JP5091362B1 - 角度調整金具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】揺動軸心C廻りに揺動可能に枢結された第1アーム1と第2アーム2とを備え、第1アーム1は、所定の間隔をもって配設される一対の対面壁部を有するケース部を備え、第1アーム1と第2アーム2の一方向Aへの相対的な揺動を可能としつつ他方向Bへの相対的な揺動を多段階で規制して所定の傾斜角度で保持する角度調整機構を備えた角度調整金具に於て、ケース部を包囲する合成樹脂製のカバー部材20を備え、カバー部材20は、第1アーム1及び第2アーム2の下面との摩擦による相手部材の破損を防止する相手部材保護用の底壁部24と、角度調整機構への異物侵入防止用の天井壁部26と、底壁部24と天井壁部26を連結する左右一対の側壁部23,23と、を一体に有している。
【選択図】図1
Description
図14に示すような従来の角度調節金具40は、一方側の部材(図12の座部36)に連結した第1アーム41のケース部43内に、他方側の部材(図12の背部35)に連結した第2アーム42のギア部44と、浮動くさび部材45とを保持させ、この浮動くさび部材45のギア部44への噛合により第1アーム41に対する第2アーム42の展開方向(背部35の傾倒方向)への揺動を抑止するように構成されている。
また、上記カバー部材は、上記ケース部に係止して該ケース部に包囲状に取着するための係止手段を具備するものである。
また、上記カバー部材は、上記底壁部の後端縁に連設されると共に上記側壁部と分離して上下揺動自在の可撓舌片を有しているものである。
本発明の角度調節金具Zは、例えば、図12の斜視図に示すように、背部35と座部36を有する椅子Eに於て、背部35の傾斜角度を調整できるように背部35と座部36との間に配設されるものであって、角度調整機能を有する関節金具(連結金具)である。なお、本発明の角度調節金具Zは、図12に示すような座椅子、又は、リクライニングチェアにも使用可能であり、また、ソファ、又は、ヘッドレスト、フットレスト等に使用しても良い。
図1〜図3に示すように、本発明の角度調節金具は、揺動軸心C廻りに揺動可能に枢結された第1アーム1と第2アーム2とを備え、第1アーム1は、所定の間隔16をもって配設される一対の対面壁部17,17を有するケース部3を備え、第1アーム1と第2アーム2の一方向Aへの相対的な揺動を可能としつつ他方向Bへの相対的な揺動を多段階で規制して所定の傾斜角度θで保持する角度調整機構19を備えている。
第1アーム1のケース部3には、浮動くさび部材6を移動可能として保持するためのくさび形窓部5,5が形成されている。くさび形窓部5,5は、揺動軸心C側が凹となるように、対面壁部17,17の各々に同一形状で貫通状として形成されている。揺動軸心Cから見て、各くさび形窓部5の外方側に円弧状のくさび面8を有し、内方側には揺動軸心Cを中心とした円弧面が形成されている。くさび形窓部5,5からは、ギア部4の歯が左右方向から見える状態である。
底壁部24は、平坦な長方形状であって、ケース部3の下面を覆うように形成されると共に、左右の長辺が側壁部23,23に連結されている。底壁部24と側壁部23,23との境界部は、薄肉化して折曲げ易いように構成されている。側壁部23,23は、後述の軸部材29を通すための孔部33,33が形成されている。天井壁部26は、側壁部23,23から折曲時内側方向に弯曲状に立ち上げられ、中央部で僅かに重ね合わされて、浮動くさび部材6とギア部4の上方を覆うように形成されている。
図1〜図3では、係止手段25は、金属製の板ばね部材12から成る。カバー部材20は、図1と図2に示す取着使用状態下で側壁部23,23が浮動くさび部材6に当接乃至近接する箇所の近傍に、その外壁面を窪ませて嵌着溝部23A,23Aが形成され、この嵌着溝部23A,23Aに弾発力をもって板ばね部材12が嵌込まれている。係止手段25(板ばね部材12)は、カバー部材20がケース部3に包囲状に被せられた状態で、カバー部材20の復元力により開いてしまわないように、その姿勢を保持させている。
カバー部材20は、第2アーム2が起立(一方向Aへ揺動)した際に(図2参照)、第2アーム2の進入路として、左右方向中央線に沿ったスリット状開口部21が天井壁部26の一部に形成されている。天井壁部26は、スリット状開口部21が形成された開放屋根ゾーンG1を第2アーム2寄りに有し、浮動くさび部材6とギア部4の噛合箇所を上方から覆う閉鎖屋根ゾーンG2を第1アーム1寄りに有し、その境界付近に係止手段25が配設されている。
リップ部22は、複数箇所に(左右方向の)切込み部32が形成されている。リップ部22は、切込み部32により分割されて、その夫々が独立して揺動可能とされ、第2アーム2が開口部21に進入した際に、第2アーム2に微小な反発力をもって摺接しつつ小さな力で拡開するように構成されている。
可撓舌片30は、底壁部24の第2アーム2側に延設されている。つまり、可撓舌片30は、一辺が底壁部24に連設された長方形状であって、上下方向に力が加われば弯曲・揺動が可能である。
第1アーム1及び第2アーム2は、対面壁部17,17・ギア板部27,27が夫々所定の間隔をもって平行となるように折曲加工して成り、対面壁部17,17とギア板部27,27が重なった重複部10を形成している。側壁部23,23及び対面壁部17,17及びギア板部27,27には、各々の中央部に貫通孔が設けられ、折曲加工することで、揺動軸心Cを中心として左右方向に貫通する軸孔が構成されている。軸部材29は、この軸孔に挿通されてカシメ加工され、第1アーム1に対し第2アーム2を揺動軸心C廻りに揺動可能として枢結し、カバー部材20をケース部3に強固に取り付けている。
図13では、第1取付部18と第2取付部28に、背部35又は座部36のパイプフレームFを外嵌すると共にパイプフレームFの先端から所定寸法離れた位置に形成された貫孔34の内部を溶接することにより固着されている。なお、図示省略するが、第1取付部18及び第2取付部28の下面にはカシメ固定用の孔部が形成され、パイプフレームFを下方から(プレス加工にて)カシめることにより固着されている。この構成により、カバー部材20の可撓舌片30を溶接の熱で損傷することなく、溶接とカシメの2つの手段にて、第1アーム1と第2アーム2を背部35と座部36のパイプフレームF,Fに強固に取着することができる。
第1取付部18及び第2取付部28は、椅子Eの背部35又は座部36のパイプフレームFを差し込み固定ができるように円筒形状とされている。本発明に於て、ケース部3がカバー部材20に包囲されているため、溶接の熱の影響でカバー部材20が溶けて変形したりしないように、パイプフレームFの先端から所定寸法離れた位置に溶接箇所を設けている。また、貫孔34の内部を溶接させることで、溶接強度を確保すると共に、溶接の狙いを定め易くして作業効率を向上する。
また、ケース部3は、浮動くさび部材6をギア部4へ押し付ける方向に弾発付勢する弾発部材13を有している。弾発部材13は、板バネ部材から成り、両端部がケース部3に固定され、中央部が浮動くさび部材6の当接面9を押圧している。
図4に示すように、ケース部3を包囲する合成樹脂製のカバー部材20を備えている点では、上述の実施形態と同様である。
図5〜図7に示すように、図4のカバー部材20は、ケース部3の対面壁部17,17の上端縁に係止される引掛片14,14から成る係止手段25を具備している。引掛片14,14は、側壁部23,23と天井壁部26の境界部の内面に突設され、カバー部材20がケース部3に包囲状に被せられた状態で、対面壁部17,17の上端縁に引っ掛かって、カバー部材20が開かないように、その姿勢を保持させている。そして、ケース部3を包囲状として保持されたカバー部材20は、軸部材29が左右外方から取付けられて強固に固着される。
他の実施形態の角度調整金具に於て、その他の構成は上述の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
図8〜図11では、カバー部材20は、ケース部3の対面壁部17,17に貫設された左右一対の孔部39,39に嵌込可能とした小突起15,15から成る係止手段25を具備している。小突起15,15は、側壁部23,23と天井壁部26の境界部の内面に突設され、先端近傍にかえし片を有している。小突起15,15は、孔部39,39にかえし片を弾性変形させつつ無理矢理に圧入することで、かえし片が抜止めとなって対面壁部17,17に固着されている。カバー部材20がケース部3に包囲状に被せられた状態で、小突起15,15が孔部39,39に嵌込まれて、カバー部材20が開かないようにし、軸部材29がカバー部材20の左右外方から取付けられて強固に固着される。
別の実施形態の角度調整金具に於て、その他の構成は上述の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
本発明の角度調整金具は、図1に示す第1アーム1と第2アーム2が直線状となる傾倒状態から、徐々に第2アーム2が揺動軸心C廻りに揺動し、図2に示すような第1アーム1に対し第2アーム2が任意の傾斜角度θで保持される起立状態となる。この起立状態下で、第2アーム2は、浮動くさび部材6のくさび作用により、矢印B方向への揺動が規制されロックされている。なお、浮動くさび部材6のくさび作用とは、浮動くさび部材6の歯面7がギア部4に噛合すると共に、当接面9がくさび面8に当接して、第2アーム2の揺動を係止することをいう。
また、貫孔34の内部を溶接させることで、溶接強度を確保すると共に、溶接の狙いを定め易くして作業効率を向上できる。
2 第2アーム
3 ケース部
4 ギア部
6 浮動くさび部材
6A 左右側端面
7 歯面
8 くさび面
9 当接面
16 間隔
17 対面壁部
18 第1取付部
19 角度調整機構
20 カバー部材
21 開口部
22 リップ部
23 側壁部
24 底壁部
25 係止手段
26 天井壁部
27 ギア板部
28 第2取付部
29 軸部材
30 可撓舌片
34 貫孔
35 背部
36 座部
A 一方向
B 他方向
C 揺動軸心
E 椅子
F パイプフレーム
θ 傾斜角度
Claims (6)
- 揺動軸心(C)廻りに揺動可能に枢結された第1アーム(1)と第2アーム(2)とを備え、該第1アーム(1)は、所定の間隔(16)をもって配設される一対の対面壁部(17)(17)を有するケース部(3)を備え、上記第1アーム(1)と上記第2アーム(2)の一方向(A)への相対的な揺動を可能としつつ他方向(B)への相対的な揺動を多段階で規制して所定の傾斜角度(θ)で保持する角度調整機構(19)を備えた角度調整金具に於て、
上記ケース部(3)を包囲する合成樹脂製のカバー部材(20)を備え、該カバー部材(20)は、該第1アーム(1)及び該第2アーム(2)の下面との摩擦による相手部材の破損を防止する相手部材保護用の底壁部(24)と、上記角度調整機構(19)への異物侵入防止用の天井壁部(26)と、該底壁部(24)と該天井壁部(26)を連結する左右一対の側壁部(23)(23)とを、一体に有し、
さらに、上記カバー部材(20)は、上記第2アーム(2)が一方向(A)への揺動に伴って進入可能な該第2アーム(2)の進入路を有し、該第2アーム(2)の進入路の左右側端縁には、該進入路を拡幅するように揺動可能な薄肉片状のリップ部(22)が形成され、進入路に上記第2アーム(2)が進入した際、上記リップ部(22)が上記第2アーム(2)に摺接して拡開するように構成されていることを特徴とする角度調整金具。 - 上記角度調整機構(19)は、揺動軸心(C)を中心とする円弧線に沿って上記第2アーム(2)側に形成されたギア部(4)と、上記第1アーム(1)側に形成したくさび面(8)と上記ギア部(4)の間に移動可能として保持されると共に一面側が上記ギア部(4)に噛合可能な歯面(7)とされ他面側が上記くさび面(8)に当接する当接面(9)とされた浮動くさび部材(6)と、を具備し、該浮動くさび部材(6)のくさび作用により上記第2アーム(2)が上記第1アーム(1)に対して他方向(B)へ揺動するのを規制するように構成され、上記カバー部材(20)の上記側壁部(23)(23)が上記浮動くさび部材(6)の左右側端面(6A)(6A)に当接乃至近接して脱落を防止するように構成されている請求項1記載の角度調整金具。
- 上記カバー部材(20)は、上記ケース部(3)に係止して該ケース部(3)に包囲状に取着するための係止手段(25)を具備する請求項1又は2記載の角度調整金具。
- 上記ギア部(4)は、所定間隔をもって配設した2枚のギア板部(27)(27)をもって構成され、上記第1アーム(1)と上記第2アーム(2)は、上記ケース部(3)の上記対面壁部(17)(17)間の上記間隔(16)に上記ギア板部(27)(27)を収納し、かつ、上記カバー部材(20)が該ケース部(3)を包囲状に被覆するように取着され、さらに、上記カバー部材(20)の左右外方から上記側壁部(23)(23)及び上記対面壁部(17)(17)及び上記ギア板部(27)(27)に軸部材(29)を貫通して枢結されている請求項1,2又は3記載の角度調整金具。
- 背部(35)と座部(36)を有する椅子(E)に於て、上記背部(35)の傾斜角度を調整できるように上記背部(35)と上記座部(36)との間に配設される角度調整金具であって、
上記第1アーム(1)は、上記ケース部(3)から延伸する第1取付部(18)を有し、上記第2アーム(2)は、上記ギア部(4)から延伸する第2取付部(28)を有し、該第1取付部(18)と該第2取付部(28)に上記背部(35)又は上記座部(36)のパイプフレーム(F)を外嵌すると共に該パイプフレーム(F)の先端から所定寸法離れた位置に形成された貫孔(34)の内部を溶接することにより固着されている請求項2,3又は4記載の角度調整金具。 - 上記カバー部材(20)は、上記底壁部(24)の後端縁に連設されると共に上記側壁部(23)(23)と分離して上下揺動自在の可撓舌片(30)を有している請求項1,2,3,4又は5記載の角度調整金具。
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