電網に供給する。本線91は、上述したように、カーボンファイバを主体とする7本の素線921が撚り合わされた心線部92と、アルミニウムを主体とする複数の素線931が心線部92の外周に撚り合わされた導電部93とを備える。このような本線91としては、代表的には、カーボンファイバ心アルミより線が挙げられる。カーボンファイバ心アルミより線は、CFRPストランドからなる心線部と、心線部の外周に複数のAl線が撚り合わされた導電部とを備える。CFRPストランドは、炭素繊維と樹脂とを用いて構成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の素線が複数撚り合わされて構成される。CFRPストランドは、例えば、炭素繊維複合材ケーブル(CFCC(東京製綱株式会社の登録商標):Carbon Fiber Composite Cable)を用いることができる。Al線は、純Al線又はAl合金線を用いることができる。
[圧縮接続部材]
圧縮接続部材100Aは、心線部92の端部を把持する心線部圧縮部材4と、導電部93の端部を把持する導電部圧縮部材5とを備える(図3)。
〈心線部圧縮部材〉
・内側パイプ
心線部圧縮部材4の内側パイプ41の内周面は、心線部92の外周輪郭に沿って密着する密着面を有する。この密着面は心線部92のより溝を埋めるように形成され、密着面と心線部92との間には実質的に隙間が形成されていない。内側パイプ41の密着面よりも後端側は、内側パイプ41の内部に心線部92が挿通されない空隙部が形成されている。内側パイプ41の外周面のうち密着面の外側に対応する箇所は、圧縮部44の内周面の形状に沿っており、内側パイプ41の外周輪郭形状(横断面形状)はここでは円(筒)形状である。
・外側スリーブ
・・圧縮部
外側スリーブ42の圧縮部44は、内側パイプ41の外周輪郭(円形状)に沿って密着する内周面を有する。圧縮部44の内周面と内側パイプ41の外周面との間には、実質的に隙間が形成されていない。圧縮部44の内側には、心線部92の端部が挿通されない空隙部が形成されないことが好ましい。圧縮部44の外周面は、圧縮部44を圧縮する圧縮機の内周形状(ダイスの内周形状)に沿っており、圧縮部44の横断面形状は、ここでは六角形状としている。この六角形状の各角部は、軸方向に実質的に平行である。圧縮部44の先端側には傾斜部441が形成されていることが好ましい。この傾斜部441は、その外周面に形成される六角形状の角部が軸方向に平行ではなく、軸方向に対して傾斜している。即ち、傾斜部441に形成される六角形の角部は、圧縮部44の直線部分に形成される六角形の角部に対して傾斜している。これは、上述の圧縮接続部材の組立部品1A(図1)に備わる外側スリーブ42の圧縮部44が傾斜部441を有していて、その傾斜部441を圧縮したことで形成される。
圧縮部44の外周面には、その軸方向に並列して形成される複数の圧縮痕442(例えば、図4右上図)を備える。圧縮痕442は、外側スリーブ42の周方向に略連続して形成される。その圧縮痕442の数は、例えば、3個以上が好ましい。圧縮痕442の数は、施工過程での圧縮回数をnとするとき、n個となる。即ち、圧縮痕442の数が3個以上であれば、施工過程での圧縮回数が3回以上であり、心線部92の圧壊を抑制し易いからである。この圧縮痕442同士の間隔は、外側スリーブ42の先端側が最も長い。その間隔の長い箇所が、最初に圧縮された箇所である。2回目以降の圧縮では、圧縮区間の重複領域の圧縮部44を実質的に圧縮しないため、重複する側では圧縮痕442が形成されないからである。その他の箇所における圧縮痕442同士の長さは、等間隔である。
・・非圧縮部
非圧縮部45の嵌合部451は、内部に心線部92が挿通されない空隙部を形成する内周面と、導電部圧縮部材5の内周面と嵌合して導電部圧縮部材5との間に実質的に隙間が形成されない外周面とを有する。この嵌合部451の非圧縮部45の内側には、心線部92の端部の一部が挿通されていてもよい。
・・取付部
取付部46は、外側スリーブ42を鉄塔の碍子のヨークに接続するもので、上述したようにリング状に形成されて、導電部圧縮部材5の接続対象側の開口部から接続対象側に突出している。
〈導電部圧縮部材〉
導電部圧縮部材5は、外径が一様な直線部と、取付部46側の端部に向かって外径が広がる拡径部とを備える。この直線部が圧縮された領域であり、拡径部は圧縮されない領域である。この直線部の内周面は、導電部93の外周輪郭に沿って密着する導電部密着面と、外側スリーブ42の外周輪郭に沿って密着するスリーブ密着面とを有する。導電部密着面は、導電部93のより溝を埋めるように形成され、導電部密着面と導電部93との間には、実質的に隙間が形成されていない。スリーブ密着面は、圧縮部密着面と非圧縮部密着面とを有する。圧縮部密着面は、圧縮部44の略全域に亘ってその外周輪郭(六角形状)に沿って密着する六角形状で構成され、圧縮部密着面と圧縮部44の外周面との間に実質的に隙間が形成されていない。非圧縮部密着面は、嵌合部451の波付形状と噛み合うように密着する波付形状で構成されていて、非圧縮部密着面と嵌合部451の外周面との間には、実質的に隙間が形成されていない。上記直線部の外周面は、導電部圧縮部材5を圧縮する圧縮機の内周形状に沿っており、その横断面形状はここでは六角形状である。拡径部の内周面は、非嵌合部452と密着していない。
〔用途〕
実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aは、カーボンファイバ心アルミより線など圧縮に弱い心線部を有する送電線と圧縮接続部材とを引留める送電線の引留構造に好適に利用できる。
〔作用効果〕
実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aによれば、詳しくは後述するが図4の右上図と右中図とを比較すると、外側スリーブ42の圧縮部44の長さP2が長くないため、大型化し難い。その上、送電線9と圧縮接続部材100Aとの接合強度が高い。心線部92を圧壊することなく心線部92と外側スリーブ42とを接合しているからである。特に、内側パイプ41が心線部92のより溝を埋めるように形成されているため、心線部92と内側パイプ41との機械的な結合状態がより強固である。
〔圧縮接続部材の施工方法〕
主として図4の左右の上図(適宜図1,2など)を参照して実施形態1に係る圧縮接続部材の施工方法を説明する。圧縮接続部材の施工方法は、上述した圧縮接続部材の組立部品1Aを用いて、送電線9を接続対象に接続する。圧縮接続部材の施工方法は、以下の準備工程と心線部接続工程と導電部接続工程とを備える。
[準備工程]
準備工程では、上述の圧縮接続部材の組立部品1Aを準備する。心線部圧縮部材4が内側パイプ41を有する場合、その内側パイプ41の準備は、純Al又はAl合金製の素材管を準備し、その素材管に熱処理することで行える。素材管の準備は、押出加工、引抜加工、鋳造、切削加工などにより行える。即ち、素材管には、押出加工により成形された押し出し管、引抜加工により成形された引き抜き管、鋳造により成形された鋳造管、或いは押し出し管、引き抜き管、鋳造管や棒材に切削加工した加工管などを用いることができる。これら素材管のビッカース硬さHvは、いずれも30超である。この熱処理前の素材管のビッカース硬さHvが30超であることで、長尺管を所定長さに切断して素材管を準備する場合、その切断時に素材管の切り口が変形し難い。そのため、開口端の変形の小さい内側パイプ41が得られ易い。素材管に熱処理を施して、ビッカース硬さHvが30以下の内側パイプ41を作製する。熱処理温度は、純AlやAl合金の種類にもよるが、例えば350℃以上420℃以下が挙げられる。熱処理時間は、例えば1時間以上2時間以下が挙げられる。
[心線部接続工程]
心線部接続工程では、外側スリーブ42(心線部圧縮部材4)の圧縮部44を圧縮して、心線部92の端部と心線部圧縮部材4とを接続する。
まず、本線91の端部を段剥ぎして露出させた心線部92の端部を外側スリーブ42の収納穴47の内部に収納する。心線部92の露出した端部を内側パイプ41の内部に収納した後、これらを収納穴47の内部に収納してもよいし、収納穴47の内部に内側パイプ41を収納した後、その内側パイプ41の内部に心線部92の露出した端部を収納してもよい。心線部92の先端が収納穴47の底に当て止めされるまで収納穴47の内部に収納する。
次に、外側スリーブ42の圧縮部44を圧縮する。この圧縮部44の圧縮により、圧縮部44を介して内側パイプ41を変形させて心線部92を圧壊させることなく心線部92のより溝に嵌め込ませる。そうして、心線部92と内側パイプ41との間の隙間を内側パイプ41により埋める。圧縮部44の圧縮は、圧縮部44の横断面形状が、例えば六角形状となるように行う。この圧縮には、市販の100トン圧縮機を利用できる。
圧縮部44の圧縮は、圧縮部44の軸方向に複数回に分けて行う。市販の圧縮機には、100トン圧縮機と200トン圧縮機がある。圧縮機の圧縮ダイス幅は、圧縮部44の外径により決まっている。例えば、圧縮部44の外径が24mm〜28mmの場合、100トン圧縮機の圧縮ダイス幅は30mmで、200トン圧縮機の圧縮ダイス幅は60mmであり、圧縮部44の外径が30mm〜34mmの場合、100トン圧縮機の圧縮ダイス幅は25mmで、200トン圧縮機の圧縮ダイス幅は50mmである。圧縮部44の圧縮は、市販の100トン圧縮機を使用することで各圧縮幅を小さくできて、心線部92の損傷を抑制し易い。各圧縮幅が小さいほど、各圧縮における内側パイプ41の変形度合いが小さく、内側パイプ41の軸方向への伸びが小さい。そのため、内側パイプ41の変形により心線部92の軸方向に作用する力を小さくできる。
圧縮回数(軸方向への分割数)は、例えば、圧縮部44の外径が26mmで、圧縮部44における収納穴47の圧縮長さが130mmの場合、200トン圧縮機を使用して60mm幅で以下のように合計3回の圧縮を行うよりも、100トン圧縮機を使用して30mm幅で以下のように合計6回の圧縮を行う方が好ましい。200トン圧縮機を使用して60mm幅で行う合計3回の圧縮のうち2回目の圧縮は、1回目の圧縮に対して20mm重複させ、3回目の圧縮は、2回目の圧縮に対して30mm重複させる。100トン圧縮機を使用して30mm幅で行う合計6回の圧縮のうち、2回目から6回目の各圧縮は、その前回の圧縮に対して10mmずつ重複させる。
圧縮部44を圧縮する順序は、図4左上図に示すように、逆圧縮(圧縮部44の先端側から後端側に向かう順)とする。そうすれば、収納穴47の長さを外側スリーブ42の先端から圧縮部44の後端にまで亘る長さとし、その圧縮部44を逆圧縮した場合に比較して、圧縮部44の圧縮後の長さP2を短くできる。また、圧縮部44の圧縮後の長さP2を正圧縮した場合と同程度にできる。そのため、送電線の圧縮接続構造10Aの大型化を抑制し易い。その上、圧縮部44の長さP1が異なっても常に圧縮部44の先端(傾斜部441)の圧縮状態を一定に保ち易く、毎回同じ状態で圧縮することが容易である。逆圧縮することで、1回目に傾斜部441を圧縮できる。圧縮部44の先端(傾斜部441)を最初に圧縮することで、圧縮部44の先端で心線部92は一定に圧縮されて心線部92に過度な圧縮力が作用することを抑制でき、圧縮部44の先端における心線部92の圧壊を抑制できる。
外側スリーブ42の軸方向に沿った各圧縮区間は、互いに一部重複するように行うことが好ましい。そうすれば、外側スリーブ42の軸方向に亘って圧縮部44において圧縮されない非圧縮領域が形成されない。圧縮区間の重複領域の長さは、例えば、各圧縮区間(圧縮幅)の1/5倍以上2/5倍以下程度とすることができ、更には1/4倍以上1/3倍以下とすることができる。各圧縮における圧縮機の圧縮幅(圧縮区間)及びその重複領域は、均等にすることが好ましい。圧縮区間の重複領域の長さは、圧縮幅の1/3倍が代表的である。このとき、圧縮回数をn回とすると、n個の圧縮痕442(図4右上図)が圧縮部44の外周の軸方向に並列して形成される。例えば、逆圧縮の場合、図4右上図に示すように、最初の圧縮により1個の圧縮痕442が形成され、それ以降は各圧縮につき圧縮痕442が1個ずつ形成される。各圧縮区間(圧縮幅)が均等であれば、圧縮痕442同士の間隔がその他の圧縮痕442同士の間隔よりも長い箇所が1箇所形成される。その間隔の長い箇所が、最初に圧縮された箇所である。2回目以降の圧縮では、圧縮区間の重複領域の圧縮部44を実質的に圧縮しないため、重複する側では圧縮痕442が形成されないからである。その他の箇所における圧縮痕442同士の長さは、等間隔である。
圧縮部44の圧縮率は、5%以上15%以下が好ましい。圧縮率を5%以上とすれば、心線部92と圧縮部44とを十分に接続できる。圧縮率を15%以下とすれば、心線部92に作用する圧縮力が過度に大きくなりすぎず、心線部92の圧壊を抑制し易い。この圧縮率は、10%以上15%以下が特に好ましい。この圧縮率とは、圧縮率={(A−B)/A}×100とする。「A」は、心線部92と圧縮部44の圧縮前の合計断面積とする。「B」は、心線部92と圧縮部44の圧縮後の合計断面積とする。
[導電部接続工程]
導電部接続工程では、導電部圧縮部材5を正圧縮して、導電部93の端部及び心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを接続する。まず、心線部92の端部が接続された心線部圧縮部材4及び導電部93の端部を導電部圧縮部材5の内部に収納する。次に、導電部圧縮部材5を圧縮する。ここでは、導電部圧縮部材5のうち嵌合部451(非圧縮部45)の外側に対応する箇所から導電部圧縮部材5の先端に亘る領域を圧縮する。この圧縮により、導電部93の端部と導電部圧縮部材5とを接続すると共に、導電部圧縮部材5を変形させてその内周面を外側スリーブ42の圧縮部44及び嵌合部451に密着させる。この圧縮では、導電部圧縮部材5の横断面形状が、例えば六角形状となるように圧縮する。この圧縮は、市販の圧縮機を利用できる。
〔用途〕
実施形態1に係る圧縮接続部材の施工方法は、カーボンファイバ心アルミより線など圧縮に弱い心線部を有する送電線を鉄塔などに引留めて送電線の引留構造を構築する施工方法に好適に利用できる。
〔作用効果〕
上述の圧縮接続部材の施工方法によれば、特定の長さの収納穴47を有する外側スリーブ42を用いることで、圧縮部44の圧縮後の長さP2が長くなり難いため、外側スリーブ42の圧縮後の長さが長くなり難い。そのため、送電線の圧縮接続構造10Aが大型化し難い。その上、外側スリーブ42の圧縮部44を逆圧縮するため、圧縮部44の開口側端部での心線部92の圧壊を抑制し易いため、送電線9と圧縮接続部材100Aとの接合強度の高い送電線の圧縮接続構造10Aを構築し易い。
《実施形態2》
〔圧縮接続部材の組立部品〕
図5、図6を参照して、実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品1Bを説明する。実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品1Bは、金車通過型の短尺の圧縮形引留クランプを例に説明する。実施形態2に係る圧縮接続部材の組立部品1Bは、外側スリーブ42の非圧縮部45の構成と本体側接合部6の形状が実施形態1に係る圧縮接続部材の組立部品1Aとの主な相違点である。以下、実施形態1と同様の構成と同様の効果については説明を省略し、実施形態1との相違点を中心に説明する。この点は、後述の実施形態3も同様である。
(圧縮把持部)
〈心線部圧縮部材〉
圧縮把持部3の心線部圧縮部材4は、実施形態1と同様、内側パイプ41と外側スリーブ42とを備えるが、外側スリーブ42のみで構成してもよい。内側パイプ41は、実施形態1の内側パイプ41と同様とすることができる。
・外側スリーブ
・・非圧縮部
外側スリーブ42の非圧縮部45は、圧縮部44の前後の2箇所に形成されている。前方(先端側)の非圧縮部45は、導電部圧縮部材5内に収納されて、外側スリーブ42の先端(収納穴47の開口端)側で圧縮部44の傾斜部441の先端に連続して形成されている。後方(取付部46側)の非圧縮部45は、本体側接合部6に収納されて、圧縮部44と取付部46の両方に連続して形成されている。前方の非圧縮部45は、嵌合部451で構成されており、後方の非圧縮部45は非嵌合部452で構成されている。
嵌合部451を外側スリーブ42の先端に形成することで、本例の外側スリーブ42の長さを実施形態1の外側スリーブ42よりも短くできる。図1のように嵌合部451が圧縮部44の後端側にある場合には、その嵌合部451まで導電部圧縮部材5を圧縮し、その圧縮箇所よりも更に後端側にソケット側接合部72を設ける必要上、図5のように嵌合部451が圧縮部44の前端側にある場合に比べてクランプ本体2が長くなる。外側スリーブ42の長さが短いことで、金車を通過易く、金車通過する際にクランプ本体2に作用する曲げ応力を低減し易い。金車を通過させる際、通常、ジャンパソケット7を本体側接合部6に接続せず、本線91の端部を把持したクランプ本体2のみをプロテクタで覆ったものを通過させる。上述のように曲げ応力を低減し易いことで、金車を通過させる際にクランプ本体2の外周を覆うプロテクタの損傷を抑制し易く、ひいてはプロテクタを省略することもできることがある。その上、小型な送電線の圧縮接続構造10B(図7)を構築できる。この非嵌合部452の外径は、圧縮部44の直線部分の外径よりも少し大きくしている。非嵌合部452の内側には、収納穴47の底が形成されている。
・・取付部
取付部46は、外側スリーブ42の圧縮部44及び非圧縮部45を導電部圧縮部材5及び本体側接合部6の内部に収納した際、本体側接合部6の開口部から接続対象側に突出する。
〈導電部圧縮部材〉
導電部圧縮部材5は、導電部93の端部と心線部圧縮部材4の一部とを内部に収納する円筒状部材であり、軸方向の先端に開口部を有する。本例の導電部圧縮部材5は、導電部93の端部及び外側スリーブ42の嵌合部451(前方の非圧縮部45)と共に圧縮され、外側スリーブ42の非嵌合部452(後方の非圧縮部45)と共に圧縮されない。導電部圧縮部材5は、外側スリーブ42の圧縮部44の一部(先端側)と共に圧縮されることを許容する。
(本体側接合部)
本体側接合部6は、導電部圧縮部材5と同軸となるように導電部圧縮部材5の接続対象側に連続して形成される円筒状部材である。即ち、本例の本体側接合部6の孔は、導電部圧縮部材5の孔と連通している。本体側接合部6の内部には、外側スリーブ42の圧縮部44と非嵌合部452(非圧縮部45)とが収納されている。本体側接合部6の外周面には、上下のそれぞれに開口する溝(図示略)が形成されている。この溝は、ソケット側接合部72に挿通されるボルト8が嵌め込まれ、このボルト8で上下から挟まれることで本体側接合部6とソケット側接合部72との位置ずれを防止する。同軸に形成される導電部圧縮部材5と本体側接合部6とは、公知の純Al又はAl合金製のスリーブを用いることができる。
[ジャンパソケット]
(ソケット側接合部)
ジャンパソケット7のソケット側接合部72は、本例では円筒状の本体側接合部6の周面を挟み込むような二股状に形成されている。その二股状部は、それぞれ本体側接合部6よりも大きい矩形板である。各二股状部には、ボルト8を挿通させる複数の挿通孔(図示略)が形成されている。ソケット側接合部72の本体側接合部6への接続は、二股状部で本体側接合部6を挟み、ボルト8をソケット側接合部72の挿通孔に挿通して本体側接合部6の上記溝に嵌めてナット(図示略)で締め付けることで行える。
〔送電線の圧縮接続構造〕
図7を参照して、実施形態2に係る送電線の圧縮接続構造10Bを説明する。この送電線の圧縮接続構造10Bは、実施形態1に係る送電線の圧縮接続構造10Aと同様、送電線9と圧縮接続部材100Bとを備え、圧縮接続部材100Bにおける導電部圧縮部材5の内周面が導電部密着面とスリーブ密着面とを有する。この圧縮接続部材100Bは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Bに備わる心線部圧縮部材4の圧縮部44と、導電部圧縮部材5とを個々に圧縮したものである。この送電線の圧縮接続構造10Bは、スリーブ密着面の構成が、実施形態1の送電線の圧縮接続構造10Aとの主たる相違点である。図7は、図5に示す心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを個々に圧縮した後の状態に相当する。図7では、説明の便宜上、図5に示すジャンパソケット7は省略している。
・外側スリーブ
・・非圧縮部
後方の非圧縮部45(非嵌合部452)は、内部に心線部92が挿通されない空隙部を形成する内周面を有する。この非嵌合部452の内側には、心線部92の端部の一部が挿通されていてもよい。
〈導電部圧縮部材〉
導電部圧縮部材5のスリーブ密着面は、前方の非圧縮部45(嵌合部451)の波付形状と噛み合うように密着する波付形状で構成されていて、非圧縮部密着面と非圧縮部45の外周面との間に実質的に隙間が形成されていない。このスリーブ密着面は、圧縮部44の一部(先端側)の外周面と密着することもある。
この送電線の圧縮接続構造10Bは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Bを用いて、図8の左右の上図に示すように、図4の左右の上図に示す実施形態1の圧縮接続部材の施工方法と同様の施工方法により形成できる。導電部圧縮工程では、導電部圧縮部材5の嵌合部451(前方の非圧縮部45)の外側に対応する箇所から導電部圧縮部材5の先端に亘る領域を圧縮する。
《実施形態3》
〔圧縮接続部材の組立部品〕
図9,図10を参照して、実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1Cを説明する。実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1Cは、実施形態1や実施形態2のような送電線9の接続対象が鉄塔の碍子である圧縮形引留クランプではなく、送電線9の接続対象が他の送電線である圧縮形直線スリーブを例に説明する。この圧縮接続部材の組立部品1Cは、鉄塔間に配置されて一方の送電線9と他方の送電線9とを電気的かつ機械的に接続する。この圧縮接続部材の組立部品1Cは、心線部圧縮部材4と、導電部圧縮部材5とを備える。
〈心線部圧縮部材〉
心線部圧縮部材4は、一方の心線部92の端部と他方の心線部92の端部とを把持する。本例の心線部圧縮部材4は、2つの内側パイプ41と1つの外側スリーブ42とを備えるが、1つの外側スリーブ42のみで構成してもよい。2つの内側パイプ41のそれぞれは、実施形態1の内側パイプ41と同様とすることができる。
外側スリーブ42は、両端側に形成される圧縮部44と、中央に形成される非圧縮部45とを備える。外側スリーブ42は、各端面に開口し、心線部92の端部及び内側パイプ41を内部に収納する2つの収納穴47が形成されている。各圧縮部44における収納穴47の開口側(外側スリーブ42の両端)には、実施形態1の外側スリーブ42と同様の傾斜部441が形成されている。非圧縮部45は、非嵌合部452で構成され、その外周輪郭形状(横断面形状)は、圧縮部44の直線部分と同様の円(筒)形状としている。非嵌合部452の外径は、圧縮部44の直線部分の外径と略同一としている。非嵌合部452の内側には、2つの収納穴47を互いに連通させず、各収納穴47の底を形成する仕切り部48が設けられている。2つの収納穴47の長さはそれぞれ、外側スリーブ42の先端から非圧縮部45に亘る長さである。非圧縮部45における収納穴47の長さは、圧縮部44を収納穴の開口側から底側に向かって圧縮した際の外側スリーブ42の軸方向への伸び代以上の長さである。
〈導電部圧縮部材〉
導電部圧縮部材5は、一方の導電部93と他方の導電部93とを把持する。導電部圧縮部材5は、心線部圧縮部材4の全部と両導電部93の端部とを内部に収納する円筒状部材であり、軸方向の両端に開口部を有する。導電部圧縮部材5は、公知の純Al又はAl合金製のスリーブを用いることができる。
〔送電線の圧縮接続構造〕
図11を参照して、実施形態3に係る送電線の圧縮接続構造10Cを説明する。この送電線の圧縮接続構造10Cは、一方の送電線9と他方の送電線9と圧縮接続部材100Cとを備える。圧縮接続部材100Cは、一方及び他方の心線部92の端部を把持する心線部圧縮部材4と、一方及び他方の導電部93の端部を把持する導電部圧縮部材5とを備える。この圧縮接続部材100Cは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Cに備わる心線部圧縮部材4の圧縮部44と、導電部圧縮部材5とを個々に圧縮したものである。図11は、図9に示す心線部圧縮部材4と導電部圧縮部材5とを個々に圧縮した後の状態に相当する。
心線部圧縮部材4における外側スリーブ42の非圧縮部45は、各収納穴47を仕切る仕切り部48と、内部に心線部92が挿通されない空隙部を形成する2つの内周面とを有する。
導電部圧縮部材5のスリーブ密着面は、実施形態1の導電部圧縮部材5と同様の圧縮部密着面に加えて、非圧縮部45の外周輪郭に沿って密着する非圧縮部密着面を有していてもよい。
この送電線の圧縮接続構造10Cは、上述の圧縮接続部材の組立部品1Cを用いて、図12の左右の上図に示すように、図4の左右の上図に示す実施形態1の圧縮接続部材の施工方法と同様の施工方法により形成できる。
〔用途〕
実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1Cは、鉄塔間で送電線同士を接続する圧縮直線スリーブの組立部品に好適に利用できる。また、実施形態3に係る送電線の圧縮接続構造10Cは、送電線同士と圧縮形直線スリーブとを接続した送電線の接続構造に好適に利用できる。更に、実施形態3に係る圧縮接続部材の施工方法は、送電線同士を圧縮接続して送電線の圧縮接続構造を構築する施工方法に好適に利用できる。
《試験例1》
図1,図5,図9のそれぞれを参照して説明した実施形態1から実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1A〜1Cに備わる各外側スリーブ42において、圧縮部44の圧縮前後における外側スリーブ42の長さを評価した。比較として、各外側スリーブ42において、収納穴47の長さ又は圧縮順序を異ならせて圧縮部44の圧縮前後における外側スリーブ42の長さを評価した。以下に、図4,図8,図12を参照して説明する。実施形態1から実施形態3に係る圧縮接続部材の組立部品1A〜1Cに備わる各外側スリーブ42を各図の上図に示し、比較の外側スリーブ42を各図の中図及び下図に示す。
各図の左側の上図、中図、及び下図に示す外側スリーブ42は、圧縮部44の圧縮前の状態を示す。各図の右側の上図、中図、及び下図に示す外側スリーブ42はそれぞれ、各図の左側の上図、中図、及び下図に示す外側スリーブ42の圧縮部44を圧縮した後の状態を示す。圧縮順序は、各図の左側の上図及び中図は、逆圧縮とし、各図の左側の下図は正圧縮とした。各図の左側の上図、中図、及び下図に示すいずれの外側スリーブ42においても、圧縮部44の長さP1と収納穴47の長さは、圧縮部44の圧縮後に「把持長G≧必要把持長」を満たす範囲で把持長Gが均一となる長さとした。ここでは、把持長G=必要把持長となるようにした。
圧縮部44は、逆圧縮の場合、その先端側から後端側に向かって軸方向に沿って伸び、正圧縮の場合、その後端側から先端側に向かって軸方向に沿って伸びる。即ち、圧縮部44の伸び方向は、正圧縮の場合、心線部92の基端側に向かう方向であり、逆圧縮の場合、心線部92の先端側に向かう方向である。これに対して、収納穴47の内部の心線部92は、正・逆圧縮のいずれであっても圧縮部44の圧縮によって軸方向に沿って実質的に伸びない。
各図の左上図の外側スリーブ42は、収納穴47の長さを外側スリーブ42の先端から非圧縮部45(図8では後方側)に亘る長さとした。非圧縮部45における収納穴47の長さは、圧縮部44を収納穴47の開口側から圧縮した際の外側スリーブ42の軸方向への伸び代と同等の長さとした。この収納穴47の長さは、非圧縮部45における収納穴47の長さの分だけ、各左下図の外側スリーブ42における収納穴47の長さよりも長い。圧縮部44の圧縮前の長さP1は、把持長Gよりも短くした。各図における左中図の外側スリーブ42は、収納穴47の長さを外側スリーブ42の先端から圧縮部44の後端に亘る長さとした。圧縮部44の圧縮前の長さP1は、把持長Gであり、各図における左上図に示す外側スリーブ42における圧縮部44の圧縮前の長さP1よりも長く、各図における右上図に示す外側スリーブ42における圧縮部44の圧縮後の長さP2と同じ長さとした。各図における左下図の外側スリーブ42は、収納穴47の長さを外側スリーブ42の先端から圧縮部44の後端に亘る長さとした。圧縮部44の圧縮前の長さP1は、把持長Gよりも短く、各図の左上図に示す外側スリーブ42における圧縮部44の圧縮前の長さP1を同じ長さとした。
各左上図の外側スリーブ42を用いて逆圧縮すると、各右上図に示すように、圧縮部44の圧縮後の長さP2を把持長Gと同等の長さとすることができる。各左中図の外側スリーブ42を用いて逆圧縮すると、各右中図に示すように、圧縮部44の圧縮後の長さP2は把持長Gよりも長くなった。各左下図の外側スリーブ42を用いて正圧縮すると、各右下図に示すように、圧縮部44の圧縮後の長さP2を把持長Gと同等の長さとすることができる。各左上図の外側スリーブ42を用いて逆圧縮すると、各左中図の外側スリーブ42を用いて逆圧縮する場合に比較して、各右上図の外側スリーブ42と各中右図の外側スリーブ42に示すように、外側スリーブ42の圧縮後の長さP2を短くできる。各左上図の外側スリーブ42を用いて逆圧縮すると、各左下図の外側スリーブ42を用いて正圧縮する場合に比較して、各右上図の外側スリーブ42と各右下図の外側スリーブ42に示すように、外側スリーブ42の圧縮後の長さP2を同程度の長さとすることができる。
このように、逆圧縮の場合、各左上図の外側スリーブ42のように収納穴47が非圧縮部45にまで亘って形成されていることで、圧縮部44の圧縮前の長さP1が必要把持長よりも短くても、圧縮部44の圧縮後の長さP2を必要把持長とすることができる。このとき、非圧縮部45には、心線部92が挿通されない空隙部が形成される。
一方、同じ逆圧縮の場合であっても、各左中図の外側スリーブ42のように収納穴47が圧縮部44に亘る長さであれば、圧縮部44の圧縮後の把持長Gを必要把持長とするには、圧縮部44の圧縮前の長さP1は必要把持長とする必要がある。このとき、圧縮部44には、心線部92が挿通されない空隙部が形成される。仮に、圧縮部44の圧縮前の長さP1を必要把持長よりも短くすれば、圧縮部44の圧縮後、把持長Gが必要把持長よりも短くなり、高い把持力が得られない。
他方、正圧縮の場合、圧縮部44の圧縮後の長さP2を必要把持長とするには、各左図に示すように収納穴47が圧縮部44に亘る長さで、圧縮部44の圧縮前の長さP1が必要把持長よりも短くてよい。このとき、収納穴47には、心線部92が挿通されない空隙部は形成されない。
《試験例2》
図1を参照して説明した圧縮接続部材の組立部品1Aにおいて、主として外側スリーブ42の圧縮順序の違いによる引張強さを評価した。
〔試料No.1−1〕
試料No.1−1として、1本の心線部92と2個の内側パイプ41と2個の外側スリーブ42とを準備した。心線部92には、カーボンファイバとエポキシ樹脂とを用いて構成された7本の素線921を撚り合わせたより線を用いた。
・・内側パイプ
内側パイプ41は、以下のものを用意した
材質:純Al
ビッカース硬さHv:25.8
厚さt:1.8mm(心線部92の素線921の直径(φ2.6mm)の1.38/2倍)
内側パイプ41の内径(φ8.4mm)と心線部92の外接円の直径(φ7.8mm)との差:心線部92の外接円の直径の1/10倍以下
長さ:130mm
・・外側スリーブ
外側スリーブ42は、以下のものを用意した。
材質:鋼
傾斜部:有り
傾斜部441の長さd:外側スリーブ42の外径Dの1.7/2倍
収納穴の長さ:130mm
心線部92の各端部を各内側パイプ41の内部に収納し、更にこれらを各外側スリーブ42の収納穴47に収納する。そして、市販の100トン圧縮機により各外側スリーブ42の圧縮部44をその外周輪郭外形が六角形状となるように圧縮する。圧縮条件は、以下の通りである。
(圧縮条件)
圧縮順序:逆圧縮
圧縮回数:6回(30mm幅で行う合計6回のうち、2回目から6回目の各圧縮はその前回の圧縮に対して10mmずつ重複させる)
圧縮率:9.7%
〔試料No.1−2〕
試料No.1−2は、内側パイプ41のビッカース硬さHvを26.4とした点と、圧縮順序を正圧縮とした点を除き、その他の点は試料No.1−1と同様にして作製した。
〔引張強さの評価〕
各試料に対して引張試験を行って引張強さを測定した。ここでは、心線部92の両端に圧縮接続された外側スリーブ42を把持して引っ張った。即ち、圧縮接続部材の組立部品1Aの導電部圧縮部材5は用いていない。その結果、試料No.2−1の引張強さが87.5kNであり、試料No.2−2の引張強さが75.9kNであった。このように、圧縮順序を逆圧縮とした試料No.2−1は、正圧縮とした試料No.2−2と比較して、引張強さが大きいことが分かる。
なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、内側パイプにおける外側スリーブの圧縮部の先端に対応する箇所と、外側スリーブの圧縮部の先端の少なくとも一方に、その先端側に向かって外径が小さくなる傾斜部(外周テーパ部)、及びその先端側に向かって内径が大きくなる傾斜部(内周テーパ部)の少なくとも一方を有する形態が挙げられる。いずれの場合であっても、外側スリーブを圧縮した際、傾斜部には緩やかに圧縮力が作用する。そのため、心線部の傾斜部に対応する箇所に過度な圧縮力が作用することを抑制できる。それにより、心線部の傾斜部に対応する箇所での圧壊を抑制できて、心線部と心線部圧縮部材とを強固に接続できる。また、圧縮接続部材の組立部品は、プレハブジョイント型の圧縮形引留クランプの組立部品に好適に利用できる。
1A,1B,1C 圧縮接続部材の組立部品
10A,10B,10C 送電線の圧縮接続構造
100A,100B,100C 圧縮接続部材
2 クランプ本体
3 圧縮把持部
4 心線部圧縮部材
41 内側パイプ
42 外側スリーブ
44 圧縮部
441 傾斜部
442 圧縮痕
45 非圧縮部
451 嵌合部
452 非嵌合部
46 取付部
47 収納穴
48 仕切り部
5 導電部圧縮部材
6 本体側接合部
7 ジャンパソケット
71 ジャンパ把持部
72 ソケット側接合部
8 ボルト 81 ナット
9 送電線
91 本線
92 心線部 921 素線
93 導電部 931 素線
95 ジャンパ線

Claims (7)

  1. カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を接続対象に接続する圧縮接続部材の組立部品であって、
    前記心線部の端部を内部に収納する収納穴と、前記心線部の端部と共に圧縮される圧縮部と、前記圧縮部よりも前記収納穴の底側に形成されて前記心線部の端部と共に圧縮されない非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
    前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材を内部に収納し、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と共に圧縮される導電部圧縮部材とを備え、
    前記収納穴は、前記心線部圧縮部材の先端から前記非圧縮部に亘って連続して形成され、
    前記非圧縮部における前記収納穴の長さは、前記圧縮部を前記開口端側から圧縮した際の前記心線部圧縮部材の軸方向への伸び代以上の長さである圧縮接続部材の組立部品。
  2. 前記収納穴は、その全長に亘って一様な内径を有する請求項1に記載の圧縮接続部材の組立部品。
  3. 前記収納穴の横断面形状は、円形である請求項1又は請求項2に記載の圧縮接続部材の組立部品。
  4. カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線と、
    前記導電部から前記心線部が露出された前記送電線の端部を圧縮してその端部と接続対象とを接続した圧縮接続部材とを備える送電線の圧縮接続構造であって、
    前記圧縮接続部材は、
    前記心線部の端部を把持する圧縮部と、前記圧縮部よりも前記心線部の先端側で、前記心線部の先端が挿通されない空隙部を形成する非圧縮部とを有する心線部圧縮部材と、
    前記心線部の端部を把持した前記心線部圧縮部材と共に前記導電部の端部を把持する導電部圧縮部材とを備える送電線の圧縮接続構造。
  5. 前記圧縮部は、その軸方向に並列して形成される3つ以上の圧縮痕を備え、
    前記圧縮部における隣り合う前記圧縮痕同士の間隔は、前記心線部圧縮部材の先端側が最も長い請求項4に記載の送電線の圧縮接続部構造。
  6. カーボンファイバを主体とする複数の素線が撚り合わされた心線部と、アルミニウムを主体とする複数の素線が前記心線部の外周に撚り合わされた導電部とを備える送電線を、圧縮接続部材の組立部品を用いて接続対象に接続する圧縮接続部材の施工方法であって、
    前記圧縮接続部材の組立部品として請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮接続部材の組立部品を準備する準備工程と、
    前記送電線の端部を段剥ぎして露出させた前記心線部の端部を前記心線部圧縮部材の前記収納穴の底にまで収納し、前記心線部圧縮部材の前記圧縮部を前記開口端側から複数回に分けて圧縮して、前記心線部の端部と前記心線部圧縮部材とを接続する心線部接続工程と、
    前記導電部の端部及び前記心線部の端部が接続された前記心線部圧縮部材を前記導電部圧縮部材の内部に収納し、前記導電部圧縮部材を圧縮して、前記導電部の端部及び前記心線部圧縮部材と前記導電部圧縮部材とを接続する導電部接続工程とを備える圧縮接続部材の施工方法。
  7. 前記心線部接続工程での圧縮率が、5%以上15%以下である請求項6に記載の圧縮接続部材の施工方法。
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