JP2019019355A - 電磁鋼板及びその製造方法、ロータ用モータコア及びその製造方法、ステータ用モータコア及びその製造方法、並びに、モータコアの製造方法 - Google Patents

電磁鋼板及びその製造方法、ロータ用モータコア及びその製造方法、ステータ用モータコア及びその製造方法、並びに、モータコアの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歪み取り焼鈍時における磁束密度の低下が抑制された電磁鋼板及びその製造方法を提供する。【解決手段】Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする鋼板であって、平均結晶粒径が、60μm以上80μm以下である、電磁鋼板。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機、発電機、変圧器の磁心等の用途に好適であり、これらの磁心の小型化や高効率化に貢献できる磁束密度を高めた電磁鋼板およびその製造方法、並びに、当該電磁鋼板を用いたモータコア及びその製造方法に関する。
地球温暖化対策等のため、モータや発電機は高効率が求められている。そのため、モータや発電機等の磁心に使用される電磁鋼板には高磁束密度化と低鉄損化が求められており、特に高周波領域での低鉄損化が強く求められている。
また、近年、モータの駆動システムの発達により、駆動電源の周波数制御が可能となり、可変速運転や商用周波数以上での高速回転を行うモータが増加している。このような高速回転を行うモータでは、ロータのような回転体に作用する遠心力は回転半径に比例し、回転速度の2乗に比例して大きくなるため、特に中・大型の高速モータのロータ材としては高強度材が必要となる。また、ロータは頻繁に回転、停止を繰り返すことを前提としているため、ロータ用素材は疲労強度に優れることが求められている。高強度材はこの点でも有利となっている。
電磁鋼板は、通常、Siを含有するものであり、種々の目的から、更に、MnやAl等を添加することが知られている。
特許文献1には、低鉄損で高硬度の無方向性電磁鋼板として、Siと、Mnと、Alとをそれぞれ特定量含有する、特定の無方向性電磁鋼板が開示されている。特許文献1によれば、Si、Alの含有量比や、熱延板焼鈍版の延性を制御することによって、高周波鉄損の低減と鋼板の生産性を両立させた無方向性電磁鋼板が得られるとされている。
また、特許文献2には、高磁束密度でかつ高周波域での鉄損特性に優れた無方向性電磁鋼板として、Siと、Mnと、AlとPをそれぞれ特定量含有する、特定の無方向性電磁鋼板が開示されている。特許文献2によれば、結晶粒界上に存在するリンの量を高くすることが、磁束密度の低下を抑制、及び、鉄損低減に有効であるとされている。
また従来より電磁鋼板は、追加熱処理して使用されることがある。代表的なものとして「歪取り焼鈍」が知られている。これは、鋼板を電機部品として加工する際の打ち抜き等により鋼板に不可避的に導入される歪が特に鉄損を悪化させるため、最終的に不要な歪を除去するための熱処理であり、鋼板から切り出されたブランクまたは積層したコアに対して施される。しかし、歪取り焼鈍においては、歪を解放して鉄損を改善する効果は明白ではあるものの、同時に磁気特性にとって好ましくない結晶方位が発達し磁束密度が低下してしまうことがあるため、特に高い磁気特性が求められる場合には、歪取り焼鈍での磁束密度低下の回避が求められている。
この問題を直接解決するものではないが、歪取り焼鈍に類似するプロセスとしては、仕上焼鈍後の鋼板を意図的に再冷延し、冷間圧延ままの状態で出荷し、冷延ままの鋼板を加工して鉄心を形成した後、鋼板ユーザーで焼鈍を行い、必要な磁気特性を得る、いわゆる「セミプロセス材」が開発されており、例えば特許文献3、4に開示されている。
特開2007−247047号公報 特開2015−40309号公報 特開平3−223424号公報 国際公開第2014/129034号
上記の歪取り焼鈍による特性低下が大きな問題となることが想定される。例えば、モータのロータ用とステータ用のブランクを同じ鋼板から切り出して使用する場合である。これはステータ用として切り出すブランクは中央部の大きな部分は空間となっているため、この部分の材料をロータ用ブランクとして使用すれば、材料歩留まりとしては非常に有利となり、このような状況が一般的であるとも言える。この際、ロータ用として切り出した素材については強度が必要であるが、ステータ用に切り出した材料については、強度は必要ではなく、通常の再結晶材と同じく高磁束密度と低鉄損が必要とされる。このため、ステータ用に切り出されたブランクについてはステータコアに成形した後、追加熱処理を施し十分に再結晶させる。この際、析出物や組織微細化を利用した高強度材は、追加熱処理における組織変化、すなわち材質変化が大きいが、単に強度が低下するだけでなく、磁気特性、特に高周波特性については、通常の再結晶材よりも劣ったものにしかなり得なかった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、疲労強度に優れ、低鉄損で、歪取り焼鈍時における磁束密度の低下が抑制された電磁鋼板及びその製造方法、当該電磁鋼板を用いた低鉄損で、高磁束密度のモータコア及びその製造方法を提供する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、Mnを比較的多量に含有する電磁鋼板では、回復から粒成長初期といった再結晶組織形成の初期段階は加熱速度を高くしてこれらを進行させた後、再結晶〜粒成長後期といった再結晶組織形成の後期段階では加熱速度を低くして徐加熱でこれらを進行させた場合に、後段の熱処理による磁束密度の低減が抑制されることを見出し、さらに疲労強度も良好となることを確認し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る電磁鋼板は、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする鋼板であって、
平均結晶粒径が、60μm以上80μm以下であることを特徴とする。
本発明において、前記鋼板が、酸化物を有し、当該酸化物の平均組成が、Siを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有することが好ましい。
本発明の鋼板において、前記酸化物の平均径が250nm以上であることが好ましい。
本発明の鋼板において、前記鋼板内に含まれる前記酸化物の数密度が、2.0×10〜1.2×10個/mmであることが好ましい。
本発明の鋼板において、加熱速度100℃/h以下、最高到達温度750℃〜850℃、750℃以上での保持時間が0.5時間以上100時間以下の条件で熱処理を実施する前の磁束密度をBA、実施した後の磁束密度をBBとしたときに、BB/BA≧0.98であることが好ましい。
本発明において、前記鋼板がα−γ変態系であり、前記鋼板の板厚1/2厚位置における{100}<011>方位の対ランダム強度比が50以上であるが好ましい。
本発明の電磁鋼板の製造方法は、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、前記熱延板を酸洗する工程と、前記熱延板を冷延板とする冷間圧延工程と、前記冷延板の仕上焼鈍工程とを有し、前記仕上焼鈍工程の加熱条件が、400℃から750℃までの平均加熱速度5℃/s以上、最高到達温度750℃以上1000℃未満、750℃以上での保持時間が45秒以上150秒以下であることを特徴とする。
本発明のα−γ変態系である電磁鋼板の製造方法は、α−γ変態系であり、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、前記熱延板を酸洗する工程と、前記熱延板を冷延板とする冷間圧延工程と、前記冷延板の仕上焼鈍工程とを有し、前記仕上焼鈍工程の加熱条件が、400℃から750℃までの平均加熱速度5℃/s以上、最高到達温度750℃以上1000℃未満、且つ、前記インゴットのT1以下、750℃以上での保持時間が20秒以上150秒以下であることを特徴とする。
本発明のロータ用モータコアは、前記本発明の電磁鋼板が積層されてなることを特徴とする。
本発明のロータ用モータコアの製造方法は、電磁鋼板電磁鋼板を、打ち抜き加工することにより鋼板ブランクを得る工程(I)と、前記鋼板ブランクを積層する工程(II)とを有することを特徴とする。
本発明のステータ用モータコアは、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする鋼板であって、平均結晶粒径が80μm超150μm以下である電磁鋼板が積層されてなることを特徴とする。
本発明のステータ用モータコアは、前記鋼板が、酸化物を有し、当該酸化物の平均組成が、Siを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有することが好ましい。
本発明のステータ用モータコアの製造方法は、前記本発明の電磁鋼板を、打ち抜き加工することにより鋼板ブランクを得る工程(I’)と、前記鋼板ブランクを積層する工程(II’)とを有し、前記工程(I’)の後、且つ、前記工程(II’)の前又は後に、前記鋼板ブランクを、加熱速度が100℃/h以下、最高到達温度が750℃〜850℃、750℃以上での保持時間が0.5時間以上100時間以下の条件で熱処理を行うことにより、前記鋼板の平均結晶粒径を80μm超150μm以下とする工程(III’)を有することを特徴とする。
本発明のモータコアの製造方法は、前記ロータ用モータコアと、前記ステータ用モータコアを有するモータコアの製造方法であって、前記ロータ用モータコアの鋼板ブランクと、前記ステータ用モータコアの鋼板ブランクが、同一の前記本発明の電磁鋼板から打ち抜かれることを特徴とする。
本発明によれば、疲労強度に優れ、低鉄損で、歪取り焼鈍時における磁束密度の低下が抑制された電磁鋼板及びその製造方法、並びに、当該電磁鋼板を用いた低鉄損で、高磁束密度のモータコア及びその製造方法を提供することができる。
図1は、モータコアの製造方法の一例を示す、模式的な概略工程図である。 図2は、圧延板表層に形成された加工組織を示す図である。 図3は、鋼板をα相単相の状態から加熱した際に測定した熱膨張収縮挙動を示すグラフである。
以下、本発明に係る電磁鋼板及びその製造方法、並びに、当該電磁鋼板を用いた本発明に係るモータコア及びその製造方法について、順に詳細に説明する。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
また、本発明において「ppm」は、特に断りがない限り、質量比を表す。
[電磁鋼板]
本発明の電磁鋼板は、低鉄損であり、歪取り焼鈍時における磁束密度の低下が抑制され、高磁束密度を保持して最終製品を製造することができる。
本発明に係る電磁鋼板は、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする鋼板であって、
平均結晶粒径が、60μm以上80μm以下であることを特徴とする。
当該鋼板は、Mnが比較的高濃度であると共に、Al含有量を抑制した結果、低鉄損化が達成されると共に、従来よりも歪取り焼鈍時の磁束密度の低下が抑制される。また、電磁鋼板の平均結晶粒径を60μm以上80μm以下とすることにより歪取り焼鈍時の磁束密度低下が、更に、抑制される。
即ち、上記本発明の電磁鋼板は、以下のような特徴を有している。
上記電磁鋼板は、疲労強度に優れ、低鉄損でありロータ用モータコア用途に適している。そのため上記電磁鋼板は、所望のロータ形状に打ち抜き加工し、得られた鋼板ブランクを積層することにより、好適なロータ用モータコアを製造することができる。
また、上記電磁鋼板を歪取り焼鈍することにより、低鉄損で、且つ高磁束密度の電磁鋼板となる。当該歪取り焼鈍後の電磁鋼板は、ステータ用モータコア用途に適している。そのため上記本発明の電磁鋼板を、所望のステータ形状に打ち抜き加工し、得られた鋼板ブランクを、積層前か又は積層後に、歪取り焼鈍を行うことにより、好適なステータ用モータコアを製造することができる。
また、本発明の電磁鋼板から、ロータコア用鋼板ブランクと、ステータ用鋼板ブランクとをそれぞれ打ち抜き、ステータ用鋼板ブランクのみを歪取り焼鈍することにより、好適なロータ用モータコアと、好適なステータ用モータコアを、同一の電磁鋼板から一度に製造することも可能となる。そのため1枚の電磁鋼板をより効率的に利用して、疲労強度に優れ、低鉄損で、歪取り焼鈍時における磁束密度の低下が抑制されたモータコアを製造することが可能となる。
以下、このような本発明の電磁鋼板の好ましい形態についてより詳細に説明する。
<酸化物>
本発明の電磁鋼板は、更に酸化物を有し、当該酸化物の平均組成がSiを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有することが好ましい。当該酸化物は、鋼板中にピニング粒子として分散することで母相であるFe結晶粒の方位選択性を伴う成長を制御する効果を有し、その組成は母相であるFe結晶との整合性を介して、上記のピニング効果に影響を及ぼしていると考えられ、平均組成がこの範囲を外れるとこの効果が小さくなる。酸化物の組成は、電磁鋼板の鋼板表面から厚みtに対して1/4t深さ位置で抽出レプリカ法により作製した試料をエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により分析し求めることができる。組成は個々の酸化物で変化するので、少なくとも20個の酸化物についての個々の酸化物の組成を求め、それを平均する。つまり、大きな酸化物であっても、小さな酸化物であっても、平均組成への寄与は同じとし、サイズ(酸化物を形成している元素量)は問題としない。また、酸化物内で各元素が偏析していることもあるが、一体となった酸化物は一つの酸化物として計測するものとする。
更に本発明の電磁鋼板は、酸化物の平均径が250nm以上であることが好ましい。本発明において酸化物は、後述のような特定条件での、磁気特性に有利な結晶方位を持つ結晶粒の選択的な粒成長を促進し、不利な結晶方位を持つ結晶粒の選択的な粒成長を抑制する効果をピニング効果を介して発揮するものと考えているが、サイズが小さな酸化物は方位選択効果への寄与が小さく、平均径がこの範囲を外れると発明効果が小さくなる。
酸化物の平均径は、電磁鋼板の鋼板表面から厚みtに対して1/4t深さ位置で抽出レプリカ法により作製した試料から、少なくとも100個の酸化物について透過型電子顕微鏡により観察しサイズを求め、それを平均する。観察形態が略円形でなく延伸した形状を有する酸化物については、個々の酸化物の観察面積を円相当の直径としてサイズを算出するものとする。この算出は画像処理などにより容易に行うことが可能なものである。
また酸化物の数密度は、同じサンプルを用いて、10μm×10μmの視野中の酸化物を計測し、少なくとも5視野以上の計測値を平均して求める。
更に本発明の電磁鋼板は、当該鋼板内に含まれる前記酸化物の数密度が2.0×10〜1.2×10個/mmであることが好ましい。本発明において酸化物は、後述のような特定条件での、磁気特性に有利な結晶方位を持つ結晶粒の選択的な粒成長を促進し、不利な結晶方位を持つ結晶粒の選択的な粒成長を抑制する効果を、ピニング効果を介して発揮するものと考えているため、全く存在しないのではこの効果が期待できない。また数密度が多すぎると粒成長または磁壁移動を阻害する効果が大きくなり磁気特性が低下するばかりでなく、酸化物が疲労破壊の起点となるため疲労特性も低下する。
SiおよびMnを高濃度に含有する酸化物の組成を含めた形態を適切に制御することで、歪取り焼鈍時の磁束密度低下の抑制効果をより顕著に得ることができる。
つまり、本発明の電磁鋼板は、再結晶粒の成長の際に生じていた磁束密度の低下を抑制することができるものであり、例えば、加熱速度100℃/h以下、最高到達温度750℃〜850℃、750℃以上での保持時間が0.5時間以上100時間以下の条件で熱処理を実施する前の磁束密度をBB、実施した後の磁束密度をBAとしたときに、
BA/BB≧0.98
なる関係を達成することができる。
この理由については、必ずしも明らかではないが以下のように考えている。
従来の電磁鋼板では、歪取り焼鈍等の追加加熱を行うと、磁気特性に良いとされる{100}や{411}方位を有する結晶粒よりも、磁気特性に好ましくなりとされる他の方位({111}や{211})を有する結晶粒の成長が優位となり磁束密度が大きく低下ものと推定される。本発明の電磁鋼板は、Mnを比較的高濃度とし、Alを微量とすることにより、電磁鋼板製造時(即ち仕上焼鈍後、歪取り焼鈍前)における結晶方位が高磁束密度化に有利なもの、即ち、{100}や{411}方位を有する結晶粒が優位となっていると推定される。本発明の電磁鋼板は仕上焼鈍後に{100}<011>が優位に存在し、更に比較的微細な結晶粒を有するため、隣接粒間の方位差が小さく、追加加熱時後の徐加熱粒成長時の方位発達においても、他の方位の成長が優位となることなく、高磁束密度を保持するものと推定される。
またこれに加え、Mnが比較的高濃度であると共に、Al含有量を抑制し、さらにCa、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を含有させた結果、特に酸化物形態が変化しており、これが徐加熱での粒成長時の特定方位の選択的な成長においてピニング粒子として、磁気特性にとって有利な結晶方位を持つ結晶粒の選択的な成長促進、または磁気特性にとって不利な結晶方位を持つ結晶粒の選択的な成長抑制に好ましく作用している可能性がある。つまり、酸化物形態を適切に制御した本発明鋼では、再結晶の初期段階(結晶粒径としては80μm以下の段階)において相対的に高加熱速度で生成させた結晶を、再結晶の後期における粒成長段階(結晶粒径としては80μm超の段階)で、相対的に低加熱速度で成長を進行させた際の方位選択性を変化させていると考えられる。
なお、本発明鋼では酸化物の数自体はそれほど多いものではなく、これが上記のようなピニング粒子として十分な作用を奏するのかについては不明であり、あくまでもひとつの解釈であることは断わっておく。
また、上記の結晶粒径および酸化物形態とすることで、疲労強度も非常に良好な特性となる。一般的に疲労強度には結晶粒微細化が有効であることが知られており、また粗大な酸化物が疲労破壊の起点になることが知られており、これら自体は特筆することではないが、高Mn系素材において、歪取り焼鈍時の磁気特性の劣化を回避するため、結晶粒径と酸化物形態を好ましく制御した材料での良好な疲労特性は本発明鋼の特徴の一つでもある。
本発明の電磁鋼板は、少なくとも鋼板により構成され、更に、必要に応じて絶縁被膜等を有していてもよいものである。以下、本発明に係る電磁鋼板の各構成について詳細に説明する。
<鋼板の組成>
本発明の電磁鋼板において、鋼板は、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする化学組成を有する。
なお、本発明において主成分とは、最も高い割合を示す成分のことをいい、通常、元素含有率が50質量%以上である。
上記化学組成は、鋼板を構成する鋼成分の組成である。測定試料となる鋼板が、表面に絶縁皮膜等を有している場合は、これを除去した後に測定する必要がある。
電磁鋼板の絶縁皮膜等を除去する方法としては、例えば次のものがある。まず、絶縁皮膜等を有する電磁鋼板を、NaOH:10質量%+HO:90質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、80℃で15分間、浸漬する。次いで、HSO:10質量%+HO:90質量%の硫酸水溶液に、80℃で3分間、浸漬する。その後、HNO:10質量%+HO:90質量%の硝酸水溶液によって、常温で1分間弱、浸漬して洗浄する。最後に、温風のブロアーで1分間弱、乾燥させる。これにより、後述の絶縁皮膜が除去された鋼板を得ることができる。
(Si:2.0質量%以上4.5質量%以下)
本発明の電磁鋼板において、Siの含有率は2.0質量%以上4.5質量%以下である。Siは無方向性電磁鋼板では一般的に鋼板の電気抵抗を上昇させることで鉄損を低下させるために添加される。Siの含有率が2.0質量%未満では、良好な磁気特性を確保できないばかりでなく、酸化物の形態を適切な範囲に保つことが困難となる。また4.5質量%超であると、酸化物の組成を適切な範囲に保つことが困難となる。
(Mn:2.5質量%以上5.0質量%以下)
本発明の電磁鋼板において、Mnの含有割合は2.5質量%以上5.0質量%以下である。Mnは無方向性電磁鋼板では一般的に鋼板の電気抵抗を上昇させることで鉄損を低下させるために添加される。Mnの含有率が2.5質量%未満では、良好な磁気特性を確保できないばかりでなく、酸化物の形態を適切な範囲に保つことが困難となる。また5.0質量%超であると、酸化物の組成を適切な範囲に保つことが困難となる。
さらにMn濃度がこの範囲内であれば、後述する製造法により、鋼板の結晶方位を{100}<011>方位が強く集積したものとして、磁束密度を高めることも可能となる。
好ましくは3.1%以上、さらに好ましくは3.6%以上、さらに好ましくは4.1%以上である。
(Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、Be:合計0.0001質量%以上0.1質量%以下)
本発明の電磁鋼板においては、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有する。これらの元素を合計で、0.0001質量%以上含有することにより、歪取り焼鈍時の方位選択性の効果を高める。これは、これらの元素が本発明が対象とするSiおよびMnを含有する酸化物に複合して含有されることに起因していると考えられる。一方で過剰に添加しても発明効果が飽和するばかりでなく、酸化物以外の析出物が形成され、磁壁の移動を妨げたり、粒成長を阻害するため鉄損を劣化させることがあるので、上限を0.1質量%とする。
(Al:0.03質量%未満)
本発明においては、Alは添加を避けるべき元素である。Alは強い酸化物形成元素であり、Alを高濃度に含有すると本発明効果にとって好ましい形態、特に好ましい組成を有する酸化物の形成が困難となる。このため0.03質量%未満とする。好ましくは0.02質量%未満、さらに好ましくは0.01質量%未満である。また、粗大な硬質の酸化物の形成を回避することで疲労特性を改善することにも寄与する。
(C:0.002質量%未満)
Cは、炭化物を形成して高磁場での磁気特性を劣化させる場合がある。また、磁気時効が生ずると高磁場での磁気特性も劣化してしまうため、C含有量は低くすることが好ましい。このため、C含有量は0.002質量%未満である。
製造コストの観点から、溶鋼段階で脱ガス設備(例えばRH真空脱ガス設備)によりC含有量を低減することが有利であり、C含有量を0.002質量%未満とすれば磁気時効の抑制効果が大きい。本発明に係る電磁鋼板では、高強度化の主たる手段として炭化物等の非金属析出物を用いないため、敢えてCを含有させるメリットはなく、C含有量は少ないことが好ましい。このため、C含有量は、好ましくは0.0015質量%以下であり、さらに好ましくは0.0012質量%以下である。電析などの技術を用いれば、化学的分析の限界以下である0.0001質量%以下に下げることも可能で、C含有量は0%であっても構わない。一方で工業的なコストを考えると、下限は0.0003%となる。
(S:0.002質量%未満)
Sは、硫化物を形成して高磁場での磁気特性を劣化させる場合があるため、S含有量は低いことが好ましい。S含有量は、0.002質量%未満であり、さらに好ましくは0.0004質量%以下であり、よりいっそう好ましくは0.0002質量%以下であり、最も好ましくは0.0001質量%以下である。S含有量は0質量%であっても構わない。
本発明の電磁鋼板において、鋼板は、本発明の効果を損なわない範囲で更にその他の元素を含有してもよい。含有してもよい元素としては、Sn、Sb、N、P、Cr、Ni、Cu、B、Nb、Moや、希土類元素(REM)等が挙げられる。以下、本発明の効果への影響が比較的強く現れるこれらの元素を説明する。
(Sn+Sb:0.005質量%以上0.1質量%以下)
Sn及びSbはいずれも無方向性電磁鋼板の集合組織を改善し磁気特性を高める効果を有するが、その効果を得るには、Sb及びSnのうち1種以上を合計で0.005質量%以上添加する必要がある。一方、過剰に添加すると鋼が脆化し、鋼板製造中の板破断やヘゲが増加するため、Sb及びSnのうち1種以上を合計で0.1質量%以下とすることが好ましい。
(N:0.0040質量%以下)
Nは、Cと同様に、窒化物の形成や磁気時効性により高磁場での磁気特性を劣化させる。このため、N含有量は好ましくは0.0040質量%以下である。高磁場での磁気特性の劣化を避けるためN含有量は、低いほうが好ましく、0.0027質量%以下とすれば磁気時効や窒化物の形成による高磁場での磁気特性への悪影響を十分に回避できる。N含有量は、さらに好ましくは0.0022質量%以下であり、よりいっそう好ましくは0.0015質量%以下である。電析などの技術を用いれば、化学的分析の限界以下である0.0001質量%以下に下げることも可能で、N含有量は0質量%であっても構わない。一方で工業的なコストを考えると、下限は0.0003質量%となる。
(P:0.5質量%以下)
Pは、強度調整、製造中の窒化、浸炭の抑制を目的として含有量が制御される他、さらに特に冷延前の粒界に偏析させた場合に集合組織を改善して磁束密度を向上させること等が知られており、0.001質量%以上含有させることが可能である。一般的な実用製鋼法では、不純物として、0.002質量%以上程度含有されることもある。一方で、過剰な添加は鋼を脆化させ、冷延性や製品の加工性を低下させるため、P含有量は、好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以下である。
(Cr:20質量%以下)
Crは、強度調整や耐食性、製造中の酸化挙動制御を目的として含有量が制御される他、特に高周波特性を向上させること等が知られており、0.001質量%以上含有させることが可能である。スクラップ等が混入する実用製鋼法では、不純物として、0.01質量%以上程度含有されることもある。一方で、過剰な添加は添加コストが増加し、磁気特性を低下させるため、Cr含有量は、好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
(Ni:10質量%以下)
Niは、強度調整や耐食性、製造中の酸化挙動制御を目的として含有量が制御される他、特に高周波特性を向上させること等が知られており、0.001質量%以上含有させることが可能である。スクラップ等が混入する実用製鋼法では、不純物として、0.01質量%以上程度含有されることもある。一方で、過剰な添加は添加コストが増加し、磁気特性を低下させるため、Ni含有量は、好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下である。
(Cu:0.2質量%以下)
Cuは、固溶元素として鋼板の飽和磁束密度Bsを大幅に低下させる。飽和磁束密度Bsの低下は磁気特性の低下につながる。このため、本発明に係る電磁鋼板の鋼板では、特別の目的がない限り、敢えてCuを含有させる必要はない。スクラップ等が混入する実用製鋼法では、不純物として、0.01質量%以上程度含有されることもある。したがって、Cu含有量は、好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.15質量%以下である。一方で、Cu析出により高強度化を図ることができることなども知られており、本発明に係る電磁鋼板の鋼板においても公知技術に準じて適宜用いることができる。
(B:0.01質量%以下)
Bは、製造中の窒化、浸炭の抑制を目的として含有量が制御される他、特に酸化物、窒化物を含む複合酸化物を形成して磁気特性を向上させること等が知られており、0.0001質量%以上含有させることが可能である。一方で、過剰な添加は鋼が脆化し、磁気特性を低下させるため、B含有量は、好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.005質量%以下である。
(Nb:0.0020質量%以下)
Nbは、NbCなどの析出物が高強度化に有効に作用するものの、これら析出物が磁壁移動を阻害し、高磁場での磁気特性を大幅に劣化させるため、敢えて含有させる必要はない。このため、Nb含有量は、好ましくは0.0020質量%以下であり、さらに好ましくは0.0010質量%以下である。スクラップ等が混入する実用製鋼法では、不純物として、0.0002質量%以上程度含有されることもある。
(Mo:0.0020質量%以下)
Moは、製造中の窒化、浸炭の抑制を目的として含有量が制御される他、特に酸化物、炭化物を含む複合酸化物を形成して磁気特性を向上させること等が知られており、0.0001質量%以上含有させることが可能である。一方で、これら析出物が磁壁移動を阻害し、高磁場での磁気特性を大幅に劣化させることがあるため、Mo含有量は、好ましくは0.0020質量%以下であり、さらに好ましくは0.0015質量%以下である。
(REM:0.050質量%以下)
REMは、特に酸化物、硫化物を含む複合酸化物を形成して磁気特性を向上させること等が知られており、0.0001質量%以上含有させることが可能である。一方で、これら析出物が磁壁移動を阻害し、高磁場での磁気特性を大幅に劣化させることがあるため、REM含有量は、好ましくは0.050質量%以下であり、好ましくは0.010質量%以下である。
更に本発明において、母鋼板はα−γ変態系を満たす化学組成を有することが好ましい。α−γ変態系とは、後述の熱膨張収縮挙動において、T1およびT2を有する成分系をいう。母鋼板がα−γ変態系を満たす化学組成を有することにより、母鋼板の表面位置における{100}<011>方位の対ランダム強度比が50以上の優れた方向性電磁鋼板を製造することが可能となる。
また、鋼板がα−γ変態系を満たすことにより{100}<011>方位の結晶粒がより優位となるため、追加加熱時後の徐加熱粒成長時の方位発達においても、他の方位の成長が優位となることなく、高磁束密度の保持に有利に作用する。
本発明においては、鋼板をα相単相の状態から加熱する際の熱膨張収縮挙動を測定して図3に示すようにグラフ化し、当該グラフの傾きの変化からT1(℃)、およびT2(℃)を決定する。
具体的には、α相単相の直線的な膨張挙動から傾きが小さくなる方向に外れる点をT1とする。これは、Fe原子1個当たりの占有体積が相対的に大きいα相が、占有体積が相対的に小さいγ相に変態することにより体積収縮が起きたことを示している。
この熱膨張収縮挙動はさらに温度を上げていくと再び傾きが大きくなる。そして再び単調な膨張挙動を示すようになる。この際に、傾きがゼロになる点をT2とする。これはα相中にγ相が相当量形成し、α+γの二相またはγ単相での熱膨張挙動を示す状況になっていることを示す。形成するγ相が少ない場合、熱膨張収縮曲線は変曲点を示すものの傾きが負になる領域を持たず単調に増加し続けることになる。この状況ではT2を決定できない。このような鋼は、前述の{100}<011>方位の高集積化効果を十分に得ることができないため、本発明で規定するα−γ変態系には含めないものとする。
このような熱膨張収縮挙動は、加熱速度にも依存することがよく知られているが、本発明においては、加熱速度を2℃/sとして得られる熱膨張収縮挙動から決定するものとする。
本発明の効果は熱履歴の過程でγ相の形成量が多いほど顕著に発現することから、上記の変化は大きいほど好ましい。本発明においては、これをT1とT2の温度差により規定する。
後述するように{100}<011>方位の対ランダム強度比向上の点から仕上げ焼鈍の最高到達温度をT1以下とすることが好ましい。同じく後述するように、目的とする磁気特性および疲労強度を得るために仕上げ焼鈍の最高到達温度を750℃以上1000℃未満の範囲内にする必要がある。これらを考慮すると、T1は750℃以上であればよく、1000℃以上であれば、750℃以上1000℃未満の範囲内にすると、磁気特性および疲労強度と共に{100}<011>方位の対ランダム強度比向上も達成されるため、母鋼板の化学組成は、T1が1000℃以上の範囲となるものであることが好ましい。
また、上記母鋼板のT2はT2>T1であることから、下限はT1超ということになる。上限は特に限定されないが、後述するように、{100}<011>方位の対ランダム強度比向上の点からスラブ加熱温度をT2以上にすることが好ましいことと、同じく後述するように、熱延組織の不用意な粗大化を回避する観点からスラブ加熱温度を1200℃以下とすることが好ましいことを考慮すると、T2は1200℃以下であることが好ましい。言い方を変えると、本発明鋼板の化学組成は、T2が1200℃以下となるものであることが好ましい。
さらに、T1、T2は、{100}<011>方位の集積度と関連して、好ましい関係を有する。α−γ変態に関して{100}<011>方位の集積度が高くなる本発明の効果は、後述するように熱履歴の過程でγ相の形成量が多いほど顕著に発現し、この影響は、T1とT2の温度差により規定することが可能である。すなわち、T2とT1の温度差が大きいほど、γ相の存在量が大きくなることから、該発明効果を得るために好都合であり、本発明鋼板の化学組成は、T2−T1≧10となるものであることが好ましい。
(不可避不純物)
本発明の電磁鋼板において鋼板は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に不可避的に混入する各種元素(不可避不純物)を含むものであってもよい。
鋼板中の各元素の含有割合は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により測定することができる。具体的には、まず、測定対象となる電磁鋼板を準備する。当該電磁鋼板の一部を切子状にして秤量し、これを測定用試料とする。当該測定用試料を酸に溶解し酸溶解液とし、残渣は濾紙回収して別途アルカリ等に融解し、融解物を酸で抽出して溶液化する。当該溶液と前記酸溶解液とを混合し、必要に応じて希釈することにより、ICP−MS測定用溶液とすることができる。
< {100}<011>のX線ランダム強度比>
本発明において、結晶方位および結晶面は一般的に鋼板内の結晶の方位や測定される結晶面および集合組織を表現する際に用いられる、鋼板表面に対するもので記述する。すなわち、結晶方位は鋼板表面に垂直な方位であり、結晶面は鋼板表面に平行な面である。また、Feのα相である体心立方の結晶構造に起因した、結晶面についてのX線測定における消滅則を適用した表現している。例えば、結晶方位については、{100}を用い、結晶面や集合組織については、{200}を用いているが、これらは同じ結晶粒に関する情報を表すものである。
また、本発明においてX線ランダム強度比とは、結晶方位の集積状況がランダムである試料のX線積分強度に対する比を意味する。
本発明の電磁鋼板は、板面における{100}<011>のX線ランダム強度比を高めて、圧延方向に対して45°方向に高い磁束密度を得ることができる。X線ランダム強度比が50以上であることにより、圧延方向に対して45°方向に十分に高い磁束密度を得ることができ、中でも60以上であることが好ましい。また、X線ランダム強度比の上限は特に限定されないが、磁束密度を高める効果は飽和するため、通常、X線ランダム強度は200以下で十分である。
{100}<011>のα−Fe相のX線ランダム強度比はX線回折によって測定されるα−Fe相の{200}、{110}、{310}、{211}の極点図を基に級数展開法で計算した、3次元集合組織を表す結晶方位分布関数(Orientation Distribution Function;ODF)から求めることができる。
なお、ランダム強度比とは、特定の方位への集積を持たない標準試料と供試材のX線強度を同条件で測定し、得られた供試材のX線強度を標準試料のX線強度で除した数値である。測定は試料の最表面で行ってもよいし、任意の板厚位置で行ってもよい。その際、測定面は滑らかになるよう化学研磨等で仕上げる。
本発明の電磁鋼板は、鋼板表面に、更に、絶縁皮膜を有していてもよい。
本発明において絶縁皮膜は、特に限定されず、公知のものの中から、用途等に応じて適宜選択して用いることができ、有機系皮膜、無機系皮膜のいずれであってもよい。有機系皮膜としては、例えばポリアミン系樹脂、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。また、無機系皮膜としては、例えば、リン酸塩系皮膜、リン酸アルミニウム系皮膜や、更に前記の樹脂を含む有機−無機複合系皮膜等が挙げられる。
上記絶縁皮膜の厚みは、特に限定されないが、片面当たりの膜厚が0.05μm以上、2μm以下であることが好ましい。
絶縁皮膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、上記の樹脂や無機物を溶剤に溶解した絶縁皮膜形成用組成物を調製し、当該絶縁皮膜形成用組成物を、鋼板表面に公知の方法で均一に塗布することにより絶縁皮膜を形成することができる。
本発明の電磁鋼板の厚みは、用途等に応じて適宜調整すればよく特に限定されるものではないが、製造上の観点から、通常、0.10mm以上0.50mm以下であり、0.015mm以上0.50mm以下がより好ましい。磁気特性と生産性のバランスの観点からは、0.015mm以上0.35mm以下が好ましい。
本発明の電磁鋼板は、任意の形状に打ち抜き加工して用いられる用途に特に適している。例えば、電気機器に用いられるサーボモータ、ステッピングモータ、電気機器のコンプレッサー、産業用途に使用されるモータ、電気自動車、ハイブリッドカー、電車の駆動モータ、様々な用途で使用される発電機や鉄心、チョークコイル、リアクトル、電流センサー等、電磁鋼板が用いられている従来公知の用途にいずれも好適に適用できる。
中でも本発明においては、後述するロータ用モータコア、ステータ用モータコアに好適に用いることができる。
また、本発明の電磁鋼板は、析出物を粗大かつ低個数密度化し、平均結晶粒径を60μm以上80μm以下と微細化することにより、電磁鋼板の疲労強度の向上の効果も得られる。
[電磁鋼板の製造方法]
本発明に係る電磁鋼板の製造方法は、
Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、前記熱延板を酸洗する工程と、前記熱延板を冷延板とする冷間圧延工程と、前記冷延板の仕上焼鈍工程とを有し、
前記仕上焼鈍工程の加熱条件が、加熱速度5℃/s以上、最高到達温度750℃以上1000℃未満、750℃以上での保持時間が20秒以上150秒以下であることを特徴とする。
本発明の電磁鋼板の製造方法は、Mnを特定量含有するインゴットを用い、仕上焼鈍工程において、従来よりも加熱速度が高く、且つ従来よりもやや低温の条件で熱処理することにより、平均結晶粒径が60μm以上80μm以下の電磁鋼板を製造することができ、疲労強度に優れ、低鉄損で、歪取り焼鈍時における磁束密度の低下が抑制された電磁鋼板を得ることができる。
本発明の電磁鋼板の製造工程は、一般の電磁鋼板に適用されている工程および設備を用いて実施することができる。
例えば、転炉あるいは電気炉などで所定の成分組成に溶製された鋼を、脱ガス設備で二次精錬し、連続鋳造または造塊後の分塊圧延により鋼スラブとしたのち、熱間圧延、熱延板焼鈍、酸洗、冷間または温間圧延、仕上焼鈍および絶縁被膜塗布焼き付けといった工程である。
ここで、所望の鋼組織を得るために、製造条件を以下に述べるように制御することが必要である。
まず、鋳造においては、酸化物の微細化を回避し、本発明に好適な形態を有する酸化物を形成するため、凝固を開始した鋳片表面について、凝固後1400℃までの冷却速度を0.1℃/s以上30℃/s以下とすることが好ましい。冷却速度が0.1℃/s未満では生産性が悪い。30℃/s超では酸化物が微細となり、本発明効果を有する適切なサイズおよび個数密度の酸化物の形成が困難となる。
まず、熱間圧延に際してスラブ加熱温度を1200℃以下とし、熱延前組織の不用意な粗大化を回避する。本発明鋼のようにSiを高い濃度で含有する鋼板は、熱履歴に対するα−γ変態がなくなりα単相鋼となる場合もある。このような単相鋼は、変態を有する鋼であれば変態により組織が微細化するような熱延程度の熱履歴において組織が粗大化しやすい。熱延前組織が粗大化すると、熱延後に粗大な加工組織(扁平組織)が残留し、冷延後の鋼板表面にリジングまたはローピングと呼ばれる肌荒れが起きてしまう。下限は特に限定しないが、一般的な熱延設備で生産性を阻害せずに圧延を実施するには1000℃以上とすることが適切である。好ましい範囲は1180℃以下、さらに好ましくは1100℃以下である。
さらに必要に応じて、熱延板焼鈍を実施する。条件は公知の条件を適用すればよい。
以下、冷間圧延、仕上焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造工程(いわゆる1回冷延法)での限定理由を述べる。
次に、冷間または温間圧延を施すが、このときの圧下率は83%以上とすることが好ましい。圧下率が83%に満たないと、本発明の特徴と言える、粒成長に伴う磁気特性の低下を回避できる結晶方位の状態に適正に制御しにくくなるからである。
ついで、仕上焼鈍を施すが、この際の焼鈍条件は400℃から750℃までの平均加熱速度:5℃/s以上、最高到達温度:750℃以上1000℃未満で、750℃以上での保持時間:20秒以上150秒以下とする。
上記の熱処理条件において重要なのは、冷延後に再結晶を開始させる焼鈍における加熱速度である。本発明効果を得るには、400℃から750℃までの平均加熱速度を5℃/s以上とすること。これは、前述した本発明効果を得るための基本的なメカニズムとも言える、その後に徐加熱による追加熱処理を行い粒成長をさせた際に、磁気特性劣化につながる結晶方位の生成を避け、粒成長に伴う磁気特性劣化の回避効果につながる結晶方位を得るためである。この加熱を徐加熱としてしまうと本発明効果を得ることが困難となる。好ましくは20℃/s以上、さらに好ましくは100℃/s以上、さらに好ましくは400℃/s以上である。
鋼成分や熱延条件などにもよるが、最高到達温度および750℃以上での保持時間は、適切な結晶粒径を得るための目途となるものである。最高到達温度が750℃未満、または750℃以上での保持時間が20秒未満では、結晶粒成長が不十分で磁気特性、特に十分な鉄損を得ることが困難となる。最高到達温度が1000℃以上では、結晶粒径を適切な範囲(80μm以下)に制御することが困難となり、十分な疲労強度を得ることができない。また、750℃以上での保持時間が150秒超では、結晶粒成長が過度になり、その後に徐加熱による追加熱処理を行い粒成長をさせた際の磁気特性劣化の回避効果を得ることができる結晶方位を残存させることが困難となるばかりでなく、本発明鋼板が特徴とする高強度を維持することが困難となる。
以上、熱延板焼鈍後、1回の温間または冷間圧延で最終板厚とする、いわゆる1回冷延法を適用した場合について説明したが、温間または冷間圧延を中間焼鈍を挟んで2回施す、いわゆる2回冷延法を適用する場合にも有効である。
2回冷延法は、1回冷延法と比べると生産性の観点からは不利であるが、素材の強度が高く1回圧延法では圧延機の能力を超える場合や、磁気特性の一層の向上を図る場合などに用いて好適な方法である。
上記した仕上焼鈍後、鉄損を低減するために鋼板の表面に絶縁コーティングを施すことが有利である。この際、良好な打抜き性を確保するためには、樹脂を含有する有機コーティングが望ましく、一方溶接性を重視する場合には半有機や無機コーティングを適用することが望ましい。
また、鋼板の板厚1/2厚位置における{100}<011>方位の対ランダム強度比が50以上である電磁鋼板を製造する場合は、例えば以下の製造方法を採用することができる。
即ち、α−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる場合において、本発明に係る電磁鋼板の製造方法は、
α−γ変態系であり、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、前記熱延板を酸洗する工程と、前記熱延板を冷延板とする冷間圧延工程と、前記冷延板の仕上焼鈍工程とを有し、
前記仕上焼鈍工程の加熱条件が、加熱速度5℃/s以上、最高到達温度750℃以1000℃未満且つ上前記インゴットのT1以下、750℃以上での保持時間が45秒以上150秒以下であることを特徴とする。
以下、α−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる場合において、{100}<011>方位の対ランダム強度比を50以上とするための好ましい方法について記載する。以下で記述がない工程の条件については、前記のα−γ変態系に限定されない製造法に準じたものとすればよい。
(熱間圧延工程)
熱間圧延に供するスラブは、例えば公知の方法で鋳造された50mm以上の厚さであり、加熱後、粗圧延、仕上げ圧延により熱延板を得る。
本発明製造方法においてα−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる場合では、スラブ加熱温度をT2以上とすることが好ましい。α−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる場合においては、熱間圧延の途中で変態することが一つのポイントとなっていると考えられる。スラブ加熱温度がT2未満だと、熱間圧延の途中でオーステナイト相からフェライト相へ変態する組織の量が少なくなり、冷間圧延、仕上げ焼鈍の後の{100}<011>方位の対ランダム強度比を十分に高くすることができない。この理由は明確ではないが、本発明が対象とする高Mn鋼に特有の、熱延途中での変態による組織の微細化および結晶方位の変化が影響しているものと考えられる。
さらに熱延前組織の不用意な粗大化を回避するためには、スラブ加熱温度は1200℃以下であることが好ましいことは、前述のα−γ変態系の組成を有するインゴットに限定されない場合と同様である。
α−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる場合、熱間圧延においては、圧延中の再結晶を抑制するため、圧延温度をT1未満として、フェライト域で圧延することが好ましい。このためには仕上げ温度(仕上げ圧延終了温度)がT1未満であれば良いが、さらに仕上げ圧延開始温度をT1未満とすれば、仕上げ圧延の全段をT1未満の温度域で実施することも可能となり好ましい。
上記の温度はさらに好ましくはT1−50℃以下である。
また、α−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる場合においては、Mnが2.5質量%以上含有している鋼板を用いているため、転位の移動速度が著しく遅く、熱間圧延工程における仕上げ圧延において、仕上げ温度が、熱延板のT1超であってもオーステナイト相が加工されたまま維持される。このため、仕上げ圧延終了後、3sec以内に200℃/sec以上の冷却速度で250℃以下まで冷却する冷却工程を設けることにより、加工オーステナイトからフェライトへ変態させることで、フェライト域で圧延したのと同等の効果を得ることが可能である。もちろん上記の冷却を仕上げ温度をT1未満として適用すれば、加工フェライト相の再結晶をさらに抑制した熱延鋼板を得ることが可能であり、好ましいものと言える。
その後、鋼板はコイルに巻き取られる。{100}<011>方位の対ランダム強度比を50以上にするという本発明の効果を得るには、熱延鋼板の再結晶を避けるべきであり、巻取り温度は低い方が好ましい。とは言え、本発明鋼板は上述のようにMnを多量に含有しており再結晶の進行が遅いため、650℃以下であれば十分である。
本発明のα−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる製造方法を限定するものではなく、またα−γ変態系を満たす化学組成を有するインゴットを用いる製造方法の熱間圧延工程で得られる熱延板を限定するものでもないが、冷延焼鈍後に{100}<011>方位の対ランダム強度比を50以上にするという効果を得るために好ましい、熱間圧延工程後の熱延板に現れる特徴を下記(1)〜(5)で説明しておく。
(1)熱延板表層の転位密度
上記熱延板においては、表層の転位密度が高くなる特徴を有することが好ましい。ここで蓄積された歪が、冷延焼鈍後の{100}<011>方位の集積に有効に作用していると思われる。転位密度としては、2×1015/m以上にもなる。転位密度が2×1015/m未満で、ひずみが十分ではない場合、冷延焼鈍後の{100}<011>方位の発達を十分に促進するためには冷延圧下率を例えば97%以上に高める必要性も生じ、製造効率の点では不利となる。ここで熱延板表層とは最表面から20μm以上1/4t以下の任意の位置とする。転位密度の測定はエッチピット法や透過型電子顕微鏡による観察などで行うことが出来る。
さらに転位密度の上昇と関連して、以下のような特徴が現れることが好ましい。
(2)熱延板表層のビッカース硬度
上記熱延板においては、表層のビッカース硬度が高くなる特徴を有するが好ましい。その硬度は200HV以上、さらには230HV以上にもなる。硬度が低くなる状況では熱延後の再結晶が過剰に起き、ひずみが解放されてしまい、上記の転位密度が低下していると判断できる。
(3)熱延板表層の結晶粒径
上記熱延板においては表層の結晶粒が、再結晶組織である場合は微細となる特徴を有するが好ましい。平均結晶粒径が粗大となる状況では熱延後の再結晶が過剰に起き、ひずみが解放されてしまい、上記の転位密度が低下していると判断できる。平均粒径としては例えば30μm以下、好ましくは25μm以下となる。平均結晶粒径は線分法によって求めることができる。
(4)熱延板の再結晶率
また、上記熱延板においては結晶組織が完全に再結晶していない組織となる特徴を有するものであることが好ましい。熱延板の再結晶はひずみの解放につながり、上記の転位密度が低下していると判断できる。下記式(1)で示される、熱延板の再結晶率は例えば、90%以下、さらに50%以下、また、0(ゼロ)%の完全未再結晶組織(完全加工組織)にもなり、上記の転位密度を高める観点で都合のよい組織となる。なお、本発明において加工組織とは、図2の例に示されるように、結晶粒ではない繊維状の組織として認識される。
ここで再結晶率は熱延板の圧延面に垂直な任意の断面から求める。観察視野は少なくとも板厚全体×長さ5mmの領域とする。合計が板厚全体×長さ5mm以上となるように複数の観察視野を用いてもよい。
再結晶率(%)=(再結晶粒の面積の合計)÷(観察視野全体の面積)×100
・・・(式1)
また、上記熱延板は、上記(3)熱延板表層の結晶粒径と、上記(4)熱延板の再結晶率が、以下の関係を有すると、冷延焼鈍後の{100}<011>方位の発達により好ましい。
再結晶率が80%超100%以下の場合には、再結晶粒の粒径は15μm以下が好ましい。
再結晶率が50%超80%以下の場合には、再結晶粒の粒径は20μm以下が好ましい。
再結晶率が20%超50%以下の場合には、再結晶粒の粒径は25μm以下が好ましい。
再結晶率が20%以下の場合には、再結晶粒の粒径は40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。
上記熱延板の性質を満たすような製造条件としては、例えば以下のような点に注意して適宜調整すればよい。
例えば、仕上圧延を再結晶が生じにくいフェライト域で圧延する。また相変態を生じるような温度域で仕上圧延を行った場合には、圧延直後から3sec以内に冷却速度200℃/sec以上で急冷することにより、熱間圧延後のオーステナイト相の再結晶を抑制して、加工オーステナイトからフェライトへ変態させてひずみを蓄積できる。
本発明においては、Mnが2.5質量%以上含有している鋼板を用いているため、粒界の移動速度が著しく遅く、熱間圧延工程における仕上圧延において、仕上げ温度が、熱延板のT1超であっても加工オーステナイトが維持される。但し、仕上げ温度が、熱延板のT1超である場合には、次いで、T1超の前記熱延板を、3sec以内に200℃/sec以上の冷却速度で250℃以下まで冷却する冷却工程を設ける必要がある。当該冷却工程を設けることにより、得られる電磁鋼板の鉄損を低減することができる。3sec以内に冷却することにより、オーステナイトの再結晶を抑制して、熱延板のひずみを維持することができる。
また、前記熱間圧延工程における仕上圧延において、仕上げ温度が、熱延板のT1−50℃以下であることにより、前記冷却工程を設けなくても、得られる電磁鋼板の鉄損を低減することができる。
(5)熱延板の集合組織
また、前記仕上圧延後の熱延板の鋼板表層の集合組織は、{110}<223>のX線ランダム強度比が3以上であり、{332}<243>が0.5以下であり、{112}<111>が2以上であり{223}<122>が1以下であり、仕上圧延後の熱延板の1/2t位置における{100}<011>のX線ランダム強度比が{311}<011>のX線ランダム強度比より小さいという特徴を有することが好ましい。{332}<243>が0.5以下、かつ、{223}<122>が1以下である熱延板は、歪が蓄積されており、冷延および焼鈍後に{100}<011>が十分に発達するため、本発明に係る電磁鋼板を製造しやすい。
(熱延板焼鈍工程)
本発明において、冷延焼鈍後に{100}<011>のX線ランダム強度比が50以上の電磁鋼板を製造するには、前記熱間圧延工程と、後述する冷間圧延工程との間に焼鈍工程を有しないことが好ましい。即ち、従来一般に行われる熱延板焼鈍を実施しないことで熱延板の再結晶を抑制し、上記(1)〜(5)の特徴を強く発現させることが可能となる。
(冷間圧延工程)
冷間圧延工程は、特に限定されず、従来公知の電磁鋼板の製造方法における冷間圧延工程を適宜採用することができる。例えば、リバース圧延方式、タンデム圧延方式等、いずれの圧延方式を用いてもよい。本発明においては、冷間圧下率を88%以上とすることが、得られる電磁鋼板の{100}<011>成分が増加し、高い磁束密度かつ高周波領域で低鉄損であり、さらに高強度となる電磁鋼板が得られる点から好ましく、延圧下率を90%以上であることがより好ましい。
(仕上焼鈍工程)
冷間圧延工程に行われる仕上焼鈍工程は、特に限定されないが、鋼板内の{100}<011>成分を維持する点から、400℃から750℃までの平均加熱速度:5℃/s以上、最高到達温度:750℃以上1000℃未満、且つ、T1以下で、750℃以上での保持時間:20秒以上150秒以下とする。
上述のように、仕上焼鈍温度の最高到達温度が、750℃未満では再結晶および粒成長が遅く、低鉄損を得るために要する時間が長時間となる。最高到達温度が1000℃以上では、結晶粒径を適切な範囲(80μm以下)に制御することが困難となり、十分な疲労強度を得ることができない。
加えて、α−γ変態系の鋼板ではT1を超えると、α−γ変態が起こり、集合組織がランダム化してしまうため、{100}<011>方位への集積が低下する。さらに、最高到達温度をT1以下とすることは、その後に徐加熱による追加熱処理を、行い粒成長をさせた際の磁気特性劣化の回避効果を得ることができる結晶方位の残存についても有利となる。
従って、母鋼板のT1が1000℃以上である場合には、最高到達温度を750℃以上1000℃未満とすれば、必然的に{100}<011>のX線ランダム強度比が50以上とすることが可能となるが、母鋼板のT1が1000℃未満である場合には、最高到達温度を750℃以上T1以下とすると、{100}<011>のX線ランダム強度比を50以上とするために好ましい。
上記の製造方法によれば、平均結晶粒径が60μm以上80μm以下で、鋼板の板厚1/2厚位置における{100}<011>方位の対ランダム強度比が50以上である電磁鋼板を好適に製造することができる。
上記の電磁鋼板の製造方法によれば、Mnを特定量含有するインゴットを用い、仕上焼鈍工程において、従来よりも加熱速度が高く、且つ従来よりもやや低温の条件で熱処理することにより、鋼板の板厚1/2厚位置における{100}<011>方位の対ランダム強度比が50以上であり、疲労強度に優れ、低鉄損で、歪取り焼鈍時における磁束密度の低下が抑制された電磁鋼板を得ることができる。
[モータコアの製造方法]
本発明に係るモータコアの製造方法は、後述するロータ用モータコアと、後述するステータ用モータコアを有するモータコアの製造方法であって、
前記ロータ用モータコアの鋼板ブランクと、前記ステータ用モータコアの鋼板ブランクが、前記本発明に係る電磁鋼板から打ち抜かれることを特徴とする。
本発明のモータコアの製造方法はロータ用モータコアの鋼板ブランクと、ステータ用モータコアの鋼板ブランクを、同一の電磁鋼板から打ち抜いて用いることができるため生産性に優れている。
本発明に係るモータコアの製造方法を、図1を参照して説明する。図1は、モータコアの製造方法の一例を示す、模式的な概略工程図である。
図1中の(A)は、1枚の電磁鋼板1から、ロータ用モータコアの鋼板ブランク2’、及びステータ用モータコアの鋼板ブランク3’を打ち抜く工程である。
打ち抜き方法は特に限定されず、従来公知のいずれの方法を採用してもよい。
打ち抜かれたロータ用鋼板ブランク2を積層することにより、ロータ用モータコアを得ることができる。
即ち、本発明のロータ用モータコアは、前記本発明に係る電磁鋼板が積層されてなることを特徴とする。
また、本発明のロータ用モータコアの製造方法は、前記本発明に係る電磁鋼板を、打ち抜き加工することにより、鋼板ブランクを得る工程(I)と、
前記鋼板ブランクを積層する工程(II)とを有する。
ロータ用モータコアの鋼板ブランク2を積層する方法は、特に限定されず、従来公知のいずれの方法を採用してもよい。また、鋼板ブランク2の積層体は、当該鋼板ブランク2を積層する際に、公知の接着剤等を塗布して形成された接着剤層等を有していてもよい。
本発明のロータ用モータコアは、前記本発明に係る電磁鋼板を用いて製造されているため、疲労強度に優れ、低鉄損で、且つ高磁束密度である。
本発明のロータ用モータコアの製造方法において、打ち抜き加工方法、及び積層方法は、従来公知の方法を適宜採用することができる。ロータ用モータコアは、高疲労強度とする観点から、歪取り焼鈍を行わないことが好ましい。
また、打ち抜かれたステータ用モータコアの鋼板ブランク3を積層後に特定条件で熱処理するか、又は、特定条件で熱処理した後に積層することにより、特定のステータ用モータコアを得ることができる。
即ち、本発明に係るステータ用モータコアの製造方法は、前記本発明に係る電磁鋼板を、打ち抜き加工することにより鋼板ブランクを得る工程(I’)と、
前記鋼板ブランクを積層する工程(II’)とを有し、
前記工程(I’)の後、且つ、前記工程(II’)の前又は後に、前記鋼板ブランクを、加熱速度が100℃/h以下、最高到達温度が750℃〜850℃、750℃以上での保持時間が0.5時間以上100時間以下の条件で熱処理を行うことにより、前記鋼板の平均結晶粒径を80μm超150μm以下とする工程(III’)を有することを特徴とする。
本発明のステータ用モータコアの製造方法においては、上記熱処理条件により、前記本発明に係る電磁鋼板の平均結晶粒径を変化させている。上記の熱処理条件において重要なのは、前記本発明の電磁鋼板の製造方法における仕上焼鈍工程の熱処理条件とは異なり、昇温速度を100℃/h以下と遅くすることである。これは、前述した本発明効果を得るための基本的なメカニズムとも言える、粒成長に伴う磁気特性劣化の回避効果につながる結晶方位の優先成長性を得るためである。この加熱を急速に加熱としてしまうと、特定の好ましい方位の優先成長性が失われ本発明効果を得ることが困難となる。好ましくは80℃/h以下、さらに好ましくは60℃/s以下、さらに好ましくは40℃/s以下である。
鋼成分や熱延条件などにもよるが、最高到達温度および750℃以上での保持時間は、適切な結晶粒径を得るための目途となるものである。最高到達温度が750℃未満、または750℃以上での保持時間が0.5時間未満では、結晶粒成長がほとんど起きず、発明効果を十分に得ることができず、ステータ用モータコアとして必要な磁気特性、特に鉄損を得ることが困難となる。最高到達温度が850℃超、または750℃以上での保持時間が100時間超では、結晶粒成長が過度になり、磁束密度が低下するとともに、鉄損も大きくなってしまう。
本発明のステータ用モータコアの製造方法においては、鋼板ブランクを、加熱速度:100℃/h以下、最高到達温度:750℃〜850℃、750℃以上での保持時間:0.5時間以上100時間以下とする熱処理を行うことにより、結晶の方位を変えることなく、平均結晶粒径を80μm超150μm以下とすることができる。
本発明のステータ用モータコアの製造方法において、打ち抜き加工方法、及び積層方法は、従来公知の方法を適宜採用することができる。ステータ用モータコアは、低鉄損化の観点から、歪取り焼鈍(上記工程(III’))を、前記工程(I’)の後、且つ、前記工程(II’)の前又は後に行う。上記工程(III’)により平均結晶粒径が、80μm超150μm以下となるため、低鉄損化が図られる一方、前記本発明に係る電磁鋼板を用いているため、当該工程(III’)による加熱後においても高磁束密度が維持され、優れたステータ用モータコアが得られる。
本発明に係るステータ用モータコアは、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする鋼板であって、平均結晶粒径が80μm超150μm以下である電磁鋼板が積層されてなることを特徴とする。
本発明のステータ用モータコアは、前記本発明に係る電磁鋼板を用いて、前記本発明に係るステータ用モータコアの製造方法により製造されているため、低鉄損で、且つ高磁束密度である。
また、本発明のステータ用モータコアは、前記鋼板(即ち素材となる歪取り焼鈍後の電磁鋼板)が、酸化物を有し、当該酸化物の平均組成が、Siを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有することが好ましく、当該酸化物の平均径が250nm以上であることがより好ましく、更に、当該酸化物の鋼板中の数密度が2.0×10〜1.2×10個/mmであることがより好ましい。このようなステータ用モータコアによればより高磁束密度化を達成することができる。このような好ましいステータ用モータコアは、前記本発明の電磁鋼板(即ち、歪取り焼鈍前の鋼板)が酸化物を有し、当該酸化物の平均組成が、Siを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有するもの、更に、当該酸化物の平均径が250nm以上であるもの、更に、当該酸化物の鋼板中の数密度が2.0×10〜1.2×10個/mmであるものを選択して用いることにより、製造することができる。
以下で説明する実施例での条件は、本発明の実施可能性および効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明はこの一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例:電磁鋼板の製造)
真空溶解炉で表1の鋼種A〜Mに示す成分組成に調整したインゴットをそれぞれ鋳造した。これらのインゴットを表2の製造条件に基づいてそれぞれ電磁鋼板とした。具体的には、1150℃に加熱したスラブを表2に記載の仕上げ圧延温度で熱間圧延し、熱間圧延の最終パスを出てから冷却開始までの時間と、冷却速度を表2の記載に基づいて冷却し、630℃で巻取り、表2に示されるように、それぞれ、厚さ2.3〜3.0mmの熱延板を得た。
このようにして得られた熱延板に熱延板焼鈍をせずに、冷間圧延を行い、厚さ0.2〜0.3mmの冷延板とした。次いで窒素雰囲気で表2に示される温度及び保持時間で仕上焼鈍を行った。
実施例における評価特性は以下の方法により求めた。
未再結晶率および未再結晶領域径は鋼板の圧延方向断面(ND−RD断面)を研磨、エッチングして、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction Patterns)観察により求めた。
疲労強度についてはJIS Z2273に記載の試験方法に準拠した引張疲労試験により評価した。
磁気特性はJIS C 2556に記載の電磁鋼板単板磁気特性試験方法に準拠してSST(Single Sheet Tester)を用いて、5000A/mの磁化力に対する磁束密度B50を求めた。この時、測定周波数は50Hzとする。SST用の試験片は圧延方向に対して45°方向に採取した。
結果を表2−1、表2−2、表3−1及び表3−2に示す。
表1に示すように、鋼種E、F、G、H、J、及びLは、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満という組成条件(以下、組成Aと称することがある。)を満たさない。
鋼種E、F、G、H、J、及びLをスラブとして用いて表2−1の方法で製造した試験No.5、6、7、8、10、及び12の無方向性電磁鋼板では、表3−1に示すように、750℃90分の加熱によりB50が低下し、BB/BAが0.950以下となることが明らかとなった。
これらに対して、表1に示すように、鋼種A、B、C、D、I、及びKは、組成Aを満たす。
鋼種A、B、C、D、I、及びKをスラブとして用いて表2−1の方法で製造した試験No.1、2、3、4、9、及び11の無方向性電磁鋼板では、表3−1に示すように、750℃90分の加熱によりB50の低下が抑制され、BB/BAが0.988以上となることが明らかとなった。
次に、仕上焼鈍工程注目すると、組成Aを満たす鋼種をスラブとして使用した場合であっても、仕上焼鈍温度が750℃未満である試験No.13、25では、平均結晶粒径を60μm以上とすることができないため、同一の組成を有する他の鋼板と比較して鉄損が悪化していた。
また、組成Aを満たす鋼種をスラブとして使用として使用し、仕上焼鈍温度が850℃とした場合であっても、850℃での保持時間が15秒と短い試験No.31では、平均結晶粒径を60μm以上とすることができないため、同一の組成を有する他の鋼板と比較して鉄損が悪化していた。
また、同様に組成Aを満たす鋼種をスラブとして使用した場合であっても、仕上焼鈍温度が1000℃以上である試験No.16、40では、平均結晶粒径を80μm以上となり、同一の組成を有する他の鋼板と比較して疲労特性が悪化していた。
また、組成Aを満たす鋼種をスラブとして使用し、仕上焼鈍温度が850℃とした場合であっても、850℃での保持時間が200時間と長い試験No.34、昇温速度が2℃/sと遅い試験No.23、及び32では、平均結晶粒径を80μm以上となり、同一の組成を有する他の鋼板と比較して疲労特性が悪化していた。
これらに対して、組成Aを満たす鋼種をスラブとして使用し、加熱速度5℃/s以上、最高到達温度750℃以上1000℃未満、750℃以上での保持時間が45秒以上150秒以下である加熱条件(以下、加熱条件Aと称することがある。)で仕上焼鈍した、試験No.14、15、17〜22、24、26〜30、33、35〜39、41及び42では、平均結晶粒径を60〜80μmとなり、鉄損、疲労特性、BB/BAが0.95以上と優れていた。
組成Aを満たす鋼種をスラブとして使用し、加熱条件Aを満たす場合には、連続鋳造の冷速が0.1〜30℃/sの範囲であると、鋼板中の酸化物の組成において、Siを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有とすることが可能になるため、BB/BAが0.97以上となることが明らかとなった。
さらに、組成Aを満たす鋼種をスラブとして使用し、加熱条件Aを満たす場合には、連続鋳造の冷速が0.2〜20℃/sの範囲であると、鋼板中の酸化物の平均径を250nm以上とすることが可能になるため、BB/BAが0.98以上となることが明らかとなった。
1 電磁鋼板
2、2’ ロータ用鋼板ブランク
3、3’ ステータ用鋼板ブランク

Claims (14)

  1. Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする鋼板であって、
    平均結晶粒径が、60μm以上80μm以下である、電磁鋼板。
  2. 前記鋼板が、酸化物を有し、
    当該酸化物の平均組成が、Siを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有する、請求項1に記載の電磁鋼板。
  3. 前記酸化物の平均径が250nm以上である、請求項2に記載の電磁鋼板。
  4. 前記鋼板内に含まれる前記酸化物の数密度が、2.0×10〜1.2×10個/mmである、請求項2又は3に記載の電磁鋼板。
  5. 加熱速度100℃/h以下、最高到達温度750℃〜850℃、750℃以上での保持時間が0.5時間以上100時間以下の条件で熱処理を実施する前の磁束密度をBA、実施した後の磁束密度をBBとしたときに、
    BB/BA≧0.98
    であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁鋼板。
  6. 前記鋼板がα−γ変態系であり、
    前記鋼板の板厚1/2厚位置における{100}<011>方位の対ランダム強度比が50以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電磁鋼板。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電磁鋼板の製造方法であって、
    Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、前記熱延板を酸洗する工程と、前記熱延板を冷延板とする冷間圧延工程と、前記冷延板の仕上焼鈍工程とを有し、
    前記仕上焼鈍工程の加熱条件が、400℃から750℃までの平均加熱速度5℃/s以上、最高到達温度750℃以上1000℃未満、750℃以上での保持時間が45秒以上150秒以下である、電磁鋼板の製造方法。
  8. 請求項6に記載の電磁鋼板の製造方法であって、
    α−γ変態系であり、Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とするインゴットを熱延板とする熱間圧延工程と、前記熱延板を酸洗する工程と、前記熱延板を冷延板とする冷間圧延工程と、前記冷延板の仕上焼鈍工程とを有し、
    前記仕上焼鈍工程の加熱条件が、400℃から750℃までの平均加熱速度5℃/s以上、最高到達温度750℃以上1000℃未満、且つ、前記インゴットのT1以下、750℃以上での保持時間が20秒以上150秒以下である、電磁鋼板の製造方法。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電磁鋼板が積層されてなる、ロータ用モータコア。
  10. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電磁鋼板を、打ち抜き加工することにより鋼板ブランクを得る工程(I)と、
    前記鋼板ブランクを積層する工程(II)とを有する、ロータ用モータコアの製造方法。
  11. Siを2.0質量%以上4.5質量%以下、Mnを2.5質量%以上5.0%質量以下、更に、Ca、Mg、Ce、Ti、Ba、及びBeより選択される1種以上の元素を合計で0.0001質量%以上0.1質量%以下含有し、Alが0.03質量%未満、Cが0.002質量%未満、Sが0.002質量%未満であり、Feを主成分とする鋼板であって、平均結晶粒径が80μm超150μm以下である電磁鋼板が積層されてなる、ステータ用モータコア。
  12. 前記鋼板が、酸化物を有し、
    当該酸化物の平均組成が、Siを15質量%以上70質量%以下、Mnを20質量%以上60質量%以下含有する、請求項11に記載のステータ用モータコア。
  13. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電磁鋼板を、打ち抜き加工することにより鋼板ブランクを得る工程(I’)と、
    前記鋼板ブランクを積層する工程(II’)とを有し、
    前記工程(I’)の後、且つ、前記工程(II’)の前又は後に、前記鋼板ブランクを、加熱速度が100℃/h以下、最高到達温度が750℃〜850℃、750℃以上での保持時間が0.5時間以上100時間以下の条件で熱処理を行うことにより、前記鋼板の平均結晶粒径を80μm超150μm以下とする工程(III’)を有する、請求項11又は12に記載のステータ用モータコアの製造方法。
  14. 請求項9に記載のロータ用モータコアと、請求項11又は12に記載のステータ用モータコアを有するモータコアの製造方法であって、
    前記ロータ用モータコアの鋼板ブランクと、前記ステータ用モータコアの鋼板ブランクが、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の同一の電磁鋼板から打ち抜かれることを特徴とする、モータコアの製造方法。
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