JP2018206887A - 積層インダクタ部品およびその製造方法 - Google Patents

積層インダクタ部品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非磁性層の上下のコイル配線が非磁性層のクラックを介して導通することを防止できる積層インダクタ部品を提供する。【解決手段】積層インダクタ部品は、磁性層および非磁性層を積層方向に積層して構成される素体と、素体内に設けられ、螺旋状に巻回されたコイルとを有する。コイルは、平面状に巻回された複数のコイル配線を積層方向に積層して構成され、非磁性層は、積層方向に隣接する上下のコイル配線間に配置されると共に上下のコイル配線の幅方向外側に延在し、非磁性層と下コイル配線は、下コイル配線の幅方向の両端部と非磁性層との間に磁性層が介在している状態で、互いに接触し、非磁性層と上コイル配線は、上コイル配線の幅方向の両端部と非磁性層との間に磁性層が介在していない状態で、互いに接触している。【選択図】図2

Description

本発明は、積層インダクタ部品およびその製造方法に関する。
従来、積層インダクタ部品としては、特開2008−21788号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この積層インダクタ部品は、複数の磁性層を含む磁性体と、磁性体内に設けられた複数のコイル導体層と、隣り合うコイル導体層の間に配置された非磁性層とを有する。コイル導体層、磁性層および非磁性層は、印刷により積層される。
特開2008−21788号公報
ところで、本願発明者は、前記従来の積層インダクタ部品を製造しようとすると、次の問題があることを見出した。
図5に示すように、第1コイル導体層100aを印刷し、第1コイル導体層100aの幅方向の両端部に重なるように、第1コイル導体層100aの幅方向外側に、第1磁性層101aを印刷する。その後、第1コイル導体層100a上に非磁性層102を印刷し、非磁性層102の幅方向の両端部に重なるように、非磁性層102の幅方向外側に、第2磁性層101bを印刷する。その後、非磁性層102上に第2コイル導体層100bを印刷し、第2コイル導体層100bの幅方向の両端部に重なるように、第2コイル導体層100bの幅方向外側に、第3磁性層101cを印刷する。
このようにして積層インダクタ部品を製造するが、製造された積層インダクタ部品では、非磁性層102の両端部にクラックCが発生するおそれがあり、第1コイル導体層100aと第2磁性層101bが、このクラックCを介して、導通するおそれがある。
そこで、本発明の課題は、非磁性層の上下のコイル導体層が非磁性層のクラックを介して導通することを防止できる積層インダクタ部品およびその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の積層インダクタ部品は、
磁性層および非磁性層を積層方向に積層して構成される素体と、
前記素体内に設けられ、螺旋状に巻回されたコイルと
を備え、
前記コイルは、平面状に巻回された複数のコイル配線を前記積層方向に積層して構成され、
前記非磁性層は、前記積層方向に隣接する上下のコイル配線間に配置されると共に前記上下のコイル配線の幅方向外側に延在し、
前記非磁性層と前記下コイル配線は、前記下コイル配線の幅方向の両端部と前記非磁性層との間に前記磁性層が介在している状態で、互いに接触し、
前記非磁性層と前記上コイル配線は、前記上コイル配線の幅方向の両端部と前記非磁性層との間に前記磁性層が介在していない状態で、互いに接触している。
ここで、上下とは、積層工程において下から上へ積層するときの上下をいう。
本発明の積層インダクタ部品によれば、下コイル配線の幅方向の両端部と非磁性層との間に磁性層が介在しているので、磁性層は、コイル配線の両端部に重なるように、印刷により形成されている。
そして、上コイル配線の幅方向の両端部と非磁性層との間に磁性層が介在していないので、非磁性層上に印刷した磁性層が乾燥して収縮することにより、非磁性層に対して磁性層の引張力が発生しても、非磁性層の上コイル配線の両端部と重なる重なり部にかかる引張応力を低減できる。また、積層インダクタ部品の製造において、磁性層、非磁性層およびコイル配線を積層して積層方向にプレスする時に、非磁性層の重なり部にかかる圧縮応力を低減できる。
したがって、非磁性層の重なり部に応力が集中し難くなり、非磁性層の重なり部にクラックが発生し難くなって、上下のコイル配線が非磁性層のクラックを介して導通することを防止できる。
また、積層インダクタ部品の一実施形態では、前記コイル配線は、互いに面接触して前記積層方向に積層された複数のコイル導体層から構成されている。
前記実施形態によれば、コイル配線は、複数のコイル導体層から構成されているので、コイル配線の抵抗を下げることができる。
また、積層インダクタ部品の一実施形態では、前記積層方向に接触する上下のコイル導体層において、前記上コイル導体層の幅方向の両端部と前記下コイル導体層の幅方向の両端部との間に、前記磁性層が介在している。
前記実施形態によれば、各コイル導体層と磁性層との重なりが増加して、プレス時に、非磁性層の重なり部にかかる圧力が増加するが、非磁性層の重なり部に応力が集中し難いため、非磁性層の重なり部にクラックが発生し難い。
また、本発明の積層インダクタ部品の製造方法は、
第1コイル配線を印刷し、前記第1コイル配線の幅方向の両端部に重なるように、前記第1コイル配線の幅方向外側に、磁性層を印刷する第1工程と、
前記第1コイル配線上に前記第1コイル配線の幅方向外側に延在する非磁性層を印刷する第2工程と、
前記非磁性層上に前記非磁性層の幅方向の両端部よりも内側に第2コイル配線を印刷し、前記第2コイル配線の幅方向の両端部に重なるように、前記第2コイル配線の幅方向外側に、磁性層を印刷する第3工程と
を備える。
本発明の積層インダクタ部品の製造方法によれば、第2コイル配線の幅方向の両端部と非磁性層との間に磁性層が介在していないので、非磁性層上に印刷した磁性層が乾燥して収縮することにより、非磁性層に対して磁性層の引張力が発生しても、非磁性層の第2コイル配線の両端部と重なる重なり部にかかる引張応力を低減できる。また、積層インダクタ部品の製造において、磁性層、非磁性層およびコイル配線を積層して積層方向にプレスする時に、非磁性層の重なり部にかかる圧縮応力を低減できる。
したがって、非磁性層の重なり部に応力が集中し難くなり、非磁性層の重なり部にクラックが発生し難くなって、第1コイル配線と第2コイル配線が非磁性層のクラックを介して導通することを防止できる。
また、積層インダクタ部品の製造方法の一実施形態では、前記第2工程と前記第3工程との間に、前記非磁性層の幅方向の両端部に重なるように、前記非磁性層の幅方向外側に、磁性層を印刷する工程を有する。
前記実施形態によれば、非磁性層の幅方向の両端部に重なるように、非磁性層の幅方向外側に、磁性層を印刷しても、非磁性層と第2コイル配線の間に磁性層が介在することがない。
また、積層インダクタ部品の製造方法の一実施形態では、
前記第1工程では、第1コイル導体層を印刷し、前記第1コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第1コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
前記第1コイル導体層上に第2コイル導体層を印刷し、前記第2コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第2コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
前記第1コイル導体層および前記第2コイル導体層を積層して前記第1コイル配線を形成する。
前記実施形態によれば、第1コイル配線は、第1コイル導体層および第2コイル導体層を積層して構成されるので、第1コイル配線の抵抗を下げることができる。
また、各コイル導体層と磁性層との重なりが増加して、プレス時に、非磁性層の重なり部にかかる圧力が増加するが、非磁性層の重なり部に応力が集中し難いため、非磁性層の重なり部にクラックが発生し難い。
また、積層インダクタ部品の製造方法の一実施形態では、
前記第3工程では、前記非磁性層上に第1コイル導体層を印刷し、前記第1コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第1コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
前記第1コイル導体層上に第2コイル導体層を印刷し、前記第2コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第2コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
前記第1コイル導体層および前記第2コイル導体層を積層して前記第2コイル配線を形成する。
前記実施形態によれば、第2コイル配線は、第1コイル導体層および第2コイル導体層を積層して構成されるので、第2コイル配線の抵抗を下げることができる。
また、各コイル導体層と磁性層との重なりが増加して、プレス時に、非磁性層の重なり部にかかる圧力が増加するが、非磁性層の重なり部に応力が集中し難いため、非磁性層の重なり部にクラックが発生し難い。
本発明の積層インダクタ部品およびその製造方法によれば、非磁性層の上下のコイル配線が非磁性層のクラックを介して導通することを防止できる。
本発明の積層インダクタ部品の一実施形態を示す透視斜視図である。 図1のX−X断面図である。 図2の拡大図である。 積層インダクタ部品の一実施形態の製造方法について説明する説明図である。 積層インダクタ部品の一実施形態の製造方法について説明する説明図である。 積層インダクタ部品の一実施形態の製造方法について説明する説明図である。 積層インダクタ部品の一実施形態の製造方法について説明する説明図である。 積層インダクタ部品の一実施形態の製造方法について説明する説明図である。 従来の積層インダクタ部品を示す断面図である。
上述したように、従来の積層インダクタ部品では、非磁性層にクラックが発生するおそれがあることがわかった。本願発明者は、この現象を鋭意検討したところ、以下の原因を見出した。
図5に示すように、第2コイル導体層100bの両端部と非磁性層102の両端部との間に第2磁性層101bが介在しているので、非磁性層102上に印刷した第2磁性層101bが乾燥して収縮することにより、非磁性層102に対して第2磁性層101bの引張力が発生し、非磁性層102の両端部に引張応力が集中する。また、積層インダクタ部品の製造において、コイル導体層、磁性層および非磁性層を積層して積層方向にプレスする時に、非磁性層102の両端部に圧縮応力が集中する。このように、非磁性層102の両端部に応力が集中した状態で焼成すると、応力を緩和するような力が働いて、非磁性層102の両端部にクラックCが発生するおそれがあることがわかった。
さらに、第1、第2コイル導体層100a,100bが、それぞれ、1層でなく複数層からなるとき、各コイル導体層と磁性層との重なりが増加して、プレス時に、非磁性層102の両端部にかかる圧力が増加する。この結果、非磁性層102の両端部にクラックCが発生する可能性が高まることがわかった。
そして、クラックCが発生している状態で、第1、第2コイル導体層100a,100bに電流を流すと、第1、第2コイル導体層100a,100bの電位差によってマイグレーションが発生して、ショートに発展するリスクがある。
本発明は、本願発明者が独自に得た上記知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(実施形態)
図1は、積層インダクタ部品の実施形態を示す透視斜視図である。図2は、図1のX−X断面図である。図1と図2に示すように、積層インダクタ部品1は、素体10と、素体10内に設けられ、螺旋状に巻回されたコイル20と、素体10に設けられコイル20に電気的に接続された第1外部電極30および第2外部電極40とを有する。図1では、コイル20を実線で描いて示す。図2では、第1外部電極30および第2外部電極40を省略して描いている。
積層インダクタ部品1は、第1、第2外部電極30,40を介して、図示しない回路基板の配線に電気的に接続される。積層インダクタ部品1は、例えば、ノイズ除去フィルタとして用いられ、パソコン、DVDプレーヤー、デジカメ、TV、携帯電話、カーエレクトロニクスなどの電子機器に用いられる。この他にもパワーインダクタとして用いられることもあり、この場合、例えば、各種電子機器に内蔵されるDCDCコンバータ部分に用いられる。
素体10は、略直方体状に形成されている。素体10は、第1端面と、第1端面に対向する第2端面と、第1端面と第2端面との間の4つの側面とを有する。
第1外部電極30および第2外部電極40は、例えば、AgまたはCuなどの導電性材料から構成される。第1外部電極30は、第1端面側に設けられ、第2外部電極40は、第2端面側に設けられている。
コイル20は、例えば、AgまたはCuなどの導電性材料から構成される。コイル20の一端は、第1外部電極30に接続され、コイル20の他端は、第2外部電極40に接続されている。コイル20の軸は、第1端面および第2端面に平行な方向に沿って配置される。これにより、第1、第2外部電極30,40は、コイル20の磁束の妨げとならない。
コイル20は、軸に沿った積層方向Dに積層された複数のコイル配線21を含む。コイル配線21は、平面状に巻回されて形成される。積層方向Dに隣り合うコイル配線21は、積層方向Dに延在する接続配線を介して、接続される。このように、複数のコイル配線21は、互いに電気的に直列に接続されながら、螺旋を構成している。
コイル配線21は、複数(この実施形態では3層)のコイル導体層210から構成されている。複数のコイル導体層210は、互いに面接触して積層方向Dに積層されている。このように、コイル配線21は、複数のコイル導体層210から構成されているので、コイル配線21の抵抗を下げることができる。
素体10は、磁性層11および非磁性層12を含む。磁性層11および非磁性層12は、積層方向Dに積層される。磁性層11は、例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト又はNi−Cu−Zn−Mg系フェライト等のフェライトを用いて形成される。非磁性層12は、例えば、Cu−Zn系非磁性フェライト等の非磁性フェライトを用いて形成される。
磁性層11は、コイル20の径方向の内側および外側に設けられると共に、コイル20の軸方向の外側に設けられている。これにより、コイル20は、閉磁路を構成する。
非磁性層12は、積層方向Dに隣接する上下のコイル配線21間に位置する。非磁性層12は、上下のコイル配線21に接触している。上下とは、積層工程において下から上へ積層するときの上下をいう。積層方向Dに沿った断面において、同一層に位置すると共にコイル20の軸に対して左右に位置する非磁性層12は、互いに離隔しており、コイル20の内径部において繋がっていない。
非磁性層12は、単体のコイル配線21の周囲に発生する磁束(小ループの磁束)を遮断できる。したがって、小ループの磁束が、全てのコイル配線21によって発生し全てのコイル配線21の中心を通過する磁束(大ループの磁束)に重畳することを低減して、インダクタンスへの影響を低減できる。
図3は、図2の拡大図である。図3に示すように、非磁性層12は、上下のコイル配線21(以下、下コイル配線21Aおよび上コイル配線21Bという。)の幅方向外側に延在している。つまり、非磁性層12の幅方向の大きさは、下コイル配線21Aおよび上コイル配線21Bの幅方向の大きさよりも、大きい。下コイル配線21Aおよび上コイル配線21Bの幅方向の大きさは、同じである。各コイル配線21A,21Bにおける全てのコイル導体層210の幅方向の大きさは、同じである。
非磁性層12と下コイル配線21Aは、下コイル配線21Aの幅方向の両端部と非磁性層12との間に磁性層11が介在している状態で、互いに接触している。つまり、非磁性層12は、下コイル配線21Aの幅方向の両端部以外(つまり、幅方向の中央面)と接触している。
非磁性層12と上コイル配線21Bは、上コイル配線21Bの幅方向の両端部と非磁性層12との間に磁性層11が介在していない状態で、互いに接触している。つまり、非磁性層12は、上コイル配線21Bの幅方向の全面と接触している。
各コイル配線21の積層方向Dに接触する上下のコイル導体層210において、上コイル導体層210の幅方向の両端部と下コイル導体層210の幅方向の両端部との間に、磁性層11が介在している。つまり、上コイル導体層210の幅方向の中央面と下コイル導体層210の幅方向の中央面とが接触している。
言い換えると、複数の磁性層11は、各コイル導体層210の幅方向の両端部に覆い重なるように、各コイル導体層210の幅方向外側に設けられ、かつ、非磁性層12の幅方向の両端部に覆い重なるように、非磁性層12の幅方向外側に設けられている。非磁性層12の両端部に重なる磁性層11のオーバーラップ部Bは、コイル導体層210の両端部に重なる磁性層11のオーバーラップ部Aよりも幅方向の外側に位置する。つまり、オーバーラップ部Bは、コイル導体層210の幅方向外側に位置する。
前記積層インダクタ部品1によれば、下コイル配線21Aの幅方向の両端部と非磁性層12との間に磁性層11が介在しているので、磁性層11は、コイル配線21の両端部に重なるように、印刷により形成されている。
そして、上コイル配線21Bの幅方向の両端部と非磁性層12との間に磁性層11が介在していないので、非磁性層12上に印刷した磁性層11が乾燥して収縮することにより、非磁性層12に対して磁性層11の引張力が発生しても、非磁性層12の上コイル配線21Bの両端部と重なる重なり部にかかる引張応力を低減できる。また、積層インダクタ部品1の製造において、磁性層11、非磁性層12およびコイル配線21を積層して積層方向Dにプレスする時に、非磁性層12の重なり部にかかる圧縮応力を低減できる。
したがって、非磁性層12の重なり部に応力が集中し難くなり、非磁性層12の重なり部にクラックが発生し難くなって、下コイル配線21Aと上コイル配線21Bが非磁性層12のクラックを介して導通することを防止できる。
また、コイル配線21が複数のコイル導体層210から構成されているため、各コイル導体層210と磁性層11との重なりが増加して、プレス時に、非磁性層12の重なり部にかかる圧力が増加するが、非磁性層12の重なり部に応力が集中し難いため、非磁性層12の重なり部にクラックが発生し難い。
仮に、非磁性層12の両端部に重なる磁性層11の引張力により、非磁性層12にクラックが発生するとしても、図3の仮想線に示すように、クラックCは、非磁性層12の両端部に発生し、非磁性層12の重なり部に発生しない。
次に、前記積層インダクタ部品1の製造方法について説明する。
第1コイル配線21を印刷して乾燥し、第1コイル配線21の幅方向の両端部に重なるように、第1コイル配線21の幅方向外側に、磁性層11を印刷して乾燥する。そして、第1コイル配線21上に第1コイル配線21の幅方向外側に延在する非磁性層12を印刷して乾燥する。そして、非磁性層12の幅方向の両端部に重なるように、非磁性層12の幅方向外側に、磁性層11を印刷して乾燥する。そして、非磁性層12上に非磁性層12の幅方向の両端部よりも内側に第2コイル配線21を印刷して乾燥し、第2コイル配線21の幅方向の両端部に重なるように、第2コイル配線21の幅方向外側に、磁性層11を印刷して乾燥する。これを繰り返して、積層インダクタ部品1を製造する。
したがって、第2コイル配線21の幅方向の両端部と非磁性層12との間に磁性層11が介在していないので、非磁性層12の第2コイル配線21との重なり部に応力が集中し難くなり、非磁性層12の重なり部にクラックが発生し難くなる。これにより、第1コイル配線21と第2コイル配線21が非磁性層12のクラックを介して導通することを防止できる。
前記積層インダクタ部品1の製造方法についてさらに具体的に説明する。
図4Aに示すように、第1磁性層11a上に、ペースト状の第1コイル導体層210aを印刷して乾燥する。そして、第1コイル導体層210aの幅方向の両端部に覆い重なるように、第1コイル導体層210aの幅方向外側に、ペースト状の第2磁性層11bを印刷して乾燥する。つまり、第2磁性層11bは、第1コイル導体層210aの両端部以外の上面を露出させるように、第1磁性層11a上に印刷される。
図4Bに示すように、第1コイル導体層210aの上面を覆うと共に第2磁性層11bの端部を覆うように、第2コイル導体層210bを印刷して乾燥する。そして、第2コイル導体層210bの幅方向の両端部に覆い重なるように、第2コイル導体層210bの幅方向外側に、ペースト状の第3磁性層11cを印刷して乾燥する。
さらに、第2コイル導体層210bの上面を覆うと共に第3磁性層11cの端部を覆うように、第3コイル導体層210cを印刷して乾燥する。そして、第3コイル導体層210cの幅方向の両端部に覆い重なるように、第3コイル導体層210cの幅方向外側に、ペースト状の第4磁性層11dを印刷して乾燥する。このように、第1コイル導体層210a、第2コイル導体層120bおよび第3コイル導体層210cを積層して、1層目のコイル配線21を形成する。
図4Cに示すように、第3コイル導体層210c上に第3コイル導体層210cの幅方向外側に延在する非磁性層12を印刷して乾燥する。つまり、非磁性層12は、第3コイル導体層210cの上面を覆うと共に第4磁性層11dの端部を覆う。このとき、第3コイル導体層210cの幅方向の両端部と非磁性層12との間に第4磁性層11dが介在している。
そして、非磁性層12の幅方向の両端部に重なるように、非磁性層12の幅方向外側に、第5磁性層11eを印刷して乾燥する。このとき、第5磁性層11eは、第3コイル導体層210cの幅方向の外側に位置する。
図4Dに示すように、非磁性層12上に非磁性層12の幅方向の両端部よりも内側に第4コイル導体層210dを印刷して乾燥する。このとき、第4コイル導体層210dの幅方向の両端部と非磁性層12との間に第5磁性層11eが介在していない。
そして、第4コイル導体層210dの幅方向の両端部に重なるように、第4コイル導体層210dの幅方向外側に、第6磁性層11fを印刷して乾燥する。
図4Eに示すように、第4コイル導体層210dの上面を覆うと共に第6磁性層11fの端部を覆うように、第5コイル導体層210eを印刷して乾燥する。そして、第5コイル導体層210eの幅方向の両端部に覆い重なるように、第5コイル導体層210eの幅方向外側に、ペースト状の第7磁性層11gを印刷して乾燥する。
さらに、第5コイル導体層210eの上面を覆うと共に第7磁性層11gの端部を覆うように、第6コイル導体層210fを印刷して乾燥する。そして、第6コイル導体層210fの幅方向の両端部に覆い重なるように、第6コイル導体層210fの幅方向外側に、ペースト状の第8磁性層11hを印刷して乾燥する。このように、第4コイル導体層210d、第5コイル導体層120eおよび第6コイル導体層210fを積層して、2層目のコイル配線21を形成する。
その後、同様の工程を繰り返して全ての層を積層し、積層方向にプレスしてから焼成して、図2に示す積層インダクタ部品1を製造する。
前記実施形態では、コイル配線を3層設けているが、コイル配線を2層または4層以上設けてもよい。
前記実施形態では、コイル配線は3層のコイル導体層から構成されているが、1層のコイル導体層から構成されていてもよく、または、2層または4層以上のコイル導体層から構成されていてもよい。
前記実施形態では、第1コイル配線上に非磁性層を印刷し、非磁性層の幅方向の両端部に重なるように磁性層を印刷し、その後、非磁性層上に第2コイル配線を印刷し、第2コイル配線の幅方向外側に磁性層を印刷しているが、第1コイル配線上に非磁性層を印刷し、非磁性層上に第2コイル配線を印刷してから、第2コイル配線の幅方向外側に磁性層を印刷するようにしてもよい。つまり、図4Eに示すように、第6磁性層11fを設ける際に第5磁性層11eを同時に設けるようにしてもよい。
前記実施形態では、積層方向に隣接する全ての組のコイル配線間に、非磁性層を配置しているが、少なくとも1組のコイル配線間に、非磁性層を配置するようにしてもよい。
(実施例)
まず、Ni−Cu−Zn−Feを主成分とした磁性材料もしくはCu−Zn−Feを主成分とした非磁性材料を含む有機セラミックグリーンシートを作製し、その35μmシートを5枚程度積重ね下外層とした。なお、外層の作製方法は印刷で形成してもよい。
また、下外層の上に、スクリーン版を用いて、コイル導体層と磁性層の印刷を繰り返し行った。なお、スクリーン版として、以下の仕様のものを用いることで、1回の印刷の厚みを25μmとした。
コイル導体層の幅は471μmであり、L方向のサイドギャップは1.014mmである。一つの製品サイズにおいて、L寸法は4.03mmであり、W寸法は3.18mmである。コイル導体層と磁性層の重なりは片側35μmである。コイル導体層に重なる磁性層の印刷を10回繰り返す。
その後、コイル導体層間に非磁性層と磁性層を重ねて印刷をおこなうが、非磁性層の線幅を681μmとし、非磁性層に重なる磁性層の重なり部を、コイル導体層に重なる磁性層の重なり部より外に配置する構造とし、1回の印刷の厚みを23μmとした。これらの印刷を繰り返すことで、複数のコイル導体層からなるコイルを含む印刷ブロックを得た。
その後、下外層と同様の方法で形成した上外層を印刷ブロックの上に載せ、静水圧プレス(WIP)を用いて40℃、60MPaで45秒圧着して、ブロック体を形成した。その後、ブロック体をダイサーによりチップに分割し、バリ取りをした後、そのチップを脱バインダー後焼成して焼結体とし、その後外部電極を形成した。外部電極の表面にNiめっき後Snめっきをして、積層インダクタ部品の完成品を得た。
この積層インダクタ部品では、焼成後の非磁性層の欠陥(クラック)の発生率を、n=50/50(50個中50個の欠陥)からn=0/50(50個中0個の欠陥)に減少させることができ、非磁性層の上下のコイル導体層のショートも発生しなくなった。さらに、非磁性層と磁性層の重なる部分においても欠陥(クラック)の発生はみられなかった。
1 積層インダクタ部品
10 素体
11 磁性層
12 非磁性層
20 コイル
21 コイル配線
21A 下コイル配線
21B 上コイル配線
210 コイル導体層
30 第1外部電極
40 第2外部電極
A,B オーバーラップ部
C クラック
D 積層方向

Claims (7)

  1. 磁性層および非磁性層を積層方向に積層して構成される素体と、
    前記素体内に設けられ、螺旋状に巻回されたコイルと
    を備え、
    前記コイルは、平面状に巻回された複数のコイル配線を前記積層方向に積層して構成され、
    前記非磁性層は、前記積層方向に隣接する上下のコイル配線間に配置されると共に前記上下のコイル配線の幅方向外側に延在し、
    前記非磁性層と前記下コイル配線は、前記下コイル配線の幅方向の両端部と前記非磁性層との間に前記磁性層が介在している状態で、互いに接触し、
    前記非磁性層と前記上コイル配線は、前記上コイル配線の幅方向の両端部と前記非磁性層との間に前記磁性層が介在していない状態で、互いに接触している、積層インダクタ部品。
  2. 前記コイル配線は、互いに面接触して前記積層方向に積層された複数のコイル導体層から構成されている、請求項1に記載の積層インダクタ部品。
  3. 前記積層方向に接触する上下のコイル導体層において、前記上コイル導体層の幅方向の両端部と前記下コイル導体層の幅方向の両端部との間に、前記磁性層が介在している、請求項2に記載の積層インダクタ部品。
  4. 第1コイル配線を印刷し、前記第1コイル配線の幅方向の両端部に重なるように、前記第1コイル配線の幅方向外側に、磁性層を印刷する第1工程と、
    前記第1コイル配線上に前記第1コイル配線の幅方向外側に延在する非磁性層を印刷する第2工程と、
    前記非磁性層上に前記非磁性層の幅方向の両端部よりも内側に第2コイル配線を印刷し、前記第2コイル配線の幅方向の両端部に重なるように、前記第2コイル配線の幅方向外側に、磁性層を印刷する第3工程と
    を備える、積層インダクタ部品の製造方法。
  5. 前記第2工程と前記第3工程との間に、前記非磁性層の幅方向の両端部に重なるように、前記非磁性層の幅方向外側に、磁性層を印刷する工程を有する、請求項4に記載の積層インダクタ部品の製造方法。
  6. 前記第1工程では、第1コイル導体層を印刷し、前記第1コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第1コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
    前記第1コイル導体層上に第2コイル導体層を印刷し、前記第2コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第2コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
    前記第1コイル導体層および前記第2コイル導体層を積層して前記第1コイル配線を形成する、請求項4または5に記載の積層インダクタ部品の製造方法。
  7. 前記第3工程では、前記非磁性層上に第1コイル導体層を印刷し、前記第1コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第1コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
    前記第1コイル導体層上に第2コイル導体層を印刷し、前記第2コイル導体層の幅方向の両端部に重なるように、前記第2コイル導体層の幅方向外側に、磁性層を印刷し、
    前記第1コイル導体層および前記第2コイル導体層を積層して前記第2コイル配線を形成する、請求項4から6の何れか一つに記載の積層インダクタ部品の製造方法。
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