JP2018534680A5 - - Google Patents
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Description
本開示は一般的に、数値制御工作機械におけるプロセスのモニタリングおよび適応制御に関する。
多くの異なる種類の機械の自動化に、プログラマブル論理制御装置(PLC)が用いられる。PLCによって制御される機械が入力信号をPLCに与え得る一方、PLCは、これらの入力信号に基づいて、制御信号を機械に与える。PLCは多種多様なタスクに採用され得るものの、工作機械(金属切削用の工作機械等)の動きは、数値制御(NC)またはコンピュータ数値制御(CNC)の使用により自動化されることが多い。工作機械の動きは、たとえばオペレータが入力した実行可能プログラムまたはコマンドにより、複数の軸に沿って制御可能である。コマンドは、たとえば機械の専用ユーザインターフェースまたは機械に接続されたコンピュータを介して直接入力することができる。実行可能プログラムは、たとえば機械に接続されたコンピュータを介して機械に与えることができる。
機械は、動作中にモニタリングし、適応制御することにより性能の向上が可能である。動作中に望ましくない状態または事象が検出された場合は、制御信号が機械に与えられて、機械が適当に応答することができる。たとえば、工具の破損が検出された場合は、機械のオペレータに警報を発するとともに、ワークピースから工具を自動的に後退させることによって、工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスを中断することができる。機械の動作をモニタリングするとともに、検出された事象または状態に適当な応答を与えることによって、機械、機械の工具、および/もしくはワークピースの損傷の防止、機械および/もしくは機械の工具の寿命の延長、製造時間の短縮、ならびに/または製造品の品質の向上が可能である。
機械、機械の工具、および/もしくはワークピースの損傷の防止、機械および/もしくは機械の工具の寿命の延長、製造時間の短縮、ならびに/または製造品の品質の向上を図るのが好都合である。これらの課題のうちの1つまたは複数により良好に対処するために、独立請求項に規定の特徴を有する方法および制御システムが提供される。また、関連するコンピュータプログラム、コンピュータプログラムパッケージ、コンピュータ可読記憶手段、およびシステムも提供される。従属請求項には、好適な実施形態が規定されている。
そこで、第1の態様によれば、方法が提供される。この方法は、制御システムにおいて実行される。制御システムは、機械の動作を制御するように構成されたプログラマブル論理制御部を備える。また、制御システムは、機械の工具とワークピースとの間の相対的な動きを制御するように構成された数値制御部を備える。この方法は、第1の条件に関して、プログラマブル論理制御部により受信された入力信号を評価することを含む。入力信号は、工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態に関する情報を含む。この方法は、入力信号が第1の条件を満たすことに応答して、情報を数値制御部に提供することを含む。
工具または除去プロセスの状態は、機械が最適に動作していないため、機械の動作を修正可能であるのが好ましいことを示していてもよい。工具または除去プロセスの特定の状態に対する最善の応答方法は、状況に応じて異なっていてもよく、機械の製造または設置時には知られていなかった可能性がある。機械および/または工具の特性は、たとえば機械製造業者が予測し得なかった形で経時的に変化するようになっていてもよいし、新しい種類の工具で機械が動作するようになっていてもよい。また、所与の状態に対する最適な応答は、現在製造中の物体の形状または材料によって決まるものであってもよい。したがって、工具または除去プロセスの特定の状態に対して機械がどのように応答するかを機械のオペレータが指定可能であるのが好都合と考えられる。
多くの機械においては、プログラマブル論理制御装置(PLC)によって、多数の所定状態(たとえば、工具の破損等の重大事象)に対する応答が制御される。機械製造業者は通常、これらの状態に対する応答方法についての命令(または、コマンドもしくはプログラム)をPLCに含める。このような命令には、たとえば主軸回転の即時停止、警報の伝達、および数値制御リーダの阻止を含んでいてもよく、工具がさらに動かないようにする。PLCのプログラムまたは命令は、機械のオペレータによる編集が困難あるいは不可能な場合がある一方、数値制御部のプログラムは、たとえば機械に配置されたユーザインターフェースによって、オペレータが容易に編集できる場合がある。工具または除去プロセスの状態に関する情報を(入力信号が第1の条件を満たすことに応答して)数値制御部に提供することによって、数値制御部のプログラムは、この状態に対する応答を与えることができる。数値制御部のこのようなプログラムは、たとえばオペレータによる編集によって、現在の状況および/またはオペレータの選好に基づくカスタマイズされた応答を与えるようにしてもよい。したがって、工具または除去プロセスの状態に関する情報を(入力信号が第1の条件を満たすことに応答して)数値制御部に提供することにより、機械の動作を改善することができ、これによって、機械、工具、および/もしくはワークピースの損傷の防止、製造時間の短縮、製造品の品質の向上、ならびに/または機械および/もしくは工具の寿命の延長が可能である。
(プログラマブル論理制御部により受信された)入力信号は、工具の状態、工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態、または工具および除去プロセスの両者の状態に関する情報を含んでいてもよい。
工具の状態は、たとえば工具の破損、工具の摩耗、または工具の欠落であってもよい。工具の摩耗は、工具が摩耗しており、交換すべき(または、交換まで異なる主軸速度、深さ、または送り速度で動作すべき)ことを示していてもよい。
工具の状態は、たとえば工具が曝される温度もしくは力、または工具の振動であってもよい。工具の状態は、たとえば工具の温度、力、または振動が閾値を超えるか、または、特定の範囲内にあることであってもよい。
除去プロセスの状態には、たとえば主軸速度、切削深さ、および/または送り速度等の切削データを含んでいてもよいし、工具とワークピースとの相互作用に関連する他のパラメータを含んでいてもよい。
除去プロセスの状態は、たとえば間違った切削データであってもよい。間違った切削データは、主軸速度、切削深さ、および/または送り速度等の現在採用して切削データが工具に適していないことを示していてもよい。現在採用している切削データは、たとえば工具製造業者により指定された推奨切削データに適合していなくてもよい。
除去プロセスの状態は、たとえばプロセスの騒音すなわち工具および/またはワークピースの機械加工振動に関連していてもよい。
除去プロセスの状態は、たとえばワークピースが欠落しており、工具とワークピースとが実際には相互作用していないことであってもよい。
除去プロセスの状態は、たとえばワークピースの現在の形状または表面仕上げ等、工具とワークピースとの相互作用の結果に関連していてもよい。
除去プロセスの状態は、たとえばワークピースの現在の形状が許容範囲内であり(すなわち、ワークピースの実現形状が許容可能であり)、除去プロセスを中断可能であることであってもよい。
情報は、たとえば工具または除去プロセスの状態を示し得る多数のビットの形態で与えられるようになっていてもよい。
情報は、たとえば(入力信号が第1の条件を満たすことに応答して)数値制御部が実行中のコンピュータプログラムへの入力または割り当てによって数値制御部により実行されるコンピュータプログラムへの入力として与えられるようになっていてもよい。
情報は、たとえばプログラマブル論理制御部が受信したのと同じフォーマットまたは異なる(変形)フォーマットで数値制御部に提供(または、転送)されるようになっていてもよい。
情報は、たとえば数値制御部の1つまたは複数の内部変数の1つまたは複数の値を割り当てることによって、数値制御部に与えられるようになっていてもよい。
いくつかの実施形態においては、入力信号全体が数値制御部に提供(または、転送)されるようになっていてもよく、他の実施形態においては、入力信号の一部のみが数値制御部に転送されるようになっていてもよい。
プログラマブル論理制御部は、たとえば機械を論理制御するデジタルコンピュータであってもよい。
プログラマブル論理制御部は、たとえば機械を論理制御する制御システムのソフトウェア部(または、部分)であってもよい。
プログラマブル論理制御部は、たとえばプログラマブル論理制御装置(PLC)またはプログラマブルロジックリレー(PLR)であってもよい。
数値制御部は、たとえば1つまたは複数の軸に沿って、工具および/またはワークピースの動きを制御するように構成されていてもよい。
数値制御部は、たとえば工具および/またはワークピースを平行移動および/または回転させる1つまたは複数のサーボを制御するように構成されていてもよい。
数値制御部は、たとえば数値制御カーネル(NCK)であってもよい。
数値制御部は、たとえばコンピュータ数値制御(CNC)を実行するようにしてもよい。
数値制御部は、たとえば制御システムのソフトウェア部(または、部分)であってもよい。
工具は、たとえば切削、穴開け、フライス加工、旋盤加工、リーマ仕上げ、ネジ切り、または研削等の除去的製造用に構成されていてもよい。
ワークピースは、たとえば工具が相互作用するように構成された物体であってもよい。
ワークピースには、たとえば金属、木材、高分子材料、または複合材料を含んでいてもよい。
この方法は、たとえばプログラマブル論理制御部(たとえば、PLC)で実行されるようになっていてもよい。
プログラマブル論理制御部および数値制御部は、たとえば2つの別個の(または、物理的に区別可能な)装置、回路、またはユニットであってもよい。
プログラマブル論理制御部および数値制御部は、たとえば制御システムの2つの論理的に別個の(または、論理的に区別可能な)部位または部分であってもよい。
いくつかの実施形態によれば、入力信号に含まれる情報は、工具の破損、工具の摩耗、工具の欠落、ワークピースの欠落、間違った切削データ、工具が曝される温度、工具が曝される力、工具の振動、プロセスの騒音(すなわち、工具および/またはワークピースの機械加工振動)、またはワークピースの現在の形状を示していてもよい。
当然のことながら、工具が曝される温度の指標は、たとえば特定の温度値、温度範囲、または温度が閾値を超えている旨の指標であってもよい。
当然のことながら、工具が曝される力の指標は、たとえば特定の力の大きさ、力の大きさの区間、または力の大きさが閾値を超えている旨の指標であってもよい。
当然のことながら、工具の振動(または、プロセスの騒音)の指標は、たとえば特定の値、範囲、または振動(または、騒音)の大きさが閾値を超えている旨の指標であってもよい。
当然のことながら、ワークピースの現在の形状の指標は、たとえば現在得られている特定の形状の指標またはワークピースの現在得られている形状が許容範囲内であり(すなわち、ワークピースの実現形状が許容可能であり)、除去プロセスを中断可能である旨の指標であってもよい。
工具の摩耗は、工具が摩耗しており、交換すべき(または、交換まで異なる主軸速度、深さ、または送り速度で動作すべき)ことを示していてもよい。
間違った切削データは、主軸速度、切削深さ、および/または送り速度等の現在採用して切削データが工具に適していないことを示していてもよい。現在採用している切削データは、たとえば工具製造業者により指定された推奨切削データに適合していなくてもよい。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、第2の条件に関して、入力信号を評価することをさらに含んでいてもよい。この方法は、入力信号が第2の条件を満たすことに応答して、数値制御部により実行されたコンピュータプログラムの割り込みをトリガすることと、制御システムにより実行される数値制御部のコンピュータプログラムを割り当てることと、割り当てたコンピュータプログラムへの入力として、情報を提供することと、をさらに含んでいてもよい。
工具または除去プロセスの状態(工具の破損等)に関しては、制御システムによる高速応答が好ましい場合がある。数値制御部により実行されたコンピュータプログラムの割り込みのトリガおよび数値制御部において実行されるコンピュータプログラムの割り当てによって、入力信号が示す状態への高速応答が可能となる。
上述の通り、数値制御部のコンピュータプログラムは、PLCの命令(または、コマンドもしくはプログラム)よりも容易に、機械のオペレータによる編集が可能であってもよい。数値制御部の割り当てプログラムは、たとえば機械のオペレータによる提供によって、入力信号が示す状態に対する適当な応答を制御システムが与えるカスタマイズされたプログラムであってもよい。
割り当てプログラムへの入力として情報を提供することにより、当該割り当てプログラム(たとえば、機械のオペレータが与えるカスタマイズされたプログラム)は、異なる状態を区別するとともに応答方法を決定可能と考えられ、プログラマブル論理制御部等、制御部の他の部位に格納(または、実行)されたプログラムにおいてこれらの区別がなされるのとは異なる。このように、より容易に編集可能な数値制御部により多くの制御が配置されるため、入力信号が示す状態に対して、より適切な応答をより容易に与えることができる。
割り当てたコンピュータプログラムは、たとえば単一のコマンドまたは命令(たとえば、「軸Xに沿って工具を距離Dだけ移動させる」等)を含むのみならず、多くのコマンドまたは命令を含む数値制御プログラムであってもよい。
割り当てたコンピュータプログラムは、たとえば工具または除去プロセスの各状態と関連付けられたサブプログラムを含んでいてもよい。割り当てたコンピュータプログラムは、たとえば実行する1つまたは複数のサブプログラムを選択する入力として受信された情報を採用することにより、入力信号が示す特定の状態に適した応答を与えるようにしてもよい。
割り込みは、たとえば制御部の物理的実装割り込み機能(専用割り込みポート等)またはソフトウェア実装割り込み機能を介してトリガされるようになっていてもよい。
割り込みは、たとえば工具および/またはワークピースの既に開始された動きを完了前に中断して、割り当てプログラムを可能な限り早く実行可能であってもよい。あるいは、割り当てプログラムの実行前に、開始された動きの完了が可能であってもよい。
割り当てたコンピュータプログラムは、たとえば数値制御部に格納されていてもよい。
割り当てたコンピュータプログラムは、たとえば割り当てによって、数値制御部により実行されるようになっていてもよい。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、入力信号に含まれる情報が一組の所定状態のうちの1つの状態を示すことに応答して、数値制御部により実行されたコンピュータプログラムの割り込みをトリガすることと、制御システムにより実行される数値制御部のコンピュータプログラムを割り当てることと、割り当てたコンピュータプログラムへの入力として、情報を提供することと、を含んでいてもよい。この一組の所定状態は、工具の破損、工具の摩耗、工具の欠落、ワークピースの欠落、間違った切削データ、工具が曝される温度が閾値を超えること、工具が曝される力が閾値を超えること、工具の振動が閾値を超えること、プロセスの騒音が閾値を超えること、またはワークピースの形状が許容範囲内であること、を含んでいてもよい。
当然のことながら、この一組の所定状態は、たとえば工具の破損、工具の摩耗、工具の欠落、ワークピースの欠落、間違った切削データ、工具が曝される温度が閾値を超えること、工具が曝される力が閾値を超えること、工具の振動が閾値を超えること、プロセスの騒音が閾値を超えること、またはワークピースの現在の形状が許容範囲内であること、といった状態のうちの1つまたは複数(または、すべて)を含んでいてもよい。
一組の所定状態のうちの状態には、たとえば制御システムによる高速応答が必要であってもよい。これらの状態に応答して与えられる動作の型は、たとえば数値制御部の割り当てたコンピュータプログラムを介して、機械のオペレータによりカスタマイズされていてもよい。
いくつかの実施形態によれば、数値制御部の割り当てたコンピュータプログラムは、動き(たとえば、工具および/またはワークピースの回転または平行移動)を中断させ、ワークピースから工具(または、工具の切れ刃)を後退させ、工具から(または、工具の切れ刃から)ワークピースを後退させ、工具を同型工具で置き換え、評価のために工具をカメラの方へ移動し、評価のためにワークピースをカメラの方へ移動し、工具の評価のためにカメラの動きをトリガし、ワークピースの評価のためにカメラの動きをトリガし、または、切削データを変更するように機械を制御する命令を含んでいてもよい。
当然のことながら、数値制御部の割り当てたコンピュータプログラムは、たとえば動きを中断させ、ワークピースから工具を後退させ、工具からワークピースを後退させ、工具を同型工具で置き換え、工具をカメラの方へ移動させて評価し、ワークピースをカメラの方へ移動させて評価し、カメラの動きをトリガさせて工具を評価し、カメラの動きをトリガさせてワークピースを評価し、切削データを変更する動作のうちの1つまたは複数(または、すべて)を実行するように機械を制御する命令を含んでいてもよい。
工具の交換が必要かの判定またはワークピースの形状が許容範囲内かの判定には、たとえばカメラを用いた光学的評価が採用されていてもよい。
カメラの動き(工具またはワークピースの評価用)は、たとえばロボットを用いて与えられるようになっていてもよい。
割り当てプログラムは、たとえば各所定状態を取り扱うサブプログラム(または、サブルーチン)を含んでいてもよい。適当なサブプログラムは、たとえば割り当てプログラムへの入力として提供される情報に基づいて選択されるようになっていてもよい。
入力信号が示す状態が工具の破損、工具の摩耗、または工具の欠落の場合は、割り当てプログラムによって、たとえば機械が工具の1つまたは複数の動きを中断し、ワークピースから工具(または、工具の切れ刃)を後退させた後、工具を同型工具で置き換えるようにしてもよい。
入力信号が示す状態がワークピースの欠落の場合、割り当てプログラムは、たとえば機械を一時停止させるとともにオペレータに知らせた後、新たなワークピースの適所へのロボットによる移動をトリガさせて除去的製造を行うようにしてもよい。
入力信号が示す状態が間違った切削データの場合は、割り当てプログラムによって、たとえば機械が切削データを変更するようにしてもよい。主軸速度、切削深さ、または送り速度等の切削データは、たとえば現在採用されている工具および動作条件に推奨される値へと変更されるようになっていてもよい。
いくつかの実施形態によれば、数値制御部の割り当てプログラムは、編集可能な数値制御プログラム(または、NCプログラム)であってもよい。
数値制御プログラムは、たとえば機械のユーザインターフェースまたは機械に接続されたパソコンを介して、機械のオペレータにより編集可能であってもよい。
多くのPLCプログラムとは対照的に、数値制御プログラムは、たとえば、編集できないようにするロックが機械製造業者によってなされていなくてもよい。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、第3の条件に関して、入力信号を評価することをさらに含んでいてもよい。この方法は、入力信号が第3の条件を満たすことに応答して、情報を入力として制御システムにより実行されるプログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムの少なくとも一部を割り当てることをさらに含んでいてもよい。
(入力信号が第3の条件を満たすことに応答して)情報を入力としてプログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムの少なくとも一部を実行することにより、このプログラムは、工具または除去プロセスの状態に対する応答を与えることができる。プログラマブル論理制御部のプログラムは、たとえば機械製造業者による提供によって、特定の状態または事象に対する応答を与えていてもよく、これらの応答は、機械のオペレータが編集不可能であるのが好ましい。プログラマブル論理制御部のプログラムによって提供されるこれらの応答は、たとえば機械の安全な動作に重要と考えられるため、これらの応答の制御をプログラマブル論理制御部ではなく数値制御部の編集可能なプログラムに配置することによって、これらの応答の編集が防止されるようになっていてもよい。このように、機械の安全な動作が維持される一方、数値制御部のプログラムを介して、機械のオペレータにより機械の動作を依然としてカスタマイズ可能である。
第3の条件に関する入力信号の評価は、たとえば第1の条件に関する評価および第2の条件に関する評価に加えて、明示的な第3の評価ステップとして実行されるようになっていてもよい。あるいは、第3の条件に関する評価は、暗示的であってもよい。入力信号は、たとえば第1および第2の条件のいずれも満たさない場合に、第3の条件を自動的に満たすようになっていてもよい。
入力信号が第3の条件を満たすことに応答して、プログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムの少なくとも一部は、たとえば割り当てによって、情報を入力としてプログラマブル論理制御部により実行されるようになっていてもよい。
プログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムの少なくとも一部は、たとえば動きの中断および/または同型工具による工具の置き換えを行うように機械を制御する命令を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、入力信号が第3の条件を満たすことに応答して、入力信号の少なくとも一部を変形することにより、中間信号を生成することと、中間信号を入力として制御システムにより実行されるプログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムの少なくとも一部を割り当てることと、を含んでいてもよい。
異なるプログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムは、異なるデータフォーマットのデータを受信するように構成されていてもよい。プログラマブル論理制御部のコンピュータプログラム(の少なくとも一部)への入力として与える前に受信入力信号の少なくとも一部を変形することにより、受信入力信号は、他のプログラマブル論理制御部への入力として与えられる信号と同じデータフォーマットで受信可能である。異なるプログラマブル論理制御部への伝達に共通のデータフォーマットを使用することにより、プログラマブル論理制御部と、機械の動作をモニタリングするとともに機械の状態に関する情報をプログラマブル論理制御部に提供するように構成されたシステム等の他の装置との間の通信が容易化される。
いくつかの実施形態によれば、入力信号の少なくとも一部は、工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態を連携して知らせるビットを含んでいてもよい。中間信号は、工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態がそれぞれの所定状態と一致するかを独立して知らせる複数のビットを含んでいてもよい。
PLC等のプログラマブル論理制御部において現在採用されている多くのコンピュータプログラムは、現在の状態が各所定状態と一致するかを独立して知らせるビット(または、フラグ)の形態の入力を受信するように構成されている。たとえば、あるビット(または、フラグ)の値「1」は、現在の状態が当該ビットと関連付けられた所定状態と一致することを示していてもよく、「0」は、現在の状態が当該ビットと関連付けられた所定状態と一致しないことを示していてもよい。このデータフォーマットは、トランスペアレントかつ実装が単純と考えられるが、比較的多くのビット(所定の状態ごとに1ビット)を要する。ビットが連携して状態を伝えるデータフォーマットの方が、ビット効率が高い。たとえば、連携伝達によれば、4ビットで、4つのみの異なる状態ではなく、16個の異なる状態を知らせることができる。したがって、このような連携伝達フォーマットを使用して入力信号を制御システムに送信することにより、状態を制御システムに知らせ得る速度が高くなる。これにより、制御システムは、工具または除去プロセスの状態に対してより高速に応答することができる。
いくつかの実施形態によれば、プログラマブル論理制御部の割り当てプログラムは、編集できないようにロックされていてもよい。
機械のオペレータは、たとえばプログラマブル論理制御部の割り当てプログラムを編集できないようにされていてもよく、一方、機械製造業者の保守技術者は、パスワード、キー、または専用データポートによって、ロックを解除または無効化するようにしてもよい。このように、非常に重要でエンドユーザが編集すべきでないプログラム(たとえば、安全を最重視すべきプログラム)は、改竄に対して安全に保たれる一方、権限を与えられた者は依然として編集可能である。
プログラマブル論理制御部の割り当てプログラムは、たとえばパスワードで保護されていてもよい。
プログラマブル論理制御部の割り当てプログラムは、たとえば専用データポートを介してのみ、編集されるようになっていてもよい。
いくつかの実施形態によれば、入力信号は、フィールドバス等の産業ネットワークを介して受信されるようになっていてもよい。フィールドバスは、高速データ転送を提供可能であり、入力信号が示す状態に対して制御部が高速に応答することができる。
第2の態様によれば、第1の態様の任意の実施形態に係る方法を実行する命令を含むコンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、たとえば第1の態様の任意の実施形態に係る方法をコンピュータに実行させる命令を含んでいてもよい。
第1の態様に係る方法の特徴について上に提示した利点は、第2の態様に係るコンピュータプログラムの対応する特徴についても大略有効と考えられる。
当然のことながら、コンピュータプログラムは、たとえば複数のサブプログラムを含んでいてもよく、コンピュータプログラムの格納は、たとえば複数のメモリデバイス、ディスク、サーバ、および/またはハードドライブ上に分散していてもよい。
第3の態様によれば、第2の態様の任意の実施形態に係るコンピュータプログラムと、モニタリングシステムで使用する補完コンピュータプログラムとを含むコンピュータプログラムパッケージが提供される。モニタリングシステムは、少なくとも制御システムまたは工具からデータを受信する入力部と、データを制御システムに提供する出力部とを備える。補完コンピュータプログラムは、入力部により受信されたデータに基づいて、工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定することにより、推定状態を求めることを含む補完方法を実行する命令を含む。補完方法は、推定状態に関する情報を出力部に提供し、入力信号によって制御システムに送達(または、送信)することを含む。
第1の態様に係る方法の特徴について上に提示した利点は、第3の態様に係るコンピュータプログラムパッケージの対応する特徴についても大略有効と考えられる。
当然のことながら、入力部は、たとえば制御システムおよび工具の両者からデータを受信するようにしてもよい。
工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定することのほか、モニタリングシステムは、たとえば機械の総合設備効率(OEE)を推定するようにしてもよい。モニタリングシステムは、たとえば機械の動作可能時間および故障時間を推定するようにしてもよい。
コンピュータプログラムパッケージの異なる部位(または、部分)は、たとえば異なる記憶装置またはメモリ等の別個の場所に格納されるようになっていてもよい。コンピュータプログラムおよび補完コンピュータプログラムは、たとえば異なる記憶装置またはメモリ等の別個の場所に格納されるようになっていてもよい。
モニタリングシステムの出力部は、たとえばフィールドバスインターフェースを具備していてもよい。
第4の態様によれば、第2の態様の任意の実施形態に係るコンピュータプログラムまたは第3の態様の任意の実施形態に係るコンピュータプログラムパッケージを格納したコンピュータ可読記憶手段が提供される。
第1の態様に係る方法の特徴について上に提示した利点は、第4の態様に係るコンピュータ可読記憶手段の対応する特徴についても大略有効と考えられる。
コンピュータ可読記憶手段は、たとえばコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶手段は、たとえば持続性コンピュータ可読媒体であってもよい。
第4の態様に係るコンピュータ可読記憶手段は、たとえば第1の態様の任意の実施形態に係る方法を実行する命令を含むコンピュータ可読手段(または、コンピュータ可読媒体)を備えたコンピュータプログラム製品の一部と見なされるものであってもよい。
コンピュータ可読記憶手段は、たとえば単一のメモリデバイス、ディスク、サーバ、またはハードドライブに設けられていてもよい。
コンピュータ可読記憶手段は、たとえば別個の場所に分散した複数の部位(または、部分)を含んでいてもよい。コンピュータ可読記憶手段のこれらの部位には、たとえばコンピュータプログラムパッケージ(または、コンピュータプログラムおよび補完)のそれぞれの部分を格納していてもよい。
コンピュータ可読記憶手段は、たとえば異なるメモリデバイス、ディスク、サーバ、および/またはハードドライブに分散した複数の部位(または、部分)を含んでいてもよい。
第5の態様によれば、制御システムが提供される。この制御システムは、機械の動作を制御するように構成されたプログラマブル論理制御部と、機械の工具とワークピースとの間の相対的な動きを制御するように構成された数値制御部と、を備える。プログラマブル論理制御部は、工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態に関する情報を含む入力信号を受信するように構成されている。プログラマブル論理制御部は、第1の条件に関して、入力信号を評価し、入力信号が第1の条件を満たすことに応答して、情報を数値制御部に提供するように構成されている。
第5の態様に係る制御システムのプログラマブル論理制御部は、たとえば第1の態様に係る方法のいずれかを実行するように構成されていてもよい。
第1の態様に係る方法の特徴について上に提示した利点は、第5の態様に係る制御システムの対応する特徴についても大略有効と考えられる。
第6の態様によれば、システム(または、組み合わせシステム)が提供される。このシステム(または、組み合わせシステム)は、第5の態様の任意の実施形態に係る制御システムおよびモニタリングシステムを備える。モニタリングシステムは、少なくとも制御システムまたは工具からデータを受信するように構成されている。モニタリングシステムは、受信したデータに基づいて、工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定することにより、推定状態を求めるように構成されている。モニタリングシステムは、推定状態に基づいて入力信号を生成し、当該入力信号を制御システムに与えるように構成されている。
第1の態様に係る方法の特徴について上に提示した利点は、第6の態様に係るシステムの対応する特徴についても大略有効と考えられる。
当然のことながら、モニタリングシステムは、たとえば制御システムおよび工具の両者からデータを受信するようにしてもよい。
工具の状態または工具とワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定することのほか、モニタリングシステムは、たとえば機械の総合設備効率(OEE)を推定するようにしてもよい。モニタリングシステムは、たとえば機械の動作可能時間および故障時間を推定するようにしてもよい。
モニタリングシステムは、たとえば入力信号を制御システムに与えるフィールドバスインターフェースを具備していてもよい。
以下では、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をさらに詳しく説明する。
図はすべて模式的であり、一般的には、各実施形態の明確化に必要な部位のみを示しており、他の部位は省略されてもよいし、単なる提案であってもよい。
図1は、一実施形態に係る、機械200をモニタリングして制御するシステム100の一般化ブロック図である。
機械200は、当該機械200中に取り付けられたワークピース220と相互作用するように構成された工具210を備える。工具210は、たとえば切削、旋盤加工、穴開け、フライス加工、リーマ仕上げ、ネジ切り、または研削等の除去的製造用に構成されていてもよい。工具210は、たとえば金属、木材、高分子材料、または複合材料を含むワークピース220との相互作用によって、除去的製造を実行するように構成されていてもよい。工具210は、たとえば金属切削用に構成されていてもよい。
システム100は、制御システム110およびモニタリングシステム120を備える。制御システム110は、プログラマブル論理制御部111および数値制御部112を備える。
プログラマブル論理制御部111は、機械200の動作を制御するように構成されている。プログラマブル論理制御部111は、機械200から1つまたは複数の入力信号130を受信するようにしてもよい。機械200から受信した入力信号130は、デジタルおよび/またはアナログ入力信号であってもよく、たとえば高さ、圧力、温度、および/または位置に関する情報を含んでいてもよい。プログラマブル論理制御部111は、始動、停止、充填、排出、および/または変更等の動作を実行するように機械200を制御するアナログおよび/またはデジタル信号等の1つまたは複数の制御信号140を機械200に送るようにしてもよい。
数値制御部112は、制御信号150によって、工具210とワークピース220との間の相対的な動きを制御するように構成されている。数値制御部112は、たとえば1つまたは複数のサーボおよびモータならびに/またはサーボモータ(図1には示さず)に制御信号150を送ることによって、工具210および/またはワークピース220の動きを制御するようにしてもよい。数値制御部112により制御される動きには、1つもしくは複数の軸の沿った平行移動ならびに/または1つもしくは複数の軸周りの回転が含まれていてもよい。数値制御部112は、たとえば工具210の主軸速度、切削深さ、および/または送り速度を制御するようにしてもよい。
数値制御部112は、たとえば工具210および/またはワークピース220の実際の軸位置を常に把握できるように、機械200からフィードバック信号160を受信するようにしてもよい。いくつかの実施形態において、数値制御部112は、プログラマブル論理制御部111を介して機械200からのフィードバックに依拠するようにしてもよく、たとえば機械200から如何なるフィードバック信号160も直接受信しないようにしてもよい。
制御システム110は、たとえば機械200に取り付けられていてもよいし、機械200とは別個に配置されていてもよい。制御システム110は、たとえば1つもしくは複数のワイヤもしくはケーブルまたは無線接続によって、機械200に接続されていてもよい。
制御システム110は、たとえば機械200のオペレータが機械200の動作のモニタリングおよび/または機械200の動作の制御を行い得るユーザインターフェース113を含んでいてもよい。ユーザインターフェース113は、たとえば制御システム110に取り付けられていてもよいし、制御システム110とは別個に配置されていてもよい。ユーザインターフェース113は、たとえば1つもしくは複数のワイヤもしくはケーブルまたは無線接続によって、制御システム110に接続されていてもよい。
ユーザインターフェース113は、たとえば数値制御部112により実行される数値制御プログラムを機械200のオペレータが編集または追加できるようにしてもよい。数値制御プログラムは、たとえばGコード等のプログラミング言語で記述されていてもよい。
数値制御部112により実行される数値制御プログラムは、たとえば数値制御部112中に配置されたメモリ114または制御システム110の共有メモリ115に格納されていてもよい。また、数値制御プログラムの格納用に、制御システム110に接続された外部メモリ(図1には示さず)が採用された実施形態も考えられる。
数値制御部112は、たとえば数値制御プログラムを実行するプロセッサ116を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、数値制御部112は、制御システム110の共有プロセッサ117において数値制御プログラムを実行するようにしてもよい。
数値制御部112は、たとえば数値制御カーネル(NCK)であってもよい。
プログラマブル論理制御部111は、たとえばプログラマブル論理制御装置(PLC)またはプログラマブルロジックリレー(PLR)であってもよい。
プログラマブル論理制御部111は、たとえばIEC規格61131−3のプログラミング言語のうちの1つまたは複数で記述されたコンピュータプログラムを実行するように構成されていてもよい。プログラマブル論理制御部111は、たとえばラダーロジックプログラミング言語またはインストラクションリストプログラミング言語で記述されたコンピュータプログラムを実行するように構成されていてもよい。
プログラマブル論理制御部111は、たとえば当該プログラマブル論理制御部111により実行される1つまたは複数のコンピュータプログラムを格納するメモリ118を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、プログラマブル論理制御部111により実行されるコンピュータプログラムは、制御システム110の共有メモリ115に格納されていてもよい。また、プログラマブル論理制御部111により実行されるコンピュータプログラムの格納用に、制御システム110に接続された外部メモリ(図1には示さず)が採用された実施形態も考えられる。
プログラマブル論理制御部111は、たとえばコンピュータプログラムを実行するプロセッサ119を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、プログラマブル論理制御部111は、制御システム110の共有プロセッサ117においてコンピュータプログラムを実行するようにしてもよい。
数値制御部112の数値制御プログラムとは対照的に、プログラマブル論理制御部111のコンピュータプログラムの編集は、機械200のオペレータが行えないようになっていてもよい。たとえば、プログラマブル論理制御部111のプログラムの編集は、パスワードまたはキーを要する場合もあるし、制御システム110の専用入力ポートを介してのみ実行される場合もある。機械製造業者は、たとえば権限を与えられた保守技術者のみが編集可能なプログラマブル論理制御部111のプログラムを提供していてもよいし、一方、数値制御部112のプログラムは、機械のオペレータによって編集されるようになっていてもよい。
プログラマブル論理制御部111の動作については、図2を参照して以下で詳しく説明する。
モニタリングシステム120は、入力部121、出力部122、および処理部123を備える。入力部121は、制御システム110からのデータ170および/または工具210からのデータ180を受信するように構成されている。出力部122は、制御システム110のプログラマブル論理制御部111への入力信号190として与えられる出力190を提供するように構成されている。
工具210は、たとえばデータ180をモニタリングシステム120の入力部121に送信するように構成された無線送信機(図1には示さず)を備えていてもよい。
制御システム110およびモニタリングシステム120は、たとえば物理的に区別可能な装置であってもよいし、単一の装置内の異なるソフトウェアアプリケーションとして実装されていてもよい。制御システム110およびモニタリングシステム120は、たとえばアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して互いに接続されていてもよい。
モニタリングシステム120は、たとえばパソコンまたは制御システム110のユーザインターフェース113等のオペレータパネルにおけるソフトウェアとして実装されていてもよい。以下、図4を参照して、モニタリングシステム120の動作を説明する。
図4は、モニタリングシステム120において実行される例示的な方法500のフローチャートである。方法500は、制御システム110において実行される方法を補完する補完方法と見なされるものであってもよい。
補完方法500は、入力部121が受信したデータに基づいて、工具210の状態または工具210とワークピース220との相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定することにより、推定状態を求めること510を含む。
入力部121が受信したデータは、制御システム110からのデータ170であってもよいし、工具210からのデータ180であってもよいし、これら2種類のデータの組み合わせであってもよい。また、機械200とは別に配置され、機械200、工具210、および/またはワークピース220をモニタリングするように構成されたセンサ等、入力部121が受信したデータが他のデータ源からのデータを含み得る実施形態も考えられる。
制御システム110から受信したデータ170は、たとえば制御システム110が機械200から受信した信号130および/または160のうちの少なくとも一部を含んでいてもよいし、制御システム110が機械200から受信した信号130および/または160に基づいていてもよい。
制御システム110は、たとえば機械200から受信した信号130および/または160を処理(または、解析)して、機械200の内部で起こっていることを判定または推定するようにしてもよい。制御システム110は、たとえば機械200、工具210、および/またはワークピース220の状態または条件を推定するようにしてもよい。モニタリングシステム120が制御システム110から受信したデータ170は、たとえばこのように制御システム110により推定された状態を含んでいてもよい。
モニタリングシステム120が工具210から受信したデータ180は、工具210中に配置された1つまたは複数のセンサ(図1には示さず)からのデータであってもよい。工具210から受信したデータ180は、たとえば工具210の識別もしくは種類または機械200の動作中に工具210(または、工具210の切れ刃)が曝される温度もしくは力を含んでいてもよい。
モニタリングシステム120の処理部123は、入力部121が受信したデータを処理(または、解析)して、工具210の状態または工具210とワークピース220との相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定する。
工具210の状態は、たとえば工具210が曝される温度もしくは力、または工具210の振動であってもよい。工具210の状態は、たとえば工具210の温度、力、または振動が閾値を超えるか、または、特定の範囲内にあることであってもよい。工具210の状態は、たとえば工具210の破損、工具210の摩耗、または工具210の欠落であってもよい。
工具210とワークピース220との相互作用により実行される除去プロセスの状態には、たとえば現在の主軸速度、切削深さ、および/または送り速度等の切削データを含んでいてもよいし、除去プロセス中にワークピース220から除去されるチップの形状および/または厚さ等、工具210とワークピース220との相互作用に関連する他のパラメータを含んでいてもよい。
除去プロセスの状態は、たとえば間違った切削データであってもよい。間違った切削データは、主軸速度、切削深さ、および/または送り速度等の現在採用している切削データが工具210に適していないことを示していてもよい。現在採用している切削データは、たとえば工具210の製造業者により指定された推奨切削データに適合していない場合がある。
除去プロセスの状態は、たとえばプロセスの騒音すなわち工具210および/またはワークピース220の機械加工振動に関連していてもよい。
除去プロセスの状態は、たとえばワークピースが欠落しており、工具210とワークピース220とが実際には相互作用していないことであってもよい。
除去プロセスの状態は、たとえばワークピース220の現在の形状または表面仕上げ等、工具210とワークピース220との相互作用の結果に関連していてもよい。除去プロセスの状態は、たとえばワークピース220の現在の形状が許容範囲内であり(すなわち、ワークピース220の実現形状が許容可能であり)、除去プロセスを中断可能であることであってもよい。
モニタリングシステム120は、たとえば工具210から受信したデータ180または工具210の製造業者からの推奨切削データ等、制御システム110で利用できないデータを利用可能であってもよく、このため、工具210または除去プロセスの状態をより正確に推定可能であってもよい。
モニタリングシステム120は、たとえば制御システム110よりも強力なコンピューティングリソースを備えていてもよく(または、利用可能であってもよく)、このため、工具210または除去プロセスの状態をより正確に推定可能であってもよい。
当然のことながら、処理部123は、たとえば単一の処理ユニットであってもよいし、別個の場所に分散した複数の処理リソースを備えていてもよい。言い換えると、推定状態を求めるステップ510は、クラウドコンピューティング等の任意の種類の処理手段の使用により、ほぼどこで実行されるようになっていてもよい。
推定状態を求めるステップ510には、たとえば工具210および/または除去プロセスの各状態を示す複数の条件C1〜CNに関して、受信データ170および/または180を評価することを含んでいてもよい。
モニタリングシステム120において実行される補完方法500は、推定状態に関する情報を出力部122に提供し、入力信号190によって制御システム110のプログラマブル論理制御部111に送達すること520をさらに含んでいてもよい。
図2は、一実施形態に係る、制御システム110において実行される方法300のフローチャートである。方法300は、たとえば制御システム110のプログラマブル論理制御部111で(または、プログラマブル論理制御部111により)実行されるようになっていてもよい。
方法300は、1つまたは複数の条件に関して、プログラマブル論理制御部111(たとえば、プログラマブル論理制御装置(PLC))により受信された入力信号190を評価すること310を含む。図4を参照して上述した通り、入力信号190は、工具210の状態または工具210とワークピース220との相互作用により実行される除去プロセスの状態に関する情報を含む。
入力信号190が第1の条件を満たす場合、方法300は、情報を数値制御部112(たとえば、数値制御装置(NC)または数値制御カーネル(NCK))に提供すること320で続行するようになっていてもよい。
入力信号190は、たとえば工具210または除去プロセスの状態を一体的に示す多数のビットを含むデジタル信号であってもよい。第1の条件は、たとえば閾値よりも大きな数もしくは小さな数を表すビットまたは特定の区間内の数を表すビットに対応していてもよい。
入力信号190の全体は、たとえば数値制御部112に転送されるようになっていてもよい。あるいは、状態に関する情報を含む入力信号190の部分のみが数値制御部112に転送されるようになっていてもよい。いくつかの実施形態においては、入力信号190の一部が評価310にのみ提供されるため、評価310が実行された後には無視(または、破棄)されるようになっていてもよい。
情報は、たとえば入力信号190で受信したのと同じフォーマットでの数値制御部112への提供320が可能である。あるいは、情報は、数値制御部112への提供前に、異なるフォーマットに変形されるようになっていてもよい。
情報は、たとえば数値制御部112の1つまたは複数の内部変数の値を割り当てることによって、数値制御部112への提供320が可能である。
以下のシナリオは、情報の数値制御部112への提供/転送320の能力を採用し得る方法を例示したものである。数値制御プログラムの記述に際して、機械200のプログラマまたはオペレータは、最適な主軸速度を把握していなくてもよい。機械の最適な主軸速度を与えるため、オペレータがNCプログラムの記述に際して把握していない条件に基づいて、主軸速度を調整することが必要となり得る。たとえば、以下の構文が用いられるようになっていてもよい。
N10 M6 T10 D1
N20 M3 S2000 F500
N30 G04 F0.2
N40 M3 S=2000+(VARIABLE2) F500
プログラマまたはオペレータは、次の動作の最適な主軸速度を2000rpm(「S2000」)と仮定するようにしてもよい。モニタリングシステム120は、異なる主軸速度の方が良いことを発見した場合、入力信号190によって、状態「間違った切削データ」または「低過ぎる主軸速度」を制御システム110に知らせるようにしてもよく、また、入力信号190によって、主軸速度をどのように調整するかを示すようにしてもよい。モニタリングシステム120は、入力信号190によって、主軸速度を変更するようにしてもよい。入力信号190に含まれる情報は、数値制御プログラムに採用された変数「VARIABLE2」の割り当てによって、プログラマブル論理制御部111により数値制御部112への提供320が可能なためである。主軸速度は、これに応じて調整されるようになっていてもよい(「S=2000+(VARIABLE2)」)。
N10 M6 T10 D1
N20 M3 S2000 F500
N30 G04 F0.2
N40 M3 S=2000+(VARIABLE2) F500
プログラマまたはオペレータは、次の動作の最適な主軸速度を2000rpm(「S2000」)と仮定するようにしてもよい。モニタリングシステム120は、異なる主軸速度の方が良いことを発見した場合、入力信号190によって、状態「間違った切削データ」または「低過ぎる主軸速度」を制御システム110に知らせるようにしてもよく、また、入力信号190によって、主軸速度をどのように調整するかを示すようにしてもよい。モニタリングシステム120は、入力信号190によって、主軸速度を変更するようにしてもよい。入力信号190に含まれる情報は、数値制御プログラムに採用された変数「VARIABLE2」の割り当てによって、プログラマブル論理制御部111により数値制御部112への提供320が可能なためである。主軸速度は、これに応じて調整されるようになっていてもよい(「S=2000+(VARIABLE2)」)。
機械200のオペレータによる修正が不可能と考えられるPLCのプログラムとは対照的に、上述の数値制御プログラムは、オペレータにより編集または調整されるようになっていてもよい。
入力信号190が第2の条件を満たす場合、情報を数値制御部112に提供するステップ320は、数値制御部112により実行されたコンピュータプログラムの割り込みをトリガするステップ330および制御システム110により実行される数値制御部112のコンピュータプログラムを割り当てるステップ340で続行される。入力信号190が第2の条件を満たす場合、情報は、数値制御部112の割り当てたコンピュータプログラムへの入力としての提供320が可能である。
入力信号190は、たとえば多数のビットを含むデジタル信号であってもよい。第2の条件は、たとえば閾値よりも大きな数もしくは小さな数を表すビットまたは特定の区間内の数を表すビットに対応していてもよい。
以下のシナリオは、数値制御部112により実行されたコンピュータプログラムの割り込みをトリガ330する能力を採用し得る方法を例示したものである。第1の数値制御プログラムの作成/記述に際し、プログラマまたはオペレータが把握していない因子に基づいて主軸速度を適応させる必要がある場合は、第1の数値制御プログラムに割り込みをかけるとともに、主軸速度を変更する第2の数値制御プログラムを開始した後、第1の数値制御プログラムに後方ジャンプして新たな主軸速度で機械200の動作を継続させることにより、機械200の動作中に主軸速度が調整されるようになっていてもよい。第1の数値制御プログラムにおいては、たとえば以下の構文が用いられるようになっていてもよい。
N10 M6 T10 D1
N20 M3 S2000 F500
モニタリングシステム120は、異なる主軸速度が最適であるものと検出/判定するようにしてもよく、入力信号190によって、「間違った主軸速度」を知らせるようにしてもよい。これにより、第1の数値制御プログラムの割り込みのトリガ330と、正しい動作型を見出す第1の変数(「VARIABLE1」)およびモニタリングシステム120により決定された最適な主軸速度を含む第2の変数(「VARIABLE2」)に格納された情報とともに実行される第2の数値制御プログラム(実行可能な動作を含む)の割り当て340とが行われる。言い換えると、入力信号190に含まれる情報は、これら2つの変数を介して、数値制御部112への提供320が可能である。第2の数値制御プログラムは、たとえば以下の構文に応じた実行可能な動作型を含んでいてもよい。
IF VARIABLE1 == 1 GOTOF N10
GOTOF N30
N10 M3 S=VARIABLE2
GOTOF N20
N20
REPOSA
M17
N30
RET
機械200のオペレータによる修正が不可能な場合のあるPLCのプログラムとは対照的に、第2の数値制御プログラムは、オペレータにより編集または調整されるようになっていてもよい。このシナリオで割り込みがトリガとなれば、入力信号190により知らされた状態に対して、割り込みがトリガされない第1のシナリオよりも高速な応答が可能となる。
N10 M6 T10 D1
N20 M3 S2000 F500
モニタリングシステム120は、異なる主軸速度が最適であるものと検出/判定するようにしてもよく、入力信号190によって、「間違った主軸速度」を知らせるようにしてもよい。これにより、第1の数値制御プログラムの割り込みのトリガ330と、正しい動作型を見出す第1の変数(「VARIABLE1」)およびモニタリングシステム120により決定された最適な主軸速度を含む第2の変数(「VARIABLE2」)に格納された情報とともに実行される第2の数値制御プログラム(実行可能な動作を含む)の割り当て340とが行われる。言い換えると、入力信号190に含まれる情報は、これら2つの変数を介して、数値制御部112への提供320が可能である。第2の数値制御プログラムは、たとえば以下の構文に応じた実行可能な動作型を含んでいてもよい。
IF VARIABLE1 == 1 GOTOF N10
GOTOF N30
N10 M3 S=VARIABLE2
GOTOF N20
N20
REPOSA
M17
N30
RET
機械200のオペレータによる修正が不可能な場合のあるPLCのプログラムとは対照的に、第2の数値制御プログラムは、オペレータにより編集または調整されるようになっていてもよい。このシナリオで割り込みがトリガとなれば、入力信号190により知らされた状態に対して、割り込みがトリガされない第1のシナリオよりも高速な応答が可能となる。
第2の数値制御プログラムは、図3を参照して以下に説明するコンピュータプログラム400の一例である。
入力信号190が第3の条件(たとえば、満たすべき第1および第2の条件のいずれにも対応していなくてもよい)を満たす場合、方法300は、情報の数値制御部112への提供320で続行するようになっていなくてもよい。代わりに、方法300は、情報を入力として制御システム110により実行されるプログラマブル論理制御部111のコンピュータプログラムの一部を割り当てるステップ350で続行するようになっていてもよい。
たとえば、主軸速度の調整が必要な場合は、上述のシナリオと同様に、その旨が入力信号190によってモニタリングシステム120により知らされるようになっていてもよく、プログラマブル論理制御部111は、入力信号190からの情報を数値制御部112に転送して主軸速度を調整する代わりに、(第3の条件に関する入力信号190の評価に基づいて)新たな主軸速度そのものを設定することを決定するようにしてもよい。
プログラマブル論理制御部111には、主軸速度の調整のため、たとえばコンピュータプログラムが機械製造業者により含まれていてもよい。
主軸速度を調整するカスタマイズされた数値制御プログラムが機械200のオペレータにより提供されていない場合、または(機械200の少なくとも一部の特定状態に関する)主軸速度の調整があまりに重要(または、安全を最重視すべき)であるため機械200のオペレータによりカスタマイズすべきでないと考えられる場合、主軸速度の調整は、たとえばプログラマブル論理制御部111によりもたらされるようになっていてもよい。
プログラマブル論理制御部111の割り当てたコンピュータプログラムへの入力として与えられる情報は、割り当てたコンピュータプログラムへの入力として与えられる前に変形されるようになっていてもよい。たとえば、入力信号190が第3の条件を満たす場合、方法300は、入力信号190を変形することにより、中間信号を生成すること360と、その後、中間信号を入力として制御システム110により実行されるプログラマブル論理制御部111のコンピュータプログラムの一部を割り当てること350とで続行するようになっていてもよい。
入力信号190は、たとえば工具210または工具210とワークピース220との相互作用により実行される除去プロセスの状態に対応する数を一体的に表す多数のビットを含むデジタル信号であってもよい。言い換えると、ビットが一体的に状態を示す連携伝達フォーマットが採用されていてもよい。
入力信号190の変形360により得られた中間信号は、工具210または除去プロセスの状態がそれぞれの所定状態と一致するかを独立して知らせる複数のビットを含んでいてもよい。言い換えると、ビットはそれぞれの所定状態と関連付けられていてもよく、個々のビットは、関連する所定状態が機械200で最近発生したか否かを示すフラグとして機能するようになっていてもよい。
連携伝達はビット効率が高いものの、フラグによる各状態の個別伝達は、プログラマブル論理制御装置(PLC)への入力として共通である。これら2つのデータフォーマットを変形(または、変換)可能とすることにより、PLCへの送信にビット効率の高いフォーマットを使用できるとともに、少なくとも一部のPLCプログラムまたはPLCプログラムの少なくとも一部への入力として、より一般的に用いられるフラグベースのフォーマットを使用できるようになる。
入力信号190が示す状態に対する高速応答は、工具210の寿命延長または壊れた工具210によるワークピース220または機械200の他の部位の損傷の防止のため重要と考えられる。ビット効率の良い送信フォーマットによれば、制御システム110の応答時間を短縮可能である。
入力信号190は、たとえばフィールドバスを介して受信されることにより、高速データ転送を提供するとともに、入力信号190が示す状態に対する制御システム110の応答時間を短縮するようにしてもよい。
フィールドバスは、特に高速のデータ転送を提供し得るが、有線または無線接続等の他の手段を介して入力信号190を受信可能な実施形態も考えられる。入力信号190は、たとえばTCP/IP接続を介して受信されるようになっていてもよい。
いくつかの実施形態において、モニタリングシステム120および制御システム110は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して互いに接続されていてもよい。入力信号190は、たとえばAPIを用いて、モニタリングシステム120から制御システム110に提供されるようになっていてもよい。
制御システム110は、たとえば入力信号190が受信されたら承認を与えるようにしてもよい。制御システム110(または、プログラマブル論理制御部111)は、たとえば入力信号190をモニタリングシステム120に送り返して、入力信号190の受信を承認するようにしてもよい。
図3は、図1を参照して説明したシステム100の数値制御部112の例示的なコンピュータプログラム400の概要図である。図2を参照して説明した方法300の各ステップにおいて、コンピュータプログラム400は、割り当て340によって、制御システム110(または、数値制御部112)により実行されるようになっていてもよく、入力信号190(または、その一部)は、コンピュータプログラム400への入力としての提供320が可能である。たとえば、数値制御部112の内部変数には、入力信号190に基づく値が割り当てられていてもよく、これらの内部変数は、コンピュータプログラム400により入力として採用されるようになっていてもよい。
コンピュータプログラム400は、入力信号190に基づいて(または、入力信号190に基づいて割り当てられた数値制御部112の変数)に基づいて、実行すべき適当なサブプログラムP1〜PMの選択410を行う命令を含む。図1および図2を参照して上述した通り、入力信号190は、工具210または工具210とワークピース220との相互作用により実行される除去プロセスの状態に関する情報を含む。サブプログラムP1〜PMは、さまざまな状態に応答する命令を含む。このため、入力信号190が示す状態に応じて、サブプログラムP1〜PMのうちの1つまたは複数が選択され、指定状態への適当な応答がなされる。応答は、数値制御部112から機械200への制御信号150により与えられるようになっていてもよい。
プログラム400は、たとえば実行可能な各コマンドまたは命令を含む複数の行/列を含んでいてもよい。サブプログラムP1〜PMは、たとえばコンピュータプログラム400の各行または位置で開始となっていてもよい。適当なサブプログラムP1〜PMを選択するステップ410は、たとえば当該適当なサブプログラムP1〜PMが開始となるプログラム400の行または位置にジャンプすることを含んでいてもよい。
プログラム400は、たとえば工具の破損、工具の摩耗、工具の欠落、ワークピースの欠落、および間違った切削データ等の状態に対する応答を与えるそれぞれのサブプログラムP1〜PMを含んでいてもよい。
間違った切削データは、主軸速度、切削深さ、および/または送り速度等の現在採用して切削データが工具210に適していないことを示していてもよい。現在採用している切削データは、たとえば工具製造業者により指定された推奨切削データに適合していなくてもよい。したがって、関連するサブプログラムP1〜PMは、主軸速度、切削深さ、および/または送り速度等の切削データを修正または調整する命令を含んでいてもよい。
図5は、例示的な実施形態に係る、第1のコンピュータ可読記憶手段600および第2のコンピュータ可読記憶手段700を示している。
第1のコンピュータ可読記憶手段600は、図2を参照して説明した方法300を実行する命令を含むコンピュータプログラム601を格納する。本明細書においては、単一の物理的位置にコンピュータプログラム601全体を格納する単一のディスクまたはメモリによって、第1のコンピュータ可読記憶手段(または、コンピュータ可読媒体)600を例示している。第1のコンピュータ可読記憶手段600は、たとえば単一のサーバ、ハードドライブ、メモリスティック、コンパクトディスク(CD)、またはデジタル多用途ディスク(DVD)上に提供されていてもよい。また、別個の物理的位置に配置され、コンピュータプログラム601の各部を格納する複数の部分を第1のコンピュータ可読記憶手段600が備えた実施形態も考えられる。コンピュータ可読記憶手段600の異なる部分は、たとえば異なるサーバ、ハードドライブ、メモリスティック、CD、またはDVD上に提供されていてもよい。コンピュータプログラム601は、たとえば1つまたは複数のサーバに格納されていてもよく、図1を参照して説明した制御システム110へのインターネットを介したダウンロードに利用可能であってもよい。
第2のコンピュータ可読記憶手段700は、図2および図4を参照して説明した方法300および500を実行する命令を含むコンピュータプログラムパッケージを格納する。第2のコンピュータ可読記憶手段700は、別個の物理的位置に配置され、コンピュータプログラムパッケージの各部701および702を格納する複数の部分710および720を備える。
第2のコンピュータ可読記憶手段700の第1の部分710は、たとえば図2を参照して説明した方法300を実行する命令を含むコンピュータプログラム701を格納するようにしてもよい。第2のコンピュータ可読記憶手段700の第2の部分720は、たとえば図4を参照して説明した補完方法500を実行する命令を含むコンピュータプログラム702を格納するようにしてもよい。第2のコンピュータ可読記憶手段700の各部分710および720は、たとえば異なるサーバ、ハードドライブ、メモリスティック、CD、またはDVD上に提供されていてもよい。コンピュータプログラム701および702は、たとえば異なるサーバに格納されていてもよく、図1を参照して説明した制御システム110およびモニタリングシステム120へのインターネットを介したダウンロードに利用可能であってもよい。
当業者には、本発明が決して上述の好適な実施形態に限定されないものと認識される。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの改良および変形が可能である。また、当業者であれば、図面、本開示、および添付の特許請求の範囲の研究により、特許請求の範囲に係る発明の実施に際して、開示の実施形態の変形を了解および達成可能である。特許請求の範囲において、単語「備える(comprising)」は、他の要素もステップも除外せず、不定冠詞「a」または「an」は、複数を除外しない。本開示にて言及の機能ユニット間のタスクの分割は、必ずしも物理的なユニットへの分割に対応していない。それとは反対に、1つの物理的構成要素が複数の機能を有していてもよく、1つのタスクが協働する複数の物理的構成要素により分散して実行されるようになっていてもよい。コンピュータプログラムは、他のハードウェアとの一体化または他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体または固体媒体等の適当な媒体に格納/分散していてもよいが、インターネットまたは他の有線もしくは無線通信システム等を介する他の形態で分散していてもよい。相互に異なる従属請求項に特定の手段が列挙されているという事実だけでは、これら手段の組み合わせを都合良く使用できない、ということにならない。特許請求の範囲における如何なる参照記号も、その範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
Claims (14)
- 機械(200)の動作を制御するように構成されたプログラマブル論理制御部(111)と、前記機械の工具(210)とワークピース(220)との間の相対的な動きを制御するように構成された数値制御部(112)とを備えた制御システム(110)において実行される方法(300)であって、
第1の条件に関して、前記プログラマブル論理制御部により受信された入力信号(190)を評価すること(310)であって、前記入力信号が、前記工具の状態または前記工具と前記ワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態に関する情報を含む、評価すること(310)と、
前記入力信号が前記第1の条件を満たすことに応答して、前記数値制御部により実行されるコンピュータプログラムへの入力として前記情報を前記数値制御部に提供すること(320)と、
第2の条件に関して、前記入力信号を評価すること(310)と、
前記入力信号が前記第2の条件を満たすことに応答して、
前記数値制御部により実行されたコンピュータプログラムの割り込みをトリガすること(330)と、
前記制御システムにより実行される前記数値制御部のコンピュータプログラム(400)を割り当てること(340)と、
前記割り当てたコンピュータプログラムへの入力として、前記情報を提供すること(320)と
を含む、方法。 - 前記入力信号に含まれる前記情報が、
工具の破損、
工具の摩耗、
工具の欠落、
ワークピースの欠落、
間違った切削データ、
前記工具が曝される温度、
前記工具が曝される力、
工具の振動、
プロセスの騒音、または
前記ワークピースの現在の形状
を示す、請求項1に記載の方法。 - 前記入力信号に含まれる前記情報が、一組の所定状態のうちの1つの状態を示すことに応答して、
前記数値制御部により実行されたコンピュータプログラムの割り込みをトリガすること(330)と、
前記制御システムにより実行される前記数値制御部のコンピュータプログラムを割り当てること(340)と、
前記割り当てたコンピュータプログラムへの入力として、前記情報を提供すること(320)と
を含み、
前記一組の所定状態が、
工具の破損、
工具の摩耗、
工具の欠落、
ワークピースの欠落、
間違った切削データ、
前記工具が曝される温度が閾値を超えること、
前記工具が曝される力が閾値を超えること、
工具の振動が閾値を超えること、
プロセスの騒音が閾値を超えること、または
前記ワークピースの現在の形状が許容範囲内であること
を含む、請求項1または2に記載の方法。 - 前記数値制御部の前記割り当てたコンピュータプログラムが、
動きを中断させ、
前記ワークピースから前記工具を後退させ、
前記工具から前記ワークピースを後退させ、
前記工具を同型工具で置き換え、
評価のために前記工具をカメラの方へ移動し、
評価のために前記ワークピースをカメラの方へ移動し、
前記工具の評価のためにカメラの動きをトリガし、
前記ワークピースの評価のためにカメラの動きをトリガし、または
切削データを変更する
ように前記機械を制御する命令を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 - 前記数値制御部の前記割り当てたコンピュータプログラムが、編集可能な数値制御プログラムである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 第3の条件に関して、前記入力信号を評価すること(310)と、
前記入力信号が前記第3の条件を満たすことに応答して、前記情報を入力として前記制御システムにより実行される前記プログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムの少なくとも一部を割り当てること(350)と
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 - 前記入力信号が前記第3の条件を満たすことに応答して、
前記入力信号の少なくとも一部を変形することにより、中間信号を生成すること(360)と、
前記中間信号を入力として前記制御システムにより実行される前記プログラマブル論理制御部のコンピュータプログラムの前記少なくとも一部を割り当てること(350)と
を含む、請求項6に記載の方法。 - 前記入力信号の前記少なくとも一部が、前記工具の前記状態または前記工具と前記ワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの前記状態を連携して知らせるビットを含んでおり、前記中間信号が、前記工具の前記状態または前記工具と前記ワークピースとの相互作用により実行される前記除去プロセスの前記状態がそれぞれの所定状態と一致するかを独立して知らせる複数のビットを含む、請求項7に記載の方法。
- 前記プログラマブル論理制御部の前記割り当てたプログラムが、編集できないようにロックされた、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1から9のいずれか一項に規定の方法を実行する命令を含む、コンピュータプログラム(601、701)。
- 請求項10に規定のコンピュータプログラム(701)と、
少なくとも前記制御システムまたは前記工具からデータ(170、180)を受信する入力部(121)と、データを前記制御システムに提供する出力部(122)とを備えたモニタリングシステム(120)で使用する補完コンピュータプログラム(702)であって、
前記入力部により受信されたデータに基づいて、前記工具の状態または前記工具と前記ワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定することにより、推定状態を求めること(510)、および
前記推定状態に関する情報を前記出力部に提供し、前記入力信号によって前記制御システムに送達すること(520)
を含む補完方法(500)を実行する命令を含む、補完コンピュータプログラムと
を含む、コンピュータプログラムパッケージ。 - 請求項10に規定のコンピュータプログラムまたは請求項11に規定のコンピュータプログラムパッケージを格納した、コンピュータ可読記憶手段(600、700)。
- 機械(200)の動作を制御するように構成されたプログラマブル論理制御部(111)と、
前記機械の工具(210)とワークピース(220)との間の相対的な動きを制御するように構成された数値制御部(112)と
を備え、
前記プログラマブル論理制御部が、
前記工具の状態または前記工具と前記ワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態に関する情報を含む入力信号(190)を受信し、
第1の条件に関して、前記入力信号を評価し、
前記入力信号が前記第1の条件を満たすことに応答して、前記数値制御部により実行されるコンピュータプログラムへの入力として前記情報を前記数値制御部に提供し、
第2の条件に関して、前記入力信号を評価し、
前記入力信号が前記第2の条件を満たすことに応答して、
前記数値制御部により実行されたコンピュータプログラムの割り込みをトリガし、
前記制御システムにより実行される前記数値制御部のコンピュータプログラムを割り当て、
前記割り当てたコンピュータプログラムへの入力として、前記情報を提供する
ように構成された、制御システム(110)。 - 請求項13に規定の制御システムと、
少なくとも前記制御システムまたは前記工具からデータ(170、180)を受信し、
前記受信したデータに基づいて、前記工具の状態または前記工具と前記ワークピースとの相互作用により実行される除去プロセスの状態を推定することにより、推定状態を求め、
前記推定状態に基づいて、前記入力信号を生成し、
前記入力信号を前記制御システムに与える、
ように構成されたモニタリングシステム(120)と
を備えた、システム(100)。
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