JP2008221300A - 隅肉溶接部の構造及び隅肉溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で即ち低コストで溶接止端部におけるフランク角が大きくなり、アクスルケースへのブレーキフランジの隅肉溶接に適用することで、ブレーキ時の制動トルクの保持と高い耐久性とを安価に両立できる隅肉溶接部の構造及び隅肉溶接方法を提供する。
【解決手段】第1の部材3に第2の部材4を隅肉溶接してなる隅肉溶接部の構造であって、第1の部材3及び第2の部材4の内の少なくとも一方の部材3の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部11に近付く程高くなるように形成された傾斜部10を溶接方向に沿って形成し、溶接ビード7の溶接止端部8が上記傾斜部10の途中に位置するように溶接してなるもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接止端部におけるフランク角を大きくし、応力集中の軽減を図った隅肉溶接部の構造及び隅肉溶接方法に関する。
図7(a)に示すように、車両用のアクスルケース1は、ディファレンシャル機構が収容されるディファレンシャル収容部2と、その左右に配置されアクスルが収容される円筒状のアクスルハウジング部3とから成っている。左右のアクスルハウジング部3には、ブレーキを取り付けるための環状板状のブレーキフランジ4が夫々嵌合され、各ブレーキフランジ4の少なくとも一方の側面がアクスルハウジング部3の外周面にその周方向に沿って隅肉溶接されている。
かかるアクスルケース1には、各ブレーキフランジ4の取付部よりも車幅中心側の左右各一カ所にサスペンション用のスプリング5が装着され、両端部すなわちブレーキフランジ4の取付部よりも車幅外側にタイヤ6が配置される。このため、スプリング5からの懸架力とタイヤ6からの路面反力とにより生成される曲げモーメントによりアクスルケース1の下面側には引張応力が発生する。よって、アクスルケース1の下面側におけるアクスルハウジング部3とブレーキフランジ4との隅肉溶接部に大きな応力集中(引張応力集中)が生じ、その隅肉溶接部を始端としてアクスルケース1に亀裂が発生する可能性が考えられる。
そこで、ブレーキフランジ4をアクスルケース1のアクスルハウジング部3に全周は溶接せず、アクスルハウジング部3の下面側の所定角度(例えば90度〜120度)の範囲を隅肉溶接せずに未溶接のままとし、下面側の隅肉溶接部における応力集中を回避するようにした手法が知られている。しかし乍ら、この手法では、ブレーキフランジ4のアクスルハウジング部3に対する溶接長が減少するため、制動時にブレーキフランジ4に加わる制動トルクの支持能力が溶接長の減少に応じて低下してしまう。
そこで、この対策として、図8(b)に示すようにフレックス入りワイヤを用いたCF溶接を用い、ブレーキフランジ4をアクスルハウジング部3にその下面側をも含めて隅肉溶接する手法が知られている。この手法によれば、溶接長が稼げるためブレーキハウジング4に加わる制動トルクの支持能力を確保でき、CF溶接(フレックス入りワイヤ)により、図8(a)に示す一般的なソリッドワイヤを用いたCO2 溶接によるブレーキフランジ4のアクスルハウジング部3への隅肉溶接と比べて溶接ビード7の溶接止端部8の形状が滑らかになってフランク角αが大きくなるため、アクスルハウジング部3の下面側における溶接止端部8の応力集中が軽減される。
また、図8(c)に示すエアタガネによる手法も実用化されている。このエアタガネによる手法は、ブレーキフランジ4をアクスルハウジング部3にその下面側をも含めて隅肉溶接(ソリッドワイヤを用いたCO2 溶接)した上で、アクスルハウジング部3の下面側の引張曲げ応力の厳しい所定の範囲の溶接止端部8の近傍に、複数の針状の打撃体9を高圧エアの力で振動するようにして叩きつけるものである。この手法によれば、溶接長が稼げるためブレーキハウジング4に加わる制動トルクの支持能力を確保でき、針状の打撃体9によって叩かれた部分(アクスルハウジング部3の下面側の引張曲げ応力の厳しい部分)の表面が硬化して強度が向上すると共に、引張応力集中部に圧縮の残留応力が発生するため応力が相殺される。
特開平8−108882号公報
ところで、フレックス入りワイヤを用いたCF溶接による手法においては、溶接ワイヤのコストが一般的なソリッドワイヤと比較して高価である上、溶接ビード7の表面がスケールで覆われるためこのスケールを除去する必要があり、コストアップ、作業工数の増加及び作業環境の悪化が問題となる。また、エアタガネによる手法においては、溶接後の処理時間の増加や、打撃音等による作業環境の悪化が問題となる。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、簡単な構成で即ち低コストで溶接止端部におけるフランク角が大きくなり、アクスルケースへのブレーキフランジの隅肉溶接に適用することで、ブレーキ時の制動トルクの保持と高い耐久性とを安価に両立できる隅肉溶接部の構造及び隅肉溶接方法を提供することにある。
上記課題を解決するために第1の発明は、第1の部材に第2の部材を隅肉溶接してなる隅肉溶接部の構造であって、第1の部材及び第2の部材の内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高くなる形状の傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接してなるものである。
また、第2の発明は、車両用のアクスルケースの円筒状のアクスルハウジング部に、ブレーキを取り付けるための環状板状のブレーキフランジを嵌合して上記アクスルハウジング部の周方向に隅肉溶接してなる隅肉溶接部の構造であって、上記アクスルハウジング部及びブレーキフランジの内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高くなる形状の傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接してなるものである。
上記傾斜部が、上記アクスルハウジング部の車両下側の外周面に形成されることが好ましい。
上記傾斜部が、上記アクスルハウジング部の車両下側の外周面の少なくとも60度の範囲に形成されることが好ましい。
上記傾斜部が、上記アクスルハウジング部の上記ブレーキフランジよりも車幅中心側の外周面にのみ形成されることが好ましい。
また、第3の発明は、第1の部材に第2の部材を隅肉溶接する方法であって、第1の部材及び第2の部材の内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高さが大きくなる傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接するものである。
また、第4の発明は、車両用のアクスルケースの円筒状のアクスルハウジング部に、ブレーキを取り付けるための環状板状のブレーキフランジを嵌合して上記アクスルハウジング部の周方向に隅肉溶接する方法であって、上記アクスルハウジング部及びブレーキフランジの内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高さが大きくなる傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接するものである。
また、第5の発明は、隅肉溶接された溶接ビードの溶接線の一部分に応力が集中するような状況が見込まれるとき、少なくとも上記一部分を含むようにして溶接ルート部に近付く程高さが大きくなる傾斜部を溶接線に沿って母材に形成しておき、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接するようにしたものである。
本発明に係る隅肉溶接部の構造及び隅肉溶接方法によれば、簡単な構成で即ち低コストで溶接止端部におけるフランク角が大きくなり、アクスルケースへのブレーキフランジの隅肉溶接に適用することで、ブレーキ時の制動トルクの保持と高い耐久性とを安価に両立できる。
本発明の好適実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(a)、図1(b)、図7(a)、図7(b)に示すように、車両用のアクスルケース1の円筒状のアクスルハウジング部3の外周面には、ブレーキを取り付けるための環状板状のブレーキフランジ4が被嵌され、そのブレーキフランジ4は、アクスルハウジング部3の外周面に、その周方向に沿って隅肉溶接されている。隅肉溶接は、本実施形態では、ブレーキ部品の取付性を考慮してアクスルハウジング部3のブレーキフランジ4よりも車幅中心側にのみ施され、低コスト化を考慮してソリッドワイヤを用いた一般的なCO2 溶接が採用される。
アクスルハウジング部3の外周面の隅肉溶接する部分には、その溶接線の一部に、溶接ルート部11に近付く程高さが大きくなる形状の傾斜部10が、溶接方向に沿って形成されている。詳しくは、傾斜部10は、アクスルハウジング部3の外周面の車両下側の部分に形成され、特に車両下側の部分の少なくとも60度の範囲10a(図7(b)参照)、すなわちアクスルハウジング部3の中心からの鉛直線を挟んで少なくとも左右30度の範囲10aに形成される。ここで「少なくとも60度の範囲10aに傾斜部10を形成する」とは、上述した60度の範囲10aには必ず傾斜部10を形成し、加えて60度を超える範囲にも傾斜部10を形成することを妨げない、と言う意味である。
本実施形態では、ブレーキフランジ4がアクスルハウジング部3の外周面の全周に亘って隅肉溶接され、その溶接部の内、アクスルハウジング部3の外周面の車両下側の部分の60度の範囲10aにのみ傾斜部10が形成されている。但し、隅肉溶接は全周に亘って施されていなくてもよく、傾斜部10は60度の範囲10aを超えて形成されていてもよい。アクスルハウジング部3は本実施形態ではその中心線に沿って円筒を略半割りした2分割パーツからなり、傾斜部10はその分割パーツをプレス成形する際に同時にプレス型に押圧されて円錐の側面状に成形される。よって、傾斜部10を成形するための追加の工程は不要である。但し、傾斜部10を切削加工で成形してもよい。
傾斜部10を成形した後、ブレーキフランジ4をアクスルハウジング部3にその周方向に沿って隅肉溶接(ソリッドワイヤを用いた一般的なCO2 溶接)するのであるが、その際、傾斜部10を成形した範囲10aにおいて、溶接ビード7の溶接止端部8が傾斜部10の途中に位置するように隅肉溶接する。このように溶接止端部8が傾斜部10の途中に位置するように隅肉溶接することで、図2に仮想線3aで示すように傾斜部10が無い場合と比べると、溶接ビード7の外観形状を変更することなく、フランク角α(溶接止端部8の近傍における溶接ビード7の表面7aと母材であるアクスルハウジング部3との接続部の成す角)が大きくなる。すなわち、傾斜部10が無い場合のフランク角βよりも、傾斜部10を成形した場合のフランク角αの方が、傾斜部10の傾斜角の分だけ大きくなる。よって、安価なソリッドワイヤを用いたCO2 溶接を採用しても、高価なフラックス入りワイヤを用いたCF溶接(図8(b)参照)を採用した場合と同様に、大きなフランク角αが得られることになる。
このように、低コストで溶接ビード7の溶接止端部8のフランク角αが大きくなる結果、溶接止端部8における応力集中が低コストで軽減される。すなわち、アクスルケース1において引張応力が集中するアクスルハウジング部3の車両下面側におけるブレーキフランジ4の溶接ビード7の溶接止端部8のフランク角αが、車両下面側の60度の範囲10aで大きくなり、その部分での応力集中が緩和される。よって、車両下面側における溶接止端部8を始点とする応力集中に因る亀裂の発生を低コストで抑制することができ、耐久性が向上する。また、フラックス入りワイヤを用いたCF溶接を採用していないので溶接ビード7の表面がスケールで覆われることはなく、このスケールを除去するための作業工数の増加や作業環境の悪化の問題は生じない。
また、溶接ビード7の外観形状が傾斜部10が無い場合と同様となるので、傾斜部10が無い場合と同等の溶接強度を確保できる。また、本実施形態における隅肉溶接(ソリッドワイヤを用いたCO2 溶接)は、従来の傾斜部10が存在しない場合の隅肉溶接(ソリッドワイヤを用いたCO2 溶接)と同様の溶接条件(電圧、溶接速度等)で溶接しているので、低コストとなると共に従来と同様の溶接強度が得られる。加えて、本実施形態では、ブレーキフランジ4をアクスルハウジング部3の外周面の全周に亘って隅肉溶接しているので、長い溶接長が確保される。このように、従来と同等の溶接強度が得られると共に長い溶接長が確保できるため、制動時にブレーキフランジ4に加わる制動トルクの支持能力が高まり耐久性が向上する。
すなわち、本実施形態は、制動時にブレーキフランジ4に加わる制動トルクの支持能力を高めるため、ブレーキフランジ4をアクスルハウジング部3にその下面側をも含めて隅肉溶接し、且つ引張応力の集中に因り亀裂の発生が懸念される溶接ビード7の車両下面側の溶接止端部8の形状を滑らかに母材に繋がるようにフランク角αを大きくしてその応力集中を緩和するために、車両下面側の60度の範囲10aに傾斜部10を形成した上で、安価なソリッドワイヤを用いたCO2 溶接によって隅肉溶接を行ったものである。これにより、安価でフランク角αが大きくなって溶接止端部8の形状が応力集中の軽減が図れる滑らかな形状となり、ブレーキの制動トルクの保持と高い耐久性とを安価に両立できる。
なお、傾斜部10は、上述したように溶接長さの全ての範囲に形成する必要はなく、強度上特に厳しい範囲(応力集中が顕著な範囲)、本実施形態のようにアクスルケース1のアクスルハウジング部3へのブレーキフランジ4の隅肉溶接においては、アクスルハウジング部3の車両下側の60度の範囲10aに傾斜部10を設け、隅肉溶接時に溶接ビード7の溶接止端部8が傾斜部10の途中に位置するように溶接ビード7を形成することで、十分な強度向上効果(応力集中緩和効果)が得られる。但し、傾斜部10を溶接長さの全ての範囲、即ちアクスルハウジング部3の外周面の全周に亘って形成してもよいことは勿論である。
以下に、本発明の技術的な前提を述べる。
一般に、隅肉溶接部(溶接ビード7)の外観は、溶接ビード7の脚長aが同じ場合には単位長さ当たりの溶着金属の量が少ないほど凹んだ形状となって溶接止端部8が滑らかに母材に接続する形状となり、溶接止端部8における溶着金属表面と母材表面の成すフランク角αが大きくなり、その溶接止端部8における応力の集中係数が軽減される。
溶着金属の量を減らすには電流を減らすか溶接速度を上げて単位溶接長当たりの入熱量を減らせばよいが、入熱量が減少することにより溶接の溶け込みや溶接ビード7の有効のど厚も減少してしまい、溶接ルート部11からの亀裂発生や破壊の原因となるため、この方法によって溶着金属の量を減らしてフランク角αを増加させるのには限度がある。特に、溶接材料費が安く溶接の後処理が容易なCO2 溶接の場合には溶接ワイヤから比較的大きな溶滴が落下することにより溶着金属が形成される上、スラグの少ない分だけ溶着金属の冷却凝固が速いため、溶接ビード7の幅や高さにムラのある、不連続な溶接ビード7と成り易く、更に限度が狭いため、より凸形状の溶接ビード7と成り易い(図8(a)参照)。
そこで、本実施形態では、図1(a)、図1(b)に示すように、隅肉溶接する2つの部材(ブレーキフランジ4、アクスルハウジング部3)の少なくとも一方(アクスルハウジング部3)に、溶接ルート部11に近付く程高くなる形状の傾斜部10を形成し、溶接ビード7の溶接止端部8が傾斜部10の途中に位置するように隅肉溶接している。こうすることにより、溶接ビード7の外観形状を変更することなく、フランク角αが傾斜部10の無い場合と比べて傾斜部10の傾斜角分だけ増加することになり、これにより溶接止端部8の応力集中が緩和されるため、溶接部(溶接ビード7の部分)の強度が向上する。
本発明の変形実施形態を図3〜図6に示す。
図3(a)、図3(b)に示すものは、傾斜部10をアクスルハウジング部3のブレーキフランジ4よりも車幅中心側のみならず車幅端部側にも同様に設け、車幅中心側の傾斜部10のみならず車幅端部側の傾斜部10にも同様にその傾斜部10の途中に溶接止端部8が位置するように溶接ビード7を形成した点のみが前実施形態と異なり、その他は前実施形態と同様となっている。
図4(a)、図4(b)に示すものは、傾斜部10をアクスルハウジング部3に設けることに加えブレーキフランジ4にも同様に設け、アクスルハウジング部3の傾斜部10のみならずブレーキフランジ4の傾斜部10も同様にその傾斜部10の途中に溶接止端部8が位置するように溶接ビード7を形成した点のみが最初の実施形態と異なり、その他は最初の実施形態と同様となっている。
図5(a)、図5(b)に示すものは、図3(a)、図3(b)に示すものと図4(a)、図4(b)に示すものとを組み合わせたものである。
図6(a)、図6(b)に示すものは、アクスルハウジング部3の外周面に断面三角形、円状(円弧状)の突起部を形成し、その突起部の溶接ルート部11とは反対側の面を上述した傾斜部10とし、その傾斜部である突起部の溶接ルート部11とは反対側の面の途中に溶接ビード7の溶接止端部8が位置するように隅肉溶接したものである。
これらの変形実施形態においても、最初の実施形態と同様にフランク角α1〜α8が大きくなるため、最初の実施形態と同様の作用効果を奏する。
なお、本発明は、アクスルケース1におけるアクスルハウジング部3とブレーキフランジ4との隅肉溶接に限られることはない。すなわち、隅肉溶接された溶接ビードの溶接線に沿った一部分に応力(引張又は圧縮)が集中するような状況が見込まれるのであれば、少なくとも上記一部分を含むようにして溶接ルート部に近付く程高さが大きくなる傾斜部を溶接線に沿って母材に形成しておき、溶接ビードの溶接止端部が傾斜部の途中に位置するように隅肉溶接(安価なCO2 溶接等)することで、各種の隅肉溶接に適用できる。
本発明の好適実施形態に係る隅肉溶接部の構造、隅肉溶接方法を示す説明図であり、(a)はアクスルハウジング部とブレーキフランジの溶接前の断面図、(b)は溶接後の同断面図である。 隅肉溶接部の拡大断面図である。 本発明の変形実施形態に係る隅肉溶接部の構造、隅肉溶接方法を示す説明図であり、(a)はアクスルハウジング部とブレーキフランジの溶接前の断面図、(b)は溶接後の同断面図である。 本発明の別の変形実施形態に係る隅肉溶接部の構造、隅肉溶接方法を示す説明図であり、(a)はアクスルハウジング部とブレーキフランジの溶接前の断面図、(b)は溶接後の同断面図である。 本発明の更に別の変形実施形態に係る隅肉溶接部の構造、隅肉溶接方法を示す説明図であり、(a)はアクスルハウジング部とブレーキフランジの溶接前の断面図、(b)は溶接後の同断面図である。 本発明のまた更に別の変形実施形態に係る隅肉溶接部の構造、隅肉溶接方法を示す説明図であり、(a)は傾斜部が断面三角状の突起部の一部からなるものの断面図であり、(b)は傾斜部が断面円弧状の突起部の一部からなるものの断面図である。 アクスルケースの説明図であり、(a)はアクスルケースの正面図、(b)は同側面図である。 従来例を示す説明図であり、(a)はアクスルハウジング部にブレーキフランジをCO2 溶接したものの断面図、(b)は同様にCF溶接したものの断面図、(c)は同様にCO2 溶接したものにエアタガネを施した断面図を示す。
符号の説明
1 アクスルケース
3 アクスルハウジング部
4 ブレーキフランジ
7 溶接ビード
8 溶接止端部
10 傾斜部
10a 範囲
11 溶接ルート部
α フランク角

Claims (8)

  1. 第1の部材に第2の部材を隅肉溶接してなる隅肉溶接部の構造であって、
    第1の部材及び第2の部材の内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高くなる形状の傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接してなることを特徴とする隅肉溶接部の構造。
  2. 車両用のアクスルケースの円筒状のアクスルハウジング部に、ブレーキを取り付けるための環状板状のブレーキフランジを嵌合して上記アクスルハウジング部の周方向に隅肉溶接してなる隅肉溶接部の構造であって、
    上記アクスルハウジング部及びブレーキフランジの内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高くなる形状の傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接してなることを特徴とする隅肉溶接部の構造。
  3. 上記傾斜部が、上記アクスルハウジング部の車両下側の外周面に形成された請求項2に記載の隅肉溶接部の構造。
  4. 上記傾斜部が、上記アクスルハウジング部の車両下側の外周面の少なくとも60度の範囲に形成された請求項3に記載の隅肉溶接部の構造。
  5. 上記傾斜部が、上記アクスルハウジング部の上記ブレーキフランジよりも車幅中心側の外周面にのみ形成された請求項2〜4いずれかに記載の隅肉溶接部の構造。
  6. 第1の部材に第2の部材を隅肉溶接する方法であって、
    第1の部材及び第2の部材の内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高さが大きくなる傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接することを特徴とする隅肉溶接方法。
  7. 車両用のアクスルケースの円筒状のアクスルハウジング部に、ブレーキを取り付けるための環状板状のブレーキフランジを嵌合して上記アクスルハウジング部の周方向に隅肉溶接する方法であって、
    上記アクスルハウジング部及びブレーキフランジの内の少なくとも一方の部材の隅肉溶接する部分の一部又は全部に、溶接ルート部に近付く程高さが大きくなる傾斜部を溶接方向に沿って形成し、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接することを特徴とする隅肉溶接方法。
  8. 隅肉溶接された溶接ビードの溶接線の一部分に応力が集中するような状況が見込まれるとき、少なくとも上記一部分を含むようにして溶接ルート部に近付く程高さが大きくなる傾斜部を溶接線に沿って母材に形成しておき、溶接ビードの溶接止端部が上記傾斜部の途中に位置するように溶接するようにしたことを特徴とする隅肉溶接方法。
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