JP2018193615A - 疲労特性に優れたばね用鋼線材、およびばね - Google Patents
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Abstract
【課題】疲労特性に極めて優れたばね用鋼線材を提供する。【解決手段】本発明のばね用鋼線材は、質量%で、C:0.2〜1.2%、Si:1.0〜3%、Mn:0.1〜2%、Cr:0%超、3%以下、Al:0.0002〜0.005%、Ca:0.0002〜0.002%、Ti:0.0003〜0.010%を含有し、残部は鉄及び不可避的不純物からなる。【選択図】なし
Description
本発明は、疲労特性に優れたばね用鋼線材、およびばねに関する。
自動車などの軽量化や高出力化の要望が高まるにつれ、弁ばねや懸架ばねなどのばねには、疲労特性の向上が求められている。その素材となる圧延材や、当該圧延材を伸線加工した伸線材などのばね用鋼線材においても、疲労特性の更なる向上が求められている。とりわけ、弁ばね用鋼線材では疲労特性向上の要請は非常に強い。
高い疲労強度が要求されるばね用鋼線材では、断線や疲労折損の起点となる非金属介在物を極力低減したり、そのサイズを小型化することが必要である。例えば、弁ばね鋼においては、疲労特性に有害なAl2O3を生成させないよう、Siを用いて脱酸する所謂Siキルド鋼を用いて、介在物をSiO2−Al2O3−CaO−MgO−MnOなどを含む系に制御し、微細化する技術が提案されている。そのほか、非金属介在物の組成を低融点領域に制御して微細化する方法、熱間圧延時に介在物を延伸して分断させる方法などが提案されている。
例えば非特許文献1には、弁ばね用鋼では、介在物の組成をCaO−Al2O3−SiO2系やMnO−Al2O3−SiO2系の非晶質安定組成に制御することで熱間加工時の変形が促進され、疲労破壊の起点とはならず疲労特性が向上することが記載されている。
本発明者らも、疲労特性などに優れたばね用鋼線材を種々提案している。例えば特許文献1には、介在物の全体が低融点で変形し易くすると共に、熱延前や熱延中の加熱時に相分離しても硬質なSiO2が生成しにくい技術を提案している。また、特許文献2には、介在物中に微細な結晶を多数生成させることにより、熱延時の介在物の分断が促進されて、微細化を促進させる技術を提案している。また、特許文献3には、生成する複合酸化物系介在物の融点と粘性を低下させ、最終的に微細化するために、Li2O、Na2O、K2Oの1種以上を積極的に含有させる技術を提案している。
そのほか、特許文献4には、従来にない酸化物成分としてZrO2を添加すると、非晶質相の維持に寄与することが記載されている。また、特許文献5には、B2O3を、例えば、CaO−Al2O3−SiO2系複合酸化物やCaO−Al2O3−SiO2−MgO系複合酸化物などの複合系酸化物に含有させることにより、酸化物系介在物は微細に分断され、伸線加工性や疲労強度を顕著に向上できることが記載されている。
三村毅、182・183回 西山記念技術講座「介在物制御と高清浄度高製造技術」、社団法人日本鉄鋼協会編、2004年、p.125
しかしながら、例えば上記特許文献3では、脱酸力の強いLiを酸化物系介在物生成起源として積極添加させているが、Liは蒸発し易いため、Li2O濃度の制御が難しいという問題がある。また、上記特許文献3には、「介在物中のLi2O濃度は従来のEPMA(Electron Probe X−ray Micro Analyzer)では測定できないため、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)による分析法を独自に開発した」と記載されているように、製造上の難しさがある。また、上記特許文献4に記載のZrO2、上記特許文献5に記載のB2O3は、本発明者らの実験結果によれば、逆に疲労特性を悪化させるおそれがあることがわかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、疲労特性に極めて優れたばね用鋼線材及びばねを提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る疲労特性に優れたばね用鋼線材は、
質量%で、
C :0.2〜1.2%、
Si:1.0〜3%、
Mn:0.1〜2%、
Cr:0%超、3%以下、
Al:0.0002〜0.005%、
Ca:0.0002〜0.002%、
Ti:0.0003〜0.010%
を含有し、残部は鉄及び不可避的不純物からなるところに要旨を有する。
質量%で、
C :0.2〜1.2%、
Si:1.0〜3%、
Mn:0.1〜2%、
Cr:0%超、3%以下、
Al:0.0002〜0.005%、
Ca:0.0002〜0.002%、
Ti:0.0003〜0.010%
を含有し、残部は鉄及び不可避的不純物からなるところに要旨を有する。
前記ばね用鋼線材は、
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、
CaO:0〜35%、Al2O3:0〜40%、SiO2:30〜95%、MgO:0〜8%、MnO:0〜5%、TiO2:3〜10%であってもよい。
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、
CaO:0〜35%、Al2O3:0〜40%、SiO2:30〜95%、MgO:0〜8%、MnO:0〜5%、TiO2:3〜10%であってもよい。
前記ばね用鋼線材は、
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、
CaO:10〜35%、Al2O3:10〜40%、SiO2:30〜70%、MgO:0〜8%、MnO:0〜5%、TiO2:3〜10%であってもよい。
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、
CaO:10〜35%、Al2O3:10〜40%、SiO2:30〜70%、MgO:0〜8%、MnO:0〜5%、TiO2:3〜10%であってもよい。
前記ばね用鋼線材は、
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、CaO+Al2O3+SiO2+MgO+MnO+TiO2≧80%を満足してもよい。
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、CaO+Al2O3+SiO2+MgO+MnO+TiO2≧80%を満足してもよい。
前記ばね用鋼線材は、
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径2μm以上の酸化物系介在物の個数が、0.002個/mm2超であってもよい。
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径2μm以上の酸化物系介在物の個数が、0.002個/mm2超であってもよい。
前記ばね用鋼線材は、更に、前記酸化物系介在物の平均組成が質量%で、ZrO2:0%超、1%未満、Na2O:0%超、5%未満であってもよい。
前記ばね用鋼線材は、更に、質量%でNi:0%超、0.5%以下及びCu:0%超、0.5%以下の1種以上を含有してもよい。
前記ばね用鋼線材は、更に、質量%でV:0%超、0.5%以下を含有してもよい。
上記課題を解決することのできた疲労特性に優れたばねは、上記ばね用鋼線材を用いて得られるばねであるところに要旨を有する。
本発明によれば、ばね用鋼線材の酸化物系介在物の個数、化学成分及び酸化物系介在物の組成が適切に制御されているため、疲労特性に極めて優れたばね用鋼線材を得ることができる。
本発明者らは、上記特許文献1〜3などを開示した後も、疲労特性に極めて優れたばね用鋼線材を提供するため、検討を重ねてきた。従来より、疲労特性の向上には、熱間圧延時に酸化物系介在物を延伸分断させて微細化させることが有効であり、Si脱酸で得られる酸化物系介在物の組成を、比較的非晶質が安定なSiO2を含む組成、例えばSiO2−CaO−Al2O3−MgO−MnOなどに制御する方法が提案されている。その場合において、当該介在物が結晶化した場合にも微細化を実現する手段として、結晶化状態を制御すること、すなわち、微細結晶相を析出させる特許文献2の技術を提案している。
ところが、本発明者らのその後の研究により、通常、殆ど破壊の起点とならない微小なサイズであっても、結晶化形態によっては、母相である鋼と酸化物系介在物との界面に空隙が発生し、より厳しい試験条件下では、破壊の起点となり得ることを見出した。その上で、上記特許文献に報告されているようなSiO2−CaO−Al2O3−MgO−MnOをベースとした酸化物系介在物にTiO2を含有させることで、酸化物系介在物の非晶質をさらに安定に保つことができ、高い疲労特性が得られることを見出した。これにより、高い疲労特性を、酸化物系介在物の分析や制御が一層容易な成分にて実現することができた。なお、ここでSiO2−CaO−Al2O3−MgO−MnOをベースにTiO2を含有させた酸化物系介在物は、平均組成が質量%で、CaO+Al2O3+SiO2+MgO+MnO+TiO2≧80%を満たすものである。これらを合計で80%以上含有することによって、上記特許文献にて報告されているようなSiO2−CaO−Al2O3−MgO−MnOをベースとした酸化物系介在物による効果に加え、TiO2による効果が発揮されるのである。
そして、上記TiO2による効果を発揮させるためには、鋼中成分としてTiを0.0003〜0.010%、好ましくは0.0005〜0.010%の範囲内で含有させることが有用であることを見出し、本発明を完成した。
本発明において、上記酸化物系介在物中に所定量のTiO2を含有させることにより疲労特性が向上する理由は、詳細には不明であるが、以下のように考えられる。
すなわち、Si脱酸で得られる酸化物系介在物中にTiO2が含まれることにより、TiO2濃化相(A相)とSiO2濃化相(B相)の2相に分離する。2相に分離する理由は、溶鋼段階でTiO2は、SiO2との2液相に分離する性質があるためと考えられる。その結果、SiO2濃化相(B相)中のSiO2濃度が上昇し、Si脱酸鋼において発生し易いゲーレナイト(Gehlenite)、スピネル(Spinel、MgO・Al2O3)などの結晶質化が抑制される。一方、TiO2濃化相(A相)も、酸化物系介在物中にTiO2が含まれることにより、液相線温度も低下し、結晶質化が抑制される。その結果、酸化物系介在物の非晶質安定性を高めることが可能となったと推定される。
これに対し、前述した特許文献1〜5には、本発明の上記特徴部分は開示されていない。例えば上記特許文献4には、介在物の不純物としてTiO2が挙げられているが、本発明のように、TiO2量を所定範囲に制御することによって疲労特性が向上することは全く記載されていない。実際のところ、上記特許文献4の実施例には全て、FeO、TiO2などの不純物を1.0%で含む例しか開示されておらず、後記する表のNo.14でも示した通り、これでは、TiO2添加による疲労特性向上効果は得られない。そもそも上記特許文献4では、ZrO2を1%以上含有する点で、本発明とは酸化物系介在物の組成が相違する。
以下、本発明を詳しく説明する。
上述したように、本発明は、鋼中成分としてTiを0.0003〜0.010%、好ましくは0.0005〜0.010%の範囲内で含み、且つ、上記SiO2−CaO−Al2O3−MgO−MnOの酸化物系介在物中にTiO2を3〜10%の範囲内で含有するところに特徴がある。
本明細書において、ばね用鋼線材とは、圧延後の鋼材、すなわち圧延材、および当該圧延材を伸線加工した伸線材の両方が含まれる。本発明では、これらをまとめて「鋼線材」と呼ぶ。
本明細書において酸化物系介在物とは、Ca、Al、Si、Ti、Mn、Mg、Na、Cr、Zrなどの酸化物形成元素と酸素とが結合した酸化物介在物を意味する。上記酸化物系介在物は、電子顕微鏡で観察し、エネルギー分散型X線分析装置(Energy Dispersive X−ray spectrometry;EDX)や波長分散型X線分析装置(Wavelength−Dispersive X−ray spectrometry;WDX)によって測定することができる。測定方法の詳細は後述する。
まず、酸化物系介在物の組成について説明する。前述したように本発明では、鋼中に含まれる酸化物系介在物について、鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、CaO:0〜35%、Al2O3:0〜40%、SiO2:30〜95%、MgO:0〜8%、MnO:0〜5%、TiO2:3〜10%、および、CaO+Al2O3+SiO2+MgO+MnO+TiO2≧80%を満たし、前記断面に存在する短径2μm以上の酸化物系介在物の個数が0.002個/mm2超であるところに特徴がある。上記した酸化物系介在物の平均組成のうち、特にCaO、Al2O3、SiO2については、CaO:10〜35%、Al2O3:10〜40%、SiO2:30〜70%であることが好ましい。
CaO:0〜35%
CaOは塩基性酸化物であり、酸性酸化物であるSiO2に含まれると、酸化物の液相線温度が下がり、酸化物系介在物の結晶化を抑制する効果があるため、酸化物系介在物中に含有していても良い。このような効果を有効に得るためには、CaO含有量の下限を10%以上に制御することが好ましい。CaO含有量の下限は、より好ましくは15%以上である。しかしながら、CaO含有量が高すぎると、酸化物系介在物が結晶化してしまうため、その上限を35%以下とする。CaO含有量の上限は、好ましくは30%以下である。
CaOは塩基性酸化物であり、酸性酸化物であるSiO2に含まれると、酸化物の液相線温度が下がり、酸化物系介在物の結晶化を抑制する効果があるため、酸化物系介在物中に含有していても良い。このような効果を有効に得るためには、CaO含有量の下限を10%以上に制御することが好ましい。CaO含有量の下限は、より好ましくは15%以上である。しかしながら、CaO含有量が高すぎると、酸化物系介在物が結晶化してしまうため、その上限を35%以下とする。CaO含有量の上限は、好ましくは30%以下である。
Al2O3:0〜40%
Al2O3は両性酸化物であり、酸性酸化物であるSiO2に含まれると、酸化物の液相線温度が下がり、酸化物の結晶化を抑制する効果があるため、前記酸化物系介在物中に含有していても良い。このような効果を有効に得るためには、Al2O3含有量の下限を10%以上に制御することが好ましい。Al2O3含有量の下限は、より好ましくは20%以上である。一方、Al2O3含有量の上限が40%を超えると、溶鋼中および凝固過程でコランダム等のAl2O3結晶相が晶出したり、MgOと共にスピネル等のMgO・Al2O3結晶相が晶出する。また、圧延温度域で、これらの結晶相が生成する。これらの固相は硬質であり、粗大な介在物として残留し、疲労特性を悪化させる。こうした観点から、Al2O3含有量の上限は40%以下とする必要があり、好ましくは30%以下である。
Al2O3は両性酸化物であり、酸性酸化物であるSiO2に含まれると、酸化物の液相線温度が下がり、酸化物の結晶化を抑制する効果があるため、前記酸化物系介在物中に含有していても良い。このような効果を有効に得るためには、Al2O3含有量の下限を10%以上に制御することが好ましい。Al2O3含有量の下限は、より好ましくは20%以上である。一方、Al2O3含有量の上限が40%を超えると、溶鋼中および凝固過程でコランダム等のAl2O3結晶相が晶出したり、MgOと共にスピネル等のMgO・Al2O3結晶相が晶出する。また、圧延温度域で、これらの結晶相が生成する。これらの固相は硬質であり、粗大な介在物として残留し、疲労特性を悪化させる。こうした観点から、Al2O3含有量の上限は40%以下とする必要があり、好ましくは30%以下である。
SiO2:30〜95%
SiO2は酸性酸化物であり、酸化物系介在物を非晶質化させるために不可欠の成分である。このような効果を有効に発揮させるためには、SiO2含有量の下限を30%以上とする。SiO2含有量の下限は、好ましくは40%以上である。しかしながら、SiO2含有量が95%を超えると、上記介在物の延伸性は低下して空洞も生成しやすくなり、疲労特性が悪化する。そのため、SiO2含有量の上限は95%以下とし、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは45%以下である。
SiO2は酸性酸化物であり、酸化物系介在物を非晶質化させるために不可欠の成分である。このような効果を有効に発揮させるためには、SiO2含有量の下限を30%以上とする。SiO2含有量の下限は、好ましくは40%以上である。しかしながら、SiO2含有量が95%を超えると、上記介在物の延伸性は低下して空洞も生成しやすくなり、疲労特性が悪化する。そのため、SiO2含有量の上限は95%以下とし、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは45%以下である。
MgO:0〜8%
MgOは、本発明において必須の酸化物ではないが、SiO2系酸化物を最適な組成に制御して、その融点を低下させる効果がある。このような作用を有効に発揮させるため、MgO含有量の下限は、好ましくは0.2%以上である。ただし、MgO含有量が多くなり過ぎると、SiO2系酸化物の融点が高くなったり、MgO系の結晶が生成するため、その上限を8%以下とする。好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
MgOは、本発明において必須の酸化物ではないが、SiO2系酸化物を最適な組成に制御して、その融点を低下させる効果がある。このような作用を有効に発揮させるため、MgO含有量の下限は、好ましくは0.2%以上である。ただし、MgO含有量が多くなり過ぎると、SiO2系酸化物の融点が高くなったり、MgO系の結晶が生成するため、その上限を8%以下とする。好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
MnO:0〜5%
MnOも上記MgOと同様、本発明において必須の酸化物ではないが、MnOは、SiO2系酸化物の融点を低下させる効果がある。このような作用を有効に発揮させるため、MnO含有量の下限は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上である。ただし、本発明のようにSiを1.0%以上含む高Si鋼においてMnOをあまり高濃度に制御することは現実的でないため、MnO含有量の上限は5%以下とする。
MnOも上記MgOと同様、本発明において必須の酸化物ではないが、MnOは、SiO2系酸化物の融点を低下させる効果がある。このような作用を有効に発揮させるため、MnO含有量の下限は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上である。ただし、本発明のようにSiを1.0%以上含む高Si鋼においてMnOをあまり高濃度に制御することは現実的でないため、MnO含有量の上限は5%以下とする。
TiO2:3〜10%
TiO2は、本発明を特徴付ける酸化物成分である。前述したようにTiO2が酸性酸化物であるSiO2に含まれると、TiO2濃化相(A相)とSiO2濃化相(B相)の2相に分離し、両相とも、結晶質化抑制作用を有する。その結果、Si脱酸鋼で得られるSiO2含有酸化物系介在物の熱間加工時の結晶化の抑制、鋼と酸化物系介在物との界面に発生する空洞の抑制を実現でき、疲労特性が一層向上する。このような効果は、TiO2含有量の下限を3%以上に制御することによって得られるため、TiO2含有量は3%以上とする。好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。しかしながら、TiO2含有量が多くなりすぎると、TiO2系酸化物が結晶相として単独で生成するため、疲労特性が低下する。そのため、TiO2含有量の上限を10%以下とする。好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下である。
TiO2は、本発明を特徴付ける酸化物成分である。前述したようにTiO2が酸性酸化物であるSiO2に含まれると、TiO2濃化相(A相)とSiO2濃化相(B相)の2相に分離し、両相とも、結晶質化抑制作用を有する。その結果、Si脱酸鋼で得られるSiO2含有酸化物系介在物の熱間加工時の結晶化の抑制、鋼と酸化物系介在物との界面に発生する空洞の抑制を実現でき、疲労特性が一層向上する。このような効果は、TiO2含有量の下限を3%以上に制御することによって得られるため、TiO2含有量は3%以上とする。好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。しかしながら、TiO2含有量が多くなりすぎると、TiO2系酸化物が結晶相として単独で生成するため、疲労特性が低下する。そのため、TiO2含有量の上限を10%以下とする。好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下である。
CaO+Al2O3+SiO2+MgO+MnO+TiO2≧80%
本発明では、各酸化物の含有量を上記のように制御すると共に、これらの含有の合計を80%以上に制御することが必要であり、これにより、酸化物系介在物の非晶質が保持され、疲労特性が向上する。上記酸化物の合計量は多いほど良く、好ましくは90%以上、である。最も好ましくは100%である。
本発明では、各酸化物の含有量を上記のように制御すると共に、これらの含有の合計を80%以上に制御することが必要であり、これにより、酸化物系介在物の非晶質が保持され、疲労特性が向上する。上記酸化物の合計量は多いほど良く、好ましくは90%以上、である。最も好ましくは100%である。
上述したように本発明のばね用鋼線材に含まれる酸化物系介在物は、基本的にCaO、Al2O3、SiO2、MgO、MnO、およびTiO2であり、残部は不純物である。上記不純物としては、例えば、製造過程などで不可避的に含まれる不純物が挙げられる。上記不純物は、酸化物系介在物の結晶化状態や形態などに悪影響を及ぼさず、所望の疲労特性が得られる限度において含まれ得る。ただし、上記酸化物系介在物の合計量との関係で、当該不純物の合計量は、最大でも20%以下に制御されている必要がある。
上記不純物としては、例えば、ZrO2、Na2O、Cr2O3などが挙げられる。このうちZrO2およびNa2Oは、酸化物系介在物中の濃度が高くなると、上記介在物の結晶化が促進されて疲労特性が悪化するため、極力少なくすることが好ましい。ZrO2の好ましい含有量は1%未満であり、より好ましくは0.5%以下であり、含まれないことが最も好ましい。また、Na2Oは、上記ZrO2に比べて許容量が広く、最大で5%以下、特に5%未満とすることが好ましい。より好ましくは3%以下であり、含まれないことが最も好ましい。
鋼材の長手方向に平行な断面に存在する、短径2μm以上の酸化物系介在物の個数:0.002個/mm2超
本発明では、上記のように各酸化物の含有量および合計量を制御すると共に、短径2μm以上の酸化物系介在物の個数が0.002個/mm2超を満足することが必要である。これにより、高い疲労特性が確保され、均質性も向上する。短径2μm以上の酸化物系介在物の個数は、好ましくは0.005個/mm2以上であり、より好ましくは0.01個/mm2以上であり、更に好ましくは0.05個/mm2以上である。ここで、上記「酸化物系介在物」とは、前述したように、Ca、Al、Si、Ti、Mn、Mg、Na、Cr、Zrなどの酸化物形成元素と酸素とが結合した酸化物介在物を意味し、上述したCaO、Al2O3、SiO2、MgO、MnO、TiO2という酸化物に限定されない。また、上記酸化物系介在物のうち、特に「短径2μm以上」を規定したのは、短径2μm未満の酸化物系介在物は、疲労特性に対する悪影響が少ないためである。短径2μm以上の酸化物系介在物の個数の上限は特に限定されないが、例えば10個/mm2以下である。
本発明では、上記のように各酸化物の含有量および合計量を制御すると共に、短径2μm以上の酸化物系介在物の個数が0.002個/mm2超を満足することが必要である。これにより、高い疲労特性が確保され、均質性も向上する。短径2μm以上の酸化物系介在物の個数は、好ましくは0.005個/mm2以上であり、より好ましくは0.01個/mm2以上であり、更に好ましくは0.05個/mm2以上である。ここで、上記「酸化物系介在物」とは、前述したように、Ca、Al、Si、Ti、Mn、Mg、Na、Cr、Zrなどの酸化物形成元素と酸素とが結合した酸化物介在物を意味し、上述したCaO、Al2O3、SiO2、MgO、MnO、TiO2という酸化物に限定されない。また、上記酸化物系介在物のうち、特に「短径2μm以上」を規定したのは、短径2μm未満の酸化物系介在物は、疲労特性に対する悪影響が少ないためである。短径2μm以上の酸化物系介在物の個数の上限は特に限定されないが、例えば10個/mm2以下である。
次に、鋼中成分について説明する。以下、化学組成は全て質量%を意味する。
C:0.2〜1.2%
Cは、所定の強度を確保するために必要な元素であり、このような特性を有効に発揮させるためには、Cの含有量は0.2%以上とする。好ましくは0.5%以上である。但し、C含有量が過剰になるとばね用鋼線材が脆化し、実用的でなくなるので、その上限を1.2%以下とする。C量の好ましい上限は0.8%以下、より好ましくは0.7%以下である。
Cは、所定の強度を確保するために必要な元素であり、このような特性を有効に発揮させるためには、Cの含有量は0.2%以上とする。好ましくは0.5%以上である。但し、C含有量が過剰になるとばね用鋼線材が脆化し、実用的でなくなるので、その上限を1.2%以下とする。C量の好ましい上限は0.8%以下、より好ましくは0.7%以下である。
Si:1.0〜3%
Siは、ばね用鋼線材の高強度化、および疲労特性の向上に寄与する重要な元素である。更に、軟化抵抗を高め、耐へたり性の向上にも有用な元素である。さらに、所望とする酸化物系介在物の組成に制御するためにもSiは必須の元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Si含有量を1.0%以上とする。好ましいSi含有量は、1.4%以上であり、より好ましくは1.8%以上である。しかしながら、Si含有量が過剰になると、凝固中に硬質な純SiO2が生成するおそれがあり、表面脱炭や表面疵が増加して疲労特性が低下する場合がある。そのため、Si量の上限を3%以下とする。好ましくは2.4%以下、より好ましくは2.2%以下である。
Siは、ばね用鋼線材の高強度化、および疲労特性の向上に寄与する重要な元素である。更に、軟化抵抗を高め、耐へたり性の向上にも有用な元素である。さらに、所望とする酸化物系介在物の組成に制御するためにもSiは必須の元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Si含有量を1.0%以上とする。好ましいSi含有量は、1.4%以上であり、より好ましくは1.8%以上である。しかしながら、Si含有量が過剰になると、凝固中に硬質な純SiO2が生成するおそれがあり、表面脱炭や表面疵が増加して疲労特性が低下する場合がある。そのため、Si量の上限を3%以下とする。好ましくは2.4%以下、より好ましくは2.2%以下である。
Mn:0.1〜2%
Mnは、脱酸剤として作用するほか、焼入れ性を高めて強度向上にも寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Mn含有量の下限を0.1%以上とする。好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.5%以上である。但し、Mn量が過剰になると、靭性や延性が低下するため、その上限を2%以下とする。より好ましくは1%以下である。
Mnは、脱酸剤として作用するほか、焼入れ性を高めて強度向上にも寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Mn含有量の下限を0.1%以上とする。好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.5%以上である。但し、Mn量が過剰になると、靭性や延性が低下するため、その上限を2%以下とする。より好ましくは1%以下である。
Cr:0%超、3%以下
Crは、固溶強化によりばね用鋼線材のマトリックス強度を向上させる元素である。さらにCrは、Mnと同様、焼入れ性向上にも有効に作用する。Cr量は、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.9%以上である。しかし、Crが過剰であるとばね用鋼線材が脆化しやすくなって酸化物系介在物の感受性が増大するため、疲労特性が低下する。そこでCr量の上限を3%とする。Cr量の好ましい上限は2%以下、より好ましくは1%以下である。
Crは、固溶強化によりばね用鋼線材のマトリックス強度を向上させる元素である。さらにCrは、Mnと同様、焼入れ性向上にも有効に作用する。Cr量は、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.9%以上である。しかし、Crが過剰であるとばね用鋼線材が脆化しやすくなって酸化物系介在物の感受性が増大するため、疲労特性が低下する。そこでCr量の上限を3%とする。Cr量の好ましい上限は2%以下、より好ましくは1%以下である。
Al:0.0002〜0.005%
Al含有量が多くなり、特に0.005%を超えると、Al2O3を主体とする硬質な酸化物の生成量が多くなり、更に圧下した後も粗大な酸化物として残存するので、疲労特性が低下する。従って、Alの含有量を0.005%以下とし、好ましくは0.002%以下、より好ましくは0.0015%以下である。但し、Al含有量を0.0002%未満にすると、酸化物系介在物中のAl2O3含有量が少なくなり過ぎ、SiO2を多く含む結晶相が生成する。従って、Al含有量の下限は0.0002%以上とし、好ましくは0.0005%以上である。
Al含有量が多くなり、特に0.005%を超えると、Al2O3を主体とする硬質な酸化物の生成量が多くなり、更に圧下した後も粗大な酸化物として残存するので、疲労特性が低下する。従って、Alの含有量を0.005%以下とし、好ましくは0.002%以下、より好ましくは0.0015%以下である。但し、Al含有量を0.0002%未満にすると、酸化物系介在物中のAl2O3含有量が少なくなり過ぎ、SiO2を多く含む結晶相が生成する。従って、Al含有量の下限は0.0002%以上とし、好ましくは0.0005%以上である。
Ca:0.0002〜0.002%
Caは、酸化物系介在物組成制御のためのスラグ精錬により、線鋼材中に含有される成分である。本発明においてCaは、酸化物系介在物中のCaO含有量を制御し、酸化物系介在物の結晶化を抑制して、疲労特性を改善するのに有効な元素である。このような効果を発揮させるため、Ca含有量は0.0002%以上とし、好ましくは0.0003%以上、より好ましくは0.0005%以上である。しかしながら、Ca含有量が過剰になって0.002%を超えると、CaOの割合が高くなり過ぎて、酸化物が結晶化してしまう。従って、Ca含有量は0.002%以下とし、好ましくは0.001%以下、より好ましくは0.0008%以下である。
Caは、酸化物系介在物組成制御のためのスラグ精錬により、線鋼材中に含有される成分である。本発明においてCaは、酸化物系介在物中のCaO含有量を制御し、酸化物系介在物の結晶化を抑制して、疲労特性を改善するのに有効な元素である。このような効果を発揮させるため、Ca含有量は0.0002%以上とし、好ましくは0.0003%以上、より好ましくは0.0005%以上である。しかしながら、Ca含有量が過剰になって0.002%を超えると、CaOの割合が高くなり過ぎて、酸化物が結晶化してしまう。従って、Ca含有量は0.002%以下とし、好ましくは0.001%以下、より好ましくは0.0008%以下である。
Ti:0.0003〜0.010%
Tiは、本発明を特徴付ける元素である。所定量のTiを添加し、酸化物系介在物中のTiO2含有量を適切に制御することにより、上記介在物の非晶質安定性がより高められ、疲労特性が一層向上する。このような効果を得るためには、Ti含有量は0.0003%以上とする必要がある。好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0008%以上、更に好ましくは0.0011%以上である。ただし、Tiの含有量が多くなって0.010%を超えると、TiO2系酸化物が結晶相として単独で生成してしまう。従って、Ti含有量は0.010%以下とする。好ましくは、0.0050%以下、より好ましくは0.0030%以下である。
Tiは、本発明を特徴付ける元素である。所定量のTiを添加し、酸化物系介在物中のTiO2含有量を適切に制御することにより、上記介在物の非晶質安定性がより高められ、疲労特性が一層向上する。このような効果を得るためには、Ti含有量は0.0003%以上とする必要がある。好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0008%以上、更に好ましくは0.0011%以上である。ただし、Tiの含有量が多くなって0.010%を超えると、TiO2系酸化物が結晶相として単独で生成してしまう。従って、Ti含有量は0.010%以下とする。好ましくは、0.0050%以下、より好ましくは0.0030%以下である。
本発明に用いられる鋼中元素は上記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物である。上記不可避的不純物として、例えば、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素、例えば、S、P、H、Nなどが挙げられる。
更に本発明では、以下の選択成分を含有しても良い。
Ni:0%超、0.5%以下
Niは、ばね用鋼線材製造時の熱間圧延やばね製造時の熱処理の際に生ずるフェライト脱炭の抑制に有効な元素である。更にNiは、焼入・焼戻し後のばねの靱性を高める作用を有する。好ましいNi量の下限は、0.05%以上、より好ましくは0.15%以上、更に好ましくは0.2%以上である。一方、Ni量が過剰になると、焼入・焼戻し処理で残留オーステナイト量が増大し、引張強さが低下する。そこでNi量の上限は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下とする。
Niは、ばね用鋼線材製造時の熱間圧延やばね製造時の熱処理の際に生ずるフェライト脱炭の抑制に有効な元素である。更にNiは、焼入・焼戻し後のばねの靱性を高める作用を有する。好ましいNi量の下限は、0.05%以上、より好ましくは0.15%以上、更に好ましくは0.2%以上である。一方、Ni量が過剰になると、焼入・焼戻し処理で残留オーステナイト量が増大し、引張強さが低下する。そこでNi量の上限は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下とする。
Cu:0%超、0.5%以下
Cuは、ばね用鋼線材製造時の熱間圧延やばね製造時の熱処理の際に生ずるフェライト脱炭の抑制に有効な元素であるため、0.05%以上含んでいても良い。Cu量の上限は0.5%以下が好ましく、より好ましくは0.3%以下である。
CuとNiは単独で含んでも良いし、共に含んでも良い。
Cuは、ばね用鋼線材製造時の熱間圧延やばね製造時の熱処理の際に生ずるフェライト脱炭の抑制に有効な元素であるため、0.05%以上含んでいても良い。Cu量の上限は0.5%以下が好ましく、より好ましくは0.3%以下である。
CuとNiは単独で含んでも良いし、共に含んでも良い。
V:0%超、0.5%以下
Vは、炭素や窒素等と結合して微細な炭化物や窒化物等を形成し、耐水素脆性や疲労特性の向上に有用な元素である。更にVは、結晶粒微細化効果により、ばねの靱性、耐力、耐へたり性などの向上に寄与する元素である。V量の下限は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.10%以上である。しかし、V量が過剰になると、焼入加熱時にオーステナイト中に固溶されない炭化物量が増大し、充分な強度や硬さが得られ難くなるほか、窒化物の粗大化を招き、疲労折損が生じ易くなる。またV量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、ばねの硬さが低下する。そこで、V量の好ましい上限を0.5%以下、より好ましくは0.4%以下とする。
Vは、炭素や窒素等と結合して微細な炭化物や窒化物等を形成し、耐水素脆性や疲労特性の向上に有用な元素である。更にVは、結晶粒微細化効果により、ばねの靱性、耐力、耐へたり性などの向上に寄与する元素である。V量の下限は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.10%以上である。しかし、V量が過剰になると、焼入加熱時にオーステナイト中に固溶されない炭化物量が増大し、充分な強度や硬さが得られ難くなるほか、窒化物の粗大化を招き、疲労折損が生じ易くなる。またV量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、ばねの硬さが低下する。そこで、V量の好ましい上限を0.5%以下、より好ましくは0.4%以下とする。
次に、本発明のばね用鋼線材を製造する方法について説明する。本発明では、所望とする酸化物系介在物の組成および個数が得られるように、特に溶製工程、熱間加工の各工程に留意して製造することが重要である。但し、それ以外の工程は特に限定されず、ばね用鋼線材の製造に通常用いられる方法を適宜選択して用いることができる。
本発明に用いられる好ましい溶製工程および熱間工程は、以下のとおりである。
溶製工程
まず、Siによる脱酸を実施し、本発明で規定する組成となるようにC、Si、Mn、Cr、Ti、Al、Ni、Vを添加した後、常法に従い、CaO−SiO2系スラグを用いてスラグ精錬を実施して、CaO−Al2O3−SiO2−MgO−MnO−TiO2の組成に制御する。このとき、上記スラグを溶綱に十分懸濁することで、短径2μm以上の酸化物系介在物の個数を所定の範囲とすることができる。なお、本発明では、酸化物系介在物として所定量のTiO2を含有するが、この制御方法も特に限定されず、本発明の技術分野で通常用いられる方法に基づき、溶製時に、鋼中のTi量が0.0003〜0.010%、好ましくは0.0005〜0.010%の範囲内に制御されるようにTiを添加すれば良い。Tiの添加方法は特に限定されず、例えば、Tiを含有する鉄系合金を添加して調整しても良いし、あるいは、スラグ組成の制御によって溶鋼中のTi濃度を制御しても構わない。
まず、Siによる脱酸を実施し、本発明で規定する組成となるようにC、Si、Mn、Cr、Ti、Al、Ni、Vを添加した後、常法に従い、CaO−SiO2系スラグを用いてスラグ精錬を実施して、CaO−Al2O3−SiO2−MgO−MnO−TiO2の組成に制御する。このとき、上記スラグを溶綱に十分懸濁することで、短径2μm以上の酸化物系介在物の個数を所定の範囲とすることができる。なお、本発明では、酸化物系介在物として所定量のTiO2を含有するが、この制御方法も特に限定されず、本発明の技術分野で通常用いられる方法に基づき、溶製時に、鋼中のTi量が0.0003〜0.010%、好ましくは0.0005〜0.010%の範囲内に制御されるようにTiを添加すれば良い。Tiの添加方法は特に限定されず、例えば、Tiを含有する鉄系合金を添加して調整しても良いし、あるいは、スラグ組成の制御によって溶鋼中のTi濃度を制御しても構わない。
熱間工程
得られた鋳片を、加熱炉において1100〜1300℃に加熱した後、900〜1200℃で分塊圧延を実施する。その後、800〜1100℃で圧延し、所望の径まで熱間圧延を実施する。
得られた鋳片を、加熱炉において1100〜1300℃に加熱した後、900〜1200℃で分塊圧延を実施する。その後、800〜1100℃で圧延し、所望の径まで熱間圧延を実施する。
このようにして本発明のばね用鋼材(鋼線材)が得られるが、上記熱間圧延の後、更に伸線加工してばね用鋼線材としても良い。伸線条件は特に限定されず、通常用いられる方法を採用することができる。
本発明のばね用鋼線材は、高い疲労特性が要求される加工品の素材として非常に有用である。上記加工品として、例えば、自動車のエンジンやサスペンションなどに用いられる弁ばね、クラッチばね、ブレーキばね、懸架ばねなどのばね類;スチールコードなどの鋼線類などが挙げられる。
上記ばねの製造方法は特に限定されず、常法により製造することができる。具体的には、上記ばね用鋼線材を、必要に応じて焼鈍処理した後、皮削り処理、鉛パテンティング処理、伸線加工、オイルテンパー処理を行ってばねが製造される。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することは可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
鋳片の製造
容量150kg/1chの小型溶解炉を用い、下記表1に示す各種化学成分の供試鋼を溶製し、φ245mm×480mmの鋳片を作製した。溶製に当たっては、溶製時にMgO系耐火物の坩堝を用い、C、Si、Mn、AlおよびCrのほか、必要に応じてNiおよびVの少なくとも一種を添加して所定の濃度に調整した後、Ti→Caの順序で投入し、TiおよびCaの各濃度を調整した。本実施例では、溶鋼に添加するCaとしてNi−Ca合金を、Ti源としてFe−Ti合金を、それぞれ用いた。このようにして得られた鋳片の化学成分を表1に示す。
容量150kg/1chの小型溶解炉を用い、下記表1に示す各種化学成分の供試鋼を溶製し、φ245mm×480mmの鋳片を作製した。溶製に当たっては、溶製時にMgO系耐火物の坩堝を用い、C、Si、Mn、AlおよびCrのほか、必要に応じてNiおよびVの少なくとも一種を添加して所定の濃度に調整した後、Ti→Caの順序で投入し、TiおよびCaの各濃度を調整した。本実施例では、溶鋼に添加するCaとしてNi−Ca合金を、Ti源としてFe−Ti合金を、それぞれ用いた。このようにして得られた鋳片の化学成分を表1に示す。
得られた鋳片を、加熱炉において1100〜1300℃の温度で加熱した後、900〜1200℃で分塊圧延を行った。その後、830〜1100℃で熱間圧延することにより、直径:8.0mmの熱間圧延材を得た。
酸化物系介在物の組成および個数の測定 このようにして得られた直径8.0mmの熱間圧延材について、当該熱間圧延材の中心軸を含むように、長手方向、すなわち圧延方向に、圧延方向長さ20mm以上のミクロ試料を1個切り出し、上記中心軸を含む断面を研磨した。この研磨面を、日本電子データム社製の電子線マイクロプローブX線分析計(Electron Probe X−ray Micro Analyzer;EPMA、商品名「JXA−8500F」)を用いて観察し、短径が1μm以上の酸化物系介在物について成分組成を定量分析した。研磨面の観察面積は100〜1000mm2とし、酸化物系介在物の中央部での成分組成を特性X線の波長分散分光により定量分析した。分析対象元素は、Ca、Al、Si、Ti、Mn、Mg、Na、Cr、Zrとし、既知物質を用いて各元素のX線強度と元素濃度の関係を予め検量線として求めておき、分析対象とする上記酸化物系介在物から得られたX線強度と上記検量線から各試料に含まれる元素量を定量し、酸化物換算することで酸化物系介在物の平均組成を求めた。Ti酸化物は複数の価数をとりうるが、全てTiO2として計算した。なお、酸化物系介在物は、下記表2に具体的に組成を示した酸化物と、その他の不可避不純物とを合わせて合計100質量%である。
また、上記研磨面中に存在する酸化物系介在物のうち、短径が2μm以上の酸化物系介在物の個数を、上記観察面積である100〜1000mm2で除した値を、1mm2当たりの酸化物系介在物の個数とした。
疲労強度試験による折損率の測定
上記した直径8.0mmの熱間圧延材を皮削りし、直径:7.4mmまで伸線した後、パテンティングを行い、直径:4.0mmまで冷間線引き加工した。次いで、油焼入れと、約450℃の鉛浴での焼戻しを連続して行なってオイルテンパー処理を行なった後、直径4.0mm×長さ650mmのワイヤを得た。このようにして得られたワイヤについて、400℃で歪取焼鈍相当処理を行なった後、ショットピーニングを行ない、200℃の低温焼鈍を行い、疲労強度測定用試験片を作製した。
上記した直径8.0mmの熱間圧延材を皮削りし、直径:7.4mmまで伸線した後、パテンティングを行い、直径:4.0mmまで冷間線引き加工した。次いで、油焼入れと、約450℃の鉛浴での焼戻しを連続して行なってオイルテンパー処理を行なった後、直径4.0mm×長さ650mmのワイヤを得た。このようにして得られたワイヤについて、400℃で歪取焼鈍相当処理を行なった後、ショットピーニングを行ない、200℃の低温焼鈍を行い、疲労強度測定用試験片を作製した。
上記試験片について、中村式回転曲げ試験機を用いて、公称応力:970MPa、回転数:4000〜5000rpm、中止回数:2×107回で試験を行った。破断した試験片のうち介在物を起点として折損した試験片の本数A、および所定の中止回数に達したために上記試験を中止した試験片の本数Bをそれぞれ測定し、下記式により折損率を求めた。
折損率(%)=[A/(A+B)]×100
折損率(%)=[A/(A+B)]×100
これらの結果を表2に記載する。なお表2の試験No.は、同じ数字の表1の供試鋼No.を用いたことを示す。
表2の試験No.1〜11、17、18は、いずれも本発明で規定する化学成分組成および酸化物組成を満足するものであり、疲労特性に優れていることがわかる。
これに対し、試験No.12〜16は、本発明のいずれかの要件を満足しないため、疲労特性が低下した。
試験No.12は、Si量およびAl量は本発明の範囲内であるが、Si量もAl量も比較的低めであるため、酸化物系介在物中のCaO量が多くなって、疲労特性が低下した。
試験No.13は、Ti量およびAl量は本発明の範囲内であるが、それらの量が他の実施例より比較的多めに含まれているため、酸化物系介在物中のSiO2量が少なくなって、疲労特性が低下した。
試験No.14は、Ti量が少ないため、酸化物系介在物中のTiO2量が少なくなって、疲労特性が低下した。
試験No.15は、Ti量が多いため、酸化物系介在物中のTiO2量が多くなって、疲労特性が低下した。
試験No.16は、スラグ精錬時の攪拌を、他の例よりも弱撹拌としたため、懸濁が不十分となり、短径2μm以上の酸化物系介在物の個数が少なくなって、疲労特性が低下した。
Claims (9)
- 質量%で、
C :0.2〜1.2%、
Si:1.0〜3%、
Mn:0.1〜2%、
Cr:0%超、3%以下、
Al:0.0002〜0.005%、
Ca:0.0002〜0.002%、
Ti:0.0003〜0.010%
を含有し、残部は鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする疲労特性に優れたばね用鋼線材。 - 鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、
CaO:0〜35%、Al2O3:0〜40%、SiO2:30〜95%、MgO:0〜8%、MnO:0〜5%、TiO2:3〜10%である請求項1記載のばね用鋼線材。 - 鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、
CaO:10〜35%、Al2O3:10〜40%、SiO2:30〜70%、MgO:0〜8%、MnO:0〜5%、TiO2:3〜10%である請求項1記載のばね用鋼線材。 - 鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径が1μm以上の酸化物系介在物の平均組成が質量%で、CaO+Al2O3+SiO2+MgO+MnO+TiO2≧80%を満足する請求項1〜3のいずれか1項に記載のばね用鋼線材。
- 鋼材の長手方向に平行な断面に存在する短径2μm以上の酸化物系介在物の個数が、0.002個/mm2超である請求項1〜4のいずれか1項に記載のばね用鋼線材。
- 更に、前記酸化物系介在物の平均組成が質量%で、ZrO2:0%超、1%未満、Na2O:0%超、5%未満である請求項1〜5のいずれか1項に記載のばね用鋼線材。
- 更に、質量%でNi:0%超、0.5%以下及びCu:0%超、0.5%以下の1種以上を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のばね用鋼線材。
- 更に、質量%でV:0%超、0.5%以下を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のばね用鋼線材。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のばね用鋼線材を用いて得られるばね。
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