JP7142500B2 - 油揚げの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油揚げの製造方法に関する。
従来、油揚げは、豆乳に凝固剤を加えてタンパク質を不溶凝集させた後圧搾して水を切って得た豆腐生地(油揚げ用生地)を、110~120℃程度の低温の油で揚げて十分に膨張させた後に、160~200℃程度の高温の油で揚げて水を蒸発させる方法で製造されてきた。
油揚げの製造では、油揚げ用生地を面積比で2.5~3倍程度に十分に膨張させ、且つ、表面のキメが細かい油揚げを得ることが好ましいとされている。しかし、このような油揚げを得るためには、油揚げ用生地の調製条件や、油で揚げる際の温度・時間のコントロールが容易ではなく、高度な熟練を要する。また、食品の多くは口当たりがふっくらとして柔らかいことが好まれる傾向にあるため、油揚げに対してもそのような食感が付与できることが好ましい。
油揚げの表面状態や食感の改良に関する技術としては、例えば、豆乳と空気と凝固剤を、分散機を用いて空気の均一分散と凝固剤による豆乳の凝固を同時に行い、得られた生地を油で揚げることを特徴とする油揚げの製造方法(特許文献1)、ショ糖脂肪酸エステル、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリドのいずれか1種以上を含有して成る油脂組成物によって、油ちょうされたことを特徴とする油揚げ(特許文献2)等が開示されている。
しかし、特許文献1の技術は、油揚げの表面状態の改善が主目的であり、食感の改良については特に考慮されていない。また、特許文献2の技術によれば、「軽いサクミ」のある油揚げが得られるが、ふっくらとして柔らかい食感とは方向性が異なっている。
従って、表面のキメが細かく、且つふっくらとして柔らかい食感の油揚げを製造可能な方法は、未だに確立できていないのが実情である。
特開2002-223718号公報 特開平10-165129号公報
本発明は、表面のキメが細かく、且つふっくらとして柔らかい食感の油揚げを製造可能な油揚げの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを油揚げの製造に用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、下記の(1)~(5)からなっている。
(1)グリセリン有機酸脂肪酸エステルを豆乳に添加する工程を含む、油揚げの製造方法。
(2)グリセリン有機酸脂肪酸エステルが、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルから選ばれる1種以上である、前記(1)に記載の油揚げの製造方法。
(3)豆乳の全固形分量100質量部に対するグリセリン有機酸脂肪酸エステルの添加量が0.1~20.0質量部である、前記(1)又は(2)に記載の油揚げの製造方法。
(4)更に、澱粉を豆乳に添加する工程を含む、前記(1)~(3)のいずれかに記載の油揚げの製造方法。
(5)豆乳の全固形分量100質量部に対する澱粉の添加量が1.0~100.0質量部である、前記(4)に記載の油揚げの製造方法。
本発明の油揚げの製造方法によれば、表面のキメが細かく、且つふっくらとして柔らかい食感の油揚げを製造できる。
本発明の油揚げの製造方法は、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを豆乳に添加する工程を含む。
本発明に用いられるグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、グリセリン、有機酸及び脂肪酸のエステルであり、モノグリセリンモノ脂肪酸エステルと有機酸(又は有機酸の酸無水物)との反応、又はグリセリンと有機酸と脂肪酸との反応により製造される。グリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステルが好ましく、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルがより好ましい。これらグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
グリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、炭素数6~24の直鎖状の飽和又は不飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等)が挙げられる。これらの中でも、炭素数16~18の直鎖状の飽和又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)が好ましく、ステアリン酸又はオレイン酸がより好ましく、ステアリン酸が更に好ましい。これら脂肪酸は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
グリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、ポエムW-60(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル;理研ビタミン社製)、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;理研ビタミン社製)、ポエムK-30(商品名;グリセリンクエン酸ステアリン酸エステル;理研ビタミン社製)、サンソフト683CB(商品名;グリセリンコハク酸オレイン酸エステル;太陽化学社製)、パノダンAB-100VEG-FS(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル;デュポン社製)等が商業的に販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の油揚げの製造方法においては、豆乳の全固形分量100質量部に対するグリセリン有機酸脂肪酸エステルの添加量が0.1~20.0質量部、好ましくは0.5~10.0質量部、より好ましくは1.0~5.0質量部となるように調整される。グリセリン有機酸脂肪酸エステルの添加量が上記範囲であると、油揚げの風味への影響を極力抑えつつ、本発明の効果が発揮されるため好ましい。
また、本発明の油揚げの製造方法は、油揚げ表面のキメを更に細かくする、及び/又は更にふっくらとして柔らかい食感の油揚げを得る観点から、澱粉を含有する豆乳を調製する工程を更に含むことが好ましい。澱粉としては、例えば、天然澱粉又は天然澱粉に物理的・化学的・酵素的処理を加えた加工澱粉が挙げられる。天然澱粉としては、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉、エンドウ豆澱粉等が挙げられる。加工澱粉としては、例えば、エステル化処理した加工澱粉(例えば、アセチル化澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、オクテニルコハク酸化澱粉等)、エーテル化処理した加工澱粉(例えば、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、カルボキシメチル化澱粉等)、架橋処理した加工澱粉(例えば、リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、グリセロール架橋澱粉等)、酸化処理した加工澱粉(例えば、ジアルデヒド澱粉等)、酸処理した加工澱粉、湿熱処理した加工澱粉、油脂加工澱粉、更にエステル化、エーテル化、架橋等の処理を2以上組み合わせて施した加工澱粉等が挙げられる。これら澱粉の中でも、加工澱粉が好ましく、エステル化処理した加工澱粉、エーテル化処理した加工澱粉、架橋処理した加工澱粉がより好ましく、アセチル化澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉が更に好ましい。これら澱粉は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の油揚げの製造方法においては、澱粉を豆乳に添加する工程を更に含む場合、豆乳の全固形分量100質量部に対する澱粉の添加量は、澱粉の種類等により異なるため一様ではないが、例えば1.0~100.0質量部、好ましくは5.0~80.0質量部、より好ましくは10.0~60.0質量部となるように調整される。澱粉の添加量が上記範囲であると、ふっくらとして柔らかい食感を油揚げに更に付与できるため好ましい。
豆乳の調製方法に特に制限はなく、大豆を原料とする公知の方法により調製することができる。例えば(1)大豆を水に浸漬する段階、(2)大豆を磨砕し「呉」を調製する段階、(3)「呉」を蒸煮する段階、(4)蒸煮した「呉」を絞り豆乳とおからを分離する段階、(5)分離した豆乳を容器・タンクへ注ぐ段階を順次実施することにより豆乳を調製することができる。尚、「生絞り法」により豆乳を得る場合には、上記段階の(3)と(4)はそれぞれ、(3)「呉」を絞り生豆乳と生おからを分離する段階、(4)生豆乳を蒸煮する段階となる。
グリセリン有機酸脂肪酸エステルを豆乳に添加する方法に特に制限はないが、例えば、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを豆乳に加えて混合する方法が挙げられる。この際、グリセリン有機酸脂肪酸エステルが常温(25℃)で液状又はペースト状のものであれば豆乳の温度に特に制限はないが、それが常温で固体又は半固体状のものである場合には、混合効率を高める観点から、予め豆乳の温度をその融点以上に調整することが好ましい。また、混合に用いる装置に特に制限はなく、バッチ式、連続式のいずれであっても良いが、例えばTKホモミクサー(プライミクス社製)又はクレアミックス(エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機のような強い撹拌力を有するものの他、スタティックミキサー〔例えばノリタケカンパニーリミテド社製(型式:1-N33-131-F)、日本フローコントロール社製(型式:100-806)等〕やOHRミキサー(OHR流体工学研究所社製)等の静止型ミキサー又はスリーワンモータ(新東科学社製)等のプロペラ式攪拌機のような撹拌力が比較的弱いものを用いても良い。
澱粉を豆乳に添加する方法に特に制限はないが、例えば、澱粉を豆乳に加えて混合する方法が挙げられる。この際、澱粉を直接豆乳に加えることもできるが、混合効率を高める観点から、予め澱粉を水に懸濁したものを加えることが好ましい。また、澱粉を豆乳に添加する際の豆乳の温度に特に制限はなく、例えば、通常の油揚げの製造における凝固開始時の温度(60~80℃)であれば良い。また、混合に用いる装置に特に制限はなく、バッチ式、連続式のいずれであっても良いが、例えばTKホモミクサー(プライミクス社製)又はクレアミックス(エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機のような強い撹拌力を有するものの他、スタティックミキサー〔例えばノリタケカンパニーリミテド社製(型式:1-N33-131-F)、日本フローコントロール社製(型式:100-806)等〕やOHRミキサー(OHR流体工学研究所社製)等の静止型ミキサー又はスリーワンモータ(新東科学社製)等のプロペラ式攪拌機のような撹拌力が比較的弱いものを用いても良い。
グリセリン有機酸脂肪酸エステル(及び所望により澱粉)を添加した豆乳を用いて油揚げを製造する方法に特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。例えば、上記豆乳を凝固させて得た凝固物を割砕し、圧搾及び成形して得た豆腐生地(油揚げ用生地)を油ちょうして油揚げを製造することができる。
凝固に用いる凝固剤としては、例えば塩化マグネシウム(にがり)、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、硫酸マグネシウム、粗製海水塩化マグネシウム等が挙げられる。これら凝固剤は、予め水に溶解したものを豆乳に添加することが好ましい。
油ちょうは、油の温度を変化させて2段階に分けて行うことが好ましく、例えば110~120℃で行った後、160~200℃で行うことができる。また、油ちょうに替えて、特開2010-239866号公報に記載された加熱調理方法を実施しても良い。
本発明の製造方法により得られる油揚げは、油ちょう後に着味液等に浸漬する処理、乾燥処理又は加圧加熱殺菌処理等を行ってもよい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[豆乳の調製]
生大豆4kgを15kgの水道水に14時間浸漬し、水切りした。得られた浸漬大豆に全量が約32kgとなるように水を加えながらグラインダーで摩砕し、「呉」を調製した。「呉」を煮釜に入れ、液温が約93℃に達するまで加熱した。93℃に達温後、直ちに16kgの戻し水を加え、次いで脱水機(型式:アトムMTS-SP1;丸井工業社製)を用いて豆乳とおからに分離し、豆乳(固形分含有量3.9質量%)約50kgを得た。尚、摩砕から蒸煮までの一連の操作は、小型豆乳プラント(型式:ミニホープS;高井製作所社製)を用いて実施した。
[油揚げの製造]
[実施例1]
豆乳2500gを500mLビーカーに500gずつ分注し、それぞれ恒温水槽中で80℃に調整した後、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)各0.5gを加え、クレアミックス(型式:CLM-0.8S;エムテクニック社製)4000rpmで1分間撹拌し、均一に混合した。その後、各豆乳を65℃まで冷却し、塩化カルシウム〔商品名:塩化カルシウム(食品添加物);富士フィルム和光純薬社製〕の5質量%水溶液を40g加え、スリーワンモータ(型式:BL1200;新東科学社製)を用いて約500rpmで15秒間撹拌した。
凝固した各豆乳をそのまま約5分間静置し、その後沈殿した凝固物を上清と共に不織布を敷いた小孔の空いた型箱(65mm×65mm×65mm)に流し込んだ。各型箱の内容物の上に蓋を載せ、蓋の上に250gの重石を載せて約15分間圧搾し、次に750gの重石に換えて約15分間圧搾し、最後に1.5kgの重石に換えて約60分間圧搾して油揚げ用生地(計5枚)を作製した。
得られた各油揚げ用生地を正方形状(55mm×55mm)にカットし、これらをなたね油を用いて、低温(約110℃)で9分間油ちょうし、続いて高温(約160℃)で9分間油ちょうし、計5枚の油揚げ(実施例品1)を得た。
[実施例2]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてサンソフト683CB(商品名;グリセリンコハク酸オレイン酸エステル;常温で液状;太陽化学社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品2)を得た。
[実施例3]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてポエムW-60(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル;融点約45℃;理研ビタミン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品3)を得た。
[実施例4]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてパノダンAB-100VEG-FS(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸オレイン酸エステル;常温で液状;デュポン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品4)を得た。
[実施例5]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてポエムK-30(商品名;グリセリンクエン酸ステアリン酸エステル;融点約59℃;理研ビタミン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品5)を得た。
[実施例6]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてポエムW-60(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル;融点約45℃;理研ビタミン社製)0.25g及びモノグリセリンステアリン酸エステル(商品名:エマルジーP-100;融点60~68℃;理研ビタミン社製)0.25gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品6)を得た。
[実施例7]
豆乳2500gを500mLビーカーに500gずつ分注し、それぞれ恒温水槽中で80℃に調整した後、これにポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)各0.5gを加え、クレアミックス(型式:CLM-0.8S;エムテクニック社製)4000rpmで1分間撹拌し、均一に混合した。その後、各豆乳を65℃まで冷却し、これにヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(商品名:あさがお、松谷化学工業社製)の20質量%水懸濁液12.5g及び塩化カルシウム〔商品名:塩化カルシウム(食品添加物);富士フィルム和光純薬社製〕の5質量%水溶液40gを加え、スリーワンモータ(型式:BL1200;新東科学社製)を用いて約500rpmで15秒間撹拌及び混合した。
凝固した各豆乳をそのまま約5分間静置し、その後沈殿した凝固物を上清と共に不織布を敷いた小孔の空いた型箱(65mm×65mm×65mm)に流し込んだ。各型箱の内容物の上に蓋を載せ、蓋の上に250gの重石を載せて約15分間圧搾し、次に750gの重石に換えて約15分間圧搾し、最後に1.5kgの重石に換えて約60分間圧搾して油揚げ用生地(計5枚)を作製した。
得られた油揚げ用生地を正方形状(55mm×55mm)にカットし、これをなたね油を用いて、低温(約110℃)で9分間油ちょうし、続いて高温(約160℃)で9分間油ちょうし、計5枚の油揚げ(実施例品7)を得た。
[実施例8]
実施例7において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてポエムW-60(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル;融点約45℃;理研ビタミン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品8)を得た。
[実施例9]
実施例7において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてポエムW-60(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル;融点約45℃;理研ビタミン社製)0.75gを用いたこと、及びヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(商品名:あさがお、松谷化学工業社製)の20質量%水懸濁液12.5gに代えてアセチル化アジピン酸架橋ワキシーコーンスターチ(商品名:マプス#281;日本食品化工社製)の20質量%水懸濁液20.0gを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品9)を得た。
[実施例10]
実施例7において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えて同ポエムB-30を1.0g用いたこと、及びヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(商品名:あさがお、松谷化学工業社製)の20質量%水懸濁液12.5gに代えてアセチル化タピオカ澱粉(商品名:さくら2;松谷化学工業社製)の20質量%水懸濁液30.0gを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品10)を得た。
[実施例11]
実施例7において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてポエムW-60(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル;融点約45℃;理研ビタミン社製)1.0gを用いたこと、及びヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(商品名:あさがお、松谷化学工業社製)の20質量%水懸濁液12.5gに代えてタピオカ澱粉(商品名:タピオカスターチ、ギャバン社製)の20質量%水懸濁液50.0gを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品11)を得た。
[実施例12]
実施例7において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えて同ポエムB-30を1.5g用いたこと、及びヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(商品名:あさがお、松谷化学工業社製)の20質量%水懸濁液12.5gに代えてうるち米澱粉(商品名:ファインスノウ;上越スターチ社製)の20質量%水懸濁液50.0gを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品12)を得た。
[実施例13]
実施例7において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてポエムW-60(商品名;グリセリンジアセチル酒石酸ステアリン酸エステル;融点約45℃;理研ビタミン社製)2.5gを用いたこと、及びヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(商品名:あさがお、松谷化学工業社製)の20質量%水懸濁液12.5gに代えて馬鈴薯澱粉(商品名:片栗粉、三幸社製)の20質量%水懸濁液20.0gを用いたこと以外は、実施例7と同様の操作により計5枚の油揚げ(実施例品13)を得た。
[比較例1]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてモノグリセリンステアリン酸エステル(商品名:エマルジーP-100;融点60~68℃;理研ビタミン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(比較例品1)を得た。
[比較例2]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてモノグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムOL-200V;常温で液状;理研ビタミン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(比較例品2)を得た。
[比較例3]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてプロピレングリコールモノパルミチン酸エステル(商品名:リケマールPP-100;融点30~36℃;理研ビタミン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(比較例品3)を得た。
[比較例4]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えてソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ポエムO-80V;常温で液状;理研ビタミン社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(比較例品4)を得た。
[比較例5]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gに代えて酵素分解レシチン(商品名:SLP-ペーストリゾ;常温でペースト状;辻製油社製)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(比較例品5)を得た。
[比較例6]
実施例1において、ポエムB-30(商品名;グリセリンコハク酸ステアリン酸エステル;融点約64℃;理研ビタミン社製)0.5gを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作により計5枚の油揚げ(比較例品6)を得た。
ここで、上述した実施例1~13及び比較例1~6の製造方法において、豆乳100質量部に対する乳化剤及び澱粉の添加量を表1~3に示す。
Figure 0007142500000001
Figure 0007142500000002
Figure 0007142500000003
[油揚げの評価]
油揚げ(実施例品1~13及び比較例品1~6)の外観を観察した後に喫食し、外観及び食感ついて官能評価試験を行った。試験では、乳化剤及び澱粉のいずれも添加せずに製造した油揚げ(比較例品6)を基準(対照)とし、表4に示す評価基準に従って10名のパネラーで実施例品1~13及び比較例品1~5を評価し、評点の平均値を求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表5に示す。
◎:極めて良好 平均点3.5以上
○:良好 平均点2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均点1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均点1.5未満
Figure 0007142500000004
Figure 0007142500000005
本発明の製造方法により得られた油揚げ(実施例品1~13)は、外観及び食感のいずれの評価項目においても「○」以上の優れた結果であった。これに対し、比較例の製造方法により得られた油揚げ(比較例1~5)は、いずれの評価項目においても「△」以下であり、本発明のものに比べて劣っていた。

Claims (3)

  1. グリセリン有機酸脂肪酸エステルを豆乳に添加する工程を含む、油揚げの製造方法であって、前記豆乳の全固形分量100質量部に対する前記グリセリン有機酸脂肪酸エステルの添加量が1.0~20.0質量部である油揚げの製造方法(但し、酸化マグネシウムを添加する工程を含む場合を除く)
  2. グリセリン有機酸脂肪酸エステルが、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の油揚げの製造方法。
  3. 更に、澱粉を豆乳に添加する工程を含む、請求項1又は2に記載の油揚げの製造方法であって、前記豆乳の全固形分量100質量部に対する前記澱粉の添加量が10.0~60.0質量部である油揚げの製造方法
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