JP2021040945A - 歯科技工用作業模型 - Google Patents

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幸二 齊藤
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【課題】歯形模型の切断を容易に行うことができる歯科技工用作業模型を提供する。【解決手段】歯形模型が固定される固定用プレート6と、固定用プレート6に植設された第1及び第2ダウエルピン列7,8と、固定用プレート6を支持するための支持基台10と、を備えた歯科技工用作業模型。支持基台10の支持領域18には、第1及び第2ダウエルピン列7,8に対応して第1及び第2挿入孔列19,20が設けられているとともに、第1挿入孔列19の第1挿入孔21に対応して第1係合突条30が設けられ、また固定用プレートの下面に複数の第1係合突条30に対応して複数の第1係合凹条36が設けられている。複数の第1係合突条30の各々は、支持領域18の内側端から対応する第1挿入孔21に向けて延び、固定用プレート6の複数の第1係合凹条36の各々は、固定プレート6の側端から対応する第1ダウエルピン9に向けて延びている。【選択図】図2

Description

本発明は、歯科治療などにおいて用いられる歯科技工用作業模型に関する。
一般に、歯科治療などにおいて用いられる歯科技工用作業模型は、歯形模型が固定される固定用プレートと、固定用プレートに植設されたダウエルピン列(一列のダウエルピン列又は二列のダウエルピン列)と、固定用プレートを支持するための支持基台とを備えている(例えば、特許文献1及び2参照)。支持基台は合成樹脂から形成され、この支持基台の上面には、固定用プレートを支持するための支持領域が設けられ、この支持領域に挿入孔列(一列の挿入孔列又は一対の挿入孔列)が設けられているとともに、その片側側部及び他側側部には、上方に突出する片側係合突条及び他側係合突条が設けられている。また、固定用プレートは石膏から形成され、その下面には、支持基台側の片側係合突条及び他側係合突条に対応して片側係合凹条及び他側係合凹条が設けられている。
この歯科技工用作業模型においては、固定用プレート側のダウエルピン列(一列又は二列のダウエルピン列)の複数のダウエルピンを支持基台側の挿入孔列(一列又は二列の挿入孔列)における対応する挿入孔に挿入すると、固定用プレートが支持基台の支持領域に支持される。この支持状態では、ダウエルピン列の各ダウエルピンが挿入孔列における対応する挿入孔に挿入され、更に支持基台側の片側係合突条及び他側係合突条と固定用プレート側の片側係合凹条及び他側係合凹条とが係脱自在に係合される。
そして、このように固定用プレートを装着した状態において、この固定用プレートの上面に接着剤などにより歯形模型が固着され、かく固着した状態にて歯形模型の所定部位が固定用プレートとともに切断され、切断された歯形模型を用いて所要の歯科技工作業(例えば、歯冠補綴物の製作など)が行われる。このとき、切断された固定プレート側のダウエルピンが対応する挿入孔に挿入されるとともに、この固定プレート側の片側係合凹条及び他側係合凹条と支持基台側の片側係合突条及び他側係合突条とが相互に係合されるので、切断した固定用プレートの支持基台に対する回転が抑制され、これにより、歯科技工作業(例えば、歯冠補綴物の製作など)を高精度に且つ確実に行うことができる。
特許第6355809号公報 特許第6372811号公報
しかしながら、上述のような従来の歯科技工用作業模型では、支持基台における支持領域の両側部に、上方に突出する片側係合突条及び他側係合突条が設けられているので、歯形模型の所定部位を切断する際に、支持基台側の片側係合突条及び他側係合突条も切断する必要があり、その切断作業が容易でないという問題がある。
本発明の目的は、歯形模型の切断作業を容易に行うことができる歯科技工用作業模型を提供することである。
本発明の請求項1に記載の歯科技工用作業模型は、歯形模型が固定される固定用プレートと、前記固定用プレートに植設された第1ダウエルピン列と、前記第1ダウエルピン列の外側にて前記固定用プレートに植設された第2ダウエルピン列と、前記固定用プレートを支持するための支持基台と、を備え、前記第1ダウエルピン列は、間隔を置いて配設された複数の第1ダウエルピンから構成され、前記第2ダウエルピン列は、前記複数の第1ダウエルピンに対応して配設された複数の第2ダウエルピンから構成された歯科技工用作業模型であって、
前記支持基台の上面に設けられた支持領域には、前記第1ダウエルピン列に対応して第1挿入孔列が設けられているとともに、前記第2ダウエルピン列に対応して第2挿入孔列が設けられており、
前記第1挿入孔列は、前記第1ダウエルピン列の前記複数の第1ダウエルピンに対応して設けられた複数の第1挿入孔から構成され、前記第2挿入孔列は、前記第2ダウエルピン列の前記複数の第2ダウエルピンに対応して設けられた複数の第2挿入孔から構成され、前記支持基台の前記支持領域には、前記第1挿入孔列の前記複数の第1挿入孔に対応して複数の第1係合突条が設けられており、
また、前記固定用プレートの下面には、前記支持領域の前記複数の第1係合突条に対応して複数の第1係合凹条が設けられており、
更に、前記複数の第2挿入孔の全体及び前記複数の第1挿入孔の外側半分以上は、前記支持基台における前記支持領域の幅方向の中央線よりも外側に配置され、前記支持領域の前記複数の第1係合突条の各々は、前記支持領域の内側端から前記第1挿入孔列の対応する第1挿入孔に向けて延び、前記固定用プレートの前記複数の第1係合凹条の各々は、前記固定プレートの側端から前記第1ダウエルピン列の対応する第1ダウエルピンに向けて延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の歯科技工用歯形模型では、前記歯形模型は全顎タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は弧状に延びており、前記支持領域の少なくとも両端部側においては、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記第1挿入孔列に向けて延び、前記隣接する第1係合突条は、前記係合補助突条よりも前記第1挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の歯科技工用作業模型では、前記支持基台の前記支持領域の両端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が2つ設けられ、また前記支持領域の前記両端部の内側の中間端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が一つ設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の歯科技工用作業模型では、前記歯形模型は部分タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は横長に形成されており、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記第1挿入孔列に向けて延び、前記隣接する第1係合突条は、前記係合補助突条よりも前記第1挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の歯科技工用作業模型では、前記隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が2つ設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の歯科技工用作業模型では、前記支持基台の前記支持領域には、更に、前記第2挿入孔列の前記複数の第2挿入孔に対応して複数の第2係合突条が設けられ、前記複数の第2係合突条の各々は、前記第2挿入孔列の対応する第2挿入孔に向けて延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の歯科技工用作業模型は、歯形模型が固定される固定用プレートと、前記固定用プレートに植設されたダウエルピン列と、前記固定用プレートを支持するための支持基台と、を備え、前記ダウエルピン列は、間隔を置いて配設された複数のダウエルピンから構成された歯科技工用作業模型であって、
前記支持基台の上面に設けられた支持領域には、前記ダウエルピン列に対応して挿入孔列が設けられており、
前記挿入孔列は、前記ダウエルピン列の前記複数のダウエルピンに対応して設けられた複数の挿入孔から構成され、前記支持基台の前記支持領域には、前記挿入孔列の前記複数の第1挿入孔に対応して複数の第1係合突条が設けられており、
また、前記固定用プレートの下面には、前記支持領域の前記複数の第1係合突条に対応して複数の第1係合凹条が設けられており、
更に、前記複数の挿入孔の全体は、前記支持基台における前記支持領域の幅方向の中央線よりも外側に配置され、前記支持領域の前記複数の第1係合突条の各々は、前記支持領域の内側端から前記挿入孔列の対応する挿入孔に向けて延び、前記固定用プレートの前記複数の係合凹条の各々は、前記固定プレートの側端から前記ダウエルピン列の対応するダウエルピンに向けて延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載の歯科技工用作業模型では、前記歯形模型は全顎タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は弧状に延びており、前記支持領域の少なくとも両端部側においては、隣接する係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記挿入孔列に向けて延び、前記隣接する係合突条は、前記係合補助突条よりも前記挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に記載の歯科技工用作業模型では、前記支持基台の前記支持領域の両端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が2つ設けられ、また前記支持領域の前記両端部の内側の中間端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が一つ設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に記載の歯科技工用作業模型では、前記歯形模型は部分タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は横長に形成されており、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記挿入孔列に向けて延び、前記隣接する第1係合突条は、前記係合補助突条よりも前記挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項11に記載の歯科技工用作業模型では、前記隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が2つ設けられていることを特徴とする。
更に、本発明の請求項12に記載の歯科技工用作業模型では、前記支持基台の前記支持領域には、更に、前記挿入孔列の前記複数の挿入孔に対応して複数の第2係合突条が設けられ、前記複数の第2係合突条の各々は、前記挿入孔列の対応する挿入孔に向けて延びていることを特徴とする。
本発明の請求項1(又は7)に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の支持領域には、第1挿入孔列の複数の第1挿入孔(又は挿入孔列の複数の挿入孔)に対応して複数の第1係合突条が設けられ、複数の第1係合突条の各々は、支持領域の内側端から対応する第1挿入孔(又は挿入孔)に向けて延びているので、支持基台の支持領域に固定用プレートを載置した状態においては、固定プレート側の第1及び第2ダウエルピン列(又はダウエルピン列)の複数の第1及び第2ダウエルピン(又は複数のダウエルピン)が支持基台側の第1及び第2挿入孔列(又は挿入孔列)に挿入されるとともに、支持基台側の複数の第1係合突条と固定用プレート側の複数の第1係合凹条とが係合されるので、支持基台の支持領域に固定用プレートを確実に支持することができ、この固定用プレートに固定された歯科模型を切断した際にも、切断した固定用プレートのガタ及び回動を抑えることができる。
また、複数の第2挿入孔の全体及び複数の第1挿入孔の外側半分以上(又は複数の挿入孔の全体)が支持領域の幅方向の中央線よりも外側に配置されているので、この支持領域の内側領域(挿入孔が存在しない内側領域)の幅は、その外側領域(挿入孔が存在しない外側領域)の幅よりも大きくなり、これによって、隣接する第1及び第2ダウエルピン(又は隣接するダウエルピン)間の間隔が大きくなり、その結果、歯形模型を切断する際における第1及び第2ダウエルピン(又はダウエルピン)の切断を少なくすることができる。また、このように複数の第1及び第2ダウエルピン(又は複数のダウエルピン)の位置が外側に偏っているために、支持基台の支持領域に固定用プレートを載置した状態で上下反対にしても固定用プレートの切断部分が落下し難く、歯科技工作業を安全に行うことができる。
更に、支持基台の支持領域の両側部には、従来のような片側係合突条及び他側係合突条が存在しないので、支持基台の一部をほとんど切断することなく歯科模型の切断作業を行うことができ、この切断作業を容易に行うことができる。
また、本発明の請求項2(又は8)に記載の歯科技工用作業模型によれば、歯形模型が全顎タイプである場合、支持基台の支持領域の少なくとも両端部側においては、隣接する第1係合突条の間に第1係合補助突条が設けられ、係合補助突条は、支持領域の内側端から第1挿入孔列に向けて延びているので、隣接する第1係合突条の間隔が大きい部位に係合補助突条が設けられ、歯科模型の両端部付近を切断した際には、この係合補助突条により、切断した固定用プレートのガタ及び回動をより確実に抑えることができる。
また、本発明の請求項3(又は9)に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の支持領域の両端部においては、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が2つ設けられ、また支持領域の両端部の内側の中間端部においては、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が一つ設けられているので、第1係合突条及び係合補助突条がほぼ等間隔に設けられるようになり、歯科模型の任意の部位を切断した際に、第1係合突条及び係合補助突条により、切断した固定用プレートのガタ及び回動をより確実に抑えることができる。
また、本発明の請求項4(又は10)に記載の歯科技工用作業模型によれば、歯形模型は部分タイプである場合、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が設けられ、係合補助突条は、支持領域の内側端から第1挿入孔列に向けて延びているので、歯科模型の両端部付近を切断した際には、この係合補助突条により、切断した固定用プレートのガタ及び回動をより確実に抑えることができる。
また、本発明の請求項5(又は11)に記載の歯科技工用作業模型によれば、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が2つ設けられているので、第1係合突条及び係合補助突条がほぼ等間隔に設けられるようになり、歯科模型の任意の部位を切断した際に、第1係合突条及び係合補助突条により、切断した固定用プレートのガタ及び回動をより確実に抑えることができる。
更に、本発明の請求項6(又は12)に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の支持領域には、更に、第2挿入孔列の複数の第2挿入孔に対応して複数の第2係合突条が設けられ、複数の第2係合突条の各々は、第2挿入孔列の対応する第2挿入孔に向けて延びているので、支持基台の支持領域の内側側部に第1係合突条が存在し、その外側側部に第2係合突条が存在し、これら第1及び第2係合突条により、切断した固定用プレートのガタ及び回動を一層確実に抑えることができる。
本発明に従う歯科技工用作業模型の第1の実施形態を示す斜視図。 図1の作業模型にて固定用プレートを取り付ける前の状態を示す斜視図。 図1の作業模型における支持基台を示す斜視図。 図3の支持基台を示す平面図。 図3の支持基台を示す底面図。 図4におけるVI−VI線による端面図。 作業模型の製作方法を説明するための分解斜視図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第2の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第3の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第4の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 図10の支持基台を示す平面図。 図11におけるXII−XII線による端面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第5の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第6の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第7の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第8の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第9の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。 本発明に従う歯科技工用作業模型の第10の実施形態における支持基台の上面を示す平面図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の各種実施形態について説明する。
〈第1の実施形態〉
まず、図1〜図7を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第1の実施形態について説明する。図1及び図2において、図示の歯科技工用作業模型2は、歯形模型4が固定された固定用プレート6と、固定用プレート6に植設された第1及び第2ダウエルピン列7,8と、固定用プレート6を支持するための支持基台10と、を備え、第1ダウエルピン列7は、複数(この具体例では、5本)の第1ダウエルピン9から構成され、第2ダウエルピン列8は、複数(この具体例では、5本)の第2ダウエルピン11から構成され、第1及び第2ダウエルピン列7,8の複数の第1及び第2ダウエルピン9,11は、相互に対となって設けられる。
支持基台10は支持基台本体12を備え、この支持基台本体12は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂などの合成樹脂から形成される。この支持基台本体12は、横長且つ筒状の周側壁14と、周側壁14の上面を覆う横長の上壁16とを有している。この実施形態では、上壁16の上面(支持基台10の上面を規定する部分)の全域は、図2〜図4から理解されるように、固定用プレート6を支持するための支持領域18として機能する。
この支持基台本体12の支持領域18には、第1及び第2挿入孔列19,20が設けられている。第1及び第2挿入孔列19,20は、その長手方向(図2において左下から右上の方向、図3において左上から右下の方向、図4において左右方向)に設けられており、第1挿入孔列19は、その長手方向に沿って間隔を置いて配設された複数(この形態では5個)の第1挿入孔21から構成され、第2挿入孔列20は、この第1挿入孔列19に沿って間隔をおいて設けられた複数(この形態では、5個)の第2挿入孔22から構成され、第1及び第2挿入孔列19,20の複数の第1及び第2挿入孔21,22は、相互に対となって設けられている。
図4〜図6をも参照して、支持基台本体12の周側壁14の内側に形成された内部空間23には、第1及び第2挿入孔21,22に対応して上壁16の下面から下方に延びる突出部24が設けられ、第1及び第2挿入孔列19,20の第1及び第2挿入孔21,22は上壁16及び突出部24を貫通して設けられている(図6参照)。これら第1及び第2挿入孔21,22は、突出部24の上端部から下端部に向けて内径が漸減するテーパ状に形成されている。尚、かかる突出部24は、各第1挿入孔21及び各第2挿入孔22に対応して設けるように構成することもできる。
この実施形態では、第1挿入孔列19(複数の第1挿入孔21)は、支持基台10(支持基台本体12)の幅方向中央部付近に配設され、また第2挿入孔列20(複数の第2挿入孔22)は、この第1挿入孔列19の幅方向外側に配設されている。第1及び第2挿入孔列19,20(複数の第1及び第2挿入孔21,22)は、図4に示すように、支持基台10の上面の外側領域、即ち支持領域18の幅方向の中心線P1(図4参照)よりも外側領域(即ち、図4において上側領域)に配置されている。複数の第1及び第2挿入孔21,22に関し、複数の第2挿入孔22の全体及び複数の第1挿入孔21の外側半分以上(換言すると、各第1挿入孔22の中心が中心線P1上に又はこの中心線P1よりも外側に位置する)が支持領域18の幅方向の中心線P1よりも外側に位置するように構成するのが好ましい。
このように構成した場合、支持基台10(支持基台本体12)の内側から第1挿入孔列19の各第1挿入孔21の中心(換言すると、この第1挿入孔列19に挿入された第1ダウエルピン列7)までの距離W1は、支持基台10の外側から第2挿入孔列20の各第2挿入孔22の中心(換言すると、この第2挿入孔列20に挿入された第2ダウエルピン列8)までの距離W2よりも大きくなり(W2<W1)、これによって、後述する如くして歯科模型4を切断した際における第1及び第2ダウエルピン9,11の切断、損傷を少なく抑えることができるとともに、切断した歯科模型4の切断片の落下を少なくすることができる。
この形態では、第1ダウエルピン列7の複数の第1ダウエルピン9と第2ダウエルピン列8の第2ダウエルピン11とは同じ形状のものを用い、それらの外径が同じなっているが、第1ダウエルピン9と第2ダウエルピン11と外径の異なるものを用いるようにしてもよく、この場合、第1ダウエルピン9は、第2ダウエルピン11よりも外径が小さいものを用いるのが好ましい。
このことに関連して、この支持基台10の支持領域18には、第1及び第2挿入孔列19,20の複数の第1及び第2挿入孔21,22(換言すると、第1挿入孔21であって、この第1挿入孔21に挿入された第1ダウエルピン9)に対応して、複数の第1係合突条30が設けられている。これら第1係合突条30は、その断面形状が矩形状に形成され、支持基台10(即ち、支持領域18)の内側端から外側に対応する第1挿入孔21(この第1挿入孔21に挿入された第1ダウエルピン9)に向けて直線状に延び、この実施形態では、この支持基台10の幅方向の中心線P1の近くまで延びているが、第1係合突条30の突出長さは、例えば、この支持基台10の幅WのW/5程度から対応する第1挿入孔21に至るまでの間の適宜の長さに設定することができる。
この実施形態では、支持基台10の周側壁14の外周面には、第1及び第2挿入孔列19,20の複数の第1及び第2挿入孔21,22の各々に対応して(換言すると、固定用プレート6の第1及び第2ダウエルピン列7,8の複数の第1及び第2ダウエルピン9.11の各々に対応して)位置決め用突部32が設けられている。この位置決め用突部32は、第1及び第2挿入孔列19,20を挟んでそれらの両側にそれぞれ配設されている。
固定用プレート6は石膏から形成されたプレート本体34を備え、このプレート本体34は、支持基台本体12の上壁16の形状(即ち、支持領域18の形状)に対応した横長の形状を有している。この固定用プレート6には、支持基台本体12の第1挿入孔列19の各第1挿入孔21に対応して第1ダウエルピン列7の第1ダウエルピン9が植設され、その第2挿入孔列20の各第2挿入孔22に対応して第2ダウエルピン列8の第2ダウエルピン11が植設されている。第1及び第2ダウエルピン9,11は、上述のように第1及び第2挿入孔21,22がテーパ状に形成されていることに対応して、その基端部から先端部に向けて外径が漸減するテーパ状に形成されている。また、固定用プレート6に埋設される第1及び第2ダウエルピン9,11の基端部には、固定用プレート6に対する固定強度を高めるためにローレット加工が施されている(図7参照)。
また、固定用プレート6(即ち、プレート本体34)の下面(即ち、第1及び第2ダウエルピン9,11が突出する側の面)における一側部(支持基台10の内側側部に対応する側部)には、支持基台10側の複数の第1係合突条30に対応して複数の第1係合凹条36が設けられている。これら第1係合凹条36は、固定プレート6(固定プレート本体34)の一側端から対応する第1及び第2ダウエルピン9,11(即ち、第1ダウエルピン9)に向けて直線状に延びている。
固定用プレート6の上面には、石膏から形成された歯形模型4(本実施形態では、部分タイプのもの)が固定されている。この固定用プレート6は、第1及び第2ダウエルピン9,11を対応する第1及び第2挿入孔21,22に着脱自在に挿入することにより、支持基台本体12の上壁16の上面(即ち、支持領域18)に着脱自在に支持される。この支持状態においては、固定プレート6側の第1及び第2ダウエルピン列7,8(複数の第1及び第2ダウエルピン9,11)が支持基台10側の第1及び第2挿入孔列19,20(複数の第1及び第2挿入孔21,22)に挿入保持されるとともに、固定プレート6側の複数の第1係合凹条36と支持基台10側の複数の第1係合突条30とが相互に着脱自在に係合する。
次に、主として図1、図2及び図7を参照して、上述した歯科技工用作業模型2の製造方法について説明する。この作業模型2を製作するには、歯型(図示せず)に石膏を流し込んで歯形模型4を製作し、また、合成樹脂による例えば射出成形によって支持基台10を製造する。そして、図7に示すように、支持基台10(支持基台本体12)の第1挿入孔列19の各第1挿入孔21に第1ダウエルピン9を先端部側から挿入するとともに、その第2挿入孔列20の各第2挿入孔22に第2ダウエルピン11を先端部側から挿入する(ダウエルピン挿入工程)。このように挿入すると、第1及び第2ダウエルピン9,11の基端部は、支持基台10の上面、即ち支持基台本体12の上壁16の上面から上方に所定長さ(例えば、約3〜4mm程度)突出する。
その後、支持基台本体12の上部に成型用基枠38を着脱自在に装着する(基枠装着工程)。ここで、基枠装着工程で用いる成型用基枠38について説明すると、成型用基枠38は全体として略矩形状の外形を有し、例えばシリコンゴムや合成ゴムなどのゴム材料から形成される。成型用基枠38の内側には上下方向に貫通する貫通開口40が設けられ、この貫通開口40は、支持基台本体12の上部の形状に対応した形状を有している。
成型用基枠42を支持基台本体12の上部に装着すると、支持基台本体12の上壁16及び周側壁14の上端部が貫通開口40の下部に挿入され、成型用基枠38の内周面が周側壁14の外周面に密着するように取り付けられる。この取付状態においては、成型用基枠38の下端部が支持基台本体12の位置決め用突部32に当接支持され、これにより、成型用基枠38が支持基台本体12に対して位置決めされる。この装着状態では、成型用基枠38は、支持基台本体12の上壁16の上面から上方に所定高さ(例えば、約7〜10mm程度)突出するようになり、支持基台本体12の上面及び成型用基枠38の内周面によって注入空間が規定される。
その後、固定用プレート6を成型するための石膏を注入空間に注入する(プレート成形工程)。この石膏は、第1及び第2ダウエルピン9,11の基端部が石膏に完全に浸漬されるまで注入される。そして、注入空間内に注入した石膏が硬化することにより、複数の第1及び第2ダウエルピン9,11が植設され且つ複数の第1係合凹条36(支持基台10側の複数の第1係合突条30に対応する凹条)が形成された固定用プレート6が成形される。
しかる後、成型用基枠38を支持基台本体12の上部から取り外し、固定用プレート6の上面に例えば研削加工を施して平坦となるように加工する(研削加工工程)。この加工は、固定用プレート6を支持基台本体12の上面に装着させた状態で行われ、例えば第1及び第2ダウエルピン9,11の基端面が外部に露出するまで行われる。
その後、研削加工を施した固定用プレート6(プレート本体34)の上面に歯形模型4を接着剤等を用いて固定し(歯形模型固定工程)、このようにして図1及び図2に示す通りの歯科技工用作業模型2を製作することができる。そして、この作業模型2を用いて作業を行うときには、固定用プレート6を支持基台10に支持させた状態で、図1において一点鎖線52で示すように歯形模型4の所定部位(即ち、隣接する一対の第1及び第2ダウエルピン9,11の間の部位)を切断工具(図示せず)を用いて切断する(模型切断工程)。この切断は、図1から理解されるように、固定用プレート6を切断するのみでよく、この切断作業を容易に行うことができ、このように切断することによって、歯形模型4の切断した部位(切断片)を固定用プレート6並びに第1及び第2ダウエルピン9,11とともに残りの部位から取り出すことができる。
この実施形態の支持基台10では、支持基台本体12の周側壁14に第1及び第2挿入孔列19,20の第1及び第2挿入孔19,20に対応して位置決め用突部32が設けられているので、歯形模型4を切断する際に、この位置決め用突部32を目視することによって、第1及び第2ダウエルピン9,11の配設箇所を容易に確認することができる。
上述した形態では、歯形模型固定工程において、固定用プレート6の上面に歯形模型4を接着剤等を用いて固定するようにしているが、このような構成に代えて、注入空間に石膏を注入した後に、注入した石膏の硬化前に歯形模型4を押し付け、石膏の硬化により固定用プレート6の上面に歯形模型4を固定するようにしてもよい。
このようにして製作された歯科技工用作業模型2(その支持基台10)は、次の通りの特徴を有する。第1に、第2挿入孔列20の複数の第2挿入孔22の全体及び第1挿入孔列19の複数の第1挿入孔21の外側半分以上(換言すると、複数の第1挿入孔21に装着された複数の第1ダウエルピン9の全体及び複数の第2挿入孔22に挿入された複数の第2ダウエルピン11の外側半分以上)が支持基台10の外側領域、即ちその幅方向の中心線P1よりも外側の領域に配置されているので、支持基台10の外側端から第2挿入孔列20(複数の第2挿入孔22の中心線P3)までの距離W2(図6参照)は、支持基台10の内側端から第1挿入孔列19(複数の第1挿入孔21の中心線P2)までの距離W1よりも小さくなる(W2<W1)。従って、例えば支持基台10の外側(図1及び図2において上側)から見て歯形模型4を切断する際に切断工具(図示せず)が少し傾いた状態で切断したとしても第1及び第2ダウエルピン9,11、特に第1ダウエルピン9を切断するおそれが従来よりも少なくなり、歯形模型4の切断作業の切断ミスを大きく減らすことができる。
また、このような構成により、第1及び第2ダウエルピン列7,8(複数の第1及び第2ダウエルピン9,11)が支持基台10(支持領域18)の外側に偏って位置するために、歯形模型4を切断した状態において上下を逆に反転させた状態になっても、歯形模型4の切断片の重心に対して第1及び第2ダウエルピン9,11が偏っているために落下し難く、歯科技工作業が容易となる。
第2に、支持基台10に固定用プレート6を装着した状態においては、第1及び第2挿入孔列19,20の複数の第1及び第2挿入孔21,22が支持基台10の外側領域に配置されていることに関連して、この支持基台10(支持基台本体12)の内側領域に各第1挿入孔21(各第2挿入孔22)に対応して第1係合突条30が設けられるとともに、この第1係合突条30に対応して固定用プレート6(プレート本体34)に第1係合凹条36が設けられており、このような構成により、支持基台10の上面(支持領域18)に固定用プレート6を装着した状態においては、支持基台10側の複数の第1係合突条30と固定用プレート6側の第1係合凹条36とが相互に係合する。
従って、固定用プレート6を支持基台10に装着した状態においては、第1及び第2ダウエルピン列7,8(複数の第1及び第2ダウエルピン9,11)及び第1及び第2挿入孔列19,20(複数の第1及び第2挿入孔21,22)の挿入保持と、複数の第1係合突条30及び第1係合凹条36の係合保持とにより、支持基台10と固定用プレート6との係合状態が確実に保たれて固定用プレート6のガタなどが確実に抑えられ、また歯形模型4を切断して固定用プレート6の一部を繰り返して抜差しても支持基台10に対する相対的なガタ、回動なども確実に抑えられる。
〈第2の実施形態〉
次いで、図8を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第2の実施形態について説明する。図8においては、第2の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台のみを示している。尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
この第2の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Aにおいては、図8と第1の実施形態を示す図4とを対比することによって理解される如く、第1係合突条30に関連する構成に修正が施されている。図8において、この支持基台10A(支持基台本体12A)の内側部において、隣接する第1係合突条30間に係合補助突条52が設けられている。係合補助突条52は、支持基台10A(支持領域18A)の内側端から隣接する第1係合突条30に平行に第1挿入孔列19(これに挿入された第1ダウエルピン列)に向けて延びている。係合補助突条52及び第1係合突条30に関し、図8に示すように、第1係合突条30が係合補助突条52よりも第1挿入孔列19側に長く延びるように構成することが好ましく、このように構成することにより、支持基台10Aの上面(支持領域18A)に固定用プレート(図1及び図2参照)をより確実に支持することができる。
この係合補助突条52は、例えば、次のように構成することができる。第2の実施形態においては、隣接する第1係合突条30の間に係合補助突条52を2つ設けているが、1つ又は3つ以上設けるようにしてもよい。また、係合補助突条52の幅を第1係合突条30と同じにしているが、この第1係合突条30の幅よりも小さくするようにしてもよい。また、この係合補助突条52を第1係合突条30と同じ高さとなるようにしているが、この第1係合突条30よりも低くなるようにしてもよい。
この実施形態では、更に、支持基台10Aの両端側の第1係合突条30の外側にも、上述したと同様の第1係合突条30を設けており、この実施形態では、第1係合突条30の両端側の外側に1つ設けているが、2つ以上もうけるようにしてもよい。
この第2の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1の実施形態と同様に、この支持基台10Aの上端部に位置決め用突部32に当接支持されるように成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Aの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Aの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10Aの複数の第1係合突条30に対応して固定用プレートに複数の第1係合凹条が設けられ、また支持基台10Aの係合補助突条52に対応して固定用プレートに複数の係合補助凹条が設けられ、これら複数の係合補助凹条はプレート本体の一側端から第1ダウエルピン列に向けて延びるように設けられる。この第2の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第2の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10A(支持基台本体12A)の上面(支持領域18A)に固定用プレートを支持する支持状態(第1及び第2ダウエルピン列の複数の第1及び第2ダウエルピンが支持基台10A側の第1及び第2挿入孔列19,20の対応する第1及び第2挿入孔21,22に挿入された状態)(この支持状態は図示していない)においては、支持基台10A側の第1係合突条30と固定用プレート側の第1係合凹条(図示せず)とが相互に係合するとともに、支持基台10A側の複数の係合補助突条52と固定用プレート側の複数の係合補助凹条(図示せず)とが相互に係合し、これにより、支持基台10Aと固定用プレート(図示せず)との係合状態をよりガタ、回動などのない状態に保持することができる。
〈第3の実施形態〉
次に、図9を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第3の実施形態について説明する。図9においては、第2の実施形態(図8)と同様に、第3の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台のみを示している。この第3の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Bにおいては、図9と図8(第2の実施形態)を対比することによって理解される如く、支持基台10Bに関連する構成に修正が施されている。
図9において、この第3の実施形態では、支持基台10B(支持基台本体12B)の支持領域18Bの内側端側(即ち、内側領域)に第1係合突条30が設けられているとともに、その外側端側(即ち、外側領域)に第2係合突条56が設けられている。第2係合突条56は、第1及び第2挿入孔列19,20の複数の第1及び第2挿入孔21,22(即ち、第2挿入孔列20の複数の第2挿入孔22)に対応して設けられ、支持基台10B(支持領域18B)の外側端から第2挿入孔列20の第2挿入孔22(これに挿入された第2ダウエルピン)に向けて直線状に延びている。
第2係合突条56に関し、次のように構成することができる。図9に示すように、第2係合突条56は、第1係合突条30及び係合補助突条52よりも短くなるように構成され、このように構成することにより、支持基台10Bの上面(支持領域18B)に、第1係合突条30及び係合補助突条52に加えて第2係合突条56を設けることができる。
この第2係合突条56は、例えば、次のように構成することができる。第3の実施形態においては、第2係合突条56の幅を第1係合突条30と同じにしているが、この第1係合突条30の幅よりも小さくするようにしてもよい。また、この第2係合補助突条56を第1係合突条30と同じ高さとなるようにしているが、この第1係合突条30よりも低くなるようにしてもよい。
この第3の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1及び第2の実施形態と同様に、この支持基台10Bの上端部に位置決め用突部32に当接支持されるように成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Bの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Bの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10Bの複数の第1係合突条30に対応して固定用プレートに複数の第1係合凹条が設けられ、また支持基台10Bの係合補助突条52に対応して固定用プレートに複数の係合補助凹条が設けられ、更に支持基台10Bの第2係合突条56に対応して固定プレートに複数の第2係合凹条が設けられ、これら複数の第2係合凹条は、固定用プレート(プレート本体)の他側端から第2ダウエルピン列の対応する第2ダウエルピンに向けて延びるように設けられる。この第3の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第2の実施形態と実質上同一である。
この第3の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10B(支持基台本体12B)の上面(支持領域18B)に固定用プレートを支持する支持状態(この支持状態は図示していない)においては、支持基台10B側の複数の第1係合突条30と固定用プレート側の複数の第1係合凹条(図示せず)とが相互に係合し、また支持基台10B側の複数の係合補助突条52と固定用プレート側の複数の係合補助凹条(図示せず)とが相互に係合し、更に支持基台10B側の第2係合突条56と固定用プレート側の第2係合凹条(図示せず)とが相互に係合し、これにより、支持基台10Bと固定用プレート(図示せず)との係合状態をより一層ガタ、回動などのない状態に保持することができる。
この第3の実施形態では、第2挿入孔列20Cの各第2挿入孔22Cに対応して第2係合突条56を設けているが、第1係合突条30側の構成と同様に、隣接する第2係合突条56の間に更に係合補助突条を設けるようにしてもよく、この場合、隣接する第2係合突条56の間に係合補助突条を1つ又は2つ程度設けることができる。
〈第4の実施形態〉
次に、図10〜図12を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第4の実施形態について説明する。図1〜図9に示す実施形態(第1〜第3の実施形態)では、歯形模型が部分タイプのものに適用して説明したが、図10〜図12に示す実施形態では、歯形模型が全顎タイプのもの、即ち上歯全体(又は下歯全体)のものに適用して説明する。
図10〜図12において、この第4の実施形態の歯科技工用作業模型における支持基台10Cは、略U字状の支持基台本体12Cを備え、この支持基台本体12Cの上端部に上壁16Cが設けられ、かかる上壁16Cが略U字状の弧状に延び、この上壁16Cの上面が支持領域18Cとして機能し、この支持基台本体12Cの内側が接続部72により接続されている。
この第4の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Cにおいては、図10及び図11と図3及び図4(第1の実施形態)とを対比することによって理解される如く、支持基台10C(支持基台本体12C)の構成に修正が施されている。更に説明すると、支持基台10Cの上壁16C(支持領域18C)が略U字状であることに関連して、支持基台10C(支持基台本体12C)の支持領域18Cには、第1及び第2挿入孔列19C,20Cが設けられ、第1及び第2挿入孔列19C,20Cの複数(この形態では、14個)の第1及び第2挿入孔21C,22Cは、略U字状に間隔をおいて設けられ、第2挿入孔列20Cの複数(この形態では、14個)の第2挿入孔22Cは、第1挿入孔列19Cの幅方向外側に各第1挿入孔21Cに対応して設けられ、第1及び第2挿入孔列19C,20C(複数の第1及び第2挿入孔21C,22C)は、支持基台10C(支持基台本体12C)の上壁16Cの上面、即ち支持領域18Cの幅方向の中心線P1(図10参照)よりも外側に配置されている。より具体的には、第1の実施形態と同様に、複数の第1及び第2挿入孔21C,22Cに関し、複数の第2挿入孔22Cの全体及び複数の第1挿入孔21Cの外側半分以上(換言すると、各第1挿入孔22Cの中心が中心線P1上に又はこの中心線P1よりも外側に位置する)が支持領域18Cの幅方向の中心線P1よりも外側に位置するように構成される。
このように構成した場合、支持基台10C(支持基台本体12C)の内側から第1挿入孔列19C(各第1挿入孔21Cの中心線P1)、(換言すると、この第1挿入孔列19Cに挿入された第1ダウエルピン列)までの距離W1は、支持基台10Cの外側から第2挿入孔列8(各第2挿入孔22Cの中心線P2)(換言すると、この第2挿入孔列8Cに挿入された第2ダウエルピン列)までの距離W2よりも大きくなり(W2<W1)、これによって、上述したと同様に、歯科模型を切断した際における第1及び第2ダウエルピンの切断、損傷を少なく抑えることができるとともに、切断した歯科模型の切断片の落下を少なくすることができる。
この支持基台10Cの内側部には、第1及び第2挿入孔列19C,20Cの複数の第1及び第2挿入孔21C,22C(即ち、第1挿入孔列19Cの第1挿入孔21C)に対応して第1係合突条30Cが設けられ、各第1係合突条30Cは、支持基台本体12Cの内側端から対応する第1挿入孔21Cに向けて直線状に延びている。複数の第1係合突条30Cは、実質上等しい長さであり、対応する第1挿入孔21Cの近傍まで延びている。
この第4の実施形態では、第1挿入孔列19Cの複数の第1挿入孔21Cは、第2挿入孔列20Cの複数の第2挿入孔22Cと同じ大きさであり、従って第1挿入孔列19C(複数の第1挿入孔21C)に挿入される第1ダウエルピン列の第1ダウエルピン(図示せず)と第2挿入孔列20Cの複数の第2挿入孔22Cに挿入される第2ダウエルピン列の第2ダウエルピン(図示せず)とは同じサイズのものが用いられ、このような場合、サイズ(外径)の小さいものを用いるのが好ましい。尚、第1挿入孔21Cの大きさを第2挿入孔22Cよりも小さくし、第1ダウエルピンを第2ダウエルピンよりもサイズの小さなものを用いるようにしてもよい。
この第4の実施形態の歯科技工用作業模型では、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第3の実施形態と同様に、この支持基台10Cの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け(その内側部は、接続部72に当接支持され、その外側部は複数の位置決め用突部32に当接支持される)、この成型用基枠内に規定された注入空間内に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Cの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Cの上面に支持される固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、固定用プレート(プレート本体)は、支持基台10C(支持基台本体12C)の支持領域18Cの形状に対応して略U字状に形成され、この支持領域18Cに沿って第1及び第2ダウエルピン列(複数の第1及び第2ダウエルピン)(図示せず)が設けられる。
また、支持基台10C(支持基台本体12C)の複数の第1係合突条30Cに対応して固定用プレートには複数の第1係合凹条(図示せず)が設けられ、これら第1係合凹条は、固定用プレートの一側端から対応する第1及び第2ダウエルピン(即ち、第1ダウエルピン)に向けて直線状に延びている。この第4の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
この第4の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10C(支持基台本体12C)の上面(支持領域18C)に固定用プレートを支持する支持状態(即ち、第1及び第2挿入孔列19C,20Cの複数の第1及び第2挿入孔21C,22Cに第1及び第2ダウエルピン列の対応する第1及び第2ダウエルピンを挿入して支持された状態)においては、支持基台10C側の複数の第1係合突条30Cと固定用プレート側の複数の第1係合凹条(図示せず)とが相互に係合し、これにより、全顎タイプの歯科技工用作業模型においても、支持基台10Cと固定用プレート(図示せず)との係合状態をガタ、回動などなく保持することができる。
〈第5の実施形態〉
次に、図13を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態では、図13と図11(第4の実施形態)とを対比することによって理解される如く、全顎タイプのものにおいて第1係合突条30Dに関連する構成に修正が施されている。
この図13において、第5の実施形態の歯科技工用作業模型における支持基台10Dは、第4の実施系統と同様に、全顎タイプの歯形模型に適用するものであり、このことに関連して、第1及び第2挿入孔列19D,20Dの複数の第1及び第2挿入孔21D,22D(これらに挿入された第1及び第2ダウエルピン)は、この支持領域18Dに沿って14個設けられ、支持基台本体12Dの上壁16D(即ち、支持領域18D)の両端側ほど第1及び第2挿入孔21D,22D間の間隔(即ち、隣接する第1及び第2ダウエルピン間の間隔)が大きくなっている。
このことに関連して、複数(この形態では、14個)の第1係合突条30Dのうち支持基台本体12Dの上壁16C(即ち、支持領域18D)の両端側に位置する複数(この形態では、3個)の第1係合突条30D(両端側を基準に、第1番目から第3番目の第1係合突条30D)に関連して、隣接する第1係合突条30Dの間に2つの係合補助突条52Dが設けられている。また、支持基台本体12Dの両端側の内側の中間端部に位置する複数(この形態では、3個)の第1係合突条30D(両端側を基準に、第3番目から第5番目の第1係合突条30D)に関連して、隣接する第1係合突条30Dの間に1つの係合補助突条52Dが設けられているが、その他の隣接する第1係合突条30Dの間には係合補助突条52Dが設けられていない。第1係合突条30Dと係合補助突条52との関係は、第2の実施形態(図8参照)と同様に、第1係合突条30Dが係合補助突条52Dよりも第1挿入孔列19側に長く延びるように構成され、このように構成することにより、支持基台10Dの上面(支持領域18D)に固定用プレート(図示せず)をより確実に支持することができる。
このように構成されているので、図13から理解されるように、支持基台10Dの上壁16D(支持領域18D)の内側領域においては、第1係合突条30D及び係合補助突条52Dの間隔(隣接する第1係合突条30D及び係合補助突条52Dの間隔、隣接する係合補助突条52Dの間隔、隣接する第1係合突条30Dの間隔)がほぼ等しくなる。
この第5の実施形態の歯科技工用作業模型では、固定用プレート(図示せず)は、上述した第1〜第4の実施形態と同様に、この支持基台10Dの上端部に成型用基枠(図示せず)を取り付け(その内側部は、接続部72に当接支持され、その外側部は複数の位置決め用突部32に当接支持される)、この成型用基枠内に規定された注入空間内に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Dの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Dの上面に支持される固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、固定用プレート(プレート本体)は、支持基台10D(支持基台本体12D)の支持領域18Dの形状に対応して略U字状に形成され、この支持領域18Dに沿って第1及び第2ダウエルピン列(複数の第1及び第2ダウエルピン)(図示せず)が設けられる。
また、支持基台10D(支持基台本体12D)の複数の第1係合突条30Dに対応して固定用プレートには複数の第1係合凹条(図示せず)が設けられ、これら第1係合凹条は、固定用プレートの一側端から対応する第1及び第2ダウエルピン(即ち、第1ダウエルピン)に向けて直線状に延びている。更に、支持基台10Dの複数の係合補助突条52Dに対応して固定プレートには複数の係合補助凹条(図示せず)が設けられ、これら係合補助凹条は、固定用プレートの一側端から対応する第1及びダウエルピン列(即ち、第1ダウエルピン列)に向けて直線状に延びている。この第5の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第4の実施形態と実質上同一である。
この第5の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10D(支持基台本体12D)の上面(支持領域18D)に固定用プレートを支持する支持状態においては、支持基台10D側の複数の第1係合突条30Dと固定用プレート側の複数の第1係合凹条(図示せず)とが相互に係合し、これにより、全顎タイプの歯科技工用作業模型においても、支持基台10Dと固定用プレート(図示せず)との係合状態をガタ、回動などなく保持することができる。
〈第6の実施形態〉
次に、図14を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第6の実施形態について説明する。図14においては、第5の実施形態(図13)と同様に、第6の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台のみを示している。この第6の実施形態の歯科技工用作業模型の支持基台10Eにおいては、図14と図13(第5の実施形態)を対比することによって理解される如く、支持基台10Eに関連する構成に修正が施されている。
図14において、この第6の実施形態では、支持基台10E(支持基台本体12E)の支持領域18Eの内側端側(即ち、内側領域)に第1係合突条30Eが設けられているとともに、その外側端側(即ち、外側領域)に第2係合突条56Eが設けられている。第2係合突条56Eは、第1及び第2挿入孔列19E,20Eの複数の第1及び第2挿入孔21E,22E(即ち、第2挿入孔列20Eの複数の第2挿入孔22E)に対応して設けられ、支持基台10E(支持領域18E)の外側端から第2挿入孔列20Eの第2挿入孔22E(これに挿入された第2ダウエルピン)に向けて直線状に延びている。
第2係合突条56Eに関し、次のように構成することができる。図14に示すように、第2係合突条56Eは、第1係合突条30E及び係合補助突条52Eよりも短くなるように構成され、このように構成することにより、支持基台10Eの上面(支持領域18E)に、第1係合突条30E及び係合補助突条52Eに加えて第2係合突条56Eを設けることができる。
この第6の実施形態の歯科技工用作業模型においても、固定用プレート(図示せず)は、上述した第4及び第5の実施形態と同様に、この支持基台10Eの上端部に位置決め用突部32に当接支持されるように成型用基枠(図示せず)を取り付け、この成型用基枠内に規定された注入空間に石膏を注入することにより形成される。
このようなことから、支持基台10Eの構成が上述した通りである場合、この支持基台10Eの上面に対応する固定用プレートの下面は、図示していないが、次の通りの構成となる。即ち、支持基台10Eの複数の第1係合突条30Eに対応して固定用プレートに複数の第1係合凹条が設けられ、また支持基台10Eの係合補助突条52Eに対応して固定用プレートに複数の係合補助凹条が設けられ、更に支持基台10Eの第2係合突条56Eに対応して固定プレートに複数の第2係合凹条が設けられ、これら複数の第2係合凹条は、固定用プレート(プレート本体)の他側端から第2ダウエルピン列の対応する第2ダウエルピンに向けて延びるように設けられる。この第6の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第5の実施形態と実質上同一である。
この第6の実施形態の歯科技工用作業模型にて、支持基台10E(支持基台本体12E)の上面(支持領域18E)に固定用プレートを支持する支持状態(この支持状態は図示していない)においては、支持基台10E側の複数の第1係合突条30Eと固定用プレート側の複数の第1係合凹条(図示せず)とが相互に係合し、また支持基台10E側の複数の係合補助突条52Eと固定用プレート側の複数の係合補助凹条(図示せず)とが相互に係合し、更に支持基台10E側の第2係合突条56Eと固定用プレート側の第2係合凹条(図示せず)とが相互に係合し、これにより、全顎タイプの歯科技工用作業模型においても支持基台10Eと固定用プレート(図示せず)との係合状態をより一層ガタ、回動などのない状態に保持することができる。
この第6の実施形態では、第2挿入孔列20Eの各第2挿入孔22Eに対応して第2係合突条56Eを設けているが、第1係合突条30E側の構成と同様に、隣接する第2係合突条56Eの間に更に係合補助突条を設けるようにしてもよく、この場合、隣接する第2係合突条56の間に係合補助突条を1つ又は2つ程度設けることができる。
〈第7の実施形態〉
次に、図15を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第7の実施形態について説明する。第1〜第6の実施形態では、ダブルピンタイプ(二つのダウエルピン列、即ち第1及び第2ダウエルピンピン列を備えたタイプ)のものに適用して説明したが、この第7の実施形態では、シングルタイプ(一つのダウエルピン列を備えたタイプ)に適用している。
図15において、この第7の実施形態においては、図15と図8(第2の実施形態)とを対比することによって容易に理解される如く、支持基台10F(支持基台本体12F)の支持領域18Fには、一つの挿入孔列19Fが設けられ、この挿入孔列19Eは、その長手方向(図15において左右方向)に設けられている。挿入孔列19Fは、その長手方向に沿って間隔を置いて配設された複数(この形態では5個)の挿入孔21Eから構成されている。
この第7実施形態では、挿入孔列19Fの全体(即ち、複数の挿入孔21Fの全体)は、支持基台10Fの上面の外側領域、即ち支持領域18Fの幅方向の中心線P1よりも外側領域(即ち、図15において上側領域)に配置されている。このように構成することにより、支持基台10F(支持基台本体12F)の内側から挿入孔列19Fの各挿入孔21Fの中心(換言すると、この挿入孔列19Fに挿入された第1ダウエルピンF)までの距離は、支持基台10Fの外側から挿入孔列19Fの各挿入孔20Fの中心(換言すると、この挿入孔列19に挿入された第2ダウエルピン列)までの距離よりも大きくなりこれによって、上述したと同様に、歯科模型を切断した際における第1及び第2ダウエルピンの切断、損傷を少なく抑えることができるとともに、切断した歯科模型の切断片の落下を少なくすることができる。
この第7の実施形態では、この支持基台10Fの支持領域18Fには、図8に示す第2の実施形態と同様に、挿入孔列19Fの複数の挿入孔21F(換言すると、この挿入孔21Fに挿入されたダウエルピン)に対応して、複数の第1係合突条30Fが設けられている。この場合、複数の第1係合突条30Fは、挿入孔列19Fの対応する挿入孔21Fに向けて直線状に延びている。この第7の実施形態におけるその他の構成は、第2の実施形態と同様である。
この第7の実施形態においては、第2の実施形態と対比した場合にダウエルピン列が1列か2列かの相違のみでその他の基本的構成は同一であるので、上述した第2の実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
〈第8の実施形態〉
次に、図16を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第8の実施形態について説明する。図16において、この第8の実施形態においては、図16と図9(第3の実施形態)とを対比することによって容易に理解される如く、支持基台10G(支持基台本体12G)の支持領域18Gには、一つの挿入孔列19Gが設けられ、この挿入孔列19Gは、その長手方向(図16において左右方向)に設けられている。挿入孔列19Gは、その長手方向に沿って間隔を置いて配設された複数(この形態では5個)の挿入孔21Gから構成されている。
この第8の実施形態では、図9に示す第3の実施形態と同様に、この支持基台10Gの支持領域18Gの内側領域に挿入孔列19Gの複数の挿入孔21G(換言すると、この挿入孔21Gに挿入されたダウエルピン)に対応して、複数の第1係合突条30Gが設けられ、また隣接する第1係合突条30Gの間に2つの係合補助突条52Gが設けられ、複数の第1係合突条30Gについては支持基台10Gの内側端から対応する挿入孔21Gに向けて、また複数の補助係合突条52Gについては支持基台の内側端から挿入孔列19Gに向けて直線状に延びている。
更に、この支持基台10Gの支持領域18Gの外側領域に挿入孔列19Gの複数の挿入孔21G(換言すると、この挿入孔21Gに挿入されたダウエルピン)に対応して、複数の第2係合突条56Gが設けられ、かかる第2係合突条56Gは支持基台10Gの外側端から対応する挿入孔21Gに向けて直線状に延びている。この第8の実施形態におけるその他の構成は、第3の実施形態と同様である。
この第8の実施形態においては、第3の実施形態と対比した場合にダウエルピン列が1列か2列かの相違のみでその他の基本的構成は同一であるので、上述した第3の実施形態と同様の作用効果を達成することができる。尚、隣接する第2係合突条56G間に係合補助突条を1つ又は2つ程度設けるようにしてもよい。
〈第9の実施形態〉
次に、図17を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第9の実施形態について説明する。第7及び第8の実施形態では、シングルの部分タイプのものに適用しているが、この第9の実施形態では、シングルの全顎タイプのものに適用している。
図17において、この第9の実施形態においては、図17と図13(第5の実施形態)とを対比することによって容易に理解される如く、支持基台10H(支持基台本体12H)の支持領域18Hには、一つの挿入孔列19Hが設けられ、挿入孔列19Hの複数の挿入孔21H(これらに挿入されたダウエルピン)は、この支持領域18Hに沿って14個設けられ、支持基台本体12Hの上壁16H(即ち、支持領域18H)の両端側ほど挿入孔21H間の間隔(即ち、隣接するダウエルピン間の間隔)が大きくなっている。
このことに関連して、第5の実施形態と同様に、複数(この形態では、14個)の第1係合突条30Hのうち支持基台本体12Hの上壁16H(即ち、支持領域18H)の両端側に位置する複数の第1係合突条30H(両端側を基準に、第1番目から第3番目の第1係合突条30H)に関連して、隣接する第1係合突条30Hの間に2つの係合補助突条52Hが設けられている。また、支持基台本体12Hの両端側の内側の中間端部に位置する複数の第1係合突条30H(両端側を基準に、第3番目から第5番目の第1係合突条30H)に関連して、隣接する第1係合突条30Hの間に1つの係合補助突条52Hが設けられているが、その他の隣接する第1係合突条30Hの間には係合補助突条52Hが設けられていない。
第1係合突条30Hと係合補助突条52Hとの関係は、第5の実施形態(図13参照)と同様に、第1係合突条30Hが係合補助突条52Hよりも挿入孔列19H側に長く延びるように構成されている。この第9の実施形態の歯科技工用作業模型のその他の構成は、上述した第5の実施形態と実質上同一である。
この第9の実施形態においては、第5の実施形態と対比した場合にダウエルピン列が1列か2列かの相違のみでその他の基本的構成は同一であるので、上述した第5の実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
〈第10の実施形態〉
次に、図18を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型の第10の実施形態について説明する。図18において、この第10の実施形態においては、図18と図14(第6の実施形態)とを対比することによって容易に理解される如く、支持基台10J(支持基台本体12J)の支持領域18Jの内側端側(即ち、内側領域)に第1係合突条30Jが設けられているとともに、その外側端側(即ち、外側領域)に第2係合突条56Jが設けられている。複数の第1及び第2係合突条30J,56Jは、第2係合突条56Jは、挿入孔列19Jの各2挿入孔21J(即ち、挿入孔21Jに挿入されたダウエルピン)に対応して設けられ、第1係合突条30Jは、支持基台10J(支持領域18J)の内側端から対応する挿入孔21J(これに挿入されたダウエルピン)に向けて延び、第2係合突条56Jは、支持基台10Jの外側端から対応する挿入孔21J(これに挿入されたダウエルピン)に向けて直線状に延びている。
この実施形態では、更に、隣接する第2係合突条56J間に短い係合補助突条62が設けられ、隣接する第2係合突条62間の間隔が大きい部位(支持領域18Jの両端部側の領域)には係合補助突条が2つ設けられ、この間隔が小さい部位(支持領域18Jの中央部側の領域)には係合補助突条62が1つ設けられ、このように構成することにより、第2係合突条56J及び係合補助突条62間の間隔(即ち、隣接する第2係合突条56J及び係合補助突条62間の間隔及び隣接する係合補助突条62間の間隔)をほぼ等しくなるようにすることができる。
以上、本発明に従う歯科技工用作業模型の各種実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。

歯科技工用作業模型

歯形模型

固定用プレート
7,8
ダウエルピン列
9,11 ダウエルピン
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10J 支持基台
12,12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12J 支持基台本体
18,18A,18B,18C,18D,18E,18F,18G,18H,18J 支持領域
19,19C,19D,19E,19F,19G,19H,19J,20,20C,21D,21E 挿入孔列
21,21C,21D,21E,21F,21G,21H,21J,22,22C,22D,22E 挿入孔
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,30H,30J 第1係合突条
34
プレート本体
36
第1係合凹条
52,52D,52E,56E,52F,52G,52H,52J 係合補助突条
56,56E,56G,56J 第2係合突条






Claims (12)

  1. 歯形模型が固定される固定用プレートと、前記固定用プレートに植設された第1ダウエルピン列と、前記第1ダウエルピン列の外側にて前記固定用プレートに植設された第2ダウエルピン列と、前記固定用プレートを支持するための支持基台と、を備え、前記第1ダウエルピン列は、間隔を置いて配設された複数の第1ダウエルピンから構成され、前記第2ダウエルピン列は、前記複数の第1ダウエルピンに対応して配設された複数の第2ダウエルピンから構成された歯科技工用作業模型であって、
    前記支持基台の上面に設けられた支持領域には、前記第1ダウエルピン列に対応して第1挿入孔列が設けられているとともに、前記第2ダウエルピン列に対応して第2挿入孔列が設けられており、
    前記第1挿入孔列は、前記第1ダウエルピン列の前記複数の第1ダウエルピンに対応して設けられた複数の第1挿入孔から構成され、前記第2挿入孔列は、前記第2ダウエルピン列の前記複数の第2ダウエルピンに対応して設けられた複数の第2挿入孔から構成され、前記支持基台の前記支持領域には、前記第1挿入孔列の前記複数の第1挿入孔に対応して複数の第1係合突条が設けられており、
    また、前記固定用プレートの下面には、前記支持領域の前記複数の第1係合突条に対応して複数の第1係合凹条が設けられており、
    更に、前記複数の第2挿入孔の全体及び前記複数の第1挿入孔の外側半分以上は、前記支持基台における前記支持領域の幅方向の中央線よりも外側に配置され、前記支持領域の前記複数の第1係合突条の各々は、前記支持領域の内側端から前記第1挿入孔列の対応する第1挿入孔に向けて延び、前記固定用プレートの前記複数の第1係合凹条の各々は、前記固定プレートの側端から前記第1ダウエルピン列の対応する第1ダウエルピンに向けて延びていることを特徴とする歯科技工用作業模型。
  2. 前記歯形模型は全顎タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は弧状に延びており、前記支持領域の少なくとも両端部側においては、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記第1挿入孔列に向けて延び、前記隣接する第1係合突条は、前記係合補助突条よりも前記第1挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする請求項1に記載の歯科技工用作業模型。
  3. 前記支持基台の前記支持領域の両端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が2つ設けられ、また前記支持領域の前記両端部の内側の中間端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が一つ設けられていることを特徴とする請求項2に記載の歯科技工用作業模型。
  4. 前記歯形模型は部分タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は横長に形成されており、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記第1挿入孔列に向けて延び、前記隣接する第1係合突条は、前記係合補助突条よりも前記第1挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする請求項1に記載の歯科技工用作業模型。
  5. 前記隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が2つ設けられていることを特徴とする請求項4に記載の歯科技工用作業模型。
  6. 前記支持基台の前記支持領域には、更に、前記第2挿入孔列の前記複数の第2挿入孔に対応して複数の第2係合突条が設けられ、前記複数の第2係合突条の各々は、前記第2挿入孔列の対応する第2挿入孔に向けて延びていることを特徴とする請求項1に記載の歯科技工用作業模型。
  7. 歯形模型が固定される固定用プレートと、前記固定用プレートに植設されたダウエルピン列と、前記固定用プレートを支持するための支持基台と、を備え、前記ダウエルピン列は、間隔を置いて配設された複数のダウエルピンから構成された歯科技工用作業模型であって、
    前記支持基台の上面に設けられた支持領域には、前記ダウエルピン列に対応して挿入孔列が設けられており、
    前記挿入孔列は、前記ダウエルピン列の前記複数のダウエルピンに対応して設けられた複数の挿入孔から構成され、前記支持基台の前記支持領域には、前記挿入孔列の前記複数の第1挿入孔に対応して複数の第1係合突条が設けられており、
    また、前記固定用プレートの下面には、前記支持領域の前記複数の第1係合突条に対応して複数の第1係合凹条が設けられており、
    更に、前記複数の挿入孔の全体は、前記支持基台における前記支持領域の幅方向の中央線よりも外側に配置され、前記支持領域の前記複数の第1係合突条の各々は、前記支持領域の内側端から前記挿入孔列の対応する挿入孔に向けて延び、前記固定用プレートの前記複数の係合凹条の各々は、前記固定プレートの側端から前記ダウエルピン列の対応するダウエルピンに向けて延びていることを特徴とする歯科技工用作業模型。
  8. 前記歯形模型は全顎タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は弧状に延びており、前記支持領域の少なくとも両端部側においては、隣接する係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記挿入孔列に向けて延び、前記隣接する係合突条は、前記係合補助突条よりも前記挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする請求項7に記載の歯科技工用作業模型。
  9. 前記支持基台の前記支持領域の両端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が2つ設けられ、また前記支持領域の前記両端部の内側の中間端部においては、前記隣接する第1係合突条の間に前記係合補助突条が一つ設けられていることを特徴とする請求項8に記載の歯科技工用作業模型。
  10. 前記歯形模型は部分タイプであり、これに対応して、前記支持基台の前記支持領域は横長に形成されており、隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が設けられ、前記係合補助突条は、前記支持領域の内側端から前記挿入孔列に向けて延び、前記隣接する第1係合突条は、前記係合補助突条よりも前記挿入孔列側に長く延びていることを特徴とする請求項7に記載の歯科技工用作業模型。
  11. 前記隣接する第1係合突条の間に係合補助突条が2つ設けられていることを特徴とする請求項10に記載の歯科技工用作業模型。
  12. 前記支持基台の前記支持領域には、更に、前記挿入孔列の前記複数の挿入孔に対応して複数の第2係合突条が設けられ、前記複数の第2係合突条の各々は、前記挿入孔列の対応する挿入孔に向けて延びていることを特徴とする請求項7に記載の歯科技工用作業模型。





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