JP2017179471A - 曲げ加工性に優れた熱処理鋼線 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ加工性に優れた熱処理鋼線を提供する。【解決手段】本発明の熱処理鋼線は、所定の成分を含み、熱処理鋼線の長軸方向に垂直な断面を観察したとき、表面から2μmの深さ位置までの領域に存在する、下記(1)および(2)の要件を満足する酸化物の平均個数密度が1個/μm2以上である(1)(幅×深さ)1/2で表される径が1μm以下(2)(幅/深さ)の比が1.0以上ここで、前記酸化物の深さは、圧延方向と垂直な方向の最大径を意味し、前記酸化物の幅は、圧延方向と平行な方向の最大径を意味する。【選択図】なし
Description
本発明は、曲げ加工性に優れた熱処理鋼線に関する。
自動車エンジンの弁ばね、サスペンションの懸架ばね、クラッチばねなどに使用されるオイルテンパー線(熱処理鋼線)は、軽量化を目的として、年々高強度化が進んでいる。オイルテンパー線が高強度化するにつれて疲労強度が向上し、線径を細くできる。しかしながら、細線化と同時に靱性が低下するため、疵感受性が高くなり、小さな疵であっても曲げ加工性を低下させる虞がある。そのため、曲げ加工性に優れたオイルテンパー線の提供が望まれている。
例えば、特許文献1には、窒化処理後において高い疲労強度(回転曲げ疲労試験で評価)と靭性とを兼備したオイルテンパー線とその製造方法が開示されている。具体的には、パテンチング、伸線、焼入れ、焼戻しを行ってオイルテンパー線を製造するに当たり、焼入れ時の加熱による鋼線組織のオーステナイト化のため、雰囲気加熱で温度を850℃〜950℃、時間を30sec超〜150secとして加熱した後、第一焼戻し工程と第二焼戻し工程とを有する2段焼戻しを行なう方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1では、炭化物の粗大化を抑制するため、2段階にて焼戻しを行なっており、コストが増大する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、曲げ加工性に優れた熱処理鋼線(オイルテンパー線)を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明に係る曲げ加工性に優れた熱処理鋼線は、質量%で、C:0.3〜0.8%、Si:1.0〜2.5%、Mn:0.5〜1.5%、P:0%超、0.02%以下、S:0%超、0.02%以下、Cr:0.1〜2%、Al:0%超、0.01%以下、N:0%超、0.007%以下、O:0%超、0.005%以下を含有し、残部:鉄及び不可避的不純物からなる熱処理鋼線であって、前記熱処理鋼線の長軸方向に垂直な断面を観察したとき、表面から2μmの深さ位置までの領域に存在する、下記(1)および(2)の要件を満足する酸化物の平均個数密度が1個/μm2以上である点に要旨を有する。
(1)(幅×深さ)1/2で表される径が1μm以下
(2)(幅/深さ)の比が1.0以上
ここで、前記酸化物の深さは、圧延方向と垂直な方向の最大径(最大長さ)を意味し、
前記酸化物の幅は、圧延方向と平行な方向の最大径(最大長さ)を意味する。
(1)(幅×深さ)1/2で表される径が1μm以下
(2)(幅/深さ)の比が1.0以上
ここで、前記酸化物の深さは、圧延方向と垂直な方向の最大径(最大長さ)を意味し、
前記酸化物の幅は、圧延方向と平行な方向の最大径(最大長さ)を意味する。
本発明の好ましい実施形態において、前記熱処理鋼線は、更に質量%で、Cu:0%超、0.3%以下、およびNi:0%超、0.3%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
本発明の好ましい実施形態において、前記熱処理鋼線は、更に質量%で、Ti:0%超、0.01%以下、V:0%超、0.5%以下、およびB:0%超、0.01%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
本発明によれば、曲げ加工性に優れた熱処理鋼線を提供できる。
本発明者らは上記課題を解決するため、検討を行なった。その結果、鋼線表面(鋼線とスケールとの界面であり、具体的には、熱処理鋼線の長軸方向に垂直な断面を観察したとき、表面から2μmの深さ位置までの領域)に存在する酸化物について、幅および深さが適切に制御された形状の粒状酸化物が1個/μm2以上の平均個数密度で存在するものは、曲げ加工時に亀裂が発生し難くなって所期の目的が達成されることを見出した。
更に上記の粒状酸化物を得るためには、焼入れ前のオーステナイト加熱時におけるオーストナイト化温度を、850℃未満と低温化して1〜500秒保持し、且つ、当該加熱雰囲気を、窒素などの不活性ガス中に10体積%以下(0体積%を含まない)の酸素を含む雰囲気にすれば良いことを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明の熱処理鋼線について説明する。上述したように本発明の熱処理鋼線は、質量%で、C:0.3〜0.8%、Si:1.0〜2.5%、Mn:0.5〜1.5%、P:0%超、0.02%以下、S:0%超、0.02%以下、Cr:0.1〜2%、Al:0%超、0.01%以下、N:0%超、0.007%以下、O:0%超、0.005%以下を含有し、残部:鉄及び不可避的不純物からなる熱処理鋼線であって、前記熱処理鋼線の長軸方向に垂直な断面を観察したとき、表面から2μmの深さ位置までの領域(以下、単に表層と呼ぶ場合がある。)に存在する、下記(1)および(2)の要件を満足する酸化物の平均個数密度が1個/μm2以上を満足する点に特徴がある。
(1)(幅×深さ)1/2で表される径が1μm以下
(2)(幅/深さ)の比が1.0以上
ここで、前記酸化物の深さは、圧延方向と垂直な方向の最大径を意味し、
前記酸化物の幅は、圧延方向と平行な方向の最大径を意味する。
(1)(幅×深さ)1/2で表される径が1μm以下
(2)(幅/深さ)の比が1.0以上
ここで、前記酸化物の深さは、圧延方向と垂直な方向の最大径を意味し、
前記酸化物の幅は、圧延方向と平行な方向の最大径を意味する。
まず、本発明を最も特徴付ける上記酸化物について説明する。
本発明者らが、鋼線表層に存在する酸化物に着目して検討したところ、当該酸化物の形状と曲げ加工性は密接な相関関係を有していることが明らかになった。詳細には、上記(1)および(2)を両方満足する酸化物が表層に所定個数存在すると、曲げ加工性が改善されるのに対し、上記(1)を満足しない粗大な酸化物や、または、上記(2)を満足せず(幅/深さ)の比が1.0を下回る形状の酸化物が鋼線表層に存在すると、曲げ加工時に割れや亀裂発生の起点となって曲げ加工性が低下することが明らかになった。なお、前述した特許文献1は、粗大な炭化物を制御して靭性などを確保する技術であり、本発明のように酸化物の形状を制御して曲げ加工性を向上させるという技術的思想は全くない。
曲げ加工性向上のため、本発明では鋼線表層に存在する酸化物の形状が上記(1)および(2)を満足することが必要である。上記(1)について、(幅×深さ)1/2で表される酸化物の径は、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.8μm以下である。なお、上記酸化物の径が小さすぎると曲げ加工性向上に寄与しないため、好ましくは0.02μm以上、より好ましくは0.03μm以上である。
また、上記(2)について、(幅/深さ)の比は、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上である。一方、上記の比が大きすぎると割れの起点となり得るため、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.5以下である。
本発明では、上記(1)、(2)の要件を両方満足する酸化物が鋼線表面に1個/μm2以上の個数密度で存在することが重要であり、これにより、所望とする曲げ加工性が発揮される。好ましくは1.5個/μm2以上であり、より好ましくは2個/μm2以上である。但し、上記個数密度が多くなると曲げ加工性が低下し、靭性も劣化するため、好ましくは10個/μm2以下、より好ましくは9個/μm2以下、更に好ましくは7個/μm2以下である。
次に、上記鋼線の成分組成について説明する。以下、各成分の%は質量%を意味する。
C:0.3〜0.8%
Cは、ばねの強度向上に有効な元素である。そのため、C量を0.3%以上とする。C量は、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.55%以上である。C量の増加に伴ってばねの強度は向上するが、含有量が過剰になると粗大セメンタイトが多量に析出し、曲げ加工性が低下する。そのため、C量を0.8%以下とする。C量は、好ましくは0.75%以下である。
Cは、ばねの強度向上に有効な元素である。そのため、C量を0.3%以上とする。C量は、好ましくは0.5%以上、より好ましくは0.55%以上である。C量の増加に伴ってばねの強度は向上するが、含有量が過剰になると粗大セメンタイトが多量に析出し、曲げ加工性が低下する。そのため、C量を0.8%以下とする。C量は、好ましくは0.75%以下である。
Si:1.0〜2.5%
Siは、鋼の脱酸、及びばねの強度向上に有効な元素である。これらの効果を有効に発揮させるため、Si量を1.0%以上とする。Si量は、好ましくは1.05%以上、より好ましくは1.1%以上である。しかしながら、Si量が過剰になると、鋼線を硬化させるだけでなく、延性・靱性が低下して曲げ加工性が低下する虞がある。そのため、Si量を2.5%以下とする。Si量は、好ましくは2.45%以下、より好ましくは2.4%以下である。
Siは、鋼の脱酸、及びばねの強度向上に有効な元素である。これらの効果を有効に発揮させるため、Si量を1.0%以上とする。Si量は、好ましくは1.05%以上、より好ましくは1.1%以上である。しかしながら、Si量が過剰になると、鋼線を硬化させるだけでなく、延性・靱性が低下して曲げ加工性が低下する虞がある。そのため、Si量を2.5%以下とする。Si量は、好ましくは2.45%以下、より好ましくは2.4%以下である。
Mn:0.5〜1.5%
Mnは、脱酸作用を有し、鋼中SをMnSとして固定することに加えて、焼入れ性を高めてばねの強度向上に寄与する元素である。これらの効果を有効に発揮させるため、Mn量を0.5%以上とする。Mn量は、好ましくは0.6%以上、より好ましくは0.7%以上である。しかしながら、Mn量が過剰になると、焼入れ性が過度に増加して、圧延時にマルテンサイト、ベイナイトなどの過冷組織が生成し易くなり、曲げ加工性が低下する。そのため、Mn量を1.5%以下とする。Mn量は、好ましくは1.4%以下、より好ましくは1.3%以下である。
Mnは、脱酸作用を有し、鋼中SをMnSとして固定することに加えて、焼入れ性を高めてばねの強度向上に寄与する元素である。これらの効果を有効に発揮させるため、Mn量を0.5%以上とする。Mn量は、好ましくは0.6%以上、より好ましくは0.7%以上である。しかしながら、Mn量が過剰になると、焼入れ性が過度に増加して、圧延時にマルテンサイト、ベイナイトなどの過冷組織が生成し易くなり、曲げ加工性が低下する。そのため、Mn量を1.5%以下とする。Mn量は、好ましくは1.4%以下、より好ましくは1.3%以下である。
P:0%超、0.02%以下
Pは旧オーステナイト粒界に偏析し、組織を脆化させるため曲げ加工性が低下する。そのため、P量を0.02%以下とする。P量は少ない方が良く、好ましくは0.01%以下である。なお、P量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
Pは旧オーステナイト粒界に偏析し、組織を脆化させるため曲げ加工性が低下する。そのため、P量を0.02%以下とする。P量は少ない方が良く、好ましくは0.01%以下である。なお、P量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
S:0%超、0.02%以下
Sは、上記Pと同様、旧オーステナイト粒界に偏析し、組織を脆化させるため曲げ加工性が低下する。そのため、S量を0.02%以下とする。S量は少ない方が良く、好ましくは0.01%以下である。なお、S量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
Sは、上記Pと同様、旧オーステナイト粒界に偏析し、組織を脆化させるため曲げ加工性が低下する。そのため、S量を0.02%以下とする。S量は少ない方が良く、好ましくは0.01%以下である。なお、S量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
Cr:0.1〜2%
Crは、焼入れ性を向上させてばねの強度を向上させる。更にCrは、Cの活量を低下させて圧延時や熱処理時の脱炭を防止する作用を有する。これらの効果を有効に発揮させるため、Cr量を0.1%以上とする。Cr量は、好ましくは0.15%以上、より好ましくは0.2%以上である。しかし、Cr量が過剰になると延性・靱性が低下して疵傷感受性が高くなり、曲げ加工性が低下する。そのため、Cr量を2%以下とする。Cr量は、好ましくは1.9%以下、より好ましくは1.8%以下である。
Crは、焼入れ性を向上させてばねの強度を向上させる。更にCrは、Cの活量を低下させて圧延時や熱処理時の脱炭を防止する作用を有する。これらの効果を有効に発揮させるため、Cr量を0.1%以上とする。Cr量は、好ましくは0.15%以上、より好ましくは0.2%以上である。しかし、Cr量が過剰になると延性・靱性が低下して疵傷感受性が高くなり、曲げ加工性が低下する。そのため、Cr量を2%以下とする。Cr量は、好ましくは1.9%以下、より好ましくは1.8%以下である。
Al:0%超、0.01%以下
Alは、脱酸元素であるが、鋼中にAl2O3やAlNの介在物を形成する。これらの介在物は割れ亀裂進展を助長するため、Alは極力低減するべきである。そのため、Al量を0.01%以下とする。Al量は少ない方が良く、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.003%以下である。なお、脱酸作用の観点からは、Al量は、好ましくは0.001%以上であり、より好ましくは0.002%以上である。
Alは、脱酸元素であるが、鋼中にAl2O3やAlNの介在物を形成する。これらの介在物は割れ亀裂進展を助長するため、Alは極力低減するべきである。そのため、Al量を0.01%以下とする。Al量は少ない方が良く、好ましくは0.005%以下、より好ましくは0.003%以下である。なお、脱酸作用の観点からは、Al量は、好ましくは0.001%以上であり、より好ましくは0.002%以上である。
N:0%超、0.007%以下
Nは、Alと結合してAlNの介在物を形成する。AlN介在物は亀裂進展を助長させるため、Nは極力低減すべきである。また、Nは伸線加工中の時効脆化を促進するため、二次加工が困難になる。そのため、N量を0.007%以下とする。N量は少ない方が良く、好ましくは0.006%以下、より好ましくは0.005%以下である。なお、N量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
Nは、Alと結合してAlNの介在物を形成する。AlN介在物は亀裂進展を助長させるため、Nは極力低減すべきである。また、Nは伸線加工中の時効脆化を促進するため、二次加工が困難になる。そのため、N量を0.007%以下とする。N量は少ない方が良く、好ましくは0.006%以下、より好ましくは0.005%以下である。なお、N量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
O:0%超、0.005%以下
Oは、過剰に含有すると粗大な非金属介在物を生成して曲げ疲労強度を低下させる。そのため、O量を0.005%以下とする。O量は少ない方が良く、好ましくは0.004%以下、より好ましくは0.003%以下である。なお、O量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
Oは、過剰に含有すると粗大な非金属介在物を生成して曲げ疲労強度を低下させる。そのため、O量を0.005%以下とする。O量は少ない方が良く、好ましくは0.004%以下、より好ましくは0.003%以下である。なお、O量を実質的に0%にすることは製造上、困難である。
本発明の熱処理鋼線は上記成分を含み、残部:鉄および不可避的不純物である。
更に上記熱処理鋼線は、本発明の作用を阻害しない範囲で、下記の選択成分を含有することができる。
Cu:0%超、0.3%以下、Ni:0%超、0.3%以下よりなる群から選択される少なくとも一種
これらの元素は、鋼線の強度向上に有効であり、単独で添加しても、二種以上添加しても良い。
これらの元素は、鋼線の強度向上に有効であり、単独で添加しても、二種以上添加しても良い。
詳細にはCuは、鋼線の強度を高めるのに有用な元素である。このような効果を有効に発揮させるため、Cu量は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。しかしながら、Cu量が過剰になると、高温で液相となり、熱間圧延での変形中にオーステナイト結晶粒界に偏析して表面割れを発生させる。そのため、好ましいCu量を0.3%以下とする。より好ましくは0.28%以下、更に好ましくは0.27%以下である。
Ni:0%超、0.3%以下
Niは、鋼線の強度および靱性を高めるのに有用な元素である。これらの効果を有効に発揮させるため、Ni量は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。しかし、Ni量が多いとコストが増加する他、焼入れ性が過度に増加して、マルテンサイト、ベイナイトなどの過冷組織が生成し易くなり、曲げ加工性が低下する。また、オイルテンパー線製造工程の焼入れ焼戻し工程で残留オーステナイトが過剰に生成して、ばねの耐へたり性が著しく低下する。そのため、好ましいNi量を0.3%以下とする。より好ましくは0.28%以下、更に好ましくは0.27%以下である。
Niは、鋼線の強度および靱性を高めるのに有用な元素である。これらの効果を有効に発揮させるため、Ni量は、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。しかし、Ni量が多いとコストが増加する他、焼入れ性が過度に増加して、マルテンサイト、ベイナイトなどの過冷組織が生成し易くなり、曲げ加工性が低下する。また、オイルテンパー線製造工程の焼入れ焼戻し工程で残留オーステナイトが過剰に生成して、ばねの耐へたり性が著しく低下する。そのため、好ましいNi量を0.3%以下とする。より好ましくは0.28%以下、更に好ましくは0.27%以下である。
Ti:0%超、0.01%以下、V:0%超、0.5%以下、およびB:0%超、0.01%以下よりなる群から選択される少なくとも一種
これらの元素は、延性、靱性の向上に有効であり、単独で添加しても、二種以上添加しても良い。
これらの元素は、延性、靱性の向上に有効であり、単独で添加しても、二種以上添加しても良い。
詳細にはTiは、熱間圧延および焼入れ焼戻し処理において結晶粒微細化作用があり、延性、靱性を向上させる。そのため、好ましいTi量を0.003%以上、より好ましくは0.004%以上とする。しかしながら、Tiを過剰に添加すると靱性が低下する。そのため、好ましいTi量を0.01%以下とする。Ti量は、より好ましくは0.009%以下、更に好ましくは0.008%以下である。
V:0%超、0.5%以下
Vは、熱間圧延および焼入れ焼戻し処理において結晶粒微細化作用があり、延性、靭性を向上させる。また、ばね成形後の歪取焼鈍時に2次析出硬化を起こしてばねの強度向上に寄与する。これらの効果を有効に発揮させるため、好ましいV量を0.05%以上とする。V量は、より好ましくは0.08%以上である。しかしながら、V量が多いと、CrとVの複合合金炭化物が増加するため、ばねの疲労強度が低下する。そのため、好ましいV量を0.5%以下とする。V量は、より好ましくは0.48%以下、更に好ましくは0.45%以下である。
Vは、熱間圧延および焼入れ焼戻し処理において結晶粒微細化作用があり、延性、靭性を向上させる。また、ばね成形後の歪取焼鈍時に2次析出硬化を起こしてばねの強度向上に寄与する。これらの効果を有効に発揮させるため、好ましいV量を0.05%以上とする。V量は、より好ましくは0.08%以上である。しかしながら、V量が多いと、CrとVの複合合金炭化物が増加するため、ばねの疲労強度が低下する。そのため、好ましいV量を0.5%以下とする。V量は、より好ましくは0.48%以下、更に好ましくは0.45%以下である。
B:0%超、0.01%以下
Bは、焼入れ性の向上、およびオーステナイト結晶粒界の清浄化による延性・靱性の向上作用に寄与する元素である。これらの作用を有効に発揮させるため、好ましいB量を、0.001%以上、より好ましくは0.002%以上とする。しかし、B量が過剰になるとFeとBの複合化合物が析出し、熱間圧延時に割れが生じる虞がある。また、焼入れ性が過度に増加するため、マルテンサイト、ベイナイトなどの過冷組織が生成し易くなり、曲げ加工性が低下する。そのため、好ましいB量を0.01%以下とする。B量は、より好ましくは0.008%以下、更に好ましくは0.006%以下である。
Bは、焼入れ性の向上、およびオーステナイト結晶粒界の清浄化による延性・靱性の向上作用に寄与する元素である。これらの作用を有効に発揮させるため、好ましいB量を、0.001%以上、より好ましくは0.002%以上とする。しかし、B量が過剰になるとFeとBの複合化合物が析出し、熱間圧延時に割れが生じる虞がある。また、焼入れ性が過度に増加するため、マルテンサイト、ベイナイトなどの過冷組織が生成し易くなり、曲げ加工性が低下する。そのため、好ましいB量を0.01%以下とする。B量は、より好ましくは0.008%以下、更に好ましくは0.006%以下である。
次に、本発明に係る熱処理鋼線の製造方法について説明する。上述したとおり、所定形状の酸化物を確保するためには、焼入れ前の加熱条件を適切に制御することが重要である。具体的には、上記組成の鋼を用いて、通常の条件で熱間圧延した後の鋼線材を伸線加工し、焼入れ焼戻し処理するに当たり、焼入れ前のオーステナイト化加熱・保持工程を以下の熱処理雰囲気で行なう。ここで、下記加熱温度は、鋼線の表面温度である。
オーステナイト化のための加熱温度:750℃以上、850℃未満
加熱雰囲気:酸素10体積%以下(0体積%を含まない)、残部:不活性ガス
加熱保持時間:1〜500秒
オーステナイト化のための加熱温度:750℃以上、850℃未満
加熱雰囲気:酸素10体積%以下(0体積%を含まない)、残部:不活性ガス
加熱保持時間:1〜500秒
なお、前述した特許文献1では、炭化物の粗大化を抑制して靭性および疲労限を向上させるため、上記オーステナイト化のための加熱温度を850〜950℃と、本発明に比べて高温に制御している点で本発明と相違する。また、上記特許文献1では雰囲気加熱で加熱すれば良いとの認識しかない点で、酸素と不活性ガスの混合雰囲気で加熱する本発明とは相違する。これらの製造方法の相違は、上記特許文献1では本発明のように焼入れ時に表層に生成する酸化物の影響を全く考慮していないことを意味する。
以下、各工程について詳述する。
(オーステナイト化のための加熱温度:750℃以上、850℃未満)
上記要件(1)、(2)で規定される酸化物の形状は、オーステナイト化のための加熱温度に影響を受ける。後記する実施例の欄で実証したように、上記加熱温度が850℃以上になると酸化物が粗大化し、上記(1)の径が大きくなり、且つ、上記(2)の比が小さくなって、鋼線の曲げ加工性が低下する。そのため、加熱温度を850℃未満とする。好ましい加熱温度は840℃以下であり、より好ましくは830℃以下である。上記観点からは、上記加熱温度は低い方が良いが、加熱温度が750℃未満になると、酸化物が生成せずフェライトやベイナイトが生成し、均一なマルテンサイト組織が得られない。均一なマルテンサイト組織が得られないと、曲げ加工時に応力分布がばらつくため、曲げ加工性が低下する。そこで、均一なマルテンサイト組織を確保して曲げ加工性を向上させるため、加熱温度を750℃以上とする。加熱温度は、好ましくは765℃以上、より好ましくは780℃以上である。
上記要件(1)、(2)で規定される酸化物の形状は、オーステナイト化のための加熱温度に影響を受ける。後記する実施例の欄で実証したように、上記加熱温度が850℃以上になると酸化物が粗大化し、上記(1)の径が大きくなり、且つ、上記(2)の比が小さくなって、鋼線の曲げ加工性が低下する。そのため、加熱温度を850℃未満とする。好ましい加熱温度は840℃以下であり、より好ましくは830℃以下である。上記観点からは、上記加熱温度は低い方が良いが、加熱温度が750℃未満になると、酸化物が生成せずフェライトやベイナイトが生成し、均一なマルテンサイト組織が得られない。均一なマルテンサイト組織が得られないと、曲げ加工時に応力分布がばらつくため、曲げ加工性が低下する。そこで、均一なマルテンサイト組織を確保して曲げ加工性を向上させるため、加熱温度を750℃以上とする。加熱温度は、好ましくは765℃以上、より好ましくは780℃以上である。
なお、加熱方法(詳細には、加熱開始からオーステナイト化のための最高加熱温度までの加熱方法)は特に限定されず、例えば、ガスによる加熱、高周波による加熱など、一般的に用いられる加熱方法を採用することができる。
(加熱雰囲気:酸素10体積%以下(0体積%を含まない)、残部:不活性ガス)
所定形状の酸化物を得るためには、加熱雰囲気の制御も重要である。オーステナイト化加熱工程において、鋼線表面に鉄酸化物スケールが形成されるが、特に本発明のようにSi量が1.0%以上と高い場合、スケールと母材との間にSi酸化物が生成し、緻密なスケールが生成されない。一方、酸素は鉄と反応することで鉄酸化物スケールの形成、および鉄酸化物スケールの高次化に伴う成長を助ける働きを有する。加熱雰囲気に酸素を導入することにより、鋼線表面に所定形状の酸化物が生成するようになる。そのため、酸素の好ましい体積率は0.1%以上であり、より好ましくは0.3%以上、更に好ましくは0.5%以上である。しかしながら、酸素の体積率が10%を超えると酸化物の生成を促進して、酸化物の径が大きくなり、上記(2)の比が小さくなって、曲げ加工性が低下する。そのため、酸素の体積率を10%以下とする。酸素の体積率は、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
所定形状の酸化物を得るためには、加熱雰囲気の制御も重要である。オーステナイト化加熱工程において、鋼線表面に鉄酸化物スケールが形成されるが、特に本発明のようにSi量が1.0%以上と高い場合、スケールと母材との間にSi酸化物が生成し、緻密なスケールが生成されない。一方、酸素は鉄と反応することで鉄酸化物スケールの形成、および鉄酸化物スケールの高次化に伴う成長を助ける働きを有する。加熱雰囲気に酸素を導入することにより、鋼線表面に所定形状の酸化物が生成するようになる。そのため、酸素の好ましい体積率は0.1%以上であり、より好ましくは0.3%以上、更に好ましくは0.5%以上である。しかしながら、酸素の体積率が10%を超えると酸化物の生成を促進して、酸化物の径が大きくなり、上記(2)の比が小さくなって、曲げ加工性が低下する。そのため、酸素の体積率を10%以下とする。酸素の体積率は、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
なお、酸素以外のガスは不活性ガスである。不活性ガスとして、例えば窒素、アルゴンなどが挙げられる。所定形状の酸化物を確保するためには適正範囲の酸素が必要であり、残部の不活性ガスは、上記酸化物の形状に影響しない。本発明では水蒸気は用いない。水蒸気導入により生成したスケールによって、所望とする酸化物が得られ難くなり、曲げ加工性向上効果が有効に発揮されないからである。
(加熱保持時間:1〜500秒)
加熱保持時間も、所定形状の酸化物確保に影響を及ぼす。オーステナイト化温度における加熱保持時間を1〜500秒の範囲に制御することにより、酸化物の形状を上記(1)、(2)の範囲に調整できる。加熱保持時間が1秒未満になると、上記(2)の比が小さくなって曲げ加工性が低下する。加熱保持時間は、好ましくは3秒以上、より好ましくは5秒以上である。一方、加熱保持時間が500秒を超えると、酸化物が粗大化して上記(1)が大きくなり、上記(2)の比は小さくなる。加熱保持は、好ましくは470秒以下、より好ましくは450秒以下である。
加熱保持時間も、所定形状の酸化物確保に影響を及ぼす。オーステナイト化温度における加熱保持時間を1〜500秒の範囲に制御することにより、酸化物の形状を上記(1)、(2)の範囲に調整できる。加熱保持時間が1秒未満になると、上記(2)の比が小さくなって曲げ加工性が低下する。加熱保持時間は、好ましくは3秒以上、より好ましくは5秒以上である。一方、加熱保持時間が500秒を超えると、酸化物が粗大化して上記(1)が大きくなり、上記(2)の比は小さくなる。加熱保持は、好ましくは470秒以下、より好ましくは450秒以下である。
上記の処理後、焼入れ焼戻しする。この焼入れ焼戻し工程は特に限定されず、ばね用鋼線の熱処理に一般的に用いられている方法を採用することができる。例えば、焼入れ方法として、水焼入れ、油焼入れが用いられる。焼戻し方法として、例えばガス、高周波、流動層などの加熱方法が挙げられる。好ましい焼戻し温度は300〜500℃、保持時間は5〜20分である。
本発明の熱処理鋼線は、ばねの素材(ばね用鋼線)として好適に用いられる。ばねに加工するには、上記焼入れ焼戻しの後、力学特性調整のための保持を行なえば良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
表1に示す化学成分(単位:質量%、残部:鉄および不可避的不純物)を含有する鋼を溶製し、熱間圧延して直径φ8.0mmの圧延材を作製した。その後、軟化焼鈍、皮削り、伸線処理(φ4.0mm)を行った後、表2に示す条件で熱処理を行なった。その後、油焼入れ、ガスによる焼戻しを行なって熱処理鋼線(オイルテンパー線)を作製した。焼戻しは、425℃で10分保持して行なった。
このようにして得られたオイルテンパー線について、以下のように酸化物の形状を測定すると共に、曲げ加工性を評価した。
(酸化物の測定)
酸化物の形状は、電界放射型走査電子顕微鏡(Field Emission−Scanning Electron Microscope、FE−SEM、観察倍率10,000倍)を用いて測定した。詳細には、上記オイルテンパー線の長軸方向に対して垂直な方向(横方向)に切断した後、樹脂に埋め込み、表面を研磨してナイタール腐食液でエッチングした。エッチング後の表面から2μmの深さ位置までの領域に存在する酸化物(観察視野は、オイルテンパー線の長軸方向に亘って幅20μmの領域)について、長軸方向と垂直な方向の最大径(酸化物の深さ)、および長軸方向と平行な方向の最大径(酸化物の幅)をそれぞれ、測定して、(幅×深さ)1/2、および(幅/深さ)の比を算出すると共に、当該酸化物の個数密度を求めた。測定は合計3視野について行い、その平均を求めた。
酸化物の形状は、電界放射型走査電子顕微鏡(Field Emission−Scanning Electron Microscope、FE−SEM、観察倍率10,000倍)を用いて測定した。詳細には、上記オイルテンパー線の長軸方向に対して垂直な方向(横方向)に切断した後、樹脂に埋め込み、表面を研磨してナイタール腐食液でエッチングした。エッチング後の表面から2μmの深さ位置までの領域に存在する酸化物(観察視野は、オイルテンパー線の長軸方向に亘って幅20μmの領域)について、長軸方向と垂直な方向の最大径(酸化物の深さ)、および長軸方向と平行な方向の最大径(酸化物の幅)をそれぞれ、測定して、(幅×深さ)1/2、および(幅/深さ)の比を算出すると共に、当該酸化物の個数密度を求めた。測定は合計3視野について行い、その平均を求めた。
(曲げ加工特性の評価)
JIS Z 2448に記載の曲げ試験を用いて、上記オイルテンパー線の曲げ加工性を評価した。曲げ試験の後、曲げ部を、EPMA(電子線マイクロプローブX線分析計、Electron Probe X−ray Micro Analyzer)−SEMを用いて観察し、割れの有無を確認した。割れが生じなかったものを曲げ加工性が良好、であると評価し、割れが生じたものを曲げ加工性が不良であると評価した。
JIS Z 2448に記載の曲げ試験を用いて、上記オイルテンパー線の曲げ加工性を評価した。曲げ試験の後、曲げ部を、EPMA(電子線マイクロプローブX線分析計、Electron Probe X−ray Micro Analyzer)−SEMを用いて観察し、割れの有無を確認した。割れが生じなかったものを曲げ加工性が良好、であると評価し、割れが生じたものを曲げ加工性が不良であると評価した。
これらの結果を表2に併記する。
表2のNo.2〜6、9〜11、13〜15、17は、本発明の要件を満足する例であり、所定形状の酸化物が確保されているため、曲げ加工性に優れている。
これに対し、下記例はオーステナイト化のための熱処理条件を適切に制御していないため、所定形状の酸化物を確保できず、いずれも割れが発止した。
具体的には、No.1はオーステナイト化温度が低いため、(幅/深さ)の比が小さい形状の酸化物が多く生成した。
No.7はオーステナイト化温度が高いため、(幅×深さ)1/2が大きく、且つ、(幅/深さ)の比が小さい酸化物が生成した。
No.8はオーステナイト化時の保持時間が短かったため、(幅/深さ)の比が小さい酸化物が多数生成した。
No.12はオーステナイト化時の加熱保持時間が長かったため、(幅×深さ)1/2が大きく、且つ、(幅/深さ)の比が小さい酸化物が生成した。
No.16は酸素濃度が過剰なため、(幅×深さ)1/2が非常に大きく、且つ、(幅/深さ)の比が小さい酸化物が生成した。
Claims (3)
- 質量%で、
C :0.3〜0.8%、
Si:1.0〜2.5%、
Mn:0.5〜1.5%、
P :0%超、0.02%以下、
S :0%超、0.02%以下、
Cr:0.1〜2%、
Al:0%超、0.01%以下、
N :0%超、0.007%以下、
O :0%超、0.005%以下
を含有し、残部:鉄及び不可避的不純物からなる熱処理鋼線であって、
前記熱処理鋼線の長軸方向に垂直な断面を観察したとき、表面から2μmの深さ位置までの領域に存在する、下記(1)および(2)の要件を満足する酸化物の平均個数密度が1個/μm2以上であることを特徴とする曲げ加工性に優れた熱処理鋼線。
(1)(幅×深さ)1/2で表される径が1μm以下
(2)(幅/深さ)の比が1.0以上
ここで、前記酸化物の深さは、圧延方向と垂直な方向の最大径を意味し、
前記酸化物の幅は、圧延方向と平行な方向の最大径を意味する。 - 更に質量%で、
Cu:0%超、0.3%以下、およびNi:0%超、0.3%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項1に記載の熱処理鋼線。 - 更に質量%で、
Ti:0%超、0.01%以下、V:0%超、0.5%以下、およびB:0%超、0.01%以下よりなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項1または2に記載の熱処理鋼線。
Priority Applications (2)
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