JP2018192997A - 車両のリフト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のリフト装置において、荷物や人を載せたプラットホームを人力で昇降可能にするために、リフト本体に上昇方向に付勢するダンパーを介在させる。しかしながら、上昇位置付近ではダンパーの付勢力に抗して下降操作を行うために大きな操作力が必要となる。本発明は、上昇方向に付勢されたリフト本体を有する手動操作式のリフト装置において、プラットホームの下降操作の操作力を軽減し、プラットホームを上昇位置から下降位置まで人力でより楽に下降させることができるようにすることを目的とする。【解決手段】第1リンク21の長手方向に延びるレバー50を第1リンク21と一体に設ける。レバー50を操作する小さな操作力がてこの原理で増幅されることにより、ダンパー25の付勢力に抗して四節リンク機構部20を操作することができ、プラットホーム3を下降させることができる。【選択図】図8

Description

この発明は、荷物や人を載せたプラットホームを下降位置と上昇位置との間で上昇又は下降可能な車両のリフト装置に関する。
この種の車両のリフト装置は、荷物や人を載せるプラットホームと、プラットホームを支持しながら昇降させるリフト本体とを備えている。リフト本体によってプラットホームを、車両の外部の地面等の高さにあたる下降位置と、車両の内部の床面等の高さにあたる上昇位置との間で昇降させることで、荷物や人を車両の内部に載せ、あるいは車両の外部に降ろすことができる。リフト本体の駆動源としては、油圧シリンダや電動モータ等が提供されている。下記の特許文献1−2には、車両のリフト装置において、油圧シリンダを駆動源としてリフト本体を作動させることで、車椅子を載せた状態で車両の外部の下降位置と、車両の内部の上昇位置との間でプラットホームを昇降させる構成について開示されている。
特開平7−17316号公報 特開2003−120614号公報
しかしながら、特許文献1−2に記載されるような従来の油圧シリンダや電動モータ等によるプラットホームの上昇又は下降は、外部電源を必要とするため、外部電源の重量や設置スペースを考慮しなければならなかった。また、外部電源を必要とするために、車両への取り付けも煩雑になっていた。
外部電源を必要とせず人力で昇降可能な構成の手動操作式のリフト装置の場合、リフト本体に上昇方向に付勢させるダンパー等を設け、人力での上昇操作を補助する必要がある。しかしながら、上昇方向への付勢力によって、人力での下降操作時、特に、プラットホームを上昇位置から下降させる時に、付勢力に抗する大きな操作力が要求され、操作者の負担となってしまう。
本発明は、上昇方向に付勢されたリフト本体を有する手動操作式のリフト装置において、プラットホームの下降操作の操作力を軽減し、プラットホームを上昇位置から下降位置まで人力でより楽に下降させることができるようにすることを目的とする。
上記の課題は以下の各発明により解決される。
第1の発明は、車両に備えられ、荷物や人を載置するプラットホームと、該プラットホームを水平姿勢で昇降支持するリフト本体とを備えたリフト装置である。第1の発明において、リフト本体は、上下に伸縮してプラットホームを昇降させる四節リンク機構を備えている。第1の発明において、四節リンク機構の第1リンクと第2リンクとの間に、上昇方向に付勢力を持たせるための弾性部材を介在させている。
第1の発明によれば、四節リンク機構が弾性部材によって上昇方向に付勢されるため、操作者はプラットホームを楽に上昇操作させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、四節リンク機構の何れかのリンクに一体となった操作レバーを設け、操作レバーを把持して四節リンク機構に伸縮動作のための操作力を直接作用させる構成としたリフト装置である。
第2の発明によれば、てこの原理によって操作レバーの操作力を軽減することができ、操作者は、操作レバーによって四節リンク機構をより楽に昇降操作することができる。
第3の発明は、第1の発明において、四節リンク機構の2つのリンク間に跨って回動式の操作レバーを設け、第1リンク又は第2リンクの少なくとも一方に対する操作レバーの回動支点を変位可能に支持したリフト装置である。
第3の発明によれば、てこの原理によって第1リンクと第2リンクとの間を広げる操作を、小さな操作力で操作レバーを操作することにより行うことができる。これにより、操作レバーの操作力を軽減し、操作者は、操作レバーによって四節リンク機構をより楽に下降操作することができる。
本発明の実施形態に係るリフト装置の全体斜視図である。本図では、リフト本体とプラットホームとが分離した状態を示している。 本発明の実施形態に係るリフト装置の全体斜視図である。本図では、ホルダーガイドを振り上げることで、プラットホームを車両内に収容する状態を示している。 本発明の第1実施形態に係るリフト本体の側面図である。本図では、側方支持部と下方支持部とを省略してある。 図1の(IV)−(IV)線断面矢視図であって、本発明の第1実施形態に係るガイドレールの横断面図である。本図では、ガイドレールとホルダーガイドとが係合した状態を示している。 本発明の第2実施形態に係るリフト本体の側面図である。本図では、側方支持部と下方支持部とを省略してある。 図5の(VI)部分の拡大図であって、本発明の第2実施形態に係るダンパー取付ブラケットの縦断面図である。本図では、左側にリフト本体が上昇位置にある状態を示し、右側にリフト本体が上昇位置から少し後方に傾いた状態を示している。 本発明の第3実施形態に係るリフト装置の側面図である。本図では、リフト本体が上昇位置にある状態と下降位置にある状態とを重ねて示している。 本発明の第4実施形態に係るリフト装置の側面図である。本図では、リフト本体が下降位置にある状態を示している。 本発明の第4実施形態に係るリフト装置の側面図である。本図では、リフト本体が上昇位置にある状態と下降位置にある状態とを重ねて示している。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1に示すように第1実施形態のリフト装置1は、車両に備えられるリフト本体2と、リフト本体2に支持されるプラットホーム3とで構成されている。リフト本体2には、リフト本体2を車両に固定するための左右1対のベース10と、ベース10に回動可能にそれぞれ支持される左右1対の四節リンク機構部20と、四節リンク機構部20にそれぞれ支持されて上方から下方に向かって延びる左右1対の側方支持部11と、左右1対の側方支持部11の下端を連接する下方支持部12とが設けられている。左右1対の側方支持部11は、プラットホーム3を左右側方からそれぞれ支持する。下方支持部12は、プラットホーム3を下方から支持する。以下の説明において、部材や構成等の前後左右方向及び上下方向は、車両を基準として用いる。
[リフト本体2]
図1に示すように左右1対のベース10にはそれぞれ、車両床面に接する底部10aと、底部10aの左右端からそれぞれ上方に延びており、左右方向側面視で三角形状の板部材である2枚の三角部10bとが設けられている。ベース10は、前後方向から見ると上側が開いたコ字形になっている。三角部10bの第1リンク支持部10cには、第1リンク21が、第1リンク支持部10c回りを回動可能に連結されている。三角部10bの第2リンク支持部10dには、第2リンク22が第2リンク支持部10d回りを回動可能に連結されている。すなわち、第1リンク支持部10cと第2リンク支持部10dとの間の部位は、四節リンク機構部20の一辺として機能する。
四節リンク機構部20の残りの辺は、第1リンク21と第2リンク22と第3リンク23とで構成されている。第1リンク21と第2リンク22とは、長手方向から見てコ字形の梁部材で、互いに同じ長さになるように設けられている。第1リンク21と第2リンク22とは、それぞれコ字形の開いた側を互いに向け合う配置で、長手方向が平行になるように設けられている。第1リンク支持部10cと連結していない側の第1リンク21の端は、第3リンク23に回動可能に連結されている。第2リンク支持部10dと連結していない側の第2リンク22の端は、第3リンク23に回動可能に連結されている。以上のように構成された四節リンク機構部20は、左右方向から見て平行四辺形を成している。
第3リンク23の概ね中央には、側方支持部11の上端が固定されている。側方支持部11は、梁形状をしており、長手方向が概ね垂直になるようにして第3リンク23に固定されている。具体的には、側方支持部11の上部は湾曲しており、この湾曲部より下の部材の長手方向が概ね垂直になるように調整されている。側方支持部11の下端には、左右1対の側方支持部11を連接するように帯板形状の下方支持部12が設けられている。下方支持部12は、板厚方向が上下方向になるように設けられている。側方支持部11の長さは、リフト本体2が上昇位置の時、下方支持部12が車両の床面と同じ高さになるように、また、リフト本体2が下降位置の時、下方支持部12が地面に接するように設けられている。
第1リンク21と第2リンク22とが、同じ長さで平行に設けられていることにより、四節リンク機構部20の回動によらず、第3リンク23は同じ姿勢を保ったまま移動する。このため、第3リンク23と一体になっている側方支持部11及び下方支持部12も同じ姿勢を保ったまま移動する。これにより、側方支持部11及び下方支持部12に支持されたプラットホーム3は、傾くことなく上昇位置と下降位置との間を移動し、プラットホーム3に載せられた荷物や人を安定して搬入搬出できる。
[ダンパー25]
図3に示すように四節リンク機構部20には、四節リンク機構部20に付勢力を与えるためのダンパー25が設けられている。ダンパー25には、いわゆるガスダンパーが用いられており、圧縮ガスが充填されたシリンダ部25aと、シリンダ部25aの長手方向にスライド移動可能なロッド部25bとが設けられている。ロッド部25b側の端には、四節リンク機構部20の節に取り付け可能な円環部25cが設けられている。円環部25cは、第1リンク21と三角部10bとの連結部位に取り付けられている。シリンダ部25a側の端には、四節リンク機構部20の節に取り付け可能な円環部25dが設けられている。円環部25dは、第2リンク22と第3リンク23との連結部位に取り付けられる。
ダンパー25は、圧縮を受けてダンパー25の長手方向の長さが短くなった時に、圧縮方向と反対方向に付勢力を与える。四節リンク機構部20に取り付けられたダンパー25の長さは、互いに平行な第1リンク21と第2リンク22との間隔が広がって、四節リンク機構部20が下降位置にある時最短になり、第1リンク21と第2リンク22との間隔が狭まって、四節リンク機構部20が上昇位置にある時最長になる。これによりダンパー25は、リフト本体2が下降位置から上昇位置へと回動するように四節リンク機構部20に付勢力を与える。すなわち、リフト本体2がプラットホーム3及び荷物の重量によって上昇位置から下降位置へと下がるのに抗するように、ダンパー25の付勢力は与えられる。
[プラットホーム3]
図1に示すようにプラットホーム3には、水平方向に幅広な平板形状の荷台部30と、荷台部30の下部の四隅に設けられたキャスター31と、荷台部30の左右両端に互いに平行になるように設けられたガイドレール32と、プラットホーム3を台車として移動させる時に使用者が把持するグリップ部33とが設けられている。キャスター31は、プラットホーム3の脚部として機能する。また、キャスター31により、プラットホーム3を台車として移動させることができる。荷台部30の上面は、荷物が滑らないように摩擦の大きな部材で覆われている。また、荷台部30の後端には、荷物が滑り落ちないように上方に延びたストッパ部36が設けられている。ストッパ部36は、下部を軸として後方へと振り下ろすことで、荷台部30に荷物を載せ降ろしするためのスロープとしても機能する。
図1に示すように左右1対のガイドレール32には、左右方向外側に向かってそれぞれ突出するロックピン34が設けられている。具体的には、右側ガイドレール321(左側ガイドレール322)の前部と後部とには、右側ガイドレール321(左側ガイドレール322)の内部から右方向(左方向)に突出する右側ロックピン341(左側ロックピン342)がそれぞれ設けられている。前部と後部との右側ロックピン341(左側ロックピン342)は、上下方向について同じ高さに設けられている。右側ロックピン341(左側ロックピン342)には、右方向(左方向)に突出する方向にばね付勢力が働いている。グリップ部33には、ロック解除レバー35が設けられている。ロック解除レバー35は、ロックピン34と連動しており、ロック解除レバー35を引き操作することで、ロックピン34は、ばね付勢力に抗してガイドレール32の内部へと引き込まれる。
図1に示すように左右1対の側方支持部11の互いに向かい合う面には、ホルダーガイド13が設けられている。具体的には、右側方支持部111(左側方支持部112)の左側部(右側部)には、前後方向に延びる右側ホルダーガイド131(左側ホルダーガイド132)が設けられている。右側ホルダーガイド131(左側ホルダーガイド132)は、プラットホーム3をリフト本体2に対して前後方向に移動させた時、左右方向及び上下方向について右側ガイドレール321(左側ガイドレール322)にスライドして係合する位置に設けられている。ホルダーガイド13には、ロックピン34が係合するためのピン孔13aが設けられている。具体的には、右側ホルダーガイド131(左側ホルダーガイド132)には、プラットホーム3をリフト本体2に対して前後方向に移動させた時、上下方向について右側ロックピン341(左側ロックピン342)が係合する高さに、左右方向に貫通する右側ピン孔131a(左側ピン孔132a)が設けられている。
図4に示すように、ロックピン34がピン孔13aに係合する位置までプラットホーム3を移動させた時、付勢力によってロックピン34は外側(図4において上側)に向かって突出する。これにより、ガイドレール32に左右及び上下から挟まれたホルダーガイド13は、ガイドレール32に対する前後方向の相対的移動をロックピン34とピン孔13aとの係合によって制限される。すなわち、ガイドレール32を備えたプラットホーム3は、ホルダーガイド13を備えたリフト本体2にロックされる。ロック解除レバー35を引き操作すると、ロックピン34は内側(図4において下側)に向かって引っ込む。これにより、ガイドレール32とホルダーガイド13との前後方向の相対的移動が自由となり、プラットホーム3をホルダーガイド13に沿って移動させることができる。
図2に示すようにホルダーガイド13は、側方支持部11に支持される部材である支軸13bを中心に約90°回動させて振り上げることができる。これにより、前側のロックピン34とピン孔13aとを係合させた状態で、図2に示すように上方へ起立させた位置にプラットホーム3を移動させることで、プラットホーム3を車両内に収容させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。第2実施形態は、第1実施形態の一部構成を変更した実施形態なので、変更した構成についてのみ説明することとする。
図5及び図6に示すように第2リンク22の上面には、第3リンク23との連結部の近くに、長手方向に延び、上下方向に第2リンク22を貫通する長孔22aが設けられている。また、第2リンク22には、長孔22aに沿って第2リンク22の長手方向に自在にスライド可能なダンパー取付ブラケット24が取り付けられている。シリンダ部25a側の端には、ダンパー取付ブラケット24に取り付け可能なジョイント部25eが設けられている。ジョイント部25eとダンパー取付ブラケット24とは、いわゆるユニバーサルジョイントの構成になっており、ジョイント部25eは、ダンパー取付ブラケット24に対して自在に回動可能に取り付けられている。
図5及び図6に示すように、リフト本体2が上昇位置の時、ダンパー取付ブラケット24は、長孔22aの三角部10b側(下側)に位置している。リフト本体2を上昇位置から下降させていくと、ダンパー取付ブラケット24は、長孔22aに沿って第3リンク23側(上側)へとスライドしていく。このため、リフト本体2を上昇位置から下降させ始める間は、ダンパー25は四節リンク機構部20に付勢力を与えない。さらにリフト本体2を下降させていくと、図6中右側に示すようにダンパー取付ブラケット24が長孔22aの第3リンク23側の上端部に達し、ダンパー取付ブラケット24のスライド移動が止まる。この状態からリフト本体2をさらに下降させる時、ダンパー25は四節リンク機構部20に付勢力を与える。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図7に基づいて説明する。第3実施形態は、第1又は第2実施形態に構成を追加する実施形態なので、追加する構成についてのみ説明することとする。
図7に示すようにリフト本体2の側部には、ギヤ部40が設けられている。ギヤ部40はベース44を有している。このベース44は、上下に一定の角度範囲で回動可能に設けられている。このベース44の回動先端側に回転ハンドル41が、左右方向を軸として回転可能に設けられている。回転ハンドル41には、駆動側スプロケット42が一体に設けられている。回転ハンドル41と駆動側スプロケット42とは、車両内から後方に振り出した使用状態(図7のPの位置)と、車両内に収めるために上方へ振り上げた収納状態(図7のQの位置)とを有する。駆動側スプロケット42と従動側スプロケット44aとの間にはチェーン43が掛け渡されている。従動側スプロケット44aには、小径の第1中間ギヤ44bが同軸に支持されている。第1中間ギヤ44bには、より大径の第2中間ギヤ45aが噛み合わされている。第2中間ギヤ45aには、より小径の第3中間ギヤ45bが同軸に支持されている。第2中間ギヤ45aと第3中間ギヤ45bは一体で回転する。第3中間ギヤ45bは、扇ギヤ46に噛み合わされている。扇ギヤ46は、第1リンク21に一体に取り付けられている。駆動側スプロケット42、第1中間ギヤ44b、第2中間ギヤ45a、及び扇ギヤ46は、すべて左右方向の軸線を有する支軸を介して回転可能に支持されている。駆動側スプロケット42と従動側スプロケット44aと第1中間ギヤ44bとは同じ方向に回転する。第1中間ギヤ44bと第2中間ギヤ45a、第3中間ギヤ45bと扇ギヤ46とは、それぞれお互い逆方向に回転する。すなわち、扇ギヤ46は、回転ハンドル41の回転操作方向(駆動側スプロケット42が回転する方向)と同じ方向に回動する。回転ハンドル41を左方から見て(図7の視点から見て)時計回りに回転させると、扇ギヤ46は前方から後方に向かって時計回り方向に回動する。これにより、扇ギヤ46と一体になっている第1リンク21は、前方から後方に向かって回動し、第1リンク21と連動する四節リンク機構部20は、下降方向に回動する。回転ハンドル41と駆動側スプロケット42とのレバー比、駆動側スプロケット42と従動側スプロケット44aとの減速比、第1中間ギヤ44bと第2中間ギヤ45aと第3中間ギヤ45bの噛み合わせによる減速比により、回転ハンドル41の回転操作力が増幅されて、扇ギヤ46を楽に回動させることができる。ギヤ部40を利用して四節リンク機構部20を上昇方向に回動させる場合は、回転ハンドル41を左方から見て(図7の視点から見て)反時計回りに回転させればよい。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図8〜図9に基づいて説明する。第4実施形態は、第1又は第2実施形態に構成を追加する実施形態なので、追加する構成についてのみ説明することとする。
図8に示すように第1リンク21には、第1リンク21に沿って第3リンク23側へと延びるレバー50が一体に設けられている。レバー50は、第1リンク21に固定されて一体になっている。レバー50の支点は、第1リンク21が三角部10bと連結している第1リンク支持部10cとなる。レバー50のレバー長さは、他部品や車両と干渉しない最大長さまで設けることができる。レバー50を把持して下方へ倒すことにより、四節リンク機構部20を下降方向に回動させることができる。また、レバー50を把持して上方へと押し上げることにより、四節リンク機構部20を上昇方向に回動させることができる。てこの原理により、第1リンク21を回動させるのに必要な力は、レバー50を設けない場合に比べ、レバー50を設けた場合の方が小さくなる。
図9に示すようにレバー50は、第1リンク21と第2リンク22とに連結させるように設けることもできる。具体的には、レバー50の一端を第2リンク22に回動可能に連結させ支点50aとする。第1リンク21には、長手方向に延び、左右方向に第1リンク21を貫通する長孔21aが設けられている。レバー50の長手方向の中間位置には、長孔21aに沿って第1リンク21の長手方向に自在にスライド可能な連結部材51が一体に取り付けられている。連結部材51は、長孔21aを貫通した状態で外れないように抜け止めされている。レバー50を把持して下方へ倒すことにより、第1リンク21と第2リンク22との間隔が広げられるため、四節リンク機構部20を下降方向に回動させることができる。また、レバー50を把持して上方へと押し上げることにより、第1リンク21と第2リンク22との間隔が狭められるため、四節リンク機構部20を上昇方向に回動させることができる。てこの原理により、第1リンク21を回動させるのに必要な力は、レバー50を設けない場合に比べ、レバー50を設けた場合の方が小さくなる。
以上のように構成した第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、上昇位置まで持ち上げ、荷物や人を載せた状態のプラットホーム3を、ロック解除レバー35を引き操作することでリフト本体2から分離させ、ガイドレール32とホルダーガイド13との案内に沿ってスライドさせることで、車両内に収納することができる。これにより、プラットホーム3を車両内に収納するための他の構成を必要とせず、リフト装置1を小さなスペースで軽量に設けることができる。
第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、プラットホーム3の移動方向と交差する方向に突き出るロックピン34が、ロックピン34と同じ方向に貫通するピン孔13aと係合することにより、プラットホーム3をリフト本体2に対して固定することができる。第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、ロックピン34とピン孔13aとの係合は、付勢力によって自動的になされる。また、第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、ロック解除レバー35を引き操作するだけでロックピン34とピン孔13aとの係合を外すことができる。
第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、リフト本体2が下降位置の時、ピン孔13aを前側のロックピン34と係合させることで、プラットホーム3がリフト本体2に対して固定される。これにより、プラットホーム3をリフト本体2の上昇位置まで持ち上げることができる。リフト本体2が上昇位置の時には、ロック解除レバー35によって前側のロックピン34とピン孔13aとの係合を外すことで、プラットホーム3をホルダーガイド13に沿って移動させることで車両内へと搬入することができる。プラットホーム3を車両内に搬入させた状態で、後側のロックピン34とピン孔13aとを係合させることで、車両内においてもプラットホーム3をリフト本体2に対して固定させることができる。プラットホーム3を車両内から搬出する場合は、逆の操作を行えばよい。
第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、プラットホーム3にキャスター31が備えられていることにより、荷物や人を載せた状態のプラットホーム3を台車として容易に移動させることができる。また、第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、リフト本体2の昇降操作を、油圧シリンダや電動モータ等の駆動源を用いず、ダンパー25の補助によって手動で行うことができる。これにより、油圧シリンダや電動モータのための外部電源も必要とせず、リフト装置1の構成の簡略化及び軽量化を図ることができる。
第1〜第4実施形態のリフト装置1によれば、四節リンク機構部20は、ダンパー25を内側に備えることにより、ダンパー25が短い状態から長い状態になるように付勢力を受ける。すなわち、四節リンク機構部20は、上昇位置へと回動する方向に付勢される。
プラットホーム3及び荷物の重量によって四節リンク機構部20を下降方向に回動させる力と、ダンパー25の付勢力によって四節リンク機構部20を上昇方向に回動させる力との差は、下降位置の時に最大で正の値になり、上昇位置の時に最小で負の値になる。この力の差は、手動で上昇方向に持ち上げるのに必要な操作力に相当する。すなわち、下降位置付近においては、操作者は、プラットホーム3を重力に抗して上昇方向に持ち上げる必要がある。逆に、上昇位置付近においては、操作者は、プラットホーム3をダンパー25の付勢力に抗して下降方向に押し下げる必要がある。
第2〜第4実施形態のリフト装置1によれば、ダンパー取付ブラケット24が長孔22aをスライドしている間は、四節リンク機構部20は、ダンパー25から付勢力を受けない。上昇位置からわずかに下降側に傾いてダンパー取付ブラケット24が長孔22aに対してスライド端まで移動した時点でダンパー25の付勢力が作用し始める。このため、プラットホーム3を上昇位置から下降させ始める段階では、四節リンク機構部20は付勢力を受けずに下降側へ変位するため、下降操作の操作力を軽減することができ、上昇位置にあるリフト本体2を人力で楽に下降させることができる。複数のダンパーを組み合わせ、あるいは長孔の長さを変更し、若しくはダンパーの取付角度を変更すること等により、当該ダンパーによる反力(弾性力)の発生態様(反力曲線)を任意に設定することができる。
第3実施形態のリフト装置1によれば、回転ハンドル41を手動で回転操作することで、扇ギヤ46と一体になっている第1リンク21を回動させることができる。このため、プラットホーム3を上昇位置から下降させる時、ダンパー25による上昇方向への付勢力に抗して、回転ハンドル41の手動回転操作によって下降させることができる。第3実施形態のリフト装置1によれば、回転ハンドル41に加わる操作力がギヤ部40で増幅されることにより、操作者はプラットホーム3をより楽に昇降操作することができる。
第3実施形態において、回転ハンドル41の長さをより長くすることで、操作力をさらに軽減することができる。また、第1〜第3中間ギヤの何れかに対して電動モータを補助動力として追加することにより、操作力をより一層軽減することができる。
第4実施形態のリフト装置1によれば、プラットホーム3を上昇位置から下降させる時、ダンパー25による上昇方向への付勢力に抗して、てこの原理により小さい力で下降させることができる。また、第4実施形態のリフト装置1によれば、プラットホーム3を上昇位置から下降させる時、ダンパー25による上昇方向への付勢力に抗して、てこの原理により小さい力で第1リンク21と第2リンク22との間隔を広げることができ、これによりプラットホーム3を下降させることができる。
以上例示した各実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、プラットホーム3を昇降させるためのリンク機構部として四節リンク機構部20を設けたが、リンク機構部の構成はこれに限定されない。ダンパー25にはガスダンパーを採用したが、上昇操作を補助し、かつ人力での下降操作を妨げない程度の付勢力を与える弾性部材であればよい。左右のガイドレール32の前部と後部とにロックピン34を設ける構成を挙げたが、ロックピン34を設ける位置や数はこれに限定されない。ギヤ部40は、ギヤ部40によって四節リンク機構部20を上昇位置と下降位置との間で回動させることができる構成ならば、第3実施形態で挙げた例に限らず、様々なギヤの組み合わせや配置で設けることができる。レバー50は、レバー50によって四節リンク機構部20を上昇位置と下降位置との間で回動させることができる構成ならば、第4実施形態で挙げた例に限らず設けることができる。
1…リフト装置
2…リフト本体
3…プラットホーム
10…ベース、10a…底部、10b…三角部
10c…第1リンク支持部、10d…第2リンク支持部
11…側方支持部、111…右側方支持部、112…左側方支持部
12…下方支持部
13…ホルダーガイド、131…右側ホルダーガイド、132…左側ホルダーガイド
13a…ピン孔、131a…右側ピン孔、132a…左側ピン孔、13b…支軸
20…四節リンク機構部
21…第1リンク、21a…長孔
22…第2リンク、22a…長孔
23…第3リンク
24…ダンパー取付ブラケット
25…ダンパー(弾性部材)、25a…シリンダ部、25b…ロッド部
25c、25d…円環部、25e…ジョイント部
30…荷台部
31…キャスター(車輪)
32…ガイドレール、321…右側ガイドレール、322…左側ガイドレール
33…グリップ部
34…ロックピン、341…右側ロックピン、342…左側ロックピン
35…ロック解除レバー
40…ギヤ部
41…回転ハンドル
42…駆動側スプロケット
43…チェーン
44…ベース
44a…従動側スプロケット、44b…第1中間ギヤ
45a…第2中間ギヤ、45b…第3中間ギヤ
46…扇ギヤ
50…レバー、50a…支点
51…連結部材

Claims (3)

  1. 車両に備えられ、荷物や人を載置するプラットホームと、該プラットホームを水平姿勢で昇降支持するリフト本体とを備えたリフト装置であって、
    前記リフト本体は、上下に伸縮して前記プラットホームを昇降させる四節リンク機構を備えており、該四節リンク機構の第1リンクと第2リンクとの間に、上昇方向に付勢力を持たせるための弾性部材を介在させたリフト装置。
  2. 請求項1記載のリフト装置であって、
    前記四節リンク機構の何れかのリンクに一体となった操作レバーを設け、該操作レバーを把持して前記四節リンク機構に伸縮動作のための操作力を直接作用させる構成としたリフト装置。
  3. 請求項1記載のリフト装置であって、
    前記四節リンク機構の2つのリンク間に跨って回動式の操作レバーを設け、該操作レバーの前記2つのリンクの少なくとも一方に対する回動支点を変位可能に支持したリフト装置。
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