JP2019012875A - 無線機器の設置位置決定装置、無線機器の設置位置決定方法及び無線機器の設置位置決定プログラム - Google Patents

無線機器の設置位置決定装置、無線機器の設置位置決定方法及び無線機器の設置位置決定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】受信強度の算出精度を向上する。【解決手段】処理部12は、送信機及び送信機が送信する電波を受信する受信機に関するデバイス情報と、送信機及び受信機による送受信が行われる環境に関する環境情報と、を記憶部11から取得し、デバイス情報と環境情報とに基づいて、レイトレース法を用いた第1のシミュレーションにより、受信機が設置される複数の設置候補位置のそれぞれの中心にある設置候補点14〜16と、設置候補点14〜16のそれぞれに対して、第1の距離以内に設定される近傍点14a〜14d,15a〜15d,16a〜16dと、における第1の受信強度を計算し、第1の受信強度の計算結果に基づいて、各設置候補位置の第2の受信強度を計算し、第2の受信強度に基づいて、受信機の設置位置を決定し設置位置を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、無線機器の設置位置決定装置、無線機器の設置位置決定方法及び無線機器の設置位置決定プログラムに関する。
無線機器である送信機や受信機の、施設内などにおける設置位置を決定する際に、幾何光学的理論に基づいて電波経路を算出する手法であるレイトレース法を用いる技術がある。従来、無線機器の設置位置決定の際に、レイトレース法を用いて算出された電波経路内に構造物が存在する確率を用いて、電波強度を算出し、電波経路の利用可能性を評価する技術があった(たとえば、特許文献1参照)。
特開2009−290333号公報
レイトレース法を用いたシミュレーションにより受信機の設置位置を決定する場合、複数の点における受信強度を算出することになる。しかし、マルチパスなどの影響で発生する空間フェージングにより、その点の近傍に受信強度の弱い位置が存在する可能性がある。このため、ある設置候補位置の受信強度として算出されるある点の受信強度は、空間フェージングの影響を受ける実測値に対して誤差が大きい場合がある。
1つの側面では、本発明は、受信機の設置候補位置の受信強度の算出精度を向上することを目的とする。
1つの実施態様では、送信機及び前記送信機が送信する電波を受信する受信機に関するデバイス情報と、前記送信機及び前記受信機による送受信が行われる環境に関する環境情報と、を記憶する記憶部と、前記デバイス情報と前記環境情報とを前記記憶部から取得し、前記デバイス情報と前記環境情報とに基づいて、レイトレース法を用いた第1のシミュレーションにより、前記受信機が設置される複数の設置候補位置のそれぞれの中心にある複数の設置候補点と、前記複数の設置候補点のそれぞれに対して、第1の距離以内に設定される複数の近傍点と、における第1の受信強度を計算し、前記第1の受信強度の計算結果に基づいて、前記複数の設置候補位置のそれぞれの第2の受信強度を計算し、前記第2の受信強度に基づいて、前記受信機の設置位置を決定し前記設置位置を出力する、処理部と、を有する無線機器の設置位置決定装置が提供される。
また、1つの実施態様では、コンピュータが実行する無線機器の設置位置決定方法が提供される。また、1つの実施態様では、無線機器の設置位置決定プログラムが提供される。
1つの側面では、本発明は、受信機の設置候補位置の受信強度の算出精度を向上できる。
第1の実施の形態の無線機器の設置位置決定装置の一例を示す図である。 設置位置決定装置のハードウェア例を示すブロック図である。 設置位置決定装置の機能例を示すブロック図である。 レイアウト情報と移動体情報の一例を示す図である。 デバイス情報の一例を示す図である。 設置位置決定方法の一例の流れを示すフローチャートである。 レイアウト情報作成処理の一例の流れを示すフローチャートである。 レイアウト作成結果の一例を示す図である。 デバイス情報作成処理の一例の流れを示すフローチャートである。 近傍点の設定の一例を示す図である。 移動体情報作成処理の一例の流れを示すフローチャートである。 移動体モデルの移動範囲の一例を示す図である。 静止シミュレーションが行われる環境をディスプレイに表示した例を示す図である。 静止シミュレーション結果の一例を示す図である。 ある設置候補点とその全ての近傍点について移動体を考慮したシミュレーションを行った結果の一例を示す図である。 移動体シミュレーションが行われる環境をディスプレイに表示した例を示す図である。 受信強度の推定例を示す図である。 平均値の算出例を示す図である。 2つの送信機のそれぞれについて算出された、3つの設置候補位置の受信強度の一例を示す図である。 受信機の設置位置の表示例を示す図である。 効果を評価するために用いた各種の設定例を示す図である。 1つの設置候補点を中心とした設置候補位置における実測結果とシミュレーション結果の例を示す図である。 各設置候補点におけるシミュレーション結果と実測結果との誤差の例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の無線機器の設置位置決定装置の一例を示す図である。
設置位置決定装置10は、たとえば、IoT(Internet of Things)システムに含まれる無線ノードである無線機器(特に受信機)の設置位置を決定するコンピュータである。
設置位置決定装置10は、記憶部11及び処理部12を有する。
記憶部11は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置、または、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶装置である。
記憶部11は、デバイス情報11a、環境情報11bを記憶する。
デバイス情報11aは、送信機及び送信機が送信する電波を受信する受信機に関する情報である。デバイス情報11aには、たとえば、送信機が設置される座標、受信機が設置される候補の位置を示す複数の設置候補点の座標、送信機及び受信機のアンテナの種類、チルト角、指向方向、送信周波数、送信電力などが含まれる。
環境情報11bは、送信機及び受信機による送受信が行われる環境に関する情報である。環境情報11bには、たとえば、送信機及び受信機による送受信が行われる環境にある物体(壁など)や移動体の座標、材質、電気的特性などが含まれる。
なお、設置位置決定装置10が、ユーザによる入力を受け付けて、その入力に基づいて、デバイス情報11aや環境情報11bを作成してもよいし、設置位置決定装置10は、他の装置からデバイス情報11aや環境情報11bを取得してもよい。
処理部12は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理装置としてのプロセッサである。ただし、処理部12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの特定用途の電子回路を含んでもよい。プロセッサは、RAMなどのメモリに記憶されたプログラムを実行する。なお、複数のプロセッサの集合を「マルチプロセッサ」または単に「プロセッサ」ということがある。
処理部12は、デバイス情報11aと環境情報11bとを記憶部11から取得する(読み出す)。そして、処理部12は、デバイス情報11aと環境情報11bとに基づいて、レイトレース法を用いたシミュレーションにより、複数の設置候補点と複数の設置候補点のそれぞれに対して第1の距離以内に設定される複数の近傍点と、における受信強度を計算する。複数の設置候補点は、受信機が設置される複数の設置候補位置のそれぞれの中心にある点である。
その後、処理部12は、受信強度の計算結果に基づいて、複数の設置候補位置のそれぞれの受信強度を計算し、計算した受信強度に基づいて、受信機の設置位置を決定し、設置位置を出力する。近傍点の設定方法については後述する。
図1には、受信機の設置位置の決定方法の一例が示されている。
図1には、送信機が設置される位置である送信点13と、受信機の3つの設置候補位置の中心に設定される3つの設置候補点14,15,16が示されている。設置候補点14〜16のそれぞれには、4つの近傍点が設定されている。すなわち、設置候補点14に対しては、近傍点14a,14b,14c,14dが設定され、設置候補点15に対しては、近傍点15a,15b,15c,15dが設定され、設置候補点16に対しては、近傍点16a,16b,16c,16dが設定されている。
処理部12は、デバイス情報11aと環境情報11bとに基づいて、レイトレース法を用いたシミュレーションにより、設置候補点14〜16と、近傍点14a〜14d,15a〜15d,16a〜16dと、における受信強度を計算する(ステップS1)。レイトレース法を用いたシミュレーションでは、送信機及び受信機による送受信が行われる環境に含まれ、電波を反射、吸収または回折させる物体17や移動体18を考慮して受信強度(たとえば、受信電力)が算出される。処理部12は、受信強度の計算結果を、記憶部11に記憶してもよい。
次に、処理部12は、受信強度の計算結果に基づいて、複数の設置候補位置のそれぞれの受信強度を計算する(ステップS2)。たとえば、処理部12は、設置候補点14とその近傍点14a〜14dの受信強度の平均値を、設置候補点14を中心とした設置候補位置の受信強度として計算する。また、処理部12は、設置候補点15とその近傍点15a〜15dの受信強度の平均値を、設置候補点15を中心とした設置候補位置の受信強度として計算する。同様に、処理部12は、設置候補点16とその近傍点16a〜16dの受信強度の平均値を、設置候補点16を中心とした設置候補位置の受信強度として計算する。
その後、処理部12は、決定した各設置候補位置の受信強度に基づいて、受信機の設置位置を決定し、設置位置を出力する(ステップS3)。たとえば、処理部12は、受信強度が最も高い設置候補位置を、受信機の設置位置として決定する。処理部12が出力する設置位置は、たとえば、記憶部11に記憶される。また、処理部12は、決定した設置位置を図示しない表示装置に表示させてもよい。
このように、設置位置決定装置10は、受信機の設置位置決定のためにレイトレース法を用いたシミュレーションで各設置候補位置の受信強度を求める際、設置候補点ごとに設けた近傍点においても受信強度を計算する。そして、設置位置決定装置10は、その計算結果に基づいて各設置候補位置の受信強度を算出する。これにより、レイトレース法を用いたシミュレーションを用いた場合でも、マルチパスなどの影響で発生する空間フェージングの影響が反映され、設置候補位置の受信強度の計算精度が向上する。このため、より安定した無線通信を行える設置位置を決定できる。
なお、上記の例は1つの送信機が用いられる場合について説明したが、これに限定されない。送信機が複数用いられる場合には、各送信機が送信する電波の受信強度が算出される。そして、各設置候補点のうち、たとえば、全送信機が送信する電波の受信強度についての上記平均値が、基準値(たとえば、受信機の受信感度)よりも高くなる設置候補位置を、受信機の設置位置とするようにしてもよい。
ところで、上記第1の実施の形態の設置位置決定装置10では、複数の近傍点についても受信強度の計算が行われるため、特に、移動体の配置パターン(配置位置)が多い場合には計算量が増え、計算時間が長くなる可能性がある。以下、その計算量及び計算時間を削減可能な第2の実施の形態の設置位置決定装置について説明する。
(第2の実施の形態)
図2は、設置位置決定装置のハードウェア例を示すブロック図である。
設置位置決定装置20は、CPU21、RAM22、HDD23、画像信号処理部24、入力信号処理部25、媒体リーダ26及び通信インタフェース27を有する。上記ユニットは、バスに接続されている。
CPU21は、プログラムの命令を実行する演算回路を含むプロセッサである。CPU21は、HDD23に記憶されたプログラムやデータの少なくとも一部をRAM22にロードし、プログラムを実行する。なお、CPU21は複数のプロセッサコアを備えてもよく、設置位置決定装置20は複数のプロセッサを備えてもよく、以下で説明する処理を複数のプロセッサまたはプロセッサコアを用いて並列に実行してもよい。また、複数のプロセッサの集合(マルチプロセッサ)を「プロセッサ」と呼んでもよい。
RAM22は、CPU21が実行するプログラムやCPU21が演算に用いるデータを一時的に記憶する揮発性の半導体メモリである。なお、設置位置決定装置20は、RAM以外の種類のメモリを備えてもよく、複数個のメモリを備えてもよい。
HDD23は、OS(Operating System)やミドルウェアやアプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアのプログラム、及び、データを記憶する不揮発性の記憶装置である。プログラムには、たとえば、設置位置決定処理を設置位置決定装置20に実行させるプログラムが含まれる。なお、設置位置決定装置20は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの他の種類の記憶装置を備えてもよく、複数の不揮発性の記憶装置を備えてもよい。
画像信号処理部24は、CPU21からの命令にしたがって、設置位置決定装置20に接続されたディスプレイ24aに画像を出力する。ディスプレイ24aとしては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、有機EL(OEL:Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。
入力信号処理部25は、設置位置決定装置20に接続された入力デバイス25aから入力信号を取得し、CPU21に出力する。入力デバイス25aとしては、マウスやタッチパネルやタッチパッドやトラックボールなどのポインティングデバイス、キーボード、リモートコントローラ、ボタンスイッチなどを用いることができる。また、設置位置決定装置20に、複数の種類の入力デバイスが接続されていてもよい。
媒体リーダ26は、記録媒体26aに記録されたプログラムやデータを読み取る読み取り装置である。記録媒体26aとして、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)、半導体メモリなどを使用できる。磁気ディスクには、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDが含まれる。光ディスクには、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)が含まれる。
媒体リーダ26は、たとえば、記録媒体26aから読み取ったプログラムやデータを、RAM22やHDD23などの他の記録媒体にコピーする。読み取られたプログラムは、たとえば、CPU21によって実行される。なお、記録媒体26aは、可搬型記録媒体であってもよく、プログラムやデータの配布に用いられることがある。また、記録媒体26aやHDD23を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ということがある。
通信インタフェース27は、ネットワーク27aに接続され、ネットワーク27aを介して他の情報処理装置と通信を行うインタフェースである。通信インタフェース27は、スイッチなどの通信装置とケーブルで接続される有線通信インタフェースでもよいし、基地局と無線リンクで接続される無線通信インタフェースでもよい。
次に、設置位置決定装置20の機能及び処理手順を説明する。
図3は、設置位置決定装置の機能例を示すブロック図である。
設置位置決定装置20は、測量結果記憶部31、レイアウト情報作成部32、移動体情報作成部33、環境情報記憶部34、デバイス情報作成部35、デバイス情報記憶部36、静止シミュレーション部37を有する。さらに設置位置決定装置20は、最大最小点抽出部38、移動体シミュレーション部39、受信強度推定部40、設置位置決定/出力部41、計算結果記憶部42を有する。
測量結果記憶部31、環境情報記憶部34、デバイス情報記憶部36、計算結果記憶部42は、たとえば、RAM22またはHDD23に確保した記憶領域を用いて実装できる。その他の機能ブロックは、たとえば、CPU21が実行するプログラムモジュールを用いて実装できる。
測量結果記憶部31は、送信機と受信機を用いた無線通信を行う環境に対する測量結果を記憶する。測量は、たとえば、3Dスキャナによって行われる。その場合、測量結果は、3次元データである。
レイアウト情報作成部32は、測量結果記憶部31から測量結果を取得する。そして、レイアウト情報作成部32は、たとえば、ユーザによる入力を受け付けて、その入力に基づいて、測量結果に含まれるオブジェクトに対して、面の作成、厚さの設定、材質の指定などを行うことで、レイアウト情報を作成する。また、レイアウト情報作成部32は、フロアマップなどの2次元画像を取得し、ユーザによる入力に基づいて、面の作成、厚さの設定、材質の指定などを行うことで、レイアウト情報を作成することも可能である。
移動体情報作成部33は、たとえば、ユーザによる入力を受け付けて、その入力に基づいて、移動体に関する移動体情報を作成する。移動体情報には、たとえば、移動体をモデル化した3次元形状を表す座標、材質、移動体の配置パターン数(配置位置の数)、各配置パターンの座標などが含まれる。
環境情報記憶部34は、レイアウト情報と移動体情報とを含む環境情報を記憶する。
デバイス情報作成部35は、たとえば、ユーザによる入力を受け付けて、その入力に基づいて、送信機及び送信機が送信する電波を受信する受信機に関するデバイス情報を作成する。デバイス情報には、たとえば、送信機が設置される座標、受信機が設置される設置候補位置の中心に設定される設置候補点の座標、送信機及び受信機のアンテナの種類、チルト角、指向方向、送信周波数、送信電力などが含まれる。以下の説明では、デバイス情報には、さらに、各設置候補点の近傍に設定される近傍点のID(Identification)とその座標、近傍点数や、近傍点を設定するための各種パラメータ(後述する)も含まれるものとする。
デバイス情報記憶部36は、デバイス情報を記憶する。
静止シミュレーション部37は、環境情報とデバイス情報とに基づいて、移動体を含まない条件で行われる、レイトレース法を用いたシミュレーション(以下、静止シミュレーションという)により、全設置候補点と、全近傍点とにおける受信強度を計算する。
最大最小点抽出部38は、静止シミュレーションの結果に基づいて、設置候補点ごとに、その設置候補点とその設置候補点に対する複数の近傍点のうち受信強度が最大の点(以下最大強度点という)と受信強度が最小の点(以下最小強度点という)とを抽出する。
移動体シミュレーション部39は、各設置候補点とその近傍点のうち、上記最大強度点と最小強度点についてだけ、移動体を含む条件で行われる、レイトレース法を用いたシミュレーション(以下、移動体シミュレーションという)により受信強度を計算する。
受信強度推定部40は、移動体シミュレーションを行わなかった設置候補点または近傍点について、最大強度点と最小強度点の受信強度の計算結果に基づいて、受信強度を計算(推定)する。
設置位置決定/出力部41は、移動体シミュレーション部39及び受信強度推定部40が計算した受信強度に基づいて、各設置候補位置の受信強度を算出し、その受信強度に基づいて受信機の設置位置を決定し、その結果を出力する。設置位置決定/出力部41は、決定した設置位置を計算結果記憶部42に出力してもよいし、図2に示したディスプレイ24aに表示させてもよい。
計算結果記憶部42は、設置位置決定/出力部41が出力した受信機の設置位置を記憶する。
なお、上記の各機能ブロックは、1つの設置位置決定装置20(コンピュータ)で実行してもよいし、複数のコンピュータで実行してもよい。たとえば、レイアウト情報作成部32、移動体情報作成部33、デバイス情報作成部35の処理は別のコンピュータで実行されてもよい。その場合、設置位置決定装置20は、別のコンピュータで作成されたレイアウト情報、移動体情報、デバイス情報を取得して、環境情報記憶部34やデバイス情報記憶部36に記憶する。
図4は、レイアウト情報と移動体情報の一例を示す図である。
図4には、レイアウト情報を含むレイアウト情報テーブル34aと、移動体情報を含む移動体情報テーブル34bと、材質に関する情報を含む材質情報テーブル34cが示されている。
レイアウト情報テーブル34aは、オブジェクトのIDと、作成された面の4つの座標と、その材質のIDを含む。材質のIDは、材質情報テーブル34cから選択される。
移動体情報テーブル34bは、移動体のIDと、移動体モデルのファイル名と、移動体の配置パターン数と、各配置パターンの座標(配置座標)を含む。移動体モデルのファイル名は、移動体をモデル化した3次元形状を表す座標や材質など、レイアウト情報テーブル34aや材質情報テーブル34cと同様の情報を含むファイルの名前である。図示を省略しているが、そのファイルも、たとえば、環境情報記憶部34に記憶されている。
材質情報テーブル34cは、材質のIDと、その材質の厚さ、電気特性(比誘電率や導電率などの特性データ)を含む。
図5は、デバイス情報の一例を示す図である。
図5には、送信機に関する情報を含む送信機情報テーブル36aと、受信機に関する情報を含む受信機情報テーブル36bと、アンテナ情報テーブル36cが示されている。さらに、図5の例では、近傍点に関する情報を含む近傍点情報テーブル36dと、近傍点の設定に関する情報を含む近傍点設定情報テーブル36eが示されている。
送信機情報テーブル36aは、送信機のデバイスIDと、送信機が設置される座標、送信機で用いられるアンテナのID、送信周波数、送信電力、チルト角、指向方向を含む。アンテナのIDは、アンテナ情報テーブル36cから選択される。
受信機情報テーブル36bは、受信機のデバイスIDと、設置候補点のID、設置候補点の座標、受信機で用いられるアンテナのID、チルト角、指向方向を含む。さらに受信機情報テーブル36bは、設置候補点の近傍に設定される近傍点の情報のID、近傍点数を含む。さらに、受信機情報テーブル36bは、図5に示すように、最大最小点抽出部38が抽出した最大強度点と最小強度点のIDを含んでいてもよい。最大強度点と最小強度点は、送信機ごと、且つ、設置候補点(設置候補位置)ごとに求められる。たとえば、図5の例の“Rx1:NP1/NP5”は、設置候補点IDが“Rx1”の設置候補点の複数の近傍点のうち、近傍点IDが、“NP1”である近傍点が最大強度点であり、“NP5”である近傍点が最小強度点であることを示している。
アンテナ情報テーブル36cは、アンテナのIDと、そのアンテナの指向性(極座標系の2種類の角度で表される)を含む。
近傍点情報テーブル36dは、近傍点情報のID、その近傍点情報に含まれる近傍点のID、その近傍点の座標を含む。さらに、近傍点情報テーブル36dは、図5に示すように、静止シミュレーションにより算出された近傍点における送信機ごとの受信強度を含んでいてもよい。また、近傍点情報テーブル36dは、図5に示すように、移動体シミュレーションにより算出された、または受信強度推定部40により推定された、送信機ごと及び移動体の配置パターン(“p1”、“p2”など)ごとの受信強度を含んでいてもよい。
近傍点設定情報テーブル36eは、近傍点の設定範囲、設定範囲と電波の波長との比率、近傍点の設定間隔、設定間隔と電波の波長との比率を含む。たとえば、デバイス情報作成部35は、ユーザにより設定範囲と電波の波長との比率や設定間隔と電波の波長との比率が設定された場合に、それらの比率に基づいて近傍点の設定範囲と、設定間隔を計算してもよい。
(設置位置決定方法の例)
以下、図3に示した設置位置決定装置20を用いた受信機の設置位置決定方法の例を説明する。
なお、設置位置決定装置20による処理に先だって、送信機や受信機が設置される環境についての調査や、たとえば、3Dスキャナを用いた測量が行われる。設置位置決定装置20は、測量結果を取得し測量結果記憶部31に記憶する。
図6は、設置位置決定方法の一例の流れを示すフローチャートである。
(ステップS10)レイアウト情報作成部32は、測量結果記憶部31から測量結果を取得し、たとえば、ユーザによる入力を受け付けて、その入力に基づいて、レイアウト情報を作成する。
(ステップS11)デバイス情報作成部35は、たとえば、ユーザによる入力を受け付けて、その入力に基づいて、送信機と受信機に関するデバイス情報を作成する。
(ステップS12)移動体情報作成部33は、たとえば、ユーザによる入力を受け付けて、その入力に基づいて、移動体に関する移動体情報を作成する。
(ステップS13)静止シミュレーション部37は、環境情報とデバイス情報とに基づいて、静止シミュレーションを行い、全設置候補点と、全近傍点とにおける受信強度を計算する。
(ステップS14)最大最小点抽出部38は、静止シミュレーションによる受信強度の計算結果に基づいて、設置候補点ごとに、その設置候補点とその設置候補点に対する複数の近傍点から、最大強度点と最小強度点とを抽出する。
(ステップS15)移動体シミュレーション部39は、各設置候補点とその近傍点のうち、上記最大強度点と最小強度点についてだけ、移動体シミュレーションを行い、移動体の配置パターンごとの受信強度を計算する。
(ステップS16)受信強度推定部40は、移動体シミュレーションを行わなかった設置候補点または近傍点について、移動体シミュレーションを行った最大強度点と最小強度点の受信強度の計算結果に基づいて、受信強度を計算(推定)する。
(ステップS17)設置位置決定/出力部41は、移動体シミュレーション部39及び受信強度推定部40が計算した受信強度に基づいて、各設置候補位置の受信強度を計算し、その受信強度に基づいて受信機の設置位置を決定し、その結果を出力する。
なお、上記ステップS10〜S17の処理の順序は、一例であり、上記の順序に限定されるものではない。たとえば、ステップS11,S12の処理順序は入れ替えてもよい。
以下、上記各ステップの処理の一例を説明する。
図7は、レイアウト情報作成処理の一例の流れを示すフローチャートである。
(ステップS10a)レイアウト情報作成部32は、測量結果記憶部31から測量結果を取得し、測量結果に基づく3次元データを、たとえば、図2に示したディスプレイ24aに3次元画像として表示させる。そして、ユーザの入力デバイス25aの操作によるオブジェクトの作成を受け付ける。もしくは、レイアウト情報作成部32は、2次元画像データを表示させ、オブジェクトの作成を受け付ける。
そして、レイアウト情報作成部32は、オブジェクトの面を作成する。面は、たとえば、4つの座標で表される。
(ステップS10b)レイアウト情報作成部32は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、オブジェクトの厚さ情報(たとえば、壁の厚さ)を取得する。
(ステップS10c)レイアウト情報作成部32は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、オブジェクトの材質情報を取得する。たとえば、図4に示した材質情報テーブル34cの材質IDが、ユーザによって指定され、レイアウト情報作成部32は、その材質IDを材質情報として取得する。
(ステップS10d)レイアウト情報作成部32は、ユーザから作成する全オブジェクトの情報を取得したか否かを判定する。新たなオブジェクトの作成を要求する信号を受け付けた場合には、ステップS10aからの処理が繰り返され、オブジェクトの作成が終了した旨の信号を受け付けた場合には、ステップS10eの処理が行われる。
(ステップS10e)レイアウト情報作成部32は、ステップS10dまでの処理で取得した情報を、たとえば、図4に示したようなレイアウト情報テーブル34aや材質情報テーブル34cに登録することで、レイアウト情報を環境情報記憶部34に記憶する。これにより、レイアウト情報の作成が終了する。
図8は、レイアウト作成結果の一例を示す図である。図8には、ある施設内の3次元画像が示されている。天井50、壁51、床52、机53などのオブジェクトが示されている。
なお、上記ステップS10b,S10cの処理の順序は、一例であり、上記の順序に限定されるものではなく、適宜処理の順序を入れ替えてもよい。
図9は、デバイス情報作成処理の一例の流れを示すフローチャートである。
(ステップS11a,S11b,S11c,S11d)デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、送信機の設置位置、送信周波数及び送信電力、アンテナID、チルト角及び指向方向を取得する。
(ステップS11e)デバイス情報作成部35は、設置する全送信機の情報を取得したか否かを判定する。たとえば、デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、送信機の設定が終了した旨の信号を受け付けた場合には、ステップS11fの処理に進む。たとえば、デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、新たな送信機の設定を要求する旨の信号を受け付けた場合には、ステップS11aからの処理を繰り返す。
(ステップS11f)デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、受信機の設置候補位置(設置候補点)を取得する。設置候補点は、複数入力される。たとえば、図8に示したような3次元データが表示されるディスプレイ24aの画面上で、ユーザがマウスなどの入力デバイス25aで、設置候補点を指定することで、デバイス情報作成部35は、設置候補点の座標を取得してもよい。
(ステップS11g)デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、近傍点の設定範囲と設定間隔を取得する。
(ステップS11h)デバイス情報作成部35は、取得した近傍点の設定範囲と設定間隔とに基づいて、設置候補点のそれぞれに対して、複数の近傍点を設定する。
図10は、近傍点の設定の一例を示す図である。
設置候補点60から長さd1の距離の位置に複数の近傍点(たとえば、近傍点61a)が設定されているともに、さらにその周囲に長さd1の間隔で複数の近傍点(たとえば、近傍点61b)が設定されている。複数の近傍点は、設置候補点60から、長さL1の範囲の矩形領域内に設定されている。
近傍点は、設置候補点60に対する空間フェージングの空間相関を考慮して設定される。
空間フェージングは、レイリー分布や仲上−ライス分布で表現できる。レイリー分布に従う空間フェージングは、レイリーフェージングと呼ばれる。図10には、レイリーフェージングの空間相関特性の一例が示されている。縦軸が相関係数を示し、横軸が受信点(図10の例では設置候補点60からの距離)を示している。
たとえば、唐沢好男著、「ディジタル移動通信の電波伝搬基礎」、初版、株式会社コロナ社、2003年3月17日、p.67、p.88を参照すると、受信点からの距離が電波の波長λの0.4倍程度とすることで、空間相関が0に近くなることがわかる。
そこで、たとえば、空間相関が0に近くなる位置に近傍点を設定する場合には、設置候補点60からの距離が0.4λとなる位置に近傍点が設定されるように、d1=0.4λなどと、波長の定数倍になるように長さd1が設定される。
一方、長さL1は、計算精度や計算量を鑑みて設定される。長さL1が長いほど(設置範囲が広いほど)、多くの近傍点が設定されるため、後述の受信強度の推定処理の際の計算精度が向上することが期待されるが、計算量が増加する。図10の例で、d1=0.4λ、L1=0.8λとした場合、設置候補点60の周りに、24個の近傍点が設定される。
なお、デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、近傍点の設定範囲と波長との比率(上記の例では0.8)や、近傍点の設定間隔と波長との比率(上記の例では0.4)を取得してもよい。そして、デバイス情報作成部35は、それらの比率に基づいて、近傍点の設定範囲と、近傍点の設定間隔を算出して、図5に示したような近傍点設定情報テーブル36eに登録してもよい。
また、上記の例では、設置候補点60に対して一平面上に近傍点を設定しているが、設置候補点60の周囲に3次元的に近傍点を設定してもよい。
(ステップS11i,S11j)デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、受信機のアンテナID、チルト角及び指向方向を取得する。
(ステップS11k)デバイス情報作成部35は、設置する全受信機の情報を取得したか否かを判定する。たとえば、デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、受信機の設定が終了した旨の信号を受け付けた場合には、ステップS11lの処理に進む。たとえば、デバイス情報作成部35は、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される、新たな受信機の設定を要求する旨の信号を受け付けた場合には、ステップS11fからの処理を繰り返す。
(ステップS11l)デバイス情報作成部35は、ステップS11kまでの処理で取得した情報を、たとえば、送信機情報テーブル36a、受信機情報テーブル36b、近傍点情報テーブル36dに登録することで、デバイス情報を環境情報記憶部34に記憶する。これにより、デバイス情報の作成が終了する。
なお、上記ステップS11a〜S11lの処理の順序は、一例であり、上記の順序に限定されるものではなく、適宜処理の順序を入れ替えてもよい。
図11は、移動体情報作成処理の一例の流れを示すフローチャートである。
(ステップS12a)移動体情報作成部33は、ユーザの入力デバイス25aの操作による移動体モデルの選択を受け付ける。たとえば、ユーザにより、所望の移動体モデルの3次元形状を表す座標や材質などを含むファイルが指定される。
(ステップS12b)移動体情報作成部33は、たとえば、ユーザの入力デバイス25aの操作により入力される移動体モデルの移動範囲に基づいて、移動体モデルの配置パターンを設定する。
図12は、移動体モデルの移動範囲の一例を示す図である。
図12には、図8に示した施設の3次元データに、人の移動体モデル55を配置する例が示されている。たとえば、ユーザの入力デバイス25aの操作により、ディスプレイ24aの画面上で、移動体モデル55が移動する移動範囲56が設定される。移動体情報作成部33は、設定された移動範囲56において、所定の間隔で移動体モデル55が配置される位置(配置パターン)を設定する。
(ステップS12c)移動体情報作成部33は、全ての移動体モデルが選択されたか否かを判定する。全ての移動体モデルが選択されていない場合には、ステップS12aからの処理が繰り返され、全ての移動体モデルが選択された場合には、ステップS12dの処理が行われる。
(ステップS12d)移動体情報作成部33は、たとえば、指定された移動体モデルのファイル名や、設定した配置パターンの座標、配置パターン数を、移動体情報テーブル34bに登録することで、移動体情報を環境情報記憶部34に記憶する。これにより、移動体情報の作成が終了する。
次に、ステップS13の静止シミュレーションの一例を説明する。
静止シミュレーション部37は、たとえば、図4に示した環境情報記憶部34に記憶されている環境情報のうち、レイアウト情報テーブル34aと材質情報テーブル34cの情報を取得する。そして、静止シミュレーション部37は、取得した情報に基づいて、移動体については考慮せずに、レイトレース法を用いたシミュレーションにより、全設置候補点と、全近傍点とにおける受信強度を計算する。
図13は、静止シミュレーションが行われる環境をディスプレイに表示した例を示す図である。
図13には、図8に示した施設内の3次元画像に送信点、受信機の設置候補点、近傍点が設定された様子が示されている。図13の例では、2つの送信機による送信点70,71と、受信機の3つの設置候補点72,73,74と、設置候補点72〜74のそれぞれに対して設定された複数の近傍点(たとえば、近傍点72a,73a,74a)が示されている。
静止シミュレーション部37は、送信点70,71のそれぞれから送信される電波の、全設置候補点と、全近傍点とにおける受信強度を計算する。近傍点の受信強度は、たとえば、図5に示したような近傍点情報テーブル36dに登録される。また、設置候補点の受信強度も、たとえば、図5に示したような受信機情報テーブル36bに登録されるようにしてもよい。
次に、ステップS14の処理の一例を説明する。
図14は、静止シミュレーション結果の一例を示す図である。縦軸は受信強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)[dBm]を表し、横軸は、設置候補点IDと近傍点IDを表している。
図14の例では、設置候補点IDがRx1である設置候補点の近傍に、近傍点IDがNP1〜NP8の8つの近傍点が設定されている場合の、静止シミュレーションで得られる各点におけるRSSIが示されている。
ステップS14の処理では、最大最小点抽出部38は、上記のような静止シミュレーション結果に基づいて、設置候補点ごとに、その設置候補点とその設置候補点に対する複数の近傍点の中から最大強度点と最小強度点とを抽出する。
図14に示すような静止シミュレーション結果が得られた場合には、近傍点IDがNP4である近傍点が、最大強度点として抽出され、近傍点IDがNP5である近傍点が、最小強度点として抽出される。最大最小点抽出部38は、抽出した最大強度点のIDと、最小強度点のIDを、たとえば、図5に示した受信機情報テーブル36bに登録する。
次に、ステップS15の処理の一例を説明する。
移動体シミュレーション部39は、たとえば、受信機情報テーブル36bに登録された最大強度点のIDと、最小強度点のIDとを取得する。そして、移動体シミュレーション部39は、最大強度点と最小強度点についてだけ、移動体シミュレーションを行い、移動体の各配置パターンについての受信強度を計算する。
以下、最大強度点と最小強度点についてだけ、移動体シミュレーションを行う理由を説明する。
図15は、ある設置候補点とその全ての近傍点について移動体を考慮したシミュレーションを行った結果の一例を示す図である。縦軸はRSSIの累積分布関数(CDF:Cumulative Distribution Function)を表し、横軸はRSSI[dBm]を表している。
図15には、静止シミュレーションにおいて図14に示したようなRSSIを示す設置候補点と8つの近傍点のそれぞれについて、移動体の配置パターンごとのRSSIのCDFが示されている。
プロット群80は、設置候補点IDがRx1の設置候補点におけるRSSIのCDFを示す。プロット群81は、近傍点IDがNP1の近傍点におけるRSSIのCDF、プロット群82は、近傍点IDがNP2の近傍点におけるRSSIのCDF、プロット群83は、近傍点IDがNP3の近傍点におけるRSSIのCDFを示す。プロット群84は、近傍点IDがNP4の近傍点におけるRSSIのCDF、プロット群85は、近傍点IDがNP5の近傍点におけるRSSIのCDF、プロット群86は、近傍点IDがNP6の近傍点におけるRSSIのCDFを示す。プロット群87は、近傍点IDがNP7の近傍点におけるRSSIのCDF、プロット群88は、近傍点IDがNP8の近傍点におけるRSSIのCDFを示す。
移動体シミュレーションで得られるRSSIの変動は、静止シミュレーションで得られた受信強度が小さい設置候補点または近傍点ほど、大きくなる。
このため、静止シミュレーションで最小強度点となる近傍点IDがNP5の近傍点では、プロット群85に示すように、RSSIの変動が最も大きい。一方、静止シミュレーションで最大強度点となる近傍点IDがNP4の近傍点では、プロット群84に示すように、RSSIの変動が最も少ない。
したがって、最大強度点と最小強度点についてだけ、移動体シミュレーションにより受信強度を計算すれば、その受信強度に基づいて、他の近傍点または設置候補点の受信強度を推定できる。
図16は、移動体シミュレーションが行われる環境をディスプレイに表示した例を示す図である。図16において、図13に示した要素と同じ要素については、同一符号が付されている。
図16には、図13と同様に3次元画像に送信点、受信機器の設置候補点、近傍点、移動体モデルが設定されている様子が示されている。ただし、図16の例では、移動体モデル55が示されているとともに、設置候補点のそれぞれとその近傍点のうち、最大強度点と最小強度点の2つについては、黒塗りのプロットで示されている。図16の例では、設置候補点72の8つの近傍点のうち、近傍点72b,72cの一方が最大強度点であり、他方が最小強度点である。また、設置候補点73の8つの近傍点のうち、近傍点73a,73bの一方が最大強度点であり、他方が最小強度点である。また、設置候補点74の8つの近傍点のうち、近傍点74b,74cの一方が最大強度点であり、他方が最小強度点である。
ステップS15の処理では、移動体シミュレーション部39は、上記のような最大強度点と最小強度点についてだけ、移動体シミュレーションを行い、受信強度を計算する。近傍点の受信強度は、たとえば、図5に示したような近傍点情報テーブル36dに登録される。また、設置候補点の受信強度も、たとえば、図5に示したような受信機情報テーブル36bに登録されるようにしてもよい。
次に、ステップS16の処理の一例を説明する。
設置候補点とその複数の近傍点との、静止シミュレーションで得られる受信強度(RSSI)の比率は、移動シミュレーション時にも保たれる傾向にあることが、たとえば、図15に示したシミュレーション結果や実験から確認されている。そこで、受信強度推定部40は、移動体シミュレーションを行わなかった設置候補点または近傍点である点iについて、移動体がある位置に配置されているときの受信強度RSSImiを、たとえば、以下の式(1)に基づいて、計算する。
RSSImi=RSSImmax−(RSSImmax−RSSImmin)×(RSSIsmax−RSSIsi)/(RSSIsmax−RSSIsmin) (1)
式(1)において、RSSImmaxは、移動体がある位置に配置されているときの、最大強度点における受信強度を示し、RSSImminは、移動体がその位置に配置されているときの、最小強度点における受信強度を示している。また、RSSIsmaxは、静止シミュレーションで算出された最大強度点の受信強度を示し、RSSIsminは、静止シミュレーションで算出された最小強度点の受信強度を示す。RSSIsiは、静止シミュレーションで算出された点iの受信強度を示す。
図17は、受信強度の推定例を示す図である。縦軸はRSSIのCDFを表し、横軸はRSSI[dBm]を表している。
図17には、最大強度点におけるRSSIのCDFを示すプロット群84と、最小強度点におけるRSSIのCDFを示すプロット群85と、式(1)により計算(推定)された、設置候補点におけるRSSIのCDFを示すプロット群90が示されている。
図17には、式(1)の、RSSImmax−RSSImminと、RSSIsmax−RSSIsminと、RSSIsmax−RSSIsiの例が示されている。なお、プロット群84,85は、移動体シミュレーションにより得られたRSSIのCDFを示しているが、プロット84a,85aにおけるRSSIは、静止シミュレーションで得られた値と同じであるものとしている。また、プロット90aにおけるRSSIは、設置候補点において、静止シミュレーションで得られた値と同じであるものとしている。
たとえば、プロット90bのRSSIは、同じCDFをもつプロット84b,85bのRSSIに基づいて算出される。すなわち、式(1)のRSSImmax−RSSImminとして、プロット84bにおけるRSSIとプロット85bにおけるRSSIとの差分が用いられ、RSSImmaxとしてプロット84bにおけるRSSIが用いられる。
プロット群90に含まれる他のプロットのRSSIや、図示しない他の近傍点についてのRSSIも同様に推定できるが、受信強度推定部40は、後述の評価に使用する1つのCDFの値におけるRSSIだけを推定するようにしてもよい。
また、受信強度推定部40は、移動体シミュレーションを行わなかった全ての設置候補点または近傍点における受信強度を、推定してもよいし、移動体シミュレーションを行わなかった設置候補点における受信強度だけを推定してもよい。
次に、ステップS17の処理の一例を説明する。
設置位置決定/出力部41は、移動体シミュレーション部39及び受信強度推定部40が計算した受信強度に基づいて、各設置候補点の受信強度を決定する。設置位置決定/出力部41は、たとえば、以下のような受信強度の平均値を、各設置候補位置の受信強度として算出する。この受信強度は、各設置候補点を評価するための評価値である。
たとえば、設置位置決定/出力部41は、1つの設置候補点に対して、8つの近傍点が設定されている場合には、移動体シミュレーションで得られる2点の、あるCDFの値における受信強度と、その受信強度から推定される7点の受信強度との平均値を算出する。なお、設置位置決定/出力部41は、設置候補点についての移動体シミュレーションが行われない場合には、移動体シミュレーションで得られる2つの近傍点の、あるCDFの値における受信強度と、その受信強度から推定される設置候補点の受信強度との平均値を算出してもよい。これにより、推定計算の計算量を減らすことができる。また、設置位置決定/出力部41は、移動体シミュレーションで得られる最小強度点と最大強度点の、あるCDFの値における受信強度の平均値を算出してもよい。これにより、計算量をさらに減らすことができる。ただ、多くの点の受信強度の平均値を求めた方が、評価結果の信頼性が高くなる。
図18は、平均値の算出例を示す図である。縦軸はRSSIのCDFを表し、横軸はRSSI[dBm]を表している。
図18において、図17に示した要素と同じ要素については同一符号が付されている。図18には、移動体シミュレーションで得られる最大強度点と最小強度点のRSSIと、そのRSSIから推定される設置候補点の受信強度との平均値が、複数のプロット(たとえば、プロット91,92)で示されている。なお、図18の例では、平均値を示す複数のプロットは、設置候補点の受信強度の推定値を示す複数のプロット(たとえば、プロット90b)とほぼ重なっている。
移動体シミュレーションで得られる最大強度点と最小強度点のRSSIと、そのRSSIから推定される他の近傍点及び設置候補点の受信強度との平均値についても、図18のプロット91,92などと同様の特性となる。
設置位置決定/出力部41は、たとえば、CDFが0.05であるプロット92のRSSI(図18の例では−32.2dBm)を、評価値とする。
なお、設置位置決定/出力部41は、移動体シミュレーションで得られた最小強度点についてのRSSI(たとえば、プロット85bのRSSI)を、評価値として決定してもよい。その場合、ステップS16の受信強度の推定処理や、最大強度点についての移動体シミュレーションなどが不要になり、計算量を削減できる。ただし、決定される評価値が、上記のような平均値である評価値よりも小さくなる。
設置位置決定/出力部41は、各設置候補位置について上記のような設置候補位置の受信強度(評価値)を決定し、たとえば、その受信強度が、設置する受信機が電波を受信可能となるRSSIの下限(受信感度)よりも大きい設置候補位置を、受信機の設置位置として決定する。たとえば、設置位置決定/出力部41は、設置する受信機の受信感度が−80dBmである場合、95%の確率で受信可能とするために、CDFが0.05のときに、受信強度が−80dBm以上となる設置候補位置を受信機の設置位置として決定する。
なお、設置位置決定/出力部41は、送信機が複数ある場合には、複数の送信機からの電波に対する受信強度が、受信感度以上となる設置候補位置を受信機の設置位置とすることが望ましい。1つの受信機で複数の送信機の電波を受信可能となり、設置する受信機の数を減らすことができるためである。
図19は、2つの送信機のそれぞれについて算出された、3つの設置候補位置の受信強度の一例を示す図である。
テーブル100は、設置候補点IDが“Rx1”、“Rx2”、“Rx3”である3つの設置候補位置について決定された受信強度を含む。受信強度は、たとえば、CDFが0.05のときの上記平均値である。受信強度は、デバイスIDが“Tx1”、“Tx2”である2つの送信機のそれぞれについて決定されている。
設置位置決定/出力部41は、設置する受信機の受信感度が−80dBmであり、図19のような受信強度が得られた場合、各送信機について算出された受信強度がともに受信感度を超える“Rx2”の設置候補位置を、受信機の設置位置として決定する。そして、設置位置決定/出力部41は、決定した設置位置を計算結果記憶部42に出力する。計算結果記憶部42は、設置位置を記憶する。なお、計算結果記憶部42は、図19に示したようなテーブル100のデータを記憶してもよい。
また、設置位置決定/出力部41は、決定した設置位置を、図2に示したディスプレイ24aに表示させてもよい。
図20は、受信機の設置位置の表示例を示す図である。
図20では、3つの設置候補点72〜74のうち、設置位置として決定された設置候補点73が強調表示されている例が示されている。
次に、本実施の形態の設置位置決定方法による効果を説明する。
図21は、効果を評価するために用いた各種の設定例を示す図である。図21において、前述した要素と同様の要素については同一符号が付されている。
図21では、5つの設置候補点110,111,112,113,114が設定されている。
図22は、1つの設置候補点を中心とした設置候補位置における実測結果とシミュレーション結果の例を示す図である。縦軸はRSSIのCDFを表し、横軸はRSSI[dBm]を表している。
図22では、移動体(人)が図21に示した移動範囲56を所定の配置パターンで配置されるときの設置候補点111を中心とした設置候補位置におけるRSSIのCDFの実測結果とシミュレーション結果が示されている。
プロット群120は、実測結果を示し、プロット群121は、設置候補点111に近傍点を設定せず、設置候補点111において移動シミュレーションを行ったときのシミュレーション結果を示す。プロット群122,123は、ほぼ重なっているが、複数の丸印のプロットで示されるプロット群122は、設置候補点111に8点の近傍点を設定し合計9点のそれぞれで移動シミュレーションを行って得られたRSSIの平均値のCDFを示す。複数のひし形のプロットで示されるプロット群123は、第2の実施の形態の設置位置決定方法を用いて得られたシミュレーション結果を示す。図22の例では、プロット群123は、設置候補点111に設定した合計9点のうち、最大強度点と最小強度点での移動シミュレーションで得られたRSSIから他の7点のRSSIを推定し、9点のRSSIを平均した値のCDFを示す。
図22のように、設置候補点111に近傍点を設定せず、設置候補点111において移動シミュレーションを行った場合の、CDF=0.05におけるRSSIの実測結果との誤差は、11.20dBmである。これに対して、第2の実施の形態の設置位置決定方法を用いて得られたシミュレーション結果では、CDF=0.05におけるRSSIの実測結果との誤差は、5.31dBmであり、近傍点を設定しない場合よりも誤差が小さい。
図23は、各設置候補点におけるシミュレーション結果と実測結果との誤差の例を示す図である。
図23では、図21に示した設置候補点110〜114(設置候補点ID“Rx1”〜“Rx5”で示されている)のそれぞれにおける3つのシミュレーション結果と実測結果との誤差の例が示されている。シミュレーション結果と実測結果は、CDF=0.05におけるRSSI(単位はdB)を示している。
3つのシミュレーション結果のうち1つ目は、近傍点を設定せずに設置候補点、1点でのシミュレーション(移動シミュレーション)を行った結果である。3つのシミュレーション結果のうち2つ目は、各設置候補点に8点の近傍点を設定し、9点でのシミュレーションを行った結果である。3つのシミュレーション結果のうち3つ目は、最大強度点と最小強度点の2点でのシミュレーションを行い、その他の7点のRSSIを推定したシミュレーション結果である。
このように、第2の実施の形態の設置位置決定方法によれば、設置候補点、1点でのシミュレーションを行う場合よりも設置候補位置のRSSIの実測値との誤差を小さくできる。つまり、設置候補位置のRSSIの計算精度を向上できる。
また、本実施の形態の設置位置決定方法を用いて得られたシミュレーション結果は、設置候補点に8点の近傍点を設定し合計9点のそれぞれで移動シミュレーションを行う場合のシミュレーション結果とほぼ同じとなる。本実施の形態の設置位置決定方法では、2点の受信強度を移動シミュレーションで計算するため、9点全ての受信強度を、移動シミュレーションで計算する場合に比べて、シミュレーション時間を約2/9に短縮できる。
また、移動体がない場合とある場合の両方のシミュレーションを行う場合のシミュレーション回数を減少できる。たとえば、シミュレーション回数=設置候補点数×近傍点数+設置候補点数×配置パターン数×近傍点数とする。設置候補点数、近傍点数、配置パターン数をそれぞれ10とすると、移動体シミュレーションを全ての近傍点についても行う場合には、シミュレーション回数=10×10+10×10×10=1100となる。これに対して、移動体シミュレーションを2つの近傍点のみで行う場合(最大強度点と最小強度点がそれぞれ近傍点の場合)、シミュレーション回数=10×10+10×10×2=300となる。つまり、移動体シミュレーションを全ての近傍点について行う場合に比べて、シミュレーション回数を減少できる。
なお、上記の処理内容は、図2に示したような設置位置決定装置20にプログラムを実行させることで実現できる。
プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(たとえば、記録媒体26a)に記録しておくことができる。記録媒体として、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどを使用できる。磁気ディスクには、FD及びHDDが含まれる。光ディスクには、CD、CD−R(Recordable)/RW(Rewritable)、DVD及びDVD−R/RWが含まれる。プログラムは、可搬型の記録媒体に記録されて配布されることがある。その場合、可搬型の記録媒体から他の記録媒体(たとえば、HDD23)にプログラムをコピーして実行してもよい。
以上、実施の形態に基づき、本発明の無線機器の設置位置決定装置、無線機器の設置位置決定方法及び無線機器の設置位置決定プログラムの一観点について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
10 設置位置決定装置
11 記憶部
11a デバイス情報
11b 環境情報
12 処理部
13 送信点
14,15,16 設置候補点
14a〜14d,15a〜15d,16a〜16d 近傍点
17 物体
18 移動体

Claims (9)

  1. 送信機及び前記送信機が送信する電波を受信する受信機に関するデバイス情報と、前記送信機及び前記受信機による送受信が行われる環境に関する環境情報と、を記憶する記憶部と、
    前記デバイス情報と前記環境情報とを前記記憶部から取得し、前記デバイス情報と前記環境情報とに基づいて、レイトレース法を用いた第1のシミュレーションにより、前記受信機が設置される複数の設置候補位置のそれぞれの中心にある複数の設置候補点と、前記複数の設置候補点のそれぞれに対して、第1の距離以内に設定される複数の近傍点と、における第1の受信強度を計算し、前記第1の受信強度の計算結果に基づいて、前記複数の設置候補位置のそれぞれの第2の受信強度を計算し、前記第2の受信強度に基づいて、前記受信機の設置位置を決定し前記設置位置を出力する、処理部と、
    を有する無線機器の設置位置決定装置。
  2. 前記処理部は、
    前記複数の設置候補点のうちの第1の設置候補点と、前記第1の設置候補点に対して前記第1の距離以内に設定される前記複数の近傍点とから、前記環境に移動体が含まれない条件で行われる前記第1のシミュレーションにより計算される前記第1の受信強度が最大となる第1の点と、前記第1の受信強度が最小となる第2の点とを抽出し、
    前記環境に前記移動体を含む条件で行われる前記レイトレース法を用いた第2のシミュレーションを行うことにより、前記第1の点と前記第2の点とにおける第3の受信強度を計算し、
    前記第3の受信強度に基づいて、前記第2の受信強度を計算する、
    請求項1に記載の無線機器の設置位置決定装置。
  3. 前記複数の設置候補点のそれぞれと、前記複数の近傍点との間隔は、前記複数の設置候補点のそれぞれに対する空間フェージングの空間相関に基づいて設定される、
    請求項1または2に記載の無線機器の設置位置決定装置。
  4. 前記処理部は、
    前記第1の点と前記第2の点とにおける前記第3の受信強度に基づいて、前記第1の設置候補点または、前記第1の設置候補点に対して前記第1の距離以内に設定される前記複数の近傍点のうち、前記第1の点と前記第2の点以外における第4の受信強度を推定し、
    前記第3の受信強度と前記第4の受信強度との平均を求めることで、前記第2の受信強度を算出する、
    請求項2に記載の無線機器の設置位置決定装置。
  5. 前記処理部は、
    前記第1の点と前記第2の点とにおける前記第3の受信強度に基づいて、前記第1の設置候補点の第4の受信強度を推定し、
    前記第3の受信強度と前記第4の受信強度との平均を求めることで、前記第2の受信強度を算出する、
    請求項2に記載の無線機器の設置位置決定装置。
  6. 前記処理部は、
    前記第1の点と前記第2の点とにおける前記第3の受信強度の平均を求めることで、前記第2の受信強度を算出する、
    請求項2に記載の無線機器の設置位置決定装置。
  7. 前記処理部は、
    前記複数の設置候補点のうちの第1の設置候補点と、前記第1の設置候補点に対して前記第1の距離以内に設定される前記複数の近傍点とから、前記環境に移動体が含まれない条件で行われる前記第1のシミュレーションにより計算される前記第1の受信強度が最小となる第1の点を抽出し、
    前記環境に前記移動体を含む条件で行われる前記レイトレース法を用いた第2のシミュレーションを行うことにより、前記第1の点における第3の受信強度を計算し、
    前記第3の受信強度に基づいて、前記第2の受信強度を決定する、
    請求項1に記載の無線機器の設置位置決定装置。
  8. コンピュータが実行する無線機器の設置位置決定方法であって、
    送信機及び前記送信機が送信する電波を受信する受信機に関するデバイス情報と、前記送信機及び前記受信機による送受信が行われる環境に関する環境情報と、を記憶部から取得し、
    前記デバイス情報と前記環境情報とに基づいて、レイトレース法を用いた第1のシミュレーションにより、前記受信機が設置される複数の設置候補位置のそれぞれの中心にある複数の設置候補点と、前記複数の設置候補点のそれぞれに対して、第1の距離以内に設定される複数の近傍点と、における第1の受信強度を計算し、
    前記第1の受信強度の計算結果に基づいて、前記複数の設置候補位置のそれぞれの第2の受信強度を計算し、
    前記第2の受信強度に基づいて、前記受信機の設置位置を決定し前記設置位置を出力する、
    無線機器の設置位置決定方法。
  9. コンピュータに、
    送信機及び前記送信機が送信する電波を受信する受信機に関するデバイス情報と、前記送信機及び前記受信機による送受信が行われる環境に関する環境情報と、を記憶部から取得し、
    前記デバイス情報と前記環境情報とに基づいて、レイトレース法を用いた第1のシミュレーションにより、前記受信機が設置される複数の設置候補位置のそれぞれの中心にある複数の設置候補点と、前記複数の設置候補点のそれぞれに対して、第1の距離以内に設定される複数の近傍点と、における第1の受信強度を計算し、
    前記第1の受信強度の計算結果に基づいて、前記複数の設置候補位置のそれぞれの第2の受信強度を計算し、
    前記第2の受信強度に基づいて、前記受信機の設置位置を決定し前記設置位置を出力する、
    処理を実行させる無線機器の設置位置決定プログラム。
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