JP2019000117A - フォーミング用豆乳の製造方法及びフォーミング用豆乳 - Google Patents

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【課題】フォーミングを行った豆乳をコーヒー等に添加しても泡が壊れにくい、起泡力及び起泡安定性に優れたフォーミング用豆乳の製造方法の提供。【解決手段】豆乳と、豆乳重量に対して0.1〜5重量%の油脂と、ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,及び有機酸モノグリセリドから選ばれる1種以上の乳化剤を使用して乳化することによる、スチーマーでフォーミングして用いるための豆乳の製造方法。並びに、豆乳と、豆乳重量に対して0.1〜5重量%の油脂と、有機酸モノグリセリドを含む乳化剤を使用して乳化した後スチーマーでフォーミングすることによる、フォーミングされた豆乳の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明はフォーミング用豆乳の製造方法及びフォーミング用豆乳に関するものである。
従来において、乳は起泡安定性に優れているため、フォーミング(泡立て)を行った乳をコーヒーに添加することにより、口当たりを変え、マイルド感を与えることが可能である。また、乳の起泡性や起泡安定性を改善する技術として、泡立ちタイプの飲料に各種乳化剤、起泡性蛋白質を添加する方法(特許文献1)、HLBが14以上の乳化剤を添加する方法(特許文献2)、カゼイン、大豆蛋白、微結晶セルロース、カラギーナンを添加する方法(特許文献3)等、乳化剤や蛋白質を使用する技術が開示されている。
しかし、近年において、乳の品不足といった問題や動物性たんぱく質を使用した場合コレステロールがたまる等の健康上の問題があり、乳の代替として豆乳を利用することが試みられるようになった。
豆乳に乳化剤や蛋白を使用する技術として、豆乳飲料用の乳化剤としてHLB11以上のショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノ脂肪酸エステルを配合する技術(特許文献4)、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを使用する技術(特許文献5)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する技術(特許文献6)等、乳のように乳化剤や蛋白を利用する技術が開示されている。
特開平10−295339号公報 特開2009−50259号公報 特開昭60−87775号公報 特開2008−289371号公報 特開2011−19437号公報 特開2006−158295号公報
豆乳は、乳よりも起泡安定性に劣っているため、豆乳をフォーミング(泡立て)し、コーヒーに添加しても、泡がなくなりやすいという問題がある。しかしながら、特許文献4は長期間保存時の乳化不安定化によるオイルリング発生を防止すること、特許文献5は沈殿発生を抑制すること、特許文献6はフェザリングやオイルオフを改善することを課題とするものであり、豆乳に関して、乳に関する特許文献1〜3のように起泡力や起泡安定性を改善することに関する技術は見られず、フォーミング(泡立て)した場合にも起泡力及び起泡安定性に優れた豆乳の開発が望まれている。
本発明は、フォーミング(泡立て)することにより泡立てられた豆乳を例えばコーヒー等の飲料に添加しても泡が壊れにくい、起泡力及び起泡安定性に優れたフォーミング用豆乳を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、豆乳と、ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,及び有機酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上の乳化剤を使用して乳化することにより得られたフォーミング用豆乳が、フォーミングを行った場合に起泡力及び起泡安定性に優れるという知見を得、上記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)豆乳と、ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,及び有機酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上の乳化剤を使用して乳化することを特徴とするフォーミング用豆乳の製造方法。
(2)ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが8以上であり、かつ構成脂肪酸の炭素数が18以上である、(1)記載のフォーミング用豆乳の製造方法。
(3)ショ糖脂肪酸エステルのHLBが8以上であり、かつ構成脂肪酸の炭素数が18以上である、(1)記載のフォーミング用豆乳の製造方法。
(4)有機酸モノグリセリドが、クエン酸モノグリセリド,ジアセチル酒石酸モノグリセリド,コハク酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上である、(1)記載のフォーミング用豆乳の製造方法。
(5)豆乳と、ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,及び有機酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上の乳化剤との乳化物を含有するフォーミング用豆乳。
(6)(5)に記載されたフォーミング用豆乳をフォーミングしたものが上置された飲料。
(7)豆乳と、ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,及び有機酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上の乳化剤を使用して乳化した後フォーミングすることを特徴とする、フォーミングされた豆乳の製造方法。
(8)豆乳と、ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,及び有機酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上の乳化剤を使用して乳化した後フォーミングすることを特徴とする、豆乳の泡立て方法。
である。
本発明により製造される豆乳をフォーミングすることにより泡立てられた豆乳は起泡力及び起泡安定性に優れ、これを例えば、コーヒー等に添加してもその起泡力及び起泡安定性を維持し、口当たり、風味が良好なものとすることができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
(豆乳)
本発明の方法に用いる豆乳は、大豆を原料として製造されたものである。大豆原料としては、黄大豆,青大豆,黒大豆などを限定なく使用することができる。また大豆に含まれる成分の栄養機能を考慮して、育種,遺伝子操作や発芽処理等により、7Sグロブリン,11Sグロブリン,イソフラボン,サポニン,ニコチアナミン,レシチン,オリゴ糖,ビタミン類,ミネラル類などの大豆中の特定の成分が富化された大豆を使用することも可能である。また、上記大豆は、外皮及び胚軸部分を含むものでも良いが、これらを除去したものを使用する方が、風味の点で好ましい。
大豆から豆乳を製造する方法は、公知の方法を用いることができ、一般に大豆を水、温水、熱湯等に浸漬した後、磨砕し、おからを分離して得ることができる。
本発明の方法に用いる豆乳について、大豆を浸漬する際に高温浸漬処理して製造する例を以下に示す。
(大豆原料の高温浸漬処理)
大豆原料の高温浸漬とは、大豆原料が高温の水で浸される状態をいい、高温浸漬処理する方法として、例えば、水に大豆原料を浸した後に温度を上げる方法、熱水に大豆原料を浸す方法、低温の水で浸漬した大豆原料を水切り後蒸気中に曝す方法等が挙げられる。
水に大豆原料を浸した後に温度を上げる方法、熱水に大豆原料を浸す方法の場合、温度は、60℃以上が好ましく、80℃以上が更に好ましい。また、浸漬時間に関しては、浸漬温度により変更されるが、例えば浸漬温度が80℃の場合は、概ね15分間以上、好ましくは25分間以上が適当である。
また、低温の水で浸漬した大豆原料を水切り後蒸気中に曝す方法の場合、蒸気温度は100〜150℃が好ましく、また蒸気に曝す時間は10秒〜30分間が好ましい。
次に、高温浸漬処理された大豆原料を磨砕する。必要に応じて、磨砕する前に高温浸漬処理された大豆原料に加水することができる。高温浸漬処理された大豆原料を磨砕する方法として、例えば、回転刃型剪断力により粉砕する方法、磨砕剪断力により粉砕する方法等が挙げられる。回転刃型剪断力により粉砕する方法として、例えば、コミットロール(URSCHEL社製)で粉砕する方法が例示できる。また、磨砕剪断力により粉砕する方法として、例えば、マイコロイダーやグラインダーで粉砕する方法が挙げられる。磨砕により得られた大豆原料の懸濁液は必要により、ホモゲナイザーなどの均質機によって均質化することができる。この磨砕処理により、大豆原料の懸濁液の平均粒子径は概ね、10〜100ミクロンとすることができる。なお、平均粒子径は細胞計数装置で測定する。細胞計数装置として、例えば、コールター社製のコールターカウンター(商品名)が挙げられる。
磨砕後得られた大豆原料の懸濁液は、遠心分離等の固液分離により不溶性画分(おから)を分離して高温浸漬処理した豆乳が得られる。
(フォーミング用豆乳)
本発明のフォーミング用豆乳とは、スチーマー等でフォーミング(泡立て)するために用いられるもので、フォーミング後における起泡力が高く、起泡安定性が良好な豆乳のことを指す。フォーミング用豆乳の形態として、液体の他、粉末や顆粒にしたもの等が例示できる。
本発明のフォーミング用豆乳の製造方法の一例を示すと、大豆原料を高温浸漬処理した豆乳と、ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,及び有機酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上の乳化剤を使用して乳化し、得られた乳化物を均質機で均質化後、殺菌することにより得ることができる。
(乳化)
豆乳を、乳化剤を使用して乳化する。乳化の際、必要に応じて油脂を添加することができる。また、風味の嗜好性や機能性を高めるために、必要な食品原料(果汁、果肉、野菜、糖類、乳製品、穀粉類、澱粉類、カカオマス、鳥獣魚肉製品等)や食品添加物(ミネラル、ビタミン、増粘安定剤、酸味料、香料等)を適宜使用することができる。乳化方法は特に限定されず、ホモミキサーやホモジナイザー等を用いて乳化することができる。また、必要に応じてホモゲナイザー等の均質機により均質化することが可能である。均質機のホモ圧は乳化に十分な圧力であれば特に制限することはない。
(乳化剤の添加量)
本発明で使用する乳化剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルまたは有機酸モノグリセリドという特定の乳化剤を選択することが、フォーミングの用途において豆乳に起泡力及び起泡安定性を付与する点で重要であり、中でも優れた起泡性を付与できる点で有機酸モノグリセリドが好ましい。これらの乳化剤は1種以上を併用して使用することができる。
乳化剤の添加量は、豆乳重量に対して0.005〜0.5重量%が好ましく、0.01〜0.3重量%がさらに好ましい。乳化剤の添加量が少なすぎると、十分な起泡安定性が得られない場合があり、乳化剤の添加量が多すぎると、起泡安定性は問題ないが、風味に影響が出る場合がある。
(ポリグリセリン脂肪酸エステル)
本発明で使用するポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは好ましくは8以上であり、より好ましくは10以上である。HLBが低すぎると、起泡性や泡の安定性が損なわれる場合がある。また、本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸の炭素数は、好ましくは18以上であり、飽和または不飽和脂肪酸、直鎖または分岐を有する脂肪酸が含まれる。これらの脂肪酸として、オレイン酸,リノール酸,リシノール酸,ステアリン酸,アラキドン酸,ベヘン酸,テトラデセン酸等が挙げられ、これらの中でも優れた起泡性を付与できる点でステアリン酸が好ましい。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルとして、ジグリセリンモノオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、ペンタグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエート、デカグリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノステアレート等が例示できる。
これらのポリグリセリン脂肪酸エステルは1種以上を併用して使用することができる。
(ショ糖脂肪酸エステル)
本発明で使用するショ糖脂肪酸エステルのHLBは好ましくは8以上であり、より好ましくは10以上である。HLBが低すぎると、起泡性や泡の安定性が損なわれる場合がある。また、本発明のショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸の炭素数は、好ましくは18以上であり、飽和または不飽和脂肪酸、直鎖または分岐を有する脂肪酸が含まれる。これらの脂肪酸として、オレイン酸,リノール酸,リシノール酸,ステアリン酸,アラキドン酸,ベヘン酸,テトラデセン酸等が挙げられ、これらの中でも優れた起泡性を付与できる点でステアリン酸が好ましい。
これらのショ糖脂肪酸エステルは1種以上を併用して使用することができる。
(有機酸モノグリセリド)
本発明で使用する有機酸モノグリセリドとして、クエン酸モノグリセリド,ジアセチル酒石酸モノグリセリド,コハク酸モノグリセリド,乳酸モノグリセリド,酢酸モノグリセリド等が挙げられ、好ましくはクエン酸モノグリセリド,ジアセチル酒石酸モノグリセリド,コハク酸モノグリセリドであり、より好ましくはコハク酸モノグリセリドである。
この有機酸モノグリセリドにおける構成脂肪酸としては、炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸であり、好ましくは炭素数18の脂肪酸、より好ましくはステアリン酸である。
これらの有機酸モノグリセリドは1種以上を併用して使用することができる。
(油脂)
本発明のフォーミング用豆乳は、油脂を添加することができる。添加する油脂は、食用油脂であればいかなる油脂でも良いが、例えば、コーン油,大豆油,ごま油,こめ糠油,ベニバナ油,綿実油,ひまわり油,菜種油,ヤシ油,パーム油,パーム核油,オリーブオイル,ピーナッツオイル,アーモンドオイル,アボガドオイル,へーゼルナッツオイル,ウォルナッツオイル,荏油等の植物性油脂、並びに乳脂,牛脂,豚脂,鯨油,魚油,鶏油等の動物性油脂が例示できるが、植物性油脂を使用すると、油脂の物性の制御がし易い上に全成分を植物性で調製できるため好ましい。また、上記油脂の単独、または混合油、あるいはそれらを硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂も使用できる。
油脂の添加量は好ましくは、豆乳重量に対して0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%である。
(殺菌)
乳化剤を添加した豆乳は必要により殺菌を行う。殺菌方法は、特に制限されないが、例えば、原料液に高温高圧水もしくは高圧水蒸気を注入するか、または原料液に対し通電によるジュール加熱、高周波(マイクロ波)による加熱などの直接加熱法や、電磁誘導加熱、電気炉、直火、流動砂浴、溶融塩浴などの間接加熱法を単独でまたは組み合わせる方法が挙げられる。
必ずしも必要ではないが、殺菌後に豆乳を再度均質機にて均質化することができる。
本発明の方法により得られたフォーミング用豆乳をフォーミングしたものは、起泡力及び起泡安定性に優れているため、様々な飲料に使用することができる。飲料として、例えば、コーヒー、紅茶、ココア、ミルクセーキ、シェイクドリンク、抹茶等に使用できる。
コーヒーを例にとると、本発明の豆乳をエスプレッソマシーンのスチーマーに入れてフォーミングを行い、これをコーヒーに添加することでカプチーノ様あるいはカフェラテ様の飲料を調製することができる。このカプチーノ様あるいはカフェラテ様の飲料は、起泡力及び起泡安定性に優れ、口当たりが滑らかで良好な風味を呈する。
(フォーミング用豆乳の起泡性評価方法)
フォーミング用豆乳の起泡性の判断は、起泡力及び起泡安定性の評価により行う。具体的には、豆乳100mlをエスプレッソマシーンのスチーマーで65℃までフォーミングし、フォーミング直後(0分)の泡の高さと10分経過後の泡の高さを測定する。起泡力の指標として、フォーミング直後の泡の高さを用い、起泡安定性の指標として、フォーミング直後の泡の高さに対する10分経過後の泡の高さの割合を用いる。
フォーミング直後の泡の高さ及びフォーミング直後の泡の高さに対する10分経過後の泡の高さの割合の数値から、表1の基準により起泡性を総合的に評価する。起泡性の総合評価で、◎、○、△のものを起泡性が良好なものと判断する。
Figure 2019000117
(粗蛋白質含量の測定方法)
粗蛋白質含量はケルダール法により測定する。
以下、本発明の実施例を示す。尚、特に示さない限り、部,%等は重量基準による。
(製造例1)高温浸漬処理した豆乳の製造
脱皮脱胚軸した大豆1部に熱水(90℃)4部を加え、30分間高温浸漬処理(90℃)を行った。次に、高温浸漬処理された大豆1部に対し、熱水(90℃)6部を加えたものを「コミットロール」プロセッサー(URSCHEL社製)を用いて湿式粉砕し、さらに、ホモゲナイザー(APV社製)に供給し、150kgf/cm2で均質化処理し、平均粒子径20〜30μmの大豆懸濁液を得た。得られた大豆懸濁液を連続遠心分離機に供給し、3000×g,3分間で遠心分離を行い、豆乳とおからに分離し、高温浸漬処理した豆乳を得た。この豆乳の蛋白質含量は4.7g/100mlであった。
(試験例1〜3)高温浸漬処理の有無の比較
高温浸漬処理の有無の影響について調べるため、各種豆乳についてフォーミング用豆乳を製造し、起泡性評価を行った。
(試験例1)
製造例1で得られた豆乳80部と水19.1部を混合した溶液を60℃に昇温後、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:SYグリスターMS-5S、阪本薬品工業(株)製)0.1部および精製やし油0.8部を加え、予備乳化を行った。
予備乳化後、10℃まで冷却し、本発明の豆乳を得た。
(試験例2)
高温浸漬処理をしていない豆乳(無調整豆乳、マルサンアイ(株)製、粗蛋白質含量=4.7g/100ml)を使用した以外は試験例1と同様にして豆乳を得た。
(試験例3)
高温浸漬処理をしていない豆乳(おいしい無調整豆乳、キッコーマン飲料(株)製、粗蛋白質含量=4.6g/100ml)を使用した以外は試験例1と同様にして豆乳を得た。
試験例1〜3のフォーミング用豆乳について、上記の方法で起泡性評価を行った結果を表2に示した。
Figure 2019000117
試験例1〜3の豆乳は、フォーミング直後の泡の高さは2.3cm以上であり、フォーミング直後の泡の高さに対する10分経過後の泡の高さの割合が50%以上であることから、起泡性は良好であった。これらの結果から、いずれの豆乳を用いてもポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することにより起泡性が良好なフォーミング用豆乳が得られることがわかった。傾向としては、高温浸漬処理して製造された豆乳を用いる方が、起泡性がより良好になった。
○各種乳化剤の比較(試験例4〜24)
試験例1に従って、製造例1で得られた高温浸漬処理した豆乳と各種乳化剤を用いてフォーミング用豆乳を調製し、上記の方法で起泡性評価を行った。乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、モノグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンについて検討した結果をそれぞれ、表3、表4、表5、表6、表7、表8に示した。
Figure 2019000117
表3の結果より、HLBが8以上で、かつ構成脂肪酸の炭素数が18以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加した場合、起泡性評価が優れていることが確認された。また、これらの中でも、構成脂肪酸がステアリン酸であるものを使用する方がより起泡性評価が優れることがわかった。
一方、HLBが8未満のものや、HLBが8以上のものでも構成脂肪酸の炭素数が18未満のものは起泡性評価が劣る結果となった。
Figure 2019000117
表4の結果より、HLBが8以上で、かつ構成脂肪酸の炭素数が18以上のショ糖脂肪酸エステルを添加した場合、起泡性評価が優れていることが確認された。また、これらの中でも、構成脂肪酸がステアリン酸であるものを使用する方がより起泡性評価が優れることがわかった。
一方、HLBが8未満のものや、HLBが8以上のものでも構成脂肪酸の炭素数が18未満のものは起泡性評価が劣る結果となった。
Figure 2019000117
表5の結果より、有機酸モノグリセリドを添加した場合、起泡性評価が優れていることが確認された。
Figure 2019000117
表6の結果より、モノグリセリン脂肪酸エステルを添加した場合、起泡性評価が劣る結果となった。
Figure 2019000117
表7の結果より、ソルビタン脂肪酸エステルを添加した場合、起泡性評価が劣る結果となった。
Figure 2019000117
表8の結果より、レシチンを添加した場合、起泡性評価が劣る結果となった。
以上、試験例1〜24の結果から、豆乳に対して特定の乳化剤を選択し、使用することにより、起泡力及び起泡安定性に優れたフォーミング用豆乳が得られた。

Claims (6)

  1. 豆乳と、該豆乳重量に対して0.1〜5重量%の油脂と、有機酸モノグリセリドを含む乳化剤を使用して乳化することを特徴とする、スチーマーでフォーミングして用いるための豆乳の製造方法。
  2. 有機酸モノグリセリドが、クエン酸モノグリセリド,ジアセチル酒石酸モノグリセリド,コハク酸モノグリセリドの群から選ばれる1種以上である、請求項1記載の豆乳の製造方法。
  3. 豆乳と、該豆乳重量に対して0.1〜5重量%の油脂と、有機酸モノグリセリドを含む乳化剤との乳化物を含有する、スチーマーでフォーミングして用いるための豆乳。
  4. 請求項3に記載されたフォーミング用豆乳をスチーマーでフォーミングしたものが上置された飲料。
  5. 豆乳と、該豆乳重量に対して0.1〜5重量%の油脂と、有機酸モノグリセリドを含む乳化剤を使用して乳化した後スチーマーでフォーミングすることを特徴とする、フォーミングされた豆乳の製造方法。
  6. 豆乳と、該豆乳重量に対して0.1〜5重量%の油脂と、有機酸モノグリセリドを含む乳化剤を使用して乳化した後スチーマーでフォーミングすることを特徴とする、豆乳の泡立て方法。
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