JP5323416B2 - 疲労特性に優れたばね鋼およびばね - Google Patents

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本発明は、疲労特性に優れたばね鋼およびこの鋼から得られるばねに関するものであり、例えば高強度ばねなどとしたときに高い疲労特性が発揮でき、こうした特性が要求される自動車用エンジンの弁ばねやクラッチばね、ブレーキばね、懸架ばね等の素材として有用なものである。
最近、自動車の軽量化や高出力化の要請が高まるにつれて、エンジンやサスペンション等に使用される弁ばねや懸架ばね等においても高応力設計が指向されている。そのためこれらのばねには、負荷応力の増大に対応するため、耐疲労性や耐へたり性に優れたものが強く望まれている。とりわけ弁ばねについての疲労強度増大の要請は非常に強く、従来鋼の中でも疲労強度に優れているとされているSWOSC−V(JIS G 3566)でも対応が困難になってきている。
高い疲労強度が要求されるばね鋼では、鋼材中に存在する硬質の非金属介在物を極力低減することが必要である。こうした観点から、上記の様な用途に用いられる鋼材としては、上記非金属介在物の存在を極力低減した高清浄鋼が用いられるのが一般的である。また、素材の高強度化が図られるにつれて、非金属介在物に起因する断線、疲労折損の危険性が高まることから、その主要因となる非金属介在物の低減・小型化の要求は一段と厳しいものとなっている。
鋼材中における硬質の非金属介在物の低減・小型化を図るという観点から、これまでにも様々な技術が提案されている。例えば非特許文献1には、介在物をガラス質に保つことで、圧延時に介在物が微細化すること、およびCaO−Al23−SiO2系の成分で、ガラス質で安定な組成に介在物が存在することが記載されている。またガラス部分の変形を促進するために、介在物の融点を下げることが有効であることが提案されている(例えば、特許文献1)。
また特許文献2には、Ca,Mg,(La+Ce)の量を適切な範囲に制御しつつ鋼材の化学成分組成を適切に調整し、且つ鋼中の非金属介在物の平均的組成の構成比(SiO2,MnO,Al23,MgOおよびCaOの構成比)を適切な範囲とすることによって、疲労特性に優れたばね鋼が得られることが示されている。
更に、特許文献3、4には、非金属介在物を冷間加工時に延伸または破壊され易くし、実質的に破断の原因とならない軟質なものとするための非金属介在物組成が開示されている。
一方、特許文献5には、Liを含有させることによって、介在物を低融点化して、熱延時の変形を促進させ、線材の疲労強度を優れたものとする技術も提案されている。
上記各種技術では、疲労特性等の特性を高めるための方向性は示されている。しかしながら、熱間加工時の加熱時間や温度においては、例えば非特許文献1に示されたような組成に制御するだけでは、必ずしも完全なガラス状態を保つことはできず、結晶が生成することがある。また、近年の更なる鋼疲労強度化のニーズに対応するためには、ガラス部の変形もより促進する必要がある。
「第182・183回西山記念技術講座」、(社)日本鉄鋼協会編、第131〜134頁 特開平5−320827号公報 特開昭63−140068号公報 特公平6−74484号公報 特公平6−74485号公報 特開2005−29888号公報
これまで提案されている各技術は、介在物の平均的な組成を厳密に制御することが主流になっており、疲労特性等の特性を高めるという観点からそれなりの効果が発揮されているものの、高SiO2結晶やアノーサイト(CaO・Al23・2SiO2系酸化物系介在物)等の硬質結晶が生成することがあり、これが鋼材の破断の起点となって疲労特性が劣化することがある。
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は、介在物の平均的な組成を厳密に制御せずとも優れた疲労特性を発揮するばね等を得るためのばね鋼、およびこうしたばね鋼から得られる疲労特性に優れたばねを提供することにある。
上記課題を達成することのできた本発明に係るばね鋼とは、C:1.2%(質量%の意味、以下同じ)以下、Mn:0.1〜2%、Si:0.2〜3%、Al:0.0003〜0.005%、Li:0.03〜8ppm(質量ppmの意味、以下同じ)、Ca:30ppm以下(0ppmを含まない)およびMg:10ppm以下(0ppmを含まない)を夫々含有するばね鋼であって、下記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物が、1×10-4個/mm2以上存在するものである点に要旨を有するものである。
(1)Li2Oを除く介在物組成を100質量%としたとき、Al23とSiO2の合計が80質量%以上
(2)Al23:SiO2=1:4〜2:3(質量比)
(3)介在物中にLiを含有する
本発明のばね鋼の化学成分組成については、高強度ばねとしての用途に適用する上で上記の基本成分の他は、特に限定されるものではないが、必要によって、更にCr,Ni,V,Nb,Mo,W,Cu,Ti,Co,Bおよび希土類元素(REM)よりなる群から選択される1種以上を含むものであってもよい。これらを含有させるときの好ましい含有量は、各々の元素によって異なるが、Cr:3%以下(好ましくは0.5%以上)、Ni:0.5%以下、V:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Mo:0.5%以下、W:0.5%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Co:0.5%以下、B:0.01%(好ましくは0.001%以上)である。また介在物粘性を下げ、より効果を発揮する元素としてREMを0.05%以下程度添加しても良い。
上記成分の他(残部)は、基本的にFeおよび不可避不純物(例えば、SやP)である。尚、介在物に大きな影響を与えない成分(例えば、Pb,Bi)は鋼特性向上のために加えても、本発明の効果を発揮するものである。
上記のようなばね鋼を用いて、ばねに成形することによって、疲労特性の優れたばねが実現できる。
本発明においては、上記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物の個数を規定することによって、疲労特性に優れたばね等を得るためのばね鋼が実現できた。
本発明者らは、介在物の平均的な組成を厳密に制御せずとも、優れた疲労特性を発揮するばね鋼を実現するべく、様々な角度から検討を進めてきた。その結果、特定の要件を満足する酸化物系介在物を所定量で生成させてやれば、上記のような硬質結晶が生成することもなく、ばね鋼における疲労特性が改善されることを見出し、本発明を完成した。
本願発明で制御の対象とする酸化物系介在物は、上記(1)〜(3)の要件を満足するものであり、これはLi2O−Al23−4SiO2(spodumen:スポジュメン)結晶と推察される。
即ち、スポジュメンは脆いものであり、熱延や伸線加工の段階で微細化され易い。スポジュメンと推察される介在物が、鋼材断面中に所定量(1×10-4個/mm2以上)存在するようにしてやれば、疲労特性に優れたものとなる。特に、本発明によれば、従来では硬質の結晶が生じやすいとされていた高SiO2や高Al23の組成範囲であっても、良好な疲労特性が得られる。
本発明で対象とする鋼材は、ばねの素材として有用なばね鋼であれば良く、その鋼種については特に限定するものではないが、C,Mn,Si,AlおよびLi等の基本成分については、下記の範囲であることが好ましい。
[C:1.2%以下(0%を含まない)]
Cは、高強度ばねとして適用する上で所定の強度を確保するために必要な元素であり、こうした特性を発揮させるためには、Cの含有量は0.2%以上とすることが好ましいが(より好ましくは0.4%以上)、C含有量が過剰になると鋼材が脆化し、実用的でなくなるので1.2%以下とする必要がある。
[Mn:0.1〜2%]
Mnは鋼の脱酸に寄与する元素であり、また焼入れ性を高めて強度向上に寄与する。こうした観点からMnは0.1%以上含むものであることが好ましい。但し、Mn含有量が過剰になると、靭性、延性が悪くなるので2%以下とすべきである。
[Si:0.2〜3%]
Siは、製鋼時における主たる脱酸剤として作用すると共に、鋼材の高強度化にも寄与し、本発明の疲労特性向上効果が顕著にあらわれる点からも重要な元素である。更には、軟化抵抗を高め耐へたり性を向上させるのにも有用な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Si含有量は0.2%以上とする。しかしながら、Si含有量が過剰になると、凝固中に純粋なSiO2が生成する可能性があり、表面脱炭や表面疵が増加するため疲労特性が却って低下することになる。こうしたことから、Siは3%以下、好ましくは2%以下とする。
[Al:0.0003〜0.005%]
Alは、介在物制御に必要な元素であり、その質量濃度で0.0003%以上は必要である。しかし、Al含有量が多くなると、断線の原因になる粗大Al23が生成する可能性があるので、0.005%以下が望ましい。
[Li:0.03〜8ppm]
Liは上記(1)〜(3)の要件を満足する介在物を得るために必要な元素であり、そのためには0.03ppm以上必要である。但し、Li含有量がある程度を超えると効果が飽和するので、8ppm以下で足りる。
上記基本成分の他は、Ca,Mg,鉄および不可避不純物である。CaやMgは一般的なスラグ精錬や耐火化から混入するものであり、Siキルド鋼の介在物にとって有害なものでないため(従来特許文献の通り介在物制御にとって有利な成分であるため)、夫々30ppm、10ppmを上限として含有しても良い。不可避不純物としてのPは鋼の靭性・延性を劣化させる元素であり、伸線やその後の撚り工程における断線を防止する為に、その上限を0.03%(より好ましくは0.02%)とすることが推奨される。またSもPと同様、鋼の靭性・延性を劣化させる不可避不純物元素であり、Mnと結合してMnSを生成し、伸線時における断線の起点となる為、その上限を0.03%(より好ましくは0.02%)とすることが推奨される。
本発明のばね鋼は、必要によってCr,Ni,V,Nb,Mo,W,Cu,Ti,Co,Bおよび希土類元素(REM)よりなる群から選択される1種以上を含むものであってもよい。これらを含有させるときの好ましい含有量は、各々の元素によって異なるが、Cr:3%以下(好ましくは0.5%以上)、Ni:0.5%以下、V:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Mo:0.5%以下、W:0.5%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Co:0.5%以下、B:0.01%以下(好ましくは0.001%以上)、REM:0.05%以下である。
本発明のばね鋼では、前記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物を生成させることによって、優れた疲労特性を発揮させるものであるが、こうした酸化物系介在物は、鋼中にLiを含有させると共に、次のような工程を付加することにより得ることができる。ばね鋼を熱間圧延する際には、一般に900〜1300℃の分塊圧延と800〜1100℃で線材圧延を行うが、こうした熱間圧延だけでは高温域で生成する高SiO2結晶やアノーサイト等の硬質結晶が生成しやすい状態となる。これに対して、スポジュメンは比較的低温で生成しやすい物質であるので、低温域、例えば、500〜800℃で十分なソーキングを行った後、上記のような通常の熱間加工を行うようにすれば良い。但し、本発明のばね用鋼を製造するための方法は、こうした方法に限らず、要は前記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物を所定量生成できるものであれば良い。
上記のように化学成分組成を適切にすると共に、前記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物の個数を適切に調整したばね鋼を用いてばね成形することによって、疲労特性に優れたばねが実現できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
実験は、実機(または実験室レベル)で実施した。すなわち、実機では転炉で溶製した溶鋼を取鍋に出鋼し(実験室では、転炉から出鋼される溶鋼を模擬した500kgの溶鋼を溶製し)、各種フラックスを添加して成分調整、必要に応じて加熱、およびアルゴンバブリング、溶鋼処理(スラグ精錬)を実施した。Ca、Mg、Liなどを必要に応じて溶鋼処理中に添加した。得られた鋼塊を分塊または鍛造および熱間圧延して直径:8.0mmの線材とした。このとき、一部のもの(試験No.1〜19)については、熱間加工前に750℃で2時間均熱処理を施した。
得られた各線材の化学成分組成を下記表1に示す。尚、鋼中のLiの含有量は下記の方法で測定したものである。
[鋼中のLiの含有量]
対象となる線材から試料0.5gを採取してビーカーに取り、純水、塩酸および硝酸を加えて加熱分解した。放冷後、100mL(ミリリットル)のメスフラスコに移し入れ、測定溶液とした。この測定溶液を純水で希釈し、ICP質量分析装置(型式 SPQ8000:セイコーインスツルメント社製)を用い、Liを定量分析した。
含有量が1ppm以下の場合は対象となる線材から試料0.5gを採取してビーカーに取り、純水、塩酸および硝酸を加えて加水分解を行った。その後塩酸を加えて酸濃度を調整し、メチルイソブチルケトン(MIBK)を加えて振とうし、鉄分をMIBK相に抽出した。静置後、水相のみを取り出し、100mLのメスフラスコに移し入れ、測定溶液とした。この測定溶液を純水で希釈し、ICP質量分析装置(型式 SPQ8000:セイコーインスツルメント社製)を用い、上記の条件でLiを定量分析した。
Figure 0005323416
尚、表1に示した鋼種のうち、P、Sの含有量については、鋼種G(試験No.7)はP:0.02%、S:0.003%、鋼種K(試験No.11)はP:0.01%、S:0.015%、鋼種L(試験No.12)はP:0.01%、S:0.010%、鋼種V(試験No.22)はP:0.02%、S:0.003%である(他はいずれもP:0.03%以下、S:0.03%以下)。
得られた鋼線材について、介在物の平均組成を下記の方法で測定すると共に、上記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物については、対象視野(線材の断面10000mm2以上)の全ての介在物を分析し、該当する組成のものを判定し、その個数を測定した。また、各鋼線材について、下記に示す方法によって弁ばねを模擬した回転曲げ疲労試験による評価試験を行い、疲労特性を評価した。
[鋼線材中の介在物組成(Li2Oを除く)]
熱間圧延した各鋼線材のL断面(軸心を含む断面)を研磨し、該研磨断面に存在する短径5μm以上の全介在物をEPMA(Electron Probe Microanalyzer)で組成分析を行い、酸化物に換算し、その平均値を求めた。このときのEPMAの測定条件は下記の通りである。
EPMA分析装置:JXA−8621MX(日本電気株式会社製)
分析装置(EDS):TN−5500(Tracor Northern社製)
加速電圧:20kV
操作電流:5nA
操作方法:エネルギー分散分析で定量分析(粒子全域を測定)
測定面積:10000mm2以上
[介在物中Liの測定]
LiはEPMAなどでの測定ができないため、前記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物をSIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy:二次イオン質量分析法)により測定し(一次イオン種:O2 、二次イオン極性:正)、7Li28Siの相対二次イオン強度を得た。7Li28Siが0.01以上の場合に介在物中にLiが存在すると判定した。尚、測定はCAMECA社製二次イオン質量分析装置「ims5f」を用いて行なった。
[疲労強度試験(折損率)]
各熱間圧延線材(直径:8.0mm)について、皮削り(直径:7.4mm)→パテンティング→冷間線引き加工(直径:4mm)→オイルテンパー[油焼入れと鉛浴(約450℃)焼戻し連続工程]にて直径4.0mm×650mmのワイヤを作製した。得られたワイヤについて、歪取焼鈍相当処理(400℃)→ショットピーニング→低温焼鈍200℃を行った後、中村式回転曲げ試験機を用いて、公称応力970MPa、回転数:4000〜5000rpm、中止回数:2×107回で試験を行った。そして、破断したもののうち介在物折損したものについて、下記式により折損率を求めた。
折損率(%)=[介在物折損本数/(介在物折損本数+所定回数に達し中止した本数)]×100
これらの結果を、各線材中の介在物の平均組成と共に、下記表2に示す。尚、Li以外の鋼材成分については、下記の方法によって測定した。
C:燃焼赤外線吸収法
Si,Mn,Ni,Cr,V,Ti,Mg,Nb,Mo,W,CuおよびCo:ICP発光分光分析法
Al,REMおよびB:ICP質量分析法
Ca:フレームレス原子吸光分析法
Figure 0005323416
これらの結果から、次のように考察できる。試験No.1〜19のものでは、前記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物の生成が確保されており、良好な疲労強度が得られていることが分かる。
これに対して、試験No.20〜24のものでは、前記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物の生成が確保されていないので、疲労試験結果が良くない。
詳しくは、試験No.20,21,24では、鋼成分として所定量のLiを含むものであるが、均熱処理を行わないものであるので、酸化物系介在物の生成が確保できず、折損率が高くなっている。
試験No.22,23では、Liを含有しない鋼材を用いたものであり、前記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物が生成されず、折損率が高くなっている。
上記表2に示した結果に基づき、(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物の個数と折損率との関係を図1に示すが、(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物を適切に生成させることによって、ばね鋼の疲労特性が改善されることが分かる。
(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物個数と折損率との関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. C:1.2%(質量%の意味、以下同じ)以下、Mn:0.1〜2%、Si:0.2〜3%、Al:0.0003〜0.005%、Li:0.03〜8ppm(質量ppmの意味、以下同じ)、Ca:30ppm以下(0ppmを含まない)およびMg:10ppm以下(0ppmを含まない)を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなるばね鋼であって、下記(1)〜(3)の要件を満足する酸化物系介在物が、1×10-4個/mm2以上存在するものであることを特徴とする疲労特性に優れたばね鋼。
    (1)Li2Oを除く介在物組成を100質量%としたとき、Al23とSiO2の合計が80質量%以上
    (2)Al23:SiO2=1:4〜2:3(質量比)
    (3)介在物中にLiを含有する
  2. 更に、Cr:3%以下、Ni:0.5%以下、V:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Mo:0.5%以下、W:0.5%以下、Cu:0.1%以下、Ti:0.1%以下、Co:0.5%以下、B:0.01%以下および希土類元素:0.05%以下よりなる群から選択される1種以上の元素を含有するものである請求項1に記載のばね鋼。
  3. 請求項1または2に記載のばね鋼から得られたものであるばね。
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