JP2019018740A - 車両用後部ドア構造 - Google Patents

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Yusuke Mori
裕輔 森
崇宣 芹澤
Takanobu Serizawa
崇宣 芹澤
恒太郎 福永
Tsunetaro Fukunaga
恒太郎 福永
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【課題】プレス加工を容易に行えるようにするために二分割されたアウタパネルをシェアパネルで結合している後部ドアの必須構成要素以外の部品を追加することなく、而も車重を増加させずに、当該後部ドアの振動レベルを低減する。【解決手段】ドア上壁部とドア縦壁部とから形成されると共に、ドア縦壁部における車幅方向の両側にそれぞれリヤ用ランプが設けられている車両用後部ドアにおいて、側面視で略L字状に形成されているインナパネル4と、インナパネル4の周縁部に結合されているアウタロアパネル51及びインナパネル4の周縁部に結合されているアウタアッパパネル52がそれぞれ溶接接合されているシェアパネル53と、リヤ用ランプが組み込まれ且つ剛性の高い形状に形成され、アウタアッパパネル52及びアウタロアパネル51に切り欠かれたランプ用切欠き部からリヤ用ランプが投光可能に、インナパネル4、シェアパネル53及びアウタロアパネル51に溶接接合されているランプハウジング54とを備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、車両後部に形成されたラゲージルームを開閉する車両用後部ドアの構造に関する。
車両後部に形成されたラゲージルームを開閉するバックドアやラゲージドア等の後部ドアは、車両前後に振動することにより車室の容積変化を起こさせるので、ラゲージルーム(荷室)内のこもり音(低周波領域の車内音)の発生原因になっている。このラゲージルーム内のこもり音の発生を抑制するには、後部ドアの振動レベルを低減させることが効果的である。
この後部ドアの振動レベルを低減させるための技術手段として、例えば、ダイナミックダンパ(例えば、特許文献1参照。)や車両のバックドア補強構造(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
ダイナミックダンパは、後部ドアの所定位置に取り付けて当該後部ドアの振動を吸収することで、バックドアによる車室内のこもり音を低減するものである。
車両のバックドア補強構造は、バックドアのドアガラスの後部にデッキ部が設けられている。このデッキ部を構成するアウタパネルとインナパネルとの間に、車幅方向に延設されたレインフォースメントが設けられている。具体的には、レインフォースメントのデッキ部に位置する上面部と、アウタパネルの下面部とが接着剤で接合されている。さらに、レインフォースメントの車幅方向の各端部にインナパネル側に延びる縦壁が形成され、この縦壁の下部がインナパネルのデッキ部に接合固定されている。
このように構成されたバックドアによれば、レインフォースメントがバックドアのデッキ部の車幅方向のねじれ剛性を高めることができるので、荒れた路面走行時におけるバックドアの振動を抑えることができ、結果、車室内のこもり音を低減することができる。
このようなバックドアやラゲージドア等の後部ドアは、意匠上、車両の商品性を高めるためにアウタパネルの側断面形状が複雑な立体形状に形成されているものがある。この場合、アウタパネルのプレス成形を容易にするために、当該アウタパネルを2分割化している車両用ドア構造が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
このように構成された車両用ドア構造によれば、アウタパネルの構成要素であるアッパパネルとロアパネルとの接合部からインナパネル側に延設され当該インナパネルに結合された延設部によってラゲージドアの振動を抑えることが可能になる。
特開2012−207695号公報 特開2009−83800号公報 特開2010−95140号公報
しかしながら、特許文献1のダイナミックダンパでは追加部品になるので、車重増加の一要因となる難点があった。また、特許文献2の車両のバックドア補強構造では、追加部品であるレインフォースメントがバックドアのデッキ部の平面面積のほぼ全体に亘って設けられているので、車重増加の一要因となり、而もレインフォースメントとアウタパネルとが接着剤で接合さているので、その接着剤の弾性力によって振動レベルの低減効果が小さくなる難点があった。さらに、特許文献3の車両用ドア構造では、延設部が設けられている位置のアウタパネルとインナパネルとの間隔が広くなることから当該延設部が長くなるので、車重増加の一要因となる難点があった。
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、プレス加工を容易に行えるようにするために二分割されたアウタパネルをシェアパネルで結合している後部ドアの必須構成要素以外の部品を追加することなく、而も車重を増加させずに、当該後部ドアの振動レベルを低減することができる車両用後部ドア構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成する本発明の第1の態様である車両用後部ドア構造は、車両の後部に形成されたドア開口部の上辺部とヒンジを介して開閉自在に取り付けられ、閉止状態で荷室の車両上方側に位置するドア上壁部と当該荷室の車両後方側に位置するドア縦壁部とから形成されると共に、ドア縦壁部における車幅方向の両側にそれぞれリヤ用ランプが設けられているものである。
この車両用後部ドア構造は必須構成要素として、インナパネルと、アウタロアパネルと、アウタアッパパネルと、シェアパネルと、ランプハウジングとを備えているものである。
インナパネルは、側面視で略L字状に形成され、ドア上壁部及びドア縦壁部の構成要素である。
アウタロアパネルは、ドア縦壁部の構成要素としてインナパネルの周縁部に結合されているものである。
アウタアッパパネルは、ドア上壁部の構成要素としてインナパネルの周縁部に結合されているものである。
シェアパネルは、アウタアッパパネルとアウタロアパネルとを一体化させるためにそれぞれが溶接接合されているものである。
ランプハウジングは、リヤ用ランプが組み込まれ且つ剛性の高い形状に形成され、アウタアッパパネル及びアウタロアパネルランプのうち少なくともアウタロアパネルに切り欠かれたランプ用切欠き部からリヤ用ランプが投光可能に、インナパネル、シェアパネル及びアウタロアパネルに接合されているものである。
このような第1の態様である車両用後部ドア構造によれば、アウタパネルがアウタロアパネル、アウタアッパパネル、シェアパネル、及び2つのランプハウジングに5分割化されているので、リヤ用ランプを組み込むための凹部を有すると共に、意匠上、車両の商品性を高めるために側断面形状が複雑な立体形状に形成されていても、プレス加工を容易に行うことができ、而も、シェアパネルを介してアウタアッパパネルに接合されたアウタロアパネルランプの車幅方向の両側に接合された剛性の高い形状のランプハウジングをインナパネルに接合しているので、シェアパネルを車両前側に延設してインナパネルに接合しなくても、車両前後方向の振動が発生した車両用後部ドアのインナパネルとアウタパネルの開き変形を抑制することができる。したがって、後部ドアの必須構成要素以外の部品を追加することなく、而も車重を増加させずに、当該後部ドアの振動レベルを低減することができる。
本発明の第2の態様は第1の態様である車両用後部ドア構造において、ランプハウジングとインナパネルとは、それぞれスポット接合する部位の平面面積を小さくするための段差部が実質的に車両上下方向に沿って形成され、且つランプハウジング及びインナパネルは少なくとも何れか一方に、当該段差部がスポット接合する部位を中心にして車幅方向両側に形成されているものである。
このような第2の態様である車両用後部ドア構造によれば、車両用後部ドアに車両前後方向の振動が発生した場合にスポット接合する部位で折り曲げようとする荷重が作用するが、荷重が作用するランプハウジング及びインナパネルの当該接合部位の平面面積が小さく形成されているので、その部位の変形度が小さくなり局部的面剛性を高めることができる。したがって、後部ドアの振動レベルをさらに低減させることができる。また、スポット接合する部位の平面面積が大きい部材の場合に、段差部をスポット溶接で溶接接合する部位を中心にして車幅方向両側に設けることができるので、当該溶接接合する部位の平面面積を小さくすることができる。
本発明の車両用後部ドア構造によれば、プレス加工を容易に行えるようにするために二分割されたアウタパネルをシェアパネルで結合している後部ドアの必須構成要素以外の部品を追加することなく、而も車重を増加させずに、当該後部ドアの振動レベルを低減することができる。
本発明の車両用後部ドア構造が適用されるセダン系の乗用車の後部を示す斜視図である。 本発明の車両用後部ドア構造が適用されるラゲージドアにおける好ましい実施の形態を示す分解斜視図である。 図2のラゲージドアが適用されるセダン系の乗用車の後部を車両後側から見た状態を示す背面図である。 図3のA−A断面図である。 (A)は図3のB−B断面図、(B)は図3のC−C断面図である。 第1の実施例のラゲージドアの振動状態を示す説明図である。 第1の実施例のラゲージドアと第2の実施例のラゲージドアを比較したグラフである。
以下、本発明の車両用後部ドア構造を実施するための形態例について、図面を参照して説明する。なお、この車両用後部ドア構造は、車幅方向の中心に対して基本的には左右対称に形成されているので、各図においては車両左右の同一の各構成部品や構成部品の各部位には同一符号を付して他方側の説明を省略する。また、この背景技術で使用する各図中において矢印で方向を示してあるが、これは運転席に着座した乗員から見た方向を示している。矢印UPは車両上方向、矢印RRは車両後方向、矢印RHは車両右方向、矢印LHは車両左方向をそれぞれ示している。さらに、各矢印は各部品がフレームとして組み込まれたときの方向性を示している。
本発明の車両用後部ドア構造が適用される車両は、例えば、セダン系の乗用車で車室の車両後方側にラゲージルームを備えている。このようなセダン系の乗用車における本発明の車両用後部ドア構造は、例えば図1に示すように、車両の後部に形成されたラゲージルーム10のドア開口部10aの上辺部とドアヒンジ(図示せず。)を介して開閉自在に取り付けられるラゲージドア1に適用され、リヤバンパ2の上縁から開くように設けられている。
このラゲージドア1は、閉止状態で荷室の車両上方側に位置するドア上壁部1aと当該荷室の車両後方側に位置するドア縦壁部1bとから形成され、ドア縦壁部1bにおける車幅方向の両側にそれぞれリヤ用ランプ3、3が設けられている。なお、リヤ用ランプ3は、テールランプ、ブレーキランプ、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、または、これら各種のランプが一体化されたリヤコンビネーションランプが該当する。
このようなラゲージドア1は、インナパネル4とアウタパネル5とを重ね合わせて接合することで構成されているが、アウタパネル5は、リヤ用ランプを組み込むための凹部を有すると共に、意匠上、車両の商品性を高めるために側断面形状が複雑な立体形状に形成されているので、プレス加工を容易に行えるように分割化されている。
即ち、図2、図3に示すように、ラゲージドア1の必須構成要素として、インナパネル4と、アウタロアパネル51と、アウタアッパパネル52と、シェアパネル53と、2つのランプハウジング54、54とを備えている。このようなパネルやハウジングは、個々に鋼板等の金属板をプレス成形することで所定形状に形成されている。
インナパネル4は、側面視で略L字状に形成され、ラゲージドア1のドア上壁部1a及び縦壁部1bの構成要素で、インナ上壁部41と、インナ縦壁部42とから構成され、さらに、環状ビード43と、縦ビード44とを備えている。インナ上壁部41はラゲージルーム10の車両上方側に配置され、インナ縦壁部42はラゲージルーム10の車両後方側に配置される。
環状ビード43は、インナパネル4の外周を一周する断面凹状に形成されている。したがって、ラゲージルーム内側に対しては突出することになる。なお、インナ上壁部41に形成された環状ビード43には、インナ上壁部41の車幅方向両側の車両前方側の部分にドアヒンジ(図示せず。)の一端側がボルト締結されている。
縦ビード44は、インナパネル4の車幅方向中央部分で車両前後方向に延びた状態で断面凹状に形成されている。したがって、ラゲージルーム内側に対しては突出することになる。なお、このように形成された縦ビード44は、インナ上壁部41の車幅方向に沿って形成された環状ビード43と、インナ縦壁部42の車幅方向に沿って形成された環状ビード43とに連結されている。
また、このように形成されたインナパネル4には、電装部品等を取り付けるために使用する複数の穴45が設けられている。
アウタロアパネル51は、ドア縦壁部1bの構成要素としてインナパネル4のインナ縦壁部42の周縁部にヘミング加工によって結合されている。なお、アウタロアパネル51のヘミング加工部位は、アウタアッパパネル52に対向配置される周縁部は除かれる。また、アウタロアパネル51の上部の車幅方向両側には、それぞれ後述するランプハウジング54を溶接接合するための切欠き部51a、51aが設けられている。
アウタアッパパネル52は、側面視で略L字状に形成され、アウタ上壁部52a及びアウタ縦壁部52bで構成され、アウタ上壁部52aはラゲージドア1のドア上壁部1aの構成要素、アウタ縦壁部52bはラゲージドア1のドア縦壁部1bの構成要素となる。このように構成されたアウタアッパパネル52は、インナパネル4のインナ上壁部41の周縁部にヘミング加工によって結合されている。なお、アウタアッパパネル52のヘミング加工部位は、アウタロアパネル51に対向配置される周縁部は除かれる。また、アウタアッパパネル52のアウタ縦壁部52bの下部の車幅方向両側には、それぞれリヤ用ランプ3、3を収めるための切欠き部52b1、52b1が設けられているが、この切欠き部52b1は、意匠上、設けられていない場合もある。
シェアパネル53は、アウタアッパパネル52とアウタロアパネル51とを一体化させるためにそれぞれが接合されている。このような接合手段としては溶接接合、ねじ接合、リベット接合等が該当するが、本実施例においては溶接接合で説明する。このシェアパネル53は、アウタアッパパネル52とアウタロアパネル51とを強固に接合するために、アウタアッパパネル52及びアウタロアパネル51の車幅方向の長さとほぼ同じ長さに形成されている。また、このようなシェアパネル53は図4、図5(A)に示すように、車幅方向両側におけるランプハウジング54、54に対向配置される部位53a、53aが、その部位間に位置する中間部位53bより車両前後方向において長く形成されている。これは、後述するランプハウジング54の上側を覆うように溶接接合させるためである。
ランプハウジング54は、リヤ用ランプ3を組み込むことができるように、前面部54aと、側面部54bと、下面部54cとから構成されアウタパネル5の凹部となる。前面部54aはインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43に対向配置され、側面部54bは車幅方向内側に配置され、下面部54cは車両下側に配置されるように形成されている。ランプハウジング54はこのように形成されているので、これら3面によって剛性の高い形状に形成させることができ、而も奥行きがあるのでインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43に延設させることなく溶接接合することができる。したがって、前面部54aは面部位がインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43に溶接接合され且つ上端がシェアパネル53のランプハウジング54に対向配置される部位53aに溶接接合され、側面部54b及び下面部54cの車両後側端がアウタロアパネル51の切欠き部51aに溶接接合されている。なお、「延設」とは一方向に延びるように設けることを意味する。
なお、シェアパネル53は、車両前後方向で車両前側がやや下がるように傾斜して配置されていることから溶接接合されているランプハウジング54とで、側断面視で略コの字形に形成されることになる(図5(A)参照。)。また、シェアパネル53の中間部位53bは、アウタアッパパネル52のアウタ縦壁部52bの下側端と、アウタロアパネル51の上側端とが溶接接合されている(図4参照。)。
このように側面視で略L字状に形成されたラゲージドア1は、アウタパネル5がアウタロアパネル51、アウタアッパパネル52、シェアパネル53及び2つのランプハウジング54、54に5分割化されているので、リヤ用ランプ3を組み込むための凹部を有すると共に、意匠上、車両の商品性を高めるために側断面形状が複雑な立体形状に形成されていても、プレス加工を容易に行うことができる。而も、シェアパネル53を介してアウタアッパパネル52に溶接接合されたアウタロアパネル51の車幅方向の両側に溶接接合された剛性の高い形状のランプハウジング54の前面部54aを、インナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43に溶接接合しているので、図4に示すように、シェアパネル53の中間部位53bを車両前側に延設してインナパネル4に接合しなくても、車両前後方向の振動が発生したラゲージドア1のインナパネル4とアウタパネル5の開き変形を抑制することができる。
したがって、ラゲージドア1の必須構成要素以外の部品を追加することなく、而も車重を増加させずに、当該ラゲージドア1の振動レベルを低減することができる。なお、シェアパネル53の中間部位53bをインナパネル4に溶接接合するために長くすると、シェアパネル53の2つのランプハウジング54、54に対向配置される部位53a、53aより平面面積が大きくなってしまうことから車重が増加するので、好ましくない。
また、本発明の車両用後部ドア構造が適用されるラゲージドア1は図2、図3、図5に示すように、ランプハウジング54の前面部54aとインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43とは、それぞれスポット接合する部位WAに平面面積を小さくするための段差部54a1、43aが実質的に車両上下方向に沿って形成されていてもよい。このようなスポット接合手段としては溶接接合、ねじ接合、リベット接合等が該当するが、本実施例においては溶接接合で説明する。この段差部54a1、43aは、低い平面部と高い平面部とを傾斜壁部によって連結しているものであり、而も屈曲角度が鈍角なので、溶接接合する部位WAとなる平面部の剛性を高めることができる。なお、図2、図3、図5においては、ランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43には、それぞれスポット溶接で溶接接合する部位WAを中心にして車幅方向両側に段差部54a1、54a2、43a、43bが形成されているが、これについては後述する。
このような段差部54a1、43aをランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43に設けるのは、ラゲージドア1に車両前後方向の振動が発生した場合にスポット溶接による接合部位で折り曲げようとする荷重が作用するからである。ランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43にそれぞれ段差部54a1、43aを設けることで、荷重が作用するランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43の当該接合部位(溶接接合する部位WA)の平面面積を小さく形成させることができるので、その部位の変形度が小さくなり局部的面剛性を高めることができる。したがって、ラゲージドア1の振動レベルをさらに低減させることができる。
なお、この段差部54a1、43aは、ランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43の溶接接合する部位WAの局部的面剛性を高めることができれば、必ずしも車両上下方向に沿って形成されていなくてもよく、車両上下方向の線上から傾斜していてもよい。このような段差部54a1、43aは、ランプハウジング54やインナパネル4をプレス加工する際に同時に形成できるので、プレス加工工数が増加することはない。また、スポット溶接の溶接点数は図3に示すように、1箇所でもインナパネル4とアウタパネル5の開き変形を抑制することができるが、これに限らず、複数個所でもよい。
また、本発明の車両用後部ドア構造が適用されるラゲージドア1は図5(B)に示すように、ランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43はそれぞれ、スポット溶接で溶接接合する部位WAを中心にして車幅方向両側に段差部54a1、54a2、43a、43bが形成されていてもよい。
このように、ランプハウジング54の前面部54aに2つの段差部54a1、54a2を形成させ、インナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43に2つの段差部43a、43bを形成させることで、これら部位がスポット溶接で溶接接合する部位WAの平面面積が大きい場合に、当該溶接接合する部位WAの平面面積を小さくすることができる。なお、ランプハウジング54の前面部54a、あるいはインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43の何れか一方の平面面積が大きい場合には、その平面面積が大きい部材のみに2つの段差部を形成させるだけで溶接接合する部位WAの平面面積を小さくすることができる。
また、本発明の車両用後部ドア構造が適用されるラゲージドア1は図2、図5に示すように、インナパネル4は、ひとつの段差部43aがインナ上壁部41の車両前方上縁の車幅方向外側端部からインナ縦壁部42の車両後方下縁の車幅方向中央部分に位置する縦ビード44に向かって延設されているとよい。
このように、インナパネル4は、縦ビード44を中心にして両側にそれぞれ、ひとつの段差部43aがインナ上壁部41の車両前方上縁の車幅方向外側端部からインナ縦壁部42の車両後方下縁の縦ビード44に向かって延設されているので、インナパネル全体の面剛性を高めることができる。したがって、ラゲージドア1の振動レベルをより一層に低減させることができる。
なお、このひとつの段差部43aは図2、図5では、略S字状に形成されているが、これはインナパネル4に形成されている穴45等を回避するためであるので、ひとつの段差部43aがインナ上壁部41の車両前方上縁の車幅方向外側端部からインナ縦壁部42の車両後方下縁の縦ビード44に向かって延設されていれば、どのような形状のものでもインナパネル全体の面剛性を高めることができる。また、このひとつの段差部43aは、スポット溶接で溶接接合する部位WAを中心にして車幅方向車外方向に形成されているものであるが、インナパネル全体の面剛性を高めることができれば車幅方向車内方向に形成されていてもよい。
次に、上述したラゲージドア1について、ランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43が、スポット溶接による溶接接合を行わずに且つ段差部を設けていない場合(以下、「第1の実施例」と称する。)と、スポット溶接による溶接接合を行うと共に段差部54a1、54a2、43a、43bを設けている場合(以下、「第2の実施例」と称する。)とを比較するために、下記のような解析を行った。なお、何れの実施例においてもシェアパネル53はインナパネル4には溶接接合はしていない。解析装置は、FEM(有限要素法)による汎用解析プログラムを使用した。また、解析に使用した自動車は、小型クラスの4ドアセダンである。
まず、ランプハウジング54の前面部54aと、インナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43との間隔が車両前後方向で広がってしまう、所謂開き変形と、溶接接合されたアウタアッパパネル52、シェアパネル53及びランプハウジング54から成る断面部位の断面崩れとの解析を行った。この解析では車両前後方向の振動を所定の振動レベルで加振させている。
解析結果は、第1の実施例では図6に示すように、ランプハウジング54の前面部54aと、インナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43との開き変形が発生し、而もアウタアッパパネル52のアウタ縦壁部52bとシェアパネル53のランプハウジング54に対向配置される部位53aとで形成されるくの字部位、及びシェアパネル53のランプハウジング54に対向配置される部位53aとランプハウジング54の前面部54aとで形成されるくの字部位の何れもが溶接接合されていることから、その部位の剛性が弱くなるので、何れも開く方向に断面崩れすることがわかった。なお、このような構造において、その部位の剛性が弱くなるのは、溶接接合部位を曲げ起点とした曲げ変形が発生し易くなるからである。
これに対して、第2の実施例では図5(A)、(B)に示すように、ランプハウジング54の前面部54a及びインナ縦壁部42の車幅方向外側部に位置する環状ビード43が、スポット溶接による溶接接合を行うと共に段差部54a1、54a2、43a、43bを設けていることから、アウタアッパパネル52のアウタ縦壁部52bとシェアパネル53のランプハウジング54に対向配置される部位53aとで形成されるくの字部位、及びシェアパネル53のランプハウジング54に対向配置される部位53aとランプハウジング54の前面部54aとで形成されるくの字部位の何れもが溶接接合されていても、その部位の剛性が弱くなることはないので、上述のような開き変形及び断面崩れが発生しないことがわかった。したがって、本発明の車両用後部ドア構造が適用されたラゲージドア1は、剛性が向上していることが確認できた。
さらに、第1の実施例のラゲージドアの振動特性と、第2の実施例のラゲージドアの振動特性とを比較する振動解析を行った。この解析では、評価点をラゲージドア1のドア上壁部1aにおける車幅方向中央部で車両後側端にして、車両前後方向の振動を所定の振動レベルで加振させている。振動解析結果を図7に示した。図7は振動特性を示すグラフで、縦軸が振動レベル(単位は、[dB])、横軸が周波数(単位は、[Hz])であり、破線が第1の実施例のラゲージドアの振動波形で、実線が第2の実施例のラゲージドアの振動波形である。
振動解析結果は、第2の実施例のラゲージドアは第1の実施例のラゲージドアより振動レベルが低減することがわかった。したがって、本発明の車両用後部ドア構造が適用されたラゲージドア1は、車室内のこもり音を低減させることが確認できた。
なお、上述した実施例においては、車両用ドアとしてラゲージドアで説明したが、これに限らず、本発明の車両用後部ドア構造は、5ドアハッチバック型のもので、側面視で略L字状に形成されたバックドアにも適用させることができる。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
1……ラゲージドア(車両用後部ドア)
1a……ドア上壁部
1b……ドア縦壁部
3……リヤ用ランプ
4……インナパネル
41……インナ上壁部(ドア上壁部となる部位)
42……インナ縦壁部(ドア縦壁部となる部位)
43a、43b……段差部
51……アウタロアパネル
51a……切欠き部
52……アウタアッパパネル
52b1……切欠き部
53……シェアパネル
54……ランプハウジング
54a1、54a2……段差部
WA……溶接接合する部位

Claims (2)

  1. 車両の後部に形成されたドア開口部の上辺部とヒンジを介して開閉自在に取り付けられ、閉止状態で荷室の車両上方側に位置するドア上壁部と当該荷室の車両後方側に位置するドア縦壁部とから形成されると共に、前記ドア縦壁部における車幅方向の両側にそれぞれリヤ用ランプが設けられている車両用後部ドアにおいて、
    側面視で略L字状に形成され、前記ドア上壁部及び前記ドア縦壁部の構成要素であるインナパネルと、
    前記ドア縦壁部の構成要素として前記インナパネルの周縁部に結合されているアウタロアパネルと、
    前記ドア上壁部の構成要素として前記インナパネルの周縁部に結合されているアウタアッパパネルと、
    前記アウタアッパパネルと前記アウタロアパネルとを一体化させるためにそれぞれが溶接接合されているシェアパネルと、
    前記リヤ用ランプが組み込まれ且つ剛性の高い形状に形成され、前記アウタアッパパネル及び前記アウタロアパネルランプのうち少なくとも前記アウタロアパネルに切り欠かれたランプ用切欠き部から前記リヤ用ランプが投光可能に、前記インナパネル、前記シェアパネル及び前記アウタロアパネルに接合されているランプハウジングとを備えていることを特徴とする車両用後部ドア構造。
  2. 前記ランプハウジングと前記インナパネルとは、それぞれスポット接合する部位に平面面積を小さくするための段差部が実質的に車両上下方向に沿って形成され、且つ前記ランプハウジング及び前記インナパネルは少なくとも何れか一方に、当該段差部が前記スポット接合する部位を中心にして車幅方向両側に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用後部ドア構造。
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