以下、添付図面を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台の各種実施形態について説明する。
〈第1の実施形態〉
まず、図1〜図5を参照して、第1の実施形態の歯科技工用作業模型(及びその支持基台)について説明する。図1〜図3において、図示の歯科技工用作業模型2は、歯形模型4が固定される固定用プレート6と、固定用プレート6に植設された5本のダウエルピン8と、固定用プレート6を支持するための支持基台10と、を備えている。
支持基台10は支持基台本体12を備え、この支持基台本体12は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂などの合成樹脂から形成される。この支持基台本体12は、横長且つ筒状の周側壁14と、周側壁14の上面を覆う横長の上壁16とを有している。この実施形態では、上壁16の上面(支持基台10の上面を規定する部分)の全域は、図3から理解されるように、固定用プレート6を支持するための支持領域18として機能する。
この支持基台本体12の支持領域18には、その長手方向(図1及び図2において左下から右上の方向、図3において紙面に垂直な方向)に間隔を置いて5個の挿入孔20が設けられている。周側壁14の内側に形成された内部空間22には、各挿入孔20に対応して上壁16の下面から下方に延びる筒状突出部24が設けられ、各挿入孔20は上壁16及び筒状突出部22を貫通して設けられている(図3参照)。各挿入孔20は、筒状突出部24の上端部から下端部に向けて内径が漸減するテーパ状に形成されている。尚、この形態では、各挿入孔20の先端部に拡径部21が設けられ、支持基台10に固定用プレート6を装着した状態において、ダウエルピン8の先端部はこの挿入孔20の拡径部21内に位置し、この拡径部21を超えて下方に突出することはない。このように構成することにより、ダウエルピン8の先端が挿入孔20から突出せず、取扱時の安全性を確保することができるとともに、拡径部21内に工具先端部(図示せず)を挿入することにより、ダウエルピンの取外しが容易となる。
また、上壁16の上面(即ち、支持領域18)における片側側部(図1及び図2において右下側の側部、図3において右側の側部)には、上方に突出する片側係合突条26が設けられ、その他側側部には(図1及び図2において左上側の側部、図3において左側の側部)には、上方に突出する他側係合突条28が設けられている。片側係合突条26及び他側係合突条28は、相互に対向して配置され、支持基台本体12の長手方向略全長にわたって設けられ、その両端部においては、片側係合突条26及び他側係合突条28は設けられていない。片側係合突条26及び他側係合突条28の上壁16からの突出高さH(図5参照)は、約1.0〜3.0mm程度に設定される。
この実施形態では、複数の挿入孔20は、支持基台10(支持基台本体12)の上面、即ち支持領域18の幅方向の中心線P1よりも他側、即ち他側係合突条28側に配置されている。複数の挿入孔20は、支持基台本体12の上面(即ち、支持領域18)に沿って設けられ、この支持基台本体12における上壁16の上面(即ち、支持領域18)の幅をWとしたときに、その片側側端からの距離W1(具体的には、挿入孔20の中心線P2までの距離)が(W/2)<W1<(4W/5)の範囲に、好ましくは3W/5<W1<3W/4)の範囲に配置される。
また、このことに関連して、この支持基台12の支持領域18には、複数の挿入孔20(換言すると、各挿入孔20に挿入されたダウエルピン8)に対応して、複数の係合補助突条30が設けられている。これら係合補助突条30は、支持基台12の片側係合突条26の内側面(即ち、他側係合突条28と対向する側面)から内側に対応する挿入孔20に向けて延び、この実施形態では、この支持基台12の幅方向の中心線P1までの半分程度まで延びているが、この片側係合突条26からの長さは、例えば、この支持基台12の幅WのW/5程度から対応する挿入孔20に至るまでの間の適宜の長さに設定することができる。
この実施形態では、複数の係合補助突条30は、対応する挿入孔20(対応するダウエルピン8)に向けて直線状に延びているが、例えば、円弧状、S字状などの曲線状に延びるように設けるようにしてもよい。また、複数の係合補助突条30の高さは、図3に示すように、片側係合突条26の高さと等しくなるように設けられているが、この片側係合突条26から同じ高さレベルでもって内側に延びているが、この片側係合突条26より幾分低く形成し、片側係合突条26から段差をもって内側に延びるように構成することもできる。
また、周側壁14の外周面には、複数の挿入孔18の各々に対応して(換言すると、固定用プレート6のダウエルピン8に対応して)位置決め用突部32が設けられている。この位置決め用突部32は、挿入孔18を挟んでそれらの両側に設けられている。
固定用プレート6は石膏から形成されたプレート本体34を備え、このプレート本体34は、支持基台本体12の上壁16(即ち、支持領域18)の形状に対応した横長の形状を有している。この固定用プレート6には、支持基台本体12の各挿入孔18に対応して5本のダウエルピン8が植設されている。ダウエルピン8は、各挿入孔18が上述のテーパ状に形成されていることに対応して、その基端部から先端部に向けて外径が漸減するテーパ状に形成されている。また、固定用プレート6に埋設されるダウエルピン8の基端部には、固定用プレート6に対する固定強度を高めるためにローレット加工が施されている。
固定用プレート6(即ち、プレート本体34)の下面(即ち、ダウエルピン8が突出する側の面)における片側側部には、支持基台10側の片側係合突条26に対応して片側係合凹条36が設けられ、またその他側側部には、支持基台10の他側係合突条28に対応して他側係合凹条38が設けられている。これら片側係合凹条36及び他側係合凹条38は、上方に延びるとともに固定用プレート6の長手方向に延びている。
この固定用プレート6(プレート本体34)の下面には、更に、支持基台10側の複数の係合補助突条30に対応して複数の係合補助凹条40が設けられている。これら係合補助凹条40は対応するダウエルピン8に向けて直線状に延びている。
この固定用プレート6の上面には、石膏から形成された歯形模型4(本実施形態では、部分タイプのもの)が固定される。この固定用プレート6は、ダウエルピン8を対応する挿入孔20に着脱自在に挿入することにより、支持基台本体12の上壁16の上面(即ち、支持領域18)に着脱自在に支持される。この支持状態においては、図3に示すように、固定用プレート6(プレート本体34)側の片側係合凹条36及び他側係合凹条38と支持基台10(支持基台本体12)側の片側係合突条26及びの他側係合突条28とが相互に着脱自在に係合されるとともに、固定プレート6側の複数の係合補助凹条40と支持基台10(支持基台本体12)側の複数の係合補助突条38とが相互に着脱自在に係合される。
次に、主として図3〜図5を参照して、上述した歯科技工用作業模型2の製造方法について説明する。この作業模型2を製作するには、歯型(図示せず)に石膏を流し込んで歯形模型4を製作し、また、合成樹脂による例えば射出成形によって支持基台12を製造する。そして、図4に示すように、支持基台10(支持基台本体12)の各挿入孔20にダウエルピン8を先端部側から着脱自在に挿入する(ダウエルピン挿入工程)。このように挿入すると、ダウエルピン8の基端部は、支持基台10の上面、即ち支持基台本体12の上壁16の上面から上方に所定長さ(例えば、約3〜4mm程度)突出する(図5参照)。
その後、図4及び図5に示すように、支持基台本体12の上部に成型用基枠42を着脱自在に装着する(基枠装着工程)。ここで、基枠装着工程で用いる成型用基枠42について説明すると、成型用基枠42は全体として略矩形状の外形を有し、例えばシリコンゴムや合成ゴムなどのゴム材料から形成されている。成型用基枠42の内側には上下方向に貫通する貫通開口44が設けられ、この貫通開口44は、支持基台本体12の上部の形状に対応した形状を有している。
成型用基枠42を支持基台本体12の上部に装着すると、図5に示すように、支持基台本体12の上壁16及び周側壁14の上端部が貫通開口44の下端部に挿入され、成型用基枠42の内周面が周側壁14の外周面に密着するように取り付けられる。このとき、成型用基枠42の下端部が支持基台本体12の位置決め用突部32に当接支持されることにより、成型用基枠42が支持基台本体12に対して位置決めされる。この装着状態では、成型用基枠42は、支持基台本体12の上壁16の上面から上方に所定高さ(例えば、約7〜10mm程度)だけ突出するようになり、支持基台本体12の上面及び成型用基枠42の内周面によって注入空間46が規定される。
その後、固定用プレート6を成型するための石膏48を注入空間46に注入する(プレート成形工程)。この石膏48は、ダウエルピン8の基端部が石膏48に完全に浸漬されるまで注入される。このとき、支持基台本体12の上壁16の両端部には片側係合突条26及び他側係合突条28が設けられていないので、注入した石膏48が上壁16の両端部に流れるようになり、石膏48を上壁16の全域にほぼ均一に注入することができる。
注入空間46内に注入した石膏46が硬化することにより、ダウエルピン8が植設され且つ片側係合凹条36(支持基台10側の片側係合突条26に対応する凹条)、他側係合凹条38(支持基台10側の他側係合突条28に対応する凹条)及び複数の係合補助凹条40(支持基台10側の複数の係合補助突条30に対応する凹条)が設けられた固定用プレート6が成型される。
しかる後、成型用基枠42を支持基台本体12の上部から取り外し、固定用プレート6の上面に例えば研削加工を施して平坦となるように加工する(研削加工工程)。この加工は、固定用プレート6を支持基台本体12の上面に装着させた状態で行われ、ダウエルピン8の基端面が外部に露出するまで行われる。
その後、研削加工を施した固定用プレート6(プレート本体34)の上面に歯形模型4を接着剤等を用いて固定し(歯形模型固定工程)、このようにして図1〜図3に示す通りの歯科技工用作業模型2を製作することができる。そして、この作業模型2を用いて作業を行うときには、固定用プレート6を支持基台10に支持させた状態で、図1において一点鎖線52で示すように歯形模型4の所定部位(即ち、隣接する一対のダウエルピン8の間の部位)を固定用プレート6とともに切断工具(図示せず)を用いて切断する(模型切断工程)。このとき、固定用プレート6を切断することによって、支持基台10側の片側係合突条26及び他側係合突条28も切断工具による切り込み54が形成されるようになる。このように切断することによって、歯形模型4の切断した部位を固定用プレート6及びダウエルピン8とともに残りの部位から取り出すことができる。
尚、上述したように、支持基台本体12の周側壁14には挿入孔20に対応して位置決め用突部32が設けられているので、歯形模型4を切断する際に、この位置決め用突部32を目視することによって、ダウエルピン8の配設箇所を容易に確認することができる。
上述した形態では、歯形模型固定工程において、固定用プレート6の上面に歯形模型4を接着剤等を用いて固定するようにしているが、このような構成に代えて、注入空間46に石膏48を注入した後に、注入した石膏48の硬化前に歯形模型4を押し付け、石膏52の硬化により固定用プレート6の上面に歯形模型4を固定するようにしてもよい。
このようにして製作された歯科技工用作業模型2(その支持基台10)は、次の通りの特徴を有する。まず、複数の挿入孔20(具体的には、挿入孔20の中心線P2であって、これに装着されるダウエルピン8の軸方向の中心線P2)が支持基台10の他側側(その幅方向の中心線P1よりも他側側、即ち他側係合突条28側)に配置されているので、支持基台10の片側係合突条26から挿入孔20(その中心線P2)までの距離L1は、支持基台10の他側係合突条28から挿入孔20(その中心線P2)までの距離L2よりも大きくなる(L2<L1)。従って、支持基台10の他側では、支持基台10の周側壁14に設けられた位置決め用突部32からこれに対応する挿入孔20(これに挿入されたダウエルピン8)までの間隔が短くなるために、例えば支持基台10の他側から見て歯形模型4を切断する際に切断工具(図示せず)が少し傾いた状態で切断したとしてもダウエルピン8を切断するおそれが少なくなり、歯形模型4の切断作業の切断ミスを大きく減らすことができる。
また、支持基台10(支持基台本体12)側に片側係合突条26及び他側係合突条28が設けられているとともに、固定用プレート6(プレート本体34)側に片側係合凹条36及び他側係合凹条38が設けられているので、支持基台10の上面(支持領域18)に固定用プレート6を装着した状態においては、支持基台10側の片側係合突条26及び他側係合突条28と固定用プレート6側の片側係合凹条36及び他側係合凹条38とが相互に係脱自在に係合する。
加えて、複数の挿入孔20が支持基台10の他側に配置されていることに関連して、この支持基台10(支持基台本体12)の片側に各挿入孔20に対応して係合補助突条30が設けられるとともに、固定用プレート6(プレート本体34)に各係合補助突条30に対応して係合補助凹条40が設けられているので、支持基台10の上面(支持領域18)に固定用プレート6を装着した状態においては、支持基台10側の複数の係合補助突条30と固定用プレート6側の係合補助凹条40とが相互に係合する。
従って、固定用プレート6を支持基台10に装着した状態においては、支持基台10と固定用プレート6との係合状態が確実に保たれて固定用プレート6のガタなどが確実に抑えられ、また歯形模型4を切断して固定用プレート6の一部を繰り返して抜差しても支持基台10に対する相対的なガタ、回動なども確実に抑えられる。
〈第2の実施形態〉
次いで、図6及び図7を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第2の実施形態について説明する。図6及び図7においては、第2の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台のみを示している。尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
この第2の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Aにおいては、図6と図2及び図3とを対比することによって理解される如く、片側係合突条26A及び他側係合突条28Aに関連する構成に修正が施されている。図6及び図7において、支持基台10A(支持基台本体12A)の片側側部に設けられた片側係合突条26Aには、隣接する係合補助突条30A間に片側傾斜突部62が設けられているとともに、両端側の係合補助突条30Aの外側に外側傾斜突部64が設けられている。片側傾斜突部62及び外側傾斜突部64は、片側係合突条26Aの内側面から内側に延び、それらの上面は内側に向けて下方に傾斜して上壁16の上面まで延びている(図7参照)。
また、支持基台10A(支持基台本体12A)の他側側部に設けられた他側係合突条28Aには、他側傾斜突部66が設けられており、この他側傾斜突部66は、他側係合突条28Aの一端から他端までほぼ全長にわたって設けられている。この他側傾斜突部66は、他側係合突条28Aの内側面から内側に延び、その上面は内側に向けて下方に傾斜して上壁16の上面まで延びている(図7参照)。
これら片側傾斜突部62及び外側傾斜突部64の傾斜角度θ1(図7)(上壁16の上面から上方への傾斜角度)並びに他側傾斜突部66の傾斜角度θ2(図7)(上壁16の上面から上方への傾斜角度)は、例えば30〜70度程度に設定され、40〜60度の角度範囲が好ましい。
この第2実施形態では、片側傾斜突部62の全体にその長手方向に沿って(即ち、この片側傾斜突部62に沿って)間隔をおいて複数の片側係合凹部68が設けられ、これら片側係合凹部68は、支持基台本体12Aの上壁16の上面まで延びている。図示の例では、片側傾斜突部62における隣接する係合補助突条30A間の部位に2つの片側係合凹部68が設けられているが、かかる部位に1つ又は3つ以上の係合補助突部30Aを設けるようにしてもよい。また、外側傾斜突部64には外側係合凹部を全く設けていないが、この外側傾斜突部64に1つ又は2つ以上の外側係合凹部を設けるようにしてもよい。
更に、他側傾斜突部66においてはその長手方向に沿って(即ち、この他側傾斜突部66に沿って)間隔をおいて複数の他側係合凹部70が設けられ、これら他側係合凹部70は、片側係合凹部68と同様に、支持基台本体12Aの上壁16の上面まで延びている。
この実施形態では、片側傾斜突部62に複数の片側係合凹部68を設け、他側傾斜突部66に複数の他側係合凹部70を設けているが、これら片側係合凹部68及び/又は他側係合凹部70を省略することもできる。
この第2の実施形態の歯科技工用作業模型では、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1の実施形態と同様に、この支持基台10Aの上端部に位置決め用突部32に当接支持されるように成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Aの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Aの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10A(支持基台本体12A)の片側係合突条26Aに対応して固定用プレート(プレート本体)の片側側部に片側係合凹条が設けられ、その他側係合突条28Aに対応して固定用プレートの他側側部に他側係合凹条が設けられる。また、支持基台10Aの複数の係合補助突条30Aに対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条が設けられる。
更に、支持基台10Aの片側傾斜突部62及び外側傾斜突部64に対応して、固定用プレートの片側側部に片側傾斜凹部及び外側傾斜凹部が設けられるとともに、その他側傾斜突部66に対応して、固定用プレートの他側側部に他側傾斜凹部が設けられる。更にまた、支持基台10Aの片側傾斜突部62に設けられた複数の片側係合凹部68に対応して、固定用プレートの片側傾斜凹部に複数の片側係合突部が設けられるとともに、その他側傾斜突部66に設けられた複数の他側係合凹部70に対応して固定用プレートの他側傾斜凹部に複数の他側係合突部が設けられる。この第2の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第2の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10A(支持基台本体12A)の上面(支持領域18)に固定用プレートを支持した支持状態においては、支持基台10A(支持基台本体12A)側の片側係合突条26A及び他側係合突条28Aと固定用プレート(プレート本体)側の片側係合凹条及び他側係合凹条(いずれも図示せず)とが相互に係合するとともに、支持基台10A側の複数の係合補助突条30Aと固定用プレート側の複数の係合補助凹条(図示せず)とが相互に係合する。
更に、支持基台10A側の片側傾斜突部62及び外側傾斜突部64並びに他側傾斜突部66と固定用プレート側の片側傾斜凹部及び外側傾斜凹部並びに他側傾斜凹部(いずれも図示せず)とが相互に係合するとともに、支持基台10A側の複数の片側係合凹部68及び他側係合凹部70と固定用プレート側の複数の片側係合突部及び他側係合突部(いずれも図示せせず)が相互に係合し、これにより、支持基台10Aと固定用プレート(図示せず)との係合状態をよりガタ、回動などのない状態に保持することができる。
〈第3の実施形態〉
次に、図8〜図10を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第3の実施形態について説明する。図1〜図7に示す実施形態(第1及び第2の実施形態)では、歯形模型が部分タイプのものに適用して説明したが、第3の実施形態では、歯形模型が全顎タイプのもの、即ち上歯全体(又は下歯全体のもの)に適用して説明する。
図8〜図10において、この第3の実施形態の歯科技工用作業模型における支持基台10Bは、略U字状の支持基台本体12Bを備え、この支持基台本体12Bの上端部に上壁16Bが設けられ、かかる上壁16Bが略U字状の弧状に延び、この上壁16Bの上面が支持領域18Bとして機能し、この支持基台本体12Bの内側が接続部72により接続されている。
この第3の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Bにおいては、図8及び第9と図2及び図3とを対比することによって理解される如く、支持基台10B(支持基台本体10B)の構成に加えて、片側係合突条26B(内側係合突条)及び他側係合突条28B(外側係合突条)並びにこれらに関連する構成に修正が施されている。更に説明すると、支持基台10Bの上壁16B(支持領域18B)が略U字状であることに関連して、その片側側部(内側側部)に設けられる片側係合突条26B(内側係合突条)は略U字状の弧状に延び、またその他側側部(外側側部)に設けられる他側係合突条28B(外側係合突条)も略U字状の弧状に延びている。
また、支持基台10B(支持基台本体12B)の複数の挿入孔20は、支持基台10B(支持基台本体12B)の上壁16Bの上面、即ち支持領域18Bの幅方向の中心線P1(図9参照)よりも他側(外側)、即ち他側係合突条28B側に配置されている。複数の挿入孔20は、支持基台本体12Bの上壁16Bの上面(即ち、支持領域18B)に沿って弧状に間隔をおいて配設され、この上壁16Bの上面(支持領域18B)の幅をWとしたときに、上述したと同様に、その片側側端からの距離W1(具体的には、挿入孔20の中心線P2までの距離)が(W/2)<W1<(4W/5)の範囲に、好ましくは3W/5<W1<3W/4)の範囲に配置される。
また、支持基台10Bの片側係合突条26Bの内側面には、複数の挿入孔20のそれぞれに対応して係合補助突条30Bが設けられ、各係合補助突条30Bは、対応する挿入孔20に向けて直線状に延びている。この形態では、全顎タイプの歯形模型に適用するものであるために、挿入孔20(換言すると、用いるダウエルピン)はこの支持領域18Bに沿って14個設けられ、図8及び図9に示すように、支持基台本体12Bの上壁16B(即ち、支持領域18B)の両端側ほど挿入孔20間の間隔(即ち、ダウエルピン間の間隔)が大きくなっている。
このことに関連して、この実施形態では、複数(この形態では、14個)の係合補助突条30Bのうち支持基台本体12Bの上壁16B(即ち、支持領域18B)の両端側に位置する複数(この形態では、2個ずつの合計4個)の第1係合補助突条30Baは、対応する挿入孔20に向けて支持領域18Bの幅方向の中心線P1を超えて延び、これらの係合補助突条30Bの残りの複数(この形態では、10個)の第2係合補助突条30Bbは、対応する挿入孔20に向けて支持領域18Bの幅方向の中心線P1の近傍まで延び、第1係合補助突条30Baは第2係合補助突条30Bbよりも内側に大きく延びている。
この形態では、第1係合補助突条30Baが第2係合補助突条30Bbよりも長く延びているが、これら係合補助突条30B(第1係合補助突条30Ba及び第2係合補助突条30Bb)の長さを等しく延びるようにし、例えば支持領域18Bの中心線P1近傍まで延びるようにしてもよく、或いは対応する挿入孔20又はその近傍まで延びるようにしてもよい。また、第1係合補助突条30Baを支持領域18Bの両端部に2つずつ設けているが、1つ又は3つ以上設けるようにしてもよく、二つ以上設ける場合、複数の第1係合補助突条30Baの長さを両端側ほど長くなるように構成するようにしてもよい。
この第3の実施形態の歯科技工用作業模型では、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1の実施形態と同様に、この支持基台10Bの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け(その内側部は、接続部72に当接支持され、その外側部は複数の位置決め用突部32に当接支持される)、この成型用基枠内に規定された注入空間内に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Bの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Bの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、固定用プレートは、支持基台10B(支持基台本体12B)の支持領域18Bの形状に対応して略U字状に形成され、この支持領域18Bに沿って複数のダウエルピンが設けられ、これらダウエルピンは、支持基台10B側の対応する挿入孔20に挿入される。
また、支持基台10B(支持基台本体12B)の片側側部(内側側部)の片側係合突条26Bに対応して固定用プレート(プレート本体)の片側側部に片側係合凹条(内側係合凹条)が設けられ、その他側側部(外側側部)の他側係合突条28Bに対応して固定用プレートの他側側部に他側係合凹条(他側係合凹条)が設けられる。
また、支持基台10Bの複数の係合補助突条30B(第1係合補助突条30Ba及び第2係合補助突条30Bb)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条(第1係合補助凹条及び第2係合補助凹条)が設けられ、これら係合補助凹条(第1係合補助凹条及び第2係合補助凹条)は、固定用プレートの片側係合凹条から対応するダウエルピンに向けて直線状に延び、支持基台10Bの支持領域18Bの両端側に配設された第2係合補助凹条は、その中間部に配設された残りの第1係合補助凹条よりも内側に延びている。この第3の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第3の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10B(支持基台本体12B)の上面(支持領域18B)に固定用プレートを支持した支持状態においては、支持基台10B(支持基台本体12B)側の片側係合突条26B及び他側係合突条28Bと固定用プレート(プレート本体)側の片側係合凹条及び他側係合凹条(いずれも図示せず)とが相互に係合するとともに、支持基台10B側の複数の係合補助突条30B(第1係合補助突条30Ba及び第2係合補助突条30Bb)と固定用プレート側の複数の係合補助凹条(第1係合補助凹条及び第2係合補助凹条)(いずれも図示せず)とが相互に係合し、これにより、全顎タイプの歯科技工用作業模型においても、支持基台10Bと固定用プレート(図示せず)との係合状態をガタ、回動などなく保持することができる。
〈第4の実施形態〉
次に、図11を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第4の実施形態について説明する。この第4の実施形態においては、支持基台側の複数の第1係合補助突条に修正が施されている。
図11において、この第4の実施形態の歯科技工用作業模型における支持基台10Cにおいては、複数の係合補助突条30Cの第1係合補助突条30Ca(支持領域18Cの両端部に位置する係合補助突条)は、片側係合突条26C(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて曲線状に延び、それらの第2係合補助突条30Cb(支持領域18Cの長手方向中間部に位置する係合補助突条)は、この片側係合突条26Cの内側面から対応する挿入孔20に向けて直線状に延びている。
この形態においても、第1係合補助突条30Caは、第2係合補助突条30Cbよりも内側に延びており、例えばS字状又は逆S字状の曲線状に延びているが、例えば円弧状又は波状などの曲線状となるようにしてもよい。尚、第1係合補助突条30Cbに加えて第2係合補助突条も曲線状に延びるように構成することもできる。
このことに関連して、図示していないが、固定用プレートには、支持基台10Cの片側係合突条26C(内側係合突条)に対応して片側係合凹条(内側係合凹条)が設けられ、その他側係合突条28C(外側係合突条)に対応して他側係合凹条(外側係合凹条)が設けられる。また、この固定用プレートには、支持基台10C側の複数の係合補助突条30Cのうちの第1係合補助突条30Caに対応して、曲線状に延びる第1係合補助凹条が設けられ、また支持基台10C側の複数の係合補助突条30Cのうちの残りの第2係合補助突条30Cbに対応して、直線状に延びる第2係合補助凹条が設けられる。この第4の実施形態におけるその他の構成は、上述した第3の実施形態と実質上同一である。
この第4の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10C(支持基台本体12C)の上面(支持領域18C)に固定用プレートを支持した支持状態においては、支持基台10C(支持基台本体12C)側の片側係合突条26C及び他側係合突条28Cと固定用プレート(プレート本体)側の片側係合凹条及び他側係合凹条(いずれも図示せず)とが相互に係合する。また、支持基台10C側の複数の係合補助突条30C(第1係合補助突条30Ca及び第2係合補助突条30Cb)と固定用プレート側の複数の係合補助凹条(第1係合補助凹条及び第2係合補助凹条)(いずれも図示せず)とが相互に係合し、特に支持領域18Cの両端部において、支持基台10C側で曲線状に延びる第1係合補助突条30Caと固定用プレート側で曲線状に延びる第1係合補助凹条とが係合するので、支持領域18Cの両端部におけるガタ、回動などの発生をより効果的に抑えることができる。
〈第5の実施形態〉
次に、図12を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Dにおいては、図12と図11(第4の実施形態)とを対比することによって理解される如く、片側係合突条26D及び他側係合突条28Dに関連する構成に、図6及び図7(第2の実施形態)に示すような修正が施されている。
図12において、支持基台10D(支持基台本体12D)の片側側部(内側側部)に設けられた片側係合突条26D(内側係合突条)には、隣接する係合補助突条30D間に片側傾斜突部82が設けられているとともに、両端側の係合補助突条30D(第1係合補助突条30Da)の外側に外側傾斜突部84が設けられている。片側傾斜突部82及び外側傾斜突部84は、片側係合突条26Dの内側面から内側に延び、それらの上面は内側に向けて下方に傾斜して支持領域18Dまで延びている。
また、支持基台10D(支持基台本体12D)の他側側部(外側側部)に設けられた他側係合突条28D(外側係合突条)には、他側傾斜突部86が設けられており、この他側傾斜突部86は、他側係合突条28Dの一端側から他端側までほぼ全長にわたって設けられている。この他側傾斜突部86は、他側係合突条28Dの内側面から内側に延び、その上面は内側に向けて下方に傾斜して支持領域18Dまで延びている。これら片側傾斜突部82及び外側傾斜突部84並びに他側傾斜突部86の傾斜角度は、上述したと同様に、例えば30〜70度程度に設定され、40〜60度の角度範囲が好ましい。
この第5実施形態では、片側傾斜突部82の全体においてその長手方向に沿って間隔をおいて複数の片側係合凹部88が設けられ、これら片側係合凹部88は、支持基台本体12Aの上面まで延びている。尚、隣接する係合補助突条30D間の間隔が小さい部分(例えば、U字状の底部付近)ではこの片側係合凹部88が省略されている。
また、他側傾斜突部86においてはその長手方向に沿って(即ち、この他側傾斜突部86に沿って)間隔をおいて複数の他側係合凹部90が設けられ、これら他側係合凹部90は、片側係合凹部88と同様に、支持基台本体12Dの上面まで延びている。
この実施形態では、片側傾斜突部82に複数の片側係合凹部88を設け、他側傾斜突部86に複数の他側係合凹部90を設けているが、これら片側係合凹部88及び/又は他側係合凹部90を省略することもできる。
この第5の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第4の実施形態と同様に、この支持基台10Dの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Dの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Dの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10D(支持基台本体12D)の片側係合突条26D(内側係合突条)に対応して固定用プレート(プレート本体)の片側側部に片側係合凹条(内側係合凹条)が設けられ、その他側係合突条28Dに対応して固定用プレートの他側側部に他側係合凹条(外側係合凹条)が設けられる。また、支持基台10Dの複数の係合補助突条30D(第1係合補助突条30Da及び第2係合補助突条30Db)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条(第1係合補助凹条及び第2係合補助凹条)が設けられる。
更に、支持基台10Dの片側傾斜突部82及び外側傾斜突部84に対応して、固定用プレートの片側側部(内側側部)に片側傾斜凹部及び外側傾斜凹部が設けられるとともに、その他側傾斜突部86に対応して、固定用プレートの他側側部(外側側部)に他側傾斜凹部が設けられる。更にまた、支持基台10Dの片側傾斜突部82に設けられた複数の片側係合凹部88に対応して、固定用プレートの片側傾斜凹部に複数の片側係合突部が設けられるとともに、その他側傾斜突部86に設けられた複数の他側係合凹部90に対応して固定用プレートの他側傾斜凹部に複数の他側係合突部が設けられる。この第5の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第4の実施形態と実質上同一である。
この第5の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10D(支持基台本体12D)の上面(支持領域18D)に固定用プレートを支持した支持状態においては、支持基台10D(支持基台本体12D)側の片側係合突条26D及び他側係合突条28Dと固定用プレート(プレート本体)側の片側係合凹条及び他側係合凹条(いずれも図示せず)とが相互に係合するとともに、支持基台10D側の複数の係合補助突条30D(第1係合補助突条30Da及び第2係合補助突条30Db)と固定用プレート側の複数の係合補助凹条(第1係合補助凹条及び第2係合補助凹条)(図示せず)とが相互に係合する。
更に、支持基台10D側の片側傾斜突部82及び外側傾斜突部84並びに他側傾斜突部86と固定用プレートの片側傾斜凹部及び外側傾斜凹部並びに他側傾斜凹部(いずれも図示せず)とが相互に係合するとともに、支持基台10D側の複数の片側係合凹部88及び他側係合凹部90と固定用プレート側の複数の片側係合突部及び他側係合突部(いずれも図示せせず)が相互に係合し、これにより、支持基台10Dと固定用プレート(図示せず)との係合状態をより一層効果的にガタ、回動などの無い状態に保持することができる。
〈第6の実施形態〉
次に、図13を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第6の実施形態について説明する。この第6の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Eにおいては、図13と図12(第5の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30Eに修正が施されている。
図13において、複数の係合補助突条30Eの第1係合補助突条30Ea(支持領域18Eの両端部に位置する係合補助突条)は、片側係合突条26E(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの先端部は他側係合突条28E側に分岐して、具体的には対応する挿入孔20の両側に分岐して延びている。このように構成されているので、各第1係合補助突条30Eaは、片側係合突条26Eから直線状に延びる突条本体部30Eaa(第1突条本体部に相当する)と、この突条本体部30Eaaの先端部から他側係合突条28E側に向けて分岐して延びる一対の分岐突条部30Eab(第1分岐突条部に相当する)とを備えている。また、複数の係合補助突部30Eの第2係合補助突条30Eb(支持領域18Eの中央部に位置する係合補助突条)は、この片側係合突条26Eの内側面から対応する挿入孔20に向けて直線状に延びている。
第1係合補助突条30Eaの一対の分岐突条部30Eab間の角度α1は、例えば40〜140度程度であり、例えば60〜120度であるのが好ましく、このような角度範囲に設定することにより、一対の分岐突条部30Ebを対応する挿入孔20の両側に延びるように設けることができる。
この形態においては、第1係合補助突条30Eaは、第2係合補助突条30Ebよりも内側(他側係合突条28E側)に延び、その分岐突条部30Eabは、第2係合補助突条30Ebの先端付近から分岐して対応する挿入孔20の両側に延びている。
この第6の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第5の実施形態と同様に、この支持基台10Eの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Eの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Eの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10E(支持基台本体12E)の片側係合突条26E(内側係合突条)に対応して固定用プレート(プレート本体)の片側側部に片側係合凹条(内側係合凹条)が設けられ、その他側係合突条28Eに対応して固定用プレートの他側側部に他側係合凹条(外側係合凹条)が設けられる。また、支持基台10Eの複数の係合補助突条30Eの第1係合補助突条30Ea(突条本体部30Eaa及び一対の分岐突条部30Eab)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第1係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)が設けられるとともに、複数の係合補助突条30Eの第2係合補助突条30Ebに対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第2係合補助凹条が設けられる。この第6の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第5の実施形態と実質上同一である。
この第6の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10E(支持基台本体12E)の上面(支持領域18E)に固定用プレートを支持した支持状態においては、支持基台10E(支持基台本体12E)側の片側係合突条26E及び他側係合突条28Eと固定用プレート(プレート本体)側の片側係合凹条及び他側係合凹条(いずれも図示せず)とが相互に係合する。また、支持基台10E側の複数の係合補助突条30Eの第1係合補助突条30Ea(突条本体部30Eaa及び一対の分岐突条部30Eab)と固定プレート側の複数の係合補助凹部の第1係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)とが係合するとともに、支持基台10E側の複数の係合補助突条30Eの第2係合補助突条30Ebと固定プレート側の複数の係合補助凹部の第2係合補助凹条とが係合する。
更に、第5の実施形態と同様に、支持基台10E側の片側傾斜突部82及び外側傾斜突部84並びに他側傾斜突部86と固定用プレートの片側傾斜凹部及び外側傾斜凹部並びに他側傾斜凹部(いずれも図示せず)とが相互に係合するとともに、支持基台10E側の複数の片側係合凹部88及び他側係合凹部90と固定用プレート側の複数の片側係合突部及び他側係合突部(いずれも図示せせず)が相互に係合し、これにより、支持基台10Eと固定用プレートとの係合状態をより一層効果的にガタ、回動などの無い状態に保持することができる。
〈第7の実施形態〉
次に、図14を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第7の実施形態について説明する。この第7の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Fにおいては、図14と図13(第6の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30Fの第2係合補助突条30Fbに修正が施されている。
図14において、この第7の実施形態では、複数の係合補助突条30Fの第1係合補助突条30Fa(支持領域18Fの両端部に位置する係合補助突条)は、第6の実施形態と同様に、片側係合突条26F(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの先端部は、他側係合突条28F側に(この形態では、対応する挿入孔20の両側に)分岐して延びており、各第1係合補助突条30Faは、片側係合突条26Fから直線状に延びる第1突条本体部30Faaと、この第1突条本体部30Faaの先端部から分岐して延びる一対の第1分岐突条部30Fabとを備えている。
また、複数の係合補助突条30Fの第2係合補助突条30Fb(支持領域18Fの中央部に位置する係合補助突条)は、第1係合補助突条30Faと同様に、片側係合突条26F(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの先端部は、他側係合突条28F側に、(この形態では、対応する挿入孔20の両側に)分岐して延びており、各第2係合補助突条30Fbも、片側係合突条26Fから直線状に延びる第2突条本体部30Fbaと、この第2突条本体部30Fbaの先端部から分岐して延びる一対の第2分岐突条部30Fbbとを備えている。この第7の実施形態における支持基台10Fのその他の構成は、上述した第6の実施形態と実質上同一である。尚、第1係合補助突条30Faの一対の第1分岐突条部30Fab間の角度α1及び第2係合補助突条30Fbの一対の第2分岐突条部30Fbb間の角度α2は、例えば40〜140度程度であり、例えば60〜120度であるのが好ましい。
この第7の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第6の実施形態と同様に、この支持基台10Fの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Fの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Fの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10Fの複数の係合補助突条30Fの第1係合補助突条30Fa(第1突条本体部30Faa及び一対の第1分岐突条部30Fab)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第1係合補助凹条(第1凹条本体部及び一対の第1分岐凹条部)が設けられるとともに、複数の係合補助突条30Fの第2係合補助突条30F(第2突条本体部30Fba及び一対の第2分岐突条部30Fbb)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第2係合補助凹条(第2凹条本体部及び一対の第2分岐凹条部)が設けられ、この固定用プレートのその他の構成は、第6の実施形態のものと実質上同一である。
この第7の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10F(支持基台本体12F)の上面(支持領域18F)に固定用プレートを支持した支持状態においては、支持基台10F(支持基台本体12F)側の複数の係合補助突条30Fの第1係合補助突条30Fa(第1突条本体部30Faa及び一対の第1分岐突条部30Fab)と固定プレート側の複数の係合補助凹部の第1係合補助凹条(第1凹条本体部及び一対の第1分岐凹条部)とが係合するとともに、複数の係合補助突条30Fの第2係合補助突条30Fb(第2突条本体部30Fba及び一対の第2分岐突条部30Fbb)と固定プレート側の複数の係合補助凹部の第2係合補助凹条(第2凹条本体部及び一対の第2分岐凹条部)とが係合する。尚、支持基台10Fと固定用プレートとのその他の係合状態は、上述の第6の実施形態と同様となる。
〈第8の実施形態〉
次に、図15を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第8の実施形態について説明する。この第8の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Gにおいては、図15と図14(第7の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30Gの第1係合補助突条30Gaに修正が施されている。
図15において、この第8の実施形態では、複数の係合補助突条30Gの第1係合補助突条30Ga(支持領域18Gの両端部に位置する係合補助突条)は、片側係合突条26G(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの先端部は、他側係合突条28G側に(この形態では、対応する挿入孔20の両側に)分岐して延び、各第1係合補助突条30Gaは、片側係合突条26Gから直線状に延びる第1突条本体部30Gaaと、この第1突条本体部30Gaaの先端部から他側係合突条28G側に分岐して延びる一対の第1分岐突条部30Gabとを備えている。加えて、各第1係合補助突条30Gaには、第1突条本体部30Gaaの中間部から一対の第1分岐突条部30Gabに略平行に他側係合突条28G側に向けて両側に分岐して延びる一対の中間分岐突条部30Gacが設けられ、各第1係合補助突条30Gaは、第1突条本体部30Gaa及び一対の第1分岐突条部30Gabに加えて一対の中間分岐突条部30Gacを備えている。
また、複数の係合補助突条30Gの第2係合補助突条30Gb(支持領域18Gの中間部に位置する係合補助突条)は、片側係合突条26G(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの先端部は、他側係合突条28G側に(この形態では、対応する挿入孔20の両側に)分岐して延び、各第2係合補助突条30Gbは、片側係合突条26Gから直線状に延びる第2突条本体部30Gbaと、この第2突条本体部30Gbaの先端部か他側係合突条28G側に向けて分岐して延びる一対の第2分岐突条部30Gbbとを備えている。この第8の実施形態における支持基台10Gのその他の構成は、上述した第7の実施形態のものと同一である。
この第8の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第7の実施形態と同様に、この支持基台10Gの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Gの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Gの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10Gの複数の係合補助突条30Gの第1係合補助突条30Ga(第1突条本体部30Gaa、一対の第1分岐突条部30Gab及び一対の中間分岐突条部30Gac)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第1係合補助凹条(第1凹条本体部、一対の第1分岐凹条部及び一対の中間分岐凹条部)が設けられるとともに、複数の係合補助突条30Gの第2係合補助突条30G(第2突条本体部30Gba及び一対の第2分岐突条部30Gbb)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第2係合補助凹条(第2凹条本体部及び一対の第2分岐凹条部)が設けられ、この固定用プレートのその他の構成は、第7の実施形態のものと実質上同一である。
この第8の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10G(支持基台本体12G)の上面(支持領域18G)に固定用プレートを支持した支持状態においては、支持基台10G(支持基台本体12G)側の複数の係合補助突条30Gの第1係合補助突条30Ga(第1突条本体部30Gaa、一対の第1分岐突条部30Gab及び一対の中間分岐突条部30Gac)と固定プレート側の複数の係合補助凹部の第1係合補助凹条(第1凹条本体部、一対の第1分岐凹条部及び一対の中間分岐突条部)とが係合するとともに、複数の係合補助突条30Gの第2係合補助突条30Gb(第2突条本体部30Gba及び一対の第2分岐突条部30Gbb)と固定プレート側の複数の係合補助凹部の第2係合補助凹条(第2凹条本体部及び一対の第2分岐凹条部)とが係合する。尚、支持基台10Gと固定用プレートとのその他の係合状態は、上述の第7の実施形態と同様となる。
〈第9の実施形態〉
次に、図16を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第9の実施形態について説明する。この第9の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10H(部分タイプのもの)においては、図16と図6(第2の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30Hに修正が施されている。
図16において、複数の係合補助突条30Hは、片側係合突条26Hの内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの先端部は、他側係合突条28H側に向けて分岐して延びている。このように構成されているので、各係合補助突条30Hは、片側係合突条26Hから直線状に延びる突条本体部30Haと、この突条本体部30Haの先端部から他側係合突条28Hに向けて分岐して延びる一対の分岐突条部30Hbとを備えている。この支持基台10Hのその他の構成は、上述の第2の実施形態と同様である。
支持基台10Hのこの構成に関連して、固定用プレートには、支持基台10H(支持基台本体12H)の複数の係合補助突条30H(突条本体部30Ha及び一対の分岐突条部30Hb)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)が設けられ、支持基台10Hに固定用プレートを装着した状態では、支持基台10H側の複数の係合補助突条30H(突条本体部30Ha及び一対の分岐突条部30Hb)と固定用プレート側の複数の係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)とが係合する。
この第9の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第2の実施形態と実質上同一であり、また支持基台10Hと固定用プレートとのその他の係合状態は、上述の第2の実施形態と同様となる。尚、第9の実施形態において、第8の実施形態と略同様に、各係合補助突条30Hの突条本体部30Haの中間部に、一対の分岐突条部30Hb(第1分岐突条部として機能する)と略平行に他側係合突条28Hに向けて両側に延びる一対の中間分岐突条部を設けるようにしてもよい。
〈第10の実施形態〉
次に、図17を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第10の実施形態について説明する。この第10の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Jにおいては、図17と図13(第6の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30Jの第1係合補助突条30Jaに修正が施されている。
この第10の実施形態では、複数の係合補助突条30Jにおける第1係合補助突条30Ja(支持領域18Jの両端部に位置する係合補助突条)は、片側係合突条26J(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延びる突条本体部30Jaa(第1突条本体部に相当する)と、この突条本体部30Jaaの先端部から片側係合突条26J側に向けて両側に分岐して延びる一対の分岐突条部30Jab(第1分岐突条部に相当する)とを有している。また、複数の係合補助突部30Jの第2係合補助突条30Jb(支持領域18Jの中央部に位置する係合補助突条)は、第6の実施形態と同様に、この片側係合突条26Jの内側面から対応する挿入孔20に向けて直線状に延びている。
第1係合補助突条30Jaの一対の分岐突条部30Jab間の角度α3(第1突条本体部30Jaaを夾む角度)は、例えば60〜140度程度であり、例えば80〜120度であるのが好ましく、このような角度範囲に設定することにより、一対の分岐突条部30Jbを第1突条本体部30Jaaの両側に片側係合突条26Jに向けて延びるように設けることができる。
この第10の実施形態においては、第1係合補助突条30Jaは、第2係合補助突条30Jbよりも内側に延び、その一対の分岐突条部30Jabは、突条本体部30Jaaの先端部から両側に片側係合突条26J側に向けて分岐して第2係合補助突条30Jbの先端部付近まで延びている。
この第10の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第9の実施形態と同様に、この支持基台10Jの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、固定用プレートには、支持基台10J(支持基台本体12J)の複数の係合補助突条30Jのうち複数の第1係合補助突条30Ja(突条本体部30Jaa及び一対の分岐突条部30Jab)に対応して、複数の第1係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)が設けられ、またそれらのうち複数の第2係合補助突条30Jbに対応して、複数の第2係合補助凹条が設けられ、支持基台10Jに固定用プレートを装着した状態では、支持基台10J側の複数の第1係合補助突条30Ja(突条本体部30Jaa及び一対の分岐突条部30Jab)と固定用プレート側の複数の第1係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)とが係合されるとともに、支持基台10J側の複数の第2係合補助突条30Jbと固定用プレート側の複数の第2係合補助凹条とが係合される。
この第10の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第6の実施形態(図13)と実質上同一であり、また支持基台10Jと固定用プレートとのその他の係合状態も、上述の第6の実施形態と同様となる。尚、この第10の実施形態においても、上述の第8の実施形態(図15)と略同様の考えでもって、第1係合補助突条30Jaの突条本体部30Jaaの中間部から片側係合突条26J側に向けて一対の分岐突条部30Jabと略平行に両側に延びる一対の中間分岐突条部を設けるようにしてもよい。
〈第11の実施形態〉
次に、図18を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第11の実施形態について説明する。この第11の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Kにおいては、図18と図14(第7の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30K(第1係合補助突条30Ka及び第2係合補助突条30Kb)に修正が施されている。
この第11の実施形態では、係合補助突条30Kにおける第1係合補助突条30Ka(支持領域18Kの両端部に位置する係合補助突条)は、第10の実施形態(図17)と同様に、片側係合突条26K(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延びる第1突条本体部30Kaaと、この第1突条本体部30Kaaの先端部から両側に片側係合突条26K側に向けて分岐して延びる一対の第1分岐突条部30Kabとを有している。また、複数の係合補助突部30Kの第2係合補助突条30Kb(支持領域18Kの中央部に位置する係合補助突条)は、第1係合補助突条30Kaと同様に、片側係合突条26K(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延びる第2突条本体部30Kbaと、この第2突条本体部30Kbaの先端部から両側に片側係合突条26K側に向けて分岐して延びる一対の第2分岐先端突条部30Kbbとを有している。
第1係合補助突条30kaの一対の第1分岐突条部30Kab間の角度α3(第1突条本体部30Kaaを夾む角度)は、例えば60〜140度程度であり、例えば80〜120度であるのが好ましく、また第2係合補助突条30Kbの一対の第2分岐突条部30kbb間の角度α4(第2突条本体部30kbaを夾む角度)は、例えば60〜140度程度であり、例えば80〜120度であるのが好ましい。尚、第2係合補助突条30Kb間の間隔は、第1係合補助突条30Ka間の間隔よりも小さいので、一対の第2分岐突条部30Kbb間の角度α4を一対の第1分岐突条部30Kab間の角度α3よりも小さくなるようにしてもよい(α4<α3)。
この第11の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第10の実施形態と同様に、この支持基台10Kの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、固定用プレートには、支持基台10K(支持基台本体12K)の複数の係合補助突条30Kのうち複数の第1係合補助突条30Ka(第1突条本体部30Kaa及び一対の第1分岐突条部30Kab)に対応して、複数の第1係合補助凹条(第1凹条本体部及び一対の第1分岐凹条部)が設けられ、またそれらのうち複数の第2係合補助突条30Kb(第2突条本体部及び一対の第2分岐突条部)に対応して、複数の第2係合補助凹条(第2凹条本体部及び一対の第2分岐凹条部)が設けられ、支持基台10Kに固定用プレートを装着した状態では、支持基台10K側の複数の第1係合補助突条30Ka(第1突条本体部30Kaa及び一対の第1分岐突条部30Kab)と固定用プレート側の複数の第1係合補助凹条(第1凹条本体部及び一対の第1分岐凹条部)とが係合するとともに、支持基台10K側の複数の第2係合補助突条30Kb(第2突条本体部30Kba及び一対の第2分岐突条部30Kbb)と固定用プレート側の複数の第2係合補助凹条(第2凹条本体部及び一対の第2分岐凹条部)とが係合する。
この第10の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第7の実施形態と実質上同一であり、また支持基台10Kと固定用プレートとのその他の係合状態は、上述の第7の実施形態と同様となる。尚、第11の実施形態においても、上述の第8の実施形態(図15)と略同様の考えでもって、第1係合補助突条30Kaの第1突条本体部30Kaaの中間部から片側係合突条26K側に向けて一対の第1分岐突条部30Kabと略平行に両側に延びる一対の第1中間分岐突条部を設けるようにしてもよく、これに加えて、第2係合補助突条30Kbの第2突条本体部30Kbaの中間部から片側係合突条26K側に向けて一対の第2分岐突条部30Kbbと略平行に両側に延びる一対の第2中間分岐突条部を設けるようにしてもよい。
〈第12の実施形態〉
次に、図19を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第12の実施形態について説明する。この第12の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10L(部分タイプのもの)においては、図19と図16(第9の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30Lに修正が施されている。
図19において、複数の係合補助突条30Lは、片側係合突条26Lの内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの先端部は、片側係合突条26L側に向けて両側に分岐してのびており、このような係合補助突条30Lは,片側係合突条26Lの内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延びる突条本体部30Laと、この突条本体部30Laの先端部から片側係合突条26L側に向けて両側に分岐して延びる一対の分岐突条部30Lbとを有している。
この第12の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第11の実施形態と同様に、この支持基台10Lの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、固定用プレートには、支持基台10L(支持基台本体12L)の複数の係合補助突条30L(突条本体部30La及び一対の分岐突条部30Lb)に対応して、複数の係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)が設けられ、支持基台10Lに固定用プレートを装着した状態では、支持基台10L側の複数の係合補助突条30La(突条本体部30La及び一対の分岐突条部30Lb)と固定用プレート側の複数の係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)とが係合される。
この第12の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第9の実施形態と実質上同一であり、また支持基台10Lと固定用プレートとのその他の係合状態も、上述の第9の実施形態と同様となる。尚、この第12の実施形態においても、上述の第11の実施形態(図18)と略同様の考えでもって、係合補助突条30Lの突条本体部30Kaの中間部から片側係合突条26K側に向けて一対の分岐先端突条部30Kbと略平行に両側に延びる一対の中間分岐突条部を設けるようにしてもよい。
〈第13の実施形態〉
次に、図20を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第13の実施形態について説明する。この第13の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10M(全顎タイプのもの)においては、図20と図13(第の実施形態)とを対比することによって理解される如く、複数の第1係合補助突条30Mに修正が施されている。
図20において、複数の係合補助突条30Mの第1係合補助突条30Ma(支持領域18Mの両端部に位置する係合補助突条)は、片側係合突条26M(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの中間部に一対の分岐突条部30Mbが設けられており、各第1係合補助突条30Maは、片側係合突条26Mから直線状に延びる突条本体部30Maa(第1突条本体部に相当する)と、この突条本体部30Maaの中間部から他側係合突条28M側に向けて分岐して延びる一対の分岐突条部30Mab(第1分岐突条部に相当する)とを備えている。また、複数の係合補助突部30Mの第2係合補助突条30Mb(支持領域18Eの中央部に位置する係合補助突条)は、この片側係合突条26Eの内側面から対応する挿入孔20に向けて直線状に延びている。
この第13の実施形態の歯科技工用作業模型においては、固定用プレートには、支持基台10M(支持基台本体12M)の複数の第1係合補助突条30Ma(突条本体部30Ma及び一対の分岐突条部30Mb)に対応して、複数の第1係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)が設けられ、また支持基台10M側の複数の第2係合補助突条30Mbに対応して、複数の第2係合補助凹条が設けられる。
この第13の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第6の実施形態と実質上同一であり、また支持基台10Mと固定用プレートとのその他の係合状態も、上述の第6の実施形態と同様となる。
〈第14の実施形態〉
次に、図21を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第14の実施形態について説明する。この第14の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Nにおいては、図21と図14(第7の実施形態)とを対比することによって理解される如く、複数の係合補助突条30N(第1及び第2係合補助突条30Na,30Nb)に修正が施されている。
図21において、この第14の実施形態では、複数の係合補助突条30Nの第1係合補助突条30Na(支持領域18Nの両端部に位置する係合補助突条)は、第13の実施形態と同様に、片側係合突条26N(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの中間部に一対の分岐突条部30Nabが設けられており、各第1係合補助突条30Naは、片側係合突条26Nから直線状に延びる第1突条本体部30Naaと、この第1突条本体部30Naaの中間部から他側係合突条28Nに向けて両側に分岐して延びる一対の第1分岐突条部30Nabとを備えている。
また、複数の係合補助突条30Nの第2係合補助突条30Nb(支持領域18Nの中央部に位置する係合補助突条)は、第1係合補助突条30Naと同様に、片側係合突条26N(内側係合突条)の内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの中間部には、一対の第2分岐突条部30Nbbが設けられており、各第2係合補助突条30Nbも、片側係合突条26Nから直線状に延びる第2突条本体部30Nbaと、この第2突条本体部30Nbaの先端部から分岐して延びる一対の第2分岐突条部30Nbbとを備えている。この第14の実施形態における支持基台10Nのその他の構成は、上述した第7の実施形態と実質上同一である。
この第14の実施形態の歯科技工用作業模型においては、支持基台10Nの複数の係合補助突条30Nの第1係合補助突条30Na(第1突条本体部30Naa及び一対の第1分岐突条部30Nab)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第1係合補助凹条(第1凹条本体部及び一対の第1分岐凹条部)が設けられるとともに、複数の係合補助突条30Nの第2係合補助突条30Nb(第2突条本体部30Nba及び一対の第2分岐突条部30Nbb)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条の第2係合補助凹条(第2凹条本体部及び一対の第2分岐凹条部)が設けられる。
この第14の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第7の実施形態と実質上同一であり、また支持基台10Mと固定用プレートとのその他の係合状態も、上述の第7の実施形態と同様となる。
〈第15の実施形態〉
次に、図22を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第15の実施形態について説明する。この第15の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10P(部分タイプのもの)においては、図22と図16(第9の実施形態)とを対比することによって理解される如く、係合補助突条30Pに修正が施されている。
図22において、複数の係合補助突条30Pは、片側係合突条26Pの内側面から対応する挿入孔20(この挿入孔20に挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延び、それらの中間部に一対の分岐突条部30Pbが設けられており、各係合補助突条30Pは、片側係合突条26Pから直線状に延びる突条本体部30Paと、この突条本体部30Haの中間部から他側係合突条28Pに向けて分岐して両側に延びる一対の分岐突条部30Pbとを備えている。この支持基台10Pのその他の構成は、上述の第9の実施形態と同様である。
支持基台10Pのこの構成に関連して、固定用プレートには、支持基台10P(支持基台本体12P)の複数の係合補助突条30P(突条本体部30Pa及び一対の分岐突条部30Pb)に対応して固定用プレートには複数の係合補助凹条(凹条本体部及び一対の分岐凹条部)が設けられる。
この第15の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第9の実施形態と実質上同一であり、また支持基台10Pと固定用プレートとのその他の係合状態も、上述の第9の実施形態と同様となる。
以上、本発明に従う歯科技工用作業模型(及びその支持基台)の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。