JP2018195726A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温、高温のサイクルを繰り返しても、封止材にクラックが発生することを防止できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】半導体装置は、半導体素子を搭載した積層基板と、積層基板を搭載した金属基板と、金属基板を接着剤で接着した樹脂ケースと、樹脂ケース内を充填した封止材と、金属基板と樹脂ケースとの接着部分と、封止材との間に中間層と、を備える。中間層は、線膨張係数が封止材の線膨張係数より大きく、接着剤の線膨張係数より小さい。【選択図】図1

Description

この発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
近年、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を中心として、パワー半導体モジュールが電力変換装置に広く用いられるようになっている。パワー半導体モジュールは1つまたは複数のパワー半導体チップを内蔵して変換接続の一部または全体を構成し、かつ、パワー半導体チップとベースプレートまたは冷却面との間が電気的に絶縁された構造を持つパワー半導体デバイスである。
図8は、従来構造のパワー半導体モジュールの構成を示す断面図である。図8に示すように、パワー半導体モジュールは、パワー半導体チップ1と、積層基板2と、金属基板3と、端子ケース4と、金属端子5と、金属ワイヤ6と、蓋7と、封止材8と、を備える。パワー半導体チップ1は、IGBTまたはダイオード等のパワー半導体チップであり、積層基板2上に搭載される。なお、積層基板2は、セラミック基板等の絶縁性基板21のおもて面および裏面に銅などの導電性板22が備えられたものである。積層基板2は、金属基板3にはんだ接合されている。金属基板3には、端子ケース4が接着剤9で接着されている。端子ケース4は、ポリフェニレンサルファイド(PPS:Poly Phenylene Sulfide)等の熱可塑性樹脂で、外部に信号を取り出す金属端子5を固定するためインサート成形されている。金属端子5は、積層基板2上にはんだ付けで固定され、蓋7を貫通して外部に突き出ている。金属ワイヤ6は、パワー半導体チップ1と金属端子5とを電気的に接続している。蓋7は、端子ケース4と同一の熱可塑性樹脂で構成されている。封止材8は、積層基板2の沿面およびパワーチップを搭載した基板上のパワー半導体チップ1を絶縁保護する封止樹脂として、端子ケース4内に充填されている。この封止材8は、通常エポキシ樹脂が用いられている。エポキシ樹脂は、寸法安定性や、耐水性・耐薬品性および電気絶縁性が高く、封止樹脂として適している(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−16684号公報
上述のように、端子ケース4は接着剤9で金属基板3に接続されており、端子ケース4内に封止材8が満たされている。封止材8は、無機充填材を含むエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂組成物が広く用いられている。接着剤9は、通常シリコーンゴムを含む材料が用いられている。金属基板3は、アルミニウム(Al)等の熱伝導率の高い金属が用いられている。各部材の線膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion)は、金属基板3と端子ケース4と封止材8とがほぼ同じで、接着剤9が他より高い値となる。これにより、低温、高温のサイクルを繰り返すと、高温時に金属基板3と端子ケース4と封止材8より、接着剤9がより多く伸長する。なお、封止材8は、熱硬化性樹脂に無機充填材を含む樹脂組成物からなる。無機充填材により、封止材8の熱伝導性を高め、熱膨張係数を下げて、金属基板3と端子ケース4と同等の線膨張係数に調整される。
このため、低温、高温のサイクルを繰り返す信頼性試験(ヒートショック試験)を行うと、封止材8、端子ケース4、金属基板3および接着剤9が接する箇所(図8の符号Sで示す箇所)で、伸長した接着剤9により封止材8に対する応力が生じる。さらに、シリコーンゴムを含む接着剤9は、難接着材料であるため、封止材8のエポキシ樹脂等とも接着が弱く、この応力が生じた場所を起点となって封止材8に、クラック(樹脂割れ)が発生する。
したがって、このパワー半導体モジュールで信頼性試験を実施すると、樹脂割れが、領域Sにおける端子ケース4と金属基板3の境界から積層基板2に向かって生じる。このため、信頼性試験後に、高温高湿バイアス試験(THB:Temperature/Humidity Bias)等の試験を複合的に実施すると、水分がパワー半導体モジュールの内部に浸透し、積層基板2に到達して、パワー半導体モジュールが破壊されるという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、低温、高温のサイクルを繰り返しても、封止材にクラックが発生することを防止できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。積層基板は、半導体素子を搭載する。金属基板は、前記積層基板を搭載する。樹脂ケースは、前記金属基板と接着剤で接着される。封止材は、前記樹脂ケース内を充填する。中間層が前記金属基板と前記樹脂ケースとの接着部分と、前記封止材との間に設けられた。前記中間層は、線膨張係数が前記封止材の線膨張係数より大きく、前記接着剤の線膨張係数より小さい。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中間層は、線膨張係数が前記封止材の線膨張係数と、前記接着剤の線膨張係数との中間の値であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中間層は、弾性率が前記封止材の弾性率より小さく、前記接着剤の弾性率より大きいことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中間層は、弾性率が前記封止材の弾性率と、前記接着剤の弾性率との中間の値であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記中間層は、熱硬化性樹脂に線膨張係数が20×10-6/K〜400×10-6/Kの添加粒子を配合したものであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはマレイミド樹脂であり、前記添加粒子はシリコーンゴム、ブタジエンゴム、またはアクリロニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記添加粒子は、前記熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜10質量部含まれることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記封止材としての熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはマレイミド樹脂であり、前記接着剤の材料はシリコーンゴム、ブタジエンゴム、またはアクリロニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、次の特徴を有する。まず、半導体素子を積層基板に搭載する第1工程を行う。次に、前記積層基板を金属基板に搭載する第2工程を行う。次に、前記金属基板を接着剤で樹脂ケースに接着する第3工程を行う。次に、前記金属基板と前記樹脂ケースとの接着部分と、前記封止材との間に中間層を形成する第4工程を行う。次に、前記樹脂ケース内を封止材で充填する第5工程を行う。前記第4工程では、前記中間層を、線膨張係数が前記封止材の線膨張係数より大きく、前記接着剤の線膨張係数より小さく形成する。
上述した発明によれば、パワー半導体モジュールは、金属基板と端子ケースとの接着部分と、封止材との間に中間層が設けられる。中間層の線膨張率は、封止材の線膨張率と接着材の線膨張率との中間程度である。これにより、高温時に接着材が伸長することにより発生する応力を中間層が緩和できる。このため、封止材にクラックが発生することを防止できる。
本発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法によれば、低温、高温のサイクルを繰り返しても、封止材にクラックが発生することを防止でき、高信頼性のパワー半導体モジュールを提供できるという効果を奏する。
実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの構成を示す断面図である。 実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの各材料の線膨張係数と弾性率を示す表である。 実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造途中の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造途中の状態を示す断面図である(その2)。 実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造途中の状態を示す断面図である(その3)。 実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造途中の状態を示す上面図である。 実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造途中の状態を示す断面図である(その4)。 実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの評価結果を示す表である。 従来構造のパワー半導体モジュールの構成を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの構成を示す断面図である。
(実施の形態)
図1に示すように、パワー半導体モジュールは、パワー半導体チップ1と、積層基板2と、金属基板3と、端子ケース4と、金属端子5と、金属ワイヤ6と、蓋7と、封止材8と、中間層10と、を備える。
パワー半導体チップ1は、IGBTあるいはダイオードチップ等の半導体素子である。絶縁性を確保するセラミック基板等の絶縁性基板21のおもて面(パワー半導体チップ1側)および裏面(金属基板3側)には、銅(Cu)板などからなる導電性板22が設けられている。なお、絶縁性基板21の少なくとも片面に導電性板22が設けられた基板を積層基板2とする。導電性板22上には、はんだ等の接合材によりパワー半導体チップ1が接合される。裏面の導電性板22上には、はんだ等の接合材により金属基板3が接合される。金属基板3は、アルミニウム(Al)や銅(Cu)からなる放熱用の冷却体である。
また、パワー半導体チップ1の上面(導電性板22と接する面と反対側の面)には、電気接続用の配線として金属ワイヤ6の一端が接合される。金属ワイヤ6の他端は、金属端子5が固定された導電性板22と接合される。図1では、金属ワイヤ6を用いて、パワー半導体チップ1と導電性板22とを接続しているが、リードフレームを用いて、接続してもよい。
金属基板3には、端子ケース4が接着剤9で接着されている。端子ケース4は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂で形成されたケースであり、接着剤9は、シリコーンゴムを含む材料が用いられている。エポキシ系の接着剤は硬すぎて、端子ケース4と金属基板3との接合にゆとりがなくなるため、より柔らかいシリコーンゴム等が用いられている。なお、また、封止材8が端子ケース4内に充填されている。封止材8を保護する蓋7が設けられている。
封止材8は、無機充填材を含むエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂組成物が用いられる。より具体的には、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、無機充填材とを含んでなる。本実施の形態に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂等を挙げることができる。本実施の形態に用いられる硬化剤としては、熱硬化性樹脂と反応し、硬化しうるものであれば特に限定されないが、酸無水物系硬化剤を用いることが好ましい。本実施の形態に用いられる無機充填材としては、例えば、溶融シリカ(SiO2)、シリカ、アルミナ(Al23)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、窒化アルミニウム(AlN)、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維等が挙げられるが、これらには限定されない。無機充填材の添加量は、熱硬化性樹脂と硬化剤との総質量を100質量部としたとき、100〜600質量部であることが好ましい。
中間層10が、接着剤9により金属基板3と端子ケース4が接着された部分と、封止材8と、の間に設けられている。具体的には、端子ケース4の下側(金属基板3側)で隅の部分に中間層10が設けられている。ここで、隅の部分とは、端子ケース4と金属基板3が接着された部分である。中間層10は、例えば、横方向(積層基板2と平行な方向)の幅d1は、1mmであり、縦方向(金属端子5と平行な方向)の幅d2は、1mmである。中間層10は、横方向の幅d1、縦方向の幅d2ともに1mm程度である、端子ケース4の縦方向の幅4cm程度、横方向の幅10cm程度に比べると小さい値である。このため、中間層10を設けたことによる封止材8と端子ケース4等の密着性は従来と同様で変わらない。
中間層10は、接着剤9による封止材8に対する応力を緩和する層である。このため、中間層10は、線膨張係数が封止材8の線膨張係数より大きく、接着剤9の線膨張係数より小さい。好ましくは、中間層10の線膨張係数は、封止材8の線膨張係数と接着剤9の線膨張係数の中間程度の値である。
また、各部材の弾性率は、線膨張係数と同様に端子ケース4と封止材8とがほぼ同じで、接着剤9が他より小さい値となる。このため、中間層10は、弾性率が封止材8の弾性率より小さく、接着剤9の弾性率より大きいことが好ましい。さらに、中間層10の弾性率は、封止材8の弾性率と接着剤9の弾性率の中間程度の値であることがより好ましい。なお、応力を緩和するためには、線膨張係数の値の方が効果があるため、中間層10の線膨張係数は、封止材8の線膨張係数と接着剤9の線膨張係数の中間程度の値にした場合、中間層10の弾性率を必ずしも封止材8の弾性率と接着剤9の弾性率の中間程度の値にしなくてもよい。
ここで、図2は、実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの各材料の線膨張係数と弾性率を示す表である。PPSは、端子ケース4に用いられる材料であり、エポキシ樹脂は封止材8に用いられる材料であり、Alは金属基板3に用いられる材料であり、シリコーンは接着剤9に用いられる材料である。なお、ここでのエポキシ樹脂の値は、封止材8として用いるため熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂に、酸化シリコンを無機充填材として入れた場合の値であり、エポキシ樹脂単体での値とは異なる。エポキシ樹脂単体では、線膨張係数は50×10-6/K程度である。
この表より、エポキシ樹脂の線膨張係数(CTE)は16×10-6/Kでシリコーンの線膨張係数は300×10-6/Kであるため、中間層10の線膨張係数は、20×10-6/Kから200×10-6/Kが好ましい。更に、封止材と接着剤の中間程度の100×10-6/Kから150×10-6/Kが好ましい。また、中間層10の弾性率も同様にして、3GPaから10GPaが好ましい。更に、封止樹脂と接着剤の中間程度の5GPaから7GPaが好ましい。
中間層10は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含んだ樹脂組成物中に、低い弾性率、高い線膨張係数の添加粒子を分散させることにより形成される。中間層10の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と硬化剤を含む。例えば、中間層10の線膨張係数を上述の値にすることは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物に、低い弾性率、高い線膨張係数の添加粒子材料(例えば、シリコーンゴム)を組み合わせることで実現できる。
また、中間層10を、封止材8に用いられる熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物中に、低い弾性率、高い線膨張係数の添加粒子を分散させることで実現できる。つまり、封止材8の熱硬化性樹脂と同種の樹脂を中間層10の熱硬化性樹脂として用いることでも実現できる。具体的には、封止材8の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であった場合、エポキシ樹脂に、添加粒子(例えばシリコーンゴムの粒子)を配合することにより、中間層10を形成する。
また、封止材8に用いられる熱硬化性樹脂に、接着材9に用いられる材料を添加粒子として用いて中間層10を形成することでも実現できる。中間層10は、線膨張係数が封止材8の線膨張係数より大きく、接着剤9の線膨張係数より小さいことが必要である。このためには、添加粒子の線膨張係数は、20×10-6/K〜400×10-6/Kが好ましく、200×10-6/K〜300×10-6/Kがより好ましい。また、弾性率も1GPa〜10GPaであることが好ましく、1GPa〜4GPaが更に好ましい。この範囲であれば、添加粒子の配合比を少なくすることができるからである。シリコーンゴム等の添加粒子を所定の量より多く入れると、樹脂組成物としての強度が低下するので、配合比は少ない方が望ましい。
そして、添加粒子は、シリコーンゴムの他に、線膨張係数の値が同程度の他の添加粒子、例えばブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等の粒子であってもよい。また添加粒子の平均粒子径は2μmから20μmが好ましい。この範囲において、分散させた中間層10の線膨張係数などの物性値が均一になり易いからである。細かすぎると、中間層10は添加粒子の物性を反映しない。また、大きすぎると、線膨張係数などの物性値が局所的に異なり、ばらつきが大きくなるからである。
また、熱硬化性樹脂として、線膨張係数の値がエポキシ樹脂と同程度の他の樹脂、例えば、フェノール樹脂、マレイミド樹脂等であってもよい。なお、シリコーンゴム等は、室温でゴム弾性を有するエラストマーを示し、1MPa〜10MPa程度の小さい弾性率を示す材料である。
また、シリコーンゴムの粒子などの添加粒子の配合率は、詳細は後述の実施例で説明するが、封止材8中のエポキシ樹脂(熱硬化性樹脂)100質量部に対して1から10質量部含まれることが好ましい。また、シリコーンゴム以外の添加粒子、エポキシ樹脂以外の樹脂を使用した場合も、同様の配合比が好ましい。前記の配合比にすることで、中間層10の線膨張係数および弾性率を、封止材8と接着剤9の線膨張係数および弾性率の中間程度にすることができる。また、中間層10の樹脂組成物には、無機充填材を入れる必要がない。中間層10は樹脂ケース4の隅に設けられ、パワー半導体チップ1から離れているため、熱伝導性が要求されないためである。
次に、実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造方法について説明する。図3〜5A、6は、実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造途中の状態を示す断面図である。まず、はんだ等の接合材を用いて、パワー半導体チップ1を積層基板2に接合することで、積層基板2にパワー半導体チップ1を実装する。次に、パワー半導体チップ1と、積層基板2上に設けられた導電性板22とを、金属ワイヤ6で電気的に接続する。次に、金属ワイヤ6が接続された導電性板22に金属端子5を取り付ける。次に、はんだ等の接合材を用いて、これらを金属基板3に接合して、パワー半導体チップ1、積層基板2および金属基板3からなる積層組立体を組み立てる。また、金属ワイヤ6の代わりに、金属端子を接合してもよい。ここまでの状態が図3に記載される。
次に、この積層組立体に樹脂ケース4をシリコーン接着剤などの接着剤9で接着する。具体的には、モメンティブ社製、商品名「TSE3941」のシリコーン接着剤などが用いられる。ここまでの状態が図4に記載される。次に、金属基板3と端子ケース4が接着された部分で端子ケース4の内側に中間層10となる材料、例えば、エポキシ樹脂にシリコーンゴムを配合したものを塗布する。次に中間層10について説明する。
熱硬化性樹脂主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金株式会社製、商品名「YD−825GS」)とアミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社、商品名EP−630)を等質量で混合したものを用いた。そして、前記熱硬化性樹脂100質量部に対して1から10質量部の粉末状シリコーンゴムを前記熱硬化性樹脂に混合した。前記シリコーンゴムは平均粒子径が4.5μmの粉末にして用いた。また、硬化剤として、酸無水物を前記熱硬化性樹脂主剤100質量部に対して120質量部用いた。
図5Bは、実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの製造途中の状態を示す上面図である。図5Bに示すように、中間層10となる材料は、端子ケース4の内側の隅の部分に塗布され、この箇所に中間層10が形成される。この後、熱処理を行って硬化させ、中間層10を形成する。熱処理の温度、時間は、封止材8を硬化させる際の熱処理の温度、時間と同様の値でよい。また、中間層10と封止材8は混ざり合うことがないため、ここでの熱処理を省略して、封止材8を硬化させる際の熱処理で硬化させ、中間層10を形成してもよい。ここまでの状態が図5A、図5Bに記載される。
次に、樹脂ケース4内にエポキシ樹脂などの硬質樹脂等の封止材8を充填する。封止材8について説明する。熱硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金株式会社製、商品名「YD−825GS」)とアミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社、商品名EP−630)を等質量で混合したものを用いた。また、硬化剤として、酸無水物を前記熱硬化性樹脂主剤100質量部に対して120質量部用いた。さらに、無機充填材として、平均粒径5μmの溶融シリカ粒子(瀧森社製、商品名「ZA−30」)を用いた。添加量は、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤の総質量を100質量部としたときに、230質量部となるように調合した。これらを混合し、未硬化の樹脂組成物を得た。この後、100℃で1時間、200℃で1時間の条件で加熱し硬化させる。次に、封止材8が外に漏れないようにするため、蓋7を取り付ける。ここまでの状態が図6に記載される。以上のようにして、本発明の実施の形態にかかるパワー半導体モジュールを製造することができる。
(実施例)
図7は、実施の形態にかかるパワー半導体モジュールの評価結果を示す表である。種々の条件で実施の形態にかかるパワー半導体モジュールを作成し、作成したパワー半導体モジュールに対して、ヒートショック試験を行った結果を示す。ヒートショック試験では、−40℃〜125℃の温度変化を1000回行った。
図7において、実施例1〜3では、中間層10はエポキシ樹脂にシリコーンゴムを配合したものであり、シリコーンゴムのエポキシ樹脂総量に対する比率はそれぞれ、1wt%、5wt%、10wt%である。なお、前記シリコーンゴムは、ダウコーニング社製、商品名「SH52U」で、平均粒径4.5μmの粉末にして用いた。また、実施例4では、中間層10はエポキシ樹脂にブタジエンゴムを配合したものであり、ブタジエンゴムのエポキシ樹脂総量に対する比率は、5wt%である。前記ブタジエンゴムは、日本ゼオン社、商品名「Nipol BR1220」を、平均粒径4.5μmの粉末にして用いた。また、実施例5では、中間層10はエポキシ樹脂にアクリロニトリルブタジエンゴムを配合したものであり、アクリロニトリルブタジエンゴムのエポキシ樹脂総量に対する比率は、5wt%である。前記にアクリロニトリルブタジエンゴムは、日本ゼオン社製、商品名「Nipol DN003」を、平均粒径4.5μmの粉末にして用いた。実施例1〜5では、中間層10の膜厚(横方向の幅d1および縦方向の幅d2)は、すべて1mmである。また、比較例は、従来の中間層10を設けないパワー半導体モジュールの例である。
図7に示すように、実施例1〜5の全てにおいて、ヒートショック試験後、封止材8にクラックは発生しなかった。一方、比較例ではヒートショック試験中、封止材8にクラックが発生した。これにより、本発明の中間層10により応力が緩和され、封止材8にクラックが発生することを防止できることがわかった。また、実施例1〜5の全てにおいて、クラックが発生しないため、中間層10として、エポキシ樹脂にシリコーンゴム、ブタジエンゴム、またはアクリロニトリルブタジエンゴムを配合したいずれの場合でも、封止材8にクラックが発生することを防止できることがわかった。また、実施例1〜3の全てにおいて、クラックが発生しないため、シリコーンゴムの添加量1wt%〜10wt%で、封止材8にクラックが発生することを防止できることがわかった。なお、ブタジエンゴムおよびアクリロニトリルブタジエンゴムの場合でも、添加量1wt%〜10wt%で、封止材8にクラックが発生することを防止できることが確認された。
以上、説明したように、実施の形態にかかるパワー半導体モジュールによれば、金属基板と端子ケースとの接着部分と、封止材との間に中間層が設けられる。中間層の線膨張率は、封止材の線膨張率と接着材の線膨張率との中間程度である。これにより、高温時に接着材が伸長することにより発生する応力を中間層が緩和できる。このため、封止材にクラックが発生することを防止でき、高信頼性のパワー半導体モジュールを提供することができる。
以上のように、本発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法は、インバータなどの電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置や自動車のイグナイタなどに使用されるパワー半導体装置に有用である。
1 パワー半導体チップ
2 積層基板
21 絶縁性基板
22 導電性板
3 金属基板
4 端子ケース
5 金属端子
6 金属ワイヤ
7 蓋
8 封止材
9 接着剤
10 中間層

Claims (9)

  1. 半導体素子を搭載した積層基板と、
    前記積層基板を搭載した金属基板と、
    前記金属基板を接着剤で接着した樹脂ケースと、
    前記樹脂ケース内を充填した封止材と、
    前記金属基板と前記樹脂ケースとの接着部分と、前記封止材との間に設けられた中間層と、
    を備え、
    前記中間層は、線膨張係数が前記封止材の線膨張係数より大きく、前記接着剤の線膨張係数より小さいことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記中間層は、線膨張係数が前記封止材の線膨張係数と、前記接着剤の線膨張係数との中間の値であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記中間層は、弾性率が前記封止材の弾性率より小さく、前記接着剤の弾性率より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記中間層は、弾性率が前記封止材の弾性率と、前記接着剤の弾性率との中間の値であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記中間層は、熱硬化性樹脂に線膨張係数が20×10-6/K〜400×10-6/Kの添加粒子を配合したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体装置。
  6. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはマレイミド樹脂であり、前記添加粒子はシリコーンゴム、ブタジエンゴム、またはアクリロニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記添加粒子は、前記熱硬化性樹脂100質量部に対して1〜10質量部含まれることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置。
  8. 前記封止材としての熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、またはマレイミド樹脂であり、前記接着剤の材料はシリコーンゴム、ブタジエンゴム、またはアクリロニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置。
  9. 半導体素子を積層基板に搭載する第1工程と、
    前記積層基板を金属基板に搭載する第2工程と、
    前記金属基板を接着剤で樹脂ケースに接着する第3工程と、
    前記金属基板と前記樹脂ケースとの接着部分と、前記封止材との間に中間層を形成する第4工程と、
    前記樹脂ケース内を封止材で充填する第5工程と、
    を含み、
    前記第4工程では、前記中間層を、線膨張係数が前記封止材の線膨張係数より大きく、前記接着剤の線膨張係数より小さく形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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