JP2019014636A - 炭化珪素焼結体基板およびそれを備えた電子部品焼結治具 - Google Patents

炭化珪素焼結体基板およびそれを備えた電子部品焼結治具 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成時の酸素雰囲気濃度を厳密に調整することが可能であり耐熱衝撃性や低熱容量にも優れた焼成用治具として使用できるセラミックス焼結体基板を提供する。【解決手段】SiC粒子が焼結して連続的に結合したSiC連続相と、前記SiC粒子の非結合領域を構成する気孔が三次元的に連通した気孔部とを有するセラミックス焼結体からなる基板であって、前記SiC連続相の前記気孔部との界面の少なくとも一部が、酸化物セラミックス層により被覆されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素焼結体基板に関し、より詳細には、セラミックス等からなる電子部品の製造時に使用される焼結治具の炭化珪素焼結体基板に関する。
セラミックコンデンサ、圧電素子、サーミスタなどの電子部品の製造工程には、その一つに焼成工程がある。焼成工程においては、焼成されるべきワークが、例えば棚板と呼ばれる板状耐火物の治具上に複数載置されて焼成が行われる。棚板としては、ワークの種類や焼成条件等に応じ、ムライト質のものやアルミナ質のものが用いられている。近年、電子部品の小型化、高性能化が進み、特にチップ積層コンデンサ(MLCC)では高性能化のために焼成時間の短縮が求められ、焼成治具である棚板にも、急熱急冷の焼結条件に耐え得る材料の開発が進められている。
そのため、焼成治具材料として、ムライトやアルミナよりも耐熱衝撃性や低熱容量である炭化珪素(SiC)が着目されており、なかでも多孔質のSiCセラミックスは寸法安定性に優れや低熱容量でもあることから、焼成治具材料として期待されている。しかしながら、SiCセラミックスからなる棚板に直接電子部品を載置すると、その成分によっては棚板のSiCが電子部品と反応してしまうという問題がある。
上記のような問題に対して種々の対策がなされている。例えば、SiCセラミックス基板の表面にアルミナやムライト等のセラミック被膜を設けた焼成用治具が提案されている(特許文献1、特許文献2等)。また、SiCセラミックス基板の表面に二酸化珪素からなる層を設けた焼成用治具が提案されている(特許文献3)。
特開2003−306392号公報 特開2014−6031号公報 特開2006−117472号公報
ところで、近年、特定の電子部品では、焼成雰囲気を厳密に調整し電子部品の焼成後の化学組成を高度に制御して製造されるため、焼成雰囲気中の酸素濃度の精確な制御が求められるようになってきている。SiCセラミックス基板は、電子部品の焼成の際に雰囲気中の酸素を吸収し、SiCの酸化により酸化珪素が生成する。そのため、雰囲気中の酸素濃度が焼成前後で変わってしまうという問題がある。
SiCセラミックス基板の表面を上記したようなセラミックス材料で被覆した焼成用治具は、電子部品との反応を抑制できるものの、セラミックス材料からなる被膜自体は通気性があるため、被膜内側のSiCセラミックス基板が雰囲気中の酸素を吸収するのを抑制することはできない。そのため、例えばBaTiO等のペロブスカイト型セラミックコンデンサやセラミック電極などの電子部品では、焼成時の酸素雰囲気を厳密に調整しておいても、設計どおりの化学組成を有するものが得られない場合あった。
したがって、本発明の目的は、焼成時の酸素雰囲気濃度を厳密に調整することが可能であり耐熱衝撃性や低熱容量にも優れた焼成用治具として使用できるセラミックス焼結体基板を提供することである。
電子部品をSiCセラミックス基板(棚板)上に載置して焼成した際の酸素濃度の変化は、SiC結晶構造を有するSiCセラミックス基板における基板中の気孔を雰囲気ガスが通気することで、基板内部のSiCの一部が酸素を吸収することが原因と考えられる。本発明者らは今般、基板内部のSiCが気孔と接する面(気孔界面)を酸化物セラミックス材料で被覆することにより、気孔を雰囲気ガスが通気しても基板内部のSiCが酸素を吸収するのを抑制できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
本発明の基板は、SiC粒子が焼結して連続的に結合したSiC連続相と、
前記SiC粒子の非結合領域を構成する気孔が三次元的に連通した気孔部と、
を有するセラミックス焼結体からなる基板であって、
前記SiC連続相の前記気孔部との界面の少なくとも一部が、酸化物セラミックス層により被覆されていることを特徴とするものである。
本発明の実施態様においては、前記セラミックス焼結体の表面から断面厚さ方向において少なくとも100μmまでは、前記SiC連続相の前記気孔部との界面全体が前記酸化物セラミックス層により被覆されていてもよい。
本発明の実施態様においては、前記SiC連続相の前記気孔部との界面全体が前記酸化物セラミックス層により被覆されていてもよい。
本発明の実施態様においては、前記酸化物セラミックス層が、酸化アルミニウム、二酸化珪素、ムライト、および、珪酸塩ガラスからなる群より選択される少なくとも1種の材料を含むものであってよい。
本発明の実施態様においては、前記セラミックス焼結体全体に占める前記気孔部の割合が、前記セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、1〜40面積%であってもよい。
本発明の実施態様においては、前記セラミックス焼結体全体に占める前記酸化物セラミックス層の割合が、前記セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、5〜40面積%であってもよい。
本発明の実施態様においては、前記セラミックス焼結体の表面から断面厚さ方向200μm深部での前記酸化物セラミックス層の厚みが、前記セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、1〜30μmであってもよい。
本発明の実施態様においては、前記セラミックス焼結体の表面が、さらに、ムライト、アルミナ、およびジルコニアかなる群より選択される少なくとも1種の材料により被覆されていてもよい。
本発明の別の態様による電子部品焼結治具は、上記基板を備えるものである。
本発明によれば、SiCセラミック焼結体中におけるSiC連続相の気孔部との界面を酸化物セラミックス層により被覆することにより、気孔を雰囲気ガスが通気してもSiC連続相の表面は酸素と直接接触することがなく、基板内部のSiCが酸素を吸収するのを抑制できる。その結果、焼成時の酸素雰囲気濃度を厳密に調整することが可能であり耐熱衝撃性や低熱容量にも優れた焼成用治具として使用できるセラミックス焼結体基板を実現することができる。
実施例1のSiCセラミック焼結体基板断面の二次電子像(図1a)、Si元素マッピング像(図1b)およびO元素マッピング像(図1c)である。 比較例1のSiCセラミック焼結体基板断面の二次電子像(図1a)、Si元素マッピング像(図1b)およびO元素マッピング像(図1c)である。
<セラミックス焼結体基板>
本発明による基板はSiC粒子が焼結したものである。一般的に、SiC粒子が焼結した焼結体は、SiC粒子が焼結して連続的に結合したSiC連続相とSiC粒子の非結合領域を構成する気孔が三次元的に連通した気孔部とを有する。即ち、本発明のセラミックス焼結体はSiC粒子が焼結したものであり、SiC結晶のバルクが非晶質材料によって結合したものとは相違する。なお、本発明において、三次元的に連通した気孔部とは、セラミックス焼結体中に、連通せずに独立して存在する気孔(以下、閉気孔ともいう)が全く存在しないことを意味するものではなく、閉気孔を含む多孔質セラミックス焼結体を排除するものではない。多孔質セラミックス焼結体からなる基板が厚さ断面方向において通気性を有するものであればよい。
セラミックス焼結体基板がSiC連続相からなるものであるか否かの確認は、例えば、セラミックス焼結体基板の断面を研磨して観察面とし、走査型電子顕微鏡を用いて観察面を撮影した二次電子像(SEI)によって行うことができる。具体的には、二次電子像を任意の位置で100μm×100μmの正方形のグリッドで区切り、正方形の任意の一辺からその対辺にわたりSiC相の領域が連続的に形成されている場合は、SiC連続相が形成されているものとする。
本発明による基板は、上記したようにSiC連続相と気孔部とを有する多孔質セラミックス焼結体からなるものであるが、SiC連続相の気孔部との界面の少なくとも一部が、酸化物セラミックス層により被覆されていることに特徴を有している。そのため、基板中の連通した気孔を雰囲気ガスが通気しても、SiC連続相の表面は酸素と直接接触することがなくなるため、基板内部のSiCが酸素を吸収するのを抑制できる。
セラミックス焼結体基板の厚みは、強度と熱容量のバランスから、1mm〜20mm程度、好ましくは2〜10mmである。本発明において、SiC連続相と気孔部との界面に設けられる酸化物セラミックス層は、セラミックス焼結体基板の厚み方向の全てにおいて形成されている必要はなく、SiC連続相の気孔部との界面の少なくとも一部に酸化物セラミックス層が形成されていればよい。本発明においては、セラミックス焼結体基板の表面から断面厚さ方向において少なくとも100μmまで、より好ましくは200μmまでは、SiC連続相の気孔部との界面全体が酸化物セラミックス層により被覆されていることが好ましい。
SiC連続相の気孔部との界面に酸化物セラミックス層が形成されているか否かの確認は、例えば、セラミックス焼結体基板の断面を研磨して観察面とし、走査型電子顕微鏡を用いて観察面を撮影した二次電子像(SEI)と、X線マイクロアナライザーを用いて電子ビームを観察面に照射し、観察面から発生する特性X線を検出することによって解析される酸化物セラミック由来の元素マッピング像とを照合することによって行うことができる。また、酸化物セラミックス層がSiC連続相の気孔部との界面全体を被覆しているか否かの判断は以下のようにして行うことができる。例えば、セラミックス焼結体基板の表面から断面厚さ方向100μm深部、より好ましくは200μm深部での「酸化物セラミックス層の厚み(断面視最低厚)」が、セラミックス焼結体基板の厚さ方向に沿って切断した断面視において、0μmより大きいか否かによって判断することができる。即ち、セラミックス焼結体基板の表面から断面厚さ方向100μm深部、より好ましくは200μm深部において、「酸化物セラミックス層の厚み(断面視最低厚)」が0μmより大きい場合は、当該深部において、酸化物セラミックス層がSiC連続相の気孔部との界面全体を被覆しているものとする。なお、「酸化物セラミックス層の厚み(断面視最低厚)」については後に詳しく説明する。
上記のようにして確認できる酸化物セラミックス層は、SiC連続相の気孔部との界面全体を被覆していることが好ましい。界面全体を酸化物セラミックス層で被覆することより、セラミックス焼結体基板中の気孔部を雰囲気ガスが通気してもSiC連続相の表面は酸素と直接接触することがなく、基板内部のSiC連続相が酸素を吸収するのを抑制できる。
酸化物セラミックス層は、電子部品の焼結時の酸素雰囲気下において、酸素と反応しない無機酸化物であれば特に制限なく使用できるが、特に高温環境下(1300℃以上)における化学的安定性(酸化劣化抑制)を保持できる観点からは、酸化アルミニウム、二酸化珪素、ムライト(3Al・2SiO)、珪酸塩ガラス等の酸化物セラミックスであることが好ましい。
上記したような酸化物セラミックス層が、SiC連続相の前記気孔部との界面に設けられることによって、気孔部のうちでも比較的小さい気孔は酸化物セラミックス層で充填されて気孔自体が消失する場合もある。本発明においては、セラミックス焼結体全体に占める気孔部の割合が、セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、1〜40面積%であることが好ましい。なお、本発明において、セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視における気孔部の割合とは、上記と同様に、セラミックス焼結体基板の断面を研磨して観察面とし、走査型電子顕微鏡を用いて観察面を撮影した二次電子像(SEI)と、X線マイクロアナライザーを用いて電子ビームを観察面に照射し、観察面から発生する特性X線を検出することによって解析される酸化物セラミック由来の元素、並びにSi元素およびC元素の各元素マッピング像とを照合することによって行うことができる。具体的には、二次電子像(SEI)と各元素マッピング像とを比較して、SiC連続相、酸化物セラミックス層、および気孔部の箇所を特定するとともに、各画像の任意の位置で100μm×100μmの正方形のグリッドで区切り、グリッド内において気孔部が存在している箇所の面積をグリッド内面積(10,000μm)で除した値をいうものとする。
セラミックス焼結体全体に占める気孔部の割合が小さくなり過ぎると、セラミックス焼結体基板の厚さ方向における通気性が不十分とされる場合がある。一方、気孔部の割合が多すぎると基板の機械的強度が不足したり、見かけ上の熱容量が高くなってしまう場合がある。より好ましい気孔部の面積割合は、5〜30面積%である。なお、気孔部の面積割合を上記したような範囲とするには、酸化物セラミックス層を形成する前、即ち、酸化物セラミックス層形成処理を行わない状態でのセラミックス焼結体は、気孔部の面積割合が10〜50面積%、好ましくは15〜30面積%としておけばよい。
また、セラミックス焼結体全体に占める酸化物セラミックス層の割合は、セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、5〜40面積%であることが好ましく、より好ましくは8〜20面積%である。このような割合で酸化物セラミックス層を設けることにより、SiC連続相の気孔部との界面を適度に酸化物セラミックス層で覆うことができ、その結果、電子部品焼成時に気孔を雰囲気ガスが通気しても、雰囲気ガス中に含まれる酸素をSiC連続相が吸収するのを抑制できる。なお、酸化物セラミックス層の割合は、気孔部の割合の測定と同様にして行うことができる。具体的には、二次電子像(SEI)と各元素マッピング像とを比較して、SiC連続相、酸化物セラミックス層、および気孔部の箇所を特定するとともに、各画像の任意の位置で100μm×100μmの正方形のグリッドで区切り、グリッド内において酸化物セラミックス層が存在している箇所の面積をグリッド内面積(10,000μm)で除した値をいうものとする。
気孔部を構成する各気孔の大きさは様々であるため、酸化物セラミックス層の厚みも一定とはならない。上記したように、酸化物セラミックス層を形成する前のセラミックス焼結体において、小さい気孔が存在していたような箇所は、酸化物セラミックス層を形成することによって気孔が充填されて消失してしまう場合もある。また、気孔の形状も一定ではないため、SiC連続相と気孔部との界面に形成される酸化物セラミックス層の厚みも一定とはならない。本発明においては、セラミックス焼結体の表面から断面厚さ方向200μm深部での酸化物セラミックス層の厚みが、セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において1〜30μmであることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。ここでの「酸化物セラミックス層の厚み」とは、上記酸化物セラミックス層の割合の測定と同様に、二次電子像(SEI)と各元素マッピング像とを比較して、SiC連続相、酸化物セラミックス層、および気孔部の箇所を特定するとともに、各画像の任意の位置で100μm×100μmの正方形のグリッドで区切り、グリッド内において酸化物セラミックス層が存在している箇所を任意に5点抽出し、各酸化物セラミックス層の厚みを測定し、それらのなかで最も小さい値(断面視最低厚)をいうものとする。
本発明によるセラミックス焼結体基板は、上記したように、セラミックス焼結体中に存在する気孔部とSiC連続相との界面が酸化物セラミックス層により被覆されているものであるが、SiCセラミックス焼結体が電子部品に直接触れることを避けるために、セラミックス焼結体基板の少なくとも一方の面が多孔質コーティング層により被覆されていてもよい。多孔質コーティング層としては、ムライト、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。多孔質コーティング層は後述するような溶射法やスプレーコーティング法によって形成することができる。また、コーティング層は、単層のみならず複層としてもよく、例えば、ムライトの多孔質層、アルミナの多孔質層、ジルコニアの多孔質層を順に形成したような三層のコーティング層としてもよい。
セラミックス焼結体基板にコーティング層を設けた場合のその厚みは、特に制限されるものではないが、多孔質コーティング層が過度に厚い場合には剥離が起こりやすくなる。一方、コーティング層が過度に薄い場合には、セラミックス焼結体が電子部品と反応しやすくなる。これらの観点から、多孔質コーティング層の厚みは、50〜500μmであることが好ましく、100〜300μmであることがより好ましい。多孔質コーティング層は、溶射条件をコントロールすることで所望の厚みとすることができる。なお、多孔質コーティング層の厚みは、厚さ方向に沿って切断した断面視において評価することができ、具体的には二次電子像(SEI)により厚みを測定することができる。
<セラミックス焼結体基板の製造方法>
基板を構成する多孔質セラミックス焼結体は、例えばSiC粉末等の炭化珪素原料に適当な有機バインダーを、焼結後の残炭率が0〜5質量%となるように添加して混合し、この混合物に水を加えて混練し、適当な形状(例えば、棚板形状)に成形して得られた成形体を1500℃〜2400℃の温度で2〜20時間焼成することにより得ることができる。焼成時の雰囲気は、アルゴンやヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
炭化珪素原料としては、特に限定されるものでなく、通常この種の炭化珪素系セラミックスの製造において用いられるそれ自体公知の炭化珪素粉末等からなる原料を用いてよい。このような炭化珪素原料粉末として、例えば、純度90%程度以上、平均粒径0.1〜200μm程度の市販品SiC粉末を例示することができるが、純度95%以上のものを使用することが好ましい。特に、電子部品の焼成治具として使用する場合は、電子部品との反応防止の観点から、高純度の炭化珪素原料粉末を使用することが必要であり、この場合は純度99質量%以上の炭化珪素原料粉末を使用することが好ましい。また、微粒粉末と粗粒粉末を適当な割合で混合した混合粉末を用いても良い。なお、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法による累積平均粒子径(D50)を意味するものとする。
有機バインダーとしては、焼結時に熱分解されるものであれば特に制限されるものではなく、一般に有機バインダーとして用いられる、例えばフェノール・フォルムアルデヒド樹脂、フェノール・フルフラール樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリプェニレン等の芳香族系樹脂バインダー、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル系樹脂等の脂肪族系樹脂バインダー、及びシリコーン樹脂、タールピッチ等の各種有機バインダーを使用することができる。例えば、有機バインダーとしてフェノールレジンを使用した場合、その添加量は、焼結後の残炭率が0〜5質量%となるようにする。有機バインダーの配合量が多いと、酸化量が多くなり酸化処理に時間を要する。
また、焼結を十分なものとするために、セラミックス材料を焼結させる際に通常用いられる焼結助剤を適宜添加してもよい。
セラミックス焼結体とする際の成形方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の成形方法である、プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形等などを採用することができる。
次に、上記ようにして得られたセラミックス焼結体において、SiC連続相と気孔部との界面を酸化物セラミックス層により被覆方法について説明する。酸化物セラミックス層を形成する方法の一例としては、セラミックス焼結体を酸素雰囲気中でのアニール処理が挙げられる。上記のとおり、セラミックス焼結体はSiC粒子が焼結して連続的に結合したSiC連続相から構成されているため、セラミックス焼結体を酸素雰囲気中でアニールすることにより、気孔部の界面と接するSiC連続相の一部が酸化されて二酸化珪素が生成し、この二酸化珪素が酸化物セラミックス層として機能する。セラミックス焼結体は、上記したように多孔質であり、SiC粒子の非結合領域を構成する気孔が三次元的に連通した気孔部を有している。アニール処理を行うと、気孔中に存在していた雰囲気ガス(例えば空気)が膨張するため、セラミックス焼結体中に存在する雰囲気ガスの対流が生じ、セラミックス焼結体の表層のみならず、内部のSiC連続相の表面も酸化されて二酸化珪素からなる酸化物セラミックス層が形成される。
アニール処理の温度は、例えば大気雰囲気下で行う場合、1350〜1800℃の範囲が好ましく、より好ましくは1500〜1600℃である。処理温度が低すぎると二酸化珪素の生成が遅くなり、処理時間が長くなる。一方、処理温度が高すぎると、SiCの酸化が進み過ぎて、酸化物セラミックス層が発泡する場合がある。そのような気泡を有する酸化物セラミックス層は、電子部品の焼結時に当該気泡が破裂する場合があり、SiC連続相が気孔部界面に露出してしまう恐れがある。
また、アニール処理の時間は、例えば大気雰囲気下で行う場合は、3〜50時間であることが好ましく、より好ましくは5〜10時間である。
上記したアニール処理の条件(温度、時間)は、空気雰囲気下(酸素濃度21体積%)でアニール処理を行う場合の例示であり、酸素濃度を21体積%よりも高くした雰囲気下でアニール処理を行う場合は、アニール温度をより低く、かつアニール時間をより短縮できることは言うまでもない。一方、雰囲気ガス中の酸素濃度が低すぎる場合はアニール処理によっても酸化物セラミック層が形成されにくくなる。そのため、雰囲気中の酸素濃度は1体積%以上であることが好ましく、より好ましくは3体積%以上である。
酸化物セラミックス層を形成する別の方法としては、無機酸化物やその前駆体と溶媒とを含む溶液をセラミックス焼結体表面に塗布するか、または当該溶液中にセラミックス焼結体を浸漬し、気孔部に溶液を充填した後、セラミックス焼結体を乾燥、加熱する方法(ウェットプロセス)が挙げられる。気孔部に溶液を充填する際に減圧することで気孔部への溶液の充填量を上げることができる。好ましくは、真空下(100Pa以下)で浸漬するのが好ましい。ウェットプロセスで酸化物セラミックス層を形成する方法として、ゾル・ゲル法がある。ゾル・ゲル法は、金属アルコキシドを加水分解するなどして得られたゾルの分散液にセラミックス焼結体を浸漬し、気孔部に分散液を充填した後に、脱水縮合して無機酸化物を形成する方法である。ゾル溶液には、金属キレート化合物を添加してもよい。
酸化物セラミックス層をゾル・ゲル法により形成するために用いられる原料としては、アルミニウムや珪素のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシドやアセテート化合物等が挙げられる。硝酸塩、しゅう酸塩、過塩素酸塩等の無機塩でも良い。上記した原料をアルコール、水、有機溶媒中に溶解ないし分散させ、適宜、酸触媒や塩基触媒を添加したゾル分散液を調製する。
例えば、酸化アルミニウムからなる酸化物セラミックス層の形成に使用されるゾル原料としては、アルミニウム(III)n−ブトキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイド、アルミニウム(III)t−ブトキサイド、アルミニウム(III)エトキサイド、アルミニウム(III)イソプロポキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプポキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキサイド、アルミニウムヘキサフルオロペンタジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキサイド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム(III)フェノキサイド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート等を主原料とした、酸化物粒子のコロイド分散液が挙げられる。上記酸化物粒子のコロイド分散液は、酸化物粒子の平均粒径(D50)として1〜500nm、より好ましくは5〜100nmであり、固形分濃度は10〜50wt%のものが好ましい。
また、二酸化珪素からなる酸化物セラミックス層の形成に使用されるゾル原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等を主原料とした、酸化物粒子のコロイド分散液が挙げられる。上記酸化物粒子のコロイド分散液は、酸化物粒子の平均粒径(D50)として5〜100nmであり、固形分濃度は10〜50wt%のものが好ましい。
また、ムライトまたは珪酸塩ガラスからなる酸化物セラミックス層の形成に使用されるゾル原料としては、上記した酸化アルミニウムおよび二酸化珪素の酸化物セラミックス層形成用ゾル原料を適宜混合したものを用いることができる。
ゾル分散液をセラミックス焼結体の気孔部に充填した後、乾燥し、加熱することにより溶媒の蒸発と共に加水分解、重縮合反応が促進される。加熱は1200〜1400℃の温度で行うのが好ましい。このような温度で加熱することにより、3次元架橋したゲル(酸化物)が焼結して酸化物セラミックス層を形成することができる。
上記のようにして、セラミックス焼結体のSiC連続相の気孔部との界面に酸化物セラミックス層を形成し、セラミックス焼結体基板とすることができる。また、セラミックス焼結体基板の少なくとも一方の面にコーティング層を設ける場合には、ムライト、アルミナ、ジルコニア等の原料粉末をセラミックス焼結体基板表面に溶射するか、またはスプレーコートすることにより、コーティング層を形成することができる。このなかでも溶射によってコーティング層を形成すると、コート後に焼成を行わなくて済むという利点もある。溶射方法としては、プラズマ溶射、アーク溶射などが知られており、本発明においては、これらいずれの溶射方法を採用してもよい。
上記のようにして形成されたコーティング層は多孔質であることが好ましい。コーティング層の気孔の数ないし大きさを制御するには、プラズマ溶射を行う場合には、プラズマの温度を適切に設定すればよい。プラズマ溶射を行うときのプラズマの温度を制御するためには、作動ガスの種類やプラズマの電流値を適切に選択することが有利である。プラズマ溶射に用いられる作動ガスとしては一般にアルゴンが用いられるところ、アルゴンに加えて、窒素、二酸化炭素、酸素及び水素から選ばれる少なくとも1種のガスを用いて溶射を行うことが好ましい。プラズマ溶射を行うときの電流値を高めに設定すると、原料粒子の溶融が進行し、気孔が小さく、かつ気孔率の小さいコーティング層が形成されやすい。一方電流値を低めに設定すると、原料粒子の溶融が進行しづらいので、気孔が大きく、かつ気孔率の大きいコーティング層が形成されやすい。
<電子部品焼結治具>
本発明の電子部品焼結治具は、上記したセラミックス焼結体基板を備えたものである。セラミックス焼結体基板は、本発明の電子部品焼結治具の外形をなすものであり、その形状としては、例えば棚板と呼ばれる板状のものや、さやないし匣鉢と呼ばれる三次元の容器形のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電子部品焼結治具は、被焼成物である各種の電子部品、例えば誘電体、積層コンデンサ、セラミックコンデンサ、圧電素子、サーミスタ、インダクタ等の製造工程において焼結を行うときに好適に用いられる。特に、BaTiO等のペロブスカイト型セラミックコンデンサやセラミック電極などの電子部品を焼成する際の治具として使用すれば、焼成時の酸素雰囲気濃度を厳密に調整することが可能である。また、本発明による電子部品焼結治具はSiC粒子が焼結して連続的に結合したSiC連続相からなるため、耐熱衝撃性や低熱容量にも優れている。
また、本発明の電子部品焼成冶具を電子部品焼成工程に用いると、電子部品焼成炉の空焼き等のメンテナンス工程を削減できることから、経済的な利点も生まれる。さらには、本発明の電子部品焼成冶具を電子部品焼成工程に用いて形成された電子部品は、上述のとおり酸素濃度が高度に制御された雰囲気環境下で焼成されたセラミックス組成となるため、電気特性、耐熱特性等が極めて精密に制御された電子部品を得ることができる。
次に本発明の実施形態について以下の実施例を参照して具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
平均粒径(D50)が150μmのSiC粒子を70質量部と、平均粒径(D50)が10μmのSiC粒子を30質量部と、有機バインダーとしてデキストリンおよびポリビニルアルコールの混合物を1質量部とを混合したものを用いて、プレス成形により板状に成形し、100℃にて乾燥させた。続いて、板状に成形した成形物を、アルゴン雰囲気下、2100℃で10時間の焼成を行うことにより、セラミックス焼結体を得た。セラミックス焼結体の厚さは4mmであった。また、JIS R1634:2008に準拠したアルキメデス法により測定したセラミックス焼結体の気孔率は20%であった。
上記のようにして得られたセラミックス焼結体を空気雰囲気下、1600℃で20時間のアニール処理を行うことにより、セラミックス焼結体基板1を得た。
[実施例2]
30%濃度のシリカゾル分散液(コロイド粒子の平均粒径D50が20nm)を準備し、実施例1と同様にして作製したセラミックス焼結体を真空(100Pa以下)ディップし、乾燥させた後、空気雰囲気下、1300℃の温度で5時間焼成を行うことによりセラミックス焼結体基板2を得た。
[実施例3]
実施例2において、焼成温度を1400℃に変更した以外は実施例2と同様にしてセラミックス焼結体基板3を得た。
[実施例4]
実施例2において、焼成温度を1600℃に変更した以外は実施例2と同様にしてセラミックス焼結体基板4を得た。
[比較例1]
実施例1において、アニール処理を行う前のセラミックス焼結体を、セラミックス焼結体基板5とした。
[比較例2]
平均粒径(D50)が1500μmのSiC粒子を95質量部と、平均粒径(D50)が15μmのシリカ粒子を5質量部とを混合し、板状に成形した成形物を、大気雰囲気下、1450℃で10時間の焼成を行うことにより、SiC基板を得た。また、JIS R1634:2008に準拠したアルキメデス法により測定したセラミックス焼結体の気孔率は6%であった。
上記のようにして得られたSiC基板を空気雰囲気下、1600℃で20時間のアニール処理を行った。
<SiC連続相の有無の確認>
上記のようにして得られた各基板を切断し、切断面を研磨して観察面とし、走査型電子顕微鏡を用いて観察面を撮影した二次電子像(SEI)から、SiC連続相が形成されているかの確認を行った。なお、観察面は、基板表面から200μm深部の箇所とした。二次電子像を任意の位置で100μm×100μmの正方形のグリッドで区切り、グリッド内のSiC相を観察した。その結果、実施例1〜4および比較例1の基板では、グリッドで区切られた正方形の任意の一辺からその対辺にわたり連続的に形成されたSiC相(SiC連続相)の存在が確認できた。一方、比較例2の基板では、グリッドで区切られた正方形のどの一辺をもっても、その対辺まではSiC相が連続して形成されておらず、途中に、SiC粒子どうしがSiO酸化物層によって隔てられた部位(SiC断続相)が形成されており、SiC連続相は十分に形成されていなかった。
<酸化物コーティング層の有無の確認>
また、X線マイクロアナライザーを用いて、SiおよびOの元素マッピングを行い、SEI像と照合することにより、酸化物コーティング層の存在を確認した。実施例1〜4の基板および比較例2の基板では、SiOからなる酸化物セラミックス層の存在を確認できたが、比較例1の基板では酸化物セラミックス層の存在は確認できなかった。図1に、実施例1の基板断面の二次電子像(SEI)(図1a)、Si元素マッピング像(図1b)およびO元素マッピング像(図1c)を示す。また、比較例1の基板断面の二次電子像(SEI)(図2a)、Si元素マッピング像(図2b)およびO元素マッピング像(図2c)を示す。
また、基板表面側から基板裏面まで100μm毎に電子顕微鏡観察を行うとともに、上記と同様にしてX線マイクロアナライザーを用いて、SiおよびOの元素マッピングを行い、二次電子像(SEI)を元素マッピング像とを照合した。その結果、実施例1〜4の基板では、基板表面側から少なくとも200μm深部において、SiC連続相と気孔部との界面全体がSiOからなる酸化物セラミックス層で被覆されていることが確認できた。一方、比較例1の基板では、基板表面側から200μm深部において、SiC連続相と気孔部との界面がSiOからなる酸化物セラミックス層で全く被覆されていなかった。
また、実施例2〜4の基板は、基板表面側から基板裏面までの各深部の全てにおいて、SiC連続相と気孔部との界面全体がSiOからなる酸化物セラミックス層で被覆されていることが確認できた。
さらに、実施例1〜4の基板では、基板中央部(基板表面側から2000μm深部)においても、SiC連続相と気孔部との界面全体がSiOからなる酸化物セラミックス層で被覆されていることが確認できた。
<気孔部および酸化物セラミックス層の面積割合>
基板表面側から基板裏面まで100μm毎に電子顕微鏡観察した二次電子像(SEI)およびそれに対応する元素マッピング像も基づいて、データ解析ソフトを用いて各深さでの気孔部の面積割合を算出し、それらの平均値を求めた。また、同様にして各深さでの酸化物セラミックス層の面積割合を算出し、それらの平均値を求めた。
<酸化物セラミックス層の厚さ(断面視最低厚)測定>
基板表面側から200μm深部の二次電子像(SEI)、それに対応するSi元素およびO元素マッピング像において、画像中の気孔が存在する箇所で任意の5点を抽出して酸化物コーティング層の厚みをそれぞれ測定し、それらのなかで最も小さい値(断面視最低厚)を酸化物セラミックス層の厚さとした。
<基板の曲げ強度測定>
上記のようにして得られた各基板について、JIS R1601:2008に準拠した3点曲げ試験を行い、室温での曲げ強度を測定した。測定結果は表1に示されるとおりであった。
<酸素増加量の測定>
上記のようにして得られた各基板の質量を測定し、その後、各基板を大気雰囲気(酸素濃度:21体積%)中に、1350℃で100時間暴露した後に基板の質量を測定した。もとの質量をW0(g)、1350℃で100時間放置した後の質量をW(g)として、下記式により算出される値を酸素増加率(%)とした。
酸素増加率(%)=(W−W)/W×100
測定結果は表1に示されるとおりであった。

Claims (9)

  1. SiC粒子が焼結して連続的に結合したSiC連続相と、
    前記SiC粒子の非結合領域を構成する気孔が三次元的に連通した気孔部と、
    を有するセラミックス焼結体からなる基板であって、
    前記SiC連続相の前記気孔部との界面の少なくとも一部が、酸化物セラミックス層により被覆されていることを特徴とする、基板。
  2. 前記セラミックス焼結体の表面から断面厚さ方向において少なくとも100μmまでは、前記SiC連続相の前記気孔部との界面全体が前記酸化物セラミックス層により被覆されている、請求項1に記載の基板。
  3. 前記SiC連続相の前記気孔部との界面全体が前記酸化物セラミックス層により被覆されている、請求項1または2に記載の基板。
  4. 前記酸化物セラミックス層が、酸化アルミニウム、二酸化珪素、ムライト、および、珪酸塩ガラスからなる群より選択される少なくとも1種の材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板。
  5. 前記セラミックス焼結体全体に占める前記気孔部の割合が、前記セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、1〜40面積%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板。
  6. 前記セラミックス焼結体全体に占める前記酸化物セラミックス層の割合が、前記セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、5〜40面積%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板。
  7. 前記セラミックス焼結体の表面から断面厚さ方向200μm深部での前記酸化物セラミックス層の厚みが、前記セラミックス焼結体の厚さ方向に沿って切断した断面視において、1〜30μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板。
  8. 前記セラミックス焼結体の表面が、さらに、ムライト、アルミナ、およびジルコニアかなる群より選択される少なくとも1種の材料により被覆されていている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板を備えた電子部品焼結治具。
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