JP7368793B2 - 組立キット、及び送電線の接続構造 - Google Patents
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Description
心線部の外周に導体部が設けられた送電線の端部を保持して、前記送電線を接続対象に電気的に接続させる電線保持部材を構成する組立キットであって、
第一中空孔を有する第一スリーブと、
前記第一スリーブを収納する第二中空孔を有する第二スリーブと、
前記第二スリーブを収納する第三中空孔を有する第三スリーブとを備え、
前記第二中空孔は、底部と開口部とを有し、
前記第一スリーブは、前記底部に接触する第一端と、前記開口部側に配置される第二端とを備え、
前記第二スリーブは、前記送電線の端部に取り付けられる際、軸方向に実質的に直交する方向から機械的に圧縮される圧縮領域を備え、
前記第一中空孔に前記心線部が収納され、前記第二中空孔に前記第一スリーブが収納された状態において、前記圧縮領域にわたって前記第二スリーブの外周が前記直交する方向から圧縮されたとき、前記第一スリーブの軸方向の伸びが、前記第二スリーブの軸方向の伸びよりも3mm以上長い。
心線部、及び前記心線部の外周に配置される導体部を有する送電線と、
前記送電線の端部を保持して、前記送電線を接続対象に電気的に接続させる電線保持部材と、を備える送電線の接続構造であって、
前記心線部は、カーボンファイバを含み、
前記導体部は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成され、
前記電線保持部材は、
前記心線部が収納される第一中空孔を有する第一スリーブと、
前記第一スリーブが収納される第二中空孔を有する第二スリーブと、
前記第二スリーブ、及び前記導体部の端部が収納される第三中空孔を有する第三スリーブとを備え、
前記第二中空孔は、底部と開口部とを有し、
前記第一スリーブは、前記底部に接触する第一端と、前記開口部側に配置される第二端と、を備え、
前記第一スリーブは、前記心線部に密着し、
前記第三スリーブは、前記導体部に密着し、
前記第一スリーブの軸方向における前記第二端から所定長の部分において、前記第一中空孔の内径が、前記第二端に向かうに従って大きくなっている。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
心線部の外周に導体部が設けられた送電線の端部を保持して、前記送電線を接続対象に電気的に接続させる電線保持部材を構成する組立キットであって、
第一中空孔を有する第一スリーブと、
前記第一スリーブを収納する第二中空孔を有する第二スリーブと、
前記第二スリーブを収納する第三中空孔を有する第三スリーブとを備え、
前記第二中空孔は、底部と開口部とを有し、
前記第一スリーブは、前記底部に接触する第一端と、前記開口部側に配置される第二端とを備え、
前記第二スリーブは、前記送電線の端部に取り付けられる際、軸方向に実質的に直交する方向から機械的に圧縮される圧縮領域を備え、
前記第一中空孔に前記心線部が収納され、前記第二中空孔に前記第一スリーブが収納された状態において、前記圧縮領域にわたって前記第二スリーブの外周が前記直交する方向から圧縮されたとき、前記第一スリーブの軸方向の伸びが、前記第二スリーブの軸方向の伸びよりも3mm以上長い。
以降、本明細書では上記角部を『内角部』と呼ぶ。
前記第一スリーブのビッカース硬度が15以上30以下であり、
前記第二スリーブのビッカース硬度が100以上300以下である形態が挙げられる。
前記第一スリーブにおける前記第一中空孔が形成される部分の厚さが、2.5mm以上5.0mm以下であり、
前記第二スリーブにおける前記第二中空孔が形成される部分の厚さが、3.5mm以上10.0mm以下である形態が挙げられる。
前記第一スリーブは、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成され、
前記第二スリーブは、鋼によって構成され、
前記第三スリーブは、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成される形態が挙げられる。
前記第一端が前記底部に接触した状態において、前記第二端が前記開口部から突出する形態が挙げられる。
前記第一中空孔における内周面の表面粗さRaは、0.2μm以上12.5μm以下である形態が挙げられる。
前記第一スリーブにおける前記第一中空孔が形成される部分の外周面の表面粗さRaは、0.2μm以上12.5μm以下である形態が挙げられる。
前記心線部がカーボンファイバを含み、前記導体部がアルミニウム又はアルミニウム合金によって構成される前記送電線に接続される形態が挙げられる。
前記第二スリーブは、その軸方向における前記第二中空孔とは反対側に設けられるアイボルトを備える形態が挙げられる。
前記第一スリーブを二つ備え、
前記第二スリーブは、前記第二中空孔を二つ備え、
一方の前記第二中空孔と他方の前記第二中空孔とはそれぞれ、前記第二スリーブの軸方向の一端側と他端側とに設けられる形態が挙げられる。
前記第一スリーブは、前記第一スリーブの軸方向における前記第二端から所定長の領域である第二端領域を備え、
少なくとも前記第二端領域における前記第一中空孔の内径は、前記第二端に向かうに従って大きくなっている形態が挙げられる。
心線部、及び前記心線部の外周に配置される導体部を有する送電線と、
前記送電線の端部を保持して、前記送電線を接続対象に電気的に接続させる電線保持部材と、を備える送電線の接続構造であって、
前記心線部は、カーボンファイバを含み、
前記導体部は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成され、
前記電線保持部材は、
前記心線部が収納される第一中空孔を有する第一スリーブと、
前記第一スリーブが収納される第二中空孔を有する第二スリーブと、
前記第二スリーブ、及び前記導体部の端部が収納される第三中空孔を有する第三スリーブとを備え、
前記第二中空孔は、底部と開口部とを有し、
前記第一スリーブは、前記底部に接触する第一端と、前記開口部側に配置される第二端と、を備え、
前記第一スリーブは、前記心線部に密着し、
前記第三スリーブは、前記導体部に密着し、
前記第一スリーブの軸方向における前記第二端から所定長の部分において、前記第一中空孔の内径が、前記第二端に向かうに従って大きくなっている。
前記第二端は、前記開口部から突出している形態が挙げられる。
前記第二端における前記第一中空孔の内周面が、前記心線部の外周面から離隔している形態が挙げられる。
前記開口部から突出している前記第一スリーブの外径が、前記第二端に向かうに従って徐々に大きくなっている形態が挙げられる。
以下、本開示の電線保持部材の接続キット、及び送電線の接続構造の実施形態の詳細を図面に基づいて説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明は、実施形態の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施形態1では、図1から図4に基づいて、圧縮型の引留クランプである電線保持部材7(図4)を構成する組立キット5を説明する。引留クランプは、送電線9とジャンパ線95とを機械的・電気的に接続する。図1から図3では、組立キット5を構成する各部材が組まれた状態が示されている。また、説明の便宜上、組立キット5に対する送電線9とジャンパ線95の配置位置が仮想線で示されている。
組立キット5の説明に先立ち、送電線9と、送電線9の接続対象であるジャンパ線95の構成を簡単に説明する。送電線9は、鉄塔間に架設されて、発電所で発電した電力を送電網を構築する。送電線9は、心線部92と、心線部92の外周に設けられる導体部93と、を備える。本例の心線部92はカーボンファイバを含む。例えば、心線部92は、カーボンファイバを主体とする複数の素線921が撚り合わされてなる。また、本例の導体部93は、Al又はAl合金を主体とする複数の素線931が心線部92の外周により合わされてなる。このような送電線9として、代表的にはカーボンファイバ心アルミより線が挙げられる。カーボンファイバ心アルミより線は、CFRPストランドからなる心線部92と、心線部92の外周に複数のAl線が撚り合わされた導体部93とを備える。CFRPストランドは、炭素繊維と樹脂とを用いて構成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の素線が複数撚り合わされて構成される。CFRPストランドは、例えば、炭素繊維複合材ケーブル(CFCC(東京製綱株式会社の登録商標):Carbon Fiber Composite Cable)を用いることができる。Al線は、純Al線又はAl合金線を用いることができる。一方、ジャンパ線95は、例えばAlより線によって構成される。
本例の組立キット5は、入れ子状に構成される第一スリーブ1と第二スリーブ2と第三スリーブ3とを備える。引留クランプを構成する本例の組立キット5は更に、ジャンパソケット4を備える。送電線9に組立キット5が取り付けられる際、第一スリーブ1及び第二スリーブ2は、第二スリーブ2の外周側から圧縮され、送電線9の心線部92を保持する。第三スリーブ3は、その外周から圧縮され、送電線9の導体部93を保持する。ジャンパソケット4は、その外周から圧縮され、ジャンパ線95を保持する。この本例の組立キット5の特徴の一つは、以下に示す前提において、第一スリーブ1の軸方向の伸びが、第二スリーブ2の軸方向の伸びよりも3mm以上長くなる点にある。
前提…第一スリーブ1に心線部92が収納され、第二スリーブ2に第一スリーブ1が収納された状態において、第二スリーブ2の圧縮領域2R(図2)にわたって第二スリーブ2の外周が第二スリーブ2の軸方向に直交する方向から圧縮されること。圧縮領域2Rについては後述する。
以下、組立キット5の各構成を詳細に説明する。
第一スリーブ1は、図2に示されるように、第一中空孔1hを備える筒状部材である。第一中空孔1hは、その内部に送電線9の心線部92を収納する。第一中空孔1hの軸線と、第一スリーブ1の軸線とは一致していることが好ましい。また、第一中空孔1hは、図示する貫通孔でも良いし、底部を有する止まり穴であっても良い。この第一スリーブ1は、後述する第二スリーブ2の内部に収納され、第二スリーブ2と共に外周側から圧縮される。第二スリーブ2が圧縮されると、第一スリーブ1は、心線部92の外周面に密着すると共に、第二スリーブ2の第二中空孔2hの内周面に密着する。このとき、第一スリーブ1の軸方向の伸びが、第二スリーブ2の軸方向の伸びよりも3mm以上長くなることで、心線部92の圧壊が抑制されると共に、第一スリーブ1を介して心線部92と第二スリーブ2とが接続される。
第二スリーブ2は、図2,3に示されるように、心線部92の端部を把持する部材である。組立キット5が送電線9に取り付けられる際、第二スリーブ2は、心線部92の端部及び第一スリーブ1を内部に収納した状態で圧縮される。
第三スリーブ3は、図1に示されるように、第三中空孔3hを備える筒状部材である。第三中空孔3hは、第三スリーブ3の軸方向に沿って伸びる貫通孔である。第三中空孔3hの内部には、送電線9の導体部93の端部と、第二スリーブ2のアイボルト24以外の部分とが収納される。第三スリーブ3は、導体部93の端部及び第二スリーブ2の開口部22側の部分と共に圧縮される。第三スリーブ3は、導体部93の素線931と同じ材質によって構成されることが好ましい、具体的には、第三スリーブ3は、純Al又はAl合金によって構成される。
ジャンパソケット4は、ソケット接続部30に接続される取付部40と、ジャンパ線95を把持する把持部48とを備える。ジャンパソケット4の材質は、純Al又はAl合金が挙げられる。
実施形態1に係る組立キット5によれば、送電線9への取付け時における送電線9の心線部92の損傷を抑制できる。第一中空孔1hに心線部92が収納され、第二中空孔2hに第一スリーブ1が収納された状態において、圧縮領域2Rにわたって第二スリーブ2の外周が圧縮機によって圧縮されたとき、第一スリーブ1の軸方向の伸びが、第二スリーブ2の軸方向の伸びよりも3mm以上長くなるからである。この点は、後述する試験例の結果によって裏付けられる。
組立キット5の施工方法は、心線部接続工程と導体部接続工程とを備える。その説明にあたっては、送電線の接続構造100を示す図4を参照する。
心線部接続工程では、第二スリーブ2の圧縮領域2Rを圧縮して、心線部92の端部と第二スリーブ2とを接続する。
導体部接続工程では、第三スリーブ3を圧縮して、導体部93の端部及び第二スリーブ2と、第三スリーブ3とを接続する。まず、送電線9の端部から離れた位置に逃がされていた第三スリーブ3を当該端部に移動させる。その結果、心線部92の端部が接続された第二スリーブ2及び導体部93の端部が第三スリーブ3の内部に収納される。次に、第三スリーブ3を圧縮する。この圧縮により、導体部93の端部と第三スリーブ3とを接続する。この圧縮では、第三スリーブ3の横断面形状が、例えば六角形状となるように圧縮する。この圧縮には市販の圧縮機を利用できる。
主として図4,5を参照して、実施形態1に係る送電線の接続構造100を説明する。この送電線の接続構造100は、送電線9と、送電線9の端部を圧縮してその端部を鉄塔の碍子に固定する電線保持部材7とを備える。電線保持部材7は、上述の組立キット5を用いて得られたものである。図4では説明の便宜上、図1に示されるジャンパソケット4は省略している。
第一スリーブ1の第一中空孔1hの内周面は、心線部92の外周輪郭に沿って密着する密着面を有する。この密着面は心線部92のより溝を埋めるように形成され、密着面と心線部92との間には実質的に隙間が形成されていない。第一中空孔1hの密着面よりも第二スリーブ2の底部21側は、第一スリーブ1の内部に心線部92が挿通されない空隙部が形成されている。第一スリーブ1の外周面のうち密着面の外側に対応する箇所は、第二スリーブ2の第二中空孔2hの内周面の形状に沿っている。本例では、第一スリーブ1の横断面の外周輪郭形状は円形状である。
第二スリーブ2の圧縮領域2Rにおける第二中空孔2hは、第一スリーブ1の外周輪郭形状に沿って密着する内周面を有する。電線保持部材7において、圧縮領域2Rは実際に圧縮された状態にある。圧縮領域2Rにおける第二中空孔2hの内周面と第一スリーブ1の外周面との間には、実質的に隙間が形成されていない。圧縮領域2Rの全域にわたって心線部92の端部が収納されていることが好ましく、心線部92の端部が収納されていない空隙部が形成されていないことが好ましい。圧縮領域2Rの外周面は、圧縮領域2Rを圧縮する圧縮機のダイス形状に沿っている。本例の圧縮領域2Rの横断面形状は六角形状である。
第三スリーブ3の内周面は、導体部93の外周輪郭に沿って密着する導体部密着面と、第二スリーブ2の外周輪郭に沿って密着するスリーブ密着面とを有する。導体部密着面は導体部93のより溝を埋めるように形成され、導体部密着面と導体部93との間には実質的に隙間が形成されていない。本例では、スリーブ密着面は、圧縮領域2Rの一部(先端側)の外周面と密着することもある。第三スリーブ3の外周面のうち、導体部密着面及びスリーブ密着面の外側に対応する箇所は、第三スリーブ3を圧縮する圧縮機のダイス形状に沿っている。本例では、圧縮された第三スリーブ3の横断面の外周輪郭形状は六角形状である。
実施形態1に係る送電線の接続構造100は、カーボンファイバの心線部92を有するアルミより線の送電線9を鉄塔に引き留めることに好適に利用される。
実施形態1に係る送電線の接続構造100によれば、送電線9と電線保持部材7との接合強度が高い。電線保持部材7を構成する組立キット5によって、心線部92が圧壊することなく、心線部92が電線保持部材7に接続されるからである。
実施形態2に係る組立キット6を主として図6,7に基づいて説明する。実施形態2に係る組立キット6は、送電線9Aの接続対象が他の送電線9Bである中間接続構造である。図6,7では、組立キット6を構成する各部材が組まれた状態が示されている。送電線9A,9Bに関しては、図8,9を参照のこと。図7では、送電線9Aを仮想線によって示す。
本例の組立キット6は、鉄塔間に配置されて一方の送電線9Aと他方の送電線9Bとを電気的かつ機械的に接続する。組立キット6は、実施形態1の組立キット5と同様に、第一スリーブ1と第二スリーブ2と第三スリーブ3とを備える。
本例の組立キット6は、二つの第一スリーブ1を備える。二つの第一スリーブ1は、実施形態1の第一スリーブ1と同様の構成を備える。本例の第一スリーブ1の第二端12は、図7に示されるように第二スリーブ2の開口部22から突出している。また、本例の第一スリーブ1も、第二スリーブ2の圧縮領域2Rが圧縮されたとき、第一スリーブ1の軸方向の伸びが第二スリーブ2の軸方向の伸びよりも3mm以上長くなるように構成されている。
第二スリーブ2は、図6に示されるように心線部92の端部及び第一スリーブ1を内部に収納する2つの第二中空孔2hを備える。一方の第二中空孔2hと他方の第二中空孔2hとはそれぞれ、第二スリーブ2の軸方向の一端側と他端側とに設けられる。一方の第二中空孔2hと他方の第二中空孔2hとは連通していない。
第三スリーブ3は、一方の導体部93と他方の導体部93とを把持する。第三スリーブ3は、第二スリーブ2の全部と両導体部93の端部とを内部に収納する円筒状部材であり、軸方向の両端に開口部を有する。
図6,7に示される組立キット6を用いて作製された実施形態2に係る送電線の接続構造101を図8,9に基づいて説明する。この送電線の接続構造101は、一方の送電線9Aと他方の送電線9Bと電線保持部材8とを備える。電線保持部材8は、一方の心線部92及び他方の心線部92の端部を把持する第一スリーブ1及び第二スリーブ2と、一方の導体部93及び他方の導体部93の端部を把持する第三スリーブ3とを備える。この電線保持部材8は、組立キット6に備わる第一スリーブ1及び第二スリーブ2の圧縮領域2Rと、第三スリーブ3とを個々に圧縮したものである。
試験例では、実施形態1に示す組立キット5の第一スリーブ1と第二スリーブ2とを用いて、複数の圧縮条件の下、送電線9の心線部92を圧縮する圧縮試験を行った。一つの圧縮条件に対して必ず複数の送電線9の圧縮試験を実施している。
試験例1の心線部92は、カーボンファイバとエポキシ樹脂とで構成された7本の素線921をより合わせたより線であった。心線部92の外径、即ち複数の素線921の外接円の直径は6.9mmであった。一方、組立キット5は3種類用意した。
試験例2の心線部92は、7本の素線921をより合わせたより線であって、その外径が7.8mmである。試験例2において使用される試料No.4から試料No.7の組立キット5は表2に示す通りである。各試料の圧縮領域2Rの長さは140mmであった。
試験例3の心線部92は、7本の素線921をより合わせたより線であって、その外径が8.3mmである。試験例3において使用される試料No.8から試料No.10の組立キット5は表3に示す通りである。各試料の圧縮領域2Rの長さは160mmであった。
試験例4の心線部92は、7本の素線921をより合わせたより線であって、その外径が9.6mmである。試験例4において使用される試料No.11及び試料No.12の組立キット5は表4に示す通りである。各試料の圧縮領域2Rの長さは180mmであった。
試験例5の心線部92は、7本の素線921をより合わせたより線であって、その外径が10.8mmである。試験例5において使用される試料No.13及び試料No.14の組立キット5は表5に示す通りである。各試料の圧縮領域2Rの長さは200mmであった。
試験例6の心線部92は、7本の素線921をより合わせたより線であって、その外径が12.5mmである。試験例6において使用される試料No.15の組立キット5は、表6に示す通りである。試料No.15の圧縮領域2Rの長さは200mmであった。
以上説明した本開示の実施形態に関連して、更に以下の構成を開示する。
第一中空孔を有する第一スリーブと、
前記第一スリーブを収納する第二中空孔を有する第二スリーブと、
前記第二スリーブを収納する第三中空孔を有する第三スリーブとを備え、
前記第二中空孔は、底部と開口部とを有し、
前記第一スリーブは、前記底部に接触する第一端と、前記開口部側に配置される第二端とを備え、
前記第一端が前記底部に接触した状態において、前記第二端が前記開口部から突出する、
組立キット。
1 第一スリーブ
1h 第一中空孔、1R 第二端領域
11 第一端、12 第二端、13 内角部
2 第二スリーブ
2h 第二中空孔、2R 圧縮領域
21 底部、22 開口部、24 アイボルト
3 第三スリーブ
3h 第三中空孔
30 ソケット接続部
4 ジャンパソケット
40 取付部、48 把持部、4B ボルト
5,6 組立キット
7,8 電線保持部材
9,9A,9B 送電線
92 心線部 921 素線
93 導体部 931 素線
95 ジャンパ線
Claims (15)
- 心線部の外周に導体部が設けられた送電線の端部を保持して、前記送電線を接続対象に電気的に接続させる電線保持部材を構成する組立キットであって、
第一中空孔を有する第一スリーブと、
前記第一スリーブを収納する第二中空孔を有する第二スリーブと、
前記第二スリーブを収納する第三中空孔を有する第三スリーブとを備え、
前記第二中空孔は、底部と開口部とを有し、
前記第一スリーブは、前記底部に接触する第一端と、前記開口部側に配置される第二端とを備え、
前記第二スリーブは、前記送電線の端部に取り付けられる際、軸方向に実質的に直交する方向から機械的に圧縮される圧縮領域を備え、
前記第一中空孔に前記心線部が収納され、前記第二中空孔に前記第一スリーブが収納された状態において、前記圧縮領域にわたって前記第二スリーブの外周が前記直交する方向から圧縮されたとき、前記第一スリーブの軸方向の伸びが、前記第二スリーブの軸方向の伸びよりも3mm以上長い、
組立キット。 - 前記第一スリーブのビッカース硬度が15以上30以下であり、
前記第二スリーブのビッカース硬度が100以上300以下である請求項1に記載の組立キット。 - 前記第一スリーブにおける前記第一中空孔が形成される部分の厚さが、2.5mm以上5.0mm以下であり、
前記第二スリーブにおける前記第二中空孔が形成される部分の厚さが、3.5mm以上10.0mm以下である請求項1又は請求項2に記載の組立キット。 - 前記第一スリーブは、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成され、
前記第二スリーブは、鋼によって構成され、
前記第三スリーブは、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の組立キット。 - 前記第一端が前記底部に接触した状態において、前記第二端が前記開口部から突出する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組立キット。
- 前記第一中空孔における内周面の表面粗さRaは、0.2μm以上12.5μm以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の組立キット。
- 前記第一スリーブにおける前記第一中空孔が形成される部分の外周面の表面粗さRaは、0.2μm以上12.5μm以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の組立キット。
- 前記心線部がカーボンファイバを含み、前記導体部がアルミニウム又はアルミニウム合金によって構成される前記送電線に接続される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の組立キット。
- 前記第二スリーブは、その軸方向における前記開口部とは反対側に設けられるアイボルトを備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の組立キット。
- 前記第一スリーブを二つ備え、
前記第二スリーブは、前記第二中空孔を二つ備え、
一方の前記第二中空孔と他方の前記第二中空孔とはそれぞれ、前記第二スリーブの軸方向の一端側と他端側とに設けられる請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の組立キット。 - 前記第一スリーブは、前記第一スリーブの軸方向における前記第二端から所定長の領域である第二端領域を備え、
少なくとも前記第二端領域における前記第一中空孔の内径は、前記第二端に向かうに従って大きくなっている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の組立キット。 - 心線部、及び前記心線部の外周に配置される導体部を有する送電線と、
前記送電線の端部を保持して、前記送電線を接続対象に電気的に接続させる電線保持部材と、を備える送電線の接続構造であって、
前記心線部は、カーボンファイバを含み、
前記導体部は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成され、
前記電線保持部材は、
前記心線部が収納される第一中空孔を有する第一スリーブと、
前記第一スリーブが収納される第二中空孔を有する第二スリーブと、
前記第二スリーブ、及び前記導体部の端部が収納される第三中空孔を有する第三スリーブとを備え、
前記第二中空孔は、底部と開口部とを有し、
前記第一スリーブは、前記底部に接触する第一端と、前記開口部側に配置される第二端と、を備え、
前記第一スリーブは、前記心線部に密着し、
前記第三スリーブは、前記導体部に密着し、
前記第一スリーブの軸方向における前記第二端から所定長の部分において、前記第一中空孔の内径が、前記第二端に向かうに従って大きくなっており、
前記第二スリーブは、前記送電線の端部に取り付けられる際、軸方向に実質的に直交する方向から機械的に圧縮された圧縮領域を備え、
前記第一スリーブの軸方向の伸びが、前記第二スリーブの軸方向の伸びよりも3mm以上長い、
送電線の接続構造。 - 前記第二端は、前記開口部から突出している請求項12に記載の送電線の接続構造。
- 前記第二端における前記第一中空孔の内周面が、前記心線部の外周面から離隔している請求項13に記載の送電線の接続構造。
- 前記開口部から突出している前記第一スリーブの外径が、前記第二端に向かうに従って徐々に大きくなっている請求項13又は請求項14に記載の送電線の接続構造。
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