JP2004066856A - 車両シートのヒンジカバー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】両側のヒンジブラケット支持面12よりも広く離間した側面部23及びヒンジアーム15の枢着位置よりも高い上面部22が、正面部21及び背面部24と共に、少なくとも両側の支持面12からヒンジブラケット基底部14の後端までをカバーするケース状に一体に形成されている。背面部24の両側に、背後から支持面12及びリクライニングに伴って回動するヒンジアーム15を進入させる切込み部26が形成され、バックルが先端部に取付けられた両側のべルトの基端部を基底部14の後端部分に固定させると共に、基底部14の両側端の内側寄りの正面部21を下端から上方へ切欠くことにより、両側のベルトを導出させる開口部25が形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リクライニング機構を備えた両側並置のシート間の隙間のフロアに取付けられたヒンジブラケットと、それぞれのシートバックの側部に下設され、かつヒンジブラケットに下端部が枢着されるヒンジアームとを備えたヒンジ部をカバーするための車両シートのヒンジカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、この種の従来のヒンジカバーを示すもので、リクライニング機構をそれぞれ備えた両側並置のシート1間の隙間のフロアに、シートバック1bを枢着させる両側のヒンジ部をカバーするヒンジカバー5が互いに独立に立設されている。これらのヒンジカバー間のフロア8に、先端部にシートベルトのタングを係入させるバックル3が取付けられた両側のベルト2の基端部が固定されると共に、これらのベルトはフロアに斜め方向に取付けられた鞘状のプロテクタ4でそれぞれ独立に保護されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、ヒンジカバーによりヒンジ部がカバーされて外観が確保されると共に、ベルトが金属製のプレート状ヒンジ部の端縁での擦れ等で衝突時或いは通常の繰返しの使用により切れるのが防止され、またプロテクタによってベルト部分の外観も確保される。しかしながら、両側の独立のヒンジカバー間に、さらに両側のシートベルトのプロテクタが独立に付設されており、全体として部品数が多く、見栄え上でも改良の余地が残されている。
【0004】
因みに、特開平11−115600号公報によれば、両側のヒンジ部に対してカバーを一体に行い、さらに2個のバックルを不使用時に収納させる2段の収納部を一体に形成したヒンジカバーが開示されているが、バックルに後続するベルトの保護については言及されていない。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて、両側のシートバックの側部を枢着させるヒンジ部及びシートベルトのバックル用ベルトの基端部をベルトの保護機能も兼ねて一体にカバーする車両シートのヒンジカバーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、リクライニング機構を備えた両側並置のシート間の隙間のフロアに取付けられる基底部及びその両側の側端で上方へ曲げられて形成された両側の垂直面状の支持面を有するヒンジブラケットと、それぞれのシートバックの側部に下設され、かつ支持面に下端部が枢着されるヒンジアームとを備えたヒンジ部をカバーするための車両シートのヒンジカバーにおいて、両側の支持面よりも広く離間した両側の側面部及びヒンジアームの枢着位置よりも高い上面部が、正面部及び背面部と共に、少なくとも両側の支持面から基底部の後端までをカバーするケース状に一体に形成され、背面部の両側に、背後から支持面及びヒンジアームを進入させ、かつこの進入状態でリクライニングに伴うヒンジアームの回動を許容するように、少なくとも上面部まで切込まれた切込み部が形成され、両側のシートべルトのバックルが先端部に取付けられた両側のべルトのそれぞれの基端部を基底部の後端部分に固定させると共に、基底部の両側端の内側寄りの正面部を下端から上方へ切欠くことにより、両側のベルトを導出させる開口部が形成されたことを特徴とする。
【0007】
ヒンジカバーは、ヒンジブラケットの支持面及びべルトの基端部が固定される基底部の後端部分をカバーし、この状態でヒンジアームはリクライニングに伴って切込み部で回動する。ヒンジカバー内から導出されたベルトは合成樹脂製の開口部の周縁により、特に垂直面状の支持面の端縁に接触するのが防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4を基に本発明の実施の形態の一例による車両シートのヒンジカバーを説明する。リクライニング機構が設けられた両側並置のシート1の互いに隣合う隙間には、図4に示すリクライニング機構の金属製のヒンジ部10が設けられている。即ち、このヒンジ部は、フロア8に取付けられる長方形状の共通の基底部14及びその両側の側端を曲げたフランジ部14aの後方部分を隆起させた垂直面状の支持面12を板金により形成したヒンジブラケット11と、シートバック1bのシートバックフレーム9に取付けられて、そのコーナ部の切欠部1cから下方へ突出したヒンジアーム15とより構成されている。
【0009】
基底部14はフロア8にボルト挿通孔17、17aを通してねじ止めされると共に、支持面12の上端部に形成されたピン挿通孔12a及びヒンジアーム15の下端部に形成されたピン挿通孔15aに、ピン13が挿通されることにより、ヒンジアーム15が枢着される。
【0010】
シートべルトのタングを係止するバックル3が先端部に取付けられた両側のべルト2の基端部を共締めするヒンジアンカ18には、ボルト挿通孔18aが形成されている。これにより、ヒンジアンカ18は、支持面12よりも僅かに後方へ突出する基底部14の後端部分のボルト挿通孔17と共通にボルト19が挿通されてフロア8のねじ孔17bにねじ止めされる。
【0011】
ヒンジカバー20は、図2に示すように、ヒンジ部10、即ちその両側の支持面12よりも広く離間し、かつこの支持面から基底部14の後端に達する距離よりも僅かに広い前後幅及びピン挿通孔15aの上方位置を占める高さを有する両側の側面部23、僅かに後倒した正面部21、背面部24及び曲面状の上面部22を備えることにより、支持面12及びその後方の基底部14の全域をカバーするケース状に例えば合成樹脂により一体に形成されている。
【0012】
背面部24の両側には、ヒンジブラケット11及びヒンジアーム15の枢着部分を背後から進入させる切込み部26が形成されている。この切込み部は、ヒンジカバー20の装着状態で、リクライニングに伴うヒンジアーム15の回動を許容する空間部を形成するように、上面部22を縦断して正面部21の上端部に達している。また、背面部24の下方部分の切込み部26間は、基底部14を進入させるように切欠かれている。さらに、正面部21には、基底部14の両側のフランジ部14aの僅かに内側寄りの下端から上方へ途中まで切欠かれることにより、バックル3に後続のベルト2をヒンジカバー20内から導出させる開口部25が形成されている。
【0013】
開口部25の両側の正面部21の下端部は、フランジ部14aを基底部14の側部と共に挿通させるL字形の切欠部28が形成されている。開口部25の上方部分25aは、切込み部26に沿った両側の側面25bを備えて強度が確保されている。
【0014】
このように構成された車両シートのヒンジカバーの動作は次の通りである。ヒンジブラケット11の両側共通の基底部14が、ヒンジアンカ18と共にシート1間のフロア8にねじ止めされると共に、支持面12をヒンジアーム15が枢着されることにより、ヒンジ部10が構成される。ヒンジカバー20を後方へ向けてスライドさせて、背後から両側の支持面12をヒンジアーム15の下端部と共に切込み部26に進入させることにより、基底部14に載置させた状態でそのフランジ部14aを切欠部28に挿通させ、図1に示す状態にセットする。この状態で、ヒンジカバー20は、例えば支持面12にねじ止めしたり、支持面12に形成した係止爪に係止する等でヒンジ部10に固定する。
【0015】
これにより、支持面12の周囲全域がカバーされ、ヒンジアンカ18が取付けられるヒンジブラケット11の後端部も少なくとも上方からカバーされて、見栄えが確保される。ベルト2は、開口部25から導出されて支持面12の端縁から保護されることにより損傷する恐れもなくなる。ベルト2は開口部25の周縁に接触するとしても樹脂製であり、また弾性によっても損傷が回避される。
【0016】
尚、ヒンジカバーは、切込み部に内周面を形成したり、或いはベルトを導出させる開口部の周囲に曲面状のフランジ部を追加するか又は上方全周にトンネル状に周面部を形成する等本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ベルトの保護機能を兼備させて、ヒンジ部及びシートベルトのバックル側を一体にカバーすることにより、部品点数を低減させた単独のケース構造によりヒンジ部領域の見栄えを向上させる。請求項2の発明によれば、ヒンジカバーのヒンジブラケットに対するセットが容易となり、またベルトを枢着部分のプレートの端縁に対して確実に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による車両シートのヒンジカバーの斜視図である。
【図2】同ヒンジカバーを示すもので、同図Aは正面から見た斜視図、同図Bは背面から見た斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】同ヒンジカバーでカバーされるヒンジ部の分解斜視図である。
【図5】従来のヒンジカバーの斜視図である。
【符号の説明】
1 シート
1b シートバック
8 フロア
10 ヒンジ部
11 ヒンジブラケット
12 支持面
14 基底部
14a フランジ部
15 ヒンジアーム
20 ヒンジカバー
21 正面部
22 上面部
23 側面部
24 背面部
25 開口部
26 切込み部
28 切欠部
Claims (2)
- リクライニング機構を備えた両側並置のシート間の隙間のフロアに取付けられる基底部及びその両側の側端で上方へ曲げられて形成された両側の垂直面状の支持面を有するヒンジブラケットと、それぞれのシートバックの側部に下設され、かつ支持面に下端部が枢着されるヒンジアームとを備えたヒンジ部をカバーするための車両シートのヒンジカバーにおいて、
両側の支持面よりも広く離間した両側の側面部及びヒンジアームの枢着位置よりも高い上面部が、正面部及び背面部と共に、少なくとも両側の前記支持面から基底部の後端までをカバーするケース状に一体に形成され、
前記背面部の両側に、背後から前記支持面及び前記ヒンジアームを進入させ、かつこの進入状態でリクライニングに伴う前記ヒンジアームの回動を許容するように、少なくとも前記上面部まで切込まれた切込み部が形成され、
両側のシートべルトのバックルが先端部に取付けられた両側のべルトのそれぞれの基端部を前記基底部の後端部分に固定させると共に、前記基底部の両側端の内側寄りの前記正面部を下端から上方へ切欠くことにより、両側の前記ベルトを導出させる開口部が形成されたことを特徴とする車両シートのヒンジカバー。 - 基底部の両側に、支持面に連続するフランジ部が形成されると共に、開口部の両側の正面部に、前記フランジ部を前記基底部と共に挿通させるL字形の切欠部が形成されたことを特徴とする請求項1記載の車両シートのヒンジカバー。
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- 2002-08-01 JP JP2002224816A patent/JP4033452B2/ja not_active Expired - Fee Related
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