JP2009254868A - 角度調整金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケース部3を備える第1アーム1と、ケース部3にて第1アーム1と第1軸心C1 廻りに揺動可能に枢結されると共にギア部4を備える第2アーム2と、を具備する。また、第1アーム1にくさび面8が形成される。さらに、くさび形空間内に、移動可能に配設されかつ一面側がギア部4に噛合可能な歯面とされ他面側が外方側のくさび面8に当接する当接面とされる浮動くさび部材6を、具備する。また、第2アーム2は、左右対称の2枚のギア板部を有する一枚の板体を、ギア板部が所定間隔をもって平行となるように折曲加工して成る。
【選択図】 図8
Description
従来のこの金具は、一方側(座部16側)と連結させた第1アームのケース部内に、他方側(背部15側)の第2アームが有するギアと、爪片とを枢支させ、この爪片のギアへの噛合により第1アームに対する第2アームの展開方向(背部15の倒れ方向)への揺動を抑止するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。
従って、爪片、ギアを収納するケース部が大きくなり、また、ギアの歯数は少なく(ピッチが大きく)角度切り換えの段数が少なく、微調整ができないというものであった。
また、ギア部の引っ掛かりのみにて揺動を抑止するのではなく、浮動くさび部材におけるくさび面との当接力とギア部との噛合と上記圧迫力とにより揺動を抑止するため、ギア部の歯が小さくても、大きな荷重を受け持つことができる。また、ギア部の歯を小さくすることで、ギア部の歯数を増やすことができ、角度の切り換え段数を多くすることが可能となる。従って、折り畳み角度の微調整が可能となる。
本発明の角度調整金具Aは、ケース部3を備える第1アーム1と、ケース部3にて第1アーム1と第1軸心C1 廻りに揺動可能に枢結されると共に第1軸心C1 を中心とするギア部4を備える第2アーム2と、を備える。つまり、第1軸心C1 を中心として、第1アーム1と第2アーム2とが相互揺動可能となるよう枢着されている。
また、第2アーム2は、相互に平行な2枚のギア板部45,45から成り上記ケース部3の内部に収容状態とされるギア部4と、ギア部4から延伸する第2取付部19と、を有し、第2取付部19は、図1では差し込み固定ができるよう円筒形状とされている。
そして、第1アーム1と第2アーム2は、軸部材20により枢結される。即ち、第2アーム2のギア部4を、第1アーム1の壁部17,17に挟んだ状態として、軸部材20を、第1アーム1の貫通孔21,21・第2アーム2の貫通孔22,22に挿通させてかしめ加工することで、第2アーム2が、第1アーム1に対し第1軸心C1 廻りに揺動可能となる。
くさび形窓部5は、第1軸心C1 側に向かって凹となるよう弧状に形成された貫通孔であり、第1軸心C1 を中心側とした場合のこの貫通孔の外方側の面にはギア部4より外方側位置となる円弧状のくさび面8が形成され、内方側位置の面には第1軸心C1 を中心としギア部4よりも小径の円弧面23が形成されている。従って、ギア部4の歯は、くさび形窓部5から見える状態となる。
つまり、外方側のくさび面8とギア部4の外周歯面との間において空間部が形成され、その空間部に後述する浮動くさび部材6が配設される。
当接面9は、くさび形窓部5のくさび面8の曲率半径と(略)同一とされている。歯面7はギア部4のピッチ円の曲率半径と同一となる面に複数の歯が形成されており、これら歯が同時に全てギア部4と噛み合うようされている。
かつ、第2アーム2は、浮動くさび部材6を折り畳み方向に押圧する押し返し突部10を、ギア部4の一端側(上部側)に有し、かつ、くさび形窓部5の退避空間部11に収容された浮動くさび部材6を押し出す押し出し突部12を、ギア部4の他端側(下部側)に、有する。
この浮動くさび部材6は、図3(b)に示したような鉄鋼材から成る長尺状引抜き材43を、所定長さに切断して、形成される。
具体的には、脱落防止カバー33は、左右側壁34,34と、ケース部3を下方から包囲するように左右側壁34,34の下端縁を橋絡する底壁35と、底壁35の後端に連設されて後上方へ弯曲状に形成されたコーナー壁部36と、を有する。
コーナー壁部36は、その上端が、第2アーム2が略 180°展開した状態となった際にその下辺部に当接しない高さとなるように、形成されている(図6(b)参照)。この構成により、コーナー壁部36は、第2アーム2が展開状態に揺動する妨げにならない。
また、各側壁34は、上記貫通孔21,22に対応する位置に、軸部材20を通すための孔部37が、設けられている。
具体的には、異物侵入防止部材26は、前後方向帯板状傘頭部29と、傘頭部29の下方に延設された平板状揺動板片30とを有する。揺動板片30は、先端突部32側が前方下傾状となるように、側面視くの字形状に形成されると共に、軸部材20を通すための孔部31が、中間位置に貫設されている。
傘頭部29の横幅は、第1アーム1の壁部17,17の間隔より僅かに小さく設定される。
異物侵入防止部材26は、上記揺動板片30の先端突部32が浮動くさび部材6の下方に配設された状態で、揺動するので(図7〜図9参照)、第2アーム2が揺動する過程において、傘頭部29は、ギア部4・浮動くさび部材6を上方から常時包囲して、異物の侵入を防止する。
図7〜図11は、その動作を説明する角度調整金具Aの正面図であり、説明のためにケース部3の一方側(手前側)の壁部17を途中から無くした(省略した)図としている。
また、図12と図13は、ギア部4とくさび形窓部5内の浮動くさび部材6の動作を説明する要部正面図である。
この状態から図8に示すように第2アーム2を起立させる方向へ揺動させると、図12(b)に示すように、弾発部材13(図5参照)にてギア部4へ弾発付勢され噛合する浮動くさび部材6の当接面9は、窓部5のくさび面8から離れて、くさび面8との間にわずかな隙間dが生じる。そして、第2アーム2の起立動作により図12(c)に示すように、浮動くさび部材6の誘導勾配面(段付き面)27がくさび形窓部5の当り用段付部28と当接状となって、隙間dにより浮動くさび部材6の歯面7がギア部4から離れることができ、浮動くさび部材6の歯面7がギア部4をカチカチと音をたて乗り越えることができる。
つまり、任意の折り畳み角度(傾斜角度)に第1アーム1と第2アーム2とを維持させることができる。
つまり、ギア部4(歯形成部)の一端部側に押し返し突部10が形成されており、この状態で、押し返し突部10が浮動くさび部材6の歯面7の前縁部に当接する。
そして、第2アーム2は、第1アーム1に対して所定角度(180°)の最大展開状態まで展開揺動させると、図13(f)に示すように、退避空間部11に収容された浮動くさび部材6を押し出して歯面7とギア部4とを噛合状態とさせる押し出し突部12を有する。
そして、最大展開状態に戻されると、浮動くさび部材6は押し出し突部12により押圧されて退避空間部11から押し出され、ギア部4と再び噛合状態となる。
なお、図示省略するが、座いすが、角度調整金具Aをクッション材や被覆布等で包囲するように、製造された場合に於ても、金具Aが上記被覆布等に作用する面圧が過大になるのを防止でき、被覆布が破れる等の破損が起こりにくく、長持ちさせることができる。
しかも、ギア部4が、相互に平行な2枚のギア板部45,45から成るので、浮動くさび部材6は、左右にがたつくことなく安定してギア部4に噛合して、スムースにくさび形窓部5内を移動し、誤作動が起こる虞れがない。
さらに、ケース部3を小さく構成させることができ金具全体の小型化が図れ、座いすやソファーに使用し、カバー内に金具Aを配設した場合に、カバーが破れるおそれがない。
あるいは、座いすが、金具Aをクッション材や被覆布等で包囲されて、製造された場合は、被覆布に作用する面圧が過大になるのが防止され、被覆布等の破損が発生しにくく、長持ちさせることができる。
2 第2アーム
4 ギア部
6 浮動くさび部材
7 歯面
8 くさび面
9 当接面
10 押し返し突部
11 退避空間部
12 押し出し突部
40 板材
45 ギア板部
C1 第1軸心
Claims (1)
- 第1軸心(C1 )を中心として相互揺動可能に枢結された第1アーム(1)と第2アーム(2)とを備えた角度調整金具に於て、
上記第2アーム(2)は、上記第1軸心(C1 )を中心とした円弧線に沿って形成されたギア部(4)を備え、かつ、左右対称の2枚のギア板部(45)(45)を有する一枚の板体(40)を所定間隔をもって平行となるように折曲加工して成る2枚の該ギア板部(45)(45)をもって、上記ギア部(4)を構成し、
さらに、上記第1アーム(1)側に、上記第1軸心(C1 )方向から見て、上記ギア部(4)の外周歯面との間にくさび形の空間部を形成するくさび面(8)を設け、
しかも、該くさび形の空間部内に移動可能であって、かつ、一面側が上記ギア部(4)の外周歯面に噛合可能な歯面(7)とされ、他面側が上記くさび面(8)に当接する当接面(9)とされた浮動くさび部材(6)を、備え、
上記浮動くさび部材(6)の上記当接面(9)が上記くさび面(8)に当接し、かつ、上記歯面(7)が上記ギア部(4)に噛合し、上記ギア部(4)とくさび面(8)との間に挟まれた浮動くさび部材(6)のくさび作用により、上記第2アーム(2)が上記第1アーム(1)に対して展開方向へ揺動するのを抑制するように構成したことを特徴とする角度調整金具。
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