JP2015030885A - 無電解Ni−Bめっき皮膜及び機械部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱処理を施さなくても、ビッカース硬度(HV)850以上の高い硬度を有し且つクラックのない無電解ニッケルめっき皮膜を提供すること。
【解決手段】ホウ素を0.25重量%〜2.0重量%を含む無電解Ni−Bめっき皮膜であって、皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件で行ったディフラクトメータ法によるX線回折図形においてNiの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比OF=F{111}/F{200}が0.1〜20の範囲内であることを特徴とする無電解Ni−Bめっき皮膜である。
【選択図】なし
【解決手段】ホウ素を0.25重量%〜2.0重量%を含む無電解Ni−Bめっき皮膜であって、皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件で行ったディフラクトメータ法によるX線回折図形においてNiの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比OF=F{111}/F{200}が0.1〜20の範囲内であることを特徴とする無電解Ni−Bめっき皮膜である。
【選択図】なし
Description
本発明は、無電解Ni−Bめっき皮膜及びその無電解Ni−Bめっき皮膜が設けられた機械部品に関する。
昨今の環境問題、資源貿易摩擦、グローバル競争等の影響を受け、原材料の削減化技術、軽量化技術の開発が様々な業界において急速に発展している。このような流れを受け、自動車業界をはじめとする機械装置業界では、材料を削減、代替あるいは軽量化しても表面強度を担保するために、表面硬化技術の進歩が強く求められている。
そのような表面硬化技術の1つの手法として無電解めっきが位置付けられる。無電解めっきは、化学反応により対象表面に硬質のめっき皮膜を形成する技術で、めっき浴に被めっき物を浸漬するだけで、高硬度で均一なめっき皮膜を形成することができる。また、他の硬化処理と比較すると処理も100℃以下で施すことができ、熱処理を行うことのできない軽金属への適用や、熱処理による材料の変形等を抑えることが可能である。このように、無電解めっきは他の硬化処理と比較して、均一性・低温処理という2大特長を有している。そのため、無電解めっきは微小物や、厳格な寸法を要求される部品、熱処理を施すことのできない軽金属等の硬化処理としてこれまで広く用いられてきた。
現在実用化されている表面硬化処理としての無電解めっきは数種類存在する。いずれも無電解ニッケルめっきである。中リンめっき(P含有量6重量%以上)は、表面の硬化処理として工業的に広く用いられている。しかしながら、熱処理を施していない析出時の中リンめっきのビッカース硬度(HV)は高々500程度であり近年の高性能化にはとても対応できない。熱処理を施すことによりビッカース硬度(HV)900程度まで硬化することはできるものの、300℃以上の熱処理を必要とする。そのため、熱処理を施すことのできない軽金属や厳格な寸法公差を要求されるものには適用が困難であり、無電解めっきの長所が失われてしまう。低リンめっき(P含有量4重量%以下)は、析出時のビッカース硬度(HV)が650前後と比較的高く、200℃程度の比較的低温の熱処理でビッカース硬度(HV)750程度となるため、機械分野において広く用いられてきた。
ところが、昨今の機械技術の進歩に伴い、低リンめっきよりも表面を高硬度化することのできる無電解めっき皮膜の開発が求められている。そこで、ニッケルイオン、ホウ素系還元剤、ホウ酸イオン及びアンモニウムイオンを含む無電解Ni−Bめっき液を用いて、機械特性を向上させたNi−B皮膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のめっき方法を本発明者が追試したところ、得られるNi−B皮膜のビッカース硬度(HV)は高々800程度であり、昨今の機械技術の進歩で要求されつつある硬度には対応しきれないということが判明した。
従って、本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、熱処理を施さなくても、高い硬度を有し且つクラックのない無電解めっき皮膜を提供することを目的とする。
従って、本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、熱処理を施さなくても、高い硬度を有し且つクラックのない無電解めっき皮膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、皮膜中のホウ素含有量を特定の範囲にすることでミクロ歪を増大させる一方で、皮膜の配向性を制御することでマクロ歪を緩和させることにより、高硬度でありながらクラックがなく表面性状に優れためっき皮膜とすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ホウ素を0.25重量%〜2.0重量%を含む無電解Ni−Bめっき皮膜であって、皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件で行ったディフラクトメータ法によるX線回折図形においてNiの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比OF=F{111}/F{200}が0.1〜20の範囲内であることを特徴とする無電解Ni−Bめっき皮膜である。
また、本発明は、摺動部分を有する機械部品であって、少なくとも摺動部分を上記無電解Ni−Bめっき皮膜で被覆したことを特徴とする機械部品である。
即ち、本発明は、ホウ素を0.25重量%〜2.0重量%を含む無電解Ni−Bめっき皮膜であって、皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件で行ったディフラクトメータ法によるX線回折図形においてNiの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比OF=F{111}/F{200}が0.1〜20の範囲内であることを特徴とする無電解Ni−Bめっき皮膜である。
また、本発明は、摺動部分を有する機械部品であって、少なくとも摺動部分を上記無電解Ni−Bめっき皮膜で被覆したことを特徴とする機械部品である。
本発明によれば、熱処理を施さなくても、ビッカース硬度(HV)850以上の高い硬度を有し且つクラックのない無電解Ni−Bめっき皮膜を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ホウ素含有量を適正量に管理することにより皮膜中に大きなミクロ歪を導入する(高硬度化)と共に、それにより増大するマクロ歪を皮膜の配向性を制御することにより緩和(クラックの低減及び表面性状の改善)することが大きな特徴である。そのため、これらの制御が本発明における必須事項となる。
本発明は、ホウ素含有量を適正量に管理することにより皮膜中に大きなミクロ歪を導入する(高硬度化)と共に、それにより増大するマクロ歪を皮膜の配向性を制御することにより緩和(クラックの低減及び表面性状の改善)することが大きな特徴である。そのため、これらの制御が本発明における必須事項となる。
上述のように本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜は、皮膜中のホウ素含有量を制御することにより、硬度に直接関与すると考えられるミクロ歪を付与している。そのため、皮膜中のホウ素含有量の制御が必須である。ホウ素含有量が0.25重量%未満であると、ミクロ歪の付与効果が少な過ぎるため、硬度が低下する。一方、ホウ素含有量が2.0重量%超であると、ミクロ歪の付与が大き過ぎるため、結晶構造を保ちきれず非晶質化し硬度が低下する。そのため、皮膜中のホウ素含有量は、0.25重量%〜2.0重量%であることが必須であり、好ましくは0.3重量%〜1.8重量%、より好ましくは0.4重量%〜1.5重量%である。
上述のように本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜は、皮膜の配向性を制御することにより、マクロ歪の緩和を行っている。皮膜の配向性を規定するためにはX線ディフラクトメータ法を用いる。皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件で行ったディフラクトメータ法によるX線回折図形においてNiの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比をOF=F{111}/F{200}と定義した場合、OF値が0.1〜20の範囲内であることが必須である。OF値が20超であると、{111}面の配向性が強過ぎるため、ミクロ歪を緩和しきれずに皮膜が破壊されたり、クラックが発生するようになると共に、マクロ歪の影響で表面が荒れることがある。一方、OF値が0.1未満のものはそもそも現時点の無電解めっき技術において実用的な膜厚で得ることが困難である上に、理論的には{200}面の配向性が強過ぎるため、ミクロ歪を緩和しきれずにクラックが発生したり表面が荒れると考えられる。そのため、実用的な膜厚を得ることを前提とすると、OF値は、0.15〜18の範囲内であることが好ましく、0.2〜9の範囲内であることがより好ましく、0.3〜5の範囲内であることが最も好ましい。
本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜は、従来のNi−Bめっき皮膜とは大きく異なり、熱処理を施さなくても、ビッカース硬度(HV)850〜1000を達成することができるものであるが、比較的低温の熱処理を施すことで硬度を劇的に向上させることができる。この性質を利用して、本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜に100℃〜300℃の熱処理を施すことでビッカース硬度(HV)950〜1200を達成することができる。ここで、熱処理の温度が100℃未満では硬度増加は生じず、一方、熱処理の温度が300℃超では逆に粗大結晶が生じ、硬度の低下を招く。そのため、熱処理の温度は100℃〜300℃が好ましく、120℃〜250℃がより好ましい。熱処理の時間は、特に限定されないが、処理温度・皮膜に要求される硬度・母材の耐熱性及び生産性を考慮して適宜決めることができ、通常、30分間〜120分間とすることができる。熱処理の雰囲気は、特に限定されるものではなく、無電解めっきの熱処理において公知な雰囲気、例えば、空気、真空、不活性ガス、還元性のガスなどを用いることができ、作業性及びコストを考慮して適宜選択することができる。
本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜を形成するのに用いる無電解Ni−Bめっき液は、少なくとも、ニッケルイオン、還元剤、ニッケルイオンの錯化剤、硫黄系添加剤及び窒素系錯化剤を含有する。
無電解Ni−Bめっき液中に含まれるニッケルイオンは、水溶性ニッケル塩から生成させることができる。このような水溶性ニッケル塩としては、当該技術分野において公知のものを制限なく使用することができる。水溶性ニッケル塩の具体例としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等が挙げられる。これら水溶性ニッケル塩は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。無電解Ni−Bめっき液におけるニッケルイオンの濃度の低下に伴ってOF値が減少するので、クラックが生じ難くなるが、濃度が低過ぎるとめっき速度が低下するという問題が起こる。これらの点を考慮すると、ニッケルイオンの濃度は、硫酸ニッケルとして、5g/L〜40g/Lであることが好ましく、7g/L〜30g/Lであることがより好ましい。
還元剤としては、本発明の効果を損なわない限り、当該技術分野においてNi−Bめっき液に用いることが公知のホウ素系還元剤を使用することができる。このようなホウ素系還元剤としては、例えば、ジメチルアミノホウ素、ジエチルアミノホウ素、トリメチルアミノホウ素、水酸化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。無電解Ni−Bめっき液におけるホウ素系還元剤の濃度は、ジメチルアミノホウ素として、1g/L〜10g/Lであることが好ましく、2g/L〜4g/Lであることがより好ましい。
ニッケルイオンの錯化剤は、ニッケルイオンとの間で錯体を形成して、水酸化ニッケル等が沈殿するのを防止する。このようなニッケルイオンの錯化剤としては、本発明の効果を損なわない限り、当該技術分野においてNi−Bめっき液に用いることが公知のものを使用することができる。ニッケルイオンの錯化剤の具体例としては、エチレンジアミン等のアミン化合物類、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸等のジカルボン酸、クエン酸等のトリカルボン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等のカルボン酸類が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、アミン類等の窒素を含有する錯化剤に関しては後述の窒素系錯化剤としても機能するため、その量を超えない程度の添加が好ましい。また、これら当該技術分野において公知のニッケルイオンの錯化剤のうち、ヒドロキシカルボン酸類はOF値を緩和しマクロ歪を抑制する効果が強いため好ましい。ニッケルイオンの錯化剤は、添加量を増やすとOF値を減少させる効果があるが、添加量を増やし過ぎるとめっき速度が低下するという問題が起こる。これらの点と、水酸化ニッケルが生じず且つめっき反応を阻害しない範囲を考慮すると、ニッケルイオンの錯化剤の濃度は、リンゴ酸として、3g/L〜20g/Lであることが好ましく、5g/L〜18g/Lであることがより好ましい。
硫黄系添加剤は、ホウ素含有量及び歪量の制御のため添加される。硫黄系添加剤の具体例としては、チオグリコール酸、チオジグリコール酸等のチオエーテル化合物、チオ尿素等のチオシアン化合物、チオ硫酸等のチオン酸、チオ硫酸ナトリウム等のチオン酸塩等が挙げられる。硫黄系添加剤は、添加量を増やすとホウ素含有量を低下させるので硬度が低下するが、添加量が少な過ぎるとホウ素含有量が増加し過ぎて、非晶質化しクラックが発生すると共に硬度が低下するという問題が起こる。更に、硫黄系添加剤は、添加量を増やすとOF値を低減させる効果もある。これらの点を考慮すると、硫黄系添加剤の添加量は、チオジグリコール酸として、0.1ppm〜20ppmであることが好ましく、1ppm〜10ppmであることがより好ましい。
窒素系錯化剤は、ホウ素含有量及び配向性の制御のため添加される。このような窒素系錯化剤の具体例としては、エチレンジアミン、ピリジン等のアミン類、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、EDTAのようなアミノポリカルボン酸等が挙げられる。窒素系錯化剤は、添加量を増やすとOF値を増大させる効果があるので少ない方が好ましいが、硫黄系添加剤との併用時に硫黄系添加剤のホウ素含有量の低減効果を加速させるので非晶質化を抑えることができる。これらの点を考慮すると、窒素系錯化剤の添加量は、グリシンとして、0.1g/L〜20g/Lであることが好ましく、1g/L〜10g/Lであることがより好ましい。
無電解Ni−Bめっき液には、めっき浴の分解を防ぐために公知の安定剤が単独又は複数併用して適宜添加される。そのような安定剤としては、Pb、Bi、Tl、In、Sn、Co等の公知の重金属系安定剤、アルキルアルコール、チオエーテル化合物、チオシアン化合物、チオン酸、チオン酸塩のような硫黄系安定剤、バナジン酸、モリブデン酸等の多価金属酸化物イオン、アゾ化合物、アミン化合物等の窒素系安定剤が挙げられる。これらのうち、硫黄又は窒素含有安定剤は、上述の窒素系錯化剤及び硫黄系添加剤と効果が重複することもあるため、それらの適正量を超えないように添加するのが好ましい。これら安定剤の添加量は、例えばPbであれば0.1ppm〜10ppm、Bi、Tl、In及びSnであればそれぞれ0.1ppm〜100ppm程度である。また、本発明の効果を損なわない範囲でこれらを併用してもよい。
無電解Ni−Bめっき液には、本発明の効果を損なわない範囲で、反応促進剤、光沢剤、界面活性剤、機能付与剤等の公知の添加剤を必要に応じて添加してもよい。反応促進剤としては、アクリルアミドアルキルスルホン酸、メソイオン化合物、スルホベタイン化合物等が挙げられる。無電解Ni−Bめっき液中の反応促進剤の濃度は、通常、0.01g/L〜1g/Lである。光沢剤としては、ポリエチレングリコール等が挙げられる。無電解Ni−Bめっき液中の光沢剤の濃度は、通常、0.01g/L〜1g/Lである。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤等が挙げられる。無電解Ni−Bめっき液中の界面活性剤の濃度は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩として、通常、10mg/L〜30mg/Lである。機能付与剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ素樹脂、フッ化化合物、ナイロン、ポリエチレン、二硫化モリブデン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ等が挙げられる。無電解Ni−Bめっき液中の機能付与剤の濃度は、例えば、PTFE粒子として1g/L〜30g/L、炭化ケイ素粒子として1g/L〜10g/Lである。
無電解Ni−Bめっき液のpHとしては、通常5以上、好ましくは5.5以上、上限として通常10以下、好ましくは9以下である。無電解Ni−Bめっき液のpHが5未満であると、ホウ素系還元剤の自己分解が激しくなり、一方、10を超えると、安定性が低下する場合がある。このようにめっき液のpHを調整するためにpH調整剤を適宜使用してもよい。このようなpH調整剤としては、酸として、例えば、硫酸、リン酸、塩酸等が挙げられ、アルカリとして、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水等が挙げられる。また、無電解Ni−Bめっき液のpHが変動してめっき皮膜の析出速度が低下するのを防止するために、必要に応じてpH緩衝剤を添加してもよい。このようなpH緩衝剤としては、例えば、硫酸アンモニウム、ホウ酸等が挙げられる。
次に、本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜を形成する方法について、以下に説明する。
本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜を形成するには、上述した各成分の作用を考慮して調製した無電解Ni−Bめっき液に被めっき物を浸漬すればよい。めっき条件は、特に限定されるものではないが、好ましくは50℃〜80℃、より好ましくは60℃〜75℃のめっき液温度において、必要に応じてめっき液を撹拌したり、被めっき物を揺動することにより、被めっき物の表面に均一にめっき皮膜を形成させることができる。この場合、めっき液の撹拌及び被めっき物の揺動方法としては、当該技術分野において公知の撹拌方法や揺動方法を採用することができる。また、めっき皮膜の析出速度(めっき速度)はめっき条件等によって変わるが、通常、5mg/cm2・hr〜25mg/cm2・hr程度である。めっき皮膜の膜厚は、めっき製品の使用目的等により適宜選定されるが、通常、2μm〜25μm程度である。
このように、本発明では、無電解めっきの長所を生かしつつ、ビッカース硬度(HV)850以上の非常に高硬度なめっき皮膜を形成することができるので、コストダウン及び軽量化が強く求められている機械産業、特に自動車部品産業、精密機械部品産業などで好適に用いることができる。
本発明の無電解Ni−Bめっき皮膜を形成するには、上述した各成分の作用を考慮して調製した無電解Ni−Bめっき液に被めっき物を浸漬すればよい。めっき条件は、特に限定されるものではないが、好ましくは50℃〜80℃、より好ましくは60℃〜75℃のめっき液温度において、必要に応じてめっき液を撹拌したり、被めっき物を揺動することにより、被めっき物の表面に均一にめっき皮膜を形成させることができる。この場合、めっき液の撹拌及び被めっき物の揺動方法としては、当該技術分野において公知の撹拌方法や揺動方法を採用することができる。また、めっき皮膜の析出速度(めっき速度)はめっき条件等によって変わるが、通常、5mg/cm2・hr〜25mg/cm2・hr程度である。めっき皮膜の膜厚は、めっき製品の使用目的等により適宜選定されるが、通常、2μm〜25μm程度である。
このように、本発明では、無電解めっきの長所を生かしつつ、ビッカース硬度(HV)850以上の非常に高硬度なめっき皮膜を形成することができるので、コストダウン及び軽量化が強く求められている機械産業、特に自動車部品産業、精密機械部品産業などで好適に用いることができる。
長期連続使用においては、めっきの進行に伴って無電解Ni−Bめっき液中のニッケルイオン濃度、還元剤濃度、安定剤濃度が低下するので、連続的に又は適当な時間ごとに、水溶性ニッケル塩や錯化剤、還元剤、pH調整剤、安定剤等をめっき液に補給することが好ましい。
なお、被めっき物表面には、めっき皮膜との付着性を良好にする目的で、無電解ニッケルめっき液に浸漬する前に、通常のめっき工程で行われる前処理を施すことが好ましい。そのような前処理としては、例えば、溶剤又はアルカリ溶液を用いた脱脂、亜鉛置換処理、酸浸漬処理等を挙げることができる。
また、複合的な特性が要求される際など必要に応じて1層以上の皮膜を形成した後に本発明の皮膜を形成することもできる。このような多層皮膜としては、例えば、電気Niめっき、無電解Ni−Pめっき、電気Cuめっき、無電解Cuめっき、Crめっき、Pdめっき等が挙げられる。その膜厚は、特に限定はしないが、コストなどを考慮すると、通常、1μm〜10μm程度である。
めっき対象物である被めっき物に制限はなく、無電解ニッケルめっき可能なものであればいずれの材質でも使用することができ、例えば、金属、表面が導電化されたプラスチックやセラミック等が挙げられる。被めっき物の中でも、高い硬度が要求される摺動部分を有する機械部品を好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〜5〕
母材としてのSUS304板を、脱脂、電解洗浄、混酸(95%硫酸15体積%+36%塩酸15体積%、残部は水)にて活性化した被めっき物に、表1に示すめっき液を用いて表1に示すめっき条件にて、90分めっき皮膜を形成した。得られためっき皮膜に関して、下記方法に従って、ホウ素含有量及びOF値の測定、並びにクラックの有無及びビッカース硬度を評価した。
母材としてのSUS304板を、脱脂、電解洗浄、混酸(95%硫酸15体積%+36%塩酸15体積%、残部は水)にて活性化した被めっき物に、表1に示すめっき液を用いて表1に示すめっき条件にて、90分めっき皮膜を形成した。得られためっき皮膜に関して、下記方法に従って、ホウ素含有量及びOF値の測定、並びにクラックの有無及びビッカース硬度を評価した。
<ホウ素含有量の測定方法>
35%硝酸にて3時間皮膜を溶解した後、溶解液をICP−MS(アジレント社製7500cx)にて分析し、ホウ素含有量を測定した。結果を表1に示す。
35%硝酸にて3時間皮膜を溶解した後、溶解液をICP−MS(アジレント社製7500cx)にて分析し、ホウ素含有量を測定した。結果を表1に示す。
<OF値の測定方法>
得られためっき皮膜について、皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件でディフラクトメータ法によりX線回折図形を測定し、Niの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比を算出することにより、OF値を得た。測定は下記条件で行った。結果を表1に示す。
装置:X’Pert Pro MRD(PANalytical製)
ターゲット:Co
電圧:45mV
電流:40mA
得られためっき皮膜について、皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件でディフラクトメータ法によりX線回折図形を測定し、Niの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比を算出することにより、OF値を得た。測定は下記条件で行った。結果を表1に示す。
装置:X’Pert Pro MRD(PANalytical製)
ターゲット:Co
電圧:45mV
電流:40mA
<クラックの有無の評価方法>
めっき皮膜全体を光学顕微鏡(100倍)で観察して評価した。結果を表2に示す。
めっき皮膜全体を光学顕微鏡(100倍)で観察して評価した。結果を表2に示す。
<ビッカース硬度の評価方法>
MVK−G1(AKASHI社製)を用いて25g荷重にて測定した。結果を表2に示す。
MVK−G1(AKASHI社製)を用いて25g荷重にて測定した。結果を表2に示す。
〔比較例1〜3〕
表3に示すめっき液を用いて表3に示すめっき条件にて、めっき皮膜を形成した。得られためっき皮膜に関して、実施例1〜5と同様にホウ素含有量及びOF値の測定し、結果を表3に示した。また、実施例1〜5と同様にクラックの有無及びビッカース硬度を評価し、結果を表4に示した。
表3に示すめっき液を用いて表3に示すめっき条件にて、めっき皮膜を形成した。得られためっき皮膜に関して、実施例1〜5と同様にホウ素含有量及びOF値の測定し、結果を表3に示した。また、実施例1〜5と同様にクラックの有無及びビッカース硬度を評価し、結果を表4に示した。
〔比較例4〜7〕
表5に示す市販めっき液又は特許文献1に記載のめっき液を用いて表5に示すめっき条件にて、めっき皮膜を形成した。得られためっき皮膜に関して、実施例1〜5と同様にホウ素含有量及びOF値の測定し、結果を表5に示した。また、実施例1〜5と同様にクラックの有無及びビッカース硬度を評価し、結果を表6に示した。
表5に示す市販めっき液又は特許文献1に記載のめっき液を用いて表5に示すめっき条件にて、めっき皮膜を形成した。得られためっき皮膜に関して、実施例1〜5と同様にホウ素含有量及びOF値の測定し、結果を表5に示した。また、実施例1〜5と同様にクラックの有無及びビッカース硬度を評価し、結果を表6に示した。
上記結果から、ホウ素含有量が0.25重量%〜2.0重量%で且つOF値が0.1〜20を満たす実施例1〜5のめっき皮膜は、ビッカース硬度(HV)が854〜980となると共に、クラック発生が皆無となることが分かる。これらのめっき皮膜の硬度は、市販の無電解ニッケルめっき液から得られる皮膜や特許文献1のめっき液から得られる皮膜の硬度を150〜200程度も上回っている。
〔実施例6〕
実施例1で得られためっき皮膜に120℃で20分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、OF値を測定したところ1.31であった。更に、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ981であった。
実施例1で得られためっき皮膜に120℃で20分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、OF値を測定したところ1.31であった。更に、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ981であった。
〔実施例7〕
実施例1で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、OF値を測定したところ1.01であった。更に、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ1103であった。
実施例1で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、OF値を測定したところ1.01であった。更に、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ1103であった。
〔実施例8〕
実施例1で得られためっき皮膜に300℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、OF値を測定したところ0.13であった。更に、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ1010であった。
実施例1で得られためっき皮膜に300℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、OF値を測定したところ0.13であった。更に、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ1010であった。
〔比較例8〕
比較例4で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ542であった。
比較例4で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ542であった。
〔比較例9〕
比較例5で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ750であった。
比較例5で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ750であった。
〔比較例10〕
比較例6で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ835であった。
比較例6で得られためっき皮膜に200℃で60分間熱処理を行った。熱処理後のめっき皮膜にクラックは無かった。また、熱処理後のめっき皮膜について、ビッカース硬度を測定したところ835であった。
上記結果から、本発明のめっき皮膜に100℃〜300℃の熱処理を施すことで、硬度が更に高まることが分かる。また、これらの熱処理後のめっき皮膜の硬度は、既存の中リン皮膜、低リン皮膜及びNi−B皮膜と比較して、圧倒的に高い。
Claims (4)
- ホウ素を0.25重量%〜2.0重量%を含む無電解Ni−Bめっき皮膜であって、皮膜面と入射ビームとのなす角度及び皮膜面と反射ビームとのなす角度が等しい条件で行ったディフラクトメータ法によるX線回折図形においてNiの{111}面の強度F{111}とNiの{200}面の強度F{200}との比OF=F{111}/F{200}が0.1〜20の範囲内であることを特徴とする無電解Ni−Bめっき皮膜。
- ビッカース硬度(HV)が850〜1000であることを特徴とする請求項1に記載の無電解Ni−Bめっき皮膜。
- 請求項1又は2に記載の無電解Ni−Bめっき皮膜に100℃〜300℃の熱処理を施すことによりビッカース硬度(HV)を950〜1200にしたことを特徴とする無電解Ni−Bめっき皮膜。
- 摺動部分を有する機械部品であって、少なくとも前記摺動部分を請求項1〜3のいずれか一項に記載の無電解Ni−Bめっき皮膜で被覆したことを特徴とする機械部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013161663A JP2015030885A (ja) | 2013-08-02 | 2013-08-02 | 無電解Ni−Bめっき皮膜及び機械部品 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3460095A1 (en) | 2017-09-25 | 2019-03-27 | Kabushiki Kaisha Riken | Sliding member |
JP7560093B2 (ja) | 2020-06-03 | 2024-10-02 | 奥野製薬工業株式会社 | 無電解ニッケル-リンめっき浴 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08158058A (ja) * | 1994-11-29 | 1996-06-18 | Nippon Kanizen Kk | Ni−P−B系無電解めっき皮膜及びこの皮膜を用いた機械部品 |
-
2013
- 2013-08-02 JP JP2013161663A patent/JP2015030885A/ja active Pending
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