しかしながら、上述のような従来の歯科技工用作業模型では、切断した固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度が十分とは言えない。そのため、作業時に歯形模型に大きな力が加わると、切断した固定用プレートが支持基台に対してぐらつくおそれがあり、安定した作業を行うことができないという問題がある。
本発明の目的は、固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度を高めることができる歯科技工用作業模型を提供することである。
また、本発明の他の目的は、固定用プレートと支持基台本体との水平方向の係合強度を高めることができる支持基台を提供することである。
本発明の請求項1に記載の歯科技工用作業模型では、歯形模型が固定される固定用プレートと、前記固定用プレートの下面に所定方向に間隔を置いて植設された複数のダウエルピンと、前記固定用プレートを支持するための支持基台と、を備えた歯科技工用作業模型であって、
前記支持基台の上面には、前記複数のダウエルピンが挿入される複数の挿入孔が所定方向に間隔を置いて設けられ、前記支持基台の上面には上方に突出する複数の突部が間隔を置いて設けられ、前記複数の突部の配置間隔は、前記複数の挿入孔の配置間隔よりも短く構成され、また前記固定用プレートの下面には、上方に延びる複数の凹部が間隔を置いて設けられ、前記複数の凹部の配置間隔は、前記複数のダウエルピンの配置間隔よりも短く構成されており、
前記固定用プレートが前記支持基台の上面に支持されると、前記複数の突部と前記複数の凹部とが相互に係合されることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の歯科技工用作業模型では、前記複数の突部は前記支持基台の上面における両側縁よりも内側に離れた部位に配設され、前記複数の凹部は前記固定用プレートの下面における両側縁よりも内側に離れた部位に配設されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の歯科技工用作業模型では、前記複数の突部は前記複数の挿入孔の両側に設けられ、前記複数の凹部は前記ダウエルピンの両側に設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の歯科技工用作業模型では、歯形模型が固定される固定用プレートと、前記固定用プレートに植設されたダウエルピンと、前記固定用プレートを支持するための支持基台と、を備えた歯科技工用作業模型であって、
前記支持基台の上面には、前記ダウエルピンが挿入される挿入孔が設けられ、前記支持基台の上面における相互に対向する両側縁の一方には、上方に突出する係合用突部が設けられ、前記係合用突部の内側部には複数の第1突状部が間隔を置いて設けられ、前記複数の第1突状部の間にはそれぞれ第1凹状部が規定され、また前記支持基台の上面における相互に対向する両側縁の他方よりも内側に離れた部位には係合用補助突部が設けられ、これに対応して、前記固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁の一方には、上方に延びる係合用凹部が設けられ、前記係合用凹部の内側部には複数の第2突状部が間隔を置いて設けられ、前記複数の第2突状部の間にはそれぞれ第2凹状部が規定され、また前記固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁の他方よりも内側に離れた部位には係合用補助凹部が設けられており、
前記固定用プレートが前記支持基台の上面に支持されると、前記係合用突部の前記第1突状部及び前記第1凹状部がそれぞれ、前記係合用凹部の前記第2凹状部及び前記第2突状部と相互に係合されるとともに、前記係合用補助突部と前記係合用補助凹部とが相互に係合されることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の歯科技工用作業模型では、前記歯形模型は全顎タイプであり、これに対応して、前記固定用プレート及び前記支持基台の上面はそれぞれ弧状に延びており、
前記係合用突部は、前記支持基台の上面における外周縁に設けられ、また前記係合用補助突部は、前記支持基台の上面における内周縁よりも内側に離れた部位に設けられ、これに対応して、前記係合用凹部は、前記固定用プレートの下面における外周縁に設けられ、また前記係合用補助凹部は、前記固定用プレートの下面における内周縁よりも内側に離れた部位に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の歯科技工用作業模型では、前記支持基台の上面における内周縁には、上方に突出する係合用突条が設けられ、これに対応して、前記固定用プレートの下面における内周縁には、上方に延びる係合用凹条が設けられており、
前記固定用プレートが前記支持基台の上面に支持されると、前記係合用突条と前記係合用凹条とが相互に係合されることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の歯科技工用作業模型では、前記歯形模型は部分タイプであり、これに対応して、前記固定用プレート及び前記支持基台の上面はそれぞれ横長に形成されており、
前記支持基台の上面における相互に対向する両側縁の他方には、上方に突出する係合用突条が設けられ、これに対応して、前記固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁の他方には、上方に延びる係合用凹条が設けられており、前記固定用プレートが前記支持基台の上面に支持されると、前記係合用突条と前記係合用凹条とが相互に係合されることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載の歯科技工用作業模型では、前記係合用補助突部及び前記係合用補助凹部はそれぞれ複数設けられ、前記複数の係合用補助突部は、前記係合用突部に対して略平行に且つ間隔を置いて配置され、前記複数の係合用補助凹部は、前記係合用凹部に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に記載の歯科技工用作業模型では、前記係合用突部の前記第1突状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、これに対応して、前記係合用凹部の前記第2凹状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に記載の歯科技工用作業模型では、前記係合用突部の前記第1凹状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、これに対応して、前記係合用凹部の前記第2突状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項11に記載の歯科技工用作業模型では、前記第1突状部に形成された傾斜面の鉛直方向に対する傾斜角度は40〜60°であり、また前記第1凹状部に形成された傾斜面の鉛直方向に対する傾斜角度は5〜15°であることを特徴とする。
また、本発明の請求項12に記載の歯科技工用作業模型では、前記固定用プレートは、前記ダウエルピンが植設された第1プレート部と、前記ダウエルピンが植設されない第2プレート部と、を備え、
前記第1プレート部が支持される部位においては、前記係合用突部の前記第1突状部及び前記係合用凹部の前記第2凹状部にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、また前記第2プレート部が支持される部位においては、前記係合用突部の前記第1突状部及び前記係合用凹部の前記第2凹状部にはそれぞれ、内側に向けて上り傾斜する傾斜面又は鉛直方向に延びる鉛直面が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項13に記載の歯科技工用作業模型では、前記固定用プレートは、前記ダウエルピンが植設された第1プレート部と、前記ダウエルピンが植設されない第2プレート部と、を備え、
前記第1プレート部が支持される部位においては、前記係合用突部の前記第1突状部及び前記第1凹状部並びに前記係合用凹部の前記第2凹状部及び前記第2突状部にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、また前記第2プレート部が支持される部位においては、前記係合用突部の前記第1突状部及び前記第1凹状部並びに前記係合用凹部の前記第2凹状部及び前記第2突状部にはそれぞれ、内側に向けて上り傾斜する傾斜面又は鉛直方向に延びる鉛直面が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項14に記載の歯科技工用作業模型では、歯形模型が固定される固定用プレートと、前記固定用プレートに植設されたダウエルピンと、前記固定用プレートを支持するための支持基台と、を備えた歯科技工用作業模型であって、
前記支持基台の上面には、前記ダウエルピンが挿入される挿入孔が設けられ、前記支持基台の上面における相互に対向する両側縁にはそれぞれ、上方に突出する係合用突条が設けられ、前記支持基台の上面における前記一対の係合用突条の間には複数の係合用補助突部が設けられ、前記複数の係合用補助突部は、前記係合用突条に対して略平行に且つ間隔を置いて配置され、これに対応して、前記固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁にはそれぞれ、上方に延びる係合用凹条が設けられ、前記固定用プレートの下面における前記一対の係合用凹部の間には複数の係合用補助凹部が設けられ、前記複数の係合用補助凹部は、前記係合用凹条に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されており、
前記固定用プレートが前記支持基台の上面に支持されると、前記一対の係合用突条と前記一対の係合用凹条とが相互に係合されるとともに、前記複数の係合用補助突部と前記複数の係合用補助凹部とが相互に係合されることを特徴とする。
また、本発明の請求項15に記載の歯科技工用作業模型では、前記複数の係合用補助突部は、前記支持基台の上面における前記一対の係合用突条の各々と前記挿入孔との間にそれぞれ設けられ、前記複数の係合用補助凹部は、前記固定用プレートの下面における前記一対の係合用凹部の各々と前記ダウエルピンとの間にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項16に記載の支持基台では、歯形模型が固定されるとともにダウエルピンが植設された固定用プレートを支持するための支持基台であって、
前記固定用プレートを下方より支持する支持基台本体を備え、前記支持基台本体の上面には、前記固定用プレートの前記ダウエルピンが挿入される挿入孔が設けられ、前記支持基台本体の上面における相互に対向する両側縁の一方には、上方に突出する係合用突部が設けられ、前記係合用突部の内側部には複数の第1突状部が間隔を置いて設けられ、前記複数の第1突状部の間にはそれぞれ第1凹状部が規定され、また前記支持基台の上面における相互に対向する両側縁の他方よりも内側に離れた部位には係合用補助突部が設けられており、
前記固定用プレートが前記支持基台本体の上面に支持されると、前記支持基台本体の前記係合用突部と前記固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁の一方に設けられた係合用凹部とが相互に係合され、これにより前記係合用突部の前記第1凹状部は、前記係合用凹部の内側部に間隔を置いて複数設けられた第2突状部と相互に係合されるとともに、前記係合用突部の前記第1突状部は、前記複数の第2突状部の間にそれぞれ規定された第2凹状部と相互に係合され、更に、前記支持基台本体の前記係合用補助突部と前記固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁の他方よりも内側に離れた部位に設けられた係合用補助凹部とが相互に係合されることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の上面には上方に突出する複数の突部が間隔を置いて設けられ、また固定用プレートの下面には上方に延びる複数の凹部が間隔を置いて設けられている。固定用プレートが支持基台の上面に支持されると、複数の突部と複数の凹部とが相互に係合される。複数の突部(複数の凹部)の配置間隔は、複数の挿入孔(複数のダウエルピン)の配置間隔よりも短く構成されているので、歯科技工用作業模型の製造工程(具体的には、後述する切断工程)において固定用プレートを切断すると、切断した各固定用プレートにおいては、複数の突部と複数の凹部とが相互に係合されるようになる。これにより、切断した固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度を高く保つことができる。
本発明の請求項2に記載の歯科技工用作業模型によれば、複数の突部は支持基台の上面における両側縁よりも内側に離れた位に配設され、複数の凹部は固定用プレートの下面における両側縁よりも内側に離れた部位に配設されているので、切断した固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度を高く保つことができる。
本発明の請求項3に記載の歯科技工用作業模型によれば、複数の突部は複数の挿入孔の両側に設けられ、複数の凹部はダウエルピンの両側に設けられているので、切断した固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度を高く保つことができる。
本発明の請求項4に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の上面における相互に対向する両側縁の一方には係合用突部が設けられ、またその他方よりも内側に離れた部位には係合用補助突部が設けられ、これに対応して、固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁の一方には係合用凹部が設けられ、またその他方よりも内側に離れた部位には係合用補助凹部が設けられている。係合用突部の内側部には、第1突状部及び第1凹状部が交互に複数設けられ、また係合用凹部の内側部には、第2突状部及び第2凹状部が交互に複数設けられている。固定用プレートが支持基台の上面に支持されると、係合用突部の第1突状部及び第1凹状部がそれぞれ係合用凹部の第2凹状部及び第2突状部と相互に係合されるとともに、係合用補助突部と係合用補助凹部とが相互に係合される。これにより、歯形模型を用いた所要の作業を行う際に、固定用プレートの支持基台に対する回転やぐらつき等を確実に防止することができ、作業効率を高めることができる。
また、本発明の請求項5に記載の歯科技工用作業模型によれば、係合用補助突部は、支持基台の上面における内周縁よりも内側に離れた部位に設けられ、係合用補助凹部は、固定用プレートの下面における内周縁よりも内側に離れた部位に設けられている。これら係合用補助突部と係合用補助凹部とが相互に係合されることにより、歯科技工用作業模型の製造工程(具体的には、後述する切断工程)において固定用プレートを切断した際に、切断した固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度を高く保つことができる。
また、本発明の請求項6に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の上面における内周縁には、上方に突出する係合用突条が設けられ、これに対応して、固定用プレートの下面における内周縁には、上方に延びる係合用凹条が設けられている。これにより、固定用プレートが支持基台の上面に支持されると、係合用突条と係合用凹条とが相互に係合されるようになり、固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度をより一層高めることができる。
また、本発明の請求項7に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の上面における両側縁の他方には、上方に突出する係合用突条が設けられ、これに対応して、固定用プレートの下面における両側縁の他方には、上方に延びる係合用凹条が設けられている。これにより、固定用プレートが支持基台の上面に支持されると、係合用突条と係合用凹条とが相互に係合されるようになり、固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度をより一層高めることができる。
また、本発明の請求項8に記載の歯科技工用作業模型によれば、複数の係合用補助突部は、係合用突部に対して略平行に且つ間隔を置いて配置され、複数の係合用補助凹部は、係合用凹部に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されているので、複数の係合用補助突部と複数の係合用補助凹部とが相互に係合されることにより、切断工程において切断した固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度をより一層高く保つことができる。
また、本発明の請求項9に記載の歯科技工用作業模型によれば、係合用突部の第1突状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、これに対応して、係合用凹部の第2凹状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成されているので、固定用プレートと支持基台との鉛直方向の係合強度が比較的低くなり、固定用プレートの支持基台に対する着脱を容易に行うことができ、作業性を高めることができる。また、第1突状部の傾斜面と第2凹状部の傾斜面とが相互に案内されることにより、固定用プレートの支持基台に対する位置決めを容易に且つ確実に行うことができる。
また、本発明の請求項10に記載の歯科技工用作業模型によれば、係合用突部の第1凹状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、これに対応して、係合用凹部の第2突状部には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成されているので、固定用プレートと支持基台との鉛直方向の係合強度が比較的低くなり、固定用プレートの支持基台に対する着脱を容易に行うことができ、作業性を高めることができる。また、第1凹状部の傾斜面と第2突状部の傾斜面とが相互に案内されることにより、固定用プレートの支持基台に対する位置決めを容易に且つ確実に行うことができる。
また、本発明の請求項11に記載の歯科技工用作業模型によれば、第1突状部に形成された傾斜面の鉛直方向に対する傾斜角度は40〜60°であり、また第1凹状部に形成された傾斜面の鉛直方向に対する傾斜角度は5〜15°であるので、固定用プレートを石膏で形成した場合における第2突状部及び第2凹状部の割れを抑制することができるとともに、固定用プレートと支持基台との鉛直方向の係合強度を適度に保つことができる。
また、本発明の請求項12に記載の歯科技工用作業模型によれば、ダウエルピンが植設された第1プレート部が支持される部位においては、係合用突部の第1突状部及び係合用凹部の第2凹状部にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、またダウエルピンが植設されない第2プレート部が支持される部位においては、係合用突部の第1突状部及び係合用凹部の第2凹状部にはそれぞれ、内側に向けて上り傾斜する傾斜面又は鉛直方向に延びる鉛直面が形成されているので、第1プレート部が支持される部位においては、第1プレート部と支持基台との鉛直方向の係合強度が比較的低くなり、また第2プレート部が支持される部位においては、第2プレート部と支持基台との鉛直方向の係合強度が比較的高くなる。一般に、歯形模型を用いた所要の作業を行う際には、ダウエルピンが植設された第1プレート部は支持基台に対して着脱して使用するが、ダウエルピンが植設されない第2プレート部は、支持基台より取り外すことなく支持基台に支持させたままで使用する。従って、上述のような構成を具備することにより、第1プレート部の支持基台に対する着脱を容易に行うことができるとともに、作業時における第2プレート部の支持基台からの落下を抑制することができ、歯形模型を用いた所要の作業を効率良く行うことができる。
また、本発明の請求項13に記載の歯科技工用作業模型によれば、ダウエルピンが植設された第1プレート部が支持される部位においては、係合用突部の第1突状部及び第1凹状部並びに係合用凹部の第2凹状部及び第2突状部にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成され、またダウエルピンが植設されない第2プレート部が支持される部位においては、係合用突部の第1突状部及び第1凹状部並びに係合用凹部の第2凹状部及び第2突状部にはそれぞれ、内側に向けて上り傾斜する傾斜面又は鉛直方向に延びる鉛直面が形成されているので、第1プレート部が支持される部位においては、第1プレート部と支持基台との鉛直方向の係合強度が比較的低くなり、また第2プレート部が支持される部位においては、第2プレート部と支持基台との鉛直方向の係合強度が比較的高くなる。一般に、歯形模型を用いた所要の作業を行う際には、ダウエルピンが植設された第1プレート部は支持基台に対して着脱して使用するが、ダウエルピンが植設されない第2プレート部は、支持基台より取り外すことなく支持基台に支持させたままで使用する。従って、上述のような構成を具備することにより、第1プレート部の支持基台に対する着脱を容易に行うことができるとともに、作業時における第2プレート部の支持基台からの落下を抑制することができ、歯形模型を用いた所要の作業を効率良く行うことができる。
また、本発明の請求項14に記載の歯科技工用作業模型によれば、支持基台の上面における相互に対向する両側縁にはそれぞれ上方に突出する係合用突条が設けられ、固定用プレートの下面における相互に対向する両側縁にはそれぞれ上方に延びる係合用凹条が設けられている。また、支持基台の上面における一対の係合用突条の間には複数の係合用補助突部が設けられ、固定用プレートの下面における一対の係合用凹条の間には複数の係合用補助凹部が設けられている。固定用プレートが支持基台の上面に支持されると、一対の係合用突条と一対の係合用凹条とが相互に係合されるとともに、複数の係合用補助突部と複数の係合用補助凹部とが相互に係合されるので、固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度を高めることができる。これにより、歯形模型を用いた所要の作業を行う際に、固定用プレートの支持基台に対する回転やぐらつき等を確実に防止することができ、作業効率を高めることができる。
また、本発明の請求項15に記載の歯科技工用作業模型によれば、複数の係合用補助突部は、支持基台の上面における一対の係合用突条の各々と挿入孔との間にそれぞれ設けられ、複数の係合用補助凹部は、固定用プレートの下面における一対の係合用凹部の各々とダウエルピンとの間にそれぞれ設けられているので、複数の係合用補助突部と複数の係合用補助凹部とが相互に係合されることにより、切断工程において切断した固定用プレートと支持基台との水平方向の係合強度をより一層高く保つことができる。
また、本発明の請求項16に記載の支持基台によれば、支持基台の上面における相互に対向する両側縁の一方には係合用突部が設けられ、またその他方よりも内側に離れた部位には係合用補助突部が設けられている。係合用突部の内側部には、第1突状部及び第1凹状部が交互に複数設けられている。固定用プレートが支持基台本体の上面に支持されると、支持基台本体の係合用突部と固定用プレートに設けられた係合用凹部とが相互に係合され、これにより係合用突部の第1突状部及び第1凹状部はそれぞれ、係合用凹部の内側部に交互に複数設けられた第2凹状部及び第2突状部と相互に係合され、更に、支持基台本体の係合用補助突部と固定用プレートに設けられた係合用補助凹部とが相互に係合されるので、固定用プレートと支持基台本体との水平方向の係合強度を高めることができる。これにより、歯形模型を用いた所要の作業を行う際に、固定用プレートの支持基台本体に対する回転やぐらつき等を確実に防止することができ、作業効率を高めることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台の各種実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図8を参照して、第1の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による歯科技工用作業模型を示す斜視図であり、図2は、図1の歯科技工用作業模型を示す分解斜視図であり、図3は、図2の係合用突部の一部を拡大して示す部分拡大斜視図であり、図4(a)は、支持基台の上面を示す図であり、図4(b)は、固定用プレートの下面を示す図であり、図5は、図1中のA−A線による歯科技工用作業模型の断面図であり、図6は、支持基台の上部に成型用基枠を装着する前の状態を示す斜視図であり、図7は、支持基台の上部に成型用基枠を装着した状態を示す断面図であり、図8は、注入空間内に石膏を注入した状態を示す断面図である。
図1及び図2を参照して、図示の歯科技工用作業模型2は、歯形模型4が固定される固定用プレート6と、固定用プレート6に植設された5本のダウエルピン8と、固定用プレート6を支持するための支持基台10と、を備えている。
支持基台10は支持基台本体12を備え、この支持基台本体12は、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂などの合成樹脂から形成されている。この支持基台本体12は、横長且つ筒状の周側壁14と、周側壁14の上側を覆う横長の上壁16と、を有している。上壁16の上面(支持基台10の上面を規定する)には、その長手方向(図1及び図2において左下から右上の方向)に間隔を置いて5個の挿入孔18が設けられている。周側壁14の内側に形成された空間20には、各挿入孔18に対応して上壁16の下面から下方に延びる筒状突部22が設けられており、各挿入孔18はこの筒状突部22の内部を貫通して設けられている(図5参照)。なお、各挿入孔18は、筒状突部22の上端部から下端部に向けて内径が漸減するテーパ状に形成されている。
また、上壁16の上面における一側縁には係合用突部24が設けられ、その他側縁には係合用突条25が設けられている。係合用突部24及び係合用突条25はそれぞれ、上方に突出するとともに上壁16の長手方向に延びている。なお、上壁16の両端部においては、係合用突部24及び係合用突条25は設けられていない。係合用突部24及び係合用突条25の上壁16からの突出高さH(図5参照)は、約1.5mmに設定されている。
係合用突部24の内側部には複数の第1突状部26が間隔を置いて設けられ、また複数の第1突状部26の間にはそれぞれ第1凹状部28が規定されている(図3及び図4(a)参照)。第1突状部26には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面30が形成され、また第1凹状部28には、内側に向けて下り傾斜する傾斜面32が形成されている(図3及び図5参照)。第1突状部26に形成された傾斜面30の鉛直方向に対する傾斜角度θ1(例えば約45°)は、第1凹状部28に形成された傾斜面32の鉛直方向に対する傾斜角度θ2(例えば約10°)よりも大きく構成されており、このように構成することによって、係合用突部24の樹脂成型を容易に行うことができる。なお、係合用突条25の内側部には、係合用突部24のように複数の第1突状部及び複数の第1凹状部は設けられていない。
また、上壁16の上面における他側縁よりも内側に離れた部位(具体的には、上壁16の上面における他側縁と挿入孔18との間の部位)には、複数の係合用補助突部33が設けられている。複数の係合用補助突部33は、係合用突部24に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。係合用補助突部33の突出高さは、係合用突部24の突出高さHと同程度又はこれよりも幾分低く構成されている。なお、本実施形態では、係合用補助突部33は平面視で長方形状に構成されており、その長さは例えば約3mmに構成されている。また、係合用補助突部33の配置間隔(例えば約4mm)は、挿入孔18の配置間隔(例えば約9mm)よりも短く構成されており、これにより隣接する一対の挿入孔18の間に対応して、例えば1〜4個(好ましくは2〜3個)の係合用補助突部33が配設されるようになる。
また、周側壁14の外周面には、挿入孔18に対応して(換言すると、固定用プレート6のダウエルピン8に対応して)位置決め用突部34が設けられている。この位置決め用突部34は、挿入孔18を挟んでそれらの両側にそれぞれ配設されている。
固定用プレート6は石膏から形成され、支持基台本体12の上壁16の形状に対応した横長の形状を有している。この固定用プレート6には、支持基台本体12の各挿入孔18に対応して5本のダウエルピン8が植設されている。ダウエルピン8は、上述のように各挿入孔18がテーパ状に形成されていることに対応して、その基端部から先端部に向けて外径が漸減するテーパ状に形成されている。また、固定用プレート6に埋設されるダウエルピン8の基端部には、固定用プレート6に対する固定強度を高めるためにローレット加工が施されている。
また、固定用プレート6の下面(即ち、ダウエルピン8が突出する側の面)における一側縁には、支持基台本体12の係合用突部24に対応して係合用凹部36が設けられ、またその他側縁には、支持基台本体12の係合用突条25に対応して係合用凹条37が設けられている。係合用凹部36及び係合用凹条37はそれぞれ、上方に延びるとともに固定用プレート6の長手方向に延びている。
係合用凹部36の内側部には複数の第2突状部38が間隔を置いて設けられ、また複数の第2突状部38の間にはそれぞれ第2凹状部40が規定されている(図4(b)参照)。第2突状部38及び第2凹状部40はそれぞれ、係合用突部24の第1凹状部28及び第1突状部26の各形状に対応した形状を有している。これにより、第2突状部38には、第1凹状部28の傾斜面32に対応して、内側に向けて下り傾斜する傾斜面42が形成され、また第2凹状部40には、第1突状部26の傾斜面30に対応して、内側に向けて下り傾斜する傾斜面44が形成されている。なお、係合用凹条37の内側部には、係合用凹部36のように複数の第2突状部及び複数の第2凹状部は設けられていない。
また、固定用プレート6の下面における他側縁よりも内側に離れた部位(具体的には、固定用プレート6の下面における他側縁とダウエルピン8との間の部位)には、複数の係合用補助凹部45が設けられている。複数の係合用補助凹部45は、複数の係合用補助突部33に対応して、係合用凹部36に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。なお、本実施形態では、係合用補助凹部45は平面視で長方形状に構成されており、その長さは例えば約3mmに構成されている。また、係合用補助凹部45の配置間隔(例えば約4mm)は、ダウエルピン8の配置間隔(例えば約9mm)よりも短く構成されており、これにより隣接する一対のダウエルピン8の間に対応して、例えば1〜4個(好ましくは2〜3個)の係合用補助凹部45が配設されるようになる。
固定用プレート6の上面には、石膏から形成された歯形模型4(本実施形態では、部分タイプのもの)が固定されている。この固定用プレート6は、ダウエルピン8を対応する挿入孔18に着脱自在に挿入することにより、支持基台本体12の上壁16の上面に着脱自在に支持される。この支持状態では、ダウエルピン8の先端部は筒状突部22の下端部から下方に幾分突出される(図5参照)。また、係合用突部24の第1突状部26及び第1凹状部28はそれぞれ、係合用凹部36の第2凹状部40及び第2突状部38と相互に着脱自在に係合される。更に、係合用突条25と係合用凹条37とが相互に着脱自在に係合されるとともに、複数の係合用補助突部33と複数の係合用補助凹部45とが相互に着脱自在に係合される。
次に、図6〜図8を参照して、上述した歯科技工用作業模型2の製造方法について説明する。まず、歯型(図示せず)に石膏を流し込んで歯形模型4を製作し、また、合成樹脂による射出成型によって支持基台本体12を製造する。そして、図6に示すように、支持基台本体12の各挿入孔18にダウエルピン8を先端部側から着脱自在に挿入する(ピン挿入工程)。このように挿入すると、ダウエルピン8の基端部は、支持基台本体12の上壁16から上方に所定長さ(例えば約4mm)だけ突出される(図7参照)。
その後、図6及び図7に示すように、支持基台本体12の上部に成型用基枠46を着脱自在に装着する(枠装着工程)。ここで、枠装着工程で用いる成型用基枠46について説明すると、成型用基枠46は全体として略矩形状の外形を有し、例えばシリコンゴムや合成ゴムなどのゴム材料から形成されている。成型用基枠46の内側には上下に貫通する開口48が設けられ、この開口48は、支持基台本体12の上部の形状に対応した形状を有している。
成型用基枠46を支持基台本体12の上部に装着すると、支持基台本体12の上壁16及び周側壁14の上端部が開口48の下端部に挿入され、成型用基枠46の内周面が周側壁14の外周面に密着するようになる。このとき、成型用基枠46の下端部が支持基台本体12の位置決め用突部34に支持されることにより、成型用基枠46が支持基台本体12に対して位置決めされる。この装着状態では、成型用基枠46は、支持基台本体12の上壁16から上方に所定高さ(例えば約8mm)だけ突出されるようになり、支持基台本体12の上面及び成型用基枠46の内周面によって注入空間50が規定される。
その後に、図8に示すように、固定用プレート6を成型するための石膏52を注入空間50に注入する(プレート成型工程)。この石膏52は、ダウエルピン8の基端部が石膏52に完全に浸漬されるまで注入される。このとき、支持基台本体12の上壁16の両端部には係合用突部24及び係合用突条25が設けられていないので、注入した石膏52が上壁16の両端部に流れるようになり、石膏52を上壁16の全域にほぼ均一に注入することができる。注入空間50内の石膏52が硬化することにより、ダウエルピン8が植設され且つ係合用凹部36、係合用凹条37及び複数の係合用補助凹部45が形成された固定用プレート6が成型される。その後、成型用基枠46を支持基台本体12の上部から取り外し、固定用プレート6の上面に例えば研削加工を施して平坦となるように加工する(加工工程)。この加工は、固定用プレート6を支持基台本体12の上面に支持させた状態で行われ、ダウエルピン8の基端面が外部に露出するまで行う。
その後、研削加工を施した固定用プレート6の上面に歯形模型4を接着剤等を用いて固定する(模型固定工程)。更にその後、固定用プレート6を支持基台本体12の上面に支持させた状態で、図1中の一点鎖線で示す切断線54に沿って歯形模型4の所定部位(即ち、隣接する一対のダウエルピン8の間の部位)を固定用プレート6とともに切断工具(図示せず)を用いて切断する(切断工程)。このとき、固定用プレート6を切断することによって、係合用突部24及び係合用突条25にそれぞれ切断工具による切り込み56が形成されるようになる。このように切断することによって、歯形模型4の切断した部位を固定用プレート6及びダウエルピン8とともに残りの部位から取り出すことができる。なお、上述したように、支持基台本体12には挿入孔18に対応して位置決め用突部34が設けられているので、歯形模型4を切断する際に、この位置決め用突部34に基づいてダウエルピン8の配設箇所を容易に確認することができる。
この切断した歯形模型4を用いた所要の作業(例えば、歯冠補綴物の製作等)は、切断した固定用プレート6を支持基台本体12の上面に支持させた状態で行われる。本実施形態の歯科技工用作業模型2では、上述のように係合用突部24の第1突状部26及び第1凹状部28と係合用凹部36の第2凹状部40及び第2突状部38とがそれぞれ相互に係合されるとともに、係合用突条25と係合用凹条37とが相互に係合され、更に複数の係合用補助突部33と複数の係合用補助凹部45とが相互に係合されるので、固定用プレート6と支持基台本体12との水平方向の係合強度を高めることができ、切断した固定用プレート6の支持基台本体12に対する回転やぐらつき等を確実に防止することができる。
また、係合用突部24の第1突状部26及び係合用凹部36の第2凹状部40にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面30,44が対応して形成され、また係合用突部24の第1凹状部28及び係合用凹部36の第2突状部38にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面32,42が対応して形成されているので、固定用プレート6と支持基台本体12との鉛直方向の係合強度が比較的低くなり、固定用プレート6の支持基台本体12に対する着脱を容易に行うことができる。
なお、係合用突部24及び係合用突条25の突出高さHは、0.5〜5.0mmであるのが好ましく、1.0〜3.0mmであるのがより好ましい。上記突出高さHが0.5mmよりも低いと、固定用プレート6と支持基台本体12との水平方向の係合強度が十分でなく、また上記突出高さHが5.0mmよりも高いと、切断工程における切断工具による係合用突部24及び係合用突条25への切り込み量が多くなり、作業効率が低下してしまう。
また、第1突状部26に形成された傾斜面30の傾斜角度θ1は、40〜60°であるのが好ましく、また第1凹状部28に形成された傾斜面32の傾斜角度θ2は、5〜15°であるのが好ましい。上記傾斜角度θ1が40°よりも小さく、上記傾斜角度θ2が5°よりも小さいと、石膏で形成された固定用プレート6の第2突状部38及び第2凹状部40の割れが生じ易くなる。また、上記傾斜角度θ1が60°よりも大きく、上記傾斜角度θ2が15°よりも大きいと、固定用プレート6と支持基台本体12との鉛直方向の係合強度が極端に低くなり、作業時に固定用プレート6が支持基台本体12より落下するおそれがある。
本実施形態では、模型固定工程において、固定用プレート6の上面に歯形模型4を接着剤等を用いて固定するようにしたが、成型前の固定用プレート6(即ち、硬化前の石膏52)に歯形模型4を押し付け、石膏52の硬化により固定用プレート6の上面に歯形模型4を固定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、上壁16の上面における一側縁に係合用突部24を設けるとともに、その他側縁に係合用突条25を設け、更に上壁16の上面における他側縁よりも内側に離れた部位に複数の係合用補助突部33を設けるように構成したが、これとは反対に、上壁16の上面における一側縁に係合用突条25を設けるとともに、その他側縁に係合用突部24を設け、更に上壁16の上面における一側縁よりも内側に離れた部位に複数の係合用補助突部33を設けるように構成してもよい。
[第2の実施形態]
次に、図9及び図10を参照して、第2の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態による歯科技工用作業模型の支持基台の上面を示す図であり、図10は、図9の係合用突部の一部を拡大して示す部分拡大斜視図である。なお、以下に示す各実施形態において、上記実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の歯科技工用作業模型2Aでは、支持基台本体12Aの上壁16Aには3個の挿入孔18が設けられ、これら3個の挿入孔18は、上壁16Aの長手方向中央部寄りに配設されている。これにより、切断工程において、図9中の一点鎖線で示す切断線54Aに沿って固定用プレート6Aを切断することにより、固定用プレート6Aは、ダウエルピン(図示せず)が植設された3個の第1プレート部58と、ダウエルピンが植設されない2個の第2プレート部60とに分割されるようになる。
第1プレート部58が支持される部位においては、上記第1の実施形態と同様に、係合用突部24Aの第1突状部26及び第1凹状部28にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面30,32が形成され、またこれに対応して、係合用凹部(図示せず)の第2突状部及び第2凹状部にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成されている。また、第2プレート部60が支持される部位においては、係合用突部24Aの第1突状部26A及び第1凹状部28Aにはそれぞれ、鉛直方向に延びる鉛直面62,64が形成され、またこれに対応して、係合用凹部(図示せず)の第2突状部及び第2凹状部にはそれぞれ、鉛直方向に延びる鉛直面が形成されている。このように構成されているので、第1プレート部58と支持基台本体12Aとの鉛直方向の係合強度が比較的低くなるとともに、第2プレート部60と支持基台本体12Aとの鉛直方向の係合強度が比較的高くなる。
一般に、歯形模型(図示せず)を用いた所要の作業を行う際には、ダウエルピンが植設された第1プレート部58は支持基台本体12Aに対して着脱して使用するが、ダウエルピンが植設されない第2プレート部60は、支持基台本体12Aより取り外すことなく支持基台本体12Aに支持させたままで使用する。本実施形態の歯科技工用作業模型2Aでは、上述のような構成により、第1プレート部58の支持基台本体12Aに対する着脱を容易に行うことができるとともに、作業時における第2プレート部60の支持基台本体12Aからの落下を抑制することができるので、歯形模型を用いた所要の作業を効率良く行うことができる。
[第3の実施形態]
次に、図11を参照して、第3の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図11は、本発明の第3の実施形態による歯科技工用作業模型の係合用突部の一部を拡大して示す部分拡大斜視図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型2Bでは、第2の実施形態と同様に、切断工程において、図11中の一点鎖線で示す切断線54Bに沿って固定用プレート6Bを切断することにより、固定用プレート6Bは、ダウエルピン(図示せず)が植設された複数の第1プレート部58Bと、ダウエルピンが植設されない複数の第2プレート部60Bとに分割されるようになる。
第1プレート部58Bが支持される部位においては、係合用突部24Bの第1突状部26及び第1凹状部28にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面30,32が形成され、またこれに対応して、係合用凹部(図示せず)の第2突状部及び第2凹状部にはそれぞれ、内側に向けて下り傾斜する傾斜面が形成されている。また、第2プレート部60Bが支持される部位においては、係合用突部24Bの第1突状部26B及び第1凹状部28Bにはそれぞれ、内側に向けて上り傾斜する傾斜面66,68が形成され、またこれに対応して、係合用凹部(図示せず)の第2突状部及び第2凹状部にはそれぞれ、内側に向けて上り傾斜する傾斜面が形成されている。このように構成されているので、第1プレート部58Bが支持される部位においては、第1プレート部58Bと支持基台本体12Bとの鉛直方向の係合強度が比較的低くなり、また第2プレート部60Bが支持される部位においては、第2プレート部60Bと支持基台本体12Bとの鉛直方向の係合強度がより一層高くなる。
従って、本実施形態の歯科技工用作業模型2Bでは、上述のような構成により、第1プレート部58Bの支持基台本体12Bに対する着脱を容易に行うことができるとともに、作業時における第2プレート部60Bの支持基台本体12Bからの落下をより効果的に抑制することができるので、歯形模型(図示せず)を用いた所要の作業をより一層効率良く行うことができる。
[第4の実施形態]
次に、図12及び図13を参照して、第4の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図12は、本発明の第4の実施形態による歯科技工用作業模型を示す分解斜視図であり、図13(a)は、図12の支持基台の上面を示す図であり、図13(b)は、その固定用プレートの下面を示す図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型2Cでは、歯形模型4Cは上歯全体(又は下歯全体)のもの、即ち、全顎タイプのものから構成されている。これに関連して、固定用プレート6Cは弧状に延びて構成されており、ダウエルピン8は挿入孔18に対応して固定用プレート6Cに間隔を置いて14本植設されている。また、支持基台本体12Cの上壁16Cは、固定用プレート6Cに対応して弧状に延びており、この上壁16Cの内側には略半楕円状の支持用凹部70が設けられている。支持基台本体12Cの周側壁14Cの外周面には、挿入孔18に対応して位置決め用突部34が設けられている。
図13(a)に示すように、上壁16Cの上面には14個の挿入孔18が間隔を置いて設けられるとともに、その外周縁及び内周縁にはそれぞれ弧状に延びる係合用突部24C及び係合用突条25Cが設けられている。係合用突部24Cの内側部には複数の第1突状部26Cが間隔を置いて設けられ、また複数の第1突状部26Cの間にはそれぞれ第1凹状部28Cが規定されている。第1突状部26Cには、内側に向けて下り傾斜する傾斜面30Cが形成され、また第1凹状部28Cには、内側に向けて下り傾斜する傾斜面32Cが形成されている。また、上壁16Cの上面における内周縁よりも内側に離れた部位(具体的には、上壁16Cの上面における内周縁と挿入孔18との間の部位)には、複数の係合用補助突部33Cが設けられている。複数の係合用補助突部33Cは、係合用突部24Cに対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。
図13(b)に示すように、固定用プレート6Cの下面における外周縁及び内周縁にはそれぞれ、支持基台本体12Cの係合用突部24C及び係合用突条25Cに対応して、係合用凹部36C及び係合用凹条37Cが設けられている。係合用凹部36C及び係合用凹条37Cはそれぞれ、上方に延びるとともに弧状に延びている。係合用凹部36Cの内側部には複数の第2突状部38Cが間隔を置いて設けられ、また複数の第2突状部38Cの間にはそれぞれ第2凹状部40Cが規定されている。第2突状部38C及び第2凹状部40Cはそれぞれ、係合用突部24Cの第1凹状部28C及び第1突状部26Cの各形状に対応した形状を有している。これにより、第2突状部38Cには、第1凹状部28Cの傾斜面32Cに対応して、内側に向けて下り傾斜する傾斜面42Cが形成され、また第2凹状部40Cには、第1突状部26Cの傾斜面30Cに対応して、内側に向けて下り傾斜する傾斜面44Cが形成されている。また、固定用プレート6Cの下面における内周縁よりも内側に離れた部位(具体的には、固定用プレート6Cの下面における内周縁とダウエルピン8との間の部位)には、複数の係合用補助突部33Cに対応して、複数の係合用補助凹部45Cが設けられている。複数の係合用補助凹部45Cは、係合用凹部36Cに対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。
従って、本実施形態の歯科技工用作業模型2Cにおいても、上述したのと同様の作用効果が達成される。また、固定用プレート6Cを支持基台本体12Cの上面に支持させると、複数の係合用補助突部33Cと複数の係合用補助凹部45Cとが相互に係合され、これにより次のような作用効果が達成される。切断工程において、図13(b)中の一点鎖線で示す切断線74に沿って固定用プレート6Cを切断すると、略扇形状のプレート部76が形成される。このプレート部76の内周縁側においては、2つの係合用補助突部33Cと2つの係合用補助凹部45Cとが相互に係合されるとともに、係合用突条25Cと係合用凹条37Cとが相互に係合されることにより、プレート部76と支持基台本体12との水平方向の係合強度を高く保つことができる。
また、本実施形態では、固定用プレート6Cのほぼ全域にダウエルピン8が植設されたもの(所謂、フルタイプのもの)について説明したが、固定用プレート6Cの一部にダウエルピン8が植設されたもの(所謂、局所タイプのもの)にも適用することができ、ダウエルピン8の数及び配置は適宜設定することができる。
[第5の実施形態]
次に、図14を参照して、第5の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図14(a)は、本発明の第5の実施形態による歯科技工用作業模型の支持基台の上面を示す図であり、図14(b)は、その固定用プレートの下面を示す図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型では、歯形模型(図示せず)は部分タイプのものから構成されている。支持基台本体12Dの上壁16Dの上面における他側縁には、上述した係合用突条は設けられておらず、支持基台10Dの他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。また、固定用プレート6Dの下面における他側縁には、上述した係合用凹条は設けられておらず、固定用プレート6Dの他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。従って、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の作用効果が達成される。
[第6の実施形態]
次に、図15を参照して、第6の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図15(a)は、本発明の第6の実施形態による歯科技工用作業模型の支持基台の上面を示す図であり、図15(b)は、その固定用プレートの下面を示す図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型では、歯形模型(図示せず)は全顎タイプのものから構成されている。支持基台本体12Eの上壁16Eの上面における内周縁には、上述した係合用突条は設けられておらず、支持基台10Eの他の構成については、上記第4の実施形態と同様である。また、固定用プレート6Eの下面における内周縁には、上述した係合用凹条は設けられておらず、固定用プレート6Eの他の構成については、上記第4の実施形態と同様である。本実施形態においても、上記第4の実施形態と同様の作用効果が達成される。
[第7の実施形態]
次に、図16を参照して、第7の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図16(a)は、本発明の第7の実施形態による歯科技工用作業模型の支持基台の上面を示す図であり、図16(b)は、その固定用プレートの下面を示す図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型では、歯形模型(図示せず)は全顎タイプのものから構成されている。支持基台本体12Fの上壁16Fの上面における外周縁及び内周縁にはそれぞれ、弧状に延びる係合用突条78,25Cが設けられている。これら係合用突条78,25Cの内側部には、上述した係合用突部のように複数の第1突状部及び複数の第1凹状部は設けられていない。これに対応して、固定用プレート6Fの下面における外周縁及び内周縁にはそれぞれ、弧状に延びる係合用凹条80,37Cが設けられている。これら係合用凹条80,37Cの内側部には、上述した係合用凹部のように複数の第2突状部及び複数の第2凹状部は設けられていない。
また、支持基台本体12Fの上壁16Fの上面における内周縁よりも内側に離れた部位(具体的には、上壁16Fの上面における内周縁と挿入孔18との間の部位)に複数の係合用補助突部33Cが設けられているとともに、支持基台本体12Fの上壁16Fの上面における外周縁よりも内側に離れた部位(具体的には、上壁16Fの上面における外周縁と挿入孔18との間の部位)に複数の係合用補助突部82が設けられている。これら複数の係合用補助突部33C,82はそれぞれ、係合用突条25C,78に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。支持基台10Fの他の構成については、上記第4の実施形態と同様である
また、固定用プレート6Fの下面における内周縁よりも内側に離れた部位(具体的には、固定用プレート6Fの下面における内周縁とダウエルピン8との間の部位)に複数の係合用補助凹部45Cが設けられているとともに、固定用プレート6Fの下面における外周縁よりも内側に離れた部位(具体的には、固定用プレート6Fの下面における外周縁とダウエルピン8との間の部位)に複数の係合用補助凹部84が設けられている。これら複数の係合用補助凹部45C,84はそれぞれ、係合用凹条37C,80に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。固定用プレート6Fの他の構成については、上記第4の実施形態と同様である。
固定用プレート6Fを支持基台本体12Fの上面に支持させると、一対の係合用突条25C,78と一対の係合用凹条37C,80とが相互に係合されるとともに、複数の係合用補助突部33C,82と複数の係合用補助凹部45C,84とが相互に係合される。これにより、上記第4の実施形態と同様に、固定用プレート6Fと支持基台本体12Fとの水平方向の係合強度を高めることができる。
[第8の実施形態]
次に、図17を参照して、第8の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図17(a)は、本発明の第8の実施形態による歯科技工用作業模型の支持基台の上面を示す図であり、図17(b)は、その固定用プレートの下面を示す図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型では、歯形模型(図示せず)は部分タイプのものから構成されている。支持基台本体12Gの上壁16Gの上面における両側縁にはそれぞれ、上壁16Gの長手方向に延びる係合用突条25,78Gが設けられている。これら係合用突条25,78Gの内側部には、上述した係合用突部のように複数の第1突状部及び複数の第1凹状部は設けられていない。これに対応して、固定用プレート6Gの下面における両側縁にはそれぞれ、固定用プレート6Gの長手方向に延びる係合用凹条37,80Gが設けられている。これら係合用凹条37,80Gの内側部には、上述した係合用凹部のように複数の第2突状部及び複数の第2凹状部は設けられていない。
支持基台本体12Gの上壁16Gの上面における一側縁よりも内側に離れた部位(具体的には、上壁16Gの上面における一側縁と挿入孔18との間の部位)に複数の係合用補助突部33が設けられているとともに、支持基台本体12Gの上壁16Gの上面における他側縁よりも内側に離れた部位(具体的には、上壁16Gの上面における他側縁と挿入孔18との間の部位)に複数の係合用補助突部82Gが設けられている。これら複数の係合用補助突部33,82Gはそれぞれ、係合用突条25,78Gに対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。支持基台10Gの他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
また、固定用プレート6Gの下面における一側縁よりも内側に離れた部位(具体的には、固定用プレート6Gの下面における一側縁とダウエルピン8との間の部位)に複数の係合用補助凹部45が設けられているとともに、固定用プレート6Gの下面における他側縁よりも内側に離れた部位(具体的には、固定用プレート6Gの下面における他側縁とダウエルピン8との間の部位)に複数の係合用補助凹部84Gが設けられている。これら複数の係合用補助凹部45,84Gはそれぞれ、係合用凹条37,80Gに対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。固定用プレート6Gの他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
固定用プレート6Gを支持基台本体12Gの上面に支持させると、一対の係合用突条25,78Gと一対の係合用凹条37,80Gとが相互に係合されるとともに、複数の係合用補助突部33,82Gと複数の係合用補助凹部45,84Gとが相互に係合される。これにより、上記第1の実施形態と同様に、固定用プレート6Gと支持基台本体12Gとの水平方向の係合強度を高めることができる。
なお、図18に示すような構成とすることもできる。即ち、複数の係合用補助突部33は、支持基台本体12Hの上壁16Hの上面における一側縁よりも内側に離れた部位にのみ設けられ、また、複数の係合用補助凹部45は、固定用プレート6Hの下面における一側縁よりも内側に離れた部位にのみ設けられている。このような構成であっても、上述したのと同様の作用効果が達成される。
[第9の実施形態]
次に、図19を参照して、第9の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図19(a)は、本発明の第9の実施形態による歯科技工用作業模型の支持基台の上面を示す図であり、図19(b)は、その固定用プレートの下面を示す図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型では、歯形模型(図示せず)は全顎タイプのものから構成されている。支持基台本体12Jの上壁16Jの上面において、複数の挿入孔18の両側にはそれぞれ、上方に延びる複数の突部86,88が設けられている。即ち、支持基台本体12Jの上壁16Jの上面における内周縁よりも内側に離れた部位に複数の突部86が設けられているとともに、支持基台本体12Jの上壁16Jの上面における外周縁よりも内側に離れた部位に複数の突部88が設けられている。これら複数の突部86,88はそれぞれ、複数の挿入孔18の配設方向に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。また、複数の突部86,88の配置間隔D1(例えば約4mm)は、複数の挿入孔18の配置間隔D2(例えば約9mm)よりも短く構成されており、これにより隣接する一対の挿入孔18の間に対応して、1〜4個(好ましくは2〜3個)の突部86,88が配設されるようになる。なお、支持基台本体12Jの上壁16Jの上面における両周縁には、上述した係合用突部や係合用突条は設けられておらず、支持基台10Jの他の構成については、上記第4の実施形態と同様である。
また、固定用プレート6Jの下面において、複数のダウエルピン8の両側にはそれぞれ、上方に延びる複数の凹部90,92が設けられている。即ち、固定用プレート6Jの下面における内周縁よりも内側に離れた部位に複数の凹部90が設けられているとともに、固定用プレート6Jの下面における外周縁よりも内側に離れた部位に複数の凹部92が設けられている。これら複数の凹部90,92はそれぞれ、複数のダウエルピン8の配設方向に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。また、複数の凹部90,92の配置間隔D3(例えば約4mm)は、複数のダウエルピン8の配置間隔D4(例えば約9mm)よりも短く構成されており、これにより隣接する一対のダウエルピン8の間に対応して、例えば1〜4個(好ましくは2〜3個)の凹部90,92が配設されるようになる。なお、固定用プレート6Jの下面における両周縁には、上述した係合用突部や係合用突条は設けられておらず、固定用プレート6Jの他の構成については、上記第4の実施形態と同様である。本実施形態では、突部86,88及び凹部90,92はそれぞれ、平面視で長方形状に構成され、それらの長さは例えば約3mmに構成されている。
本実施形態では、固定用プレート6Jを支持基台本体12Jの上面に支持させると、複数の突部86と複数の凹部90とが相互に係合されるとともに、複数の突部88と複数の凹部92とが相互に係合される。上述した切断工程において、図19(b)中の一点鎖線で示す切断線74Jに沿って固定用プレート6Jを切断すると、略扇形状のプレート部76Jが形成される。プレート部76Jの外周側には3つの凹部92が配設され、その内周側には2つの凹部90が配設されるようになる。このように、プレート部76Jの外周側(内周側)において複数の突部86(88)と複数の凹部90(92)とが相互に係合されることにより、プレート部76Jと支持基台本体12Jとの水平方向の係合強度を高く保つことができる。
[第10の実施形態]
次に、図20を参照して、第10の実施形態の歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台について説明する。図20(a)は、本発明の第10の実施形態による歯科技工用作業模型の支持基台の上面を示す図であり、図20(b)は、その固定用プレートの下面を示す図である。
本実施形態の歯科技工用作業模型では、歯形模型(図示せず)は部分タイプのものから構成されている。支持基台本体12Kの上壁16Kの上面において、複数の挿入孔18の両側にはそれぞれ、上方に延びる複数の突部86K,88Kが設けられている。即ち、支持基台本体12Kの上壁16Kの上面における一側縁よりも内側に離れた部位に複数の突部86Kが設けられているとともに、支持基台本体12Kの上壁16Kの上面における他側縁よりも内側に離れた部位に複数の突部88Kが設けられている。これら複数の突部86K,88Kはそれぞれ、複数の挿入孔18の配設方向に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。また、複数の突部86K,88Kの配置間隔D1’(例えば約4mm)は、複数の挿入孔18の配置間隔D2’(例えば約10mm)よりも短く構成されており、これにより隣接する一対の挿入孔18の間に対応して、例えば1〜4個(好ましくは2〜3個)の突部86K,88Kが配設されるようになる。なお、支持基台本体12Kの上壁16Kの上面における両側縁には、上述した係合用突部や係合用突条は設けられておらず、支持基台10Kの他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
また、固定用プレート6Kの下面において、複数のダウエルピン8の両側にはそれぞれ、上方に延びる複数の凹部90K,92Kが設けられている。即ち、固定用プレート6Kの下面における一側縁よりも内側に離れた部位に複数の凹部90Kが設けられているとともに、固定用プレート6Kの下面における他側縁よりも内側に離れた部位に複数の凹部92Kが設けられている。これら複数の凹部90K,92Kはそれぞれ、複数のダウエルピン8の配設方向に対して略平行に且つ間隔を置いて配置されている。また、複数の凹部90K,92Kの配置間隔D3’(例えば約4mm)は、複数のダウエルピン8の配置間隔D4’(例えば約10mm)よりも短く構成されており、これにより隣接する一対のダウエルピン8の間に対応して、例えば1〜4個(好ましくは2〜3個)の凹部90K,92Kが配設されるようになる。なお、固定用プレート6Kの下面における両側縁には、上述した係合用突部や係合用突条は設けられておらず、固定用プレート6Kの他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、固定用プレート6Kを支持基台本体12Kの上面に支持させると、複数の突部86Kと複数の凹部90Kとが相互に係合されるとともに、複数の突部88Kと複数の凹部92Kとが相互に係合される。これにより、固定用プレート6Kと支持基台本体12Kとの水平方向の係合強度を高く保つことができる。
以上、本発明に従う歯科技工用作業模型及びこれに用いる支持基台の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
上記各実施形態では、係合用突部24(24A〜24C)の第1凹状部28(28A〜28C)及び係合用凹部36(36C)の第2突状部38(38C)にそれぞれ内側に向けて下り傾斜する傾斜面32(32C),42(42C)を形成したが、鉛直方向に延びる鉛直面を形成するようにしてもよい。
また、上記第1〜第8の実施形態では、係合用補助突部33(82)(33C)(82G)及び係合用補助凹部45(84)(45C)(84G)をそれぞれ平面視で長方形状に構成し、また上記第9及び第10の実施形態における突部86,88(86K,88K)及び凹部90,92(90K,92K)をそれぞれ平面視で長方形状に構成したが、例えば平面視で正方形状や三角形状、菱形状等に構成してもよく、適宜の形状に構成することができる。