JP2009290333A - 無線ネットワーク評価方法、無線ネットワーク評価システム、無線ネットワーク監視装置、及び無線ネットワーク評価プログラム、プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

無線ネットワーク評価方法、無線ネットワーク評価システム、無線ネットワーク監視装置、及び無線ネットワーク評価プログラム、プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチパス経路が主要な伝送路となる環境での電波環境が変動しても、安全かつ確実に通信ができるようにする。
【解決手段】電波を反射もしくは透過もしくは回折などの物理現象を発生させうる周囲の構造物の形状及び位置情報に基づいて、一の無線ノードから他の無線ノードまで到達する電波経路と受信電力を算出する。そして算出した電波経路上にある反射、透過もしくは回折の影響を与える構造物を求め、その存在確率を用いて、受信電力を調整し、調整後の受信電力により電波経路の利用可能性を評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラントなどの環境において、無線伝送ネットワークを構築し、無線ノード間の通信を確実に行うための伝送経路の設計、及び伝送経路環境の維持管理に必要な技術に関する。
従来、プラントなどの設備における機器の監視や制御において必要とされるセンサ情報や制御情報は、ケーブル接続によって伝送されていたが、この伝送には膨大なケーブルの設置コストやメンテナンスコストが必要であった。このため、近年は、ケーブルを設置することなく無線ネットワークを利用して、プラントの監視や制御に必要な情報を伝送することが要請されている。
しかし、無線ネットワークを利用するためには、無線ネットワークのリアルタイム性や安定性が要求される。プラント設備のような環境では、周辺に金属性の構造物が多く、その構造物による反射、回折等の物理現象によって、電波の送受を行う無線ノード間の電波経路として多数のマルチパスが存在しうる。また、無線ノードの配置にも制限があるため、かならずしも無線ノード間が見通しになるとは限らない。このため、主要な無線伝送路がマルチパス経路となる可能性が高く、通信状態が不安定になることが多い。
このような環境では、無線ノードの設置時に、電波状態を測定したり実際に通信を行ったりして、無線ノード間の通信が可能であることを確認しながら無線ノードを設置する必要がある。また、複数のアンテナや周波数帯を用いたダイバーシティによる送受信や、MIMO(Multiple Input Multiple Output)によるマルチパスの積極的利用などによるRF(Radio Frequency)での改善や、無線ネットワークの中継経路を多重化することで通信が不安定になることを解消しようとすることになる。
特許文献1には、一定の電波の到達距離に基づく通信可能距離を元に、空間を分割し、無線ノードの配置、経路を求める経路設計装置が開示されているが、無線ノードの周囲の伝搬環境の特性や、変動があった場合には対応できない。
特開2006−101497号公報
しかしながら、マルチパス経路が主要な伝送路となる環境では、無線ノードの設置時と運用時とで、環境の変化、例えばクレーン等の移動、金属体の扉・窓等の開閉、作業者の移動などにより周囲の電波環境が大きく変動してしまう。
特に、送受信する無線ノード間を直接見通しで結んだ直線以外の経路が主要通信路である場合には、このような影響を受けやすい。
このため、無線ノードの設置時には十分受信可能であった場所でも、その運用時には、時間によって通信不能となったり、全く通信できなくなったりということが発生してしまう。
本発明は、上記問題に鑑み、無線ノード間の電波経路に影響を与える構造物の存在確率を考慮して最適な電波経路を設定できる、無線ネットワーク評価方法、無線ネットワーク評価システム、無線ネットワーク監視装置、及び無線ネットワーク評価プログラム、プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、シミュレーションにより無線ノード間の電波の電波経路を求める処理において、電波経路に影響を与える物理現象を発生する構造物に対し、少なくとも該構造物の形状及び位置情報、及び構造物が当該位置に存在する確率を予め入力する。そして、構造物の形状及び位置情報から、送信する一の無線ノードから受信する他の無線ノードまで到達する複数の電波経路を算出し、当該電波経路ごとにその受信電力を算出する。
さらに、複数の電波経路のそれぞれにおいて、反射、透過、または回折の影響を与える構造物を求め、その構造物の存在確率を用いて、受信電力を調整し、調整後の受信電力に基づいて、それぞれの電波経路の利用可能性を評価するようにしている。
また、本発明では、複数の無線ノードに対し、各無線ノードと、その他の無線ノード間の電波経路を算出し、該電波経路の利用可能性を評価し、前記複数の無線ノードに対し、複数の端末ノード、複数の中継ノード、複数のGWノードの種別を定義している。そして、各端末ノードから、複数のGWノードのうちのいずれかのGWノードに対して、中継ノードを経由して無線信号を伝送する無線中継経路を探索し、各無線ノード間の電波経路の利用可能性を評価するようにしている。
本発明によれば、構造物が電波経路内に存在する確率(存在確率)を用いることにより、無線ネットワークにおける電波伝搬状態を確率的に評価し、無線ノード間の伝搬状態に反映することが可能となる。また、伝搬に影響を及ぼす構造物の存在確率を補正することにより、設定した無線ノードの中継経路を再評価することができるので、電波の伝搬状態のより良い中継経路を構築することができるようになる。
<本発明の実施形態の全体像の説明>
図1は、本発明の実施の形態例としての無線通信ネットワーク評価システムを示すブロック構成図であり、図2は、その動作を示すフローチャートである。
先ず、図1のブロック構成図を用いて、本例の無線ネットワーク評価システムの構成の概略を説明し、その後で、図2のフローチャートに基づいて本例の評価システムの動作について説明する。
本発明の実施の形態例としての無線ネットワーク評価システムは、プラント内の一の無線ノード110と他の無線ノード120間に存在する構造物の形状データや、構造物の電気的特性を入力する無線パラメータ設定手段101が設けられる。ここで、電気的特性を示すパラメータとしては、構造物の比誘電率、比透磁率、導電率などが考えられる。この無線パラメータ設定手段101において、上述の一の無線ノード110における送信出力及びアンテナ特性、及び他の無線ノード120における受信出力及びアンテナ特性などの無線パラメータが入力され、設定される。
無線パラメータ設定手段101により設定された構造物の形状及び位置情報は、電波経路算出手段102に送られ、この電波経路算出手段102において、一の無線ノード110から他の無線ノード120まで、電波を到達させることができる複数の電波経路が算出される。なお、電波経路算出手段102では、無線ノードのすべての組み合わせについて、入力された構造物形状と無線ノードの位置から、無線ノード間の電波の電波経路が算出される。この電波経路の算出のための解析手法としては、従来から知られているレイトレーシング法と呼ばれる幾何学光学的手法が利用可能である。
電波強度算出手段103は、電波経路算出手段102で算出された電波経路とその電波経路内に存在する構造物等の形状データに基づいて、電波強度を算出する。そして、電波経路算出手段102で算出された電波経路と、電波強度算出手段103で算出された電波強度に基づいて、後述するような所定の演算がなされ、計算結果出力手段104から計算結果が出力される。
また、無線パラメータ設定手段101で入力された構造物の形状データ等は、存在確率入力手段105に送られる。ここで、送信する一の無線ノード110と受信する他の無線ノード120との間に存在する、電波の伝搬に物理的影響を与える構造物の存在確率、つまり、電波の反射もしくは透過もしくは回折等をもたらす構造物の存在確率が求められる。ここで、構造物の存在確率が考慮されるのは、例えば、クレーンの移動など、ある時間帯では、そこに存在していた構造物が別の時間帯には存在していないというケースが考えられるからである。
計算結果出力手段104で計算された結果と、存在確率入力手段105で算出された、電波の伝搬に影響を与える構造物の存在確率とから、伝搬特性算出手段106において、送受信される電波強度が調整される。そして、利用可能性評価手段107によって、この調整後の電波強度から、一の無線ノード110及び他の無線ノード120間の前記算出した電波経路の利用可能性が評価される。
図2は、フローチャートは、上述した図1のブロック構成図の動作を順を追って記述したフローチャートである。内容は上述の説明と重複する部分もあるが、この図2に示すフローチャートと図3〜図9の各種テーブルに基づいて、本発明の実施の形態例の動作を詳細に説明する。
<無線ノードパラメータ入力の説明>
図2に示すように、まず、送信する一の無線ノード110と受信する他の無線ノード120間に存在する構造物の形状、送信側無線ノード110の送信出力、アンテナ指向特性、利得、配置場所、姿勢等の無線パラメータが、無線パラメータ設定手段101によって入力される(ステップS201)。また、無線パラメータ設定手段101により、無線ノード間の経路上にある構造物による最大の反射回数N、回折回数Ndが入力される。
図3は、各無線ノードに関して記憶保持されるパラメータを示す無線ノードテーブル301の一例を示したものである。図3に示されるように、無線ノードテーブル301は、無線ノードID311(番号1〜3)、GW(Gate Way)ノード、中継ノード、端末ノード等のノードタイプ312、出力情報フィールド313、アンテナ情報フィールド314、周波数フィールド315、配置情報フィールド316を含んでいる。
ここで、出力情報フィールド313は、当該無線ノードID311で指定された無線ノードからの電波の送信出力を示すフィールドである。また、アンテナ情報フィールド314には、それぞれの無線ノードで使用するアンテナの特性を示すアンテナ情報テーブル401(図4参照)を検索するためのID情報が記録されている。更に、周波数フィールド315には、送受信を行う無線ノード間で使用する周波数が示されている。また、配置情報フィールド316には、当該無線ノードの配置位置と姿勢を表す情報が、配置行列として示されている。この配置行列は、無線ノードの回転と平行移動を表す行列である。
図4は、アンテナ情報テーブル401の一例を示す図である。このアンテナ情報テーブル401は、アンテナ情報IDフィールド411、アンテナタイプフィールド412、指向特性情報フィールド413の3つのフィールドを持っている。アンテナ情報ID411はそれぞれの無線ノードが持っているアンテナのIDを示している。
また、アンテナタイプフィールド412は、ダイポールアンテナや八木アンテナ等のアンテナの種類を表すが、アンテナ情報ID3で示すように、ユーザが独自に定義したタイプのアンテナを用いた場合には、そのアンテナをタイプ412の欄に記載するようにしても良い。
そして、指向特性情報フィールド413には、それぞれのアンテナが持つ指向特性が記述される。例えば、ダイポールや八木アンテナの場合には、理論的な数式を用いて求められた指向特性が記述される。一方、アンテナ情報ID3のように、ユーザ定義により指定されたアンテナを用いる場合には、数値計算により求めた指向特性又は実物のアンテナ指向特性を測定することによって求めた指向特性が記述される。
この指向特性情報フィールド413の詳細は、図5に、指向特性情報テーブル501として示されている。図5は、特に指向特性テーブルIDが「1」である特性テーブルの例を示している。このようなテーブルがそれぞれの指向特性テーブルID毎に作成されることになる。
この指向特性テーブル501は、角度θフィールド512、角度φフィールド513、当該角度θ及びφにおける利得G(θ、φ)フィールド514の3つのフィールドを持っている。ここで、角度θ、φは、アンテナの基準座標系においてアンテナから放射される方位角度、もしくはアンテナにて受信される方位角度を示すものである。角度θは、アンテナの基準座標系のz軸と、放射方向とのなす角度を示し、角度φは、アンテナの基準座標系のxy平面に放射方向を投影した場合のx軸とのなす角度を示している。
図6は、無線パラメータ入力手段101により入力される構造物データの管理テーブルの一例を示す図である。
構造物管理テーブル601に記述される各構造物には、それぞれの構造物毎には物体ID611が定められている。この物体ID611は、各構造物を管理するための個別の番号である。
それぞれの構造物の物体ID611に対して、形状情報フィールド612、属性情報フィールド613、確率情報フィールド614の3つのフィールドが設けられている。形状情報フィールド612には、それぞれの構造物に対する形状ID(=1、2、3・・)が記載される。そして、この形状ID毎に、図7で後述するような形状テーブル701が用意される。この形状テーブル701は、図6に登録した形状IDにより検索可能とされる。
また、属性情報フィールド613には、それぞれの物体ID611に対して属性ID(=1、1、2・・)が記載される。そして、それぞれの属性ID毎に、図8に後述するような属性テーブル801が用意される。この属性テーブル801は、属性情報フィールド613に記憶される属性IDによって検索できるものである。
さらに、確率情報フィールド614は、それぞれの物体ID611に対して、その構造物が電波経路内に存在する時間帯と確率を示すフィールドであり、各物体ID611毎に確率ID(=1、1、2・・)が記述される。この確率IDごとに、図9に後述するような確率情報テーブル901が用意される。この確率情報テーブル901により、電波を反射もしくは回折または透過する構造物が電波経路内に存在する確率情報が検索できる。なお、確率情報テーブル901は、確率情報フィールド614に記憶される確率IDによって検索可能となっている。
図7は、形状テーブル701の一例を示したものである。この形状テーブル701は構造物の形状及び寸法を管理するテーブルである。上述したように図6の形状ID毎にこの形状テーブル701が用意される。この形状テーブル701には、形状IDフィールド711(図6の形状情報フィールド612と同じ)と、構造物のタイプを示すタイプフィールド712と、構造物の幅、高さ等のパラメータを記録するパラメータフィールド713が設けられる。この図7では、構造物のタイプとして直方体と回折エッジを示しているが、それぞれのパラメータは異なるので、予めタイプとパラメータの種別を決定しておくようにする。
図8は、属性テーブル801の一例を示すものである。上述したように属性テーブル801は、図6に示した属性情報フィールド613に記録された属性ID(属性IDフィールド811と同じ)ごとに、その構造物の属性が記憶される。例えば、構造物の属性として、比誘電率812、比透磁率813、導電率814の各フィールドが設けられる。これらのフィールド812,813,814には、それぞれの構造物の電気的特性を表す具体的な数値が記憶されている。
図9は、確率情報テーブル901の一例を示す図である。この確率情報テーブルは、図6の確率情報フィールド614に示した確率IDごとに設けられる。
図9は、図6の確率IDが「1」のテーブルの例である。確率情報テーブル901には、確率情報テーブルID911、配置情報フィールド912、確率値フィールド913、開始時刻フィールド914、終了時刻フィールド914が設けられている。
確率情報テーブルID911は、当該確率情報テーブルのIDを示すものであり、ここでは図6の確率ID=1となる例を示している。図示していないが、同様に、図6の物体ID3に対応する確率ID=2のテーブルも用意されることは勿論である。
すなわち、各確率情報テーブル901は互いに異なる確率ID値を持つ。そして、それぞれの構造物(物体ID)は、それぞれの持つ確率ID(図6参照)によってこの確率情報テーブル901にリンクされている。
確率情報テーブル901において、配置情報フィールド912は、確率情報テーブルID911によってリンク付けられた構造物の配置情報を示している。この配置情報は、例えば、回転と平行移動を表す行列により表すことができる。
また、確率値フィールド913は、配置情報フィールド912によって示された各配置情報に対し、構造物が存在する確率を表すフィールドである。
また、確率情報テーブル901には、開始時刻フィールド914と終了時刻フィールド915が設けられている。ここで指定された開始時刻と終了時刻との間に、それぞれの構造物が確率値フィールド913に記述される確率で、電波経路内に存在することを示している。
図9に示す確率情報テーブル901では、確率情報テーブルID=1(911)にリンクする構造物が、8時〜19時の間は、配置行列1で表される場所に、50%の確率で存在し、配置行列2で表される場所には20%の確率、さらに配置行列3で表される場所には10%の確率で存在することを示している。残りの20%は、配置行列として単位行列を与えた位置(移動なし)の場所に存在することを意味する。 また、19時から翌朝の8時までの間は、配置行列4で示される位置に80%の確率で存在し、配置行列5に示される位置に20%の確率で存在することを意味している。
以上、図2のステップS201における、無線ノードパラメータの入力の方法と、入力された各テーブルの内容について図3〜図9のテーブルを用いて説明した。
再び図2に戻って説明を続ける。上述したとおり、ステップS201で入力された構造物の形状と位置情報から複数の電波経路が電波経路算出手段102によって算出される(ステップS202)。そして、それぞれの電波経路における電波強度、つまり受信電力が、電波強度算出手段103によって算出される(ステップS203)。この、電波強度算出手段103では、電波経路毎に、相対する無線ノードの出力、アンテナ特性による利得、反射・透過・回折現象に寄与する構造物による減衰量が算出されることになる。
続いて、計算結果出力手段104により、電波経路と電波強度の関連を示す計算結果が出力され(ステップS204)、さらに、存在確率入力手段105によって、それぞれの構造物の形状、構造物が存在する場所(位置情報)及び構造物が存在する時間帯と確率が入力される(図9、ステップS205)。そして、ステップS205で入力された存在確率に基づいて、図1の無線ノード120で受信する受信電力が調整される(ステップS206)。
そして、調整後の受信電力を用いて送信側無線ノード110と受信側無線ノード120間における電波経路の利用可能性について、利用可能性評価手段107によって評価される(ステップS207)。この利用可能性評価ステップS207では、利用可能性評価手段107により、電波強度算出手段103で算出された反射・透過・回折現象に寄与する構造物の存在確率を考慮して各構造物による電波の減衰量を補正している。そして、その減衰量の補正結果で、電波経路の利用可能性が評価されるのである。
<従来法による電波経路の算出処理>
図10は、本発明の実施の形態例を説明する上で必要な、従来手法による電波経路算出手段103における処理を示すフローチャートである。
まず、電波経路算出手段103の処理が開始されると(ステップS1001)、対象となる2つの無線ノード間における直接到達する電波経路が生成される(ステップS1002)。ここで、直接到達する電波経路とは、3次元空間内の2つの点(無線ノード)を直線で結ぶ線分を生成することと等価である。
次に、ステップS1002において生成した線分に対し、登録された構造物により遮蔽が発生するか否かをチェックする(ステップS1003)。ここでは、構造物による遮蔽が発生した場合には、当該構造物による透過現象が発生することになる。ここで、遮蔽とは、算出された電波経路が構造物と交差することを意味し、当該構造物を透過することによる損失係数(透過係数)を算出する。たとえば構造物が金属体であれば、透過係数はほぼ0であり、電波経路が存在しても、ほとんどの電力は到達できない。一方、構造物がコンクリートなどの誘電体とみなせる物質の場合、その厚みや、誘電率によって数%から数十%程度の損失で透過する。
続いて、構造物による反射回数nを1から最大反射回数Nまでセットし、各反射回数nに対し、後述するステップS1005〜ステップS1010までの処理を繰り返す(ステップS1004)。
すなわち、ステップS1004で反射回数nがセットされると、まず、入力されたすべての構造物から、n個の構造物を選ぶ順列を生成する(ステップS1005)。このステップS1005で得られた順列の順番で、電波経路内に存在する構造物による反射あるいは回折が行われるのである。そして、これら反射もしくは反射を経て、送信無線ノード110から受信無線ノード120までの電波経路の候補が生成される。例えば、反射回数n=3のとき、当該順列として、A,B,Cが選択された場合、送信無線ノード110から放射された電波が、A、B、Cの順で反射(もしくは回折)する電波経路を算出する。(ここで、A,B,Cは物体IDを示す)
すなわち、電波経路を算出するということは、A,B,C、それぞれの物体上での反射点(もしくは回折点)を求める計算を行うことを意味する。
ただし、算出された反射点(もしくは回折点)が、実際に定義された有限の範囲に限定される物体上に存在するとは限らないため、定義された構造物の範囲内に存在するか否かのチェックを行い、全ての反射点(もしくは回折点)が定義された構造物上に存在していれば、当該電波経路を採用し、ひとつでも構造物上に存在しなければ、当該電波経路を存在し得ないものとして破棄する。
次に、ステップS1005で生成した電波経路の候補に対して、鏡像計算がなされる。ここで、鏡像計算とは、構造物を鏡面とみなし、送信点から受信点までの反射経路を算出する方法の一種であり、一種の座標変換を行うことを意味する。すなわち、ある構造物による反射経路は、受信点を当該構造物の鏡面による鏡像位置に移動させた場合、送信点と受信点を結ぶ直線と、前記構造物との交点とが、求める電波経路の反射点となる。
鏡像変換は、平行移動を表す行列と、回転変換を表す行列の積により表すことができる。たとえば、前述の電波経路の候補を現す順列A、B、Cにおいて、A、B、Cがいずれも反射体である場合、A、B、Cにおける鏡像変換を表す行列をそれぞれTa、Tb、Tcとした場合、物体Bに対しては、Taによる鏡像変換、物体Cに対しては、Ta、Tbによる鏡像変換、受信点に対しては、Ta、Tb、Tcによる鏡像変換を行う。
この各変換後の座標において、送信点と受信点間を直線で結び、当該直線と各物体との交点を求める計算を施すものである。
なお、上記A,B,Cに回折エッジが含まれる場合は、当該物体による鏡像変換行列は単位行列であるものとする。すなわち、物体Bが回折エッジである場合は、物体AおよびCによる鏡像変換を施した座標において、送信点から物体Bによる回折を経て受信点に到達する線分を求め、この線分と物体AおよびBとの交点を算出することで、送信点から物体Aで反射、物体Bで回折、物体Cで反射し、受信点に到達する電波経路を求めることができる。
例えば、送信側無線ノードから送信される電波は、ステップS1005で得られた電波経路上にある構造物の順番に反射もしくは回折がなされる。そして、最初の構造物の反射面で反射した電波は、その電波経路を経て上記鏡像変換後の位置にある次の構造物に到達する。
このように、電波経路上にある構造物が順番に反射または回折を繰り返し、受信側の無線ノードに到達するのである。なお、当該物体ID(構造物)が回折エッジを意味する場合は、鏡像変換は行わず、次の物体ID(構造物)による変換に進む。
ステップS1006における鏡像計算がなされると、続いて、鏡像空間において回折エッジによる回折点計算が行われる(ステップS1007)。この回折点計算では、回折点が回折エッジ上になければ当該電波経路は存在しえないことになる。続いて、鏡像空間における各物体面上における反射点の計算がなされる(ステップS1008)。この場合も、当該反射点が、当該物体面上になければ、当該電波経路は存在し得ないことになる。
次に、ステップS1006で求められた鏡像空間から、実空間へ逆変換がなされ(ステップS1009)、最後に、ステップS1009で実空間へ戻した電波経路上に他の構造物(物体)による遮蔽があるか否かがチェックされて処理が終了する(ステップS1010)。
上述したように、図10に示した従来方法のフローチャートでも、指定された無線ノード間における、回折、反射、透過を含む電波経路を算出することが可能である。電波が電波経路を進行していく中では、反射・透過・回折といった電波と構造物との作用による減衰が発生するとともに、電波が空間を進むこと自体で減衰が発生する。これらの電波経路の計算方法については、従来から種々の計算方法が提案されており、例えばS. Ramo, J. R. Whinner及びT. Van Duzerらの「Fields and Waves in Communications Electronics」(John Wiley & Sons社,1967年出版)にその計算方法が詳細に説明されている。
以下、電波強度算出手段103における電波強度の計算方法について、詳細に説明する。上述したように、電波強度算出手段103では、電波経路算出手段102で算出された電波経路毎に、相対する無線ノードの出力、アンテナ特性による利得、反射・透過・回折現象に寄与する構造物による減衰量が算出される。今、Eを無線ノード間の受信電界とすると、特定の無線ノード間には複数の電波経路が存在するので、i番目の電波経路による受信電界をEとする。無線ノードが受信する受信電界Eは、各経路の受信電界Eを合成したものとなるので、(1)式のように表わされる。
Figure 2009290333
更に、送受信アンテナの受信特性G(i)、G(i)とすると、送信無線ノードの送信電界Eは、反射係数R、透過係数T、回折係数Dを用いて、(2)式のように表される。
Figure 2009290333
ここで、Kは無線電波の波長によって決まる定数であり、kは波数である。Si,lは、l-1番目の回折点からl番目の回折点までの延べ距離(電波経路上をたどった距離)である。またPは送信無線ノードの送信電力を示す。
また、反射係数、透過係数、回折係数は、当該現象を発生する構造物の電気的特性である、比誘電率ε、比透磁率μ、導電率σ、厚さΔw、によって求められる値である。この求め方については、例えば、「リアライズ社 電波伝搬ハンドブック(ISBM4-89808-012)」に詳細な計算方法が記載されている。なお、比誘電率ε、比透磁率μ、導電率σ、厚みΔwの具体的な値は、図7及び図8に示したように、それぞれ物体IDに対する形状テーブル701と属性テーブル801により検索することができる。
図11は、送信側の無線ノード1101と、受信側の無線ノード1102との間で、二つの電波経路が形成される例を示したものである。
ここでは、説明のために2次元空間で示しているが、実際には3次元空間で計算される。この例では、電波経路内に存在する構造物である、壁1111、柱1112、窓1113、隔壁1114、扉1115が入力データとされる。
この図11は、電波経路算出手段102において、幾何光学的手法を用いて電波経路1121及び1122が算出できたことを示している。
一つの電波経路1121は、壁1111を透過して無線ノード1101から無線ノード1102へ到達する電波経路である。電波経路1121の方向における無線ノード1101の送信アンテナ特性をGT(1)、無線ノード1102の受信アンテナ特性をGR(1)とし、壁1111を透過するときの透過係数をT1,1とする。この透過係数T1,1は、壁1111の比誘電率ε、比透磁率μ、導電率σ、厚さΔwを与えることにより計算可能である。
また、もう一つの電波経路1122は、無線ノード1101から柱1112によって回折を受け、窓1113を透過し、隔壁1114及び扉1115によって反射された後に、無線ノード1102に到達する経路である。電波経路1122の方向における無線ノード1101のアンテナ特性をGT(2)、無線ノード1102のアンテナ特性をGR(2)としている。また、柱1112、窓1113、隔壁1114及び扉1115の係数は、それぞれ回折係数D2,1、透過係数T2,1、反射係数R2,1、R2,2によって表わされる。
(2)式から、電波経路1121を経由した無線ノード1102の受信電界Eは、(3)式のように計算され、電波経路1121を経由した無線ノード1102の受信電界Eは、(4)式のように求められる。
Figure 2009290333
Figure 2009290333
この従来の計算方法では、この合計値であるE+Eがトータルの受信電界として集計され、二つの無線ノード間の電波の伝搬状態が推定される。
本発明の実施の形態例では、上述した従来の計算方法に加えて、更に、各構造物に対して、図6の構造物管理テーブル601に示す確率情報614を追加して計算する点に特徴がある。
<構造物の確率情報を加えた電波経路の算出>
図12は、本発明の実施の形態例である、図6の構造物管理テーブル601の確率情報614を、反映して算出された電波経路における構造物の配置例を示したものである。
図11と異なる部分は、窓1201が追加されているところである。それ以外の無線ノードと構造物には図11と同じ符号を付している。ここで、追加された窓1201は、窓1113が図の矢印(A)方向に移動し、窓1113が電波の完全透過状態になったことを示している。つまり、窓1113と窓1201は同じ窓であり、この同じ窓が、窓1113の位置にある確率と、窓1201の位置にある確率が与えられた状態を示している。
<利用可能性評価手段105の処理>
本発明の実施の形態例では、図1に示した利用可能性評価手段107の働きが重要である。図2のステップS207でも説明したように、利用可能性評価手段107は、以下のような処理を行う。例えば、利用可能性評価手段107は(5)式に示されるような計算を行っている。
Figure 2009290333
この(5)式は、例えば電波が窓を透過する際の透過係数に対して、当該場所に構造物が存在する確率に応じて、この透過係数を平均化するための式である。すなわち、透過物体である窓1113が、当該場所へ存在する場合の透過率と存在確率をT2,1、f213とし、窓1113が当該場所に存在しない場合の透過率とその確率をそれぞれ1、(1−f213)としたときの電波強度の期待値を示している。
一方、反射係数に関連して電波強度を補正する場合は、(6)式で示す計算式となる。
Figure 2009290333
この(6)式は、反射物体である扉1115が当該場所へ存在する場合の反射率と存在確率を、それぞれR2,2と、f215とし、扉1115が当該場所に存在しない場合の反射率とその確率を、それぞれ0、(1−f215)とした場合の電波強度の期待値を示している。
上述した電波経路の評価を、図11に示した従来の幾何光学的手法を用いて単純に実施した場合には、一つの構造物(例えば窓1113)に対し、図12に示すように存在確率を定義すると、その分だけ構造物が増えることになり、順列数が大きく増加してしまう。
<本実施の形態にかかる電波経路算出処理>
図13は、本発明の実施の形態例において、幾何光学的手法によって電波経路を算出する処理手順を示すフローチャートである。図10と異なるところは、図10のステップS1005の処理が、図13ではステップS1302に変更されていることである。更に、図10のステップS1004の処理の前に図13ではステップS1301の処理が加えられたことである。このステップS1301の処理は、入力された構造物のリストから、反射または回折を行う構造物リストを生成する処理を示している。すなわち、図13のステップS1302の処理によって、図14に示される反射もしくは回折構造物リスト1401のテーブルが生成される。なお、図13において、ステップS1301とステップS1302以外の処理は、図10と同じであるので、各ステップには図10と同一符号を付している。
図14は、上述したように、電波経路内に存在する、反射または回折する構造物リストを管理するテーブル1401を示したものである。図14において、物体IDフィールド1402には、入力された各構造物の物体IDが記載される。この物体IDフィールド1402では、一つの構造物に対して一つのIDが付与されることになる。
また、構造物リストフィールド1403には、各物体IDに対して、当該物体IDによって反射もしくは回折された後に、反射又は回折現象を起こす構造物の物体IDが記録される。言い換えると、当該物体IDによって反射もしくは回折現象が発生した後に、次の反射もしくは回折現象が発生し得ない構造物の物体IDは、構造物リストフィールド1403に記録されない。
ここで、次の反射もしくは回折現象が発生し得ない構造物とは、当該構造物で反射した場合、その反射面に対して裏側に存在する構造物が該当する。つまり、反射面に対して裏側に存在する構造物であれば、当該構造物での反射の直後に、反射もしくは回折が発生することはありえない。同様に、回折エッジに関しても、回折エッジを構成する面の開き角度以内の領域に存在する構造物については、次の反射又は回折現象は発生し得ないので、リストから取り除くようにする。
また、図9の確率情報テーブル901の配置情報フィールド912にある配置行列は、構造物が存在する位置あるいは場所が示されているのであるが、同一の物体が複数の配置行列によって特定の時間において排他的位置に存在する構造物であるため、反射又は回折現象を起こさない構造物として定義される。この定義によれば、これらの構造物は、互いに干渉しえないため、これらの構造物に対応する物体IDについても、構造物リスト1402から取り除くようにする。
また、図13のステップS1301では、各構造物と、その他の構造物の幾何的配置関係を調べることにより、反射又は回折を起こさない構造物を特定し、これらの構造物は除いて、構造物リスト1401を生成している。
図1に示す送信側の無線ノード110から受信側の無線ノード120に至る経路を算出する際に、以上説明したような補正を行うことにより、プラント内の物体の移動による電波環境の変動を考慮したシミュレーションを実施することができる。このシミュレーションによれば、従来法と比べて大幅に計算量を増やすことがないという利点がある。
<本発明を適用した無線ネットワークの例:実施例1>
図15は、本発明の実施の形態例を用いた無線ネットワークの例であり、いわゆる、論理的な無線接続状態を表す無線ノードグラフである。各無線ノードは、端末ノード、中継ノード、GWノードのいずれかである。図15に示す無線ネットワークでは、端末ノード1501とGWノード1510との間で通信データの送受信を行う例を示している。端末ノード1501とGWノード1510の間にある中継ノードRT11〜RT33は、端末ノード1501とGWノード1510間が直接無線接続できない場合にその中継接続を行う無線ノードである。
図15に示す無線ネットワークでは、端末ノード1501から、GWノード1510への中継経路を複数確保し、各中継経路は、同一の中継ノードを含まないことを前提としている。すなわち、同じ中継ノードを含まない中継経路を複数確保し、各中継経路に対して同じ通信データを送信することにより、例え、どれか一つの中継経路が中継ノードの故障等により切断されても、他の中継経路により確実に伝送されることが保証可能となる。
図15に示されるように、端末ノード1501、中継ノードRT11〜RT33及びGWノード1510をそれぞれ接続するエッジは、電波の伝搬状態をシミュレートすることにより算出した値(各ノードの1〜5の数値で示す)を重みとして持っている。この重み1〜5は、構造物等の存在確率を考慮した値を用いて計算したものであり、値が大きいほど、電波経路としての信頼性が高いとされる。
<複数の中継経路を探索するための処理>
図16は、図15に示した無線ノードグラフを用いて、端末ノード1501からGWノード1510までの複数の中継経路を探索するための処理を説明するためのフローチャートである。
中継経路を探索する処理(ステップS1601)が開始されると、最初に無線ノードグラフの入力処理が行われる(ステップS1602)。このステップS1602の処理は、無線ネットワークを構成する無線ノード群をグラフのノードとし、各無線ノード間の経路評価値をグラフのエッジの重みとして無線ノードグラフを作成する処理である。いわば、図15に示す無線ノードグラフを作成する処理といってよい。
ここで、経路評価値1〜5は、利用可能性評価手段107によって評価された利用可能性評価値である。この評価値1〜5は、図1に示す電波経路算出手段102により算出した電波経路と、電波強度算出手段103により当該電波経路から算出した伝搬損失と、当該伝搬損失に対し、存在確率入力手段105で入力された構造物の存在確率を基にして、評価された値である。
ステップS1602の入力処理が終わると、続いて、端末ノード1501とGWノード1510の組み合わせを指定して、それぞれの組み合わせに対して中継経路を求める(ステップS1603)。
次に、端末ノード1501とGWノード1510を結ぶ中継経路を、いくつ探索するか、つまり探索する中継経路の数Nを指定する(ステップS1604)。
そして、指定された端末ノード1501とGWノード1510の組み合わせに対して、以下に説明するステップS1611〜ステップS1633の経路探索処理を繰り返し実施する(ステップS1605)。
ステップS1611は、端末ノード1501とGWノード1510間に、指定された中継経路数Nが確保できるまで、ステップS1621以下の処理を繰り返すことを示している。
最初に、図15に示される与えられた無線ノードグラフを用いて、端末ノード1501からGWノード1510までの中継経路を求める(ステップS1621)。このステップS1621の処理には、公知の経路検索アルゴリズムであるAスターアルゴリズムやダイクストラ法などのアルゴリズムが適用可能である。
これを図15で説明すると、端末ノード1501からGWノード1510までの経路として、中継ノードRT13、RT23、RT32の3つのノードが選択される。そして、これらの中継ノードを介したエッジ1523,1531,1541、1552が選択され、端末ノードとGWノード間の中継ノードが確保できたとされる。
次に、経路探索アルゴリズムの結果、中継経路が確保できたか否かを確認する(ステップS1622)。そして、このステップS1622で、中継経路が見つかったと判定されたならば、当該経路に含まれるノード該ノードに付属するエッジを図15に示す無線ノードグラフから削除する(ステップS1623)。すなわち、図15の例から上記の3ノードRT13、RT23、RT32と及び選択されたエッジ1523,1531,1541、1552を削除する。このようにして中継経路が削除された後の無線ノードグラフ(ネットワーク)の例を図17に示す。
そして、次の中継経路の探索は、図17に示される無線ノードグラフを用いて行われる。つまり、既に中継経路として使用した中継ノードとエッジを使用せずに行うことになる。ただし、ステップS1605において、別の端末ノードとGWノードの組み合わせについて探索する場合は、無線ノードグラフは初期の状態として探索を行う。つまり、一度使用した経路については、負荷が大きくなるため、重み付けを小さい値に変更するのである。このようにすることにより、電波経路の評価値の良い経路にのみ負荷が集中することを低減することができる。
続いて、ステップS1622において、経路探索の結果、経路が探索できなかった場合には、次の経路探索処理、つまり時間分割処理が可能であるか否かを判定する(ステップS1631)。このステップS1631の、時間分割処理とは、構造物の存在確率が時刻によって規定される場合、当該確率の変更がある時刻によって分割し、該時刻の前後に分割して評価値を算出する処理である。つまり、分割された時刻の前後それぞれについて、中継経路の探索処理を行うのである。
ステップS1631において、時間分割が不可能であると判定されれば、警告を発生して、経路が発見できなかったことをユーザに知らせる(ステップS1633)。ステップS1631で時間分割処理が可能であると判定された場合は、上述の時間分割処理を行った上で、ステップS1621に戻る。
図16のフローチャートで示す処理を行うことにより、与えられた無線ネットワークにおいて、指定した端末ノード1501からGWノード1510まで到達する、指定した数Nの中継経路を、同一中継ノードを使用しない独立した経路として求めることが可能である。
<本発明の無線ネットワークを提供した他の実施形態:実施例2>
図18は、本発明の他の実施の形態の例を説明するための図である。
この実施形態例は、図15で説明した実施形態例(実施例1)の無線ネットワークに、更に、無線ネットワーク監視装置1801を付加した構成となっている。
無線ネットワーク監視装置1801は、有線接続もしくは無線接続によりGWノード1841、1842とデータの送受信を行うことが可能である。図18では、有線ネットワーク1851を経由して接続される例を示している。
図18では、GWノードが2台接続された構成を示しているが、このGWノードは、必ずしも2台に限られるものではなく、1台以上複数の接続が可能である。また、図18に示すGWノード1841、1842は、中継ノード1821〜1824及び中継ノード1831〜1834を経由して、端末ノード1811〜1816と接続されるようになっている。
端末ノードと中継ノード間、及び中継ノードとGWノード間は、無線チャンネルを用いてネットワークが構築されており、各端末ノードから指定されたGWノードに対して、図15〜17で示した方法により決定された中継経路により無線接続されている。
図18では、端末ノード1811〜1813は、全て中継ノード1821に接続され、中継ノード1821は、中継ノード1831を介してGWノード1841に接続されている。
更に、端末ノード1811〜1813は、中継ノード1822にも接続されており、中継ノード1822は、中継ノード1832を経由してGWノード1842に接続される。
一方、端末ノード1814〜1816は、中継ノード1823に接続され、中継ノード1823は中継ノード1833を経由してGWノード1841に接続されている。
また、端末ノード1814〜1816は、中継ノード1824にも接続され、この中継ノード1824が中継ノード1834経由でGWノード1842に接続されるようになっている。
以上のように、各端末ノード1811〜1816は、2系統の中継経路に接続されているが、この2系統の中継経路は、同一の中継ノードを含まない独立経路とされている。
また、各端末ノード1811〜1816は、図示しないセンサや制御装置等に接続されている。そして、各端末ノード1811〜1816は、接続したセンサや制御装置から出力される情報を収集し、上述した無線ネットワークの中継経路を介して、収集した情報を定期的にGWノード1841または1842に送信するようにしている。
例えば、端末ノード1811は、収集した同一内容の情報(データ)を中継ノード1821及び1822に送信する。そして、中継ノード1821は受け取ったデータを中継ノード1831に送信し、中継ノード1822は受け取ったデータを中継ノード1832に送信する。同様に、中継ノード1831は受け取ったデータをGWノード1841に送信し、中継ノード1832は、受け取ったデータをそれぞれGWノード1842に送信する。
最後に、GWノード1841及び1842はそれぞれが受け取ったデータを制御装置1861に送信する。
つまり、制御装置1861は、端末ノード1811が発した同一のデータを、別の中継経路をたどり、GWノード1841及び1842を介して別々に受信する。
このように、制御装置1861は、同一データを2つ以上の独立した中継経路を経由して受け取ることにより、仮に無線ネットワークのどこかに無線通信の不具合が発生しても、中継経路の冗長度以下の不具合であれば、確実にデータを得ることができる。
一般的には、2つのデータが届く時間にはずれが生じる可能性があるため、制御装置1861は、両方とも受信した上で、2つのデータを比較チェックして、データが整っている方を採用することが望ましいが、先に届いたデータもしくは後から届いたデータを採用するとしてもよい。
<無線ネットワーク監視装置1801の説明>
図19は、無線ネットワーク監視装置1801の構成例を示した図である。無線ネットワーク監視装置1801は、電波経路評価部1901、伝搬パラメータ修正部1902、通信部1903、記憶部1904、伝搬情報集計部1905、中継経路再構築部1906から構成される。
記憶部1904は、現在の無線ネットワークにおける中継経路情報を保持する記憶装置である。ここでは、図15、図16に示す方法により算出した、送信側無線ノード1501と受信側無線ノード1510間の電波経路情報が記憶部1904に保持されている。
通信部1903は、ネットワークへ接続する機能を持つ。図18に示すように有線ネットワーク1851に接続され、GWノード1841、1842と通信することが可能となっている。
伝搬情報監視部1905は、無線ネットワークに接続する無線ノードを監視する装置であり、各無線ノードが、他の無線ノードから送信される無線信号の強度情報や、遅延分布情報を測定した値を、ネットワークに接続された無線ノードから受け取る。
電波経路評価部1901は、伝搬情報監視部1905、記憶部1904に保持する無線ノード間の電波経路情報(シミュレーションにより算出されたもの)と、伝搬情報監視部1905により収集した、当該無線ノード間の無線信号の現実の強度情報、あるいは遅延分布情報を比較する。そして、電波経路情報における反射係数、透過係数、回折係数に対する補正値を算出している。
図20は、無線信号の強度情報を表すテーブル2001を示した図である。この信号強度情報テーブル2001は、無線信号を受信した無線ノード(受信ノードID)毎に作成されるテーブルである。すなわち、この信号強度情報テーブル2001は、送信した無線ノード(送信ノードID=3、5、8、・・)を示す送信ノードIDフィールド2011と、受信した時刻を示す受信時刻フィールド2013と、受信した信号の強度を示す受信強度フィールド2014から構成されている。
各無線ノードは、当該無線ノードが他の無線ノードからのデータを受信したとき、もしくは、当該無線ノードが送受信をしない状態の時に、他の無線信号を監視している。そして、他の無線ノードからの無線信号があった場合に、その無線信号の送信ノードID及び受信信号の受信強度、受信時刻を、信号強度情報テーブル2001として保持するようにする。
また、各無線ノードは、伝搬情報監視部1905から監視要求(プローブ要求)を受信すると、伝搬情報監視部1905に対して、無線ネットワークの中継経路を用いて信号強度情報テーブル2001を送信する。
すなわち、この補正値の算出には、(2)式が用いられる。この(2)は、各無線ノード間の電波経路における伝搬損失の合計値と、測定した強度情報とが一つの方程式の左辺、右辺として表したものである。この(2)式に基づいて、各反射係数、透過係数、回折係数を未知数として連立方程式を解くことにより、各反射係数、透過係数、回折係数を求めることができる。この連立方程式を解くにあたって、サンプル数を増やすことによりそれぞれの係数を求めることができ、これにより、各係数を補正することができる。
なお、サンプル数が未知数に対して少ない場合は、予め不確定な係数と、固定して扱う係数に分けて入力することにより、サンプル数が少ない場合でも補正を行うことができる。
この際、不確定な未知数として、前記の確率情報を選択し、反射計数、透過係数、回折係数といった物理量を固定することにより、未知数を少なく取ることができる。
また、サンプル数が不確定な未知数である係数に比べて多い場合でも、最小二乗誤差となるように未知数を決定することにより、補正精度を高めることが可能である。
また、遅延分布情報が存在すれば、電波経路の経路長と対応付けることにより、全電波経路の総計だけでなく、各電波経路毎に方程式を作成することが可能となり、方程式の数を増やすことができる。
以上の計算の結果、得られた伝搬パラメータを用いて、全ての無線ノード間の電波経路を再計算することにより、無線ノードグラフのエッジの重みを再評価する。そしてこの再評価した結果を用いて、中継経路の再探索を行う。その結果、現在の中継経路よりも評価値の合計が高い中継経路が発見されれば、新しい中継経路への切り替えを示唆する。
以上のような構成とすることにより、シミュレーションから得られた中継経路に対し、実際の無線通信を行った結果を反映し、最適な中継経路を再探索することが可能となる。
図21は、図1に示した存在確率入力手段105の概略構成を示す図である。存在確率入力手段105は、表示部2102、構造物指定部2110、構造物拡張部2111、存在確率設定部2112から構成される。
図22は、表示部2102に関して、存在確率を設定するための入力画面2201の一例である。この入力画面2201には、既に入力済みである三次元の構造物データが表示されるようになっており、図示のように、入力画面2201には、これらの構造物が表示されている。この入力画面2201を用いて、当該構造物データに対してその存在確率を設定することができる。
図22に示すように、構造物拡張部2111は、指定された構造物2211と、移動ベクトル2231、移動範囲2232を用いて、構造物2211が移動ベクトル2231に沿って移動した場合の掃引図形の表面をなす面を生成する。この面は、図23に掃引面2301として示されている。
ユーザは、これから存在確率を設定しようとする構造物2211を選択し、この構造物に対する移動ベクトル2231と、移動範囲2232及び分割数を設定する。ここで、図21に示す構造物拡張部2111は、上記分割数の設定に基づき、移動ベクトル2231に沿った移動範囲2232内を分割数によって分割する。そして、その位置に対して、新たに構造物2211と同じ図形配置した面である分割面2302(図23)を生成する。さらに、構造物拡張部2111は、分割面2302に接する部分を掃引面2301から取り除くようにしている。
以上のような処理を行うことにより、図23に示すように、当初の構造物2211と、分割面2302と、分割面を含まない掃引面である分割掃引面2303を生成する。
図21に示す存在確率入力手段105の存在確率設定部2112は、構造物2211の分割面2302と、分割掃引面2303を順番に表示し、ユーザから各面に対する存在確率の指定を受け付ける。以上のように、ユーザは各構造物に対する存在確率を容易に入力することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態例について説明したが、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変型例、応用例を含むことは言うまでもない。
本発明の実施の形態例である無線ネットワーク評価システムのブロック構成図である。 本発明の実施の形態例である無線ネットワーク評価システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態例に用いられる無線ノードの管理テーブル例である。 本発明の実施の形態例に用いられるアンテナ情報を管理するテーブル例である。 本発明の実施の形態例に用いられるアンテナ指向特性情報を管理する管理テーブル例である。 本発明の実施の形態例に用いられる構造物データを管理する管理テーブル例である。 本発明の実施の形態例に用いられる構造物の形状寸法を管理するテーブル例である。 本発明の実施の形態例に用いられる構造物の材質特性等の属性情報を管理するテーブル例である。 本発明の実施の形態例に用いられる構造物の存在確率を管理するテーブル例である。 従来手法による電波経路を算出するための処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例に用いられる、無線ノード間の電波経路評価を反映した無線ノードグラフである。 本発明の実施の形態例に用いられる、無線ノード間の電波経路の構造物が移動する確率を考慮した無線ノードグラフである。 本発明の実施の形態例に用いられる、構造物の存在確率を考慮して電波経路を算出するための処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態例に用いられる、特定の構造物(物体ID)に対する、電波経路上に存在する構造物リストを管理するテーブル例である。 本発明の実施の形態例(実施例1)に用いられる、端末ノードからGWノードまでの複数の中継経路を示す無線ノードグラフである。 本発明の実施の形態例(実施例1)に用いられる、端末ノードとGWノード間における中継経路を探索する処理手順を示すフローチャートである。 図15の中継経路から特定の中継経路を削除した場合の無線ノードグラフである。 本発明の実施の形態例(実施例2)に用いられる、複数の端末ノードから複数のGWノードまでの複数の中継経路を探索するための無線ノードグラフである。 本発明の実施の形態例(実施例2)に用いられる、無線ネットワーク監視装置のブロック構成図である。 本発明の実施の形態例に用いられる、受信ノードにおける信号強度情報を管理するテーブル例である。 本発明の実施の形態例に用いられる、存在確率入力手段を構成する機能ブロックを示す図である。 本発明の実施の形態例に用いられる、存在確率設定画面の例である。 本発明の実施の形態例に用いられる、構造物が移動したときの拡張操作を説明するための図である。
符号の説明
101・・・無線パラメータ設定手段、102・・・電波経路算出手段、103・・・電波強度算出手段、104・・・計算結果出力手段、105・・・存在確率入力手段、106・・・伝搬特性算出手段、107・・・利用可能性評価手段、301・・・無線ノードの管理テーブル、401・・・アンテナ情報の管理テーブル、501・・・アンテナ指向特性情報の管理テーブル、601・・・構造物管理テーブル、701・・・構造物の形状寸法の管理テーブル、801・・・構造物の材質特性の管理テーブル、901・・・構造物の存在確率の管理テーブル、1401・・・反射又は回折する構造物リストの管理テーブル、1801・・・無線ネットワーク監視装置、1861・・・制御装置

Claims (17)

  1. 複数の無線ノードの中の一の無線ノードが有する電波の送信アンテナと他の無線ノードが有する電波の受信アンテナの間の電波の状態をシミュレーションする電波伝搬シミュレータを用いた無線ネットワーク評価方法であって、
    前記一の無線ノード及び前記他の無線ノードの間の電波経路上に存在し、該電波経路に影響を与える物理現象を発生させる構造物の形状、位置情報及び電気的特性、前記一の無線ノードにおける送信出力及びアンテナ特性、及び前記他の無線ノードにおける受信出力及びアンテナ特性などの無線パラメータを入力する無線パラメータ設定ステップと、
    前記構造物の形状及び位置情報に基づいて、前記一の無線ノードから前記他の無線ノードまで到達する、電波経路を算出する電波経路算出ステップと、
    前記一の無線ノードから送信され、前記電波経路を経由して前記他の無線ノードで受信される電波の電波強度を算出する電波強度算出ステップと、
    前記電波経路及び前記電波強度の算出結果を出力する計算結果出力ステップと、
    前記構造物が、前記一の無線ノード及び前記他の無線ノード間の電波経路内の当該位置に存在する確率を計算して入力する存在確率入力ステップと、
    前記電波経路における前記構造物の前記存在確率に基づいて、前記他の無線ノードで受信される電波強度を調整する伝搬特性算出ステップと、
    前記調整後の電波強度を用いて、前記一の無線ノード及び前記他の無線ノード間の前記電波経路の利用可能性を評価する利用可能性評価ステップと、
    を含む、無線ネットワーク評価方法。
  2. 更に、
    前記複数の無線ノードに対し、該無線ノードが、端末ノード、中継ノードもしくはGWノードのいずれかであるかを定義するステップを、含み、
    前記一の無線ノードを前記端末ノードとし、前記他の無線ノードを前記GWノードとして、前記利用可能性評価ステップで求めた前記複数の電波経路の利用可能性を評価する、請求項1に記載の無線ネットワーク評価方法。
  3. 前記電波経路に影響を与える物理現象は、電波を反射もしくは透過もしくは回折させる物理現象である、請求項1に記載の無線ネットワーク評価方法。
  4. 前記複数の端末ノードのうちのいずれかの端末ノードから、前記複数のGWノードのうちのいずれかのGWノードに対して、前記中継ノードを経由して無線信号を伝送する無線中継経路を探索するため、前記端末ノードと前記GWノード間の複数の電波経路の利用可能性を、前記各電波経路の評価値とする、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線ネットワーク評価方法。
  5. 前記端末ノードから前記GWノードへの無線中継経路を複数探索する際に、前記複数の中継経路において、該中継経路を構成する中継ノードは、互いに重複しないように複数の中継経路を探索する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信ネットワーク評価方法。
  6. 複数の無線ノードの中の一の無線ノードが有する電波の送信アンテナと他の無線ノードが有する電波の受信アンテナの間の電波の状態をシミュレーションする電波伝搬シミュレータを用いた無線ネットワーク評価システムであって、
    前記一の無線ノード及び前記他の無線ノードの間の電波経路上に存在し、該電波経路に影響を与える物理現象を発生させる構造物の形状、位置情報及び電気的特性、前記一の無線ノードにおける送信出力及びアンテナ特性、及び前記他の無線ノードにおける受信出力及びアンテナ特性などの無線パラメータを入力する無線パラメータ設定手段と、
    前記構造物の形状及び位置情報に基づいて、前記一の無線ノードから前記他の無線ノードまで到達する電波経路を算出する電波経路算出手段と、
    前記一の無線ノードから送信され、前記電波経路を経由して前記他の無線ノードで受信される電波の電波強度を算出する電波強度算出手段と、
    前記電波経路及び前記電波強度の算出結果を出力する計算結果出力手段と、
    前記構造物が、前記一の無線ノード及び前記他の無線ノード間の電波経路内の当該位置に存在する確率を計算して入力する存在確率入力手段と、
    前記電波経路における前記構造物の前記存在確率に基づいて、前記他の無線ノードで受信される電波強度を調整する伝搬特性算出手段と、
    前記調整後の電波強度を用いて、前記一の無線ノード及び前記他の無線ノード間の前記電波経路の利用可能性を評価する利用可能性評価手段と、
    を備えたことを特徴とする無線ネットワーク評価システム。
  7. 前記複数の無線ノードは、端末ノード、中継ノード、GWノードのいずれかに定義されており、
    前記一の無線ノードを前記端末ノードとし、前記他の無線ノードを前記GWノードとして、前記利用可能性評価手段で求めた前記複数の電波経路の利用可能性を評価する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線ネットワーク評価システム。
  8. 前記電波経路に影響を与える物理現象は、電波を反射もしくは透過もしくは回折させる物理現象である、請求項6に記載の無線ネットワーク評価システム。
  9. 前記複数の端末ノードのうちのいずれかの端末ノードから、前記複数のGWノードのうちのいずれかのGWノードに対して、前記中継ノードを経由して無線信号を伝送する無線中継経路を探索するため、前記端末ノードと前記GWノード間の複数の電波経路の利用可能性を、前記各電波経路の評価値とする、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線ネットワーク評価システム。
  10. 前記端末ノードから前記GWノードへの無線中継経路を複数探索する際に、前記複数の中継経路において、該中継経路を構成する中継ノードは、互いに重複しないように複数の中継経路を探索する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信ネットワーク評価システム。
  11. 前記各無線ノード間で送受信される無線信号に基づいて、前記各無線ノードにおいて自ノード以外の他の各無線ノードからの無線信号の受信電力が測定され、
    前記各無線ノードからの受信電力測定値は、前記ネットワークに有線接続されたGWノードを介してネットワーク監視装置に送信される、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の無線ネットワーク評価システム。
  12. 前記シミュレーションにより求めた前記各無線ノード間の受信電力を、前記電波経路毎に分解し、前記電波経路に影響を与える前記構造物の物理的特性及び存在確率を未知変数として、測定された前記受信電力測定値と比較することにより、前記構造物の物理的特性及び存在確率の補正値を統計的に推定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信ネットワーク評価システム。
  13. 前記構造物の物理的特性及び存在確率の補正値を用いて、前記無線ネットワークにおける中継経路を再評価し、新たな中継経路を求める、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信ネットワーク評価システム。
  14. 前記存在確率入力手段は、
    前記構造物データを表示する表示部と、
    存在確率を指定したい構造物を指定し、該構造物の移動ベクトルと移動範囲及び分割数の入力を受け付ける構造物指定部と、
    前記指定された構造物データに対し、前記移動ベクトルの方向に拡張した掃引面と、
    前記分割数により前記移動ベクトルの方向に算出した分割点位置に前記構造物データを複製した分割面と、
    前記掃引面と前記分割面の重複箇所を算出して、前記掃引面から分割面の重複部を削除した分割掃引面を生成する構造物拡張部と、
    前記構造物、分割面、分割掃引面が表示された前記表示部を用いて、前記分割面に対する存在確率を入力する存在確率設定部と、
    からなることを特徴とする請求項6に記載の無線通信ネットワーク評価システム。
  15. GWノードに有線ネットワークを介して接続する通信部と、
    シミュレーションにより求めた各無線ノード間の電波経路情報と、前記電波経路内にあって、電波伝搬に影響を与える構造物の物理的特性及び存在確率を保持する記憶部と、
    前記各無線ノードが、無線ネットワーク内の他の無線ノードから受信した受信電力情報を収集する伝搬情報監視部と、
    前記伝搬情報監視部で収集された前記受信電力情報によって、前記記憶部に保持された前記電波経路情報及び前記構造物の物理的特性及び存在確率の補正値を求める電波経路評価部と、
    前記電波経路評価部で求めた前記補正値を用いて、前記電波経路を再評価し、新たな無線ネットワークの中継経路情報を生成し、
    前記新たな中継経路情報を前記各無線ノードに送信し、前記各無線ノード間の中継経路を再構築する、
    ことを特徴とする無線ネットワーク監視装置。
  16. 複数の無線ノードの中の一の無線ノードが有する電波の送信アンテナと他の無線ノードが有する電波の受信アンテナの間の電波の状態をミューレションする電波伝搬シミュレータとして、コンピュータを機能させる無線ネットワーク評価プログラムであって、
    前記一の無線ノード及び前記他の無線ノードの間の電波経路上に存在し、前記電波経路に影響を与える物理現象をもたらす構造物の形状、位置情報及び電気的特性、前記一の無線ノードにおける送信出力及びアンテナ特性、及び前記他の無線ノードにおける受信出力及びアンテナ特性などの無線パラメータを入力する無線パラメータ設定機能と、
    前記構造物の形状及び位置情報に基づいて、前記一の無線ノードから前記他の無線ノードまで到達する電波経路を算出する電波経路算出機能と、
    前記電波経路を経由して前記他の無線ノードで受信される電波の電波強度を算出する電波強度算出機能と、
    前記電波経路及び前記電波強度の算出結果を出力する計算結果出力機能と、
    前記構造物が、前記一の無線ノード及び前記他の無線ノード間の電波経路内の当該位置に存在する確率を計算して入力する存在確率入力機能と、
    前記電波経路における前記構造物の前記存在確率に基づいて、前記他の無線ノードで受信される電波強度を調整する伝搬特性算出機能と、
    前記調整後の電波強度を用いて、前記一の無線ノード及び前記他の無線ノード間の前記電波経路の利用可能性を評価する利用可能性評価機能と、
    をコンピュータで実現するための無線ネットワーク評価プログラム。
  17. 請求項16記載の無線ネットワーク評価プログラムを記録した記録媒体。
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