JPH10287958A - 環境脆性の良好な高強度ばね - Google Patents

環境脆性の良好な高強度ばね

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JPH10287958A
JPH10287958A JP10057397A JP10057397A JPH10287958A JP H10287958 A JPH10287958 A JP H10287958A JP 10057397 A JP10057397 A JP 10057397A JP 10057397 A JP10057397 A JP 10057397A JP H10287958 A JPH10287958 A JP H10287958A
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rust
spring
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corrosion
spring steel
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Application number
JP10057397A
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English (en)
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Takenori Nakayama
武典 中山
Takashi Iwata
多加志 岩田
Masaki Shimotsusa
正貴 下津佐
Nobuhiko Ibaraki
信彦 茨木
Hiroshi Kakou
浩 家口
Shigenobu Nanba
茂信 難波
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で、しかも高い耐環境脆性(腐食疲労
や遅れ破壊などの環境脆化を起こし難い特性)を有する
環境脆性の良好な高強度ばねを提供する。 【解決手段】 1800MPa以上の引張強度を有する
ばね鋼母材の表面に生成される生成錆中、X線回折法に
よって定量化された非晶質成分の分率が50%以上とな
るように生成錆の成分調整が行われている。このため、
ばね鋼母材の表面に生成される生成錆は、緻密で欠陥の
少ないものとなっており、腐食疲労や遅れ破壊の起点と
なる腐食ピットの形成と、割れ伝播に寄与する水素発生
とが抑制されて、耐環境脆性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ばね鋼母材の表面
に生成錆が形成されたばね、特に腐食疲労や遅れ破壊な
どの環境脆性に強く、しかも高い強度を有するばねに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保全の立場から、自動車
に代表される輸送機に対して排ガスや燃費低減の要求が
高まっており、このような要求を満足すべく輸送機の軽
量化が望まれている。この軽量化対策の一環として、輸
送機に用いられるばねの高応力化が指向されており、焼
入れ焼戻し後の強度で1800MPa以上を示すような
高強度のばね用鋼をばね母材として用いることが提案さ
れている。
【0003】しかしながら、一般に、鋼を高強度化する
と、腐食環境下における疲労や遅れ脆性などの環境強度
が著しく劣化し、腐食耐久寿命が低下することが知られ
ている。したがって、ばねの高応力化を図る場合、この
ような環境脆性の低下を防止する必要があり、例えば特
開昭62−49035号公報などに記載された技術、つ
まりばね鋼母材の表面の少なくとも一部にばね鋼母材よ
りも卑な金属、例えば亜鉛を電気めっきすることで、当
該亜鉛めっき膜を犠牲アノードとして機能させてばねを
電気化学的に防食することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして電気めっきを実行すると、電気めっきを施す
ときに発生した水素がばね鋼母材に侵入して、いわゆる
めっき脆化を生じるおそれがある。また、犠牲アノード
機構によってばね鋼母材を電気化学的に防食するときに
は、局部電池の原理に基づいて陰極部である鋼母材表面
に水素が発生し、これがばね鋼母材中に侵入して遅れ破
壊を生じるという問題がある。
【0005】また、電気めっき以外の表面処理により犠
牲アノードとして機能する金属膜を形成した場合、例え
ば特開平7−3491号公報に記載されたように亜鉛を
刷毛めっきした場合であっても、犠牲アノード作用の発
揮に際しては同様に局部電池の形成による水素発生を起
こしてばね鋼母材への水素侵入による遅れ破壊が生じ、
十分な環境脆性が得られない。
【0006】このように、ばね鋼母材の表面に犠牲アノ
ードとして機能する防食膜を被覆することによって、ば
ねを電気化学的に防食したとしても、高応力化というニ
ーズと、環境脆性に強いというニーズとをともに満足す
るばねを提供することは困難であり、事実、このような
ばねは従来存在していなかった。
【0007】この発明は、上記のような問題に鑑みてな
されたものであり、高強度で、しかも高い耐環境脆性
(腐食疲労や遅れ破壊などの環境脆化を起こし難い特
性)を有する環境脆性の良好な高強度ばねを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、X線回折法
によって求められる非晶質成分の分率が50%以上であ
る錆を、ばね鋼母材の表面に生成させている(請求項
1)。この発明にかかるばねでは、ばね鋼母材の表面に
形成される錆はX線回折法によって求められる非晶質成
分を含み、しかも該非晶質成分の分率は50%以上とな
っている。この生成錆中の非晶質成分は同錆に含まれる
結晶質成分に比べて極めて細かく密なものであるため、
該非晶質成分の分率が増大するにしたがって生成錆は緻
密で欠陥の少ないものとなる。しかも、結晶質成分によ
って欠陥部分が形成される場合であっても、該非晶質成
分がその欠陥部分に入り込んで穴埋めする、つまり欠陥
補修的役割を果して欠陥部分を減少させる。このように
生成錆中の非晶質成分の分率を高めることで、ばね鋼母
材の表面に緻密で欠陥の少ない生成錆が生成され、腐食
疲労や遅れ破壊を抑制する。
【0009】また、錆中にβ−FeOOH(akaganeit
e)が存在すると、生成錆による腐食疲労や遅れ破壊の
抑制効果が減ぜられるため、錆中のβ−FeOOHの分
率が錆総量に対して25%以下となるように成分調整さ
れた生成錆が生成されている(請求項2)。
【0010】また、非晶質化の促進およびβ−FeOO
Hの生成抑制に寄与する元素して、Ti、Nb、Taの
少なくとも1種の元素を添加し、かつ少なくとも総量で
0.001%を含有している(請求項3)。
【0011】さらに、前記ばね鋼母材として、C:0.
7%以下(0%を含まない)、Si:0.1〜4%およ
びMn:0.01〜2%を含有するばね鋼を採用するこ
とができる(請求項4)。
【0012】
【発明の実施の形態】ばねは、輸送機に用いられるもの
を代表格とし、雨水、雪水(この場合、道路凍結防止剤
が含まれる場合が多い)、結露水によって発生する水分
などと接する湿潤状態と、その後の水分蒸発による乾燥
状態とが繰り返される環境で使用されることが多く、こ
の使用環境によってばね鋼母材の表面に錆が生成され
る。この生成錆は、一般的に確認可能な範囲では、(1)
α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOOHおよ
びFe34 の結晶質成分と、(2) 非晶質成分とで構成
されている。ここで、例えば参考文献(岩田多加志ら;
腐食防食 ’95講演集、C−306、p.343)に
記載されているように、結晶質成分(1) については、X
線回折法によって定量的に測定可能であり、生成錆の総
量からX線回折法により測定した結晶質成分(1) を差し
引くことで、生成錆中の非晶質成分(2) を定量化するこ
とができる。すなわち、X線回折法によって生成錆中の
非晶質成分を定量的に求めることができる。
【0013】このようにX線回折法によって定量化可能
な非晶質成分(2) には、次の3つのもの、すなわち、(2
-1) 原子レベルで実際に非晶質構造を有する本質的非
晶質物質、(2-2) 結晶質ではあるが、その粒径がおよ
そ数十nm以下の微細粒であるため、X線回折法によっ
て解析不能な微細粒物質、(2-3) 錆の生成によるもの
ではなく、外来より生成錆に混入したガラス質やケイ砂
などの外来非晶質物質、が含まれるが、いずれの物質も
微細である。このため、生成錆中の非晶質成分(2) の分
率が高くなるにしたがって、生成錆は細密で欠陥が少な
いものとなる。また、結晶質成分の欠陥部分について
も、微細な非晶質成分が該欠陥部分に入り込んで穴埋め
して欠陥補修的役割を果す結果、欠陥部分の大きさや個
数を減少させることができる。
【0014】このように、生成錆中の非晶質成分の分率
が高くなるように生成錆の成分を調整することによっ
て、生成錆は緻密で欠陥部分の少ないものとなり、水
分、塩化物イオン、溶存酸素などの腐食促進因子の通過
を抑えて腐食進展を抑制する。その結果、腐食疲労や遅
れ破壊の起点となる腐食ピットの形成と、割れ伝播に寄
与する水素発生とが抑制されて、耐環境脆性(腐食疲労
や遅れ破壊などの環境脆化を起こし難い特性)を著しく
高めることができるという効果が得られる。なお、かか
る効果を発揮させるためには、生成錆中の非晶質成分の
分率を少なくとも50%以上に調整する必要があり、よ
り好ましくは70%以上に調整する必要がある。そこ
で、この発明にかかるばねでは、X線回折法によって求
められる非晶質成分の分率が50%以上である生成錆
を、ばね鋼母材の表面に生成している。
【0015】ところで、上記説明においては、生成錆中
の非晶質成分について着目して説明したが、生成錆中の
結晶質成分も腐食疲労や遅れ破壊と密接に関連する。す
なわち、生成錆中の結晶質成分(1) のうちβ−FeOO
Hは非晶質成分による上記効果を減ずる方向に作用する
だけでなく、β−FeOOHの存在によって、 6β−FeOOH+2e- →2Fe34 +2H2 O+
2OH- なるカソード反応が起こり、腐食反応を促進させる方向
に作用してしまう。したがって、耐環境脆性を高めるた
めには、可能な限り生成錆中のβ−FeOOHの分率を
減少させることが望ましいが、上記のようにX線回折法
によって求められる非晶質成分の分率が50%以上であ
る場合には、塩化物イオンが存在する環境(塩害環境)
下であってもβ−FeOOHの分率を生成錆総量に対し
て25%以下に抑えることで腐食疲労や遅れ破壊に寄与
する腐食反応を抑制して高い耐環境脆性を確保すること
ができる。なお、β−FeOOHの分率については、1
0%以下に調整するのが望ましく、β−FeOOHの分
率を10%以下に、しかも非晶質成分の分率を65%以
上に調整することでより高い耐環境脆性を有するばねが
得られる。
【0016】なお、生成錆中の非晶質成分を高め、また
β−FeOOHの分率を低減させる具体的手段として
は、 ばね鋼母材の成分調整;例えばTi、Nb、Taの添
加およびN量の低減(次に詳述する)、C量の低減、
P、Cu、Crの添加などが望ましい、 ばね鋼母材の組織調整;例えばマルテンサイト組織が
望ましい、 錆安定化を促す薬剤;例えばリン酸塩処理系薬剤など
が望ましい、 塗装その他による環境コントロール;例えば塩化物イ
オンをトラップし、定量の水分や溶存酸素を透過させる
塗装が望ましい、などがあり、これらの具体的手段を単
独で、あるいは組み合わせてもよい。
【0017】次に、Ti、Nb、Taの添加およびN量
の低減による効果について説明する。ばね鋼母材にT
i、Nb、Taが添加されると、これらの元素が生成錆
中に濃縮して生成錆成分の非晶質化を促進するととも
に、β−FeOOHの生成を抑制する。また、これらの
元素は、いわゆる炭窒化物形成元素であり、ばね鋼母材
中に添加されると、ばね鋼母材中に微細な炭窒化物が多
数分散析出され、ばね鋼母材中に侵入してくる水素やリ
ンなどの不純物を当該炭窒化物がトラップして環境脆化
を抑制する。また、微細な炭窒化物によってばね鋼母材
自体の強度・靭性が高められ、ばね全体の高応力化を図
ることができる。かかる観点から、本発明の実施形態に
かかるばねでは、ばね鋼母材にTi、NbおよびTaの
少なくとも1種の元素を、添加している。
【0018】また、炭窒化物形成元素のばね鋼母材への
添加により耐環境脆性を高める上では、炭窒化物形成元
素としてTi、NbおよびTaの少なくとも1種の元素
を、0.001〜0.5%の範囲で含有させるととも
に、Nを0.001〜0.02%の範囲で含有させるの
が好ましい。これは、Ti、NbおよびTaの少なくと
も1種の元素を炭窒化物形成元素として添加し、かつ有
効量の炭窒化物を形成するためには少なくとも当該元素
を0.001%以上添加するとともに、ばね鋼母材中に
Nを0.001%以上含有する必要があり、逆に当該炭
窒化物形成元素が0.5%を越えて、またNが0.02
%を越えて含有されると、製造プロセスの凝固過程でば
ね鋼に粗大な炭窒化物が生成され、また粗大炭窒化物の
個数が増大してばねの疲労特性を劣化させるおそれがあ
るという理由からである。なお、炭窒化物形成元素とし
てTi、NbおよびTaを微量ずつ添加した場合であっ
ても、それらの総量が0.001%以上であれば、T
i、NbおよびTaの少なくとも1種の元素を炭窒化物
形成元素として添加した場合と同様の効果が得られる。
【0019】さらに、粗大析出物が起点となってばね疲
労寿命を低下させるという危険性を回避するために、炭
窒化物形成元素として添加されるTi、NbあるいはT
aは0.1%以下に調整するとともに、Nは0.01%
以下、さらに好ましくは0.007%以下に調整するの
が望ましい。
【0020】なお、靭性の一層の向上および、腐食疲
労、遅れ破壊クラック伝播抑制のためには、焼入れ焼戻
し後の旧オーステナイト粒径を20μm以下に調整する
のが望ましい。
【0021】ところで、上記においては、引張強度が1
800MPa以上のばね鋼母材の表面に生成される生成
錆の成分調整によって、高強度で、しかも高い耐環境脆
性を有するばねを提供しているが、ばね鋼母材の成分を
以下のように調整することでばね鋼母材自体の特性(強
度、靭性、耐へたり性および疲労強度など)を改善して
優れたばねを提供することが可能となる。以下、その理
由について説明する。
【0022】C:0.7%以下(0%を含まない) Cは鋼中に必須的に含まれてくる元素であり、微量でも
存在すればその存在量に応じて焼入れ焼戻し後の強度
(硬さ)の向上に寄与する。そしてC量が0.3%未満
では、焼入れ焼戻し後の強度(硬さ)がやや不十分とな
り、一方0.7%を超えると、焼入れ焼戻し後の靭延性
が劣化するばかりでなく、耐食性にも悪影響が現われて
くる。ばね鋼としての強度と靭性を考慮すると、より好
ましいC量は0.3〜0.55%、更に耐水素脆性や腐
食疲労特性のより確実な改善を図る上では0.3〜0.
5%の範囲が好ましい。
【0023】Si:0.1〜4% Siは固溶強化元素として強度向上に寄与する元素であ
り、0.1%未満ではマトリックス強度が不足気味にな
る嫌いがある。しかし4%を超えて過多に添加すると、
焼入れ加熱時に炭化物の溶け込みが不十分となり、均一
にオーステナイト化させようとすれば高温の加熱が必要
となって表面の脱炭が進み、ばねの疲労特性が悪くな
る。ばね素材としての強度と硬さおよび脱炭抑制という
観点から、Siのより好ましい範囲は1.0〜2.0%
の範囲である。
【0024】Mn:0.01〜2% Mnは焼入れ性向上元素として0.01%以上含有させ
るのがよい。しかし2%を超えると、焼入れ時に多量の
残留オーステナイトが出現し、強度や硬さを悪化させる
ことがあるので注意しなければならない。Mnのより好
ましい含有量は0.1〜0.5%の範囲である。
【0025】P:0.01%以下 Pは鋼中に不可避的に混入してくる不純物であり、粒界
偏析を起こして粒界強度を低下させ粒界破壊の原因とな
るので、0.01%程度以下に抑えるべきである。
【0026】S:0.01%以下 Sは他の元素と結合して硫化物系介在物を形成するが、
Sの含有量の増加に伴って硫化物系介在物のサイズおよ
び個数が増大して疲労特性に悪影響が現われてくるの
で、Sは0.01%以下に抑えるべきである。
【0027】Ni:5%以下 Niは、微量でも存在すればその存在量に応じて焼入れ
焼戻し後の素材の靭性を高めると共に、生成する錆を非
晶質で緻密なものとして耐食性を高める作用があり、更
にばね特性として重要な耐へたり性を改善する作用も有
しているが、5%を超えて含有させると焼入れ性が過度
に増大し、圧延後に過冷却組織が出易くなる。Niのよ
り好ましい範囲は0.1〜2.0%の範囲である。
【0028】Cu:1%以下 Cuは電気化学的に鉄より貴な元素であり、耐食性を高
める作用がある。こうした作用は、Cuが微量でも存在
すればその存在量に応じて発揮されるが、0.05%以
上の添加によって特に有効に発揮される。しかし、1%
を超えてもそれ以上の耐食性向上効果は期待できず、む
しろ熱間圧延による素材の脆化を引き起こす恐れが生じ
てくる。Cuのより好ましい範囲は0.1〜0.5%の
範囲である。
【0029】Cr:5%以下 Crは、表層部に生成する錆を非晶質で緻密なものと
し、耐食性の向上に寄与する他、Mnと同様に焼入れ性
向上にも有効に作用する。こうした効果は、Crが微量
でも存在すればその存在量に応じて発揮されるが、0.
05%以上の添加によって特に有効に発揮される。しか
し、5%を超えて過度に添加すると、焼入れ時に炭化物
の溶け込みが起こりにくくなって強度や硬さに悪影響を
及ぼす様になる。Crのより好ましい含有量は0.2〜
1.5%の範囲である。
【0030】V:0.5%以下 Vは微量でも存在すればその存在量に応じて炭・窒・硫
化物よりなる微細析出物を形成して耐水素脆性および疲
労特性を一段と高める作用を発揮するばかりでなく、結
晶粒微細化効果を発揮して靭性や耐力を高め、更には耐
食性や耐へたり性の向上にも寄与する。しかし多過ぎる
と、焼入れ加熱時にオーステナイト中に固溶されない炭
化物量が増大して満足な強度と硬さが得られにくくなる
ので、0.5%以下、より好ましくは0.05%以上
0.3%以下に抑えるべきである。
【0031】Mo:1%以下 Moは、微量でも存在すればその存在量に応じて焼入性
を向上させると共に、腐食溶解時に生成するモリブデー
トイオンの吸着作用によって耐食性を高める作用も有し
ており、更には粒界強度を高めて耐水素脆性を改善する
効果も発揮する。これらの作用は0.05%以上、好ま
しくは0.1%以上含有させることによって有効に発揮
される。しかし、それらの効果は約1%で飽和するの
で、それ以上の添加は経済的に全く無駄である。
【0032】Al,B,Co,Wよりなる群から選択さ
れる少なくとも1種 いずれも靭性を高めて耐へたり性の向上に寄与する元素
であり、またAlは結晶粒度を微細化して耐力比を向上
させ、Bは焼入性の向上により粒界強度を高める作用を
有し、CoとWは焼入れ焼戻し後の強度と硬さを高める
他、Bは表面に生成する錆を緻密化して耐食性を高め、
Wは腐食溶解時にタングステン酸塩イオンを形成して耐
食性の向上に寄与する。これら元素の作用は、Al:
0.005%程度以上、B:1ppm程度以上、Co:
0.01%程度以上、W:0.01%程度以上の添加で
有効に発揮されるが、Alが1.0%を超えると酸化物
系介在物の生成量が増大すると共にそのサイズも粗大化
して疲労特性に悪影響を及ぼし、BおよびCoの上記添
加効果は約50ppmおよび5.0%で飽和するので、
それ以上の添加は経済的に無駄であり、またW量が1.
0%を超えると素材靭性に悪影響を及ぼす様になる。こ
れらの観点から上記元素のより好ましい含有量は、A
l:0.01〜0.5%、B:5〜30ppm、Co:
0.5〜3.0%、W:0.1〜0.5%の範囲であ
る。
【0033】Ca,La,Ce,Remの1種以上 これらの元素はいずれも耐食性の向上に寄与する元素で
あり、又Caは更に強脱酸元素としての作用を発揮して
鋼中の酸化物系介在物を微細化して靭性の向上にも寄与
する。これらの元素によって耐食性が高められる理由
は、次の様に考えられる。即ち鋼の腐食が進行していく
際に、腐食疲労の起点となる腐食ピット内では、 Fe→Fe2++2e- Fe2++2H2 O→Fe(OH)2 +2H+ もしくは、4Fe2++O2 +6H2 O→4FeOOH+
8H+の反応が起こり、腐食ピット内部が酸性化すると
共に、電気的中性を保つために外部よりCl- イオンが
集まり、腐食ピット内部の液性が厳しくなって腐食ピッ
トの成長が促進される。ところが鋼中に適量のCa,L
a,Ce,Remが存在するとこれらは鉄と共に溶解す
るが、これらの元素は塩基性元素であるため液性も塩基
性化し、その結果、腐食ピット内部の液が中性化されて
該ピットのその後の成長が著しく抑制されるためと考え
られる。こうした効果は、Caで0.1ppm以上、L
a,Ce,Remでは夫々0.001%以上、より確実
には0.005%以上含有させることによって有効に発
揮されるが、Ca量が200ppm以上になると製鋼時
における炉壁耐火物の損傷が著しくなり、またLa,C
e,Remの効果は夫々約0.1%で飽和するため、そ
れ以上の添加は経済的に無駄である。
【0034】また、上記成分組成のばね鋼を懸架ばね等
のばねに加工する場合、鋳片を熱間圧延して線状に加工
した後焼入れ焼戻し処理し、或はオイルテンパー処理を
施して所定の素線硬さ(引張強度)に調質してからばね
状に加工されるが、その際、旧オーステナイト粒径が2
0μm以下(より好ましくは15μm以下)、硬さがH
RC50以上(より好ましくは52以上)、破壊靭性値
KICが40MPa√m以上(より好ましくは50MPa
√m以上)となる様に調整することが望ましい。
【0035】しかして、旧オーステナイト結晶粒径が2
0μm以下のものでは、該微細な結晶粒界に生成する前
記炭・窒・硫化物も極めて微細なものとなり、靭性や疲
労特性には殆んど悪影響を及ぼすことなく拡散性水素の
トラップ機能を有効に発揮し得るものとなるからであ
る。この様な結晶粒径を得るには、オーステナイト化熱
処理条件を適正に調整すればよい。
【0036】また、高強度懸架ばね等として満足のいく
耐久性や耐へたり性を確保するうえで、焼入れ焼戻し後
の素線硬さも重要であり、懸架ばねとして満足のいく耐
久性と耐へたり性を確保するには、焼入れ焼戻し後の素
線硬さでHRC50以上、破壊靭性値で40MPa√m
以上を確保するのがよく、HRC50未満では耐久性や
耐へたり性が不足気味となり、また破壊靭性値が40M
Pa√m未満では、靭性不足により満足のいく耐水素脆
性が発揮されにくくなる。耐久性、耐へたり性、耐水素
脆性等を総合的に考慮してより好ましい硬さはHRC5
2以上、破壊靭性値は50MPa√m以上である。
【0037】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0038】実施例1 表1に示す※1〜7の化学成分の鋼材を溶製した後、造
塊法または連続鋳造法によって鋳造し、その後分塊圧延
によって155mm角のビレットを作製し、更に熱間圧
延によって直径14mmの線材に加工した。各線材を直
径12.5mmまで引き抜き加工してから焼入れ焼戻し
処理を行ない、機械加工によって板状試験片を作製し、
当該試験片を試験に供した。なお、引張強度について
は、焼戻し温度により調整した。
【0039】同表中の「腐食疲労寿命」については、室
温で1日1回30分間0.05質量%NaCl水溶液を
試料片に滴下するという腐食環境下で、しかも下記条
件、 ・回転速度:1rpm、 ・負荷応力:各試料片とも引張強度の8割(0.8×T
S)、 の回転曲げ疲労試料を行い、破断寿命(サイクル数)を
求めたものであり、この実施例では同一条件の試料を3
回行い、その平均値を求めたものである。また、試験
後、試料片表面に生成された生成錆をカッターナイフで
採取し、X線回折法によって生成錆中の非晶質成分の分
率を定量的に求めた。
【0040】表1に環境脆化(腐食疲労寿命)に対する
性能試験結果を示すとともに、表1の下方に本発明の比
較例(No. 1〜3)および本発明例(No. 4〜9)の鋼
材組成を示している。なお、同表には示していないが、
全ての試料片について生成錆からβ−FeOOHは検出
されなかった。
【0041】
【表1】
【0042】表1より次の様に考察することができる。
比較例(No. 1〜3)から明らかなように引張強度が1
800MPaを超えると、腐食疲労寿命が著しく低下す
るが、非晶質成分の分率が50%以上となるように生成
錆の成分調整を行うことで引張強度が1700MPa鋼
(比較例No.1)と同等以上の腐食疲労寿命が得られ
る。特に、Tiが添加された本発明例(No.4および
No.5)では、非晶質成分の分率が高く、腐食疲労寿
命が格段に優れていることがわかる。したがって、同表
から、本発明によれば高い耐環境脆性を有するばねが得
られることがわかる。
【0043】実施例2 実施例1と同様にして作製した試料片に対して、室温で
1日1回30分間3.5%NaCl水溶液を試料片に滴
下するという腐食環境下で、しかも下記条件、 ・回転速度:1rpm、 ・負荷応力:各試料片とも引張強度の8割(0.8×T
S)、 の回転曲げ疲労試料を行い、破断寿命(サイクル数)を
求めた。また、試験後、試料片表面に生成された生成錆
をカッターナイフで採取し、X線回折法によって生成錆
中の非晶質成分およびβ−FeOOHの分率を定量的に
求めた。こうして求めた試験結果を表2にまとめた。
【0044】
【表2】
【0045】表2より次の様に考察することができる。
比較例(No. 1〜3)から明らかなように引張強度が1
800MPaを超えると、腐食疲労寿命が著しく低下す
るが、非晶質成分の分率が50%以上で。しかもβ−F
eOOHの分率が25%以下となるように生成錆の成分
調整を行うことで引張強度が1700MPa鋼(比較例
No.1)と同等以上の腐食疲労寿命が得られる。特
に、Ti、Nb、Taのいずれかの元素が添加された本
発明例(No.6〜No.9)では、非晶質成分の分率
が65%以上と高く、しかもβ−FeOOHの分率が1
0%以下と少なくなっており、腐食疲労寿命が格段に優
れていることがわかる。したがって、同表から、本発明
によれば高い耐環境脆性を有するばねが得られることが
わかる。
【0046】実施例3 また、以下の実施例3から、上記したようにばね鋼母材
の鋼成分を調整することでばね鋼母材自体の特性を高め
ることができ、ばねの特性を高めることができることが
わかる。
【0047】表3、4に示すNo.21〜53の化学成分
の鋼材を溶製した後、造塊法または連続鋳造法によって
鋳造し、その後分塊圧延によって155mm角のビレッ
トを作製し、更に熱間圧延によって直径14mmの線材
に加工した。各線材を直径12.5mmまで引き抜き加
工してから焼入れ焼戻し処理を行ない、機械加工によっ
て破壊靭性試験片、水素脆化試験片、回転曲げ腐食疲労
試験片および回転曲げ疲労試験片を作製した。尚焼戻し
条件は、350〜450℃×1時間の範囲で硬さがHR
C53〜55となる様に調整した。
【0048】破壊靭性試験片はCT試験片で、長さ約3
mmの疲労予亀裂を導入したものを使用し、10トン・
オートグラフ引張試験機を用いて大気中室温で試験を行
なった。腐食疲労試験は、35℃の5%NaCl水溶液
を試験片に滴下する方式で行ない、試験片には全て同一
条件のショットピーニング処理を行ない、応力784M
Pa、回転速度100rpmで行なった。水素脆化割れ
試験は、陰極チャージによる4点曲げで0.5mol/
1−H2 SO4 と0.01mol/1−KSCN(チオ
シアン酸カリウム)混合溶液中に試験片を浸漬し、ポテ
ンショスタットを用いて−700mV vs SCEの
電圧をかけて行なった。応力は曲げ応力で1400MP
aとした。回転曲げ疲労試験は、試験片に全て同一の条
件でショットピーニング処理を施し、応力881MP
a、試験本数各10本とし、1.0×107 回で試験中
止とした。
【0049】またTi,Nb,Vの炭・窒・硫化物の大
きさと個数の測定にはEPMAを使用した。即ち、回転
曲げ試験片の縦断面(中心線を通る)の表面から深さ
0.3mmよりも内部において被検面積(長辺/短辺=
5、表層から深さ0.3mmの部分に長辺が接する)2
0mm2 を網羅する様に自動運転して全介在物をピック
アップし、平均粒子径3μm以上の介在物の大きさと組
成分析を行なった。また平均粒子径が3μm未満の析出
物については、水素脆化試験後の試験片を使用し、EP
MAおよびAuger電子分光装置を用いて各鋼種の合
計20視野を観察して析出物の組成を同定すると共に、
写真撮影(1000〜20000倍)によってその大き
さと個数を測定し、個数については被検面積20mm2
として換算して求めた。表2に本発明の鋼材組成を、ま
た表3に比較例の鋼材組成を示し、また表4,5に性能
試験結果を示す。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】表3〜6より次の様に考察することができ
る。本発明の規定要件を全て満足するNo.21〜41
の実施例は、耐水素脆性、腐食疲労寿命、疲労特性のい
ずれにおいても良好な結果が得られている。特に耐水素
脆性について、Ti,Nbを含まないNo.42,43
の比較例と対比すると、実施例の方が格段に優れている
ことが分かる。
【0055】また実施例の中でも、適量のVを含むもの
は、Vを含まない他の実施例に比べて耐水素脆性、腐食
疲労寿命、疲労特性のいずれにおいても良好な結果を示
している。また、C含有量が0.30〜0.50%の最
適範囲内にある鋼種(No.23〜41)は破壊靭性値
が高く水素脆化割れ寿命も長くなっている。主たる含有
元素については規定要件を満足するものであっても、不
純物元素であるPやS、あるいはZn,Sn,As,S
b等の含有量が多く、その為に粗大介在物サイズと個数
が好適要件を外れる比較例(No.46)では、水素脆
化割れ寿命の改善効果が殆んど発揮されなくなる。
【0056】腐食耐久性を考慮してNo22〜26の如
くNi,Cr,Moを適量含有させたものでは、これら
を含まないNo.21の実施例(但し、少量のCrが含
まれている)に比べて腐食疲労寿命が格段に高まること
が分かる。更に、強度と靭性を高めるため適量のAl,
B,Co,Wを積極添加した鋼種(No.27〜30)
では、耐水素脆性、腐食疲労寿命のいずれにおいてもN
o.22〜26と同等レベルの優れた特性を示してい
る。耐食性向上を目的として適量のCa,La,Ce,
Remを添加した鋼種(No.31〜34)は、比較鋼
種(No.42〜53)に比べて腐食疲労寿命の向上が
明確に表われている。
【0057】析出物のサイズと個数の影響を見ると、本
発明の好適要件を満たすものでは疲労試験による介在物
切損がなく、疲労特性に悪影響を及ぼしていないことが
分かる。これに対してNo.44,45は、凝固時の冷
却速度を遅くすることにより粗大な介在物を多量生成さ
せた比較例であり、粗大介在物起因の折損の確率が高く
なり、疲労寿命が極端に低下している。
【0058】鋼中の主要元素であるC,Si,Mnにつ
いては、C量が不足気味であるものでは焼入れ焼戻し後
の強度がやや低く、逆に多過ぎるもの(No.47)で
は、破壊靭性値が低下すると共に水素脆化割れ寿命も悪
くなる傾向がうかがわれる。Si量が不足気味であるも
のでは硬さがやや不足し、逆に多過ぎるNo.48では
靭性がやや低くなっている。またMn量が不足気味であ
るものでは焼きが入りにくくなって硬さ不足となる傾向
がうかがわれる。更にMn,Cr,Mo量が多過ぎるも
の(No.49〜51)では、残留オーステナイトが多
量に存在することによる硬さ不足の傾向が表われてい
る。また、NやS含有量が規定要件を外れる比較例(N
o.52,53)では、(Ti,Nb)炭・窒・硫化物
よりなる粗大介在物の個数が多くなり、疲労特性等の劣
化が著しいことが分かる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ばね
鋼母材の表面に生成される生成錆中の非晶質成分の分率
(X線回折法によって定量化)が50%以上となるよう
に生成錆の成分を調整して、ばね鋼母材の表面に緻密で
欠陥の少ない生成錆を生成するように構成しているの
で、腐食疲労や遅れ破壊などを抑制し、耐環境脆性を向
上させることができる。また、生成錆中のβ−FeOO
Hの分率(X線回折法によって定量化)が25%以下と
なるように生成錆の成分を調整しているため、腐食疲労
や遅れ破壊などの抑制し、耐環境脆性を向上させること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茨木 信彦 神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会社神戸 製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 家口 浩 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 難波 茂信 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線回折法によって求められる非晶質成
    分の分率が50%(質量%を意味する、以下同じ)以上
    である錆が、ばね鋼母材の表面に生成されていることを
    特徴とする環境脆性の良好な高強度ばね。
  2. 【請求項2】 前記錆中のβ−FeOOHの分率が錆総
    量に対して25%以下である請求項1記載の環境脆性の
    良好な高強度ばね。
  3. 【請求項3】 前記ばね鋼母材が、Ti,Nb,Taの
    少なくとも1種の元素を含有し、かつ少なくとも総量で
    0.001%以上であると共に、 N:0.001〜0.02% を含有する請求項1または2記載の環境脆性の良好な高
    強度ばね。
  4. 【請求項4】 前記ばね鋼母材が、C:0.7%以下
    (0%を含まない)、Si:0.1〜4%およびMn:
    0.01〜2%を含有するばね鋼である請求項1ないし
    3のいずれかに記載の環境脆性の良好な高強度ばね。
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