JP2019007047A - 無電解ニッケル−リンめっき皮膜及び無電解ニッケル−リンめっき浴 - Google Patents

無電解ニッケル−リンめっき皮膜及び無電解ニッケル−リンめっき浴 Download PDF

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Abstract

【課題】電気ニッケルめっき皮膜と同等の耐折性を有する無電解ニッケル−リンめっき皮膜を提供することを目的とする。【解決手段】無電解ニッケル−リンめっき皮膜は、リンの含有量が0.1〜4.0質量%であり、タリウムと硫黄とを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、無電解ニッケルめっき皮膜及び無電解ニッケル−リンめっき浴に関する。
従来、電子部品分野において、フレキシブル基板やシリコンウェハ基板のAlやCuパターン上に無電解ニッケルめっき皮膜を形成することが行われている。
無電解ニッケルめっき法は、電気めっき法と異なり、めっき液中に被めっき物を浸漬するだけで、被めっき物の表面に金属ニッケル皮膜を形成することができる方法であり、素材の形状や種類にかかわらず均一な厚みの皮膜が得られるため、複雑な形状や精密な部品のめっき加工処理に適している。この無電解ニッケルめっき皮膜としては、例えば、ニッケルイオンと、ニッケルイオンの還元剤としてリン化合物を含有する無電解ニッケル−リンめっき液に、被めっき物を浸漬することにより,当該被めっき物の表面上に形成された無電解ニッケル−リンめっき皮膜が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−30884号公報
ここで、近年、上述の無電解ニッケル−リンめっき皮膜は、車載部品等に数多く用いられており、ニッケルめっき加工後に、様々な形状に折り曲げ加工されている。従って、折り曲げ加工等に対してクラックが発生ないような耐折性に優れた無電解ニッケル−リンめっき皮膜が求められている。
しかし、上記従来の無電解ニッケル−リンめっき皮膜は、電気ニッケルめっき皮膜に比し、耐折性がかなり劣っているため、折り曲げ加工される部品への適用が困難であるという問題があった。
また、従来、折り曲げ加工に対してクラックが発生しにくく、耐折性が良好な電気ニッケルめっき処理が行われているが、例えば、パイプ部品等では、その内部においてもめっき処理を行う必要があるため、生産性が低下するとともに、生産コストが増大するという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題に鑑み、電気ニッケルめっき皮膜と同等の耐折性を有する無電解ニッケル−リンめっき皮膜を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る無電解ニッケル−リンめっき皮膜は、被めっき物上に形成された無電解ニッケル−リンめっき皮膜であって、リンの含有量が0.1〜4.0質量%であり、タリウムと硫黄とを含有することを特徴とする。
本発明によれば、電気ニッケルめっき皮膜と同等の耐折性を有する無電解ニッケル−リンめっき皮膜を提供することができる。
実施例1のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真である。 実施例5のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真である。 比較例1のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真である。 比較例4のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真である。
以下、本実施形態における無電解ニッケル−リンめっき皮膜及び無電解ニッケル−リンめっき浴について説明する。
<無電解ニッケル−リンめっき皮膜>
本実施形態の無電解ニッケル−リンめっき皮膜(以下、単に「めっき皮膜」という場合がある。)は、被めっき物上に形成された無電解ニッケル−リンめっき皮膜である。本実施形態のめっき皮膜が形成される被めっき物としては、特に限定されないが、例えば、鉄やアルミニウム、亜鉛等の金属または金属の合金が挙げられ、特に、めっき処理後にプレス加工(特に、絞り加工や曲げ加工)により所望の形状に成型される板材、管材、棒材等料が挙げられる。
また、本発明の無電解ニッケル−リンめっき皮膜においては、リンの含有量が0.1〜4.0質量%であり、1.0〜2.0質量%が特に好ましい。リンの含有量を0.1〜4.0質量%とすることにより、無電解ニッケル−リンめっき皮膜が結晶質構造となるため、めっき皮膜の耐折性が向上する。
また、本発明の無電解ニッケル−リンめっき皮膜は硫黄を含有しており、皮膜中に硫黄を配合することにより、めっき皮膜の伸び率が向上(即ち、皮膜の柔軟性が向上)するため、めっき皮膜が折り曲げに対して追随できるようになる。その結果、無電解ニッケル−リンめっき皮膜の耐折性が向上することになる。
また、無電解ニッケル−リンめっき皮膜における硫黄の含有率は0.01〜0.3質量%が好ましく、特に、0.05〜0.2質量%の場合、上述のめっき皮膜の伸び率がより一層向上するため、好ましい。
また、本発明の無電解ニッケル−リンめっき皮膜はタリウムを含有しており、皮膜中にタリウムを配合することにより、ニッケル−リンの結晶粒界にタリウムが取り込まれ、当該結晶粒界において、タリウムが、粒界間を接着する接着剤的な役割を果たすことになる。従って、ニッケル−リンの結晶粒界におけるクラックの発生が抑制されるため、無電解ニッケル−リンめっき皮膜の耐折性が向上する。
また、無電解ニッケル−リンめっき皮膜におけるタリウムの含有量は0.1〜5.0質量%が好ましく、特に、1.0〜3.0質量%の場合、上述のニッケル−リンの結晶粒界におけるクラックの発生がより一層抑制されるため、好ましい。
以上のように、本実施形態の無電解ニッケル−リンめっき皮膜においては、リンの含有量が0.1〜4.0質量%であり、かつ、タリウムと硫黄とを含有しているため、無電解ニッケル−リンめっき皮膜において、タリウムと硫黄が共析し、結果として、電気ニッケルめっき皮膜と同等の優れた耐折性を実現することが可能になる。
また、耐折性に優れためっき皮膜を形成する際に、電解めっき法を使用する場合に比し、生産性を向上させることができるとともに、生産コストを抑制することが可能になる。
なお、ここで言う「耐折性」とは、めっき皮膜に対してプレス加工(特に、絞り加工、曲げ加工)を行う場合に、めっき皮膜におけるヒビや割れ(即ち、クラック)の発生が抑制される特性のことをいう。
なお、めっき皮膜の厚みは、1〜10μmが好ましく、3〜7μmが、特に好ましい。これは、めっき皮膜が薄すぎると、耐食性の低下等、めっき本来の機能を発揮できない場合があり、めっき皮膜が厚すぎると、クラック等が発生しやすくなるためである。
<無電解ニッケル−リンめっき浴>
本実施形態の無電解ニッケル−リンめっき皮膜は、水溶性ニッケル塩と、還元剤である次亜リン酸塩と、硫黄含有化合物と、タリウム塩と、錯化剤とを含有する無電解ニッケル−リンめっき浴(以下、単に「めっき浴」という場合がある。)を用いてめっき処理を行うことにより、被めっき物上に形成することができる。
(水溶性ニッケル塩)
水溶性ニッケル塩としては、めっき浴に可溶性で、所定の濃度の水溶液が得られるものであれば、特に限定されない。例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、次亜リン酸ニッケル等の無機の水溶性ニッケル塩、及び酢酸ニッケル、リンゴ酸ニッケル等の有機の水溶性ニッケル塩等を用いることができる。なお、これらの水溶性ニッケル塩は単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
また、めっき浴中のニッケルイオンの濃度は、例えば、金属ニッケルとして3〜7g/Lが好ましく、より好ましくは4〜6g/Lである。ニッケル濃度が低過ぎると、めっき速度が遅くなる場合があるため、好ましくない。また、ニッケル濃度が高過ぎると、めっき浴において白濁が生じる場合や、めっき浴の粘度が高くなる場合があるため、均一析出性が低下し、形成後のめっき皮膜にピットが生じる場合があるため、好ましくない。
(次亜リン酸塩)
還元剤としての次亜リン酸塩としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム(次亜リン酸ソーダ)や次亜リン酸カリウム等が挙げられる。
また、めっき浴における還元剤の濃度は、使用する錯化剤の種類により異なるが、例えば10〜30g/Lが好ましく、より好ましくは15〜25g/Lである。還元剤の濃度が低過ぎると、めっき速度が遅くなる場合があるため、好ましくない。また、還元剤の濃度が高過ぎると、皮膜におけるリンの含有率が上述の4質量%よりも多くなることに起因して非昌質構造となる場合があり、また、浴安定性も低下するため、めっき液が分解する場合があり、好ましくない。
なお、還元剤として、次亜リン酸塩を使用することにより、少なくとも0.1質量%以上のリンが共析する。
(硫黄含有化合物)
硫黄含有化合物としては、無電解ニッケルめっき浴に使用する一般的なものであれば、特に限定されない。例えば、−SH(メルカプト基)、−COSH(チオカルボキシル基)、>C=S(チオケトン基)、−S−(スルフィド)、−S−S−(ジスルフィド)、−SCN(チオシアネート基)、−CSNH2(チオアミド基)やこれら誘導体からなる1種または2種以上の硫黄化合物が挙げられる。具体的には、チオ尿素、グルタチオン、チオ酢酸、チオリンゴ酸、3,3-ジチオジプロピオン酸、システイン、チオアセトアミド、ジメチルアミノチオアセトアミド、チオバルビツール酸、メチオニン、チオサリチル酸、2-メルカプト-1-イミダゾール、チオジグリコール酸、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、エチレンチオ尿素、1-アセチル-2-チオ尿素、メチルエチルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド、メルカプトエタノール、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム及びシスタミン等を用いることができる。
また、めっき浴における硫黄含有化合物の濃度は、0.1〜1000mg/Lが好ましく、より好ましくは10〜100mg/Lである。硫黄含有化合物の濃度が高すぎると、めっき反応が停止する場合があるため、好ましくない。従って、上述のごとく、皮膜中には、硫黄を0.3質量%までしか含有させることができない。また、硫黄含有化合物の濃度が低すぎると、上述のめっき皮膜の伸び率が低下し、十分な耐折性を得られない場合があるため、好ましくない。
(タリウム塩)
タリウム塩としては、例えば、硫酸タリウムや硝酸タリウム等が挙げられを用いることができる。
また、めっき浴におけるタリウム塩の濃度は、1〜1000mg/Lが好ましく、より好ましくは、10〜100mg/Lである。タリウム塩の濃度が高すぎると、めっき反応が停止する場合があるため、好ましくない。従って、上述のごとく、皮膜中には、タリウムを5.0質量%までしか含有させることができない。また、タリウム塩の濃度が低すぎると、上述の結晶粒界におけるクラックの抑制効果が低下し、十分な耐折性を得られない場合があるため、好ましくない。
(錯化剤)
錯化剤としては、公知の無電解ニッケルめっき浴において用いられている各種の錯化剤を用いることができる。錯化剤の具体例としては、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、乳酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸等のモノカルボン酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸等のジカルボン酸、クエン酸等のトリカルボン酸などが挙げられる。また、これらの塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等も錯化剤として使用可能である。なお、これらの錯化剤は、単独で、または2種以上混合して用いることができる。
また、めっき浴における錯化剤の濃度は、使用する錯化剤の種類により異なるが、10〜200g/Lが好ましく、より好ましくは30〜100g/Lである。錯化剤濃度が低すぎると、水酸化ニッケルの沈殿が生じやすくなるため好ましくない。また、錯化剤濃度が高すぎると、めっき液の粘度が高くなるため、均一析出性の低下が生じる場合があるため、好ましくない。
(pH)
また、十分な耐折性を有する良好なめっき皮膜を得るとの観点から、本実施形態のめっき浴のpHは5.0〜8.0であることが好ましい。なお、pHは、アンモニア水、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)等のアルカリ、硫酸、塩酸、硝酸等の酸で調整可能である。
(めっき浴の温度)
また、使用するめっき浴の温度は、70〜95℃が好ましく、80〜90℃が、特に好ましい。めっき浴の温度が高すぎると、めっき液自体が熱分解する場合があり、また、めっき浴の温度が低すぎると、めっき反応が低下する場合があるため、好ましくない。なお、めっき処理時間は、形成するめっき皮膜の膜厚によって適宜、変更可能であるが、10〜60分が一般的である。
以下、実施例及び比較例に基づき本出願に係る発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(めっき浴の調製)
水溶性ニッケル塩である硫酸ニッケルと、還元剤である次亜リン酸ナトリウム、硫黄化合物であるチオ尿素、タリウム塩である炭酸タリウムと、錯化剤であるグリシン及び乳酸と、pH調製剤である苛性ソーダとを、表1に示す濃度となるように混合して攪拌することにより、本実施例のめっき浴を調製した。なお、めっき浴の温度を80℃、pHを7.0に設定した。
(めっき処理)
次に、調製しためっき浴に、被めっき物であるSPCC−SB板(サイズ:50mm×50mm、厚み:0.4mm)を25分間、浸漬し、被めっき物上に5μmの厚みを有する無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成した。
(めっき皮膜の組成分析)
次に、形成しためっき皮膜の組成を分析した。より具体的には、めっき析出した無電解ニッケルーリンめっき皮膜を硝酸に溶解させ、この溶解液をICP(HORIBA製、商品名:Ultima Expert)にてリン、硫黄、及びタリウムの定量分析を行い、溶解しためっき皮膜の重量から、皮膜中の各成分の重量%を算出した。以上の結果を表3に示す。
(耐折性評価)
次に、JIS Z2247:2006に準拠して、エリクセン試験機を用いて、SPCC−SB板のめっき皮膜側の面から、試験速度60mm/分、押し込み深さ5mmの条件下で押し込み加工を行った後、SPCC−SB板のめっき皮膜側の面を光学顕微鏡(Lasertec製、商品名:OPTELICS C130)にて観察し、以下の基準で、めっき皮膜の耐折性を評価した。以上の結果を表3に示す。
◎:めっき皮膜にヒビや割れが認められない(クラックが発生していない)
○:めっき皮膜にヒビや割れが僅かに認められる(クラックが殆ど発生していない)
△:めっき皮膜にヒビや割れが少し認められる(クラックが少し発生している)
×:めっき皮膜にヒビや割れが多数認められる(クラックが、多数、発生している)
また、上述の、めっき皮膜が形成されたSPCC−SB板を手動により、180度、折り曲げた後、その折り曲げ部分を光学顕微鏡にて観察し、上述のエリクセン試験と同様の基準により、めっき皮膜の耐折性を評価した。以上の結果を表3に示す。
なお、実施例1のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真を図1に示す。
(実施例2)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりに3,3-ジチオジプロピオン酸を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例3)
表1に示すように、タリウム塩として、炭酸タリウムの代わりに硫酸タリウムを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例4)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりに3,3-ジチオジプロピオン酸を使用するとともに、タリウム塩として、炭酸タリウムの代わりに硫酸タリウムを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例5)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりにL-システインを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。なお、実施例5のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真を図2に示す。
(実施例6)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりに2−チオバルビツール酸を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例7)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりにチオサリチル酸を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例8)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりにチオジグリコール酸を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例9)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりにチオシアン酸ナトリウムを使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例10)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりに1−アセチル−2−チオ尿素を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例11)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりにシスタミン硫酸塩を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(実施例12)
表1に示すように、硫黄化合物として、チオ尿素の代わりにエチレンチオ尿素を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表3に示す。
(比較例1)
表2に示すように、硫黄化合物であるチオ尿素、及びタリウム塩である炭酸タリウムを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表4に示す。
なお、比較例1のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真を図3に示す。
(比較例2)
表2に示すように、硫黄化合物であるチオ尿素を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表4に示す。
(比較例3)
表2に示すように、タリウム塩である炭酸タリウムを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてめっき浴の調製を行った。その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表4に示す。
(比較例4)
水溶性ニッケル塩である硫酸ニッケルと、還元剤である次亜リン酸ナトリウム、硫黄化合物であるチオ尿素、タリウム塩である炭酸タリウムと、錯化剤であるリンゴ酸及び乳酸とを、表2に示す濃度となるように混合して攪拌することにより、本比較例のめっき浴を調製した。なお、めっき浴の温度を80℃、pHを5.3に設定した。
その後、実施例1と同様にして、めっき処理、めっき皮膜の組成分析、及び耐折性評価を行った。以上の結果を表4に示す。
なお、比較例4のめっき皮膜における折り曲げ部分の光学顕微鏡写真を図4に示す。
表3、表4に示すように、リンの含有量が0.1〜4.0質量%であり、タリウムと硫黄とを含有する実施例1〜12においては、めっき皮膜におけるクラックの発生が抑制されており、電気ニッケルめっき皮膜と同等の優れた耐折性を有することが分かる。
一方、比較例1〜4においては、めっき皮膜において多数のクラックが発生しており、実施例1〜12のめっき皮膜に比し、耐折性に劣ることが分かる。
本実施形態の無電解ニッケル−リンめっき皮膜は、無電解めっき処理後にプレス加工される部品等に好適に使用される。

Claims (6)

  1. 被めっき物上に形成された無電解ニッケル−リンめっき皮膜であって、
    リンの含有量が0.1〜4.0質量%であり、
    タリウムと硫黄とを含有する
    ことを特徴とする無電解ニッケル−リンめっき皮膜。
  2. 前記タリウムの含有量が0.1〜5.0質量%であり、
    前記硫黄の含有量が0.01〜0.3質量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の無電解ニッケル−リンめっき皮膜。
  3. 前記被めっき物が、金属または金属の合金であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無電解ニッケル−リンめっき皮膜。
  4. 前記被めっき物が、前記無電解ニッケル−リンめっき皮膜が形成された状態でプレス加工される部品であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無電解ニッケル−リンめっき皮膜。
  5. 無電解ニッケル−リンめっき皮膜を形成するための無電解ニッケル−リンめっき浴であって、
    水溶性ニッケル塩と、次亜リン酸塩と、タリウム塩と、硫黄含有化合物とを含有することを特徴とする無電解ニッケル−リンめっき浴。
  6. 前記次亜リン酸塩の濃度が10〜30g/Lであり、前記タリウム塩の濃度が1〜10000mg/Lであり、前記硫黄含有化合物の濃度が0.1〜1000mg/Lであることを特徴とする請求項5に記載の無電解ニッケル−リンめっき浴。
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