JP2004193912A - レイの受信判定方法並びにシステム及びそれを用いた電波伝搬特性推定方法 - Google Patents

レイの受信判定方法並びにシステム及びそれを用いた電波伝搬特性推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラウンチング法において推定精度を劣化させることなく所要推定時間を短縮化する。
【解決手段】観測領域内部に配置された受信点を複数の受信点ごとにグループ化し、規模の大きな受信点グループがより小規模の複数の受信点グループを内包する階層構造を事前に構築する。事前に規定した判定基準に従い、レイとの受信判定処理が必要な受信点を内包する受信点グループを規模の大きな受信点グループから規模のより小さな受信点グループへ逐次絞り込み、絞り込まれた受信点グループに内包される受信点に対してのみレイと受信点との最終的な受信判定を行う。これにより、従来手法による受信判定で明らかに除外される受信点群は、これを内包する受信点グループ単位でまとめて除外できるため受信判定を実施する受信点の総数を削減できる。その結果、従来方式よりも伝搬推定の所要時間を抑えることができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレイの受信判定方法並びにシステム及びそれを用いた電波伝搬特性推定方法に関し、特に幾何光学的手法による電波伝搬特性予測におけるレイの受信判定方法並びにシステム及びそれを用いた電波伝搬特性推定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムにおける親機(基地局)の配置を効率よく行うためには、伝搬損失や遅延拡がり等の電波伝搬特性を計算機上で精度良くかつ高速に予測できることが重要となる。通常、無線通信システムにおける親機の配置は、通信を希望する領域が子機(端末)の通信可能範囲となるように試行錯誤的に行われる。ところが、実環境に親機と子機を設置して実測により親機の配置検討を行う方法は、一般に多大なコストを要する。そこで、設置コストを抑えたい場合は、計算機上に当該環境の伝搬モデルを構築して親機の配置を机上検討する方法が用いられる。
【0003】
子機の通信可能範囲は、親機から放射された電波を子機が受信する強度、親機と子機を結ぶ伝送路上で信号が被る歪の程度、当該無線システム以外の無線システムから親機と子機の双方の受信機に混入する干渉信号の強度等のパラメータを受信機の特性と比較して定められる。これらのパラメータは当該無線システムの親機と子機の間の伝送路の伝搬損失や遅延拡がり、外部干渉源と当該無線システムの親機もしくは子機との間の伝搬損失、等の電波伝搬特性から計算することができる。従って、伝搬損失や遅延拡がり等の電波伝搬特性を計算機上で精度良くかつ高速に予測できれば、個々の伝搬環境に応じて試行錯誤的な検討を必要とする親機の最適な配置を、実測によらずに迅速かつ正確に決めることができる。
【0004】
このように計算機を用いて電波伝搬特性を予測する従来技術として、電波伝搬シミュレータを用いる方法があり、その根幹を成す電波伝搬シミュレーションは一般に統計的手法と決定論的手法とに大別できる。統計的手法は、距離や周波数などを引数とする伝搬損失推定式を用いる手法であり、推定式中のパラメータは、伝搬損失の実測で得られた多数のデータをもとに多変量解析等の統計的手法により決定される。この手法は従来より屋外移動体通信の基地局配置設計等の用途に用いられてきたが、当該環境の伝搬損失推定式を精度良く決定するのに多数の実測データを必要とするため、一般に高コストな手法である。加えて、この方法はある程度広い範囲における電波伝搬特性の平均的な傾向を統計的に求める手法であるため、屋内のように什器や壁等の配置の多様性が原因で伝搬特性が大きくばらつきやすい環境や、屋外であっても比較的狭い範囲の局所的な伝搬特性を精度良く求める用途には適さない手法である。
【0005】
一方、決定論的手法は電波伝搬の基礎方程式であるMaxwell の電磁界方程式の数値解析結果から伝搬特性を求める手法である。この手法は物理法則に基づいているため、統計的手法に比べて一般に精度の高い予測が可能である。しかし、非特許文献1に記載されているように、決定論的手法のうち、例えば、FDTDや有限要素法等のように多くの手法は伝搬特性の解析対象領域に比べて波長が短くなるに従い解析に要する計算量が膨大となる。従って、そのような高い周波数帯において高速かつ高精度な伝搬特性の予測を達成するためには多くの計算資源を必要とする。
【0006】
現在、通信の高速化需要の高まりに伴い、より高い周波数帯を使用する無線通信システムの開発が盛んに行われている。決定論的手法の中で、そのような高周波数帯の解析に適した手法に幾何光学的手法(レイトレーシング)がある。この手法は他の決定論的手法に比べて高周波数帯の高精度な解析を高速に行うことができるという特徴がある。
【0007】
このレイトレーシングは、アンテナから放射される電波を多数の電波線(レイ)の集まりとして表現する手法であり、各レイは解析空間内部に設置された障害物において幾何光学的に反射・透過を繰り返しながら伝搬するものとしてその軌跡を計算する。受信点における伝搬損失および遅延拡がりは、受信点に到達する各レイの電界強度と伝搬時間を合成することにより求めることができる。
【0008】
レイトレーシングは、伝搬経路を追跡する方法の違いから、更にイメージング法とラウンチング法とに大別できる。イメージング法を用いた電波伝搬シミュレータの一例が非特許文献2に記載されている。この文献に記載されているように、イメージング法は反射面に対する送信点の鏡像を求めながら送受信点間を結ぶレイの反射・透過経路を決定する手法である。反射・透過経路は、送受信点と反射・透過障壁の位置が決まれば一意に求まるために、イメージング法は厳密なレイの伝搬経路を探索する手法である。
【0009】
一方、ラウンチング法は、受信点の位置に関わり無く、アンテナから離散的な角度間隔でレイを放射し、反射・透過等を繰返しながら受信点近傍を通過するレイを当該受信点に到達したレイとみなす手法である。ラウンチング法は、送受信点間を結ぶレイの伝搬経路の解をイメージング法のように厳密に求めるのではなく、近似的に求めるために、伝搬経路探索に要する時間を大幅に短縮できるという特徴がある。
【0010】
図33はラウンチング法の処理の流れの概略を説明する図であり、本発明にも適用されるものである。まず、ステップ102で、観測領域内部の構造情報を蓄える記憶領域と、受信点の伝搬特性情報を蓄える記憶領域の初期設定、ならびに送信点から放射するレイ集合の方向ベクトルの計算を行う。次に、ステップ103で、送信点から放射するレイ集合の中から1つのレイを選択し、選択されたレイを送信点から放射した後のレイの経路を追跡する(ステップ104)。このとき、経路追跡処理の途中で1区間の経路が確定するごとにその確定直後の1区間を選択し(ステップ112)、選択された経路区間を通過するレイが、観測領域内部の受信点に受信されるか否かの判定(ステップ107)を行う。これらの経路追跡処理と受信判定処理を経路追跡の終了条件が満たされるまで続け(ステップ105)、以上の処理を送信点から放射する全てのレイについて行い(ステップ109)、結果を出力して終了する(ステップ110)。
【0011】
図34はステップ107の具体的な処理を示す図である。ステップ107では、まず、観測領域内部の1受信点を選択し(ステップ114)、ステップ112で選択された経路区間上を通過するレイがステップ114で選択された受信点に受信されるか否かの判定を行う(ステップ115)。ステップ115で受信されないと判定された場合は、即座に次の処理へ進み、受信されると判定された場合は、受信電界強度と遅延時間の計算を行い(ステップ117)、当該受信点に対応する記憶領域に計算結果を格納する(ステップ118)。ステップ115の判定を全ての受信点について行い(ステップ116)、受信判定処理を終える。
【0012】
図35は観測領域018と、送信点016と、受信点017と、2つの物体001、002とが与えられた場合の経路追跡処理について説明する図である。図35では、簡単のため2次元平面に限定して処理の説明をするが、実際には3次元空間内で処理を行うことは勿論である。送信点016から放射するレイの方位を方位008〜015の中から一つ選択し(図35では方位015を選択)、レイを放射する。送信点016を端点とするレイ003と交差する物体を観測領域内部の物体から探索して交点019を求め、幾何光学理論に従い反射レイ005と透過レイ004を生成する。反射レイ005と交差する物体を観測領域内部の物体から探索して交点020を求め、再び反射レイ006と透過レイ007を生成する。このようにレイと交差する物体の探索、交点の算出、反射レイと透過レイの生成を繰り返し、反射レイもしくは透過レイが追跡終了条件を満たす時点で経路追跡処理を終える。
【0013】
追跡終了条件としては、レイが観測領域018に到達した場合、反射回数もしくは透過回数が予め定めた上限に達した場合、レイの軌跡から定まる電界強度が予め定めた値を下回る場合等が一般に用いられる。このような経路追跡処理により、例えば、図35では、区間003,005,006からなる経路、区間003,004からなる経路、区間003,005,007からなる経路が得られる。
【0014】
送信点から放射するレイの方位を定める従来技術の一例が、非特許文献3に記載されている。図36〜図39はこの従来技術を説明する図である。
【0015】
この文献に記載された方法によると、先ず、図36のように、送信アンテナ301の周囲に、正20面体の3次元閉領域を設ける。次に、正20面体を構成する面、すなわち図37のように、頂点406,407,408からなる正三角形の平面を取出した後、点409,410,411を用いて各辺を等間隔に分割する。頂点406,407,408からなる正三角形の各辺に平行で、かつ分割点を通る線分を引くことにより、もとの正三角形と相似な三角形が新しく内部に作られる。以上の処理を図36の正20面体をなす全ての面に対して行い、正20面体の重心と新しく生成された各正三角形の頂点とを結ぶ方向へ、重心からの距離が等しくなるように各正三角形の頂点を移動させると、例えば、図38のようになる。
【0016】
図38は図36の正20面体の各面をなす正三角形の1辺を2等分した場合の図である。もとの正20面体の重心に位置する送信アンテナ501から放射されるレイは、送信アンテナ501と図38の多面体の各頂点とを結ぶ各方向に放射される。図38には、一例として頂点502を通るレイ504を示してある。こうして定まる有限な本数のレイが送信点から放射するレイの集合となる。
【0017】
前記方法に従って生成されたレイの近傍には部分空間を定義することができ、その部分空間によって送信点501の周囲の空間は互いに排他な部分空間に分割できる。図39は前記方法に従って生成されたレイ近傍の部分空間を抽出した図である。レイ504の近傍にはレイ504に垂直な平面による断面形状が6角形で送信点501を頂点とする錐体の領域505が定義される。このようにレイの近傍に部分空間を定義することによって、ある受信点が近傍を通過するレイを受信するか否かの判定(ステップ107)は、その受信点がそのレイの近傍に定義されたこの部分空間に含まれるか否かの判定に帰着される。なお、前記方法に従うと部分空間は正6角錐もしくは正5角錐になるが、これ以外にも3角錐を部分空間として用いる場合もある。
【0018】
レイトレーシング法のうち、イメージング法はラウンチング法に比べて演算負荷が非常に大きい。そのため、高速化を実現する技術が幾つか考案されており、その従来技術の一例が特許文献1及び特許文献2に記載されている。しかし、これらの高速化手法を適用した場合でもイメージング法はラウンチング法に比べて一般に推定速度が遅い。また、イメージング法の推定精度は、理論上はラウンチング法より高いものの、シミュレーションの際に用いられる構造モデルはある程度簡略化されることが多いため、モデルと実環境との誤差の影響でイメージング法の推定精度はラウンチング法と大差ない場合が多い。
【0019】
前述した通り、無線通信システムの親機の配置を効率よく行うためには希望する領域の高精度な電波伝搬特性を高速に推定できることが重要となる。従って、こうした用途への適用を考えた場合、イメージング法よりもむしろラウンチング法で推定精度を劣化させることなく高速な推定を実現する技術的アプローチが重要であり、これを実現するための従来技術が特許文献3に記載されている。
【0020】
図33に記載されたラウンチング法の処理において、演算負荷の大きな処理の一つにステップ104の経路追跡処理がある。特許文献3には、この経路追跡処理を高速に実現する従来技術が記載されている。経路追跡処理は、解析領域内部に設置された障害物とレイとの交差判定を伴うため、障害物の総数に比例して演算負荷が増大する。また、反射・透過の総数に上限を設けてこれを経路追跡の終了条件とした場合には、反射・透過の総数の上限を引き上げると経路追跡の演算負荷が増大する。さらに、経路追跡処理は送信点から放射するレイの総数に比例して演算負荷が増大する。
【0021】
具体的には、解析領域内部に設置された障害物の総数をM、反射・透過の総数の上限をN、送信点から放射するレイの総数をW、1回の交差判定に要する演算時間をδ1 とすると、障害物とレイとの交差判定に要する全体の演算時間T1 は、
T1 =MW(2N+1 −1)δ1 ……(1)
で表される。
【0022】
ラウンチング法は、送信点から放射するレイの総数や反射・透過の総数を増やすと一般に電波伝搬特性の予測精度が向上する。一方、解析空間内部には一般に多くの障害物が存在する。したがって、実際の環境で高精度な予測を行う場合に経路追跡の演算負荷は一般に大きなものとなる。
【0023】
この特許文献3に記載された従来技術では、障害物とレイの交差判定を一律に行うのではなく、射影像を利用した計算負荷の異なる段階的な判定条件を用いる。この構成によると、明らかに交差しない障害物を計算負荷の小さな判定条件で早期に除外することができ、その結果、(1)式におけるMδ1 の削減、すなわち交差判定に要する演算時間を削減できる。
【0024】
【特許文献1】
特開平8−8846号公報(特許第3256085号公報)(第4頁〜第8頁、図1、図4〜図24)
【特許文献2】
特開平9−119955号公報(第4頁〜第5頁、図8〜図16)
【特許文献3】
特開2002−107397号公報(第6頁〜第8頁、図1〜図5)
【非特許文献1】
山下榮吉、「電磁波問題の基礎解析法」、pp.198、電子情報通信学会、1987年
【非特許文献2】
J. W. MacKown and R. L. Hamilton Jr.,“Ray Tracing as a Design Tool for Radio Networks” IEEE Network Mag, pp.27−30, Nov. 1991
【非特許文献3】
S. Y. Seidel and T. S. Rappaport, “Site−Specific Propagation Prediction for Wireless In−Building Personal Communication System Design” IEEE Trans Veh Technol, 43, 4, pp.879−891, 1994
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
図33のラウンチング法の処理においては、経路追跡の高速化を極限まで追求しても伝搬推定に要する演算時間がある水準以下にはならないという問題点がある。その理由は、経路追跡処理に要する時間が短縮化されるに従い、図33のステップ107の受信判定処理に要する演算時間が相対的に大きくなるからである。
【0026】
図34の受信判定処理(ステップ115)がステップ103とステップ109、ステップ104とステップ105、ステップ114とステップ116から構成される多重ループに囲まれているため、送信点から放射するレイの総数、経路区間の総数すなわち反射・透過の総数、受信点の総数のいずれかが増加すると受信判定処理に要する全体の演算時間の増加を引き起こす。具体的には、解析領域内部の受信点の総数をP、反射・透過の総数の上限をN、送信点から放射するレイの総数をW、1回の受信判定に要する演算時間をδ2 とすると、受信判定処理に要する全体の演算時間T2 は、
T2 =PW(2N+1 −1)δ2 ……(2)
で表される。
【0027】
伝搬推定に要する演算時間T3 は、(1)式の経路追跡に要する演算時間T1 と(2)式の受信判定処理に要する演算時間T2 との和として、おおよそ、
T3 =W(2N+1 −1)(Mδ1 +Pδ2 )……(3)
と表すことができる。
【0028】
(3)式から分かるように、経路追跡処理の高速化を図ってMδ1 を低減するにつれて、伝搬推定に要する演算時間T3 は受信判定処理に要する全体の演算時間T2 に漸近していき、最終的にはその値で下げ止まる。一方、受信判定に要する演算時間を抑えるために受信点の総数を削減すると、観測領域全体の伝搬特性を精度良く一覧することが困難となる問題点がある。その理由は、観測領域全体の伝搬特性を一覧する目的で受信点を観測領域内部に格子状に配置した場合に、全体の受信点数を削減すると個々の格子間隔が開いてしまい、局所的な伝搬特性の傾向を知ることが困難となるからである。
【0029】
本発明の目的は、ラウンチング法において推定精度を劣化させることなく所要推定時間を短縮化するレイの受信判定方法並びにシステム及びそれを用いた電波伝搬特性推定方法を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、観測領域内に与えられた電波線(レイ)の経路を予測し、前記レイの、前記観測領域内に予め配置された受信点に対する受信判定処理を行うようにしたレイの受信判方法であって、前記観測領域内に配置された受信点を単数もしくは複数の受信点毎にグループ化し、前記受信判定処理をなす必要のある受信点を含む受信点グループに対して前記受信判定処理をなすことを特徴とするレイの受信判定方法が得られる。
【0031】
本発明によれば、観測領域内に与えられた電波線(レイ)の経路を予測し、前記レイの、前記観測領域内に予め配置された受信点に対する受信判定処理を行うようにしたレイの受信判定システムであって、前記観測領域内に配置された受信点を単数もしくは複数の受信点毎にグループ化するグループ化手段と、前記受信判定処理をなす必要のある受信点を含む受信点グループに対して、前記受信判定処理をなす受信判定手段とを含むことを特徴とする受信判定システムが得られる。
【0032】
本発明によれば、観測領域内に与えられた電波線(レイ)の経路を予測し、前記レイの、前記観測領域内に予め配置された受信点に対する受信判定処理を行うようにしたレイの受信判方法をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、前記観測領域内に配置された受信点を単数もしくは複数の受信点毎にグループ化し、前記受信判定処理をなす必要のある受信点を含む受信点グループに対して前記受信判定処理をなすことを特徴とするコンピュータ読取り可能なプログラムが得られる。
【0033】
本発明は、観測領域内の受信点を複数の受信点ごとにグループ化し、なおかつ規模の大きな受信点グループがより小規模の複数の受信点グループを内包する構造が形成されるように受信点に対して階層的なグループ化処理を行い、異なる階層間の受信点グループの包含関係や受信点グループに含まれる受信点などの構造情報を事前に構築する構成を有することを第1の特徴とする。
第1の特徴で構築された受信点グループの構造情報を用いて、受信判定処理を必要とする受信点を内部に含む受信点グループのみを残す絞込み処理を観測領域内部の受信点グループに対して行う構成を有すること、さらに、第1の特徴で構築された階層構造情報を参照しながら、規模の大きな受信点グループから規模の小さな受信点グループに向かって逐次遷移させて絞込みを段階的に行う動作を示すこと、さらに、最終的に絞り込まれた受信点グループに含まれる受信点に対してのみ受信判定処理を適用する構成を有することを第2の特徴とする。
【0034】
本発明は、第2の特徴における受信点グループの絞込み判定を、受信点グループを規定する領域を内包する領域と、レイ近傍に規定された領域との交差判定によって行い、この判定演算で受信点グループに含まれる受信点をまとめて除外する構成を有し、なおかつ最終的にレイに受信される受信点が従来手法による判定で得られる結果と変わらない構成を有することを第3の特徴とする。
【0035】
本発明は、第2の特徴における受信点グループの絞込み判定を、観測領域内で同一階層に属する受信点グループを一巡するまで各受信点グループに逐次適用し、その後、より小規模の受信点グループから成る次の階層に移行して、同様に同一階層内部で絞り込み判定の対象となる受信点グループを一巡するまで該絞込み処理を各受信点グループに適用するように動作させることを第4の特徴とする(図3、図4)。
【0036】
本発明は、第2の特徴における受信点グループの絞込み判定を、まず観測領域内の1つの受信点グループに対して適用し、次にその受信点グループに内包されるより小規模の受信点グループを次の階層から1つ選択して該絞込み判定を適用し、順次階層を移りながら最終的に分割できない受信点グループの階層まで到達した段階で、受信判定処理を該受信点グループが内包する受信点に対して適用し、その後、1段上の階層で未選択の受信点グループに対して受信点グループの絞込み判定を適用する、というように絞込み処理を再帰的に動作させることを第5の特徴とする(図3、図26)。
【0037】
本発明の第1から第5の特徴により、受信判定で明らかに除外される受信点群は、簡単な判定演算によってこれを内包する受信点グループ単位でまとめて除外することができる。これにより、観測領域内に配置された全ての受信点に対して演算負荷が同じ受信判定を逐次適用する従来の方式と比較して、演算量の多い受信判定演算を実施する受信点の総数を削減することができるので、全体の演算時間を抑えることができる。
【0038】
本発明は、第3の特徴における受信点グループを規定する領域を内包する領域として受信点グループに外接する球を利用する構成を有することを第6の特徴とする。この構成に従うと、少数の点と直線との距離判定を主な構成要素とする簡単な判定演算で受信点グループの絞込みを行うことができるため、受信点グループの絞込み処理を高速に行うことができる。
【0039】
本発明は、受信点が平面格子状に与えられ、なおかつ受信点グループを規定する領域を内包する領域として受信点グループに外接する球を利用する場合に、第1の特徴における受信点の階層グループ化処理において、最も外側に並ぶ格子点が長方形を形成するとき、その2辺に並ぶ受信点(以下、最外郭受信点)の数をa (aは1以上の整数、nは0を含む整数)の和に分解し、分解によって生じたa の各因子を最外郭受信点の数とする正方形領域を新たに生成した後、これらの正方形領域のうち、より面積の大きな領域をできるだけ多く当該観測点領域内部に敷き詰め、さらに、敷き詰められた各正方形領域を面積が同じa 個の正方形領域に逐次分割することによって受信点の階層グループを構築する構成を有することを第7の特徴とする。この構成に従うと、平面格子状に与えられた任意の個数の受信点を容易に階層グループ化することができる。
【0040】
本発明は、第2の特徴における受信点グループの絞込み判定を、受信判定の対象となるレイの両端に位置する各障壁をそれぞれ含む2つの無限平面に挟まれた領域と受信点グループを規定する領域との交差判定により行う構成を有することを第8の特徴とする。この構成に従うと、受信点グループを規定する領域が頂点数の少ない多面体もしくは多角形であり、なおかつ該障壁の間隔が狭い場合に、受信点グループを規定する領域を内包する領域とレイ近傍に規定された領域との交差判定を併用する場合と比べて、より簡単な判定演算で同程度の受信点グループの絞込み効果を実現できる。
【0041】
本発明は、第2の特徴における受信点グループの絞込み判定において、受信点グループをより小規模の受信点グループに分割するか否かを判断する際に、事前に定義したコスト関数の値を考慮して行う構成を有することを第9の特徴とする。この構成に従うと、状況に応じて適宜コスト関数を定義することにより、希望する任意の階層で受信点グループの分割を終えて内包受信点の受信判定に移行することができ、柔軟かつ効率のよい受信判定処理を実現できる。
【0042】
本発明は、第3の特徴における受信点グループを内包する領域として、図29のように、単数もしくは複数の平面で分断される領域の組み合わせにより規定される領域を用いる構成を有することを第10の特徴とする。この構成に従うと、図16のように受信点グループを規定する領域を内包する領域として外接球を用いた場合に生じうる、受信点が存在しない空白領域を減らすことができるため、受信点グループ内の受信点とレイとの不要な受信判定演算を減らすことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。図1と図2はそれぞれ本発明によるラウンチング法の初期化処理と受信判定処理の実施形態を示す流れ図である。図1の処理は図33のステップ102に相当し、図2の処理は図33のステップ107に相当する。
【0044】
図1の初期化処理では、まず、従来手法どおりに観測領域内部の地形や障害物等の構造情報を蓄える記憶領域と、受信点の伝搬特性情報を蓄える記憶領域の初期設定を行い(ステップ201)、続いて、送信点から放射する各レイの放射方向ベクトルを計算する(ステップ202)。その後、観測領域内の受信点を複数の受信点ごとにグループ化する。このとき、規模の大きな受信点グループがより小規模の複数の受信点グループを内包する構造が形成されるように階層的なグループ化処理を行う。そして、異なる階層に属する受信点グループ間の包含関係等の構造情報を記憶領域に格納する(ステップ203)。
【0045】
図2の受信判定処理では、まず、事前に規定した判定基準に従い、ステップ115の判定を適用する必要のない受信点のみを含む受信点グループを除外する(ステップ204)。このとき、受信点グループの除外判定は、受信点グループに含まれる全ての受信点に対してステップ115の判定を適用した場合の演算負荷の総和よりも負荷の小さな演算で行えるケースが、伝搬推定全体を通して多く生じるように規定される。次に、最終的に絞り込まれた受信点グループに含まれる受信点に対してのみ当該経路区間上のレイとの受信判定を適用する(ステップ205、115、116)。この判定で受信されると判定された受信点については受信電界強度と伝搬遅延時間の計算を行い、結果を記憶領域に格納する(ステップ117、118)。
【0046】
以下、本発明におけるラウンチング法の初期化処理と受信判定処理の詳細について図面を参照しながら説明する。図3と図4はそれぞれ初期化処理と受信判定処理の動作例を示す流れ図である。
【0047】
最初に、初期化処理について図3を参照しながら詳細に説明する。まず、観測領域内部の構造情報を蓄える記憶領域と受信点の伝搬特性情報を蓄える記憶領域の初期設定(ステップ201)、ならびに送信点から放射するレイの方向ベクトルの計算を従来手法どおりに行う(ステップ202)。次に、ステップ701で本発明による受信点の階層グループ化処理を行い、その構造情報Dを記憶領域に格納する。このとき階層グループ化処理によって生成された第i層の受信点グループは第i+1層の受信点グループを内包するものとする(iは1以上の整数)。
【0048】
ステップ701の次に、ステップ702で内部変数iを1に設定した後、ステップ703で第1層の受信点グループを要素とする作業用の集合A1 を設け、A1 を空集合に初期化し、構造情報Dを検索して第1層(観測領域直下の階層)に属する受信点グループを全て抽出し、集合A1 に加える(ステップ704)。
【0049】
次に、受信判定処理について図4を参照しながら詳細に説明する。まず、ステップ705で第i+1層の受信点グループを要素とする作業用の集合Ai+1 を空集合に初期化した後、集合Ai から受信点グループri を一つ選択し(ステップ706)、この受信点グループri が事前に規定された受信判定の除外条件を満たすか否かの判定を行う(ステップ707)。ここで、受信判定の除外条件を満たすと判定された場合は選択した受信点グループri を捨てて、新たな受信点グループri を選択するためにステップ710で集合Ai に未選択の受信点グループが存在するか否かの判定を行う。この判定で未選択の受信点グループが存在すると判定された場合にはステップ706に戻って新たな受信点グループriを選択する。
【0050】
一方、ステップ707の判定で受信点グループri が受信判定の除外条件を満たさないと判定された場合は引き続き受信判定の処理を行う。まず、ステップ708で受信点グループri が事前に規定された分割条件を満たすか否かの判定を行い、この分割条件を満たすと判定された場合にはステップ709で構造情報Dを検索して受信点グループri 配下で第i+1層に属する受信点グループを全て抽出し、集合Ai+1 に加える。逆に、受信点グループri が分割条件を満たさないと判定された場合は、図33のステップ112で選択された区間上のレイが受信点グループri 内部の各受信点に受信されるか否かの判定を順次行い(ステップ713、115、116)、受信される場合には電界強度と伝搬遅延時間の計算を行い(ステップ117)、その結果を記憶領域へ格納する(ステップ118)。以上の処理を、ステップ711で受信点グループの階層を逐次遷移させながら繰り返し、ステップ712で集合Ai が空集合になった時点、すなわちステップ705で用意した集合に対してステップ709で要素の格納が全く行われなかった時点で受信判定処理を終える。
【0051】
図5は受信点を階層グループ化して構造情報Dを生成する処理(ステップ701)の実施形態の一例を示す流れ図である。まず、ステップ801で内部変数iを0に設定した後、ステップ804で観測領域の構造情報を格納する記憶領域を確保する。次に、観測領域内部の部分領域を要素とする作業用の集合Bi (i=0,1,…)を設け、各集合を空集合に初期化した後、B0に観測領域を格納する(ステップ802)。ステップ803では集合Bi から未選択の領域di を一つ選択し、領域di を内包する領域を規定するパラメータを事前に定められた方法に従って計算し(ステップ805)、結果を領域di の構造に関する記憶領域へ格納する(ステップ806)。
【0052】
ステップ807では選択した領域di が事前に規定した分割条件を満たすか否かの判定を行い、条件を満たす場合には領域di を事前に規定した方法に従い複数の部分領域に分割し(ステップ808)、新たに生成された領域を集合Bi+1 へ格納する(ステップ809)。続いて、部分領域の構造情報を格納する記憶領域を、新たに生成された領域の個数だけ新規に確保し(ステップ810)、確保した記憶領域のアドレスを領域di の構造情報を格納する記憶領域へ登録する(ステップ811)。その後、ステップ812でiの値を1だけ増加させ、ステップ803へ戻る。
【0053】
一方、ステップ807で選択した領域di が分割条件を満たさないと判定された場合には、領域di 内部に含まれる各受信点に対して当該受信点の情報を格納する記憶領域のアドレスを領域di の構造情報を格納する記憶領域へ登録する(ステップ813)。次に、ステップ814で集合Bi の要素を全て選択したか否かの判定を行い、未選択要素が残っている場合にはステップ803へ戻り、全て選択した場合には集合Bi を空集合に初期化し(ステップ815)、変数iの値を1だけ減算し(ステップ816)、iが0より大きな場合はステップ803へ戻り、iが0以下である場合は受信点の階層グループ化処理を終える(ステップ818)。
【0054】
図6は図5の受信点階層グループ化処理によって生成される部分領域の構造情報の一例を示す図である。図6に示す図表904と図表905はいずれも分割によって生成される第i層のj番目の部分領域dijに関する構造情報Dijを構成するパラメータを示しており、図表904は第i+1層が階層の末端に位置する受信点の層ではない場合を示し、図表905は第i+1層が受信点の層である場合を示している。図表904の構造情報Dijは、第i層のj番目の部分領域dijを内包する領域を規定するパラメータ、領域dijの配下にある第i+1層の部分領域の総数mijと、領域dijの配下にある第i+1層の部分領域の構造情報を格納するmij個の記憶領域のアドレス群から構成されている。
【0055】
一方、図表905の構造情報Dijは、第i層のj番目の部分領域dijを内包する領域を規定するパラメータ、領域dijの配下にある第i+1層の受信点の総数mijと、領域dijの配下にある第i+1層の受信点情報を格納するmij個の記憶領域のアドレス群とから構成されている。部分領域の構造情報と受信点情報は、図5の受信点階層グループ化処理の中で情報を格納する記憶領域のアドレスが登録されることにより、図7の構造901に示すような情報の階層構造を形成する。
【0056】
図5のステップ808で取り扱う部分領域の形態と、図5のステップ805で取り扱う部分領域を内包する領域の形態には様々な候補が考えられる。しかし、実際には図4のステップ707における受信点グループの除外判定をできるだけ効率よく実施できる形態を選ぶ必要がある。そのためには、部分領域を内包する領域は部分領域を用いて除外判定を行う場合よりも小さな演算量で除外判定を実現できる形態である必要があり、部分領域は自身を内包する領域との差分ができるだけ小さい形態である必要がある。このように、部分領域とそれを内包する領域との間には相互に制約関係が存在する。本実施例では、部分領域を内包する領域として、部分領域を内包する半径最小の球(外接球)を使用し、観測領域の部分領域に立方体を使用した場合について以下詳細に説明を行う。この場合、ステップ805で計算する外接球の領域を規定するパラメータは外接球の中心座標と半径である。
【0057】
まず、図5のステップ808において領域を複数の部分領域に分割するアルゴリズムの一例として、図8のように観測領域の水平断面である平面領域1001上へ格子状に受信点1002が配置された場合について詳細に説明する。ただし、理解を容易にするため、最初は領域1001の内部で最も外側に並ぶ格子点が形成する形を正方形と仮定し、その正方形の1辺に並ぶ受信点(以下、領域の最外郭受信点)の数が2(nは0を含む正の整数)の形式で表現できる場合に限る。この場合は、元の領域を互いに大きさが等しい4つの正方形領域に分割する。
【0058】
例えば、図8の場合は最外郭受信点の数が8(=2)個なので、最外郭受信点の数が4(=2 )個である4つの正方形領域(領域1003〜領域1006)で図9のように部分領域に分割する。こうして生成された4つの部分領域によってグループ化される、観測領域直下に属す4つの受信点グループを第1層の受信点グループとする。以下、同様に、図9の各部分領域を図10のように第2層の受信点グループに分割し、最終的に部分領域の内部に受信点が1点しか含まれなくなった時点で分割処理を終える(図11)。
【0059】
次に、より一般的な場合として、図12のように観測領域の水平断面領域1007の内部で最も外側に並ぶ格子点が形成する形が長方形である場合の領域分割について述べる。このとき、最外郭受信点は長方形を成す2辺に対してそれぞれ定義され、その数はいずれも1以上の任意の整数をとりうるものとする。
【0060】
この場合は、まず最外郭受信点の数を2 (nは0を含む正の整数)の和に分解する。例えば、図12の場合は最外郭受信点の数が10と11なので、各々、10=2 +2 と11=2 +2 +2 とに分解できる。次に、分解によって生じた2 の各因子(この例の場合は、2 ,2 ,2 の3種類)から、この因子を最外郭受信点の数とする正方形領域を生成する。その後、より面積の大きな正方形領域をできるだけ多く敷き詰めるように、当該領域の左上から順に生成した正方形領域を敷き詰めると図13のように観測領域を分割できる。観測領域の水平断面が長方形の場合は、このように各正方形領域によってグループ化される受信点グループを第1層の受信点グループとする。
【0061】
こうして生成された第1層の受信点グループを規定する各領域は、最外郭受信点の数が2 個である正方形領域であるため、第2層以下は観測領域の水平断面が正方形の場合に述べた方法に従って、逐次領域分割を実施できる。最外郭受信点の数を2 の和に分解する上記の方法は、より一般的にはa (aは1以上の整数、nは0を含む正の整数)の和に分解する方法に拡張できる。例えば、a=3の場合は、図12の領域1007は図14のような第1層の受信点グループに分割でき、さらに図15のように第2層の受信点グループに分割できる。ただし、図14の中で内部に単一の受信点しか含まない受信点グループはこれ以上分割できないので、図15では内部に9個の受信点を含む受信点グループのみが第2層の受信点グループとなる。
【0062】
図16は、ステップ706において選択された受信点グループを引き続き受信判定の対象として保持するか否かの判定(ステップ707)の一例を説明するための図である。従来方法では、レイの近傍に規定された領域に1受信点が含まれるか否かによって受信判定を行っていた。この処理は、例えば非特許文献3の方法に従えば、円錐と点の包含判定に帰着されるため、受信点を含みレイを法線とする平面で円錐を切断した場合の断面の円の半径と、受信点とレイの垂直距離との大小関係で判定することができた。
【0063】
一方、本発明によるラウンチング法では、レイの近傍に規定された領域と受信点との包含判定を行う前にレイの近傍に規定された領域と受信点グループを規定する領域との交差判定を行う必要がある。この判定は3次元空間における2領域の交差判定であるため、点と線との距離判定で済む従来手法に比べると取り扱いが難しい。さらに、受信判定の高速化を達成するためには、この交差判定に要する演算負荷は当該受信点グループに含まれる全ての受信点に対してステップ115の判定を行った場合の演算負荷の総和よりも小さくなければならない。
【0064】
本実施例では、レイの近傍に規定された領域と受信点グループを規定する領域との交差判定に、外接球を利用する場合について図面を参照しながら詳細に説明する。図16は外接球を利用したステップ707の判定を説明する図である。平面1101と平面1102は観測領域内部に設置された障壁であり、レイ1103が平面1101を透過もしくは平面1101で反射して平面1102へ入射する様子を示している。レイ1103の近傍には図39に示したようにレイに対する垂直断面が多角形となる領域が規定されており、図16にはこの領域に外接する円錐の一部(部分円錐)1104が示してある。受信点グループを規定する領域1107には点1105を中心とする外接球1106が設けられており、このような構成を採用することによってステップ707の判定は外接球1106と部分円錐1104の交差判定に帰着させることができる。すなわち、外接球1106と部分円錐1104が交差しない場合は、領域1107内部の受信点は決して部分円錐1104に包含されることはないため、このような場合は領域1107にて規定される受信点グループはステップ707で除外される。
【0065】
以下、外接球を用いた場合のステップ707の判定を図面を参照しながら詳細に説明する。部分円錐1104と外接球1106の交差判定は平面1101を含んだ無限平面と平面1102を含む無限平面で挟まれた領域と外接球1106との交差判定と、部分円錐1104に外接する円錐と外接球1106との交差判定の2段階に分けることができる。交差判定の順序は、除外可能な受信点グループを演算負荷のより小さな判定で、できるだけ多く除外できるように、平面1101を含んだ無限平面と平面1102を含む無限平面で挟まれた領域との交差判定を最初とし、部分円錐1104に外接する円錐と外接球1106との交差判定を後とした。図17はこれらの判定処理を示す流れ図である。さらに、図18はこれらの判定原理を説明する図であり、レイ1103を含む平面のうち外接球の中心1105を通る平面1111で部分円錐1104と外接球1106を切断した断面を示している。
【0066】
図17の処理では、まず、平面1101を含んだ無限平面と平面1102を含む無限平面で挟まれた領域と外接球1106との交差判定を行うために、外接球の中心1105が平面1101を含む無限平面に対してレイ1103と同じ側にあるか否かの判定を行う(ステップ1211)。同じ側にあると判定された場合には、同様に外接球の中心1105が平面1102を含む無限平面に対してレイ1103と同じ側にあるか否かの判定を行い(ステップ1212)、ここでも同じ側にあると判定された場合には、ステップ1205へ進む。
ステップ1211で同じ側にないと判定された場合には、外接球の中心1105と平面1101を含む無限平面との垂直距離q1 を計算し(ステップ1201)、図3のステップ701で生成した受信点グループの階層構造情報の記憶領域から外接球の半径rを検索し、q1 とrの大小関係を比較する(ステップ1202)。q1 がrよりも大きな場合は、除外判定の判定結果として、値YESを返し(ステップ1210)、q1 がr以下の場合はステップ1205へ進む。
ステップ1212で同じ側にないと判定された場合には、外接球の中心1105と平面1102を含む無限平面との垂直距離q2 を計算し(ステップ1203)、生成した受信点グループの階層構造情報の記憶領域から外接球の半径rを検索し、q2 とrの大小関係を比較する(ステップ1204)。q2 がrよりも大きな場合は、除外判定の判定結果として、値YESを返し(ステップ1210)、q2 がr以下の場合はステップ1205へ進む。
【0067】
ステップ1205では、部分円錐1104に外接する円錐の頂点1108と外接球の中心1105の間の距離sを計算し、半径rとの大小関係を比較する(ステップ1206)。sがr未満である場合は、判定結果として値YESを返し(ステップ1210)、sがrよりも大きな場合には、外接球の中心1105とレイ1103の間の垂直距離mを計算する(ステップ1207)。
【0068】
ここで、外接球1106が部分円錐1104に外接する場合のmの値は、
L(s,θ,r)=rcos θ+(s −r1/2 sin θ……(7)
なる式の関数L(s,θ,r)を用いて計算することができるため、mと関数L(s,θ,r)の値の大小関係を比較することによって外接球と部分円錐の交差判定を行うことができる(ステップ1208,1209,1210)。ただし、パラメータθは外接円錐の中心軸と母線の成す角であり、これは隣接するレイの放射角度間隔から求めることができる。
【0069】
この除外判定法は、主に点と直線もしくは点と平面の距離計算という単純な計算から構成されており、なおかつ外接球の中心点のみが距離判定の計算対象であるため、判定に必要な演算負荷を抑えることができる点に特徴がある。さらに、この除外判定法は、ステップ1202,1204,1206,1208による段階的な判定によって値YESを返す事象の判定をできる限り早く終えることで、無駄な計算を省く点にも特徴がある。
【0070】
以下、受信点グループに関する前記階層グループ化方法と、外接球による前記受信点グループの除外判定方法を用いた場合の本発明の受信判定処理の動作について図面を参照しながら具体的に説明する。図19は、平面領域1001上へ格子状に受信点が配置された場合における本発明の受信判定処理の動作を説明する図である。なお、この図は、レイ1303が平面1001上を伝搬し、障壁1305で透過もしくは反射して障壁1306に入射する場合を示している。領域1304はレイ1303を中心軸とする円錐が障壁1305と障壁1306によって切断された部分円錐の平面1001による切断面である。
【0071】
本発明の方法に従うと、まず、平面領域1001は第1層の受信点グループを規定する領域1003〜1006に分割され、対応する受信点グループごとに除外判定が適用される(図20)。領域1003によって規定される受信点グループは除外条件を満たすため除外され、領域1004〜1006によって規定される受信点グループは除外条件を満たさないため、これらは第2層の受信点グループに分割された後、再び除外判定が適用される(図21)。なお、この図では除外された受信点を白抜きの点、受信判定中の受信点を灰色の点で示してある。
【0072】
第2層の受信点グループのうち除外条件を満たさない受信点グループはさらに第3層の受信点グループに分割された後、再び除外判定が適用される(図22)。この例の場合は、第3層の受信点グループには受信点が1点しか含まれていないので、第4層の受信点グループへは分割されず、第3層の受信点グループに対する除外条件を満たさない受信点グループ内の受信点へはいずれもステップ115の受信判定が適用される(図23)。以上の処理によって、領域1304に含まれる受信点がすべて抽出される(図24)。この動作例から明らかなように、本発明による受信判定処理を用いると領域1304に含まれない受信点が簡単な判定によって受信点グループ単位でまとめて除外されるため、従来の手法に比べて判定に要する演算負荷を小さく抑えることができる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。第1の実施例ではステップ708の受信点グループの分割条件の一例として、ステップ708の判定時に受信点グループが複数の受信点を含んでいるか否かという条件を挙げた。これに対して、第2の実施例では、受信点グループを分割するか否かの判定を行う場合に、受信判定処理全体の演算効率を考慮して事前に規定したコスト関数g(・)を新たに導入する。
【0074】
本発明による受信判定処理の効率は、ステップ115の受信判定処理に到達した受信点の総数(N1 )と、受信判定処理を終えるまでにステップ707の除外判定を受ける外接球の総数(N2 )、ならびに観測領域内部に存在する受信点の総数(N3 )からおおよそ知ることができる。ステップ707の除外判定1回あたりの計算時間をδ3 、ステップ115の受信判定1回あたりに要する計算時間をδ4 とすると、本発明による受信判定処理に要する計算時間T4 はおおよそ、
T4 =N1 ・δ4 +N2 ・δ3
なる式で求めることができる。
【0075】
一方、従来型の受信判定処理に要する計算時間T5 はおおよそ、
T5 =N3 ・δ4
なる式で求めることができる。実際の環境では多くの場合、T4 <T5 となるので、本発明による受信判定処理は従来型の方法に比べて効率がよい。しかし、本発明による受信判定処理は、観測領域に対して図19の領域1304の占める割合が大きくなるとN2 が増大し、本発明に固有の演算コストである“N2 ・δ3 ”が増大する。領域1304は一般にレイの伝搬距離が増えると広くなるため、本発明による受信判定処理の演算量削減効果は、一般にレイの伝搬距離が増えるに従って減少する傾向を示す。
【0076】
そこで、本発明による受信判定処理の効率が従来型の受信判定処理の効率を下回らないように、
Figure 2004193912
なる式で規定されるコスト関数g(・)を導入する。この場合は、コスト関数の値が小さなほど従来型の方法に比べて本発明による方法のほうが効率が良いことを意味する。
【0077】
図25はこのコスト関数を用いた受信判定処理の流れ図である。ステップ107には本発明による図4の方法を用いる。ただし、図4のステップ708における受信点グループの分割判定の条件には、「現在の階層が事前に定めた分割階層の上限以下or受信点グループが複数の受信点を含んでいる」いう判定条件を用いる。図25と図33との違いはステップ112とステップ105で囲まれた受信判定部分である。まず、ステップ112で経路区間を選択した後、当該経路区間が送信点から放射された直後の区間か否かの判定をステップ120で行う。この判定条件を満たす場合は、ステップ121で分割階層の上限値を当該観測領域において分割可能な最大の階層に設定する。続いて、ステップ107で分割階層の上限値を用いた当該区間の受信判定を行う。
【0078】
ステップ107では、各階層で分割を停止した場合のN1 、N2 を分割階層の上限に達するまで記録し続け、それらの値とN3 の各値を(8)式に代入して受信点グループの分割を各階層で停止した場合のコスト関数の値をステップ122で求める。その後、それらのコストの中で最小値をとる階層を探索し、その階層を分割階層の上限値に設定する(ステップ123)。以上の処理を経路追跡の終了条件を満たすまで続ける(ステップ105)。ただし、経路を更新する過程で、分割階層の上限値が局所的な最小値に停留してしまうのを避けるために、分割階層の上限値が同じ値をQ回続けてとった場合は、上限値を初期値に再設定する(ステップ120、121)。Qの具体的な値は実際の環境で何度か試行して経験的に定める。
【0079】
本実施形態のように、図4のステップ708における受信点グループの分割判定にコスト関数を導入すると、状況に応じて適宜コスト関数を定義することにより、希望する任意の階層で受信点グループの分割を停止し、内包する受信点の受信判定に移行することができるため、柔軟で効率のよい受信判定処理を実現できる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。第1の実施形態における受信判定処理では同一階層に属する受信点グループに対して一括してステップ707の除外判定を行っていた。これに対して、第3の実施例では、選択した受信点グループがステップ707の除外判定を満たさないと判定された直後に、その受信点グループ配下で次の階層に属する受信点グループの中から受信点グループを一つ選択し、ステップ707の除外判定を適用する。このような再帰的な構成に従った受信判定処理を図26に示す。パラメータの初期化処理は図3と同じである。
【0081】
第3の実施形態では、図3のパラメータ初期化を実施した後、まずステップ706で集合Ai から未選択の受信点グループri を1つ選択する。次に、この受信点グループri が事前に規定された受信判定の除外条件を満たすか否かの判定を行う(ステップ707)。ここで、除外条件を満たすと判定された場合は選択した受信点グループri を捨てて、新たな受信点グループri を選択するためにステップ710で集合Ai に未選択の受信点グループが存在するか否かの判定を行う。この判定で未選択の受信点グループが存在すると判定された場合には、ステップ706へ戻って新たな受信点グループri を選択する。
【0082】
一方、ステップ707の判定で受信点グループri が受信判定の除外条件を満たさないと判定された場合は、引き続き受信判定の処理を行う。まず、ステップ708で受信点グループri が事前に既定された分割条件を満たすか否かの判定を行い、この分割条件を満たすと判定された場合には、ステップ709で構造情報Dを検索して、受信点グループri 配下で第i+1層に属する受信点グループを全て抽出し、集合Ai+1 に加えた後、ステップ717で次の階層に遷移し、ステップ706以下の処理を適用する。
【0083】
逆に、受信点グループri が分割条件を満たさないと判定された場合には、図29のステップ112で選択された区間上のレイが受信点グループri 部の各受信点に受信されるか否かの判定を順次行い(ステップ713,115,116)、受信される場合には電界強度と伝搬遅延時間の計算を行い(ステップ117)、その結果を記憶領域へ格納する(ステップ118)。以上の処理を、観測領域の階層から局所的に階層を上下に遷移させながら繰り返し(ステップ715、717)、最終的に集合A1 の要素を全て選択し終わった段階で受信判定処理を終える(ステップ716,119)。上記第3の実施形態に従った場合、第1の実施形態と同じ効果を達成することができる。
【0084】
次に、本発明の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。第1の実施形態では、図17のステップ1201〜ステップ1204とステップ1211、ステップ1212からなる判定の直後に部分円錐を利用したステップ1205〜ステップ1208の判定を行っている。これに対して、第4の実施形態では図27に示すように、ステップ1205〜ステップ1208の判定を省いた構成になっている。レイの経路区間を構成する障壁の間隔が狭い場合には、障壁に挟まれた領域内の受信点数が少ないため、観測領域内の大部分の受信点はステップ1201〜ステップ1204とステップ1211、ステップ1212からなる判定で除外され、なおかつその除外は受信点グループ単位で行われる。従って、図27の構成を用いたとしても、従来技術による受信判定処理の高速化できる。
【0085】
これまでに記載した第1〜第3の実施の形態では、受信点グループを規定する領域と部分円錐との交差判定を容易に行うため、受信点グループを規定する領域に対する外接球を新たに設け、受信点グループを規定する領域と部分円錐との交差判定を外接球と部分円錐の交差判定に帰着させていた。しかし、第4の実施形態では部分円錐との交差判定を行う必要がないため、受信点グループを規定する領域が多面体もしくは多角形である場合には、外接球を設けずに受信点グループを規定する領域と障壁を含む無限平面との交差判定を直接行っても従来技術による受信判定処理を高速化できる。この場合、多面体もしくは多角形を構成する頂点と平面の位置関係を比較するだけで容易に交差判定を実現できる。
【0086】
具体的には、障壁を含む平面F上に任意の点Pを取り、点Pを端点とする平面Fの法線ベクトルと、点Pと多面体もしくは多角形の頂点を結ぶベクトルの内積を多面体もしくは多角形の各頂点について計算する。計算された内積の符号が全て一致している場合は受信点グループを規定する領域と障壁は交差しておらず、完全には一致しない場合には受信点グループを規定する領域と障壁は交差している。このように、受信点グループを規定する領域を内包する領域を用いない受信点グループの除外判定方法は、特に、受信点グループを規定する領域を成す多面体もしくは多角形の頂点数が受信点グループに含まれる受信点数に比較して少ない場合に、受信判定処理の高速化に大きく寄与する。
【0087】
次に、本発明の第5の実施の形態について図面を参照して説明する。第1の実施形態では2次元平面に格子状に並んだ受信点を正方形の領域で受信点グループに分割した。これに対して、第5の実施形態では、正方形以外の分割方法を適用する。その一例を図28に示す。図28は大きさの異なる三角形を用いて部分的に階層分割を施した領域の分割例を示している。特に、三角形による分割と第4の実施形態と併用した場合には多角形の頂点数が少ないために効率のよい除外判定を実現できる。
【0088】
このように、観測領域内部の受信点の階層グループ化は任意の形状の部分領域によって行うことが可能であり、四角形と三角形の組み合わせ等、異なる形状の部分領域を組み合わせて階層グループ化を行ってもよい。また、分割・階層化を行う際の階層の最大数も観測領域の場所ごとに不均一に設定してもよい。さらに、第1の実施例では受信点が2次元平面上へ格子状に並んだ場合について取り上げたが、受信点を階層グループ化する本発明の受信判定処理は、受信点が2次元平面上へ不均一に並んでいる場合も有効である。さらに、本発明による受信判定処理は3次元空間内に受信点が不均一に配置された場合でも有効である。
【0089】
第1の実施例では、観測領域内部に受信点が格子状に配置された場合に受信点グループを規定する領域を簡単に求める方法の一例を示した。しかし、一般的には、受信点グループを規定する領域は、自身を内包する領域との差分ができるだけ小さく、同じ階層に属する各領域の内部に含まれる受信点の総数ができるだけ均等で、なおかつ第1層の受信点グループの総数ができるだけ少なく、さらに隣接する階層間で受信点グループの総数に極端な差が生じない、という基準に沿うように規定されるのであれば、いかなる形態の領域でも構わない。
【0090】
例えば、屋内環境の伝搬評価を行う場合には水平な床面に沿って受信点を配置する場合が多いため、一般に2次元平面状に受信点が並ぶ場合が多いが、屋外環境において地形の起伏に沿って受信点を配置した場合などは、3次元空間上に不均一に受信点が配置される場合がある。このように、3次元空間に不均一に受信点が配置される環境においても、各階層に属する受信点グループを前記基準に沿って定めれば本発明による受信判定処理を効果的に適用できる。
【0091】
次に、本発明の第6の実施の形態について図面を参照して説明する。第1の実施形態では受信点グル−プの除外判定に外接球を利用する方法について説明した。これに対して、第6の実施形態では受信点グループを規定する領域を内包する領域として外接球以外の領域を用いた除外判定方法を適用する。その一例を図29と図30に示す。図29は格子状に配置された受信点が三角形の領域1401でグループ化された場合を示す図である。本実施形態では、受信点グループの除外判定に領域1401の外郭辺に接する平面1402〜平面1404を利用する。図29は領域1401に垂直に接する平面1402〜平面1404を上から見た場合を示している。
【0092】
以下、図30を参照しながら除外判定の方法について説明する。図30は、レイ1453が障壁1451の点1455において透過もしくは反射した後、障壁1452の点1456へ入射する場合を示しており、レイを含む平面による断面図を示している。レイの近傍には部分円錐1454が設けられており、本実施形態による除外判定は平面1458によって二分される領域1459や領域1460と部分円錐1454との包含判定に帰着される。このとき、平面1458は、例えば、図29の平面1402〜平面1404ならびに領域1401を含む平面に相当する。図29のベクトル1405〜1407はそれぞれ平面1402〜平面1404に対して受信点グループの領域と反対の方向を向いた法線ベクトルである。
【0093】
本実施形態による除外判定では、まず、領域1401を含む平面と部分円錐1454の交差判定を行い、交差しない場合には当該受信点グループを受信判定処理から除外すると判定する。一方、交差すると判定された場合には、平面1402〜平面1404によって二分される各領域のうち、ベクトル1405〜1407の指し示す側の各領域に部分円錐1454を完全に包含する平面が平面1402〜平面1404の中に存在するか否かの判定を行い、1つでも存在する場合には当該受信点グループを受信判定処理から除外すると判定する。
【0094】
さらに、前記除外判定でいずれも除外すると判定されない場合には、図31のように三角領域1401の各頂点を通り平面1402〜1404に重ならない平面1410〜1412と、平面1410〜1412の法線ベクトルのうち領域1401と反対の側に向いたベクトル1413〜1415を新たに設け、部分円錐1454との同様な包含判定を繰り返し、いずれの判定においても除外すると判定されない場合にのみ、除外しないとの最終判定を下す。
【0095】
受信点グループの除外判定に外接球を用いる方法を、図29のように三角形によって規定される受信点グループに対して適用した場合、受信点グループを規定する領域と外接球との差分が大きいため、外接球の内部に受信点が存在しない空白領域が多く含まれる。そのため、本来は除外されるべき受信点グループが除外判定で除外されずに、受信点グループ内の受信点とレイとの不要な受信判定演算を行う場合が生じうる。これに対して、第6の実施形態に従うとこのような空白領域が生じないため、レイと受信点グループ内部の受信点との不要な判定演算を減らすことができるという効果がある。なお、こうした効果は第5の実施形態を適用した場合にも同様に得ることができる。
【0096】
図32は上述した各実施の形態の処理動作を実現するための機能ブロックを示す図である。図32を参照すると、受信点の階層グループ構築部1は、図1に示した受信点の階層グループを構築するステップ203の処理を実現するブロックであり、レイの追跡部2は、図33に示したレイの経路追跡処理ステップ104を実現するブロックである。受信点グループの絞込み部3は、図2の受信点グループの絞込みの処理ステップを実現するためのブロックであり、レイと受信点の受信判定部4は、図2の選択された区間上のレイが選択された受信点に受信されるかどうかを判定処理するステップを実現するためのブロックである。受信点の伝搬特性計算部5は、図2の受信電界強度と伝搬遅延時間を計算する処理ステップを実現するためのブロックである。
【0097】
制御部6はこれら各ブロック1〜5を制御するものであり、記録媒体7に記憶されているプログラムの動作手順に従って動作して各部の制御を行うものであって、CPU(コンピュータ)からなる。記録媒体7はRAM及びROMからなり、RAMはCPUの作業用メモリであり、ROMはプログラムを格納したものである。上記の各実施の形態における動作処理手順は、予めプログラムとしてこのROMに格納しておくことで、制御可能であることは明白である。
【0098】
【発明の効果】
以上述べた様に、本発明によれば従来方法に比べてラウンチング法における受信判定処理を、精度を劣化させることなく高速に行うことができるという効果がある。その理由は、従来の方法では観測領域内に配置された全ての受信点に対して演算負荷が同じ受信判定を逐次適用していたのに対し、本発明では、事前に受信点に対して階層グループ化を施し、受信判定で明らかに除外される受信点群を受信点グループ単位の簡単な判定演算によってまとめて除外するからである。これにより、従来方法の受信判定演算の適用を必要とする最終的な受信点の総数を従来方法に比べて削減することができ、全体の演算時間を抑えることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における初期化部の構成を示す流れ図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における受信判定部の構成を示す流れ図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における初期化部の動作の具体例を示す流れ図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における受信判定部の動作の具体例を示す流れ図である。
【図5】第1の実施の形態における受信点階層グループ化の動作の具体例を示す流れ図である。
【図6】第1の実施の形態における受信点グループの階層構造情報を示す図表である。
【図7】第1の実施の形態における受信点グループの階層構造情報間のつながりを示す図である。
【図8】第1の実施の形態における観測領域(正方形)を示す図である。
【図9】第1の実施の形態における受信点グループの第1層の分割プロセスを説明する図である。
【図10】第1の実施の形態における受信点グループの第2層の分割プロセスを説明する図である。
【図11】第1の実施の形態における受信点グループの第3層の分割プロセスを説明する図である。
【図12】第1の実施の形態における観測領域(長方形)を示す図である。
【図13】第1の実施の形態における受信点グループの第1層の分割プロセスを説明する図である(観測領域が長方形の場合)。
【図14】第1の実施の形態における受信点グループの第1層の分割プロセスの異なる方法を説明する図である(観測領域が長方形の場合)。
【図15】第1の実施の形態における受信点グループの第2層の分割プロセスの異なる方法を説明する図である(観測領域が長方形の場合)。
【図16】第1の実施の形態における外接球を用いた受信点グループの除外判定を説明する図である。
【図17】第1の実施の形態における受信点グループの除外判定の動作を説明する流れ図である。
【図18】第1の実施の形態における受信点グループの除外判定の原理を説明する図である。
【図19】第1の実施の形態における受信判定処理の具体的動作を説明する図である。
【図20】第1の実施の形態における受信判定処理の具体的動作を説明する図である。
【図21】第1の実施の形態における受信判定処理の具体的動作を説明する図である。
【図22】第1の実施の形態における受信判定処理の具体的動作を説明する図である。
【図23】第1の実施の形態における受信判定処理の具体的動作を説明する図である。
【図24】第1の実施の形態における受信判定処理の具体的動作を説明する図である。
【図25】第2の実施の形態における受信判定処理の動作を説明する図である。
【図26】本発明の第3の実施の形態における受信判定部の動作の具体例を示す流れ図である。
【図27】第4の実施の形態における受信点グループの除外判定の動作を説明する流れ図である。
【図28】第5の実施の形態における受信点グループの階層分割形態を示す図である。
【図29】第6の実施の形態における受信点グループの除外判定を説明する図である。
【図30】第6の実施の形態における受信点グループの除外判定を説明する図である。
【図31】第6の実施の形態における受信点グループの除外判定を説明する図である。
【図32】本発明の実施例の構成を示す概略機能ブロック図である。
【図33】ラウンチング法の処理の流れの概略を説明する図である。
【図34】従来技術のラウンチング法の受信判定部を示す流れ図である。
【図35】ラウンチング法の経路追跡処理を説明する図である。
【図36】送信点から放射するレイ集合を生成する従来技術を説明する図である。
【図37】送信点から放射するレイ集合を生成する従来技術を説明する図である。
【図38】送信点から放射するレイ集合を生成する従来技術を説明する図である。
【図39】送信点から放射するレイ集合を生成する従来技術を説明する図である。
【符号の説明】
1 受信点の階層グループ構築部
2 レイの経路追跡部
3 受信点グループの絞り込み部
4 レイと受信点の受信判定部
5 受信点の伝搬特性計算部
6 制御部
7 記録媒体

Claims (27)

  1. 観測領域内に与えられた電波線(レイ)の経路を予測し、前記レイの、前記観測領域内に予め配置された受信点に対する受信判定処理を行うようにしたレイの受信判定方法であって、
    前記観測領域内に配置された受信点を単数もしくは複数の受信点毎にグループ化し、前記受信判定処理をなす必要のある受信点を含む受信点グループに対して前記受信判定処理をなすことを特徴とする受信判定方法。
  2. 規模の大きな受信点グループがより小規模の複数の受信点グループを内包する構造が形成されるように前記受信点に対して階層的なグループ化処理を行い、異なる階層間の受信点グループの包含関係及び受信点グループに含まれる受信点に関する情報から構成される階層構造情報を構築することを特徴とする請求項1記載のレイの受信判定方法。
  3. 前記受信判定処理をなす必要のある受信点を内部に含む前記受信点グループのみを残す絞込み処理を前記観測領域内部の前記受信点グループに対して行い、最終的に絞込まれた前記受信点グループに含まれる受信点に対してのみレイと受信点との前記受信判定処理をなすことを特徴とする請求項1または2記載のレイの受信判定方法。
  4. 前記階層構造情報を参照しつつ、規模の大きな受信点グループから規模の小さな受信点グループに向かって逐次遷移させて前記絞込み処理を段階的に行うことを特徴とする請求項3記載のレイの受信判定方法。
  5. 前記絞込み処理のための絞込み判定を、受信点グループを内包する領域と前記レイ近傍に定義された部分空間との交差判定によって行うことを特徴とする請求項3または4記載のレイの受信判定方法。
  6. 前記絞込み処理のための絞込み判定において、前記観測領域内で同一階層に属する受信点グループを一巡するまで前記絞込み判定を各受信点グループに逐次適用し、その後により小規模の受信点グループからなる次の階層に移行して、同じく同一階層内部で前記絞込み判定の対象となる受信点グループを一巡するまで前記絞込み処理を各受信点グループに適用するようにしたことを特徴とする請求項3〜5いずれか記載のレイの受信判定方法。
  7. 前記絞込み処理のための絞込み判定において、前記観測領域内の1つの受信点グループに対して前記絞込み判定処理を適用し、次に前記受信点グループに内包されるより小規模の受信点グループを前記受信点グループが属する階層の次の階層から1つ選択して前記絞込み判定を適用し、最終的に分割できない受信点グループの階層まで到達した段階で、レイと受信点との前記受信判定処理を前記受信点グループが内包する受信点に対して適用し、その後に1段上の階層で未選択の受信点グループに対して前記絞込み判定を適用するというように、前記絞込み判定処理を再帰的に動作させることを特徴とする請求項3〜6いずれか記載のレイの受信判定方法。
  8. 前記受信点グループを内包する領域として、この受信点グループに外接する外接球を利用することを特徴とする請求項3〜7いずれか記載のレイの受信判定方法。
  9. 前記受信点グループを内包する領域として、単数もしくは複数の平面で分断される領域の組み合わせにより規定される領域を用いることを特徴とする請求項3〜7いずれか記載のレイの受信判定方法。
  10. 前記観測領域内において前記受信点が平面格子状に配置されており、前記階層的なグループ化処理において、最も外側に並ぶ格子点が長方形を形成するとき、その2辺に並ぶ受信点(以下、最外郭受信点)の数をa (aは1以上の整数、nは0を含む正の整数)の和に分解し、分解によって生じたa の各因子を最外郭受信点の数とする正方形領域を新たに生成した後、これらの正方形領域のうち、より面積の大きな領域をできるだけ多く前記観測領域内部に敷き詰め、さらに、敷き詰められた各正方形領域を面積が同じa 個の正方形領域に逐次分割することによって受信点の階層グループを構築することを特徴とする請求項8記載のレイの受信判定方法。
  11. 前記絞込み判定を、前記レイの両端に障壁が位置する場合に、障壁を含む2つの平面に挟まれた領域と前記受信点グループとの交差判定により行うことを特徴とする請求項5記載のレイの受信判定方法。
  12. 前記絞込み判定において、前記受信点グループをより小規模の受信点グループに分割するか否かの判断を行う際に、事前に定義されたコスト関数の値を用いて行うこと特徴とする請求項5記載のレイの受信判定方法。
  13. 請求項1〜12いずれか記載のレイの受信判定方法を用いて、前記観測領域内における電波伝搬の推定をなすようにしたことを特徴とする電波伝搬特性推定方法。
  14. 観測領域内に与えられた電波線(レイ)の経路を予測し、前記レイの、前記観測領域内に予め配置された受信点に対する受信判定処理を行うようにしたレイの受信判定システムであって、
    前記観測領域内に配置された受信点を単数もしくは複数の受信点毎にグループ化するグループ化手段と、
    前記受信判定処理をなす必要のある受信点を含む受信点グループに対して、前記受信判定処理をなす受信判定手段とを含むことを特徴とする受信判定システム。
  15. 前記グループ化手段は、規模の大きな受信点グループがより小規模の複数の受信点グループを内包する構造が形成されるように前記受信点に対して階層的なグループ化処理を行い、異なる階層間の受信点グループの包含関係及び受信点グループに含まれる受信点に関する情報から構成される階層構造情報を構築することを特徴とする請求項14記載のレイの受信判定システム。
  16. 前記受信判定処理をなす必要のある受信点を内部に含む前記受信点グループのみを残す絞込み処理を前記観測領域内部の前記受信点グループに対して行う絞込み手段を更に含み、
    前記受信判定手段は、最終的に絞込まれた前記受信点グループに含まれる受信点に対してのみレイと受信点との前記受信判定処理をなすことを特徴とする請求項14または15記載のレイの受信判定システム。
  17. 前記絞込み手段は、前記階層構造情報を参照しつつ、規模の大きな受信点グループから規模の小さな受信点グループに向かって逐次遷移させて前記絞込み処理を段階的に行うことを特徴とする請求項16記載のレイの受信判定システム。
  18. 前記絞込み手段は、前記絞込み処理のための絞込み判定を、受信点グループを内包する領域と前記レイ近傍に定義された部分空間との交差判定によって行うことを特徴とする請求項16または17記載のレイの受信判定システム。
  19. 前記絞込み手段は、前記観測領域内で同一階層に属する受信点グループを一巡するまで前記絞込み処理のための絞込み判定を各受信点グループに逐次適用し、その後により小規模の受信点グループからなる次の階層に移行して、同じく同一階層内部で前記絞込み判定の対象となる受信点グループを一巡するまで前記絞込み処理を各受信点グループに適用するようにしたことを特徴とする請求項16〜18いずれか記載のレイの受信判定システム。
  20. 前記絞込み判定手段は、前記観測領域内の1つの受信点グループに対して前記絞込み判定処理を適用し、次に前記受信点グループに内包されるより小規模の受信点グループを前記受信点グループが属する階層の次の階層から1つ選択して前記絞込み判定を適用し、最終的に分割できない受信点グループの階層まで到達した段階で、レイと受信点との前記受信判定処理を前記受信点グループが内包する受信点に対して適用し、その後に1段上の階層で未選択の受信点グループに対して前記絞込み判定を適用するというように、前記絞込み判定処理を再帰的に動作させることを特徴とする請求項16〜19いずれか記載のレイの受信判定システム。
  21. 前記受信点グループを内包する領域として、この受信点グループに外接する外接球を利用することを特徴とする請求項17〜20いずれか記載のレイの受信判定システム。
  22. 前記受信点グループを内包する領域として、単数もしくは複数の平面で分断される領域の組み合わせにより規定される領域を用いることを特徴とする請求項16〜20いずれか記載のレイの受信判定システム。
  23. 前記観測領域内において前記受信点が平面格子状に配置されており、前記階層的なグループ化処理において、最も外側に並ぶ格子点が長方形を形成するとき、その2辺に並ぶ受信点(以下、最外郭受信点)の数をa (aは1以上の整数、nは0を含む正の整数)の和に分解し、分解によって生じたa の各因子を最外郭受信点の数とする正方形領域を新たに生成した後、これらの正方形領域のうち、より面積の大きな領域をできるだけ多く前記観測領域内部に敷き詰め、さらに、敷き詰められた各正方形領域を面積が同じa 個の正方形領域に逐次分割することによって前記受信点の階層グループを構築することを特徴とする請求項21記載のレイの受信判定システム。
  24. 前記絞込み判定を、前記レイの両端に障壁が位置する場合に、障壁を含む2つの平面に挟まれた領域と前記受信点グループとの交差判定により行うことを特徴とする請求項18記載のレイの受信判定システム。
  25. 前記絞込み判定において、前記受信点グループをより小規模の受信点グループに分割するか否かの判断を行う際に、事前に定義されたコスト関数の値を用いて行うこと特徴とする請求項18記載のレイの受信判定システム。
  26. 請求項1〜25いずれか記載のレイの受信判定システムを用いて、前記観測領域内における電波伝搬の推定をなすようにしたことを特徴とする電波伝搬特性推定システム。
  27. 観測領域内に与えられた電波線(レイ)の経路を予測し、前記レイの、前記観測領域内に予め配置された受信点に対する受信判定処理を行うようにしたレイの受信判方法をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、
    前記観測領域内に配置された受信点を単数もしくは複数の受信点毎にグループ化し、前記受信判定処理をなす必要のある受信点を含む受信点グループに対して前記受信判定処理をなすことを特徴とするコンピュータ読取り可能なプログラム。
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