JP2018187286A - 角度調整金具およびこれを用いた家具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直線状のくさび面(18a)を有するくさび形窓部(18)を設けた第1アーム(10)と、第1アーム(10)に対して軸心を中心として揺動可能に支持され、かつ、円弧形状のギア部(26)を設けた第2アーム(20)と、一面側に、前記くさび形窓部(18)の外方に位置する直線状のくさび面(18a)に当接する直線状の第1当接面(41)を有し、他面側に、前記ギア部(26)に噛合する歯面(43)を有し、前記くさび形窓部(18)のうち、ギア部(26)で被覆されていないくさび形空間内に移動可能に収納され、直線状の第1当接面(41)が直線状のくさび面(18a)に沿ってスライド移動し、歯面(43)がギア部(26)に噛合することにより、第2アーム(20)が第1アーム(10)に対して展開方向へ揺動するのを規制する浮動くさび部材(40)と、を有する。
【選択図】図12
Description
例えば、ケース部3を備える第1アーム1と、前記ケース部3にて第1アーム1と第1軸心C1廻りに揺動可能に枢結されるとともに、ギア部4を備える第2アーム2と、第1アーム1のケース部3に形成されるくさび形窓部5と、くさび形窓部5内にて移動可能に配設され、前記ギア部4と噛合する歯面7を有する浮動くさび部材6と、を具備する角度調整金具がある。
特に、前記角度調整金具では、前記くさび形窓部5内に設けた円弧形状のくさび面8と円弧形状のギア部4とで形成したくさび形空間内に、浮動くさび部材6を配設することが開示されている。
また、複雑な動作を行う浮動くさび部材6の動作を、円滑、かつ、安定させるためには部品寸法、例えば、各円弧形状の曲率や偏心量に高い寸法精度を必要とする。このため、従来例の角度調整金具で安定した動作特性を確保するためには、部品の製造にも手間がかかるという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、設計,製造が容易で、より一層安定した動作特性を有する角度調整金具を提供することを課題とする。
直線状のくさび面を有するくさび形窓部を設けた第1アームと、
第1アームに対して軸心を中心として揺動可能に支持され、かつ、円弧形状のギア部を設けた第2アームと、
一面側に、前記くさび形窓部の外方に位置する直線状のくさび面に当接する直線状の当接面を有し、
他面側に、前記ギア部に噛合する歯面を有し、
前記くさび形窓部のうち、ギア部で被覆されていないくさび形空間内に移動可能に収納され、
直線状の当接面が直線状のくさび面に沿ってスライド移動し、歯面がギア部に噛合することにより、第2アームが第1アームに対して展開方向へ揺動するのを規制する浮動くさび部材と、
を有する構成としてある。
また、浮動くさび部材の直線状の当接面が、くさび形窓部の直線状のくさび面に沿ってスライド移動する。このため、浮動くさび部材の動作が単純になり、より一層、円滑かつ安定した動作特性を有する角度調整金具が得られる。
本実施形態によれば、浮動くさび部材が、平行な2面のくさび面およびガイド面に沿ってスライド移動できる。このため、浮動くさび部材の動作特性がより一層安定する。
本実施形態によれば、浮動くさび部材の2面の平行な当接面を介し、浮動くさび部材がくさび形窓部内をスライド移動できる。このため、浮動くさび部材の動作特性がより一層向上する。
本実施形態によれば、浮動くさび部材を組み込む際の方向性がなくなり、組立間違いがなくなり、組立作業性が向上する。
本実施形態によれば、浮動くさび部材の動作がより一層円滑になる。
本実施形態によれば、第2アームを揺動する際に、浮動くさび部材の歯面と第2アームのギア部とが衝突することがない。このため、耳障りなカチカチ音が生じない角度調整金具が得られる。
前記第1アームに対する前記第2アームの一方向への揺動によって、前記くさび作動板が前記浮動くさび部材の前記歯面を前記ギア部から非接触に遊離して非接触遊離状態とし、
さらに、他方向への前記小角度の揺動によって、前記第1アーム側に形成された直線状のくさび面と前記ギア部との間に前記浮動くさび部材を押し込んで、前記浮動くさび部材の前記歯面と前記ギア部とを噛合状態とし、前記浮動くさび部材のくさび作用により、前記第1アームに対する前記第2アームの前記他方向への相対的揺動を規制するように構成してもよい。
本実施形態によれば、第2アームを揺動する際に、前記浮動くさび部材の前記歯面を前記ギア部から非接触に遊離して非接触遊離状態とする。このため、第2アームを揺動する際に生じていた耳障りなカチカチ音の発生を防止できる。
本実施形態によれば、くさび作動板を設けることにより、第2アームを揺動させた場合に、揺動途中ではカチカチ音が発生しない。
さらに、浮動くさび部材の歯面とギア部とが噛み合ってロック状態になったときにだけ、付勢ばねのばね力に付勢された浮動くさび部材が衝突音を発生させる。このため、使用者は、第2アームがロック状態になったことを衝突音で認識でき、操作状況を知ることができるので、安心感が得られる。
本実施形態によれば、例えば、使用者が本願の角度調整金具を組み込んだソファーに座ったときに、ソファーの表皮に張力が作用し、角度調整金具の第2アームが起立方向に引っ張られる場合がある。このような場合には、逆回転抑制ばねのばね力が、第2アームの揺動を抑制する。このため、第2アームが使用者の意に反して起立方向に揺動することがなく、所望の傾倒角度を維持できる。
第1実施形態に係る角度調整金具は、図1ないし図20に図示されている。特に、第1実施形態に係る角度調整金具は、図3および図4に示すように、第1アーム10と、第2アーム20と、非接触遊離保持手段30と、浮動くさび部材40と、第1,第2カバー50,52と、を備えている。そして、第1アーム10と第2アーム20とは支軸56を介し、軸心Lを中心として揺動可能に一体化されている。
なお、固定方法は前述のかしめ固定に限らず、例えば、ボルトナットあるいは溶接で固定してもよい。また、取付部11および対向壁部12,13のいずれか一方に、突出し加工で嵌合突起を設ける一方、残る他方に嵌合孔を設けて一体化してもよい。
なお、上記位置規制ピン17は、突出し加工で形成してもよく、別体の金属製ピンを取り付けて形成してもよい。
また、位置規制ピン17の位置は、後述する板ばね片36に係合できるように、必要に応じて変更してもよい。
なお、対向壁部12,13は鏡面対称に形成されているので、同一部分については同一番号を附して説明を省略する。
なお、固定方法は前述のかしめ固定に限らず、例えば、ボルトナットあるいは溶接で固定してもよい。また、取付部21とギア板部22,23とのいずれか一方に、突出し加工で嵌合突起を設ける一方、残る他方に嵌合孔を設けて一体化してもよい。
ついで、第2アーム20の2枚のギア板部22,23は、前記第1アーム10の対向壁部12,13の間に装入され、支軸56を介して揺動可能に連結される。
そして、前記波形ばね34が弾性変形することにより、第2アーム20のギア板部22,23の内向面に環状摺接部33が弾性的に圧接する。このため、くさび作動板31と第2アーム20との間に適度な連れ廻り摩擦力が発生する。この結果、前記連れ廻り摩擦力によってくさび作動板31と第2アーム20とが共廻りする。
また、前記くさび作動板31は、軸孔32の周囲に波形ばね部34だけを設けてもよい。
また、前記板ばね片36は、長手方向の中間部に外方に突出する凸部36aを有している。そして、前記板ばね片36は、前記凸部36aの一方側の基部に係止用凹部36bを形成してある。この係止用凹部36bに位置規制ピン17が係止することにより、くさび作動板31は、第2アーム20との連れ廻り摩擦力によって回動しないように位置規制される(図10,11)。また、前記板ばね片36は、前記凸部36aの他方側にガイド用凹部36cを形成してある。前記ガイド用凹部36c内に位置規制ピン17が位置し、ガイドされている場合は、くさび作動板31が第2アーム20と一緒に連れ廻り摩擦力によって回動する。
なお、前記位置規制ピン17は、前記ガイド用凹部36cに当接してもよく、微小な間隙を有していてもよい。
また、前記板ばね片36は必ずしも一対、設ける必要はなく、片側1枚であってもよい。
すなわち、前記開口窓部37は、上下で対向する第1支持部37aおよび第2支持部37bを有している。第1支持部37aおよび第2支持部37bは、後述する浮動くさび部材40の上端縁部および下端縁部のそれぞれに当接して支持できる距離で対向している(図10,11)。そして、第1支持部37aおよび第2支持部37bは、第1連結部37cと第2連結部37dとで連結されている。前記第1連結部37cは、前記軸孔32の同心円となる円弧面を有している。また、第2連結部37dは、浮動くさび部材40に当接しない屈曲面となっている。
すなわち、浮動くさび部材40は、その一方側に第1当接面41および第2当接面42を有する一方、その他方側に歯面43を形成してある。前記第1当接面41および第2当接面42はいずれも平坦面である。そして、第1当接面41と第2当接面42との間の角度は、対向壁部12,13に設けたくさび面18aと傾斜面18cとの間の角度とほぼ同一である(図9,図12)。
また、前記歯面43の上下縁部には、前記第1当接面41および第2当接面42にそれぞれ平行な第3当接面44および第4当接面45を設けてある。前記第3当接面44および第4当接面45もいずれも平坦面である。
そして、第1当接面41と第2当接面42との間には、曲率が同一の円弧面46,47と、が形成されている。さらに、円弧面46,47との間には、円弧面46,47と曲率が異なる円弧面48が設けられている。前記円弧面46,47,48を設けることにより、浮動くさび部材40の移動がより一層円滑になるという利点がある。
そして、例えば、浮動くさび部材40の歯面43に13本〜20本の歯を形成し、ギア部26に40本以上の歯、より好ましくは45本〜65本の歯を形成してもよい。これにより、角度調整段数を40段以上としてもよい。
まず、第2アーム20のギア板部22,23の間にくさび作動板31を予め組み込み、リベット24でかしめ固定することにより、第2アーム20を一体化する。そして、一体化した第1アーム10の対向壁部12,13の間に、前記ギア板部22,23およびくさび作動板31を挿入して位置決めする。さらに、前記対向壁部13に第2カバー52を位置決めした後、軸孔53,15,25,32,25,15に支軸56を挿通して仮止めする。ついで、対向壁部12のくさび形窓部18から浮動くさび部材40を挿入し、開口窓部37および対向壁部13のくさび形窓部18に挿入する。そして、第1カバー50の軸孔51を支軸56に嵌合し、前記浮動くさび部材40の脱落を防止する。最後に、支軸56に座金55を嵌合し、突出する支軸56の一端部をかしめることにより、前述の構成部品を連結一体化する。
先ず、図15に示すように、第1アーム10に対して第2アーム20を矢印A方向に倒すと、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26とが噛合状態になる。また、浮動くさび部材40は、直線状のくさび面18aとギア部26との間に形成され、かつ、時計回り方向に沿って次第に狭くなるくさび形空間に押し込まれる。このため、浮動くさび部材40は、くさび作用により、第2アーム20のA方向への揺動を規制し、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度が維持(固定保持)される。
すなわち、図15に示す噛合状態であれば、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26との噛合により、第2アーム20が滑ることなく、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度を確実に保持できる。
すなわち、矢印B方向に第2アーム20を揺動する操作を行っている間は、浮動くさび部材40はガタツキを生じることなく保持され、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26との非接触状態が保持される。
退避状態下では、浮動くさび部材40が退避空間内に収納され、かつ、板ばね片36の係止用凹部36bが位置規制ピン17に係止している。このため、第2アーム20をA方向に揺動しても、位置規制ピン17に係止する板ばね片36のばね力で、ギア部26と歯面43とが噛合していない非接触遊離状態が保持される。この結果、くさび作動板31は共廻りせず第2アーム20だけがA方向に自由に揺動できる(図19)。
本実施形態においては、第1アーム10と、くさび作動板31と、付勢ばね60以外は、前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
すなわち、対向壁部13のくさび形窓部18は、図25に示すように、第1実施形態と同様、相互に平行なくさび面18aおよびガイド面18bを有するとともに、傾斜面18c、円弧面18dを有している。さらに、くさび形窓部18は、前記ガイド面18bの略中央に切欠き部18eを設けてある。
また、対向壁部13は、前記くさび形窓部18の上下に係止孔19aおよび当接ピン19bをそれぞれ設けてある。
すなわち、前記開口窓部37は、上下で対向する第1支持部37aおよび第2支持部37bを有している。第1支持部37aおよび第2支持部37bは、後述する浮動くさび部材40の上端縁部および下端縁部のそれぞれに当接して支持できる距離で対向している。ただし、図26において、第2支持部37bの右側の略半分には、第2支持部37bよりも一段低い段部37eを形成してある。第1支持部37aと段部37eとの対向間距離は、浮動くさび部材40の上端面および下端面が同時に当接できない距離となっている。
他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一番号を付して説明を省略する。
まず、第2アーム20のギア板部22,23の間にくさび作動板31を予め組み込んだ後、リベット24,24でかしめ固定することにより、第2アーム20を一体化する。一方、一体化した第1アーム10の対向壁部12,13の間に付勢ばね60を挿入する。そして、対向壁部12,13の係止孔19a,19aに付勢ばね60の係止端部61,61をそれぞれ係止する。ついで、一体化した第1アーム10の対向壁部12,13の間に、前記ギア板部22,23およびくさび作動板31を挿入するとともに、略門型の付勢ばね60にくさび作動板31を挿入する。さらに、前記対向壁部13に第2カバー52を位置決めした後、軸孔53,15,25,32,25,15に支軸56を挿通して仮止めする。ついで、対向壁部12のくさび形窓部18から浮動くさび部材40を挿入し、開口窓部37および対向壁部13のくさび形窓部18に挿入する。そして、第1カバー50の軸孔51を支軸56に嵌合し、前記浮動くさび部材40の脱落を防止する。最後に、支軸56に座金55を嵌合し、突出する支軸56の一端部をかしめることにより、前述の構成部品を連結一体化する。
先ず、図32に示すように、第1アーム10に対して第2アーム20を矢印A方向に倒すと、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26とが噛合状態になる。そして、浮動くさび部材40は、直線状のくさび面18aとギア部26との間に形成され、かつ、時計回り方向に沿って次第に狭くなるくさび形空間に押し込まれる。このため、浮動くさび部材40は、くさび作用により、第2アーム20のA方向への揺動を規制し、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度が維持(固定保持)される。このとき、浮動くさび部材40の下端部は、くさび形窓部18の切り欠き部18eに落ち込んでいない。
すなわち、図32に示す噛合状態であれば、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26との噛合により、第2アーム20が滑ることなく、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度を確実に保持できる。
すなわち、矢印B方向に第2アーム20を揺動する操作を行っても、浮動くさび部材40はガタツキを生じることなく保持されるとともに、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26との非接触状態が保持される。
この退避状態下では、浮動くさび部材40が退避空間内に収納され、かつ、板ばね片36の係止用凹部36bが位置規制ピン17に係止している。このため、第2アーム20をA方向に揺動しても、位置規制ピン17に係止する板ばね片36のばね力で、ギア部26と歯面43とが噛合していない状態を保つ。この結果、くさび作動板31は共廻りせず第2アーム20だけが、カチカチ音を発生させずにA方向に自由に揺動できる。
そして、第2アーム20を矢印A方向に揺動させると、連れ廻りするくさび作動板31の段部37eが浮動くさび部材40を押し上げる。このため、浮動くさび部材40は切欠き部18eから抜け出た後、くさび面18aおよびガイド面18bに沿ってスライド移動する。この結果、付勢ばね60で付勢されている浮動くさび部材40の歯面43と、ギア部26とが再び噛合状態になる。このとき、歯面43とギア部26とが噛み合うときに衝突音が生じる。この衝突音を使用者が聞くことにより、使用者が操作状況を認識できるので、使用者に安心感が生まれる。さらに、浮動くさび部材40は、くさび面18aとギア部26との間に形成され、かつ、時計回り方向に沿って次第に狭くなるくさび形空間に押し込まれる。このため、浮動くさび部材40は、くさび作用により、第2アーム20のA方向への揺動を規制し、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度は維持(固定保持)される(図32)。
本発明に係る角度調整金具は、例えば、ソファーのヘッドレストに適用した場合、ヘッドレストに埋め込まれた第2アーム20の傾倒方向の揺動を多段階に規制し、リクライニング箇所の位置を保持する構造である。このため、第2アーム20は、起立方向へは極めて軽く揺動する。
しかし、ソファーの座部に使用者が腰掛けると、座部、背もたれおよびヘッドレストを被覆する表皮に張力が作用する。このため、ヘッドレストが起立する方向に引っ張られて不意に起立し、所望の最終傾倒状態を保持できないおそれがある。このような不具合は、ソファーの表皮を張る製造工程および張替作業中にも生じる。このため、表皮に皺が生じないように表皮を外装することは容易でなかった。
本実施形態は、前述のような不具合を解消することをも目的とするものである。
第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、第1アーム10の対向壁部13と、第2アーム20と、逆回転抑制ばね70と、支軸57と、補助ピン58とである。同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
先ず、図46に示すように、第1アーム10に対して第2アーム20を矢印A方向に倒すと、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26とが噛合状態になる。また、浮動くさび部材40は、直線状のくさび面18aとギア部26との間に形成され、かつ、時計回り方向に沿って次第に狭くなるくさび形空間に押し込まれる。このため、浮動くさび部材40は、くさび作用により、第2アーム20のA方向への揺動を規制し、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度が維持(固定保持)される。
すなわち、図46に示す噛合状態であれば、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26との噛合により、第2アーム20が滑ることなく、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度を確実に保持できる。
すなわち、矢印B方向に第2アーム20を揺動する操作を行っている間は、浮動くさび部材40はガタツキを生じることなく保持され、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26との非接触状態が保持される。
退避状態下では、浮動くさび部材40が退避空間内に収納され、かつ、板ばね片36の係止用凹部36bが位置規制ピン17に係止している。このため、第2アーム20をB方向に揺動しても、位置規制ピン17に係止する板ばね片36のばね力で、ギア部26と歯面43とが噛合していない状態を保つ。この結果、くさび作動板31は共廻りせず、第2アーム20だけがA方向に自由に揺動できる。
そして、第2アーム20を矢印A方向に揺動させると、くさび作動板31の第2支持部37bが浮動くさび部材40の下端部を押し上げ、スライド移動させる。このため、浮動くさび部材40の歯面43とギア部26とが噛合状態になる。さらに、浮動くさび部材40は、くさび面18aとギア部26との間に形成され、かつ、時計回り方向に沿って次第に狭くなるくさび形空間に押し込まれる。このため、浮動くさび部材40は、くさび作用により、第2アーム20のA方向への揺動を規制し、第1アーム10と第2アーム20との傾斜角度は維持(固定保持)される(図46)。
11 取付部
12 対向壁部
13 対向壁部
14 リベット
15 軸孔
17 位置規制ピン
18 くさび形窓部
18a くさび面
18b ガイド面
18c 傾斜面
18d 円弧面
19a 係止孔
19b 当接ピン
20 第2アーム
21 取付部
22 ギア板部
23 ギア板部
24 リベット
25 軸孔
26 ギア部
27 第1突起部
28 第2突起部
29 係止ピン
30 非接触遊離保持手段
31 くさび作動板
32 軸孔
33 環状摺接部
34 波形ばね部
35 係止爪部
36 板ばね片
36a 凸部
36b 係止用凹部
36c ガイド用凹部
37 開口窓部
37a 第1支持部
37b 第2支持部
37c 第1連結部
37d 第2連結部
40 浮動くさび部材
41 第1当接面
42 第2当接面
43 歯面
44 第3当接面
45 第4当接面
46 円弧面
47 円弧面
48 円弧面
50 第1カバー
51 軸孔
52 第2カバー
53 軸孔
54 弾性爪部
55 座金
56 支軸
57 支軸
58 補助ピン
60 付勢ばね
61 係止端部
70 逆回転抑制ばね
71 係止端部
72 係止端部
L 軸心
A 揺動方向
B 揺動方向
Claims (10)
- 直線状のくさび面(18a)を有するくさび形窓部(18)を設けた第1アーム(10)と、
第1アーム(10)に対して軸心を中心として揺動可能に支持され、かつ、円弧形状のギア部(26)を設けた第2アーム(20)と、
一面側に、前記くさび形窓部(18)の外方に位置する直線状のくさび面(18a)に当接する直線状の当接面(41)を有し、
他面側に、前記ギア部(26)に噛合する歯面(43)を有し、
前記くさび形窓部(18)のうち、ギア部(26)で被覆されていないくさび形空間内に移動可能に収納され、
直線状の当接面(41)が直線状のくさび面(18a)に沿ってスライド移動し、歯面(43)がギア部(26)に噛合することにより、第2アーム(20)が第1アーム(10)に対して展開方向へ揺動するのを規制する浮動くさび部材(40)と、を有する角度調整金具。 - くさび形窓部(18)のくさび面(18a)に対向する位置に、前記くさび面(18a)に対して平行な直線状のガイド面(18b)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の角度調整金具。
- 前記浮動くさび部材(40)の歯面(43)の縁部に、前記当接面(41)に平行な当接面(44)を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の角度調整金具。
- 浮動くさび部材(40)が、一対の直線状の当接面(41,42)を鏡面形状に形成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の角度調整金具。
- 一対の直線状の当接面(41、42)の間に円弧面(46,47,48)を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の角度調整金具。
- 第2アーム(20)の揺動の際に、浮動くさび部材(40)の歯面(43)と第2アーム(20)のギア部(26)とを非接触に遊離させて保持する非接触遊離保持手段(30)を、設けたことを特徴する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の角度調整金具。
- 前記非接触遊離保持手段(30)が、前記第2アーム(20)との連れ廻り摩擦力によって小角度で回動するくさび作動板(31)を備え、
前記第1アーム(10)に対する前記第2アーム(20)の一方向(B)への揺動によって、前記くさび作動板(31)が前記浮動くさび部材(40)の前記歯面(43)を前記ギア部(26)から非接触に遊離して非接触遊離状態とし、
さらに、他方向(A)への前記小角度の揺動によって、前記第1アーム(10)側に形成された直線状のくさび面(18a)と前記ギア部(26)との間に前記浮動くさび部材(40)を押し込んで、前記浮動くさび部材(40)の前記歯面(43)と前記ギア部(26)とを噛合状態とし、前記浮動くさび部材(40)のくさび作用により、前記第1アーム(10)に対する前記第2アーム(20)の前記他方向(A)への相対的揺動を規制するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の角度調整金具。 - 前記第1アーム(10)に取り付けられ、前記浮動くさび部材(40)を軸心側に付勢することにより、浮動くさび部材(40)の歯面(43)とギア部(26)とが噛み合ってロック状態となるときに衝突音を生じさせる付勢ばね(60)を設けたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の角度調整金具。
- 一端部(71)が、軸心に配置された支軸(57)に係止され、
他端部(72)が、第2アーム(20)に係止され、
渦巻き状ばね材のばね力で第2アーム(20)の起立方向の揺動を抑制する逆回転抑制ばね(70)のを設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の角度調整金具。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の角度調整金具を組み込んだことを特徴とする家具。
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