JP2018195851A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素欠損の低減された酸化物半導体膜を用いたトランジスタを提供する。または、高い動作速度を有する半導体装置を提供する。または、信頼性の高い半導体装置を提供する。または、微細な構造を有する半導体装置を提供する。【解決手段】酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜と重なるゲート電極と、酸化物半導体膜およびゲート電極の間のゲート絶縁膜と、酸化物半導体膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜の上方に配置し、リンまたはホウ素を含む領域を有する保護絶縁膜と、を有する半導体装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、物、方法、または、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、マシン
、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。特に
、本発明は、例えば、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置に関する。または
、半導体膜、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置の製造方法に関する。また
は、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置の駆動方法に関する。または、本発
明は、当該半導体装置、当該表示装置、または当該発光装置を有する電子機器などに関す
る。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能し得る装置
全般をいい、電気光学装置、半導体回路および電子機器などは全て半導体装置である。
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体膜を用いて、トランジスタを構成する技術が
注目されている。当該トランジスタは集積回路や表示装置のような半導体装置に広く応用
されている。トランジスタに適用可能な半導体膜としてシリコン膜が知られている。
トランジスタの半導体膜に用いられるシリコン膜は、用途によって非晶質シリコン膜と多
結晶シリコン膜とが使い分けられている。例えば、大型の表示装置を構成するトランジス
タに適用する場合、大面積基板への成膜技術が確立されている非晶質シリコン膜を用いる
と好適である。一方、駆動回路を一体形成した高機能の表示装置を構成するトランジスタ
に適用する場合、高い電界効果移動度を有するトランジスタを作製可能な多結晶シリコン
膜を用いると好適である。多結晶シリコン膜は、非晶質シリコン膜に対し高温での熱処理
、またはレーザ光処理を行うことで形成する方法が知られる。
近年は、酸化物半導体膜(代表的にはインジウム、ガリウムおよび亜鉛を有する酸化物半
導体膜)を用いたトランジスタが注目されている。
酸化物半導体膜は、スパッタリング法などを用いて成膜できるため、大型の表示装置を構
成するトランジスタに用いることができる。また、酸化物半導体膜を用いたトランジスタ
は、高い電界効果移動度を有するため、駆動回路を一体形成した高機能の表示装置を実現
できる。また、非晶質シリコン膜を用いたトランジスタの生産設備の一部を改良して利用
することが可能であるため、設備投資を抑えられるメリットもある。
酸化物半導体膜を用いたトランジスタに安定した電気特性を与える方法として、酸化物半
導体膜と接する絶縁膜への酸素ドーピング技術が開示されている(特許文献1参照。)。
特許文献1に開示された技術を用いることで、酸化物半導体膜中の酸素欠損を低減するこ
とができる。その結果、酸化物半導体膜を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを低
減し、信頼性を向上させることができる。
ところで、酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、オフ状態において極めてリーク電流
が小さいことが知られている。例えば、酸化物半導体膜を用いたトランジスタの低いリー
ク特性と、シリコンを用いたトランジスタの高いオン特性を組み合わせた低消費電力の半
導体装置などが開示されている(特許文献2参照。)。また、例えば、酸化物半導体膜を
用いたトランジスタの低いリーク特性を応用した低消費電力のCPUなどが開示されてい
る(特許文献3参照。)。
特開2011−243974号公報 特開2011−171702号公報 特開2012−257187号公報
酸化物半導体膜を用いたトランジスタにおいては、酸素は電気特性を向上させる元素であ
る。
そこで、酸素欠損の低減された酸化物半導体膜を用いたトランジスタを提供することを課
題の一とする。
または、電気特性の優れたトランジスタを提供することを課題の一とする。または、微細
な構造を有するトランジスタを提供することを課題の一とする。または、オン電流の高い
トランジスタを提供することを課題の一とする。または、電気特性の安定したトランジス
タを提供することを課題の一とする。
または、オフ電流の小さい、トランジスタを提供することを課題の一とする。または、当
該トランジスタを有する半導体装置などを提供することを課題の一とする。または、新規
な半導体装置などを提供することを課題の一とする。
または、絶縁膜中に酸素の拡散係数の異なる領域を作り分けることを課題の一とする。
なお、当該半導体装置は、高い信頼性を有する。一方、酸素は、配線に用いられる金属膜
の抵抗を高め、半導体装置の高速動作を妨げる場合がある。
そこで、高い動作速度を有する半導体装置を提供することを課題の一とする。または、信
頼性の高い半導体装置を提供することを課題の一とする。または、微細な構造を有する半
導体装置を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
酸素の拡散係数が大きい絶縁膜であっても、当該絶縁膜中に不純物を添加することにより
、酸素の拡散係数の小さい領域、即ち酸素をブロックする領域(酸素ブロック領域ともい
う。)を形成することができる場合がある。例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン
膜などに代表される酸化物の絶縁膜に対し、リンまたはホウ素を添加すると、絶縁膜中に
酸素ブロック領域を形成することができる。
酸素ブロック領域は、例えば、そのほかの領域に対して酸素(酸素原子および酸素原子を
有する分子などを含む)の拡散係数が小さい領域である。したがって、絶縁膜中で酸素を
熱拡散させるとき、酸素ブロック領域は、そのほかの領域よりも酸素が透過(通過)する
量の少ない領域である。例えば、酸素ブロック領域を有することで、酸素ブロック領域を
有さない場合と比べ、酸素の透過する割合を20%未満、15%未満、10%未満、5%
未満、2%未満または1%未満とすることができる。
酸素ブロック領域を半導体装置の一部に有することにより、酸化物半導体膜の酸素欠損を
低減できる場合がある。
また、酸化物半導体膜を用いたトランジスタを有する半導体装置において、酸化物半導体
膜を用いたトランジスタには酸素を到達させ、配線には酸素を到達させないことができる
場合がある。また、シリコンを用いたトランジスタにおいては、酸素は電気特性を低下さ
せる元素である。したがって、酸化物半導体膜を用いたトランジスタと、シリコンを用い
たトランジスタとを組み合わせた半導体装置においては、酸化物半導体膜を用いたトラン
ジスタには酸素を到達させ、シリコンを用いたトランジスタには酸素を到達させないこと
ができる場合がある。
酸素ブロック領域を有することにより、例えば、酸化物半導体膜から酸素が脱離し、半導
体装置の外部まで拡散(外方拡散ともいう。)することや、半導体装置を構成する配線ま
で到達すること、シリコンを用いたトランジスタまで到達することなどを抑制できる場合
がある。または、酸素ブロック領域を有することにより、酸化物半導体膜と接する膜など
に過剰酸素が含まれる場合、外方拡散や半導体装置を構成する配線まで到達すること、シ
リコンを用いたトランジスタまで到達することなどによる過剰酸素の損失を低減し、酸化
物半導体膜への過剰酸素の供給を効率よく行うことができる場合がある。
過剰酸素とは、例えば、熱が加わることにより放出可能な(放出する)酸素をいう。また
、熱は、半導体装置の作製工程中に加わる熱をいう。つまり、本明細書において過剰酸素
は、半導体装置の作製工程中に加わる温度以下の熱によって放出される酸素である。なお
、過剰酸素は、例えば、膜や層の内部を移動することができる。過剰酸素の移動は、膜や
層の原子間を移動する場合と、膜や層を構成する酸素と置き換わりながら玉突き的に移動
する場合とがある。
過剰酸素を含む膜は、表面温度が100℃以上700℃以下、好ましくは100℃以上5
00℃以下の範囲で行われる昇温脱離ガス分光法(TDS:Thermal Desor
ption Spectroscopy)において、1×1018atoms/cm
上、1×1019atoms/cm以上または1×1020atoms/cm以上の
酸素(酸素原子数に換算)を放出することもある。
または、過剰酸素を含む膜は、過酸化ラジカルを含む膜である。具体的には、過酸化ラジ
カルに起因するスピン密度が、5×1017個/cm以上である膜をいう。なお、過酸
化ラジカルを含む膜は、電子スピン共鳴(ESR:Electron Spin Res
onance)にて、g値が2.01近傍に非対称の信号を有することもある。
本発明の一態様は、例えば、基板上の、リンまたはホウ素を含む領域、ならびにリンおよ
びホウ素を含まない領域を有する下地絶縁膜と、下地絶縁膜のリンおよびホウ素を含まな
い領域上の酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜上のゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上にあ
り、酸化物半導体膜と重なるゲート電極と、を有する半導体装置である。
なお、下地絶縁膜は加熱により放出可能な酸素を有すると好ましい。また、酸化物半導体
膜、ゲート絶縁膜およびゲート電極の上方に保護絶縁膜を有し、保護絶縁膜は、リンまた
はホウ素を含む領域を有すると好ましい。また、ゲート絶縁膜は、リンまたはホウ素を含
む領域、ならびにリンおよびホウ素を含まない領域を有すると好ましい。また、ゲート電
極は、ゲート絶縁膜のリンおよびホウ素を含まない領域上に配置すると好ましい。
または、本発明の一態様は、例えば、酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜と重なるゲート
電極と、酸化物半導体膜およびゲート電極の間のゲート絶縁膜と、酸化物半導体膜、ゲー
ト電極、ゲート絶縁膜の上方に配置し、リンまたはホウ素を含む領域を有する保護絶縁膜
と、を有する半導体装置である。
なお、保護絶縁膜は加熱により放出可能な酸素を有すると好ましい。また、ゲート絶縁膜
は、リンまたはホウ素を含む領域、ならびにリンおよびホウ素を含まない領域を有すると
好ましい。また、ゲート電極は、ゲート絶縁膜のリンおよびホウ素を含まない領域上に配
置すると好ましい。
または、本発明の一態様は、例えば、酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜と重なるゲート
電極と、酸化物半導体膜およびゲート電極の間のゲート絶縁膜と、酸化物半導体膜と接す
るソース電極およびドレイン電極と、酸化物半導体膜、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソー
ス電極、ドレイン電極の上方に配置し、ソース電極およびドレイン電極に達する開口部を
有し、リンまたはホウ素を含む領域を有する保護絶縁膜と、保護絶縁膜上にあり、開口部
を介してソース電極およびドレイン電極のそれぞれと接する第1の配線および第2の配線
を有する半導体装置である。
なお、保護絶縁膜は、開口部の側面近傍にリンまたはホウ素を含む領域を有すると好まし
い。また、保護絶縁膜は加熱により放出可能な酸素を有すると好ましい。
または、本発明の一態様は、例えば、基板上の下地絶縁膜と、下地絶縁膜上の島状の酸化
物半導体膜と、島状の酸化物半導体膜上のゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上にあり、島状
の酸化物半導体膜と重なるゲート電極と、を有する半導体装置の作製方法であって、基板
上に下地絶縁膜を成膜し、下地絶縁膜上に酸化物半導体膜を成膜し、酸化物半導体膜上に
レジストマスクを形成し、レジストマスクを用いて酸化物半導体膜をエッチングすること
で、島状の酸化物半導体膜を形成した後、レジストマスクを用いて下地絶縁膜にリンまた
はホウ素を添加し、レジストマスクを除去する半導体装置の作製方法である。
なお、リンまたはホウ素の添加は、イオンドーピング法またはイオン注入法により行うと
好ましい。このとき、例えば、リンまたはホウ素の添加は、入射角度を変えて、複数回行
ってもよい。または、例えば、リンまたはホウ素の添加は、基板を回転させながら行って
もよい。
または、本発明の一態様は、例えば、シリコンを用いた第1のトランジスタと、第1のト
ランジスタ上の、リンまたはホウ素を含む領域を有する絶縁膜と、絶縁膜上の酸化物半導
体膜を用いた第2のトランジスタと、を有する半導体装置である。
なお、絶縁膜は加熱により放出可能な酸素を有すると好ましい。
または、本発明の一態様は、例えば、シリコンを用いた第1のトランジスタと、第1のト
ランジスタ上に配置し、第1のトランジスタに達する開口部を有する第1の絶縁膜と、第
1の絶縁膜上に配置し、第1の絶縁膜の開口部を介して第1のトランジスタと接続する導
電膜と、第1の絶縁膜上および導電膜上に配置し、配線に達する開口部を有する第2の絶
縁膜と、第2の絶縁膜上に配置し、第2の絶縁膜の開口部を介して導電膜と接続する、酸
化物半導体膜を用いた第2のトランジスタと、を有し、第2の絶縁膜はリンまたはホウ素
を含む領域を有する半導体装置である。
なお、第2の絶縁膜は加熱により放出可能な酸素を有すると好ましい。
なお、第1の絶縁膜は、開口部の側面近傍にリンまたはホウ素を含むと好ましい。
なお、第2の絶縁膜は、開口部の側面近傍にリンまたはホウ素を含むと好ましい。
酸素欠損の低減された酸化物半導体膜を用いたトランジスタを提供することができる。
または、電気特性の優れたトランジスタを提供することができる。または、微細な構造を
有するトランジスタを提供することができる。または、オン電流の高いトランジスタを提
供することができる。または、電気特性の安定したトランジスタを提供することができる
または、オフ電流の小さいトランジスタを提供することができる。または、高い電界効果
移動度を有するトランジスタを提供することができる。または、歩留まり高いトランジス
タを提供することができる。または、当該トランジスタを有する半導体装置などを提供す
ることができる。または、高い動作速度を有する半導体装置を提供することができる。ま
たは、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。または、微細な構造を有する半
導体装置を提供することができる。または、新規な半導体装置などを提供することができ
る。
半導体装置内部における過剰酸素の拡散について説明する断面模式図。 イオンの入射を説明する図。 本発明の一態様に係る半導体装置の一例を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の一例を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の一例を示す上面図および断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係るCPUの一例を示すブロック図。 本発明の一態様に係る電子機器の一例を示す図。 TDSによる基板温度とイオン強度との関係を示す図。 リンイオン注入濃度と酸素放出量との関係を示す図。 エッチング深さと酸素放出量との関係を示す図。 TDSによる基板温度とイオン強度との関係を示す図。 本発明の一態様に係る半導体装置の一例を示す断面図。 半導体装置内部における酸素の拡散について説明する断面模式図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法の一例を示す断面図。 本発明の一態様に係る半導体装置の一例を示す回路図およびタイミングチャート。 本発明の一態様に係る半導体装置の一例を示すブロック図および回路図。 トランジスタのオフ電流を測定するための回路構成を説明する図。 トランジスタのオフ電流の温度特性。
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説
明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に
理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるもの
ではない。なお、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異
なる図面間でも共通して用いる。なお、同様のものを指す際にはハッチパターンを同じく
し、特に符号を付さない場合がある。
なお、図において、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場
合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)
との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である
本明細書においては、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路に
おいては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順または積層順
を示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと
適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本
発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
本明細書において、例えば、物体の形状を「径」、「粒径」、「大きさ」、「サイズ」、
「幅」などで規定する場合、物体が収まる最小の立方体における一辺の長さ、または物体
の一断面における円相当径と読み替えてもよい。物体の一断面における円相当径とは、物
体の一断面と等しい面積となる正円の直径をいう。
なお、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分低い場合は「絶縁体」とし
ての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「絶縁体」は境界が曖昧であり、厳密
に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「絶縁体」と
言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「絶縁体」は、「半導体
」と言い換えることができる場合がある。
また、「半導体」と表記した場合でも、例えば、導電性が十分高い場合は「導電体」とし
ての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」は境界が曖昧であり、厳密
に区別できない場合がある。したがって、本明細書に記載の「半導体」は、「導電体」と
言い換えることができる場合がある。同様に、本明細書に記載の「導電体」は、「半導体
」と言い換えることができる場合がある。
また、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で
配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、
「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう
。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
<酸素の挙動について1>
以下では、半導体装置内部における過剰酸素の挙動について図1を用いて説明する。
図1(A)は、絶縁膜52と、絶縁膜52上の島状の酸化物半導体膜56と、絶縁膜52
および酸化物半導体膜56上の絶縁膜68と、を有する試料の断面模式図である。図1(
A)に示す試料において、絶縁膜52は過剰酸素(図中ではex−Oと表記する。)を含
む絶縁膜とする。
絶縁膜52としては、酸化物膜、酸化窒化物膜などを用いることができる。例えば、絶縁
膜52としては、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などを用いればよい。ただし
、本明細書において、酸化窒化物膜とは、窒素を0.1atomic%以上25atom
ic%未満含む酸化物膜をいう。なお、窒化酸化物膜とは、酸素を0.1atomic%
以上25atomic%未満含む窒化物膜をいう。
酸化物半導体膜56および絶縁膜68については、冗長になるため、それぞれ後述する酸
化物半導体膜106および保護絶縁膜118についての記載を参照することとし、ここで
の説明を省略する。
熱が加わると、絶縁膜52中を過剰酸素が拡散する。例えば、絶縁膜52中を拡散した過
剰酸素は、絶縁膜52と酸化物半導体膜56との界面に達すると、酸化物半導体膜56中
の酸素欠損を埋めることができる。酸化物半導体膜56中の酸素欠損が低減されることで
、酸化物半導体膜56中の酸素欠損に起因する欠陥準位の密度を小さくすることができる
ところが、絶縁膜52中を拡散する過剰酸素の全てが、絶縁膜52と酸化物半導体膜56
との界面に達するわけではない。例えば、絶縁膜52中を拡散した過剰酸素は、絶縁膜6
8を介して外方拡散してしまう場合がある。または、例えば、絶縁膜52中を拡散した過
剰酸素は、半導体装置を構成する配線などと反応し、配線抵抗を高めてしまう場合がある
したがって、図1(A)に示す試料構造は、過剰酸素の活用が効率的ではない可能性があ
る。
図1(B)および図1(C)に、効率的に過剰酸素を活用することができる試料構造の一
例を示す。
図1(B)は、図1(A)に示した試料と類似の構造を有する試料である。ただし、図1
(B)に示す試料は、絶縁膜52が、絶縁膜68の近傍に領域53を有する点が異なる。
図1(B)に示す試料において、絶縁膜52は過剰酸素を含む絶縁膜とする。領域53は
、絶縁膜52の上面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上150n
m以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域である。なお、
領域53が、深さ方向において絶縁膜52の全体に設けられていても構わない。
領域53は、酸素ブロック領域である。例えば、絶縁膜52に、ホウ素、炭素、マグネシ
ウム、アルミニウム、シリコン、リン、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム
、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、イット
リウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、
ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンから選択された一種以上を添加すると、
酸素ブロック領域である領域53を形成することができる場合がある。上述の不純物は、
金属を高抵抗化させる要因となりにくい。なお、絶縁膜52に、リンまたはホウ素を添加
すると、酸素ブロック性の高い(酸素の拡散係数が小さい)、特に良質な領域53を形成
することができる。領域53は、例えば、絶縁膜52中に、上述の不純物元素を5×10
19atoms/cm以上、好ましくは1×1020atoms/cm以上、さらに
好ましくは2×1020atoms/cm以上、より好ましくは5×1020atom
s/cm以上含む領域である。
図1(B)に示す試料における過剰酸素の挙動を以下に示す。
熱が加わると、絶縁膜52中を過剰酸素が拡散する。絶縁膜52中を拡散した過剰酸素は
、絶縁膜52と酸化物半導体膜56との界面に達すると、酸化物半導体膜56中の酸素欠
損を埋めることができる。
絶縁膜52中を拡散する過剰酸素は、領域53を透過しにくいため、絶縁膜52と酸化物
半導体膜56との界面に達する過剰酸素の割合は高くなる。したがって、効率的に酸化物
半導体膜56中の酸素欠損を埋めることができる。また、例えば、絶縁膜52中を拡散し
た過剰酸素が、絶縁膜68を介して外方拡散することを抑制することができる。または、
例えば、絶縁膜52中を拡散した過剰酸素が、半導体装置を構成する配線などと反応し、
配線抵抗を高めることを抑制することができる。
したがって、図1(B)に示す試料は、過剰酸素の効率的な活用が可能な構造であること
がわかる。
同様に、図1(C)は、図1(A)に示した試料と類似の構造を有する試料である。ただ
し、図1(C)に示す試料は、絶縁膜68が領域69を有する点が異なる。図1(C)に
示す試料において、絶縁膜68は過剰酸素を含む絶縁膜とする。領域69は、絶縁膜68
の上面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上150nm以下、さら
に好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域である。
領域69は、酸素ブロック領域である。例えば、絶縁膜68に、ホウ素、炭素、マグネシ
ウム、アルミニウム、シリコン、リン、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム
、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、イット
リウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、
ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンから選択された一種以上を添加すると、
酸素ブロック領域である領域69を形成することができる場合がある。なお、絶縁膜68
に、リンまたはホウ素を添加すると、酸素ブロック性の高い、特に良質な領域69を形成
することができる。領域69は、例えば、絶縁膜68中に、上述の不純物元素を5×10
19atoms/cm以上、好ましくは1×1020atoms/cm以上、さらに
好ましくは2×1020atoms/cm以上、より好ましくは5×1020atom
s/cm以上含む領域である。
図1(C)に示す試料における過剰酸素の挙動を以下に示す。
熱が加わると、絶縁膜68中を過剰酸素が拡散する。絶縁膜68中を拡散した過剰酸素は
、絶縁膜68と酸化物半導体膜56との界面に達すると、酸化物半導体膜56中の酸素欠
損を埋めることができる。
絶縁膜68中を拡散する過剰酸素は、領域69を透過しにくいため、絶縁膜68と酸化物
半導体膜56との界面に達する過剰酸素の割合は高くなる。したがって、効率的に酸化物
半導体膜56中の酸素欠損を埋めることができる。また、例えば、絶縁膜68中を拡散し
た過剰酸素が、外方拡散することを抑制することができる。または、例えば、絶縁膜68
中を拡散した過剰酸素が、半導体装置を構成する配線などと反応し、配線抵抗を高めるこ
とを抑制することができる。
したがって、図1(C)に示す試料は、過剰酸素の効率的な活用が可能な構造であること
がわかる。
図示しないが、図1(B)に示した試料構造と、図1(C)に示した試料構造を組み合わ
せても構わない。例えば、絶縁膜52および絶縁膜68の両方が過剰酸素を含む絶縁膜で
あってもよい。または、例えば、絶縁膜52が絶縁膜68の近傍に領域53を有し、かつ
絶縁膜68が領域69を有する構造であってもよい。
<酸素の挙動について2>
次に、半導体装置内部の一部分における過剰酸素および酸素の挙動について図27を用い
て説明する。
図27(A)は、絶縁膜と、絶縁膜上の金属膜と、を有する試料の断面模式図である。絶
縁膜は過剰酸素を含む絶縁膜とする。
図27(A)に示す試料は、絶縁膜中の金属膜の近傍に酸素ブロック領域を有する。その
ため、絶縁膜中を拡散した過剰酸素が、金属膜に達することを抑制できる。なお、試料が
酸素ブロック領域を有さない場合、過剰酸素が金属膜に達することで金属膜を酸化させ、
高抵抗化させる場合がある。
図27(B)は、絶縁膜と、絶縁膜上の島状の酸化物半導体膜と、を有する試料の断面模
式図である。絶縁膜は過剰酸素を含む絶縁膜とする。
図27(B)に示す試料は、絶縁膜中の酸化物半導体膜の設けられていない領域に酸素ブ
ロック領域を有する。そのため、絶縁膜中を拡散した過剰酸素が、外方拡散することを抑
制できる。また、絶縁膜中を拡散した過剰酸素が、酸化物半導体膜中の酸素欠損を埋める
ことができる。なお、試料が酸素ブロック領域を有さない場合、過剰酸素が外方拡散する
ことで酸化物半導体膜中の酸素欠損を埋めるための過剰酸素が不足する場合がある。
図27(C)は、金属膜と、金属膜上の絶縁膜と、を有する試料の断面模式図である。絶
縁膜は過剰酸素を含む絶縁膜とする。
図27(C)に示す試料は、絶縁膜中の金属膜の近傍に酸素ブロック領域を有する。その
ため、絶縁膜中を拡散した過剰酸素が、金属膜に達することを抑制できる。なお、試料が
酸素ブロック領域を有さない場合、過剰酸素が金属膜に達することで金属膜を酸化させ、
高抵抗化させる場合がある。
図27(D)は、トランジスタと、トランジスタ上の絶縁膜と、を有する試料の断面模式
図である。トランジスタは、酸素が入ることで電気特性が低下するトランジスタとする。
図27(D)に示す試料は、絶縁膜中の上部に酸素ブロック領域を有する。そのため、外
部から来る酸素(図中ではOと表記する。)が、トランジスタに達することを抑制できる
。なお、試料が酸素ブロック領域を有さない場合、酸素がトランジスタに達することで電
気特性を低下させる場合がある。
以上に示したように、半導体装置内部の一部分を示す各試料において、半導体装置の電気
特性を低下させないために、酸素ブロック領域が有効であることがわかる。
<酸素ブロック領域の形成方法>
以下では、図1または図27などに領域53や領域69などで示した酸素ブロック領域を
形成することが可能な方法について図2を用いて説明する。
以下では、図1(B)を参照し、代表として絶縁膜52に領域53を形成する場合につい
て説明する。
まず、絶縁膜52を成膜する。
次に、酸化物半導体膜56となる酸化物半導体膜を成膜する。
次に、酸化物半導体膜上にレジストを成膜する。レジストを、フォトマスクを介して露光
した後、現像することでレジストマスクを形成する。
次に、レジストマスクを用いて酸化物半導体膜をエッチングし、酸化物半導体膜56を形
成する。
次に、レジストマスクを残したまま、不純物を絶縁膜52に添加することで領域53を形
成する。このように、レジストマスクを残しておくことで、酸化物半導体膜56の上面に
不純物が添加されることを抑制することができる。ただし、酸化物半導体膜56の上面を
後の工程で除去する場合などは、レジストマスクを除去した後で絶縁膜52および酸化物
半導体膜56に不純物を添加しても構わない。
絶縁膜52に添加する不純物としては、例えば、ホウ素、炭素、マグネシウム、アルミニ
ウム、シリコン、リン、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マン
ガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、イットリウム、ジルコ
ニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、スズ、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフ
ニウム、タンタル、タングステンから選択された一種以上を用いればよい。なお、絶縁膜
52に、リンまたはホウ素を添加すると、酸素ブロック性の高い、特に良質な領域53を
形成することができる。
絶縁膜52への不純物の添加は、イオンドーピング法(質量分離を行わない方法)、イオ
ン注入法(質量分離を行う方法)などを用いればよい。また、原子または分子のクラスタ
ーを生成してイオン化するイオンドーピング法またはイオン注入法を用いてもよい。ただ
し、不純物元素を含む雰囲気におけるプラズマ処理などによって、絶縁膜52に不純物を
添加しても構わない。
イオンドーピング法またはイオン注入法を用いて、絶縁膜52に領域53を形成する場合
、例えば、イオンドーピング法またはイオン注入法における加速電圧は、0.5kV以上
100kV以下、好ましくは1kV以上50kV以下、さらに好ましくは1kV以上30
kV以下、より好ましくは1kV以上10kV以下とする。また、イオンの注入濃度は、
1×1015atoms/cm以上、好ましくは2×1015atoms/cm以上
、さらに好ましくは5×1015atoms/cm以上、より好ましくは1×1016
atoms/cm以上、より好ましくは2×1016atoms/cm以上とする。
イオンドーピング法またはイオン注入法によるイオンの添加は、試料面に対して特定の角
度(例えば、垂直な角度)から行ってもよいが、図2に示す方法で行うと好ましい。図2
は、一つのイオンが、試料面に対し、角度(θ)および角度(φ)で入射する様子を簡略
的に示した図である。
図中のx軸、y軸およびz軸は、あるイオンの入射点で交差する直線である。x軸は、試
料面上に任意に定めた直線である。y軸は、試料面上にあり、x軸と直交する直線である
。z軸は、入射点における試料面の法線である。角度(θ)は、断面図において、イオン
の入射方向とz軸との為す角度である。また、角度(φ)は、上面図において、イオンの
入射方向とx軸との為す角度である。
試料面に対して特定の角度(θ,φ)のみからイオンを入射させた場合、イオンの添加さ
れない領域が生じる場合がある。例えば、絶縁膜52上には、酸化物半導体膜56および
レジストマスクが設けられている。そのため、これらによって絶縁膜52の一部にイオン
の添加されない陰が生じる場合がある。したがって、イオンを複数の角度から入射させる
ことにより、絶縁膜52に生じる陰の影響を低減することが好ましい。
図2(A1)および図2(A2)に示すように、イオンを試料面に対し、第1の角度(θ
,φ)で入射させた後、第2の角度(θ,φ)で入射させればよい。ただし、第1の角度
(θ,φ)および第2の角度(θ,φ)はθ、φの少なくとも一方が異なる角度である。
第1の角度(θ,φ)において、角度(θ)は、例えば、0°以上90°未満、好ましく
は30°以上88°以下、さらに好ましくは60°以上85°以下とする。第2の角度(
θ,φ)において、角度(θ)は、例えば、0°以上90°未満、好ましくは30°以上
88°以下、さらに好ましくは60°以上85°以下とする。第2の角度(θ,φ)にお
ける角度(φ)は、例えば、第1の角度(θ,φ)における角度(φ)よりも90°以上
270°以下、好ましくは135°以上225°以下大きい角度とする。ただし、ここで
示した第1の角度(θ,φ)および第2の角度(θ,φ)は一例であり、これに限定され
るものではない。
なお、イオンを入射させる角度は、第1の角度(θ,φ)、第2の角度(θ,φ)の2種
類に限定されない。例えば、第1乃至第n(nは2以上の自然数)の角度(θ,φ)で入
射させてもよい。第1乃至第nの角度(θ,φ)は、それぞれθ、φの少なくとも一方が
異なる角度を含む。
または、図2(B)に示すように、イオンを試料面に対し、第1の角度(θ,φ)で入射
させた後、角度(θ)が90°を経由して第2の角度(θ,φ)までθ方向にスキャン(
θスキャンともいう。)させればよい。ただし、イオンを入射させる角度(φ)は、1種
類に限定されず、第1乃至第n(nは2以上の自然数)の角度(φ)で入射させてもよい
。イオンの入射角度をθスキャンさせることで、アスペクト比の高い(例えば、1以上、
2以上、5以上または10以上)開口部などであっても、深い領域まで確実にイオンを添
加することができる。そのため、隙間なく酸素ブロック領域を形成することができる。
第1の角度(θ,φ)において、角度(θ)は、例えば、0°以上90°未満、好ましく
は30°以上88°以下、さらに好ましくは60°以上85°以下とする。第2の角度(
θ,φ)において、角度(θ)は、例えば、0°以上90°未満、好ましくは30°以上
88°以下、さらに好ましくは60°以上85°以下とする。第1の角度(θ,φ)と第
2の角度(θ,φ)とは同じ角度(θ)であってもよい。
なお、θスキャンは、連続的にスキャンしてもよいが、例えば、0.5°、1°、2°、
3°、4°、5°、6°、10°、12°、18°、20°、24°または30°ステッ
プで段階的にスキャンしてもよい。
または、イオンは、図2(C)に示すように、試料面に対し、第1の角度(θ,φ)で入
射させた後、第2の角度(θ,φ)までφ方向にスキャン(φスキャンともいう。)させ
ればよい。ただし、イオンを入射させる角度(θ)は、1種類に限定されず、第1乃至第
n(nは2以上の自然数)の角度(θ)で入射させてもよい。
第1の角度(θ,φ)および第2の角度(θ,φ)において、角度(θ)は、例えば、0
°以上90°未満、好ましくは30°以上88°以下、さらに好ましくは60°以上85
°以下とする。第1の角度(θ,φ)と第2の角度(θ,φ)とは同じ角度(φ)であっ
てもよい。
なお、φスキャンは、連続的にスキャンしてもよいが、例えば、0.5°、1°、2°、
3°、4°、5°、6°、10°、12°、18°、20°、24°または30°ステッ
プで段階的にスキャンしてもよい。
なお、図示しないが、θスキャンおよびφスキャンを組み合わせて行っても構わない。
図2に示した方法を用いることで、領域53は、酸化物半導体膜56と重ならない領域に
加え、一部が酸化物半導体膜56と重なる領域にも形成することができる。つまり、領域
53以外の領域(酸素ブロックしない領域)が、酸化物半導体膜56の設けられた領域か
らはみ出さないように領域53を形成することができる。したがって、絶縁膜52に含ま
れる過剰酸素を、酸化物半導体膜56の酸素欠損を低減するために有効活用することがで
きる。
以上のようにして、絶縁膜52に領域53を形成した後、絶縁膜52の領域53上および
酸化物半導体膜56上に絶縁膜68を成膜することで、図1(B)に示した試料構造を作
製することができる。
<トランジスタの構造および作製方法についての説明>
以下では、本発明の一態様に係るトランジスタの構造および作製方法について説明する。
<トランジスタ構造(1)>
まず、トップゲートトップコンタクト型のトランジスタの一例について説明する。
図3は、トランジスタの上面図および断面図である。図3(A)は、トランジスタの上面
図を示す。図3(A)において、一点鎖線A1−A2に対応する断面図を図3(B1)お
よび図3(B2)に示す。また、図3(A)において、一点鎖線A3−A4に対応する断
面図を図3(C)に示す。
図3(B1)および図3(B2)において、トランジスタは、基板100上の絶縁膜10
2と、絶縁膜102上の酸化物半導体膜106と、酸化物半導体膜106上のソース電極
116aおよびドレイン電極116bと、酸化物半導体膜106上、ソース電極116a
上およびドレイン電極116b上のゲート絶縁膜112と、ゲート絶縁膜112上のゲー
ト電極104と、を有する。なお、好ましくは、ソース電極116a上、ドレイン電極1
16b上、ゲート絶縁膜112上およびゲート電極104上の保護絶縁膜118と、保護
絶縁膜118上の配線126aおよび配線126bと、を有する。また、ゲート絶縁膜1
12および保護絶縁膜118は、ソース電極116aおよびドレイン電極116bにそれ
ぞれ達する開口部を有し、当該開口部を介して配線126aおよび配線126bと、ソー
ス電極116aおよびドレイン電極116bとが、それぞれ接する。なお、トランジスタ
は、絶縁膜102を有さなくても構わない場合がある。
図3(B1)および図3(B2)に示すトランジスタは、酸素ブロック領域である領域1
03、領域113、領域119のいずれか一以上を有する。酸素ブロック領域については
、前述の領域53および領域69についての記載を参照する。
領域103は、絶縁膜102の、ソース電極116a、ドレイン電極116bおよびゲー
ト絶縁膜112に接する領域である。領域103は、絶縁膜102の上面から深さ1nm
以上200nm以下、好ましくは5nm以上150nm以下、さらに好ましくは10nm
以上100nm以下に設けられる領域である。なお、領域103が、深さ方向において絶
縁膜102の全体に設けられていても構わない。また、基板100にも領域103が設け
られていても構わない。
領域113は、ゲート絶縁膜112の、保護絶縁膜118と接する領域である。領域11
3は、ゲート絶縁膜112の上面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm
以上150nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域で
ある。なお、領域113が、深さ方向においてゲート絶縁膜112の全体に設けられてい
ても構わない。また、絶縁膜102のゲート電極104、ソース電極116aおよびドレ
イン電極116bと重ならない領域にも、領域113が設けられていても構わない。
領域119は、図3(B1)に示すように、保護絶縁膜118の上部に設けられた領域で
ある。または、領域119は、図3(B2)に示すように、保護絶縁膜118の上部およ
び開口部の側部に設けられた領域である。領域119は、保護絶縁膜118の上面、また
は開口部の側面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上150nm以
下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域である。なお、領域
119が、深さ方向において保護絶縁膜118の全体に設けられていても構わない。また
、ゲート絶縁膜112のゲート電極104と重ならない領域にも、領域119が設けられ
ていても構わない。
トランジスタが領域103を有する場合、絶縁膜102に含まれる過剰酸素を酸化物半導
体膜106の酸素欠損を低減するために有効活用することができる。例えば、領域103
を有さない場合、絶縁膜102に含まれる過剰酸素が、ソース電極116aおよびドレイ
ン電極116b、ならびに配線126aおよび配線126bを酸化させることに用いられ
る場合がある。また、絶縁膜102に含まれる過剰酸素が外方拡散することで失われてし
まう場合がある。
トランジスタが領域113を有する場合でも、絶縁膜102やゲート絶縁膜112に含ま
れる過剰酸素を酸化物半導体膜106の酸素欠損を低減するために有効活用することがで
きる。例えば、領域113を有さない場合、絶縁膜102やゲート絶縁膜112に含まれ
る過剰酸素が、ソース電極116aおよびドレイン電極116b、ならびに配線126a
および配線126bを酸化させることに用いられる場合がある。また、領域113を有さ
ない場合、絶縁膜102やゲート絶縁膜112に含まれる過剰酸素が外方拡散することで
失われてしまう場合がある。なお、ゲート絶縁膜112の全ての領域が領域113であっ
てもよい。ただし、領域113とチャネル形成領域とが重ならない構造である方が、ゲー
ト絶縁膜112の領域113に起因する劣化が生じにくく、好ましい場合がある。
トランジスタが領域119を有する場合でも、絶縁膜102、ゲート絶縁膜112や保護
絶縁膜118に含まれる過剰酸素を酸化物半導体膜106の酸素欠損を低減するために有
効活用することができる。例えば、領域119を有さない場合、絶縁膜102、ゲート絶
縁膜112や保護絶縁膜118に含まれる過剰酸素が、ソース電極116aおよびドレイ
ン電極116b、ならびに配線126aおよび配線126bを酸化させることに用いられ
る場合がある。また、領域119を有さない場合、絶縁膜102、ゲート絶縁膜112や
保護絶縁膜118に含まれる過剰酸素が外方拡散することで失われてしまう場合がある。
特に、図3(B2)に示すように領域119が配置されると、配線126aおよび配線1
26bが酸化されにくいため、配線抵抗の増大が起こりにくく好ましい。
上面図である図1(A)において、酸化物半導体膜106がゲート電極104と重なる領
域におけるソース電極116aとドレイン電極116bとの間隔をチャネル長という。ま
た、チャネル長方向に対して垂直方向となる酸化物半導体膜106の長さをチャネル幅と
いう。なお、チャネル形成領域とは、酸化物半導体膜106において、ゲート電極104
と重なり、かつソース電極116aとドレイン電極116bとに挟まれる領域をいう。ま
た、チャネルとは、酸化物半導体膜106において、電流が主として流れる領域をいう。
なお、ゲート電極104は、図3(A)に示すように、上面図において酸化物半導体膜1
06が内側に含まれるように設けられる。こうすることで、ゲート電極104側から光が
入射した際に、酸化物半導体膜106中で光によってキャリアが生成されることを抑制す
ることができる。即ち、ゲート電極104は遮光膜としての機能を有する。ただし、ゲー
ト電極104の外側まで酸化物半導体膜106が設けられても構わない。
以下では、酸化物半導体膜106について説明する。
酸化物半導体膜106は、インジウムを含む酸化物である。酸化物は、例えば、インジウ
ムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、酸化物半導体膜106は
、元素Mを含むと好ましい。元素Mとして、例えば、アルミニウム、ガリウム、イットリ
ウムまたはスズなどがある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素であ
る。元素Mは、例えば、酸化物のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素であ
る。また、酸化物半導体膜106は、亜鉛を含むと好ましい。酸化物が亜鉛を含むと、例
えば、酸化物を結晶化しやすくなる。酸化物の価電子帯上端のエネルギーは、例えば、亜
鉛の原子数比によって制御できる。
ただし、酸化物半導体膜106は、インジウムを含む酸化物に限定されない。酸化物半導
体膜106は、例えば、Zn−Sn酸化物、Ga−Sn酸化物であっても構わない。
酸化物半導体膜106のチャネル形成領域において、その上下に、第1の酸化物半導体膜
および第2の酸化物半導体膜を有してもよい。なお、第2の酸化物半導体膜は、酸化物半
導体膜106とゲート絶縁膜112との間に設けられる。
第1の酸化物半導体膜は、酸化物半導体膜106を構成する酸素以外の元素一種以上、ま
たは二種以上から構成される酸化物半導体膜である。酸化物半導体膜106を構成する酸
素以外の元素一種以上、または二種以上から第1の酸化物半導体膜が構成されるため、酸
化物半導体膜106と第1の酸化物半導体膜との界面において、界面準位が形成されにく
い。
第2の酸化物半導体膜は、酸化物半導体膜106を構成する酸素以外の元素一種以上、ま
たは二種以上から構成される酸化物半導体膜である。酸化物半導体膜106を構成する酸
素以外の元素一種以上、または二種以上から第2の酸化物半導体膜が構成されるため、酸
化物半導体膜106と第2の酸化物半導体膜との界面において、界面準位が形成されにく
い。
なお、第1の酸化物半導体膜がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100
atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50ato
mic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic
%以上とする。また、酸化物半導体膜106がIn−M−Zn酸化物のとき、Inおよび
Mの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%以上、
Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%以上、Mが6
6atomic%未満とする。また、第2の酸化物半導体膜がIn−M−Zn酸化物のと
き、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50ato
mic%未満、Mが50atomic%以上、さらに好ましくはInが25atomic
%未満、Mが75atomic%以上とする。なお、第2の酸化物半導体膜は、第1の酸
化物半導体膜と同種の酸化物を用いても構わない。
ここで、第1の酸化物半導体膜と酸化物半導体膜106との間には、第1の酸化物半導体
膜と酸化物半導体膜106との混合領域を有する場合がある。また、酸化物半導体膜10
6と第2の酸化物半導体膜との間には、酸化物半導体膜106と第2の酸化物半導体膜と
の混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなる。そのため、第1
の酸化物半導体膜、酸化物半導体膜106および第2の酸化物半導体膜の積層体は、それ
ぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド
構造となる。
また酸化物半導体膜106は、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。酸化物半導
体膜106のエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましく
は2.8eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。
また、第1の酸化物半導体膜は、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。例えば、
第1の酸化物半導体膜のエネルギーギャップは、2.7eV以上4.9eV以下、好まし
くは3eV以上4.7eV以下、さらに好ましくは3.2eV以上4.4eV以下とする
また、第2の酸化物半導体膜は、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。第2の酸
化物半導体膜のエネルギーギャップは、2.7eV以上4.9eV以下、好ましくは3e
V以上4.7eV以下、さらに好ましくは3.2eV以上4.4eV以下とする。ただし
、第1の酸化物半導体膜および第2の酸化物半導体膜は、酸化物半導体膜106よりもエ
ネルギーギャップが大きい酸化物とする。
酸化物半導体膜106は、第1の酸化物半導体膜よりも電子親和力の大きい酸化物を用い
る。例えば、酸化物半導体膜106として、第1の酸化物半導体膜よりも電子親和力の0
.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ま
しくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物を用いる。なお、電子親和力は、真
空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
また、酸化物半導体膜106として、第2の酸化物半導体膜よりも電子親和力の大きい酸
化物を用いる。例えば、酸化物半導体膜106として、第2の酸化物半導体膜よりも電子
親和力の0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、
さらに好ましくは0.15eV以上0.5eV以下大きい酸化物を用いる。
このとき、ゲート電極104に電界を印加すると、第1の酸化物半導体膜、酸化物半導体
膜106、第2の酸化物半導体膜のうち、電子親和力の大きい酸化物半導体膜106にチ
ャネルが形成される。
また、トランジスタのオン電流を高くするためには、第2の酸化物半導体膜の厚さは小さ
いほど好ましい。例えば、第2の酸化物半導体膜は、10nm未満、好ましくは5nm以
下、さらに好ましくは3nm以下とする。一方、第2の酸化物半導体膜は、チャネルの形
成される酸化物半導体膜106へ、ゲート絶縁膜112を構成する酸素以外の元素(シリ
コンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、第2の酸化物半導
体膜は、ある程度の厚さを有することが好ましい。例えば、第2の酸化物半導体膜の厚さ
は、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上とする。
また、信頼性を高めるためには、第1の酸化物半導体膜は厚く、酸化物半導体膜106は
薄く、第2の酸化物半導体膜は薄く設けられることが好ましい。具体的には、第1の酸化
物半導体膜の厚さは、20nm以上、好ましくは30nm以上、さらに好ましくは40n
m以上、より好ましくは60nm以上とする。第1の酸化物半導体膜の厚さを、20nm
以上、好ましくは30nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60n
m以上とすることで、絶縁膜102と第1の酸化物半導体膜との界面からチャネルの形成
される酸化物半導体膜106までを20nm以上、好ましくは30nm以上、さらに好ま
しくは40nm以上、より好ましくは60nm以上離すことができる。ただし、半導体装
置の生産性が低下する場合があるため、第1の酸化物半導体膜の厚さは、200nm以下
、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下とする。また、酸化物半導
体膜106の厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上80nm以下、
さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
例えば、第1の酸化物半導体膜の厚さは酸化物半導体膜106の厚さより厚く、酸化物半
導体膜106の厚さは第2の酸化物半導体膜の厚さより厚くすればよい。
以下では、酸化物半導体膜106中における不純物の影響について説明する。なお、トラ
ンジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体膜106中の不純物濃度を低減
し、低キャリア密度化および高純度化することが有効である。なお、酸化物半導体膜10
6のキャリア密度は、1×1017個/cm未満、1×1015個/cm未満、また
は1×1013個/cm未満とする。酸化物半導体膜106中の不純物濃度を低減する
ためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。
例えば、酸化物半導体膜106中のシリコンは、キャリアトラップやキャリア発生源とな
る場合がある。そのため、酸化物半導体膜106と第1の酸化物半導体膜との間における
シリコン濃度を、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Ma
ss Spectrometry)において、1×1019atoms/cm未満、好
ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは2×1018atom
s/cm未満とする。また、酸化物半導体膜106と第2の酸化物半導体膜との間にお
けるシリコン濃度を、SIMSにおいて、1×1019atoms/cm未満、好まし
くは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは2×1018atoms/
cm未満とする。
また、酸化物半導体膜106中に水素が含まれると、キャリア密度を増大させてしまう場
合がある。酸化物半導体膜106の水素濃度はSIMSにおいて、2×1020atom
s/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、より好ましくは1×
1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm
下とする。また、酸化物半導体膜106中に窒素が含まれると、キャリア密度を増大させ
てしまう場合がある。酸化物半導体膜106の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×10
19atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好
ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atom
s/cm以下とする。
また、酸化物半導体膜106の水素濃度を低減するために、第1の酸化物半導体膜の水素
濃度を低減すると好ましい。第1の酸化物半導体膜の水素濃度はSIMSにおいて、2×
1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、よ
り好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018at
oms/cm以下とする。また、酸化物半導体膜106の窒素濃度を低減するために、
第1の酸化物半導体膜の窒素濃度を低減すると好ましい。第1の酸化物半導体膜の窒素濃
度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×10
atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さら
に好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
また、酸化物半導体膜106の水素濃度を低減するために、第2の酸化物半導体膜の水素
濃度を低減すると好ましい。第2の酸化物半導体膜の水素濃度はSIMSにおいて、2×
1020atoms/cm以下、好ましくは5×1019atoms/cm以下、よ
り好ましくは1×1019atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1018at
oms/cm以下とする。また、酸化物半導体膜106の窒素濃度を低減するために、
第2の酸化物半導体膜の窒素濃度を低減すると好ましい。第2の酸化物半導体膜の窒素濃
度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×10
atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さら
に好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非
単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crys
talline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜
、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Elect
ron Microscope)によって観察すると、明確な結晶部同士の境界、即ち結
晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CA
AC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察
)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子
の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸
を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TE
M観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列しているこ
とを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られな
い。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有して
いることがわかる。
なお、CAAC−OS膜に含まれるほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体
内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10n
m未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。ただ
し、CAAC−OS膜に含まれる複数の結晶部が連結することで、一つの大きな結晶領域
を形成する場合がある。例えば、平面TEM像において、2500nm以上、5μm
以上または1000μm以上となる結晶領域が観察される場合がある。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装
置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜
のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが
現れる場合がある。このピークは、InGaZnOの結晶の(009)面に帰属される
ことから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概
略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−pl
ane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは
、InGaZnOの結晶の(110)面に帰属される。InGaZnOの単結晶酸化
物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)と
して試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に
帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを5
6°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不
規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行
な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配
列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行
った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面また
は上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形
状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面
または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中において、c軸配向した結晶部の分布が均一でなくてもよい。
例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によ
って形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりもc軸配向した結晶部
の割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物
が添加された領域が変質し、部分的にc軸配向した結晶部の割合の異なる領域が形成され
ることもある。
なお、InGaZnOの結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法
による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れ
る場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性
を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍に
ピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、
シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコ
ンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化
物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる
要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径
(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の
原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純
物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物
半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによって
キャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または
実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜
は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、当該
酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノー
マリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真
性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜
を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。
なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時
間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く
、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる
場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性
の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、TEMによる観察像では、明確に結晶部を確認することができ
ない場合がある。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下
、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm
以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocryst
al)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Ox
ide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、TE
Mによる観察像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上
3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる
結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。従
って、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場
合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装
置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示
すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(
例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を
行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し
、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下
)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、スポット
が観測される。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くよう
に(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OS膜に対しナ
ノビーム電子線回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合があ
る。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。その
ため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、
nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−O
S膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CA
AC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
図3に示す絶縁膜102は、例えば、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む絶縁膜
を単層で、または積層で用いればよい。また、絶縁膜102は、過剰酸素を含む絶縁膜を
用いると好ましい。絶縁膜102は、例えば、厚さを20nm以上1000nm以下、好
ましくは50nm以上1000nm以下、さらに好ましくは100nm以上1000nm
以下、より好ましくは200nm以上1000nm以下とする。
絶縁膜102は、例えば、1層目を窒化シリコン膜とし、2層目を酸化シリコン膜とした
積層膜としてもよい。なお、酸化シリコン膜は酸化窒化シリコン膜でも構わない。また、
窒化シリコン膜は窒化酸化シリコン膜でも構わない。酸化シリコン膜は、欠陥密度の小さ
い酸化シリコン膜を用いると好ましい。具体的には、ESRにてg値が2.001の信号
に由来するスピンの密度が3×1017個/cm以下、好ましくは5×1016個/c
以下である酸化シリコン膜を用いる。窒化シリコン膜は水素ガスおよびアンモニアガ
スの放出量が少ない窒化シリコン膜を用いる。水素ガス、アンモニアガスの放出量は、T
DSにて測定することができる。また、窒化シリコン膜は、水素、水および酸素を透過し
ない、またはほとんど透過しない窒化シリコン膜を用いる。
または、絶縁膜102は、例えば、1層目を窒化シリコン膜とし、2層目を第1の酸化シ
リコン膜とし、3層目を第2の酸化シリコン膜とした積層膜とすればよい。この場合、第
1の酸化シリコン膜または/および第2の酸化シリコン膜は酸化窒化シリコン膜でも構わ
ない。また、窒化シリコン膜は窒化酸化シリコン膜でも構わない。第1の酸化シリコン膜
は、欠陥密度の小さい酸化シリコン膜を用いると好ましい。具体的には、ESRにてg値
が2.001の信号に由来するスピンの密度が3×1017個/cm以下、好ましくは
5×1016個/cm以下である酸化シリコン膜を用いる。第2の酸化シリコン膜は、
過剰酸素を含む酸化シリコン膜を用いる。窒化シリコン膜は水素ガスおよびアンモニアガ
スの放出量が少ない窒化シリコン膜を用いる。また、窒化シリコン膜は、水素、水および
酸素を透過しない、またはほとんど透過しない窒化シリコン膜を用いる。
ソース電極116aおよびドレイン電極116bは、例えば、アルミニウム、チタン、ク
ロム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム
、銀、タンタルまたはタングステンを含む導電膜を、単層で、または積層で用いればよい
ゲート絶縁膜112は、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、
酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム
、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム
または酸化タンタルを含む絶縁膜を、単層で、または積層で用いればよい。また、ゲート
絶縁膜112は、過剰酸素を含む絶縁膜を用いると好ましい。ゲート絶縁膜112は、例
えば、厚さ(または等価酸化膜厚)を1nm以上500nm以下、好ましくは3nm以上
300nm以下、さらに好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは5nm以
上50nm以下とする。
ゲート絶縁膜112は、例えば、1層目を窒化シリコン膜とし、2層目を酸化シリコン膜
とした積層膜とすればよい。なお、酸化シリコン膜は酸化窒化シリコン膜でも構わない。
また、窒化シリコン膜は窒化酸化シリコン膜でも構わない。酸化シリコン膜は、欠陥密度
の小さい酸化シリコン膜を用いると好ましい。具体的にはESRにてg値が2.001の
信号に由来するスピンの密度が3×1017個/cm以下、好ましくは5×1016
/cm以下である酸化シリコン膜を用いる。酸化シリコン膜は、過剰酸素を含む酸化シ
リコン膜を用いると好ましい。窒化シリコン膜は水素ガスおよびアンモニアガスの放出量
が少ない窒化シリコン膜を用いる。水素ガス、アンモニアガスの放出量は、TDSにて測
定することができる。
ゲート電極104は、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、銅
、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、タンタルまたはタングス
テンを含む導電膜を、単層で、または積層で用いればよい。
保護絶縁膜118は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸
化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまた
は酸化タンタルを含む絶縁膜を、単層で、または積層で用いればよい。また、保護絶縁膜
118は、過剰酸素を含む絶縁膜を用いると好ましい。保護絶縁膜118として、酸素ブ
ロックする絶縁膜を用いる場合、領域119を設けなくてもよい場合がある。保護絶縁膜
118は、例えば、厚さを20nm以上1000nm以下、好ましくは50nm以上10
00nm以下、さらに好ましくは100nm以上1000nm以下、より好ましくは20
0nm以上1000nm以下とする。
配線126aおよび配線126bは、例えば、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト
、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、タンタル
またはタングステンを含む導電膜を、単層で、または積層で用いればよい。
基板100に大きな制限はない。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サフ
ァイア基板などを、基板100として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンなど
の単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板
、SOI(Silicon On Insulator)基板などを適用することも可能
であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板100として用いてもよ
い。
また、基板100として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトラン
ジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トラン
ジスタを剥離し、可とう性基板である基板100に転置する方法もある。その場合には、
非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。
<トランジスタ構造(1)の作製方法>
以下では、トランジスタ構造(1)の作製方法の一例について説明する。
図4乃至図8には、図3(B1)(図3(B2))および図3(C)に対応する断面図を
示す。
まず、基板100を準備する。
次に、絶縁膜102を成膜する。絶縁膜102は、絶縁膜102として示した絶縁膜から
選択して成膜すればよい。絶縁膜102は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:
Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MB
E:Molecular Beam Epitaxy)法、原子層堆積(ALD:Ato
mic Layer Deposition)法またはパルスレーザ堆積(PLD:Pu
lsed Laser Deposition)法を用いて成膜すればよい。
基板100としてシリコンウェハを用いた場合、絶縁膜102は、熱酸化法によって形成
してもよい。
次に、絶縁膜102の表面を平坦化するために、化学的機械研磨(CMP:Chemic
al Mechanical Polishing)処理を行ってもよい。CMP処理を
行うことで、絶縁膜102の平均面粗さ(Ra)を1nm以下、好ましくは0.3nm以
下、さらに好ましくは0.1nm以下とする。上述の数値以下のRaとすることで、酸化
物半導体膜106の結晶性が高くなる場合がある。Raは原子間力顕微鏡(AFM:At
omic Force Microscope)にて測定可能である。
次に、絶縁膜102に酸素を添加することにより、過剰酸素を含む絶縁膜を形成しても構
わない。酸素の添加は、例えば、イオン注入法により、加速電圧を2kV以上100kV
以下とし、ドーズ量を5×1014ions/cm以上5×1016ions/cm
以下とすればよい。
次に、酸化物半導体膜136を成膜する(図4(A1)および図4(A2)参照。)。酸
化物半導体膜136は、それぞれ酸化物半導体膜106として示した酸化物半導体膜から
選択して成膜すればよい。酸化物半導体膜136は、スパッタリング法、CVD法、MB
E法、ALD法またはPLD法を用いて成膜すればよい。
次に、酸化物半導体膜136上にレジストマスク120となる層を成膜する。なお、酸化
物半導体膜136を一辺が100nm以下に微細加工する場合、酸化物半導体膜136と
レジストマスク120となる層の間にハードマスクを設けてもよい。
なお、ハードマスクは、酸化物半導体膜136と選択的エッチングが可能な層である。ハ
ードマスクとして、例えば、タングステン、モリブデン、チタンまたはタンタルを含む、
単体、窒化物または合金を単層で、または積層で用いればよい。または、ハードマスクと
して、酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを含む絶縁層を、単層で、ま
たは積層で用いればよい。
なお、ハードマスク上にレジストマスク120となる層を形成した場合に限定されない。
例えば、ハードマスクとレジストマスク120となる層との密着性を向上させるために、
ハードマスク上に有機物からなるコート層などを形成してもよい。
レジストマスク120となる層は、感光性を有する有機物層または無機物層を用いればよ
い。レジストマスク120となる層は、スピンコート法などを用いて成膜すればよい。
次に、フォトマスクを用いて、レジストマスク120となる層に光を照射する。当該光と
しては、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme
Ultraviolet)光などを用いればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体
(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、レジストマスク12
0となる層に照射する光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電
子ビームやイオンビームを用いる場合には、フォトマスクは不要となる。また、特に微細
な加工が要求されない場合、レジストマスク120となる層に照射する光として、高圧水
銀灯のg線またはi線などを用いてもよい。
次に、基板100を現像液に浸して、レジストマスク120となる層の露光された領域を
、除去または残存させてレジストマスク120を形成する(図4(B1)および図4(B
2)参照。)。
次に、レジストマスク120を用いて酸化物半導体膜136の一部をエッチングし、島状
の酸化物半導体膜106を形成する(図4(C1)および図4(C2)参照。)。
酸化物半導体膜136の一部をエッチングする方法としては、ドライエッチング処理を用
いると好ましい。当該ドライエッチング処理は、例えば、メタンおよび希ガスを含む雰囲
気で行えばよい。
次に、絶縁膜102に不純物を添加し、領域103を形成する(図5(A1)および図5
(A2)参照。)。絶縁膜102に不純物を添加して領域103を形成する方法は、絶縁
膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照する。ただし、
後の工程で領域113や領域119を形成する場合、領域103を形成しなくてよい場合
がある。
次に、レジストマスク120を除去する。レジストマスク120の除去は、プラズマ処理
、薬液処理などで行えばよい。好ましくはプラズマアッシングによって除去する。なお、
後述する方法を用いることで、レジストマスク120を除去した後に絶縁膜102および
酸化物半導体膜106に不純物を添加してもよい場合がある。
次に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、250℃以上650℃以下
、好ましくは300℃以上500℃以下で行えばよい。第1の加熱処理の雰囲気は、不活
性ガス雰囲気、または酸化性ガスを10ppm以上、1%以上もしくは10%以上含む雰
囲気で行う。第1の加熱処理は減圧状態で行ってもよい。または、第1の加熱処理の雰囲
気は、不活性ガス雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを1
0ppm以上、1%以上または10%以上含む雰囲気で加熱処理を行ってもよい。第1の
加熱処理によって、酸化物半導体膜106に絶縁膜102から過剰酸素が移動させること
ができる。したがって、酸化物半導体膜106の酸素欠損を低減することができる。また
、酸化物半導体膜106の結晶性を高めることや、水素や水などの不純物を除去すること
などができる。
次に、ソース電極116aおよびドレイン電極116bとなる導電膜を成膜する。導電膜
は、ソース電極116aおよびドレイン電極116bとして示した導電膜から選択して成
膜すればよい。導電膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPL
D法を用いて成膜すればよい。
次に、フォトリソグラフィ法などにより、導電膜を加工し、ソース電極116aおよびド
レイン電極116bを形成する(図5(B1)および図5(B2)参照。)。このとき、
酸化物半導体膜106の上面近傍をエッチングしてもよい。例えば、レジストマスク12
0を除去した後で、絶縁膜102に不純物を添加して領域103を形成した場合、チャネ
ル形成領域にも不純物が添加されてしまう。その場合、ソース電極116aおよびドレイ
ン電極116bを形成する際に、チャネル形成領域における不純物の添加された領域を除
去することが好ましい。
次に、ゲート絶縁膜112を成膜する(図5(C1)および図5(C2)参照。)。ゲー
ト絶縁膜112は、ゲート絶縁膜112として示した絶縁膜から選択して成膜すればよい
。ゲート絶縁膜112は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPL
D法を用いて成膜すればよい。
次に、ゲート電極104となる導電膜を成膜する。導電膜は、ゲート電極104として示
した導電膜から選択して成膜すればよい。導電膜は、スパッタリング法、CVD法、MB
E法、ALD法またはPLD法を用いて成膜すればよい。
次に、フォトリソグラフィ法などにより、導電膜を加工し、ゲート電極104を形成する
(図6(A1)および図6(A2)参照。)。
次に、ゲート絶縁膜112および絶縁膜102に不純物を添加し、領域113を形成する
(図6(B1)および図6(B2)参照。)。ゲート絶縁膜112および絶縁膜102に
不純物を添加して領域113を形成する方法は、絶縁膜52に不純物を添加して領域53
を形成する方法についての記載を参照する。ただし、領域103が形成されている場合や
、後の工程で領域119を形成する場合、領域113を形成しなくてよい場合がある。
次に、保護絶縁膜118を成膜する(図6(C1)および図6(C2)参照。)。保護絶
縁膜118は、保護絶縁膜118として示した絶縁膜を用いて成膜すればよい。保護絶縁
膜118は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPLD法を用いて
形成すればよい。
次に、保護絶縁膜118に不純物を添加し、領域119を形成する(図7(A1)および
図7(A2)参照。)。保護絶縁膜118に不純物を添加して領域119を形成する方法
は、絶縁膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照する。
ただし、領域103や領域113が形成されている場合、領域119を形成しなくてよい
場合がある。
次に、第2の加熱処理を行うと好ましい。第2の加熱処理は、第1の加熱処理で示した条
件から選択して行うか、第1の加熱処理よりも低温で行えばよい。第2の加熱処理を行う
ことで、第1の加熱処理を行わなくてもよい場合がある。
次に、保護絶縁膜118およびゲート絶縁膜112に開口部を形成し、ソース電極116
aおよびドレイン電極116bの一部を露出させる(図7(B1)および図7(B2)参
照。)。
次に、配線126aおよび配線126bとなる導電膜を成膜する。導電膜は、配線126
aおよび配線126bとして示した導電膜から選択して成膜すればよい。導電膜は、スパ
ッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPLD法を用いて成膜すればよい。
次に、フォトリソグラフィ法などにより、導電膜を加工し、配線126aおよび配線12
6bを形成する(図7(C1)および図7(C2)参照。)。
以上のようにして、図3(B1)に示したトランジスタを作製することができる。
図3(B2)に示したトランジスタを作製する場合、図7に示した工程に替えて、図8に
示す工程を行えばよい。図6までの工程は、図3(B1)と図3(B2)とで同様である
まず、保護絶縁膜118およびゲート絶縁膜112に開口部を形成し、ソース電極116
aおよびドレイン電極116bの一部を露出させる(図8(A1)および図8(A2)参
照。)。
次に、保護絶縁膜118に不純物を添加し、領域119を形成する。このとき、開口部の
側面にも不純物が添加され、領域119が形成される(図8(B1)および図8(B2)
参照。)。保護絶縁膜118に不純物を添加して領域119を形成する方法は、絶縁膜5
2に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照する。
次に、第3の加熱処理を行うと好ましい。
次に、配線126aおよび配線126bとなる導電膜を成膜する。導電膜は、配線126
aおよび配線126bとして示した導電膜から選択して成膜すればよい。導電膜は、スパ
ッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPLD法を用いて成膜すればよい。
次に、フォトリソグラフィ法などにより、導電膜を加工し、配線126aおよび配線12
6bを形成する(図8(C1)および図8(C2)参照。)。
以上のようにして、図3(B2)に示したトランジスタを作製することができる。
<トランジスタ構造(2)>
次に、トランジスタ構造(1)とはゲート絶縁膜の形状が異なるトップゲートトップコン
タクト型のトランジスタの一例について説明する。
図9は、トランジスタの上面図および断面図である。図9(A)は、トランジスタの上面
図を示す。図9(A)において、一点鎖線B1−B2に対応する断面図を図9(B1)お
よび図9(B2)に示す。また、図9(A)において、一点鎖線B3−B4に対応する断
面図を図9(C)に示す。
図9(B1)および図9(B2)において、トランジスタは、基板200上の下地絶縁膜
202と、下地絶縁膜202上の酸化物半導体膜206と、酸化物半導体膜206上のソ
ース電極216aおよびドレイン電極216bと、酸化物半導体膜206上、ソース電極
216a上およびドレイン電極216b上のゲート絶縁膜212と、ゲート絶縁膜212
上のゲート電極204と、を有する。ゲート絶縁膜212は、ゲート電極204と重なる
領域に配置する。なお、好ましくは、ソース電極216a上、ドレイン電極216b上、
ゲート絶縁膜212上およびゲート電極204上の保護絶縁膜218と、保護絶縁膜21
8上の配線226aおよび配線226bと、を有する。また、保護絶縁膜218は、ソー
ス電極216aおよびドレイン電極216bにそれぞれ達する開口部を有し、当該開口部
を介して配線226aおよび配線226bと、ソース電極216aおよびドレイン電極2
16bとが、それぞれ接する。なお、トランジスタは、下地絶縁膜202を有さなくても
構わない場合がある。
図3に示したトランジスタと図9に示すトランジスタは、ゲート絶縁膜の形状が異なるの
みであるため、特に断りのない場合、図3についての記載を参照する。
例えば、基板200は基板100についての記載を参照する。下地絶縁膜202は絶縁膜
102についての記載を参照する。酸化物半導体膜206は酸化物半導体膜106につい
ての記載を参照する。ソース電極216aおよびドレイン電極216bは、ソース電極1
16aおよびドレイン電極116bについての記載を参照する。ゲート絶縁膜212はゲ
ート絶縁膜112についての記載を参照する。ゲート電極204はゲート電極104につ
いての記載を参照する。保護絶縁膜218は保護絶縁膜118についての記載を参照する
。配線226aおよび配線226bは、配線126aおよび配線126bについての記載
を参照する。
図9(B1)および図9(B2)に示すトランジスタは、酸素ブロック領域である領域2
03、領域213、領域219のいずれか一以上を有する。領域203、領域213およ
び領域219は、領域103、領域113および領域119についての記載を参照する。
領域203は、下地絶縁膜202の、ソース電極216a、ドレイン電極216bおよび
保護絶縁膜218に接する領域である。領域203は、下地絶縁膜202の上面から深さ
1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上150nm以下、さらに好ましくは1
0nm以上100nm以下に設けられる領域である。なお、領域203が、深さ方向にお
いて下地絶縁膜202の全体に設けられていても構わない。また、基板200にも領域2
03が設けられていても構わない。
領域213は、ゲート絶縁膜212の、保護絶縁膜218と接する領域である。領域21
3は、ゲート絶縁膜212の側面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm
以上150nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域で
ある。なお、下地絶縁膜202のゲート電極204、ソース電極216aおよびドレイン
電極216bと重ならない領域にも、領域213が設けられていても構わない。
領域219は、図9(B1)に示すように、保護絶縁膜218の上部に設けられた領域で
ある。または、領域219は、図9(B2)に示すように、保護絶縁膜218の上部およ
び開口部の側部に設けられた領域である。領域219は、保護絶縁膜218の上面、また
は開口部の側面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上150nm以
下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域である。なお、領域
219が、深さ方向において保護絶縁膜218の全体に設けられていても構わない。また
、ゲート絶縁膜212のゲート電極204と重ならない領域、または下地絶縁膜202の
ゲート電極204、ソース電極216aおよびドレイン電極216bと重ならない領域に
も、領域219が設けられていても構わない。
トランジスタが領域203を有する場合、下地絶縁膜202に含まれる過剰酸素を酸化物
半導体膜206の酸素欠損を低減するために有効活用することができる。例えば、領域2
03を有さない場合、下地絶縁膜202に含まれる過剰酸素が、ソース電極216aおよ
びドレイン電極216b、ならびに配線226aおよび配線226bを酸化させることに
用いられる場合がある。また、下地絶縁膜202に含まれる過剰酸素が外方拡散すること
で失われてしまう場合がある。
トランジスタが領域213を有する場合でも、ゲート絶縁膜212に含まれる過剰酸素を
酸化物半導体膜206の酸素欠損を低減するために有効活用することができる。例えば、
領域213を有さない場合、ゲート絶縁膜212に含まれる過剰酸素が、ソース電極21
6aおよびドレイン電極216b、ならびに配線226aおよび配線226bを酸化させ
ることに用いられる場合がある。また、領域213を有さない場合、ゲート絶縁膜212
に含まれる過剰酸素が外方拡散することで失われてしまう場合がある。なお、ゲート絶縁
膜212の全ての領域が領域213であってもよい。ただし、領域213とチャネル形成
領域とが重ならない構造である方が、ゲート絶縁膜212の領域213に起因する劣化が
生じにくく、好ましい場合がある。
トランジスタが領域219を有する場合でも、下地絶縁膜202、ゲート絶縁膜212や
保護絶縁膜218に含まれる過剰酸素を酸化物半導体膜206の酸素欠損を低減するため
に有効活用することができる。例えば、領域219を有さない場合、下地絶縁膜202、
ゲート絶縁膜212や保護絶縁膜218に含まれる過剰酸素が、ソース電極216aおよ
びドレイン電極216b、ならびに配線226aおよび配線226bを酸化させることに
用いられる場合がある。また、領域219を有さない場合、下地絶縁膜202、ゲート絶
縁膜212や保護絶縁膜218に含まれる過剰酸素が外方拡散することで失われてしまう
場合がある。特に、図9(B2)に示すように領域219が配置されると、配線226a
および配線226bが酸化されにくいため、配線抵抗の増大が起こりにくく好ましい。
なお、ゲート電極204は、図9(A)に示すように、上面図において酸化物半導体膜2
06が内側に含まれるように設けられる。こうすることで、ゲート電極204側から光が
入射した際に、酸化物半導体膜206中で光によってキャリアが生成されることを抑制す
ることができる。即ち、ゲート電極204は遮光膜としての機能を有する。ただし、ゲー
ト電極204の外側まで酸化物半導体膜206が設けられても構わない。
<トランジスタ構造(2)の作製方法>
以下では、トランジスタ構造(2)の作製方法の一例について説明する。
図10乃至図14には、図9(B1)(図9(B2))および図9(C)に対応する断面
図を示す。
まず、基板200を準備する。
次に、下地絶縁膜202を成膜する。下地絶縁膜202は、絶縁膜102の成膜方法につ
いての記載を参照する。
次に、下地絶縁膜202の表面を平坦化するために、CMP処理を行ってもよい。CMP
処理を行うことで、下地絶縁膜202をRaが1nm以下、好ましくは0.3nm以下、
さらに好ましくは0.1nm以下とする。
次に、下地絶縁膜202に酸素を添加することにより、過剰酸素を含む絶縁膜を形成して
も構わない。酸素の添加は、例えば、イオン注入法により、加速電圧を2kV以上100
kV以下とし、5×1014ions/cm以上5×1016ions/cm以下の
ドーズ量で行えばよい。
次に、酸化物半導体膜236を成膜する(図10(A1)および図10(A2)参照。)
。酸化物半導体膜236は、酸化物半導体膜236の成膜方法についての記載を参照する
次に、酸化物半導体膜236上にレジストマスク220となる層を成膜する。レジストマ
スク220となる層は、レジストマスク120となる層の成膜方法についての記載を参照
する。
次に、フォトリソグラフィ法などによって、レジストマスク220となる層を加工し、レ
ジストマスク220を形成する(図10(B1)および図10(B2)参照。)。
次に、レジストマスク220を用いて、酸化物半導体膜236の一部を除去し、島状の酸
化物半導体膜206を形成する(図10(C1)および図10(C2)参照。)。
次に、下地絶縁膜202に不純物を添加し、領域203を形成する(図11(A1)およ
び図11(A2)参照。)。下地絶縁膜202に不純物を添加して領域203を形成する
方法は、絶縁膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照す
る。ただし、後の工程で領域213や領域219を形成する場合、領域203を形成しな
くてよい場合がある。
次に、レジストマスク220を除去する。レジストマスク220の除去は、プラズマ処理
、薬液処理などで行えばよい。好ましくはプラズマアッシングによって除去する。なお、
後述する方法を用いることで、レジストマスク220を除去した後に下地絶縁膜202お
よび酸化物半導体膜206に不純物を添加してもよい場合がある。
次に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、トランジスタ構造(1)に
おける第1の加熱処理についての記載を参照する。
次に、ソース電極216aおよびドレイン電極216bを形成する(図11(B1)およ
び図11(B2)参照。)。ソース電極216aおよびドレイン電極216bの形成方法
は、ソース電極116aおよびドレイン電極116bの形成方法についての記載を参照す
る。
次に、絶縁膜242を成膜する(図11(C1)および図11(C2)参照。)。絶縁膜
242は、ゲート絶縁膜112の成膜方法についての記載を参照する。
次に、ゲート電極204を形成する。ゲート電極204の形成方法は、ゲート電極104
の形成方法についての記載を参照する。
次に、ゲート電極204をマスクに用いて、絶縁膜242をエッチングし、ゲート絶縁膜
212を形成する(図12(A1)および図12(A2)参照。)。なお、ここではゲー
ト電極204をマスクに用いて絶縁膜242をエッチングした場合について説明したが、
これに限定されない。例えば、ゲート電極204をエッチングするために用いたレジスト
マスクを用いて絶縁膜242をエッチングしても構わない。
次に、ゲート絶縁膜212および下地絶縁膜202に不純物を添加し、領域213を形成
する(図12(B1)および図12(B2)参照。)。ゲート絶縁膜212および下地絶
縁膜202に不純物を添加して領域213を形成する方法は、絶縁膜52に不純物を添加
して領域53を形成する方法についての記載を参照する。ただし、領域203が形成され
ている場合や、後の工程で領域219を形成する場合、領域213を形成しなくてよい場
合がある。
次に、保護絶縁膜218を形成する(図12(C1)および図12(C2)参照。)。保
護絶縁膜218は、保護絶縁膜118の成膜方法についての記載を参照する。
次に、保護絶縁膜218に不純物を添加し、領域219を形成する(図13(A1)およ
び図13(A2)参照。)。保護絶縁膜218に不純物を添加して領域219を形成する
方法は、絶縁膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照す
る。ただし、領域203や領域213が形成されている場合、領域219を形成しなくて
よい場合がある。
次に、第2の加熱処理を行うと好ましい。第2の加熱処理は、第1の加熱処理で示した条
件から選択して行うか、第1の加熱処理よりも低温で行えばよい。第2の加熱処理を行う
ことで、第1の加熱処理を行わなくてもよい場合がある。
次に、保護絶縁膜218に開口部を形成し、ソース電極216aおよびドレイン電極21
6bの一部を露出させる(図13(B1)および図13(B2)参照。)。
次に、配線226aおよび配線226bを形成する(図13(C1)および図13(C2
)参照。)。配線226aおよび配線226bは、配線126aおよび配線126bの形
成方法についての記載を参照する。
以上のようにして、図9(B1)に示したトランジスタを作製することができる。
図9(B2)に示したトランジスタを作製する場合、図13に示した工程に替えて、図1
4に示す工程を行えばよい。図12までの工程は、図9(B1)と図9(B2)とで同様
である。
まず、保護絶縁膜218に開口部を形成し、ソース電極216aおよびドレイン電極21
6bの一部を露出させる(図14(A1)および図14(A2)参照。)。
次に、保護絶縁膜218に不純物を添加し、領域219を形成する。このとき、開口部の
側面にも不純物が添加され、領域219が形成される(図14(B1)および図14(B
2)参照。)。保護絶縁膜218に不純物を添加して領域219を形成する方法は、絶縁
膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照する。
次に、第3の加熱処理を行うと好ましい。
次に、配線226aおよび配線226bを形成する(図14(C1)および図14(C2
)参照。)。配線226aおよび配線226bは、配線126aおよび配線126bの形
成方法についての記載を参照する。
以上のようにして、図9(B2)に示したトランジスタを作製することができる。
<トランジスタ構造(3)>
次に、ボトムゲートトップコンタクト型のトランジスタの一例について説明する。
図15は、トランジスタの上面図および断面図である。図15(A)は、トランジスタの
上面図を示す。図15(A)において、一点鎖線C1−C2に対応する断面図を図15(
B1)および図15(B2)に示す。また、図15(A)において、一点鎖線C3−C4
に対応する断面図を図15(C)に示す。
図15(B1)および図15(B2)において、トランジスタは、基板300上のゲート
電極304と、ゲート電極304上のゲート絶縁膜312と、ゲート絶縁膜312上の酸
化物半導体膜306と、酸化物半導体膜306上のソース電極316aおよびドレイン電
極316bと、を有する。なお、好ましくは、ソース電極316a上、ドレイン電極31
6b上、ゲート絶縁膜312上および酸化物半導体膜306上の保護絶縁膜318と、保
護絶縁膜318上の配線326aおよび配線326bと、を有する。また、保護絶縁膜3
18は、ソース電極316aおよびドレイン電極316bにそれぞれ達する開口部を有し
、当該開口部を介して配線326aおよび配線326bと、ソース電極316aおよびド
レイン電極316bとが、それぞれ接する。なお、トランジスタは、基板300とゲート
電極304との間に下地絶縁膜を有しても構わない。
図15に示すトランジスタについての記載の一部は、図3に示したトランジスタについて
の記載を参照する。
例えば、基板300は基板100についての記載を参照する。酸化物半導体膜306は酸
化物半導体膜106についての記載を参照する。ソース電極316aおよびドレイン電極
316bは、ソース電極116aおよびドレイン電極116bについての記載を参照する
。ゲート絶縁膜312はゲート絶縁膜112についての記載を参照する。ゲート電極30
4はゲート電極104についての記載を参照する。配線326aおよび配線326bは、
配線126aおよび配線126bについての記載を参照する。
図15(B1)および図15(B2)に示すトランジスタは、酸素ブロック領域である領
域313、領域319の少なくとも一方を有する。領域313および領域319は、領域
103、領域113および領域119についての記載を参照する。
領域313は、ゲート絶縁膜312の、保護絶縁膜318と接する領域である。領域31
3は、ゲート絶縁膜312の上面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm
以上150nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域で
ある。なお、領域313が、深さ方向においてゲート絶縁膜312の全体に設けられてい
ても構わない。また、基板300のゲート電極304と重ならない領域にも、領域313
が設けられていても構わない。
領域319は、図15(B1)に示すように、保護絶縁膜318の上部に設けられた領域
である。または、領域319は、図15(B2)に示すように、保護絶縁膜318の上部
および開口部の側部に設けられた領域である。領域319は、保護絶縁膜318の上面、
または開口部の側面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上150n
m以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域である。なお、
領域319が、深さ方向において保護絶縁膜318の全体に設けられていても構わない。
トランジスタが領域313を有する場合、ゲート絶縁膜312に含まれる過剰酸素を酸化
物半導体膜306の酸素欠損を低減するために有効活用することができる。例えば、領域
313を有さない場合、ゲート絶縁膜312に含まれる過剰酸素が、ソース電極316a
およびドレイン電極316b、ならびに配線326aおよび配線326bを酸化させるこ
とに用いられる場合がある。また、ゲート絶縁膜312に含まれる過剰酸素が外方拡散す
ることで失われてしまう場合がある。なお、ゲート絶縁膜312の全ての領域が領域31
3であってもよい。ただし、領域313とチャネル形成領域とが重ならない構造である方
が、ゲート絶縁膜312の領域313に起因する劣化が生じにくく、好ましい場合がある
トランジスタが領域319を有する場合でも、ゲート絶縁膜312や保護絶縁膜318に
含まれる過剰酸素を酸化物半導体膜306の酸素欠損を低減するために有効活用すること
ができる。例えば、領域319を有さない場合、ゲート絶縁膜312や保護絶縁膜318
に含まれる過剰酸素が、ソース電極316aおよびドレイン電極316b、ならびに配線
326aおよび配線326bを酸化させることに用いられる場合がある。また、領域31
9を有さない場合、ゲート絶縁膜312や保護絶縁膜318に含まれる過剰酸素が外方拡
散することで失われてしまう場合がある。特に、図15(B2)に示すように領域319
が配置されると、配線326aおよび配線326bが酸化されにくいため、配線抵抗の増
大が起こりにくく好ましい。
なお、ゲート電極304は、図15(A)に示すように、上面図において酸化物半導体膜
306が内側に含まれるように設けられる。こうすることで、ゲート電極304側から光
が入射した際に、酸化物半導体膜306中で光によってキャリアが生成されることを抑制
することができる。即ち、ゲート電極304は遮光膜としての機能を有する。ただし、ゲ
ート電極304の外側まで酸化物半導体膜306が設けられても構わない。
図15に示す保護絶縁膜318は、例えば、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む
絶縁膜を単層で、または積層で用いればよい。また、保護絶縁膜318は、過剰酸素を含
む絶縁膜を用いると好ましい。保護絶縁膜318は、例えば、厚さを20nm以上100
0nm以下、好ましくは50nm以上1000nm以下、さらに好ましくは100nm以
上1000nm以下、より好ましくは200nm以上1000nm以下とする。
保護絶縁膜318は、例えば、1層目を酸化シリコン膜とし、2層目を窒化シリコン膜と
した積層膜としてもよい。なお、酸化シリコン膜は酸化窒化シリコン膜でも構わない。ま
た、窒化シリコン膜は窒化酸化シリコン膜でも構わない。酸化シリコン膜は、欠陥密度の
小さい酸化シリコン膜を用いると好ましい。具体的には、ESRにてg値が2.001の
信号に由来するスピンの密度が3×1017個/cm以下、好ましくは5×1016
/cm以下である酸化シリコン膜を用いる。窒化シリコン膜は水素ガスおよびアンモニ
アガスの放出量が少ない窒化シリコン膜を用いる。水素ガス、アンモニアガスの放出量は
、TDSにて測定することができる。また、窒化シリコン膜は、水素、水および酸素を透
過しない、またはほとんど透過しない窒化シリコン膜を用いる。
または、保護絶縁膜318は、例えば、1層目を第1の酸化シリコン膜とし、2層目を第
2の酸化シリコン膜とし、3層目を窒化シリコン膜とした積層膜とすればよい。この場合
、第1の酸化シリコン膜または/および第2の酸化シリコン膜は酸化窒化シリコン膜でも
構わない。また、窒化シリコン膜は窒化酸化シリコン膜でも構わない。第1の酸化シリコ
ン膜は、欠陥密度の小さい酸化シリコン膜を用いると好ましい。具体的には、ESRにて
g値が2.001の信号に由来するスピンの密度が3×1017個/cm以下、好まし
くは5×1016個/cm以下である酸化シリコン膜を用いる。第2の酸化シリコン膜
は、過剰酸素を含む酸化シリコン膜を用いる。窒化シリコン膜は水素ガスおよびアンモニ
アガスの放出量が少ない窒化シリコン膜を用いる。また、窒化シリコン膜は、水素、水お
よび酸素を透過しない、またはほとんど透過しない窒化シリコン膜を用いる。
<トランジスタ構造(3)の作製方法>
以下では、トランジスタ構造(3)の作製方法の一例について説明する。
図16乃至図19には、図15(B1)(図15(B2))および図15(C)に対応す
る断面図を示す。
まず、基板300を準備する。
次に、ゲート電極304を形成する。ゲート電極304の形成方法は、ゲート電極104
の形成方法についての記載を参照する。
次に、ゲート絶縁膜312を成膜する(図16(A1)および図16(A2)参照。)。
ゲート絶縁膜312は、ゲート絶縁膜112の成膜方法についての記載を参照する。
次に、酸化物半導体膜336を成膜する。酸化物半導体膜336は、酸化物半導体膜33
6の成膜方法についての記載を参照する。
次に、酸化物半導体膜336上にレジストマスク320となる層を成膜する。レジストマ
スク320となる層は、レジストマスク120となる層の成膜方法についての記載を参照
する。
次に、フォトリソグラフィ法などによって、レジストマスク320となる層を加工し、レ
ジストマスク320を形成する(図16(B1)および図16(B2)参照。)。
次に、レジストマスク320を用いて、酸化物半導体膜336の一部を除去し、島状の酸
化物半導体膜306を形成する(図16(C1)および図16(C2)参照。)。
次に、ゲート絶縁膜312に不純物を添加し、領域313を形成する(図17(A1)お
よび図17(A2)参照。)。ゲート絶縁膜312に不純物を添加して領域313を形成
する方法は、絶縁膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参
照する。ただし、後の工程で領域319を形成する場合、領域313を形成しなくてよい
場合がある。
次に、レジストマスク320を除去する。レジストマスク320の除去は、プラズマ処理
、薬液処理などで行えばよい。好ましくはプラズマアッシングによって除去する。なお、
後述する方法を用いることで、レジストマスク320を除去した後にゲート絶縁膜312
および酸化物半導体膜306に不純物を添加してもよい場合がある。
次に、第1の加熱処理を行うと好ましい。第1の加熱処理は、トランジスタ構造(1)に
おける第1の加熱処理についての記載を参照する。
次に、ソース電極316aおよびドレイン電極316bを形成する(図17(B1)およ
び図17(B2)参照。)。ソース電極316aおよびドレイン電極316bの形成方法
は、ソース電極116aおよびドレイン電極116bの形成方法についての記載を参照す
る。
次に、保護絶縁膜318を形成する(図17(C1)および図17(C2)参照。)。保
護絶縁膜318は、保護絶縁膜318として示した絶縁膜を用いて成膜すればよい。保護
絶縁膜318は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、ALD法またはPLD法を用
いて形成すればよい。
次に、保護絶縁膜318に不純物を添加し、領域319を形成する(図18(A1)およ
び図18(A2)参照。)。保護絶縁膜318に不純物を添加して領域319を形成する
方法は、絶縁膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照す
る。ただし、領域313が形成されている場合、領域319を形成しなくてよい場合があ
る。
次に、第2の加熱処理を行うと好ましい。第2の加熱処理は、第1の加熱処理で示した条
件から選択して行うか、第1の加熱処理よりも低温で行えばよい。第2の加熱処理を行う
ことで、第1の加熱処理を行わなくてもよい場合がある。
次に、保護絶縁膜318に開口部を形成し、ソース電極316aおよびドレイン電極31
6bの一部を露出させる(図18(B1)および図18(B2)参照。)。
次に、配線326aおよび配線326bを形成する(図18(C1)および図18(C2
)参照。)。配線326aおよび配線326bは、配線126aおよび配線126bの形
成方法についての記載を参照する。
以上のようにして、図15(B1)に示したトランジスタを作製することができる。
図15(B2)に示したトランジスタを作製する場合、図18に示した工程に替えて、図
19に示す工程を行えばよい。図17までの工程は、図15(B1)と図15(B2)と
で同様である。
まず、保護絶縁膜318に開口部を形成し、ソース電極316aおよびドレイン電極31
6bの一部を露出させる(図19(A1)および図19(A2)参照。)。
次に、保護絶縁膜318に不純物を添加し、領域319を形成する。このとき、開口部の
側面にも不純物が添加され、領域319が形成される(図19(B1)および図19(B
2)参照。)。保護絶縁膜318に不純物を添加して領域319を形成する方法は、絶縁
膜52に不純物を添加して領域53を形成する方法についての記載を参照する。
次に、第3の加熱処理を行うと好ましい。
次に、配線326aおよび配線326bを形成する(図19(C1)および図19(C2
)参照。)。配線326aおよび配線326bは、配線126aおよび配線126bの形
成方法についての記載を参照する。
以上のようにして、図15(B2)に示したトランジスタを作製することができる。
ここまでが、本発明の一態様に係るトランジスタの構造の一例、およびその作製方法につ
いて説明である。ただし、本発明の一態様に係るトランジスタの構造は、上記の例に限定
されるものではない。例えば、本発明の一態様に係るトランジスタの構造として、ボトム
コンタクト構造としても構わないし、ソース電極およびドレイン電極を設けない構造とし
てもよい。
本発明の一態様に係るトランジスタは、絶縁膜中の過剰酸素を、酸化物半導体膜中の酸素
欠損を低減するために有効活用できる。したがって、当該トランジスタは、酸素欠損の少
ない酸化物半導体膜を用いたトランジスタである。
したがって、本発明の一態様に係るトランジスタは、酸素欠損に起因した劣化を引き起こ
しにくい。例えば、酸化物半導体膜中で酸素欠損は、トラップセンターとなることで劣化
を引き起こす場合がある。また、酸素欠損が水素を捕獲することでドナー準位を形成し、
トランジスタのしきい値電圧をマイナス方向に変動させる場合がある。
本発明の一態様に係るトランジスタは、過剰酸素を有効活用できる。そのため、微細な構
造に適用することができる。また、劣化が小さく、電気特性が安定である。また、配線の
酸化による抵抗増大が小さいため、オン電流を高くすることができる。また、しきい値電
圧のマイナス方向への変動がないため、オフ電流を小さくすることができる。
<応用製品について>
以下では、上述したトランジスタを用いた応用製品について説明する。
<半導体装置の構造>
以下では、本発明の一態様に係る、酸化物半導体膜を用いたトランジスタと、シリコンを
用いたトランジスタとを組み合わせた半導体装置の一例について説明する。
図26は、半導体装置の断面図である。半導体装置は、シリコンを用いたトランジスタ1
91と、トランジスタ191上の絶縁膜168と、絶縁膜168上の導電膜172、導電
膜174、導電膜176および導電膜178と、絶縁膜168上、導電膜172上、導電
膜174上、導電膜176上および導電膜178上の絶縁膜102と、絶縁膜102上の
酸化物半導体膜を用いたトランジスタ192と、を有する。なお、半導体装置上に、保護
絶縁膜118を設けてもよい。
絶縁膜168は、例えば、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む絶縁膜を単層で、
または積層で用いればよい。
絶縁膜168は、トランジスタ191に達する開口部を有する。導電膜174および導電
膜176は、絶縁膜168に設けられた開口部を介してトランジスタ191と電気的に接
続する。また、絶縁膜168の上部、および開口部の側部には、酸素ブロック領域である
領域169が設けられる。絶縁膜168は、例えば、厚さを20nm以上1000nm以
下、好ましくは50nm以上1000nm以下、さらに好ましくは100nm以上100
0nm以下、より好ましくは200nm以上1000nm以下とする。領域169は、絶
縁膜168の上面、および開口部の側面から深さ1nm以上200nm以下、好ましくは
5nm以上150nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる
領域である。
絶縁膜102は、例えば、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む絶縁膜を単層で、
または積層で用いればよい。また、絶縁膜102は、過剰酸素を含む絶縁膜を用いると好
ましい。
絶縁膜102は、導電膜172に達する開口部を有する。トランジスタ192は、絶縁膜
102に設けられた開口部を介して導電膜172と電気的に接続する。また、絶縁膜10
2の上部、下部、および開口部の側部には、酸素ブロック領域である領域158および領
域103が設けられる。絶縁膜102は、例えば、厚さを20nm以上1000nm以下
、好ましくは50nm以上1000nm以下、さらに好ましくは100nm以上1000
nm以下、より好ましくは200nm以上1000nm以下とする。領域158は、絶縁
膜102の下面から高さ1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上150nm以
下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下に設けられる領域である。また、領域
103は、絶縁膜102の上面、および開口部の側面から深さ1nm以上200nm以下
、好ましくは5nm以上150nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下
に設けられる領域である。
半導体装置は、領域169、領域158、領域103の全て有する構造に限定されない。
例えば、半導体装置は、領域169および領域103を有し、領域158を有さない構造
や、領域158および領域103を有し、領域169を有さない構造であってもよい。
酸素ブロック領域は、例えば、不純物を含む絶縁膜を用いることができる。例えば、不純
物として、ホウ素、炭素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、カルシウム、
スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ガリ
ウム、ゲルマニウム、ヒ素、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジ
ウム、スズ、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンから
選択された一種以上を絶縁膜に添加すると、酸素ブロック領域を形成することができる場
合がある。上述の不純物は、金属を高抵抗化させる要因となりにくい。なお、絶縁膜に、
リンまたはホウ素を添加すると、酸素ブロック性の高い(酸素の拡散係数が小さい)、特
に良質な酸素ブロック領域を形成することができる。酸素ブロック領域は、例えば、絶縁
膜中に、上述の不純物を5×1019atoms/cm以上、好ましくは1×1020
atoms/cm以上、さらに好ましくは2×1020atoms/cm以上、より
好ましくは5×1020atoms/cm以上含む領域である。
または、酸素ブロック領域は、例えば、酸素の拡散係数が小さい絶縁膜を用いることがで
きる。例えば、酸素の拡散係数が小さい絶縁膜として、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウ
ム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオ
ジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を、単層で、または積層
で用いればよい。酸素ブロック領域は、例えば、窒化シリコン膜を有する。この場合、窒
化シリコン膜は窒化酸化シリコン膜でも構わない。窒化シリコン膜は、水素ガスおよびア
ンモニアガスの放出量が少ないと好ましい。水素ガス、アンモニアガスの放出量は、TD
S分析にて測定すればよい。また、窒化シリコン膜は、水素および水を透過しない、また
はほとんど透過しないと好ましい。酸素ブロック領域は、例えば、酸化アルミニウム膜を
有する。酸化アルミニウム膜は、水素ガスの放出量が少ないと好ましい。水素ガスの放出
量は、TDS分析にて測定すればよい。また、酸化アルミニウム膜は、水素および水を透
過しない、またはほとんど透過しないと好ましい。
酸素ブロック領域は、領域169、領域158、領域103で異なってもよい。例えば、
領域169および領域103としては不純物を含む絶縁膜を用い、領域158としては酸
素の拡散係数が小さい絶縁膜を用いてもよい。
導電膜172、導電膜174、導電膜176および導電膜178は、例えば、アルミニウ
ム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデ
ン、ルテニウム、銀、タンタルまたはタングステンを含む導電膜を、単層で、または積層
で用いればよい。導電膜172、導電膜174および導電膜176は、例えば、半導体装
置を構成する配線として機能してもよい。また、導電膜178は、トランジスタ192の
バックゲート電極として機能してもよい。
保護絶縁膜118は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸
化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまた
は酸化タンタルを含む絶縁膜を、単層で、または積層で用いればよい。
トランジスタ191は、例えば、シリコンからなる基板100上のゲート絶縁膜162と
、ゲート絶縁膜162上のゲート電極154と、基板100のゲート電極154と重なら
ない領域に設けられた領域166aおよび領域166bと、絶縁性を有する素子分離領域
152と、を有する。なお、ここでは、トランジスタ191に用いる基板100としてシ
リコンを用いた例を示すが、基板100はシリコンからなる半導体基板に限定されない。
例えば、基板100として、ゲルマニウムまたはダイヤモンドなどの半導体基板を用いて
もよいし、ヒ化ガリウム、炭化シリコン、窒化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、
酸化ガリウムなどの化合物半導体基板を用いてもよい。または、基板100として、SO
I(Silicon on Insulator)などを用いてもよい。または、基板1
00に替えて、絶縁表面を有する基板上に、シリコン膜、ゲルマニウム膜、ダイヤモンド
膜などの半導体膜、またはヒ化ガリウム膜、炭化シリコン膜、窒化ガリウム膜、リン化イ
ンジウム膜、酸化亜鉛膜、酸化ガリウム膜、In−Zn酸化物膜、In−Ga−Zn酸化
物膜、In−Sn−Zn酸化物膜などの化合物半導体膜を設けてもよい。
トランジスタ192は、例えば、絶縁膜102上の酸化物半導体膜106と、酸化物半導
体膜106上のソース電極116aおよびドレイン電極116bと、酸化物半導体膜10
6上、ソース電極116a上およびドレイン電極116b上のゲート絶縁膜112と、ゲ
ート絶縁膜112上のゲート電極104と、を有する。酸化物半導体膜106は、絶縁膜
102の領域103と重ならない領域にも設けられる。
絶縁膜102が領域103を有する場合、絶縁膜102に含まれる過剰酸素を酸化物半導
体膜106の酸素欠損を低減するために有効活用することができる。例えば、領域103
を有さない場合、絶縁膜102に含まれる過剰酸素が、ソース電極116aおよびドレイ
ン電極116b、ならびに配線126aおよび配線126bを酸化させることに用いられ
る場合がある。また、絶縁膜102に含まれる過剰酸素が外方拡散することで失われてし
まう場合がある。
以下では、酸化物半導体膜106については、図3などにおける説明を参照する。
<半導体装置の作製方法>
以下では、図26に示した半導体装置の作製方法について説明する。
まずは、基板100にトランジスタ191を形成する(図28(A)参照。)。
次に、トランジスタ191上に絶縁膜168を形成する(図28(B)参照。)。
次に、絶縁膜168を加工し、トランジスタ191のゲート電極154に達する開口部と
、領域166bに達する開口部と、を形成する(図28(C)参照。)。
次に、絶縁膜168に不純物を添加することで、酸素ブロック領域である領域169を形
成する(図28(D)参照。)。なお、絶縁膜168に領域169を形成する方法につい
ては、上述した酸素ブロック領域の形成方法についての記載を参照する。
次に、絶縁膜168上に導電膜172、導電膜174、導電膜176および導電膜178
を形成する(図29(A)参照。)。
次に、絶縁膜168上、導電膜172上、導電膜174上、導電膜176上および導電膜
178上に、酸素ブロック領域である領域158を有する絶縁膜102を形成する(図2
9(B)参照。)。領域158は、酸素の拡散係数が小さい絶縁膜を用いることができる
。または、領域158は、絶縁膜102に対して不純物を添加することで形成することが
できる。
イオンドーピング法またはイオン注入法を用いて、絶縁膜102に領域158を形成する
場合、例えば、イオンドーピング法またはイオン注入法における加速電圧は、20kV以
上500kV以下、好ましくは50kV以上500kV以下、さらに好ましくは100k
V以上500kV以下、より好ましくは200kV以上500kV以下とする。また、イ
オンの注入濃度は、1×1015atoms/cm以上、好ましくは2×1015at
oms/cm以上、さらに好ましくは5×1015atoms/cm以上、より好ま
しくは1×1016atoms/cm以上、より好ましくは2×1016atoms/
cm以上とする。
次に、絶縁膜102を加工し、導電膜172に達する開口部を形成する(図29(C)参
照。)。
次に、酸化物半導体膜106となる酸化物半導体膜を成膜する。次に、酸化物半導体膜上
にレジストマスク180を形成する。次に、レジストマスク180を用いて、酸化物半導
体膜を加工し、島状の酸化物半導体膜106を形成する。
次に、レジストマスク180を用いて、絶縁膜102に不純物を添加することで、酸素ブ
ロック領域である領域103を形成する(図30(A)参照。)。なお、絶縁膜102に
領域103を形成する方法については、上述した酸素ブロック領域の形成方法についての
記載を参照する。
次に、レジストマスク180を除去する。次に、トランジスタ192を形成する。次に、
保護絶縁膜118を形成する(図30(B)参照。)
このようにして、図26に示した半導体装置を作製することができる。
上述したトランジスタは、例えば、メモリ、CPU、表示装置など様々な用途に用いるこ
とができる。
<メモリ1>
以下では、発明の一態様に係る半導体装置が有する、メモリセルの回路構成およびその動
作について、図31を参照して説明する。
なお、半導体装置は、メモリセルの他、別の基板上に配置された駆動回路、電源回路等を
含む場合がある。
図31(A)は、メモリセル400の一例を示す回路図である。
図31(A)に示すメモリセル400では、トランジスタ411と、トランジスタ412
と、トランジスタ413と、容量素子414と、を示している。なおメモリセル400は
、図31(A)では、図示を省略しているが、実際にはマトリクス状に複数設けられてい
る。
トランジスタ411は、ゲートに、書き込みワード線WWLが接続される。また、トラン
ジスタ411は、ソースおよびドレインの一方に、ビット線BLが接続される。また、ト
ランジスタ411は、ソースおよびドレインの他方に、フローティングノードFNが接続
される。
トランジスタ412は、ゲートに、フローティングノードFNが接続される。また、トラ
ンジスタ412は、ソースおよびドレインの一方に、トランジスタ413のソースおよび
ドレインの一方が接続される。また、トランジスタ412は、ソースおよびドレインの他
方に、電源線SLが接続される。
トランジスタ413は、ゲートに、読み出しワード線RWLが接続される。また、トラン
ジスタ413は、ソースおよびドレインの他方に、ビット線BLが接続される。
容量素子414は、一方の電極に、フローティングノードFNが接続される。また、容量
素子414は、他方の電極に、固定電位が与えられる。
書き込みワード線WWLには、ワード信号が与えられる。
ワード信号は、ビット線BLの電圧をフローティングノードFNに与えるために、トラン
ジスタ411を導通状態とする信号である。
なお、書き込みワード線WWLに与えられるワード信号を制御することで、フローティン
グノードFNの電位が、ビット線BLの電圧に応じた電位となることを、メモリセルにデ
ータを書き込む、という。また、読み出しワード線RWLに与えられる読み出し信号を制
御することで、ビット線BLの電圧が、フローティングノードFNの電位に応じた電圧と
なることを、メモリセルからデータを読み出す、という。
ビット線BLには、多値のデータが与えられる。またビット線BLには、データを読み出
すための、ディスチャージ電圧Vdischargeが与えられる。
多値のデータは、kビット(kは2以上の整数)のデータである。具体的には、2ビット
のデータであれば4値のデータであり、4段階の電圧のいずれか一を有する信号である。
ディスチャージ電圧Vdischargeは、データを読み出すために、ビット線BLに
与えられる電圧である。また、ディスチャージ電圧Vdischargeが与えられた後
、ビット線BLは電気的に浮遊状態となる。また、ディスチャージ電圧Vdischar
geは、ビット線BLの初期化を行うために与えられる電圧である。
読み出しワード線RWLには、読み出し信号が与えられる。
読み出し信号は、メモリセルからデータを選択的に読み出すために、トランジスタ413
のゲートに与えられる信号である。
フローティングノードFNは、容量素子414の一方の電極、トランジスタ411のソー
スおよびドレインの他方、およびトランジスタ412のゲートを接続する配線上のいずれ
かのノードに相当する。
フローティングノードFNの電位は、ビット線BLによって与えられる、多値のデータに
基づく電位である。また、フローティングノードFNは、トランジスタ411を非導通状
態とすることで、電気的に浮遊状態となる。
電源線SLには、ビット線BLに与えられるディスチャージ電圧Vdischarge
りも高いプリチャージ電圧Vprechargeが与えられる。
電源線SLの電圧は、少なくともメモリセル400からデータを読み出す期間に、プリチ
ャージ電圧Vprechargeであればよい。そのため、メモリセル400にデータを
書き込む期間、または/およびデータの読み出しや書き込みを行わない期間では、電源線
SLの電圧をディスチャージ電圧Vdischargeとし、ビット線BLと電源線SL
とが等電位となる構成としてもよい。当該構成により、ビット線BLと電源線SLとの間
にわずかに流れる貫通電流を低減することができる。
また別の構成として、電源線SLは、プリチャージ電圧Vprechargeとした定電
圧を与える構成としてもよい。当該構成により、電源線SLの電圧を、プリチャージ電圧
prechargeとディスチャージ電圧Vdischargeとで切り換えなくてよ
いため、電源線SLの充放電に要する消費電力を削減することができる。
電源線SLに与えられるプリチャージ電圧Vprechargeは、ビット線BLに与え
られるディスチャージ電圧Vdischargeを、トランジスタ412およびトランジ
スタ413を介した充電により変化させる電圧である。
トランジスタ411は、導通状態と非導通状態とを切り換えることで、データの書き込み
を制御するスイッチとしての機能を有する。また、非導通状態を保持することで、書き込
んだデータに基づく電位を保持する機能を有する。なお、トランジスタ411は、nチャ
ネル型のトランジスタとして、説明を行うものとする。
トランジスタ411は、非導通状態においてソースとドレインとの間を流れる電流(オフ
電流)が小さいトランジスタが用いられることが好適である。
図31(A)に示すメモリセル400の構成では、非導通状態を保持することで、書き込
んだデータに基づく電位を保持している。そのため、フローティングノードFNでの電荷
の移動を伴った電位の変動を抑えるスイッチとして、オフ電流の小さいトランジスタが用
いられることが特に好ましい。なお、オフ電流の小さいトランジスタのオフ電流を評価す
る方法は後述する。
トランジスタ411は、オフ電流の小さいトランジスタとし、非導通状態を保持すること
で、メモリセル400を不揮発性のメモリとすることができる。よって、一旦、メモリセ
ル400に書き込まれたデータは、再度、トランジスタ411を導通状態とするまで、フ
ローティングノードFNに保持し続けることができる。
トランジスタ412は、フローティングノードFNの電位にしたがって、ソースとドレイ
ンとの間にドレイン電流Idを流す機能を有する。なお、図31(A)に示すメモリセル
400の構成で、トランジスタ412のソースとドレインとの間に流れるドレイン電流I
dは、ビット線BLと電源線SLとの間に流れる電流である。なおトランジスタ412は
、第2のトランジスタともいう。また、トランジスタ412は、nチャネル型のトランジ
スタとして説明を行う。
トランジスタ413は、読み出しワード線RWLの電位にしたがって、ソースとドレイン
との間にドレイン電流Idを流す機能を有する。なお、図31(A)に示すメモリセル4
00の構成で、トランジスタ413のソースとドレインとの間に流れるドレイン電流Id
は、ビット線BLと電源線SLとの間に流れる電流である。なおトランジスタ413は、
第3のトランジスタともいう。また、トランジスタ413は、nチャネル型のトランジス
タとして説明を行う。
なおトランジスタ412およびトランジスタ413には、しきい値電圧のばらつきの小さ
いトランジスタが用いられることが好ましい。ここで、しきい値電圧のばらつきが小さい
トランジスタとは、トランジスタが同一プロセスで作製される際に、許容されるしきい値
電圧の差が20mV以内で形成されうるトランジスタのことをいう。具体的には、チャネ
ルが単結晶シリコンで形成されているトランジスタが挙げられる。しきい値電圧のばらつ
きは小さければ小さいほど好ましいが、前述した単結晶シリコンで形成されているトラン
ジスタであっても、しきい値電圧の差が20mV程度残りうる。
次に、図31(A)に示すメモリセル400の動作を説明する。
図31(B)に示すタイミングチャートは、図31(A)で示した書き込みワード線WW
L、読み出しワード線RWL、フローティングノードFN、ビット線BL、および電源線
SLに与えられる各信号の変化について示すものである。
図31(B)に示すタイミングチャートでは、初期状態である期間T1、データを読み出
すためにビット線BLの充電を行う期間T2、を示している。
図31(B)に示す期間T1では、ビット線BLの放電を行う。このとき、書き込みワー
ド線WWLは、Lレベルの電位が与えられる。また、読み出しワード線RWLは、Lレベ
ルの電位が与えられる。また、フローティングノードFNは、多値のデータに対応する電
位が保持される。またビット線BLは、ディスチャージ電圧Vdischargeが与え
られる。また、電源線SLは、プリチャージ電圧Vprechargeが与えられる。
なお図31(B)では、多値のデータの一例として、2ビットのデータ、すなわち4値の
データを示している。具体的に図31(B)では、4値のデータ(V00、V01、V
、V11)を示しており、4段階の電位で表すことができる。
ビット線BLは、ディスチャージ電圧Vdischargeが与えられた後、電気的に浮
遊状態となる。すなわち、ビット線BLは、電荷の充電または放電により電位の変動が生
じる状態となる。この浮遊状態は、ビット線BLに電位を与えるスイッチをオフにするこ
とで実現することができる。
次に、図31(B)に示す期間T2では、データを読み出すためにビット線BLの充電を
行う。このとき、書き込みワード線WWLは、前の期間に引き続き、Lレベルの電位が与
えられる。また、読み出しワード線RWLは、Hレベルの電位が与えられる。また、フロ
ーティングノードFNは、前の期間に引き続き、多値のデータに対応する電位が保持され
る。またビット線BLは、ディスチャージ電圧Vdischargeがフローティングノ
ードFNの電位にしたがって上昇する。また、電源線SLは、前の期間に引き続き、プリ
チャージ電圧Vprechargeが与えられる。
読み出しワード線RWLの電位の変化にしたがって、トランジスタ413が導通状態とな
る。そのため、トランジスタ412のソースおよびドレインの一方の電位が下降して、デ
ィスチャージ電圧Vdischargeとなる。
トランジスタ412はnチャネル型のトランジスタであり、トランジスタ412のソース
およびドレインの一方の電位が下降してディスチャージ電圧Vdischargeとなる
ことで、ゲートとソースとの間の電圧(ゲート電圧)の絶対値が大きくなる。このゲート
電圧の上昇にしたがってトランジスタ412およびトランジスタ413では、ソースとド
レインとの間にドレイン電流Idが流れる。
トランジスタ412およびトランジスタ413にドレイン電流Idが流れることで、電源
線SLの電荷がビット線BLに充電される。トランジスタ412のソースの電位、および
ビット線BLの電位は、充電により上昇する。トランジスタ412のソースの電位が上昇
することで、トランジスタ412のゲート電圧が徐々に小さくなる。
期間T2において、トランジスタ412のゲート電圧がしきい値電圧になると、ドレイン
電流Idは流れなくなる。そのため、ビット線BLは、電位の上昇が進行し、トランジス
タ412のゲート電圧がしきい値電圧となった時点で充電が完了し、定電位となる。この
ときのビット線BLの電位は、概ねフローティングノードFNの電位としきい値電圧との
差となる。
つまり、充電により変化するビット線BLの電位は、フローティングノードFNの電位の
高低を反映した形で得ることができる。この電位の違いを多値のデータの判定に用いるこ
とで、メモリセル400に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
したがって、データを読み出すための信号を多値のデータの数に応じて切り換えることな
く、メモリセルから多値のデータの読み出しを行うことができる。
<メモリ2>
以下では、メモリ1と異なる半導体装置の回路構成およびその動作について、図32を参
照して説明する。
図32(A)には、本発明の一態様である半導体装置として、記憶装置500を示す。図
32(A)に示す記憶装置500は、記憶素子部602と、第1の駆動回路604と、第
2の駆動回路606と、を有する。
記憶素子部602には、記憶素子608がマトリクス状に複数配置されている。図32(
A)に示す例では、記憶素子部602には記憶素子608が5行6列に配置されている。
第1の駆動回路604および第2の駆動回路606は、記憶素子608への信号の供給を
制御し、読み取り時には記憶素子608からの信号を取得する。例えば、第1の駆動回路
604をワード線駆動回路とし、第2の駆動回路606をビット線駆動回路とする。ただ
し、これに限定されず、第1の駆動回路604をビット線駆動回路とし、第2の駆動回路
606をワード線駆動回路としてもよい。
なお、第1の駆動回路604および第2の駆動回路606は、それぞれ記憶素子608と
配線により電気的に接続されている。
記憶素子608は、揮発性メモリと、不揮発性メモリと、を有する。記憶素子608の具
体的な回路構成の一例を図32(B)に示す。図32(B)に示す記憶素子608は、第
1の記憶回路610と、第2の記憶回路612と、を有する。
第1の記憶回路610は、第1のトランジスタ614と、第2のトランジスタ616と、
第3のトランジスタ618と、第4のトランジスタ620と、第5のトランジスタ622
と、第6のトランジスタ624と、を有する。
まず、第1の記憶回路610の構成について説明する。第1のトランジスタ614のソー
スおよびドレインの一方は、第1の端子630に電気的に接続され、第1のトランジスタ
614のゲートは、第2の端子632に電気的に接続されている。第2のトランジスタ6
16のソースおよびドレインの一方は、高電位電源線Vddに電気的に接続され、第2の
トランジスタ616のソースおよびドレインの他方は、第1のトランジスタ614のソー
スおよびドレインの他方と、第3のトランジスタ618のソースおよびドレインの一方と
、第1のデータ保持部640に電気的に接続されている。第3のトランジスタ618のソ
ースおよびドレインの他方は、低電位電源線Vssに電気的に接続されている。第2のト
ランジスタ616のゲートと第3のトランジスタ618のゲートは、第2のデータ保持部
642に電気的に接続されている。
そして、第4のトランジスタ620のソースおよびドレインの一方は、第3の端子634
に電気的に接続され、第4のトランジスタ620のゲートは、第4の端子636に電気的
に接続されている。第5のトランジスタ622のソースおよびドレインの一方は、高電位
電源線Vddに電気的に接続され、第5のトランジスタ622のソースおよびドレインの
他方は、第4のトランジスタ620のソースおよびドレインの他方と、第6のトランジス
タ624のソースおよびドレインの一方と、第2のデータ保持部642に電気的に接続さ
れている。第6のトランジスタ624のソースおよびドレインの他方は、低電位電源線V
ssに電気的に接続されている。第5のトランジスタ622のゲートと第6のトランジス
タ624のゲートは、第1のデータ保持部640に電気的に接続されている。
第1のトランジスタ614、第3のトランジスタ618、第4のトランジスタ620およ
び第6のトランジスタ624は、nチャネル型のトランジスタである。
第2のトランジスタ616および第5のトランジスタ622は、pチャネル型のトランジ
スタである。
第1の端子630は、ビット線に電気的に接続されている。第2の端子632は、第1の
ワード線に電気的に接続されている。第3の端子634は、反転ビット線に電気的に接続
されている。第4の端子636は、第1のワード線に電気的に接続されている。
以上説明した構成を有することで、第1の記憶回路610は、SRAMを構成している。
即ち、第1の記憶回路610は、揮発性メモリである。本発明の一態様である記憶装置5
00では、第1の記憶回路610に設けられた第1のデータ保持部640および第2のデ
ータ保持部642が第2の記憶回路612に電気的に接続されている。
第2の記憶回路612は、第7のトランジスタ626と、第8のトランジスタ628と、
を有する。
次に、第2の記憶回路612の構成について説明する。第7のトランジスタ626のソー
スおよびドレインの一方は、第2のデータ保持部642に電気的に接続され、第7のトラ
ンジスタ626のソースおよびドレインの他方は、第1の容量素子648の一方の電極に
電気的に接続されている。第1の容量素子648の他方の電極には、低電位電源線Vss
が電気的に接続されている。第8のトランジスタ628のソースおよびドレインの一方は
、第1のデータ保持部640に電気的に接続され、第8のトランジスタ628のソースお
よびドレインの他方は、第2の容量素子650の一方の電極に電気的に接続されている。
第2の容量素子650の他方の電極には、低電位電源線Vssが電気的に接続されている
。第7のトランジスタ626のゲートと第8のトランジスタ628のゲートは、第5の端
子668に電気的に接続されている。
第5の端子668は、第2のワード線に電気的に接続されている。なお、第1のワード線
と第2のワード線は、一方の動作にしたがって他方の信号が制御される構成であってもよ
いし、各々が独立に制御される構成であってもよい。
第7のトランジスタ626と第8のトランジスタ628は、オフ電流の小さいトランジス
タである。なお、図32(B)に例示する構成では、第7のトランジスタ626と第8の
トランジスタ628は、nチャネル型のトランジスタであるが、これに限定されない。
第7のトランジスタ626と第1の容量素子648の一方の電極の間には、第3のデータ
保持部644が形成されている。第8のトランジスタ628と第2の容量素子650の一
方の電極の間には、第4のデータ保持部646が形成されている。第7のトランジスタ6
26と第8のトランジスタ628のオフ電流が小さいため、第3のデータ保持部644お
よび第4のデータ保持部646の電荷は、長時間保持される。即ち、第2の記憶回路61
2は、不揮発性メモリである。
上記したように、第1の記憶回路610は揮発性メモリであり、第2の記憶回路612は
不揮発性メモリであり、第1の記憶回路610のデータ保持部である第1のデータ保持部
640および第2のデータ保持部642は、第2の記憶回路612のデータ保持部である
第3のデータ保持部644および第4のデータ保持部646に、オフ電流の小さいトラン
ジスタを介して電気的に接続されている。したがって、オフ電流の小さいトランジスタの
ゲート電位を制御することで、第1の記憶回路610のデータを第2の記憶回路612の
データ保持部に退避させることができる。また、オフ電流の小さいトランジスタを用いる
ことで、記憶素子608への電力の供給がない場合であっても、第3のデータ保持部64
4および第4のデータ保持部646には、長期にわたって記憶内容を保持することができ
る。
このように、図32(B)に示す記憶素子608は、揮発性メモリのデータを不揮発性メ
モリに退避させることができる。
また、第1の記憶回路610はSRAMを構成するため、高速動作が要求される。他方、
第2の記憶回路612では電力の供給を停止した後の長期間のデータ保持が要求される。
このような構成は、第1の記憶回路610を高速動作可能なトランジスタを用いて形成し
、第2の記憶回路612をオフ電流の小さいトランジスタを用いて形成することによって
実現することができる。例えば、第1の記憶回路610をシリコンを用いたトランジスタ
で形成し、第2の記憶回路612を酸化物半導体膜を用いたトランジスタで形成すればよ
い。
本発明の一態様である記憶装置500において、第1のトランジスタ614および第4の
トランジスタ620をオンして、揮発性メモリである第1の記憶回路610のデータ保持
部にデータを書き込む際に、第2の記憶回路612に含まれる第7のトランジスタ626
および第8のトランジスタ628がオンしていると、第1の記憶回路610のデータ保持
部(第1のデータ保持部640および第2のデータ保持部642)が所定の電位を保持す
るためには、第2の記憶回路612に含まれる第1の容量素子648および第2の容量素
子650に電荷を蓄積すればよい。したがって、第1の記憶回路610のデータ保持部に
データを書き込む際に、第7のトランジスタ626と第8のトランジスタ628がオンし
ていると、記憶素子608の高速動作を阻害する。また、第2の記憶回路612をシリコ
ンを用いたトランジスタで形成すると、オフ電流を十分に小さくすることが難しく、第2
の記憶回路612に長期にわたって記憶内容を保持することが困難である。
そこで、本発明の一態様である半導体装置では、第1の記憶回路610のデータ保持部(
揮発性メモリ)にデータを書き込む際には、第1の記憶回路610のデータ保持部と第2
の記憶回路612のデータ保持部の間に配されたトランジスタ(即ち、第7のトランジス
タ626および第8のトランジスタ628)をオフしておく。これによって、記憶素子6
08の高速動作を実現する。また、第1の記憶回路610のデータ保持部への書き込みお
よび読み出しを行わない際(即ち、第1のトランジスタ614および第4のトランジスタ
620がオフの状態)には、第1の記憶回路610のデータ保持部と第2の記憶回路61
2のデータ保持部の間に配されたトランジスタをオンする。
記憶素子608の揮発性メモリへのデータの書き込みの具体的な動作を以下に示す。まず
、オンされている第7のトランジスタ626および第8のトランジスタ628をオフする
。次いで、第1のトランジスタ614および第4のトランジスタ620をオンして、第1
の記憶回路610のデータ保持部(第1のデータ保持部640および第2のデータ保持部
642)に所定の電位を供給した後、第1のトランジスタ614および第4のトランジス
タ620をオフする。その後、第7のトランジスタ626および第8のトランジスタ62
8をオンする。これによって、第2の記憶回路612のデータ保持部には、第1の記憶回
路610のデータ保持部に保持されたデータに対応したデータが保持される。
なお、少なくとも第1の記憶回路610のデータ保持部へのデータの書き込みのために、
第1のトランジスタ614および第4のトランジスタ620をオンする際には、第2の記
憶回路612に含まれる第7のトランジスタ626および第8のトランジスタ628をオ
フとする。ただし、第1の記憶回路610のデータ保持部からのデータの読み出しのため
に、第1のトランジスタ614および第4のトランジスタ620をオンする際には、第2
の記憶回路612に含まれる第7のトランジスタ626および第8のトランジスタ628
はオフとしてもよいし、オンとしてもよい。
また、記憶素子608への電力の供給を停止する場合には、記憶素子608への電力の供
給を停止する直前に、第1の記憶回路610のデータ保持部と第2の記憶回路612のデ
ータ保持部の間に配されたトランジスタ(即ち、第7のトランジスタ626および第8の
トランジスタ628)をオフして、第2の記憶回路612に保持されたデータを不揮発化
する。揮発性メモリへの電力の供給が停止される直前に第7のトランジスタ626と第8
のトランジスタ628をオフする手段は、第1の駆動回路604および第2の駆動回路6
06に搭載してもよいし、これらの駆動回路を制御する別の制御回路に設けられていても
よい。
なお、ここで、第1の記憶回路610のデータ保持部と第2の記憶回路612のデータ保
持部の間に配された第7のトランジスタ626および第8のトランジスタ628のオンま
たはオフは、記憶素子ごとに行ってもよいし、記憶素子部602をいくつかに区分けした
ブロックごとに行ってもよい。
第1の記憶回路610をSRAMとして動作させる際に、第1の記憶回路610のデータ
保持部と第2の記憶回路612のデータ保持部の間に配されたトランジスタをオフするた
め、第2の記憶回路612に含まれる第1の容量素子648および第2の容量素子650
への電荷の蓄積を行うことなく第1の記憶回路610にデータを保持することが可能とな
るため、記憶素子608を高速に動作させることができる。
また、本発明の一態様である記憶装置500では、記憶装置500への電力の供給を停止
する(記憶装置500の電源を遮断する)前に、最後にデータを書き換えた記憶素子60
8が有する、第1の記憶回路610のデータ保持部と第2の記憶回路612のデータ保持
部の間に配されたトランジスタのみをオンしてもよい。このとき、最後にデータを書き換
えた記憶素子608のアドレスを外部メモリに記憶しておくと、スムーズに退避させるこ
とができる。
ただし、本発明の一態様である半導体装置の駆動方法は上記説明に限定されるものではな
い。
以上説明したように、記憶装置500を高速動作させることができる。また、データの退
避を一部の記憶素子のみで行うため、消費電力を抑えることができる。
なお、ここでは、揮発性メモリとしてSRAMを用いたが、これに限定されず、他の揮発
性メモリを用いてもよい。
<CPU>
図20は、上述したトランジスタを少なくとも一部に用いたCPUの具体的な構成を示す
ブロック図である。
図20(A)に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arith
metic logic unit、論理演算回路)、ALUコントローラ1192、イ
ンストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコ
ントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインター
フェース1198、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース11
89を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる
。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。
もちろん、図20(A)に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実
際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクション
デコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタ
ラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ
1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントロー
ラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制
御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御する
ための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラ
ム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク
状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアド
レスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ119
2、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、および
レジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタ
イミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号
CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記
各種回路に供給する。
図20(A)に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レ
ジスタ1196のメモリセルとして、上述したトランジスタを用いることができる。
図20(A)に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191
からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。即ち、レジスタ1
196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容
量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持
が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われ
る。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換
えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができ
る。
電源停止に関しては、図20(B)または図20(C)に示すように、メモリセル群と、
電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を
設けることにより行うことができる。以下に図20(B)および図20(C)の回路の説
明を行う。
図20(B)および図20(C)は、メモリセルへの電源電位の供給を制御するスイッチ
ング素子に、上述したトランジスタを用いた記憶装置である。
図20(B)に示す記憶装置は、スイッチング素子1141と、メモリセル1142を複
数有するメモリセル群1143とを有している。具体的に、各メモリセル1142には、
上述したトランジスタを用いることができる。メモリセル群1143が有する各メモリセ
ル1142には、スイッチング素子1141を介して、ハイレベルの電源電位VDDが供
給されている。さらに、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142には、信号
INの電位と、ローレベルの電源電位VSSの電位が与えられている。
図20(B)では、スイッチング素子1141として、上述したトランジスタを用いてお
り、該トランジスタは、そのゲート電極層に与えられる信号SigAによりスイッチング
が制御される。
なお、図20(B)では、スイッチング素子1141がトランジスタを一つだけ有する構
成を示しているが、特に限定されず、トランジスタを複数有していてもよい。スイッチン
グ素子1141が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合
、上記複数のトランジスタは並列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよ
いし、直列と並列が組み合わされて接続されていてもよい。
また、図20(B)では、スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有
する各メモリセル1142への、ハイレベルの電源電位VDDの供給が制御されているが
、スイッチング素子1141により、ローレベルの電源電位VSSの供給が制御されてい
てもよい。
また、図20(C)には、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142に、スイ
ッチング素子1141を介して、ローレベルの電源電位VSSが供給されている、記憶装
置の一例を示す。スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有する各メ
モリセル1142への、ローレベルの電源電位VSSの供給を制御することができる。
メモリセル群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、ス
イッチング素子を設け、一時的にCPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合
においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具
体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置へ
の情報の入力を停止している間でも、CPUの動作を停止することができ、それにより消
費電力を低減することができる。
ここでは、CPUを例に挙げて説明したが、DSP(Digital Signal P
rocessor)、カスタムLSI、FPGA(Field Programmabl
e Gate Array)等のLSIにも応用可能である。
<オフ電流を測定する方法について>
酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、オフ電流が極めて小さいことが知られている。
例えば、酸化物半導体膜を用いたトランジスタのオフ電流は、例えば、チャネル長3μm
、チャネル幅1μmのとき、85℃において、10zA(1×10−20A)未満、1z
A(1×10−21A)未満、100yA(1×10−22A)未満、10yA(1×1
−23A)未満または1yA(1×10−24A)未満とすることができる。
しかし、1×10−13A未満または1×10−14A未満の電流は、測定できない場合
がある。これは、電流を測定するための装置の測定下限が1×10−13Aから1×10
−14A程度であることに由来する。なお、オフ電流とは、トランジスタがオフのとき(
ゲート電圧がしきい値電圧よりも十分小さいとき)のドレイン電流をいう。
そこで、トランジスタのオフ電流が極めて小さい場合でも、オフ電流を測定することが可
能な方法について、以下で説明する。
例えば、4つのトランジスタを有する回路構成を用いて、極めてオフ電流の小さいトラン
ジスタのオフ電流を測定することができる。
図33に、第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流を測定するための回路構成を示す。
第1のトランジスタ(Tr1)のドレイン端子は、第2のトランジスタ(Tr2)のソー
ス端子と電気的に接続している。この接続箇所をノードNと呼ぶ。第2のトランジスタ(
Tr2)のドレイン端子は、高電位VDD1を供給する配線と電気的に接続している。第
1のトランジスタ(Tr1)のソース端子は、低電位VSS1を供給する配線と電気的に
接続している。
ノードNは、読み出し回路と電気的に接続している。図33では、読み出し回路として、
ソースフォロワ回路を用いた例を示す。ソースフォロワ回路は、第3のトランジスタ(T
r3)と第4のトランジスタ(Tr4)とを有する。また、ソースフォロワ回路は、第3
のトランジスタ(Tr3)のソース端子と、第4のトランジスタ(Tr4)のドレイン端
子との間に出力端子(電位Vout)を有する。
第3のトランジスタ(Tr3)のソース端子は、第4のトランジスタ(Tr4)のドレイ
ン端子と電気的に接続している。第3のトランジスタ(Tr3)のドレイン端子は、高電
位VDD2を供給する配線と電気的に接続している。第4のトランジスタ(Tr4)のソ
ース端子は、低電位VSS2を供給する配線と電気的に接続している。
第2のトランジスタ(Tr2)は、第1のトランジスタ(Tr1)よりもオフ電流の十分
小さいトランジスタとする。例えば、第1のトランジスタ(Tr1)および第2のトラン
ジスタ(Tr2)が同様の構成を有する場合、第2のトランジスタ(Tr2)のチャネル
幅が、第1のトランジスタ(Tr1)よりも十分小さければよい。第2のトランジスタ(
Tr2)のチャネル幅は、例えば、第1のトランジスタ(Tr1)のチャネル幅の100
分の1以下、好ましくは1000分の1以下、さらに好ましくは10000分の1以下と
する。ただし、第2のトランジスタ(Tr2)は、第1のトランジスタ(Tr1)よりも
オフ電流の十分小さいトランジスタでなくても構わない場合がある。例えば、第1のトラ
ンジスタ(Tr1)と第2のトランジスタ(Tr2)のオフ電流が同程度であっても構わ
ない場合がある。
なお、図33に示した回路構成を有さない半導体装置を構成するトランジスタのオフ電流
を測定する場合、半導体装置内の配線の接続を修正することによって、図33に示した回
路構成と類似する回路構成を形成しても構わない。配線の接続を切るには、例えば、レー
ザビームなどを用いることができる。また、配線と配線とを接続するには、収束イオンビ
ーム(FIB:Focused Ion Beam)を用いた蒸着法などを用いることが
できる。
次に、図33に示した回路構成を用いて、第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流を測
定する方法を説明する。
まず、第1のトランジスタ(Tr1)をオフする(ゲート電圧Vg1をしきい値電圧より
も十分低くする)。次に、ノードNに電荷を注入する。ノードNへの電荷の注入は、第2
のトランジスタ(Tr2)をオンする(ゲート電圧Vg2をしきい値電圧よりも十分高く
する)ことで行えばよい。ノードNへの電荷の注入が完了した後、第2のトランジスタ(
Tr2)をオフする。なお、第2のトランジスタ(Tr2)は、第1のトランジスタ(T
r1)よりもオフ電流の十分小さいトランジスタである。したがって、ノードNに蓄えら
れた電荷は、第2のトランジスタ(Tr2)のオフ電流によって減少する割合は低く、ほ
とんどが第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流によって減少していくと見なすことが
できる。
次に、ノードNに蓄えられた電荷の減少量を読み出すための読み出し回路(ここではソー
スフォロワ回路)の動作について説明する。
まず、第4のトランジスタ(Tr4)のゲート端子には、ゲート電圧Vrefを印加する
。ゲート電圧Vrefは、第4のトランジスタ(Tr4)のしきい値電圧よりも僅かに高
い電圧とする。ゲート電圧Vrefが印加されているとき、第3のトランジスタ(Tr3
)のゲート端子(Vin)は、出力端子(Vout)と同程度の電位となる。
ここで、図33より、ノードNは、第3のトランジスタ(Tr3)のゲート端子と電気的
に接続しているため、ノードNの電位は、読み出し回路の入力端子(Vin)と同じ電位
である。また、入力端子(Vin)と出力端子(Vout)は同程度の電位となるため、
ノードNの電位は、出力端子(Vout)の電位として読み出すことができる。
このようにして読み出されたノードNの電位の変化から、第1のトランジスタ(Tr1)
のオフ電流を見積もることができる。
ノードNに蓄積された電荷量(Q[C])は、ノードNに蓄積可能な容量(C[F]
)と、ノードNの電位(V[V])との積である(Q=C・V)。また、ノード
Nに蓄積された電荷量の変化(ΔQ[C])を時間の変化(Δt[秒])で除した値が
、ノードNのリーク電流(INleak[A])となる。
したがって、ノードNのリーク電流(INleak[A])と、ノードNの時間の変化(
Δt[秒])に対するノードNの電位の変化(ΔV[V])との関係は、ノードNに蓄
積可能な容量(C[F])を用いて、数式(1)のように表される。
ここで、ノードNのリーク電流が第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流と見なせる場
合、第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流は、ノードNの時間の変化に対する電位の
変化量を測定した結果と、ノードNに蓄積可能な容量を、数式(1)に代入することで、
見積もることができる。ここで、前述したように、図33から、ノードNの電位は、読み
出し回路の入力端子(Vin)と同じ電位である。また、入力端子(Vin)と出力端子
(Vout)は同程度の電位となる。よって、ノードNの時間の変化に対する電位の変化
量は、出力端子(Vout)の電位の変化量とみなすことができる。
なお、第1のトランジスタ(Tr1)と第2のトランジスタ(Tr2)のオフ電流が同程
度の場合(オフ電流比が1:1程度)、第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流は、ノ
ードNのリーク電流のおよそ半分として見積もることができる。このように、第1のトラ
ンジスタ(Tr1)と第2のトランジスタ(Tr2)とのオフ電流比がわかれば、第2の
トランジスタ(Tr2)が第1のトランジスタ(Tr1)よりもオフ電流の十分小さいト
ランジスタでない場合でも、第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流を見積もることが
できる。
<オフ電流を実測した例>
以下では、上述した方法を用いて、酸化物半導体膜を用いたトランジスタのオフ電流を測
定した例について説明する。酸化物半導体膜としては、In−Ga−Zn酸化物膜を用い
た。In−Ga−Zn酸化物膜を用いたトランジスタは、オフ電流の極めて小さいトラン
ジスタである。
図33に示したオフ電流を測定する第1のトランジスタ(Tr1)としては、チャネル長
が3μm、チャネル幅が100000μmのトランジスタを用いた。また、ノードNに電
荷を注入する第2のトランジスタ(Tr2)としては、チャネル長が3μm、チャネル幅
が10μmのトランジスタを用いた。
即ち、第2のトランジスタ(Tr2)は、第1のトランジスタ(Tr1)と比べ、チャネ
ル幅が10000分の1である。ここで、チャネル幅はオフ電流と比例する。したがって
、第2のトランジスタ(Tr2)は、第1のトランジスタ(Tr1)と比べ、オフ電流が
10000分の1となる。
一方、酸化物半導体膜を用いたトランジスタにおいて、オフ電流はチャネル長に反比例し
ない場合がある。例えば、チャネル長が0.3μmから10μm程度であれば、トランジ
スタのオフ電流に大きな差は見られない場合がある。したがって、酸化物半導体膜を用い
たトランジスタのオフ電流は、例えば、0.3μmから10μm程度の範囲において、チ
ャネル長が異なっても、チャネル幅当たりのオフ電流として比較することが可能である。
ただし、より厳密にトランジスタのオフ電流を比較する場合は、チャネル長の揃ったトラ
ンジスタを用いることが好ましい。
以上に示した構成において、第1のトランジスタ(Tr1)のオフ電流を測定した。オフ
電流は、基板温度を85℃、125℃または150℃として測定した(サンプル数2)。
なお、オフ電流を測定したトランジスタのチャネル幅は10000μmである。
その結果、第1のトランジスタ(Tr1)のチャネル幅が1μm当たりのオフ電流は、8
5℃で4.4×10−23A/μmおよび4.0×10−23A/μm、125℃で1.
7×10−21A/μmおよび1.6×10−23A/μm、150℃で1.4×10
20A/μmおよび1.3×10−23A/μmであった。
以上に示したように、図33に示した回路構成を用いることで、オフ電流の極めて小さい
、In−Ga−Zn酸化物膜を用いたトランジスタにおいて、オフ電流を見積もることが
できた。
ここで、図34に、基板温度(T[K])の逆数(1/T[1/K])を横軸とし、チャ
ネル幅が1μm当たりのオフ電流(Ioff[A/μm])を縦軸(対数目盛)としたア
レニウスプロットを示す。
図34より、オフ電流の対数は温度の逆数に対して、良好な直線性を示した。第1のトラ
ンジスタ(Tr1)のチャネル幅が1μm当たりのオフ電流(Ioff[A/μm])は
、基板温度(T[K])を用い、アレニウスの式である数式(2)で表される。
<オフ電流を測定する方法の応用例>
ここまでは、4つのトランジスタを有する回路構成を用いて、極めて小さいオフ電流を見
積もる方法を説明した。続いて、1つのトランジスタから、極めて小さいオフ電流を直接
見積もる方法について説明する。
以下では、数式(2)を応用することで、極めて小さいオフ電流を見積もる方法について
説明する。この方法により、トランジスタが1つの場合でも、極めて小さいオフ電流を見
積もることができる場合がある。
前述したように、トランジスタのオフ電流の対数は基板温度の逆数に対して、良好な直線
性を示す。したがって、基板温度によっては、極めてオフ電流の小さいトランジスタにお
いても、オフ電流を測定できる場合がある。
ここで、数式(2)において、傾きを示す−1.3×10は、酸化物半導体膜を用いた
トランジスタであれば、いずれの場合でもおおよそ同じ値(−1.1×10から−1.
5×10程度)を示すことがわかっている。したがって、数式(2)を変形すると、数
式(3)のように表される。
数式(3)における定数Aは、トランジスタごとに異なる固有の定数である。したがって
、定数Aを求めることができれば、特定の基板温度におけるトランジスタのオフ電流を見
積もることができる。
例えば、ある基板温度におけるトランジスタのオフ電流が測定できた場合、数式(3)に
基板温度およびオフ電流を代入することで、定数Aを算出することができる。
したがって、例えば、低温(25℃から95℃程度)でオフ電流が測定することができず
、かつ高温(125℃から200℃程度)でオフ電流を測定することができた場合、高温
で測定されたオフ電流から、低温におけるオフ電流を見積もることができる。ただし、よ
り高温(例えば200℃より高い温度)では、半導体層や配線、電極の劣化により、トラ
ンジスタに異常が生じる場合がある。その場合、正しくオフ電流を見積もることができな
くなるため注意を要する。
また、例えば、高温でオフ電流を測定することができなかった場合でも、低温におけるオ
フ電流が、一定の値より小さいことを知ることができる。具体的には、電流を測定する装
置の測定下限が1.0×10−14Aである場合、オフ電流が測定下限未満となった基板
温度と、各基板温度において予測されるオフ電流との関係は、表1に示す値より小さくな
ることがわかる。
なお、トランジスタのチャネル幅はオフ電流と比例するため、チャネル幅が1μmより大
きいトランジスタであれば、表1に示した値よりも、さらに小さいオフ電流を見積もるこ
とができる。
以上に示したように、オフ電流の極めて小さいトランジスタが1つから、数式(3)の関
係により、オフ電流を見積もることのできる場合がある。
<設置例>
図21(A)において、テレビジョン装置8000は、筐体8001に表示部8002が
組み込まれており、表示部8002により映像を表示し、スピーカー部8003から音声
を出力することが可能である。
テレビジョン装置8000は、受信機やモデムなどを備えていてもよい。テレビジョン装
置8000は、受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを
介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者か
ら受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を
行うことも可能である。
また、テレビジョン装置8000は、情報通信を行うためのCPUや、メモリを備えてい
てもよい。テレビジョン装置8000は、上述したメモリやCPUを用いることが可能で
ある。
図21(A)において、警報装置8100は、住宅用火災警報器であり、検出部と、マイ
クロコンピュータ8101を有している。マイクロコンピュータ8101には、上述した
トランジスタを用いたCPUが含まれる。
図21(A)において、室内機8200および室外機8204を有するエアコンディショ
ナーには、上述したトランジスタを用いたCPUが含まれる。具体的に、室内機8200
は、筐体8201、送風口8202、CPU8203等を有する。図21(A)において
、CPU8203が、室内機8200に設けられている場合を例示しているが、CPU8
203は室外機8204に設けられていてもよい。または、室内機8200と室外機82
04の両方に、CPU8203が設けられていてもよい。上述したトランジスタを用いた
CPUが含まれることで、エアコンディショナーを省電力化できる。
図21(A)において、電気冷凍冷蔵庫8300には、上述したトランジスタを用いたC
PUが含まれる。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐体8301、冷蔵室用扉83
02、冷凍室用扉8303、CPU8304等を有する。図21(A)では、CPU83
04が、筐体8301の内部に設けられている。上述したトランジスタを用いたCPUが
含まれることで、電気冷凍冷蔵庫8300を省電力化できる。
図21(B)および図21(C)において、電気自動車の例を示す。電気自動車9700
には、二次電池9701が搭載されている。二次電池9701の電力は、制御回路970
2により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。制御回路9702は、図示
しないROM、RAM、CPU等を有する処理装置9704によって制御される。上述し
たトランジスタを用いたCPUが含まれることで、電気自動車9700を省電力化できる
駆動装置9703は、直流電動機もしくは交流電動機単体、または電動機と内燃機関と、
を組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情
報(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる
負荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路9702に制御信号を出力する。制御回路
9702は、処理装置9704の制御信号により、二次電池9701から供給される電気
エネルギーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭載している場
合は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
なお、本実施の形態は、基本原理の一例について述べたものである。したがって、本実施
の形態の一部について、実施の形態の他の一部と、自由に組み合わせることや、適用する
ことや、置き換えて実施することができる。
本実施例では、過剰酸素を含む絶縁膜である、酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜
に不純物としてリンを添加し、TDSによる酸素放出を評価した。
試料の作製方法を以下に示す。
まず、基板としてシリコンウェハを準備した。次に、シリコンウェハを熱酸化法により酸
化させ、表面に厚さ100nmの第1の酸化シリコン膜を形成した。次に、スパッタリン
グ法により、厚さが300nmの第2の酸化シリコン膜を成膜した。
第2の酸化シリコン膜は、合成石英ターゲットを用い、成膜ガスを酸素50sccmとし
、圧力を0.4Paとし、成膜電力を1.5kW(13.56MHz)とし、ターゲット
−基板間距離を60mmとし、基板温度を100℃として成膜した。
次に、試料に不純物としてリンイオン(P)を注入することで実施例試料1、実施例試
料2および実施例試料3を作製した。
リンイオンの添加は、イオン注入法を用い、加速電圧を30kVとして行った。実施例試
料1は、リンイオンの注入濃度を1×1015ions/cmとした。実施例試料2は
、リンイオンの注入濃度を2×1015ions/cmとした。実施例試料3は、リン
イオンの注入濃度を1×1016ions/cmとした。なお、比較例試料として、リ
ンイオンを注入していない試料を準備した。
図22に、実施例試料1、実施例試料2、実施例試料3および比較例試料の、TDSによ
る基板温度と質量電荷比(M/z)が32のイオン強度との関係を示す。TDSの測定は
、各試料を10mm×10mmに分断した試料に対して行った。なお、M/zが32で検
出されるガスには酸素ガス(O)がある。本実施例では、M/zが32で検出されるガ
スは、全て酸素ガスとみなす。
図22より、リンイオンを注入していない、比較例試料は、基板温度250℃以上450
℃以下程度の範囲で酸素ガスを放出した。一方、リンイオンを注入した、実施例試料1、
実施例試料2および実施例試料3は、比較例試料に対して酸素ガスの放出量が少ないこと
がわかった。
図22より、実施例試料1の酸素放出量は、8.1×1015atoms/cm(2.
7×1020atoms/cm)であった。また、実施例試料2の酸素放出量は、5.
5×1015atoms/cm(1.8×1020atoms/cm)であった。ま
た、実施例試料3の酸素放出量は、1.1×1014atoms/cm(3.7×10
18atoms/cm)であった。また、比較例試料の酸素放出量は、1.1×10
atoms/cm(3.7×1020atoms/cm)であった。なお、単位体
積当たりの酸素放出量は、第2の酸化シリコン膜の厚さ300nmから換算した。
図23に、図22から算出した酸素放出量を示す。なお、酸素放出量は、酸素原子に換算
した値を示す。図23は、リンイオン注入濃度と酸素放出量との関係である。なお、リン
イオンを注入していない、比較例試料の酸素放出量を破線で示す。
したがって、加熱によって放出する酸素の量を低減させるためには、30kVの加速電圧
では、酸化シリコン膜中にリンイオンを1×1015ions/cm以上、好ましくは
2×1015ions/cm以上、さらに好ましくは1×1016ions/cm
上の濃度で注入すればよいことがわかった。
図22より、加熱により酸素を放出することが可能な絶縁膜にリンイオンを注入すること
で、加熱によって放出する酸素の量を低減できることがわかる。
次に、実施例試料4の作製方法を示す。
まず、基板としてシリコンウェハを準備した。次に、シリコンウェハを熱酸化法により酸
化させ、表面に厚さ100nmの酸化シリコン膜を形成した。次に、CVD法により、厚
さが300nmの酸化窒化シリコン膜を成膜した。
酸化窒化シリコン膜は、成膜ガスをシラン2sccmおよび亜酸化窒素4000sccm
とし、圧力を700Paとし、成膜電力を250W(60MHz)とし、電極間距離を9
mmとし、基板温度を400℃として成膜した。
次に、試料に不純物としてリンイオン(P)を注入することで実施例試料4を作製した
。リンイオンの添加は、イオン注入法を用い、加速電圧を30kVとして行った。実施例
試料4は、リンイオンの注入濃度を1×1016ions/cmとした。
したがって、実施例試料3と実施例試料4との違いは、第2の酸化シリコン膜を用いるか
、酸化窒化シリコン膜を用いるかのみである。
次に、実施例試料3および実施例試料4をエッチングし、エッチング深さと酸素放出量と
の関係を評価した。実施例試料3および実施例試料4は、10mm×10mmに分断した
。なお、TDSの測定は、測定1回に対して分断した試料を1枚用いた。
図24は、エッチングなしの第2の酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜の厚さを基
準(深さ0nm)とし、各エッチング深さにおける酸素放出量をプロットした。エッチン
グは、エッチャントには、フッ化水素アンモニウムを6.7%とフッ化アンモニウムを1
2.7%含む混合溶液(ステラケミファ社製 LAL500)を用い、20℃で行った。
図24(A)に実施例試料3の酸素放出量を、図24(B)に実施例試料4の酸素放出量
を、それぞれ示す。
なお、図24には、計算によって算出した、第2の酸化シリコン膜または酸化窒化シリコ
ン膜中のリン濃度を示す。計算は、TRIM(Transport of Ion in
Matter)を用い、膜密度を2.2g/cmとして行った。計算により、各試料
は、深さ50nmから60nm程度にリン濃度の最大値を有することがわかった。
図24(A)より、実施例試料3は、第2の酸化シリコン膜を50nmの深さまでエッチ
ングすることで、酸素放出量が増大することがわかった。また、第2の酸化シリコン膜を
90nmの深さまでエッチングすることで、酸素放出量が極大となることがわかった。ま
た、図24(B)より、実施例試料4は、酸化窒化シリコン膜を78nmの深さまでエッ
チングすることで、酸素放出量が増大することがわかった。また、酸化窒化シリコン膜を
83nmの深さまでエッチングすることで、酸素放出量が最大となることがわかった。
図24より、絶縁膜中のリン濃度が最大値を示す領域をエッチングすると、酸素放出量は
大きく変化することがわかった。このことから、リン濃度を2×1020atoms/c
以上とすることで高い酸素ブロック性を示す領域が形成できていることがわかった。
また、リン濃度の低い領域では、加熱によって放出される酸素が保持されていることがわ
かった。
本実施例より、過剰酸素を含む絶縁膜である、酸化シリコン膜および酸化窒化シリコン膜
中に不純物としてリンを添加することで、酸素ブロック領域を形成できることがわかる。
本実施例では、過剰酸素を含む絶縁膜である酸化シリコン膜中に、不純物としてホウ素を
添加し、TDSによる酸素放出を評価した。
試料の作製方法を以下に示す。
まず、基板としてシリコンウェハを準備した。次に、シリコンウェハを熱酸化法により酸
化させ、表面に厚さ100nmの第1の酸化シリコン膜を形成した。次に、スパッタリン
グ法により、厚さが300nmの第2の酸化シリコン膜を成膜した。
第2の酸化シリコン膜は、合成石英ターゲットを用い、成膜ガスを酸素50sccmとし
、圧力を0.4Paとし、成膜電力を1.5kW(13.56MHz)とし、ターゲット
−基板間距離を60mmとし、基板温度を100℃として成膜した。
次に、試料に不純物としてホウ素イオン(B)を注入することで、実施例試料5を作製
した。
ホウ素イオンの添加は、イオン注入法を用い、加速電圧を10kVとして行った。実施例
試料5は、ホウ素イオンの注入濃度を1×1016ions/cmとした。なお、比較
例試料として、イオンを注入していない試料を準備した。当該試料は、比較例試料として
先の実施例に示した試料と同一である。
図25に、実施例試料5および比較例試料の、TDSによる基板温度とM/zが32のイ
オン強度との関係を示す。TDSの測定は、各試料を10mm×10mmに分断した試料
に対して行った。
図25より、ホウ素イオンを注入していない、比較例試料は、基板温度250℃以上45
0℃以下程度の範囲で酸素ガスを放出した。一方、ホウ素イオンを注入した実施例試料5
は、比較例試料に対して酸素ガスの放出量が少ないことがわかった。
図25より、実施例試料5の酸素放出量は、3.1×1015atoms/cm(1.
0×1020atoms/cm)であった。また、比較例試料の酸素放出量は、1.1
×1016atoms/cm(3.7×1020atoms/cm)であった。なお
、単位体積当たりの酸素放出量は、第2の酸化シリコン膜の厚さ300nmから換算した
したがって、加熱によって放出する酸素の量を低減させるためには、10kVの加速電圧
では、酸化シリコン膜中にホウ素イオンを1×1016ions/cm以上の濃度で注
入すればよいことがわかった。
図25より、加熱により酸素を放出することが可能な絶縁膜に、ホウ素イオンを注入する
ことでも、加熱によって放出する酸素の量を低減できることがわかる。
本実施例より、過剰酸素を含む絶縁膜である、酸化シリコン膜中に不純物としてホウ素を
添加することでも、酸素ブロック領域を形成できることがわかる。
52 絶縁膜
53 領域
56 酸化物半導体膜
68 絶縁膜
69 領域
100 基板
102 絶縁膜
103 領域
104 ゲート電極
106 酸化物半導体膜
112 ゲート絶縁膜
113 領域
116a ソース電極
116b ドレイン電極
118 保護絶縁膜
119 領域
120 レジストマスク
126a 配線
126b 配線
136 酸化物半導体膜
152 素子分離領域
154 ゲート電極
158 領域
162 ゲート絶縁膜
166a 領域
166b 領域
168 絶縁膜
169 領域
180 レジストマスク
191 トランジスタ
192 トランジスタ
200 基板
202 下地絶縁膜
203 領域
204 ゲート電極
206 酸化物半導体膜
212 ゲート絶縁膜
213 領域
216a ソース電極
216b ドレイン電極
218 保護絶縁膜
219 領域
220 レジストマスク
226a 配線
226b 配線
236 酸化物半導体膜
242 絶縁膜
300 基板
304 ゲート電極
306 酸化物半導体膜
312 ゲート絶縁膜
313 領域
316a ソース電極
316b ドレイン電極
318 保護絶縁膜
319 領域
320 レジストマスク
326a 配線
326b 配線
336 酸化物半導体膜
400 メモリセル
411 トランジスタ
412 トランジスタ
413 トランジスタ
414 容量素子
500 記憶装置
602 記憶素子部
604 駆動回路
606 駆動回路
608 記憶素子
610 記憶回路
612 記憶回路
614 トランジスタ
616 トランジスタ
618 トランジスタ
620 トランジスタ
622 トランジスタ
624 トランジスタ
626 トランジスタ
628 トランジスタ
630 端子
632 端子
634 端子
636 端子
640 データ保持部
642 データ保持部
644 データ保持部
646 データ保持部
648 容量素子
650 容量素子
668 端子
1141 スイッチング素子
1142 メモリセル
1143 メモリセル群
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
8000 テレビジョン装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカー部
8100 警報装置
8101 マイクロコンピュータ
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 CPU
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 CPU
9700 電気自動車
9701 二次電池
9702 制御回路
9703 駆動装置
9704 処理装置

Claims (6)

  1. 第1の領域を有する下地絶縁膜と、
    前記下地絶縁膜上の酸化物半導体膜と、
    前記酸化物半導体膜と接するゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上のゲート電極と、を有し、
    前記第1の領域と前記酸化物半導体膜とは互いに重畳せず、
    前記第1の領域は、リンまたはホウ素を含み、
    前記第1の領域に含まれるリンまたはホウ素の濃度は、5×1019atoms/cm以上であることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記下地絶縁膜は、過剰酸素を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 第1の領域を有する下地絶縁膜と、
    前記下地絶縁膜上の酸化物半導体膜と、
    前記酸化物半導体膜と接するゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上のゲート電極と、
    前記酸化物半導体膜上、前記ゲート絶縁膜上および前記ゲート電極上の保護絶縁膜と、を有し、
    前記第1の領域と前記酸化物半導体膜とは互いに重畳せず、
    前記第1の領域は、リンまたはホウ素を含み、
    前記保護絶縁膜の一部は、リンまたはホウ素を含み、
    前記第1の領域に含まれるリンまたはホウ素の濃度は、5×1019atoms/cm以上であることを特徴とする半導体装置。
  4. 第1の領域を有する下地絶縁膜と、
    前記下地絶縁膜上の酸化物半導体膜と、
    前記酸化物半導体膜と接するゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上のゲート電極と、
    前記酸化物半導体膜上、前記ゲート絶縁膜上および前記ゲート電極上の保護絶縁膜と、を有し、
    前記第1の領域と前記酸化物半導体膜とは互いに重畳せず、
    前記第1の領域は、リンまたはホウ素を含み、
    前記保護絶縁膜の一部は、リンまたはホウ素を含み、
    前記保護膜に含まれるリンまたはホウ素の濃度は、5×1019atoms/cm以上であることを特徴とする半導体装置。
  5. 第1の領域を有する下地絶縁膜と、
    前記下地絶縁膜上の酸化物半導体膜と、
    前記酸化物半導体膜と接するゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上のゲート電極と、
    前記酸化物半導体膜上、前記ゲート絶縁膜上および前記ゲート電極上の保護絶縁膜と、を有し、
    前記第1の領域と前記酸化物半導体膜とは互いに重畳せず、
    前記第1の領域は、リンまたはホウ素を含み、
    前記保護絶縁膜の一部は、リンまたはホウ素を含み、
    前記第1の領域に含まれるリンまたはホウ素の濃度は、5×1019atoms/cm以上であり、
    前記保護膜に含まれるリンまたはホウ素の濃度は、5×1019atoms/cm以上であることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれか一において、
    前記下地絶縁膜又は前記保護絶縁膜は、過剰酸素を有することを特徴とする半導体装置。
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