JP2018506448A - 結束層のためのスルホニルアジド誘導体 - Google Patents

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Abstract

本開示は、多層フィルムを提供する。ある実施形態において、多層フィルムが提供され、オレフィン系ポリマーを含む層(A)と、スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー(SD−g−PO)を含む結束層である層(B)と、極性成分を含む層(C)と、を含む。

Description

本開示は、スルホニルアジド誘導体から合成または調製された結束層を有する多層構造、ならびにそれを製造するための組成物、物品、及びプロセスに関する。
ポリオレフィン上にグラフト化されたマレイン酸無水物(MAH)(MAH−g−PO)を含有する結束層は、食品包装及び特殊包装のための多層フィルムにおいて使用される。このMAH−g−PO結束層は、典型的に、ポリオレフィン層を、例えば、ナイロン等の極性基質を含有する他の層に結合するために使用される。現在、MAH−g−PO結束層は、溶融ブレンドプロセスにおいて、ポリオレフィン上へのマレイン酸無水物のフリーラジカルグラフト化を介して製造される。しかしながら、フリーラジカルグラフト化は、製造されたMAH−g−POのレオロジー的特性(例えば、溶融粘度等)に影響を及ぼす、望まれない架橋副反応が起こるため、問題がある。加えて、ポリオレフィンがポリプロピレンである場合、望まれない鎖切断副反応(より低い分子量及びより高いメルトフローレートをもたらす)が、フリーラジカルグラフト化中に起こる。
その製造中に架橋及び/または鎖切断を受けない、MAH官能基化を有するポリオレフィンが望ましい。
本開示は、多層フィルムを提供する。ある実施形態において、多層フィルムが提供され、
オレフィン系ポリマーを含む、層(A)と、
スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー(SD−g−PO)を含む結束層である、層(B)と、
極性成分を含む、層(C)と、を含む。
本開示は、別の多層フィルムを提供する。ある実施形態において、多層フィルムが提供され、
オレフィン系ポリマーを含む、層(A)と、
スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー(SD−g−PO)を含む結束層である、層(B)と、
極性成分を含む、層(C)と、
結束層である、層(D)であって、SD−g−POを含む、層(D)と、
オレフィン系ポリマーを含む、層(E)と、を含み、
この多層フィルムは、構造A/B/C/D/Eを有する。
本開示は、プロセスを提供する。ある実施形態において、プロセスが提供され、ポリオレフィン及びスルホニルアジド誘導体を、スルホニルアジド誘導体の分解温度以上の温度で溶融ブレンドすることを含む。このプロセスは、スルホニルアジド誘導体をポリオレフィン基質に少なくとも50%のグラフト化効率で、スルホンアミド誘導体グラフト化ポリオレフィンを製造することと、を含む。
本開示の利点は、異種材料間の接着のための結束層である。
本開示の利点は、非極性ポリマー系成分を含有する層と、極性ポリマー系成分を含有する層との間の接着のためのポリマー系結束層である。
本開示の利点は、食品包装及び特殊包装用途に適した接着特性を有する、スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー結束層を有する多層フィルムであり、スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー結束層は、フリーラジカルグラフト化MAH−g−PO結束層の加工欠点を回避する。
重量パーセント(重量%)MAHのFTIR較正曲線を示す。 本開示の実施形態による、接着力試験の概略図である。
定義
本明細書における元素周期表への全ての言及は、CRC Press,Inc.,2003により刊行され、版権所有される元素周期表を指すものとする。また、1つまたは複数の群へのいかなる言及も、群に番号を付けるためにIUPACシステムを使用してこの元素周期表に反映される、群または群へのものとする。別段の記載がない限り、当該技術分野における文脈または慣例から黙示的に、全ての部分及びパーセントは、重量に基づいている。米国特許実務の理由から、本明細書で参照されるいかなる特許、特許出願、または公開の内容も、特に合成技法、定義(本明細書で提供されるいかなる定義とも矛盾しない範囲で)、及び当該技術分野における一般知識の開示に関して、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる(またはその相当する米国版が参照により同様に組み込まれる)。
本明細書で開示される数値範囲は、より低い値及びより高い値を含めて、それらの間の全ての値を含む。明示的な値を含む範囲の場合(例えば、1若しくは2、または3〜5、または6、または7)、任意の2つの明示的な値の間の任意の部分範囲が含まれる(例えば、1〜2、2〜6、5〜7、3〜7、5〜6等)。
本明細書に記載される場合、「アルキル」(または「アルキル基」)という用語は、1つの水素原子を削除することによって脂肪族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。アルキル基は、直鎖、分岐鎖、環状、またはこれらの組み合わせであってよい。本明細書で使用される場合、「置換アルキル」という用語は、少なくとも1つの水素原子が、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換基で置換される、アルキルを指す。ヘテロ原子には、O、N、P、及びSが含まれるが、これらに限定されない。置換基には、ハロゲン化物、OR′、NR′、PR′、P(=O)R′、SiR′が含まれるが、これらに限定されず、式中、各R′は独立して、C−C20ヒドロカルビル基である。
本明細書に記載される場合、「アリール」(または「アリール基」)という用語は、1つの水素原子を削除することによって芳香族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。アリール基は、単環系及び/または縮合環系であってよく、各環は、好適に5〜7個、好ましくは5個または6個の原子を含む。2つ以上のアリール基が単一結合を通じて複合される構造も含まれる。特定の例には、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル、アンスリル、インデニル、フルオレニル、ベンゾフルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニル等が含まれるが、これらに限定されない。ナフチルは、1−ナフチルまたは2−ナフチルであってよく、アンスリルは、1−アンスリル、2−アンスリル、または9−アンスリルであってよく、フルオレニルは、1−フルオレニル、2−フルオレニル、3−フルオレニル、4−フルオレニル、及び9−フルオレニルのうちのいずれか1つであってよい。本明細書で使用される場合、「置換アリール」という用語は、少なくとも1つの水素原子が、少なくとも1つのヘテロ原子を含む置換基で置換される、アリールを指す。ヘテロ原子には、O、N、P、及びSが含まれるが、これらに限定されない。置換基には、ハロゲン化物、OR′、NR′、PR′、P(=O)R′、SiR′が含まれるが、これらに限定されず、式中、各R′は独立して、C−C20ヒドロカルビル基である。
本明細書で使用される場合、「ブレンド」または「ポリマーブレンド」という用語は、2つ以上のポリマーのブレンドである。かかるブレンドは、混和性(分子レベルで相分離されない)であってもなくてもよい。かかるブレンドは、相分離されてもされなくてもよい。かかるブレンドは、透過電子顕微鏡、光散乱、x線散乱、及び当該技術において既知の他の方法から決定される、1つ以上のドメイン構成を含んでも含まなくてもよい。
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語には、該組成物を含む材料の混合物、ならびに該組成物の材料から形成された反応生成物及び分解生成物が含まれる。
「含む」という用語、及びその派生語は、それが本明細書で開示されるかどうかを問わず、いかなる追加の成分、ステップ、または手順の存在をも排除することを意図しない。いかなる疑義も避けるために、「含む」という用語の使用を通じて本明細書で請求される全ての組成物には、反対の記載がない限り、ポリマー系か否かを問わず、任意の追加の添加剤、補助剤、または化合物が含まれ得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須でないものを除いて、いかなる他の成分、ステップ、または手順をも任意の後続の詳述から除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されないいかなる成分、ステップ、または手順をも除外する。「または」という用語は、別段の記載がない限り、列挙される構成要素を個々に、ならびに任意の組み合わせで指す。
本明細書で使用される場合、「エチレン/α−オレフィンポリマー」という用語は、(重合性モノマーの総量に基づいて)大半の重量パーセントの重合エチレンモノマーと、少なくとも1つの重合α−オレフィンとを含む、インターポリマーを指す。
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、(重合性モノマーの総重量に基づいて)大半の重量パーセントの重合エチレンモノマーを含むポリマーを指し、任意選択で少なくとも1つの重合コモノマーを含んでもよい。
「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の原子を指す。好適なヘテロ原子の非限定例には、F、Cl、Br、N、O、P、B、S、Si、Sb、Al、Sn、As、Se、及びGeが含まれる。
「ヒドロカルビル」及び「炭化水素」という用語は、分岐または非分岐、飽和若しくは不飽和、環状、多環状、または非環状種を含む、水素原子及び炭素原子のみを含有する置換基を指す。例には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、及びアルキニル基が含まれる。「置換ヒドロカルビル」及び「置換炭化水素」は、1つ以上の非ヒドロカルビル置換基で置換されるヒドロカルビル基を指す。「ヒドロカルビルを含有するヘテロ原子」、「ヘテロヒドロカルビル」という用語、及び同様の用語は、水素または炭素以外の少なくとも1つの原子が、1つ以上の炭素原子及び1つ以上の水素原子と共に存在する基を指す。
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる型のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。故に、インターポリマーという汎称には、通常は2つの異なるモノマーから調製されるポリマー、及び2つより多くの異なる型のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる、コポリマーが含まれる。
「オレフィン系ポリマー」(または「ポリオレフィン」若しくは「PO」)という用語は、ポリマーの総重量に基づいて大半の重量パーセントのオレフィン、例えば、エチレンまたはプロピレンを重合形態で含有するポリマーである。オレフィン系ポリマーの非限定例には、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが含まれる。「オレフィン系ポリマー」及び「ポリオレフィン」という用語は、交換可能に使用される。
「ポリマー」という用語は、同じ型または異なる型のモノマーを重合することによって調製される高分子化合物である。「ポリマー」には、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマー等が含まれる。「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの型のモノマーまたはコモノマーの重合によって調製されるポリマーを意味する。コポリマー(通常は2つの異なる型のモノマーまたはコモノマーから調製されるポリマーを指す)、ターポリマー(通常は3つの異なる型のモノマーまたはコモノマーから調製されるポリマーを指す)、テトラポリマー(通常は4つの異なる型のモノマーまたはコモノマーから調製されるポリマーを指す)等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「プロピレン/α−オレフィンポリマー」という用語は、(重合性モノマーの総量に基づいて)大半の重量パーセントの重合プロピレンモノマーと、少なくとも1つの重合α−オレフィンとを含む、インターポリマーを指す。
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、(重合性モノマーの総量に基づいて)大半の重量パーセントの重合プロピレンモノマーを含むポリマーを指し、任意選択で少なくとも1つの重合コモノマーを含んでもよい。
本明細書で使用される場合、「プロピレン/エチレンコポリマー」という用語は、(重合性モノマーの総量に基づいて)大半の重量パーセントの重合プロピレンモノマーと、重合エチレンモノマー(第2の主なモノマー)と、任意選択で少なくとも1つの重合α−オレフィンとを含む、インターポリマーを指す。
本開示は、多層構造を提供する。ある実施形態において、この多層構造は、多層フィルムであり、
オレフィン系ポリマーを含む、層(A)と、
スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー(SD−g−PO)を含む結束層である、層(B)と、
極性成分を含む、層(C)と、を含む。
ある実施形態において、多層フィルムは、0.00762ミリメートル(mm)(0.3ミル)〜0.508mm(20ミル)の厚さを有し得る。
1.層A
層(A)は、1つ以上のオレフィン系ポリマーを含む。オレフィン系ポリマーは、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、及びこれらの組み合わせであり得る。
ある実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレン/α−オレフィンポリマーである。エチレン/α−オレフィンポリマーは、ランダムエチレン/α−オレフィンポリマーまたはエチレン/α−オレフィンマルチブロックポリマーであってもよい。α−オレフィンは、プロピレン、ブテン、メチル−1−ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、シクロヘキシル−1−プロペン(アリルシクロヘキサン)、ビニルシクロヘキサン、及びこれらの組み合わせから選択される。エチレン/α−オレフィンポリマーは、1モルパーセント(モル%)、または4モル%、または5モル%、または10モル%〜15モル%、または20モル%、または30モル%のα−オレフィン含有量を有する。モル%は、ポリマー中のコモノマーに基づいている。
ある実施形態において、エチレン系ポリマーは、均質に分岐した実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィンコポリマーである。好適なα−オレフィンは、上述されている。
ある実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、均質に分岐した直鎖エチレン/α−オレフィンポリマー、及び更にはコポリマーである。
「均質な」及び「均質に分岐した」という用語は、エチレン/α−オレフィンポリマーに関して使用され、このα−オレフィンコモノマーは、所与のポリマー分子内でランダムに分布し、これらのポリマー分子の全てが、同じかまたは実質的に同じコモノマー対エチレン比を有する。
均質に分岐した直鎖エチレンコポリマーは、長鎖分岐を欠いているが、短鎖分岐を有し、コモノマー重合からインターポリマーへと誘導され、また同じポリマー鎖内、及び異なるポリマー鎖間の両方に均質に分布する、エチレン系ポリマーである。これらのエチレン/α−オレフィンコポリマーは、直鎖ポリマー骨格を有し、測定可能な長鎖分岐はなく、狭い分子量分布を有する。このクラスのポリマーは、例えば、Elstonにより米国特許第3,645,992号において開示され、例えば、ビス−メタロセン触媒を使用して、かかるポリマーを製造するための後次プロセスは、例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、EP0129368、EP0260999、米国特許第4,701,432号、米国特許第4,937,301号、米国特許第4,935,397号、米国特許第5,055,438号、及びWO90/07526において示されるように開発されてきた。論じられるように、均質に分岐した直鎖エチレンインターポリマーは、正に直鎖低密度ポリエチレンポリマーまたは直鎖高密度ポリエチレンポリマーの場合と同様に、長鎖分岐を欠いている(測定可能な長鎖分岐がない)。均質に分岐した直鎖エチレン/α−オレフィンインターポリマーの商用例には、Mitsui Chemical CompanyからのTAFMER(登録商標)ポリマー、ならびにExxonMobil Chemical CompanyからのEXACT(登録商標)及びEXCEED(登録商標)ポリマーが含まれる。
実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィンポリマーは、長鎖分岐を有する。これらの長鎖分岐は、ポリマー骨格と同じコモノマー分布を有し、ポリマー骨格の長さとほぼ同じ長さを有し得る。「実質的に直鎖状」とは、典型的に、平均して「1000炭素当たり0.01長鎖分岐」〜「1000炭素当たり3長鎖分岐」で置換されるポリマーに関してである。長鎖分岐の長さは、ポリマー骨格への1つのコモノマーの組み込みから形成された短鎖分岐の炭素長より長い。例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号を参照されたい。
実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィンポリマーは、固有クラスの均質に分岐したエチレンポリマーを形成する。それらは、上述のように、周知のクラスの従来の均質に分岐した直鎖エチレン/α−オレフィンインターポリマーとは実質的に異なり、更にそれらは、従来の不均質な「チーグラー・ナッタ触媒重合」直鎖エチレンポリマー(例えば、Andersonらにより米国特許第4,076,698号において開示される技法を使用して作製される、例えば、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、または高密度ポリエチレン(HDPE))と同じクラスでないばかりか、それらは、高圧フリーラジカル開始、高分岐ポリエチレン、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマー、及びエチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー等と同じクラスでもない。
長鎖分岐は、13C核磁気共鳴(NMR)分光法を使用することにより決定され得、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Randall(Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3),1989,p.285−297)の方法を使用して定量され得る。2つの他の方法は、低角レーザー光散乱検出器に連結されたゲル透過クロマトグラフィー(GPCLALLS)、及び示差粘度計検出器に連結されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC−DV)である。長鎖分岐検出のためのこれらの技法の使用、及び基礎となる理論は、文献において十分に記載されてきた。例えば、Zimm,B.H.and Stockmayer,W.H.,J.Chem.Phys.,17,1301(1949)、及びRudin,A.,Modern Methods of Polymer Characterization,John Wiley & Sons,New York(1991)pp.103−112を参照されたい。
「実質的に直鎖状のエチレンポリマー」、「直鎖エチレンポリマー」は、ポリマーが、測定可能または実証可能な長鎖分岐を欠失していること、つまり、ポリマーが、1000炭素当たり平均0.01未満の長鎖分岐で置換されていることを意味する。
ある実施形態において、エチレン/α−オレフィンポリマーは、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/1−ヘキセンコポリマー、エチレン/1−オクテンコポリマー、直鎖低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及びこれらの組み合わせから選択される。
ある実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、均質に分岐した直鎖エチレン/α−オレフィンコポリマー、または均質に分岐した実質的に直鎖状のインターポリマーコポリマーである。好適なα−オレフィンは、上述されている。
ある実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、以下の特性のうちの1つ、一部、または全てを有する。
0.87g/cc、または0.89g/cc、または0.90g/cc、または0.91g/cc〜0.93g/cc、または0.94g/cc、または0.95g/cc、または0.96g/ccの密度;
80℃、90℃、または100℃〜134℃、または153℃、または164℃の融点Tm;
0.3g/10分、または1.0g/10分、または2.0g/10分、または6.0g/10分〜10g/10分、または25g/10分、または50g/10分のメルトフロー(MF)(I2)。
ある実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、エチレン−オクテンコポリマーである。
ある実施形態において、エチレン/α−オレフィンコポリマーは、直鎖低密度ポリエチレンである。直鎖低密度ポリエチレン(「LLDPE」)は、重合形態で、LLDPEの総重量に基づいて大半の重量パーセントのエチレンを含む。ある実施形態において、LLDPEは、エチレンと、少なくとも1つのエチレン性不飽和コモノマーとのインターポリマーである。一実施形態において、コモノマーは、C−C20α−オレフィンである。別の実施形態において、コモノマーは、C−Cα−オレフィンである。別の実施形態において、C−Cα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンから選択される。ある実施形態において、LLDPEは、以下のコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、及びエチレン/オクテンコポリマーから選択される。
ある実施形態において、LLDPEは、エチレン/ヘキセンコポリマーである。
ある実施形態において、LLDPEは、エチレン/オクテンコポリマーである。
LLDPEは、0.89g/ccまたは0.91g/cc〜0.92g/cc、または0.94g/ccの範囲の密度を有する。LLDPEは、0.1g/10〜5g/10分、または10g/10分のメルトフロー(MF)(I2)を有する。
LLDPEは、チーグラー・ナッタ触媒、またはバナジウム触媒及びメタロセン触媒等の単一部位触媒を用いて製造され得る。ある実施形態において、LLDPEは、チーグラー・ナッタ型触媒を用いて製造される。LLDPEは、直鎖状であり、長鎖分岐を含まず、分岐または不均質に分岐したポリエチレンである低密度ポリエチレン(「LDPE」)とは異なる。LDPEは、主要ポリマー骨格から延びる比較的多数の長鎖分岐を有する。LDPEは、フリーラジカル開始剤を使用して高圧で調製され得、典型的に、0.915g/cc〜0.940g/ccの密度を有する。
ある実施形態において、LLDPEは、チーグラー・ナッタ触媒化エチレン及びオクテンコポリマーであり、0.91g/cc〜0.93g/cc、または0.92g/ccの密度を有する。LLDPEは、約40%〜約50%、または約47%の結晶性を有する。好適なチーグラー・ナッタ触媒化LLDPEの非限定例は、The Dow Chemical Company(Midland,Michigan)から入手可能な商品名DOWLEXで販売されているポリマーである。更なる実施形態において、LLDPEは、DOWLEX 2045またはDOWLEX 2045Gである。
エチレン系ポリマーは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
ある実施形態において、オレフィン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーである。好適なプロピレン系ポリマーには、プロピレンホモポリマー及びプロピレンインターポリマーが含まれる。プロピレンホモポリマーは、アイソタクチック、シンジオタクチック、またはアタクチックプロピレンであり得る。プロピレンインターポリマーは、ランダム若しくはブロックコポリマー、またはプロピレン系ターポリマーであり得る。プロピレンのリアクターコポリマーを使用してもよい。好適なプロピレン系ポリマーの非限定例は、LyondellBasell Industriesから入手可能なPRO−FAX(商標)6361である。
プロピレンで重合するための好適なコモノマーには、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ならびに4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、及びスチレンが含まれる。ある実施形態において、コモノマーには、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンが含まれる。
層Aは、本明細書で開示される、2つ以上のポリオレフィンのブレンドであり得る。
2.層(B)
本多層構造は、結束層である層(B)を含む。この結束層は、層(A)と層(C)との間に位置し、それにより、層(A)を層(C)に結合するか、または他の方法で付着させる。
ある実施形態において、層(B)は、層(A)に直接接触している。本明細書で使用される場合、「直接接触する」という用語は、層構成であり、それにより、第1の層は、第2の層に直ぐ隣接して位置し、第1の層と第2の層との間に介在層または介在構造が存在しない。
結束層、層(B)は、オレフィン系ポリマー(SD−g−PO)にグラフト化されたスルホンアミド誘導体(SD)を含む。SD−g−POのベースオレフィン系ポリマーは、層(A)に関して開示される任意のオレフィン系ポリマーであり得る。
結束層、層(B)を調製するために使用されるグラフト化剤は、下記の構造(1)を有するスルホニルアジド誘導体である。
構造(1)の場合、Yは、O、S、PH、PR、NH、及びNRから選択される。Yが、NRまたはPRの場合、Rは、アルキル基及びアリール基から選択される。
SD−g−POは、スルホニルアジド誘導体をオレフィン系ポリマーと混和すること、及びその混和物を、少なくともスルホニルアジド誘導体の分解温度に加熱することによって形成される。分解温度は、スルホニルアジド誘導体がスルホニルニトレンに変換する温度であり、プロセスにおける窒素及び熱を排除する。ある実施形態において、オレフィン系ポリマー及びスルホニルアジド誘導体は、ドライブレンドされて均一な混合物を形成し、この混合物は、後次に溶融加工装置、例えば、溶融押出機に添加され、少なくともスルホニルアジド誘導体の分解温度である温度でグラフト化反応を達成する。「溶融加工」(または「溶融加工条件」)という用語は、オレフィン系ポリマーが軟化または溶融されるプロセスである。好適な溶融加工手順の非限定例には、押出(共押出を含む)、ペレット化、インフレーション成形、フィルム流延、熱形成、及びポリマー溶融形態での化合が含まれる。
特定の理論に束縛されないが、溶融加工条件下で、スルホニルアジド誘導体は、分解して中間一重項スルホニルニトレン及び窒素ガスを形成する。反応性一重項スルホニルニトレンは、炭素−水素結合挿入を受けて、オレフィン系ポリマーの骨格への二次スルホンアミド結合を形成し、それにより、下記の構造(2)を有するSD−g−POを製造する。
構造(2)のYは、O、S、PH、PR、NH、及びNRから選択される。Yが、NRまたはPRの場合、Rは、アルキル基及びアリール基から選択される。構造(2)中の窒素Nは、ポリオレフィンの炭素Cに結合される。
ある実施形態において、スルホニルアジド誘導体は、4−アジドスルホニルフタル酸無水物(ASPA)である。ASPAは、下記に提供される構造(3)を有する。
溶融加工条件下で、ASPAは、分解して中間一重項スルホニルニトレン及び窒素ガスを形成する。反応性一重項スルホニルニトレンは、炭素−水素結合挿入を受けて、オレフィン系ポリマーの骨格への二次スルホンアミド結合を形成し、それにより、下記の構造(4)を有するスルホンアミドフタル酸無水物グラフト化ポリオレフィンまたは「SPA−g−PO」を製造する。構造(4)中の窒素Nは、ポリオレフィンの炭素Cに結合される。
ASPAがオレフィン系ポリマーにグラフト化される場合、スルホンアミドフタル酸無水物グラフト化オレフィン系ポリマー(SPA−g−PO)が形成される。出願人は、プロピレン系ポリマーがベースオレフィン系ポリマーである場合、ASPAグラフト化反応が、架橋をほとんどまたは全く伴わず、また鎖切断による分子量低下をほとんど伴わずに起こることを発見した。
ある実施形態において、オレフィン系ポリマーは、エチレン/α−オレフィンコポリマーであり、スルホニルアジド誘導体は、ASPAである。エチレン/α−オレフィンコポリマー及びASPAは、溶融加工条件下で混和され、少なくとも50%、または60%、または70%、または80%〜90%、または95%、または99%のグラフト化効率(GE)を有する、スルホンアミドフタル酸無水物グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)を製造する。更なる実施形態において、SPA−g−PEは、0.1重量%、または0.2重量%、または0.3重量%、または0.4重量%、または0.5重量%、または0.6重量%〜0.7重量%、または0.8重量%、または0.9重量%、または1.0重量%、または1.1重量%、または1.5重量%、または2.0重量%、または10重量%の量のマレイン酸無水物を含有する。マレイン酸無水物の重量パーセントは、SPA−g−PEの総重量に基づいている。
3.層(C)
本多層構造は、層(C)を含む。層(C)は、極性成分を含む。層(B)は、結束層であり、層(A)と層(C)との間に位置し、それにより、層(A)を層(C)に結合するか、または他の方法で付着させる。
ある実施形態において、層(B)結束層は、層(C)に直接接触している。更なる実施形態において、層(B)は、層(A)に(層(B)の第1側で)直接接触し、層(B)は、層(C)に(層(B)の第1側の反対の第2側で)直接接触するが、但し、多層フィルムが以下の層構成、A/B/Cを有することを条件とする。
層(C)は、極性成分を含む。好適な極性成分の非限定例には、金属箔、ナイロン、エチレン/ビニルアルコール(EVOH)コポリマー、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン/アクリル酸(EAA)コポリマー、エチレン/メタクリル酸(EMAA)コポリマー、ポリ乳酸、セルロース材料(紙等)、及びこれらの組み合わせが含まれる。
ある実施形態において、極性成分は、極性ポリマーである。「極性ポリマー」は、永久双極子を有するポリマー分子であり、すなわち、ポリマー分子は、正極端部及び負極端部を有する。換言すれば、極性分子中の電子は、分子の原子間で等しく共有されない。対照的に、「非極性ポリマー」は、永久双極子を有しないポリマー分子であり、すなわち、このポリマーは、正極端部及び負極端部を有しない。非極性分子中の電子は、分子の原子間で本質的に等しく共有される。大部分の炭化水素液及びポリマーは、非極性である。好適な極性ポリマーの非限定例には、例えばヒドロキシル(−OH)またはアミノ(−NH)官能基中に反応性陽子を含有するポリマーが含まれる。
溶融加工条件下で、層(B)中のSD−g−POは、層(C)中の極性成分との少なくとも1つの結合を形成する。この結合は、構造(5)を有する。
式中、窒素Nが、ポリオレフィンの炭素Cに結合され、
Xが、O、P、S、及びNから選択され、
Yが、O、S、PH、PR、NH、及びNRから選択され、
Rが、C−Cアルキル基であり、
m及びnが、各々独立して、0または1であるが、但し、m=1の場合、n=0であり、n=1の場合、m=0であることを条件とする。換言すれば、構造(5)は、RまたはHを含有する。
ある実施形態において、構造(5)のXは、極性成分に由来する。
ある実施形態において、構造(5)のYは、酸素またはOである。
ある実施形態において、構造(5)のYは、酸素Oであり、構造(5)のXは、窒素Nであり、m=0、及びn=1である。
ある実施形態において、多層フィルムは、
エチレン/α−オレフィンコポリマーで構成される、層(A)と、
SPA−g−PEで構成される、層(B)と、
ナイロンで構成される、層(C)と、を含む。層(B)は、層(A)及び層(C)と直接接触している。多層フィルムは、T−剥離試験により測定して、538N/m〜813N/mの剥離強度を有する。
ある実施形態において、層(A)、層(B)、及び層(C)は、共押出されて構造A/B/Cを有する多層フィルムを形成する。結束層(B)中のSPA−g−PEは、ナイロンポリマー鎖(N−PA6として示される)中の窒素によって層(C)に結合して、下記のスキーム1におけるイミド結合構造(6b)を形成する。
本多層フィルムは、3つの層、または3つより多くの層を有し得る。例えば、多層フィルムは、4、5、6、7、8、9、10、11、またはそれ以上の層を有し得る。
ある実施形態において、多層フィルムは、
オレフィン系ポリマーを含む、層(A)と、
SD−g−POを含む結束層である、層(B)と、
極性成分を含む、層(C)と、
結束層である、層(D)であって、SD−g−POを含む、層(D)と、
オレフィン系ポリマーを含む、層(E)と、を含む。この多層フィルムは、構造A/B/C/D/Eを有する。
層(E)中のポリオレフィンは、層(A)中のポリオレフィンと同じかまたは異なり得る。ある実施形態において、層(E)中のポリオレフィンは、層(A)中のポリオレフィンと同じである。別の実施形態において、層(E)中のポリオレフィンは、層(A)中のポリオレフィンとは異なる。
ある実施形態において、5層多層フィルムは、0.00762ミリメートル(mm)(0.3ミル)〜0.508mm(20ミル)の厚さを有する。
ある実施形態において、結束層(B)及び結束層(D)のうちの少なくとも1つは、層(C)に直接接触している。
ある実施形態において、層(B)及び層(D)は、各々が層(C)に直接接触している。層(B)中のSD−g−PO及び層(D)中のSD−g−POは、各々が層(C)の極性成分との少なくとも1つの結合を形成する。これらの結合は、下記の構造(5)を有する。
式中、窒素Nが、ポリオレフィンの炭素Cに結合され、
Xが、O、P、S、及びNから選択され、
Yが、O、S、PH、PR、NH、及びNRから選択され、
Rが、C−Cアルキル基であり、
m及びnが、各々独立して、0または1であるが、但し、m=1の場合、n=0であり、n=1の場合、m=0であることを条件とする。換言すれば、構造(5)は、RまたはHを含有する。
ある実施形態において、構造(5)のYは、酸素Oであり、構造(5)のXは、窒素Nであり、m=0、及びn=1である。
ある実施形態において、多層フィルムは、
エチレン/α−オレフィンコポリマーで構成される、層(A)と、
スルホンアミドフタル酸無水物(SPA)グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)で構成される、層(B)と、
ナイロンで構成される、層(C)と、
スルホンアミドフタル酸無水物(SPA)グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)で構成される、層(D)と、
エチレン/α−オレフィンコポリマーで構成される、層(E)と、を含む。
ある実施形態において、層(B)及び層(D)は、各々が層(C)中のナイロンに直接接触している。層(B)中のSPA−g−PE及び層(D)中のSPA−g−PEは、層(C)中のナイロンとのイミド結合を形成する。このイミド結合は、下記の構造(6b)を有する。
PA6=ナイロン(極性成分)
ある実施形態において、層(A)及び(E)は、各々がエチレン/1−オクテンコポリマーであるLLDPEで構成され、層(B)及び(D)は、各々がスルホンアミドフタル酸無水物(SPA)グラフト化エチレン/1−オクテンコポリマーで構成され、層(B)及び層(D)は、各々が層(C)中のナイロンと直接接触している。ある実施形態において、多層フィルムは、T−剥離試験により測定して、627N/m〜1068N/mの剥離強度を有する。
ある実施形態において、構造(5)のYは、酸素Oであり、構造(5)のXは、酸素Oであり、m=0、及びn=0である。
ある実施形態において、多層フィルムは、
エチレン/α−オレフィンコポリマーで構成される、層(A)と、
スルホンアミドフタル酸無水物(SPA)グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)で構成される、層(B)と、
EVOHコポリマーで構成される、層(C)と、
スルホンアミドフタル酸無水物(SPA)グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)で構成される、層(D)と、
エチレン/α−オレフィンコポリマーで構成される、層(E)と、を含む。
ある実施形態において、層(B)及び層(D)は、各々が層(C)中のEVOHコポリマーに直接接触している。層(B)中のSPA−g−PE及び層(D)中のSPA−g−PEは、層(C)中のEVOHコポリマーとの結合を形成する。
ある実施形態において、層(A)及び(E)は、各々がエチレン/1−オクテンコポリマーであるLLDPEで構成され、層(B)及び(D)は、各々がスルホンアミドフタル酸無水物(SPA)グラフト化エチレン/1−オクテンコポリマーで構成され、層(B)及び層(D)は、各々が層(C)中のEVOHコポリマーと直接接触している。ある実施形態において、多層フィルムは、T−剥離試験により測定して、677N/mの剥離強度を有する。
ある実施形態において、A/B/C/D/E層構成を有する5層フィルムは、互いに直接接触している隣接層を有するインフレーション多層フィルムとして形成される。インフレーション多層フィルムは、0.3ミル〜20ミルの厚さを有し、500ニュートン/メートル(N/m)、または600N/m、または700N/m〜800N/m、または900N/m、または1000N/m、または1100N/mの接着力を有する。
4.プロセス
本開示は、プロセスを提供する。ある実施形態において、このプロセスは、
ポリオレフィン及びスルホニルアジド誘導体を、スルホニルアジド誘導体の分解温度以上の温度で溶融ブレンドすることと、
スルホニルアジド誘導体をポリオレフィン基質に、少なくとも50%のグラフト化効率でグラフト化することと、
スルホンアミド誘導体グラフト化ポリオレフィン(SD−g−PO)を製造することと、を含む。
ある実施形態において、ポリオレフィンは、第1のメルトフロー(MF1)を有するエチレン/1−オクテンコポリマー(PE)である、LLDPEであり、SD−g−PEが、0.15重量%、または0.25重量%〜0.41重量%、または0.61重量%のMAHを有し、SD−g−PEが、第2のメルトフロー(MF2)を有し、MF1−MF2が、ASTM D 1238(190℃/2.16kg)により測定して、0.06g/10分、または0.13g/10分〜0.28g/10分、または0.50g/10分である。別の実施形態において、SD−g−PEは、0.23重量%のMAHを有し、MF1−MF2は、0.26g/10分である。別の実施形態において、SD−g−PEは、0.17重量%のMAHを有し、MF1−MF2は、0.12g/10分である。
ある実施形態において、スルホニルアジド誘導体は、下記の構造(1)を有し、溶融ブレンドは、スルホニルアジドをスルホニルニトレンに変換して、窒素ガスを排除する。このプロセスは、
スルホニルニトレンを、ポリオレフィンの炭素水素結合に挿入することと、
下記の反応スキーム1により、構造(2)を有するスルホンアミド誘導体グラフト化ポリオレフィンを形成することと、を更に含み、
式中、Yが、O、S、PR、及びNRからなる群から選択され、構造(2)中の窒素Nが、ポリオレフィンの炭素Cに結合される。ある実施形態において、Yは、酸素Oである。
ある実施形態において、溶融ブレンドは、抗酸化剤を更に含む。好適な抗酸化剤の非限定例は、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能なIrganox 1010である。ある実施形態において、溶融ブレンドは、0重量%超、または0.01重量%〜0.04重量%、または0.05重量%の抗酸化剤を含有する。ある実施形態において、溶融ブレンドは、0.05重量%の抗酸化剤を含有する。
例として、かつ非限定的に、本開示の実施例が提供される。
1.材料
実施例で使用される材料は、下記の表1に提供される。
2.試験方法
示差走査熱量計(DSC)を使用して、ポリマー(例えば、エチレン系(PE)ポリマー、またはプロピレン系(PP)ポリマー)中の結晶性を測定する。約5〜8mgのポリマー試料を計量し、DSCパンに入れる。蓋をパンに圧着させて密閉雰囲気を確保する。試料パンをDSCセルに入れ、次いで約10℃/分の速度で、PEの場合、180℃の温度に加熱する(プロピレンの場合、230℃)。試料を、この温度で3分間保持する。次いで、試料を10℃/分の速度で、PEの場合、−60℃に冷却し(PPの場合、−40℃)、その温度で3分間、等温的に保持する。次に、溶融が完了するまで、試料を10℃/分の速度で加熱する(第2の熱)。結晶性パーセントは、第2の熱曲線から決定される融解熱(H)を、PEの場合、292J/g(PPの場合、165J/g)の理論的融解熱で割り、この量に100を掛けることによって計算される(例えば、%結晶性=(H/292J/g)×100(PEの場合))。
別段の記載がない限り、各ポリマーの融点(T)は、第2の熱曲線(ピークTm)から決定され、結晶化温度(T)は、第1の冷却曲線から決定される(ピークTc)。
密度は、米国材料試験協会(ASTM)手順ASTM D792−00、方法Bにより決定される。
プロピレン系ポリマー及びエチレン系ポリマーのメルトフロー(MF)(I2)(g/10分)は、ASTM D−1238−04条件190℃/2.16kgを使用して測定される。プロピレン系ポリマー及びエチレン系ポリマーのメルトフロー(MF)(I10)(g/10分)は、ASTM D−1238−04条件190℃/10.0kgを使用して測定される。
4−アジドスルホニルフタル酸無水物の予測半減期は、DSCを使用し、様々な加熱速度で4−アジドスルホニルフタル酸無水物を走査することにより測定される。収集されたDSCデータを用いて、AKTS−熱動態ソフトウェア(Advanced Kinetics and Technology Solutions AGから入手可能)を使用して動態パラメータを演算処理する。演算処理された動態パラメータを適用すると、特定温度プロファイルの反応進行が予測される。後次に、4−アジドスルホニルフタル酸無水物モノマーの予測半減期は、所与の温度での反応進行対時間のプロットから得られる。1.96重量%の4−アジドスルホニルフタル酸無水物の濃度で、ENGAGE(商標)8400(The Dow Chemical Companyから入手可能なエチレン/オクテンコポリマー)中の4−アジドスルホニルフタル酸無水物のブレンドに対して、同じ手順を用いる。予測半減期は、秒(sec.)で測定される。
制限衝撃エネルギーは、ドイツ連邦材料試験研究所(BAM)ドロップハンマー試験を使用して決定される。衝撃エネルギーは、BAMドロップハンマー装置を使用する落錘により、40mmの4−アジドスルホニルフタル酸無水物試料に付与される。制限衝撃エネルギーは、引火、燃焼、または爆発が観察される最低エネルギーとして決定される。この試験は、落錘衝撃に対する4−アジドスルホニルフタル酸無水物の感受性を評価する。この方法は、制限衝撃エネルギーの形態で定量的結果をもたらす。この試験は、現在DEKRA Insightの一部であるChilworth Technology Inc.において実行される。制限衝撃エネルギーは、ジュール(J)で測定される。
A.ミニ接着試験のための小規模試料調製:
ミニ接着試験試料を、圧縮成形により調製し、ポリアミドフィルムを基質(ULTRAMID C33−01L)として使用して、合成SPA−g−PEポリマーに関する接着データを入手する。各層それぞれに対して、30/10/20/10/30重量%で5層構造DOWLEX 2045G/AMPLIFY TY 1353/ポリアミド/DOWLEX 2045G/DOWLEX 2045Gからなる特殊ポリアミド試験フィルムが調製される。
試験試料調製手順は、修飾ポリオレフィンとナイロンフィルムとの間の接着力を決定するために下記で説明される。この試験は、商用加工手順における接着を決定するための簡素化された方法である。
1a)結束層フィルム(実施例)は、Pasadena Hydraulics Inc.(PHI)4プラテンプレス、モデル:30U1212S4JCS−N−MS上で以下のプログラムを使用し、全てのゾーンを340°F(約170℃)に設定して、125ミクロンのMylarシートライナーの間で約7〜10gの合成SPA−g−PEを圧縮成形することにより調製する。
・「低」圧設定(「溶融」)で1,000lbs(453.592kg)の力で5分。
・「高」圧設定(「硬化」)で30,000lbs(13601.771kg)の力で7分。
・水冷を有効にし、「高」圧設定で30,000lbs(13601.771kg)の力で10分。
1b)フリーラジカルグラフト化を介して合成されたMAH−g−PE−対照試料を使用する結束層フィルム(対照)の調製は、7g〜10gの材料をTeflonコーティングされたアルミニウム箔の間で圧縮成形し、Pasadena Hydraulics Inc.(PHI)4プラテンプレス上で上記と同じプログラムに従うことによって行う。
2)2つの約200mm×200mm平方のポリアミド試験フィルムを切断する。ポリエチレンカバーシートをポリアミドフィルムから剥離し、ポリアミド試験フィルムを、ポリアミド部分が結束層フィルムに押し付けられるように位置付ける。結束層が存在しないため、DOWLEX 2045G層を、ポリアミド表面から剥離することができる。
3)150mm×150mm平方に切断された結束層フィルムを、剥離したポリアミド試験フィルムの間に位置付ける。
4)幅〜25mm、50ミクロンのTeflon細片を、ポリアミドフィルムの間の結束層の1つの縁部に沿ってスペーサーとして配置する。
5)調製されたアセンブリを、2つのTeflonシートの間に配置し、320°F(〜160℃)、6,000lbs(2721.554kg)の力で3時間、PHIプレス内で圧縮成形する。PE−g−MAH対照試料を使用して調製されたアセンブリを、2つのTeflonコーティングされたアルミニウム箔シートの間に配置し、320°F(〜160℃)、6,000lbs(2721.554kg)の力で3時間、PHIプレス内で圧縮成形する。同様に、未加工のDOWLEX 2045G対照試料を使用して調製されたアセンブリを、2つのTeflonコーティングされたアルミニウム箔シートの間に配置し、320°F(〜160℃)、6,000lbs(2721.554kg)の力で3時間、PHIプレス内で圧縮成形する。
6)3時間後、6,000lbs(2721.554kg)の力を維持する一方、冷却を有効にする。プラテン温度が80℃になった後、試料アセンブリをプレスから取り除き、室温に放冷する。
B.以下のタイプの小規模圧縮成形試料上で行われたT−剥離試験:ポリアミド/SPA−g−PE/ポリアミド
T−剥離試験のために、上記の小規模圧縮成形試料を、スペーサーTeflon細片を取り除いた後、層を分離することにより、片側が結束層−ポリアミドを有し、もう片側がポリアミドのみであるように調製する。後次に、JDC「Precision Sample Cutter」モデルJDC1−10を使用して、フィルムを幅25mm、長さ約150mmの細片に切断する。細片の「頂部」で分離した縁部を有するように切り込みを入れる。TA.XT.Plus Texture Analyzer,Textures Technology Corp.,Stable Micro Systemsを、Exponent Stable Micro Systems Vers.4,0,13,0,Formula One&First Impression(Visual Components,Inc.)ソフトウェアと共に使用して、接着データを収集する。試験を実行する前に、プローブ高さ及び力に関して器具を較正する。
T−剥離試験手順が下記で説明される。
1)スペーサーTeflon細片が終わる領域で剥離タブを開始する。分離「インターフェース」を調整して、細片の縁部に対して90°で細片を横切る直線を得る。
2)ポリアミド−結束層側を、TA XT.Plus Texture Analyzerの下位の「静止」クランプに配置する。ポリアミドのみの層を、上位の「移動」クランプに固定する。
3)試料を、250mm/分のジョー速度で剥離し、全変位を125mmに設定して、所望の場合に複数の試験が細片上で実行されるのを可能にする。試料細片当たりの平均接着力を、変位の関数として記録する。
4)結果として得られる剥離強度値は、1メートル(m)当たりのニュートン(N)またはN/mで報告し、一般に、3〜5回の独立した記録の平均である。
3.4−アジドスルホニルフタル酸無水物(ASPA)の例示的合成
A.1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−スルホニルクロリド及び1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−4−スルホニルクロリドの調製
500mLの丸底フラスコに、200gのスルホフタル酸水性(50重量%)溶液を入れる。この溶液を、回転蒸発器を使用し、95℃で水が蒸発しなくなるまで蒸発させ、後次に、Kugelrohr装置に入れて、高真空下(〜400ミリトール)、〜140℃で、水が蒸発しなくなるまで加熱して98gの粘性の黄色がかった材料を産生する。冷却後、塩化チオニル(200mL)を、触媒量のDMF(ジメチルホルムアミド)(2滴)及びピリジン(2滴)と共に生成物に添加する。フラスコを、窒素(N)ラインに接続された還流コンデンサーに装置し、反応混合物を90℃(油浴温度)に終夜加熱する。均質な溶液を得るのに約1時間かかる。反応混合物を冷却し、過剰な塩化チオニルを、真空下で回転蒸発器を使用して除去する。ジクロロエタンを添加し、真空下で除去して(残留塩化チオニルの除去を助けるため)95.42gの薄黄色の粘性材料を得る。この生成物を、Kugelrohr装置を使用して蒸留する。2つの留分を単離する。第1の留分(67g)は、85%の4−異性体及び15%の3−異性体を含有する。第2の留分(17g)は、73%の4−異性体及び27%の3−異性体を含有する。第1の留分を、ジクロロメタン−ヘキサン溶媒混合物から2回結晶化して、48.5gの生成物を、4−異性体及び3−異性体の混合物として、それぞれ85%:15%の比で得る。
H NMR(主生成物)(400MHz,CDCl):δ8.68(dd,J=1.7,0.9Hz,1H)、8.58(dd,J=8.1,1.7Hz,1H)、8.32(dd,J=8.1,0.7Hz,1H)。
H NMR(微量生成物)(400MHz,CDCl):δ8.53(dd,J=7.9,0.9Hz,1H)、8.41(dd,J=7.7,0.9Hz,1H)、8.23〜8.15(m,1H)。
13C NMR(主生成物)(101MHz,CDCl):δ160.44、160.11、150.64、135.97、134.37、132.62、127.56、124.52。
B.4−アジドスルホニルフタル酸無水物(ASPA)の合成
1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−スルホニルクロリド及び1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−4−スルホニルクロリド(35g、0.142モル)の混合物を、アセトン(500mL)に溶解する。固体NaN(10.92g、0.168モル)を添加し、反応混合物を終夜窒素下で撹拌する。反応混合物を、塩化ナトリウム副生成物からフィルター紙を使用して濾過する(沈殿物の一部がフィルター紙を通り抜ける)。溶媒を真空下で除去し、酢酸エチル(300mL)を添加する。スルホニルアジド生成物は溶解するが、NaCl及び任意の未反応のNaNは不溶性のままである。酢酸エチル溶液を水で洗浄し、後次に飽和水性塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過する。溶媒を真空下で除去し、生成物をジクロロメタン/ヘキサンから2回再結晶化して9.1gの最終生成物を得る(収率=25.3%)。
H NMR(500MHz,アセトン−d):δ8.68〜8.60(m,2H)、8.48〜8.41(m,1H)。
13C NMR(126MHz,アセトン−d):δ162.38、162.07、146.10、137.21、135.73、133.89、128.05、125.17。
4.対照試料−MAH−g−PEの調製
ポリエチレンペレット(DOWLEX 2045G)(44.82g対照、44.87g比較試料(CS−A)を計量して、整合するキャップを有する125mLの広口プロピレンボトルに入れる。再構築Thermo Scientific Haake Polylab モデル557−9301を、Rheomix 600p モデル557−1302 Hastelloyボウル、及びGateway Windows 8ラップトップコンピュータに設置及び接続された整合するローラー回転器/パドルと共に使用して、グラフト化反応を行う。モーターシステムの制御は、SEW Eurodrive MDX61Bモーターコントローラから、MOVITOOLS−MotionStudio,vers.5.70,(5.7.0.2)ソフトウェアを用いて行う。Watlow Ez−ゾーンユニットが設置された外箱を使用して、プレート/ボウル温度及び高温制限を設定する。Graphtec midiロガーGL220を、GL220 820APSアプリケーションソフトウェアと共にデータ収集に使用する。Haake器具での温度を180℃に設定し、システムを平衡させる。ポリエチレンペレットをHaake器具に添加し、30rpmで2分間(min)環流させる。所望される量のマレイン酸無水物(対照の場合、該当なし、CS−Aの場合0.40重量%、0.181g)を、用量バッグを介して器具に添加し(対照の場合、0.183g、CS−Aの場合、0.130g)、rpmを80に増加させ、混合物を2分間還流させる。後次に、Luperox 101(対照の場合、該当なし、0.11重量%、57μL CS−A)を、注射器を介して添加し、混合物を更に6分間還流させる。Haake器具を停止して、MAH−g−PEポリマーを、熱いうちに混合機から除去する。表2は、合成された対照MAHグラフト化エチレン系ポリマー(MAH−g−PE)からの特徴付けの結果を示す。
A.MAH−g−PE−マレイン酸無水物(MAH)のグラフト化レベルの決定
MAHのグラフト化レベルは、手動比色滴定を介して決定される。MAH−g−PE試料(7g)は、熱いトルエンポリマー溶液(350mL)の、アセトン(1L)への析出を介して精製される。MAHグラフト化ポリマーを、濾過により収集して、アセトンで洗浄し(300mLで2回)、ポリマー試料を、80℃の真空オーブン内で終夜乾燥させる。滴定実験の前に、精製されたポリマーを、130℃の窒素パージされた真空オーブン内で1時間乾燥させる。後次に、1グラムの乾燥MAHグラフト化ポリマーを、熱いキシレンに溶解する。この試料を、ブロモチモールブルー指示薬を使用し、一定の青色エンドポイントまで、50/50メタノール/トルエン中の0.025Nの水酸化テトラブチルアンモニウムで滴定する。MAH−g−PE試料を3回滴定し、結果を平均する。
予備剥離強度データは、前述のように入手される。
5.対照試料−MAH−g−PPの調製
MAHは、Krupp Werner&Pfleiderer二段スクリュー共回転押出機システム(ZSK−25)において、プロピレン(PRO−FAX(商標)6361)上にグラフト化される。このシステムは、12のバレル部分を有する押出機(それらのうちの11部分が、電気加熱及び水冷却で独立して制御される)、25mmの二段スクリュー、ロス・イン・ウェイトフィーダー(K−Tron、モデルKCLQX3)、マレイン酸無水物/メチルエチルケトン/Luperox 101溶液を注入するための高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)ポンプ(Alltech、モデル627)、任意の未反応MAH及び副生成物を除去するための真空システム、水浴、ならびにストランドカットペレタイザーを含む。押出機の長さ対直径の比は、48である。K−Tronフィーダーは、ポリマー粉末を窒素パージ下で押出機供給口(バレル1)に供給する。マレイン酸無水物/メチルエチルケトン/Luperox 101溶液は、マレイン酸無水物をメチルエチルケトンに1:1の比(質量で)溶解し、マレイン酸無水物/メチルエチルケトン溶液のアリコートを計量し、Luperox 101ペルオキシドを添加することにより形成される。このアリコートに添加されるLuperox 101ペルオキシドの量は、所望のマレイン酸無水物/Luperox 101の比に依存する。HPLCポンプは、マレイン酸無水物/メチルエチルケトン/Luperox 101溶液を、第5バレル部分と第6バレル部分との間に注入する。真空システム(3つのノックアウトポットを含む)は、バレル11の脱揮口に接続されて、未反応のマレイン酸無水物及び反応の副生成物を除去する。窒素ストリームは、真空システムに連続的に流入し、危険な状態を回避する。最後に、結果として得られるMAHグラフト化プロピレン(MAH−g−PP)を、押出機を通じてメルトフローし、ダイを出る押出物は、水浴により即時急冷される。ポリマーストランドを、ペレタイザーにより後次にペレット化する。総供給速度は、6.8Kg/時であり、マレイン酸無水物負荷は、0.4重量%である。メチルエチルケトンの負荷は、0.4重量%である。マレイン酸無水物/Luperox 101の比は、10であり、故にLuperox 101負荷は、0.04重量%である。標的MAHグラフト化レベルは、0.2%である。表3は、ポリプロピレン上へのマレイン酸無水物の反応押出における二段スクリュー押出機のバレル温度プロファイルを示す。表4は、合成された対照MAHグラフト化ポリプロピレン(MAH−g−PP)からの特徴付けの結果を示す。
A.MAH−g−PP−マレイン酸無水物(MAH)のグラフト化レベルの決定
MAHのグラフト化レベルは、手動比色滴定を介して決定される。MAH−g−PP試料(9.76g)は、熱いトルエンポリマー溶液(350mL)の、アセトン(1L)への析出を介して精製される。MAHグラフト化ポリマーを、濾過により収集して、アセトンで洗浄し(300mLで2回)、ポリマー試料を、80℃の真空オーブン内で終夜乾燥させる。滴定実験の前に、精製されたポリマーを、130℃の窒素パージされた真空オーブン内で1時間乾燥させる。後次に、1グラムの乾燥MAHグラフト化ポリマーを、熱いキシレンに溶解する。この試料を、ブロモチモールブルー指示薬を使用し、一定の青色エンドポイントまで、50/50メタノール/トルエン中の0.025Nの水酸化テトラブチルアンモニウムで滴定する。MAH−g−PP試料を3回滴定し、結果を平均する。
6.実施例−SPA−g−PEの調製
Haake混合機内で行われるペレット形状のポリエチレン上への4−アジドスルホニルフタル酸無水物のグラフト化反応のための手順:ポリエチレンペレット(DOWLEX 2045G)を計量し、Teflonライナー付きのキャップを有する125mLの広口ガラスに入れる。所望される重量の鉱物油を添加する。瓶の内容物を密封し、吸収材料を有するパッドを含む、二次ポリエチレンジャグ内に置く。ブレンド内容物を、ローラー上で2時間転倒させる。2時間後、所望される量の余分のIrganox 1010を添加し、続いて4−アジドスルホニルフタル酸無水物を添加する。瓶の内容物を密封し、吸収材料を有するパッドを含む、二次ポリエチレンジャグ内に置く。ブレンド内容物を、ローラー上で終夜転倒させて、アジド化合物をポリエチレンペレット上に均一に分布させる。次の日に、再構築Thermo Scientific Haake Polylab モデル557−9301を、Rheomix 600p モデル557−1302 Hastelloyボウル、及びGateway Windows 8ラップトップコンピュータに設置及び接続された整合するローラー回転器/パドルと共に使用して、グラフト化反応を行う。モーターシステムの制御は、SEW Eurodrive MDX61Bモーターコントローラから、MOVITOOLS−MotionStudio,vers.5.70,(5.7.0.2)ソフトウェアを用いて行う。Watlow EZ−ゾーンユニットが設置された外箱を使用して、プレート/ボウル温度及び高温制限を設定する。Graphtec midiロガーGL220を、GL220 820APSアプリケーションソフトウェアと共にデータ収集に使用する。Haake器具での温度を200℃に設定し、システムを平衡させる。予混合されたポリエチレンペレットを、4−アジドスルホニルフタル酸無水物と共に添加し、この混合物を5分間、rpm=80で還流させる。Haake器具を後次に停止し、SPA−g−PEポリマーを、熱いうちに混合機から除去する。表5は、グラフト化実験で使用される材料の量を示し、表7は、合成されたSPA−g−PEポリマーからの特徴付けの結果を示す。
A.SPA−g−PE−マレイン酸無水物(MAH)のグラフト化レベルの決定
MAHのグラフト化レベルは、手動色滴定を介して決定される。SPA−g−PE試料(10g)は、熱いトルエンポリマー溶液(350mL)の、アセトン(1L)への析出を介して精製される。SPA−g−PEポリマーを、濾過により収集して、アセトンで洗浄し(300mLで2回)、ポリマー試料を、80℃の真空オーブンで終夜乾燥させる。滴定実験の前に、精製されたポリマーを、130℃の窒素パージされた真空オーブン内で少なくとも1時間乾燥させる。後次に、1〜2グラムの乾燥SPA−g−PEポリマーを、熱いキシレンに溶解する。これらの試料を、ブロモチモールブルー指示薬を使用し、一定の青色エンドポイントまで、50/50メタノール/トルエン中の0.025Nの水酸化テトラブチルアンモニウムで滴定する。各SPA−g−PE試料を3回滴定し、結果を平均する。
7.実施例−SPA−g−PPの調製
プロピレン(PRO−FAX(商標)6361)の、4−アジドスルホニルフタル酸無水物との反応押出は、Coperion ZSK−25MC二段スクリュー押出機上で行う。この押出機は、25の二段スクリュー及び12のバレル区分を備え、全長対直径の比は48である。電気加熱及び水冷で独立して制御される11のバレル部分が存在する。押出の温度プロファイルを表8に示す。既定量のプロピレン粉末、4−アジドスルホニルフタル酸無水物、及びIrganox 1010を計量し、ヒュームフード内部で混合して合計4.5Kgの混合物を調製する。混合物の組成は、99.45%のポリプロピレン、0.5重量%の4−アジドスルホニルフタル酸無水物、及び0.05重量%のIrganox 1010である。混合粉末は、K−TronモデルKCL24KQX4ロス・イン・ウェイトフィーダーに慎重に移し、第1のバレル部分において窒素パージ下で押出機ホッパーに供給する。押出機スクリュー回転数は、500rpmである。対応して、ダイ圧は、672psi(4.63MPa)であり、モータートルク負荷は、48%である。最後に、ポリマー溶融物を、GALA LPU水中ペレット化システムを使用してペレット化する。2穴ダイを55°F(約13℃)の水温、及び2300rpmのカッター速度で使用する。表7は、ポリプロピレンの、4−アジドスルホニルフタル酸無水物との反応押出のための、二段スクリュー押出機のバレル温度プロファイルを示し、表8は、合成されたSPAグラフト化ポリプロピレン(SPA−g−PP)ポリマーからの特徴付けの結果を示す。
8.スケールアップ1:SPA−g−PEの調製
4−アジドスルホニルフタル酸無水物の、ペレット形態(2.5Kg)のポリエチレン上へのスケールアップグラフト化反応は、Leistritz 18mm反応押出機(二段スクリュー)内で行う。
ポリエチレンペレット(DOWLEX 2045G)を計量し、Teflonライナー付きのキャップを有する2つの別個の1ガロン広口瓶に入れる。所望される重量の鉱物油を添加する。瓶を密封し、内容物を、ローラー上で2時間転倒させる。次いで、所望される量の余分のIrganox 1010を添加し、続いて4−アジドスルホニルフタル酸無水物を添加する。瓶を密封し、内容物を、ローラー上で終夜転倒させる。スケールアップ実行の前日に、反応押出機を、DOWLEX 2045G樹脂で8時間(h)、所望される温度プロファイル、ゾーン1での温度=65℃、ゾーン2温度=140℃、ゾーン3〜ゾーン8(ダイ)温度=210℃、rpm=160でパージし、流量設定を、6g/分に調整する。供給口に配管される、低流量の窒素カバーガスの追加使用を用いて、ベース樹脂の酸化を最小限に抑える。次の日に、押出機を、上記と同じ押出条件を使用し、追加の2時間にわたってDOWLEX 2045Gで更にパージする。後次に、予め混合されたポリエチレンペレットを、4−アジドスルホニルフタル酸無水物と共に、ヒュームフード内部のK−Tron KCL24−KT20固形物フィーダーの供給ホッパーに装填する。供給ホッパーを、フィーダーの制御パネルに接続し、予め混合されたポリエチレンペレット及び4−アジドスルホニルフタル酸無水物を、20分間にわたって押出機に貫流させる。用いられる押出機条件は、以下の通りである。ゾーン1での温度=65℃、ゾーン2温度=140℃、ゾーン3〜ゾーン8(ダイ)温度=210℃、rpm=160。流量は5.85g/分となるように調整し、供給口に配管される、低流量の窒素カバーガスを、実行期間にわたって使用してベース樹脂の酸化を最小限に抑える。反応押出機を固定した後、押出物を、コンベアベルトに配向される単一ストランドとして連続的に収集する。コンベアベルトを、空気冷却システムに接続して、余分の換気でポリマーストランドを冷却する。全ての試験材料が押し出されると、押出機を、純粋なDOWLEX 2045G樹脂で30分間パージする。固形物フィーダーを停止し、押出機を、ポリマー流がダイから出終わるまで運転する。押出機の電源を落とし、放冷する。合成されたSPA−g−PEポリマーを、Conair Jetroポリマーストランドカッター/ペレタイザーを使用して後次にペレット化する。表9は、スケールアップ実行において使用される材料の量を示し、表10は、合成されたSPA−g−PEポリマー(時間=3.5時間で収集される試料)からの特徴付けの結果を示す。収集されたポリマーの総量は、約2,480gである。
A.SPA−g−PE−マレイン酸無水物(MAH)のグラフト化レベルの決定(スケールアップ1)
マレイン酸無水物(MAH)のグラフト化レベルの決定
マレイン酸無水物(MAH)のグラフト化レベルは、重量% MAH(滴定により決定される)を、1788cm−1バンドの正規化された高さに対して相関させる、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)較正曲線を使用して決定される(図1、等式1)。赤外法は、4−アジドスルホニルフタル酸無水物をモノマーとして使用し、スルホニルアジド化学反応を介して合成されるSPA−g−PE試料専用に開発される。FTIR測定の場合、1.5グラムのSPA−g−PEポリマーは、熱いトルエン溶液(60mL)の、アセトン(400mL)への析出を介して精製される。ポリマーを、濾過により収集して、アセトンで洗浄し(150mLで2回)、80℃の真空オーブン内で終夜乾燥させる。精製されたSPA−g−PEを、Teflonコーティングされたアルミニウム箔を使用して、200℃、20,000lbs(9071.8474Kg)で30秒間、フィルムに圧縮成形する。フィルムを成形する前に、精製されたポリマーを、窒素パージされた真空オーブン内で3時間、160℃で乾燥させて、残留二酸を無水物に再変換する。圧縮成形されたフィルムのFTIR変換スペクトルは、Perkin−Elmer Spectrum One分光計を使用して、フィルムを圧縮した直ぐ後に取る。スペクトル範囲は、4500〜400cm−1に及び、解像度は4cm−1であった。各スペクトルに対して、4回の走査が同時追加される。フィルム上の異なる位置から4つのスペクトルを取得し、結果を平均する。
Perkin−Elmer Spectrum One分光計条件:
[表]
FTIRを介して重量% MAHを決定するための等式は、下記の等式1に提供される。
等式1.FTIRを介して重量% MAHを決定するための等式。
図1は、重量% MAHの赤外較正曲線を示す。
9.多層フィルム1
DOWLEX 2045Gをベース樹脂として使用して合成されたSPA−g−PE及び4−アジドスルホニルフタル酸無水物の2.5Kgの試料(実施例7)は、5層インフレーションフィルム試験において結束層として使用される。これらのフィルム試料は、標準操作条件を使用して、LabTech 5層インフレーションフィルムライン上で製造される。5層は、A/B/C/D/Eとして表され、「A」層は、泡の内側に存在する。個々の供給ラインは、泡上の位置により異なる。層「A」及び「E」(外層)は、混合要素を含まない25mmの単一フライトスクリューから供給される。層「B」、「C」、及び「D」(3つの内層)は、混合要素を含まない20mmの単一フライトスクリューから供給される。複合された5つの押出機は、23Kg/hrの75mm 5層フラットダイ(30/11/18/11/30)への供給を生成する。ブローアップ比は、2.5である。バレル温度は、166℃〜232℃の範囲である。標準フロストライン高さは、30cmである。
2つのフィルム試料を調製し、層組成物を表11に概説する。
A.接着強度−多層フィルム
調製されたフィルム試料を収集し、いかなる更なる熱処理もなく剥離強度に関して評価する。接着試験細片は、以下の手順により調製する。
試験細片は、2.54cm×15.24cmパンチダイを機械方向に使用して切断された5層インフレーションフィルムから調製する。2つの細片を、140℃に設定された顎部を有する熱密封体の間に配置し、これらの細片は、一端から約2.54cmで約0.3秒間にわたって力を受ける。この作用は、顎部からの衝撃点において、2つの細片を併せて有効に密封する。タブを手で引き離し、これがナイロンと結束層との間の界面において分離を起こさせる。次いで、新たに分離した部分をInstronの顎部に配置し、5.08cm/分の速度で引き離す。初期スパイク後、剥離強度は、力の平坦域から測定される。表11に報告されるデータは、5つの独立した試料の平均である。剥離強度試験の概略表示を図2に示す。
10.スケールアップ2
4−アジドスルホニルフタル酸無水物の、顆粒形態のポリエチレン(2.5Kg)上へのスケールアップグラフト化反応は、Leistritz 18mm反応押出機(二段スクリュー)内で行う。
顆粒形態のポリエチレン(DJM−1810H エチレン/1−ヘキセンコポリマー)を計量して、Teflonライナー付きのキャップを有する2つの別個の1ガロン広口ガラス瓶、及びSaran密封蓋を有する半ガロン広口ガラス瓶に入れる。所望される量の4−アジドスルホニルフタル酸無水物を計量して、ヒュームフードの内側の3つの別個の20mLガラスバイアルに入れる。広口でTeflonライナー付きの蓋を有する2つの別個の8オンス(oz)ガラス瓶、及び広口でTeflonライナー付きの蓋を有する4ozガラス瓶に、所望される量のIrganox 1010を添加し、後次に、4−アジドスルホニルフタル酸無水物化合物を、バイアルからヒュームフード内の2つの別個の8oz及び4ozガラス瓶に移す。後次に、8oz及び4ozの瓶に、所望される量のジクロロメタンを添加してアジド化合物及びIrganox 1010を溶解する。いくらかの白濁が認められ、一部の化合物が完全に溶解しなかった可能性があることを意味する。4−アジドスルホニルフタル酸無水物/Irganox 1010溶液を、顆粒ポリエチレンを含有する、対応する1ガロンガラス瓶及び半ガロンガラス瓶に添加する。8oz及び4ozガラス瓶を、余分のジクロロメタンで洗浄し、溶液を1ガロン及び半ガロンガラス瓶に添加する(これを行い、アジド/Irganox 1010化合物全体がその1ガロン及び半ガロンガラス瓶に移されたことを確実にする)。後次に、1ガロン及び半ガロンガラス瓶を密封し、振とうさせて内容物をローラー上で終夜転倒させ、アジド/Irganox 1010ジクロロメタン溶液を顆粒ポリエチレンに均一に膨張させる。次の日に、アジド/Irganox 1010コーティングされた顆粒ポリエチレンを含有する瓶を、40℃に設定された加熱真空オーブンに移してジクロロメタン溶媒を終夜除去する。実行の前日に2時間、実行日に1時間、反応押出機を顆粒ポリエチレンでパージし(DJM−1810H、所望の温度プロファイルにおけるガス相樹脂:ゾーン1での温度=120℃、ゾーン2での温度=190℃、ゾーン3〜ゾーン8(ダイ)での温度=220℃、rpm=200)、流量設定を0.38Kg/hに調整して、約4.10分の滞留時間を得る。供給口に配管される、低流量の窒素カバーガスの追加使用を用いて、ベース樹脂の酸化を最小限に抑える。後次に、予め混合された顆粒ポリエチレンを、4−アジドスルホニルフタル酸無水物及びIrganox 1010と共に、ヒュームフード内部のK−Tron KCL24−KT20固形物フィーダーの供給ホッパーに装填する。供給ホッパーを、固形物フィーダーの制御パネルに後次に接続し、予め混合された顆粒ポリエチレン及び4−アジドスルホニルフタル酸無水物を、ポリマー収集を開始する前に15分間にわたって押出機に貫流させる。反応押出機を固定した後、押出物を、コンベアベルトに配向される単一ストランドとして連続的に収集する。コンベアベルトを、空気冷却システムに接続して、余分の換気でポリマーストランドを冷却する。全ての試験材料が押し出された場合、押出機を、プレーンDJM−1810H、ポリエチレン樹脂でパージする。固形物フィーダーを停止し、ポリマー流がダイから出終わるまで押出機を運転する。押出機の電源を落とし、放冷する。合成されたSPA−g−PEポリマーを、Conair Jetroポリマーストランドカッター/ペレタイザーを使用して後次にペレット化する。表12は、スケールアップ実行において使用される材料の量を示し、表13は、合成されたSPA−g−PEポリマー(時間=3.5時間(h)で収集された試料)からの特徴付けの結果を示す。収集されたポリマーの総量は、約2,492gである。
A.マレイン酸無水物(MAH)のグラフト化レベルの決定
MAHのグラフト化レベルは、手動色滴定を介して決定される。SPA−g−PE試料(10g)は、熱いトルエンポリマー溶液(350mL)の、アセトン(1L)への析出を介して精製される。SPA−g−PEポリマーを、濾過により収集して、アセトンで洗浄し(300mLで2回)、ポリマー試料を、80℃の真空オーブンで終夜乾燥させる。滴定実験の前に、精製されたポリマーを、130℃の窒素パージされた真空オーブン内で少なくとも1時間乾燥させる。後次に、1グラムの乾燥SPA−g−PEポリマーを、熱いキシレンに溶解する。この試料を、ブロモチモールブルー指示薬を使用し、一定の青色エンドポイントまで、50/50メタノール/トルエン中の0.020Nの水酸化テトラブチルアンモニウムで滴定する。SPA−g−PE試料を3回滴定し、結果を平均する。
注記:表12で指定された材料の量を複合し、押出機に通してSPA−g−PEを調製する(スケールアップ#2または実施例9)。表13に示される試験のために、時間=3.5時間で試料を収集する。
11.多層フィルム2
実施例#9からのSPA−g−PEを使用して、4つのフィルム試料を調製し、層組成物を表14に概説する。
調製されたフィルム試料を収集し、いかなる更なる熱処理もなく剥離強度に関して評価する。接着試験細片は、以下の手順により調製する。
試験細片は、2.54cm×15.24cmのパンチダイを機械方向に使用して切断された5層インフレーションフィルムから調製する。2つの細片を、140℃に設定された顎部を有する熱密封体の間に配置し、これらの細片は、一端から約2.54cmで約0.3秒間にわたって力を受ける。この作用は、顎部からの衝撃点において、2つの細片を併せて有効に密封する。タブを手で引き離し、これがナイロンと結束層との間の界面において分離を起こさせる。次いで、新たに分離した部分をInstronの顎部に配置し、5.08cm/分の速度で引き離す。5つの独立した試料に関して、剥離を開始するために必要な平均力を表14に記録する。剥離を誘導するために必要な力は、アジド試料が比較例と同様であるためである。
これらのフィルムに関して、光学特性も評価する。データを下記の表15(実施例10のナイロンフィルム)及び表16(実施例11のEVOHフィルム)に示す。
驚くべきことに、出願人は、SPA−g−PEを結束層として使用する層間接着が、フリーラジカルプロセスにより調製される従来のMAH−g−PEと同じまたはより良好な接着特性を有する多層フィルムが製造されることを発見した。本SPA−g−PE結束層は、鎖切断をほとんどまたは全く経験せず、望まれない架橋もほとんどまたは全く経験しない。追加として、本SPA−g−PEで製造された多層フィルムは、フリーラジカルプロセスにより調製される従来のMAH−g−PEで作製された多層フィルムに等しいかまたはより良好なヘイズ、明澄度、及び透過率等の光学特性を示す。これらの結果は、スルホンアミド誘導体グラフト化ポリオレフィン(及び特にSPA−g−PE)が、フリーラジカルMAHグラフト化ポリオレフィンの負の加工効果を有利に回避する、有効な結束層であることを確認する。
本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び図に限定されないが、以下の特許請求の範囲内に含まれるものとして、実施形態の部分及び異なる実施形態の要素の組み合わせを含む、そのような実施形態の修飾形態を含むことが具体的に意図される。

Claims (13)

  1. 多層フィルムであって、
    オレフィン系ポリマーを含む、層(A)と、
    スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー(SD−g−PO)を含む結束層である、層(B)と、
    極性成分を含む、層(C)と、を含む、前記多層フィルム。
  2. 前記SD−g−POが、構造(2)を有し、
    式中、窒素Nが、ポリオレフィンの炭素Cに結合され、
    Yが、O、S、PH、PR、NH、及びNRからなる群から選択され、
    Rが、アルキル基及びアリール基からなる群から選択される、請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記スルホンアミド誘導体が、スルホンアミドフタル酸無水物(SPA)であり、前記SPA−g−POが、下記の構造(4)を有し、
    式中、窒素Nが、ポリオレフィンの炭素Cに結合される、請求項1または2に記載の多層フィルム。
  4. 前記SD−g−POが、前記層(C)の前記極性成分との少なくとも1つの結合を形成し、前記結合が、構造(5)を有し、
    式中、窒素Nが、ポリオレフィンの炭素Cに結合され、
    Xが、O、S、P、及びNからなる群から選択され、
    Yが、O、PH、S、及びNHから選択され、
    Rが、C〜Cアルキル基であり、
    m及びnが、各々独立して、0または1であるが、但し、m=1の場合、n=0であり、n=1の場合、m=0であることを条件とする、請求項1〜3のいずれかに記載の多層フィルム。
  5. Yが、Oである、請求項4に記載の多層フィルム。
  6. 前記層(A)が、エチレン/α−オレフィンコポリマーを含み、
    前記層(B)が、スルホンアミドフタル酸無水物(SPA)グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)を含み、
    前記層(C)が、ナイロンを含み、
    前記多層フィルムが、T−剥離試験により測定して、538N/m〜813N/mの剥離強度を有する、請求項5に記載の多層フィルム。
  7. 多層フィルムであって、
    オレフィン系ポリマーを含む、層(A)と、
    スルホンアミド誘導体グラフト化オレフィン系ポリマー(SD−g−PO)を含む結束層である、層(B)と、
    極性成分を含む、層(C)と、
    結束層である、層(D)であって、SD−g−POを含む、層(D)と、
    オレフィン系ポリマーを含む、層(E)と、を含み、
    前記構造A/B/C/D/Eを有する、前記多層フィルム。
  8. 層(B)中の前記SD−g−PO及び層(D)中の前記SD−g−POが各々、前記層(C)の前記極性成分との少なくとも1つの結合を形成し、前記結合が、前記構造(5)を有し、
    式中、窒素Nが、ポリオレフィンの炭素Cに結合され、
    Xが、O、S、P、及びNからなる群から選択され、
    Yが、O、S、PH、及びNHから選択され、
    Rが、C〜Cアルキル基であり、
    m及びnが、各々独立して、0または1であるが、但し、m=1の場合、n=0であり、n=1の場合、m=0であることを条件とする、請求項7に記載の多層フィルム。
  9. 前記層(A)が、エチレン/α−オレフィンコポリマーを含み、
    前記層(B)が、スルホンアミドフタル酸無水物グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)を含み、
    前記層(C)が、ナイロンまたはエチレン/ビニルアルコール(EVOH)コポリマーを含み、
    前記層(D)が、スルホンアミドフタル酸無水物グラフト化エチレン系ポリマー(SPA−g−PE)を含み、
    前記層(E)が、エチレン/α−オレフィンコポリマーを含む、請求項7または8に記載の多層フィルム。
  10. 前記フィルムが、インフレーションフィルムであり、前記インフレーションフィルムが、500N/m〜1100N/mの剥離強度を有する、請求項9に記載の多層フィルム。
  11. ポリオレフィン及びスルホニルアジド誘導体を、前記スルホニルアジド誘導体の分解温度以上の温度で溶融ブレンドすることと、
    前記スルホニルアジド誘導体を前記ポリオレフィン基質に、少なくとも50%のグラフト化効率でグラフト化することと、
    スルホンアミド誘導体グラフト化ポリオレフィン(SD−g−PO)を製造することと、を含む、プロセス。
  12. 前記ポリオレフィンが、第1のメルトフロー(MF1)を有するエチレン/1−オクテンコポリマー(PE)であり、前記SD−g−PEが、0.15重量%〜0.61重量%のMAHを有し、前記SD−g−PEが、第2のメルトフロー(MF2)を有し、MF1−MF2が、ASTM D 1238(190℃/2.16kg)により測定して、0.06g/10分〜0.50g/10分である、請求項11に記載のプロセス。
  13. 下記の反応スキーム1により、前記スルホニルアジド誘導体が、構造(1)を有し、前記溶融ブレンドが、前記スルホニルアジドをスルホニルニトレンに変換して、窒素ガスを排除し、
    前記スルホニルニトレンを、前記ポリオレフィンの炭素水素結合に挿入し、
    構造(2)を有するスルホンアミド誘導体グラフト化ポリオレフィンを形成し、
    式中、Yが、O、S、PR、及びNRからなる群から選択され、
    構造(2)中の窒素Nが、前記ポリオレフィンの炭素Cに結合される、請求項11に記載のプロセス。
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