JP7116617B2 - 椅子及びそのカバー装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、カバーを備えた椅子に関するものである。
椅子において、本体部をカバーで覆うことは広く行われている。カバーの用途としては、美観のために使用するものや、安全のための保護部材として使用するもの、或いは、オプション品を取付けない場合に使用するものなど、様々である。
特許文献1には、美観と安全とを兼用するカバーとして、水平状の肘掛け取付部を下方から覆う上向き開口トレー状の樹脂製カバーにおいて、肘掛け取付部に形成した係合穴に係合する係合爪を上向きに一体に突設して、係合爪の弾性変形を利用して肘掛け取付部に取り付けるようにしたものが開示されている。
特開平10-117883号公報
係合爪は、その先端に鉤状の爪部が形成されており、係合爪がいったん逃げ回動することよって爪部が係合穴に嵌まり込むことが許容されており、爪部が係合穴に入り込むと係合爪は戻り回動する。これにより、爪部が係合穴に引っ掛かった状態が保持されて、カバーは椅子の本体部に離脱不能に保持される。
しかし、係合爪は弾性変形するため、カバーがアルミダイキャスト品のように弾性変形しない部材で構成されている場合は、係合爪をカバーに一体に設けることはできない。また、カバーが樹脂製であっても、材質によっては変形し難い場合があり、この場合も一体に設けることは難しい。更に、鉤状の係合部を形成するためには、金型装置にスライド型を設けるなどせねばならないため、金型装置が複雑化して製造コストが嵩んだりすることもある。
さりとて、カバーをビス止めすると、作業性が悪くなる問題や、ビスの頭が露出して美観を悪化させるという問題が現れる。このため、係合爪は使用することの利点は享受しつつ、カバーの材質等について設計の自由性も確保できる技術が要望されている。
本願発明は、このような要請に応えんとするものである。
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、
「椅子の本体部と、弾性変形する係合爪を介して前記本体部に取付けられたカバーと、を有し、
前記係合爪は、前記カバーとは別部材に作られていて前記カバーに固定されている構成であって、
前記係合爪は、棒状又は板状であって前記椅子の本体部を逆方向から挟持するように一対配置されていて、前記一対の係合爪の基端がジョイント部によって一体に繋がっており、前記ジョイント部がビスで前記カバーに固定されている
という構成になっている。
係合爪をカバーの一部として見ると、請求項1の構成は、カバーが、カバー本体と、これとは別体に構成された係合爪とで構成されており、係合爪がカバー本体に固定されているということもできる。本願発明でいう係合爪は、弾性に抗して変形することにより、椅子の本体部に形成した被係合部に引っ掛かるものを広く含んでいる。従って、係合手段とほぼ同じである。
なお、請求項でいう「一対」とは、椅子の本体部を互いに逆方向から挟持できるようになっていることを意味しており、複数ずつの係合爪が対向するようにして存在する状態も含んでいる。つまり、一対とは、係合爪が複数群存在する態様も含む概念である。
請求項の発明は請求項の展開例であり、
「前記カバーは、背もたれが取り付く背支柱に、当該背支柱を左右外側から覆う状態に装着されるものであり、
前記背支柱は略平面視角形になっている一方、
前記カバーは、前記背支柱の上面と前後面と外側面とを覆うように天板付きの樋状に形成されており、前記カバーの内部に、前記背支柱を前後から挟持して外向き離脱不能に保持する前後一対の係合爪が配置されており、前記一対の係合爪の基端は、前記カバーの内底面に重なるジョイント部によって一体に繋がっており、前記係合爪のジョイント部がビスによって前記カバーに固定されている」
という構成になっている。
請求項のカバーは、例えば、背支柱に肘掛け装置を取付けない場合に使用できるが、オプション品として肘掛け装置を取付けできない背支柱にも、装飾用や保護用等の目的で使用できる。
請求項の発明は、請求項の好適な展開例であり、
「前記背支柱の前後両面に、前記係合爪が嵌まり込む切り開き溝が形成されており、前記カバーを左右外側から前記背支柱に対して横向きに嵌め込むと、前記係合爪が前後方向にいったん逃げ回動してから戻り回動して前記背支柱に係合するようになっている一方、
前記カバーの前後内面には、前記係合爪がいったん逃げ回動して前記切り開き溝に入り込むことを許容する逃がし溝が形成されている」
という構成になっている。
請求項の発明は、椅子用カバー装置を対象にしている。すなわちこのカバー装置は、
「椅子の本体部を覆うカバーと、前記本体部に設けた被係合部に係合する弾性変形可能な係合爪とから成り、前記係合爪は、前記カバーとは別体に構成されていて前記カバーに固定されている構成であって、
前記係合爪は、棒状又は板状であって前記椅子の本体部を逆方向から挟持するように一対配置されていて、前記一対の係合爪の基端がジョイント部によって一体に繋がっており、前記ジョイント部がビスで前記カバーに固定されている
という構成になっている。
本願発明では、係合爪はカバーと別部材であるため、カバーの材質に制約を受けることなく、必要な弾性や強度などが確保されるように、素材や形状を任意に選択できる。従って、カバーは、係合爪を使用したことによる取付けの容易性を損なうことなく、その機能を確保できるように材質や形状などを自由に設定できる。また、係合爪の存在によってカバーの製造に手間が掛かるという不具合も生じない。
係合爪は、カバーの用途や形状・機能などに基づいて好適な状態に設計されるが、請求項のように一対の係合爪で本体部を挟持すると、カバーを安定良く取り付けることができる。そして、係合爪の群はジョイント部によって繋がっているため、一対の係合爪の間隔は正確に規定されて寸法精度に優れており、かつ、例えば1本のビスで固定することもできるため、複数の係合爪を別々に設ける場合に比べて取付けの手間も軽減できる。
請求項のカバーは背支柱を覆うものであり、例えば、背支柱がアルミダイキャスト品である場合に、カバーもアルミダイキャスト品として統一した美観を実現させつつ、カバーの取付けを容易ならしめることができる。そして、背支柱は前後の係合爪で挟持されているため、外れ防止機能に優れていると共に、ビスは1本でも足りるため、係合爪の取付けも能率良く行うことができる。
請求項の発明では、カバーの前後内面に、係合爪を格納する逃がし溝が形成されているため、カバーの前後内面を背支柱の前後外面にぴったりと重ねることができる。従って、カバーをガタ付きのない状態で背支柱に装着することができる。
実施形態の外観図で、(A)は肘掛けを設けた状態での斜視図、(B)は肘掛けを設けていない状態での斜視図、(C)は背面斜視図、(D)は座を分離した状態の斜視図である。 (A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図、(D)は背面図である。 (A)は背もたれの一部破断斜視図、(B)は表皮材を取り外して背もたれを後ろから見た一部破断斜視図、(C)は背もたれの部分的な分離側面図である。 背もたれの回動支持手段を示す図で、(A)は前から見た分離斜視図、(B)はばねユニットの分離斜視図である。 (A)は背もたれの回動支持手段を示す分離斜視図、(B)(C)は、背支柱とカバーとの関係を示す分離斜視図である。 (A)は肘掛けを取付けた状態の斜視図、(B)は肘掛けを分離した状態の斜視図である。 (A)は肘掛けを分離した状態での斜め後ろから見た斜視図、(B)は肘掛けを分離した状態での斜め前から見た斜視図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を説明する。本願発明は、オフィス等で使用されている回転椅子に適用している。まず、図1,2を参照して、椅子の概要を説明する。椅子は、座1と背もたれ2と脚装置3とを備えている。脚装置3は、5本の枝杆とガスシリンダよりなる脚支柱4とを備えており、各枝杆の先端にキャスタを設けている一方、脚支柱4の上端にベース(図示せず)を嵌着している。脚支柱4は、座1の前後中間点よりも少し後ろに配置されている。
図示していないが、ベースは平面視四角形(横長長方形) のブロック状の形態であり、ベースに、左右のフロントフレーム(座支柱)6と左右の背支柱(リアフレーム)7とを固定して、フロントフレーム6に座1を前後傾動可能に取付けて、背支柱7の上端部に背もたれ2を後傾動可能に取り付けている。
図1(D)に示すように、フロントフレーム6の上端には前後長手の受け部8が形成されており、座1は、この受け部8に後傾動可能に連結されている。図1(A)、図2(C)に示すように、背支柱7の上端部には、オプション品として肘掛け9を取り付けることができる。
図2(B)(C)に明示するように、左右の背支柱7は、側面視では上に行くに従って前にずれるように傾斜しており、正面視では、上に行くに従って互いの間隔が広がるように傾斜している。
背支柱7は、図2(B)に明示するように、側面視では、ベース5から後傾姿勢で立ち上がって、概ね座1の高さ位置で前傾姿勢に変わるように屈曲したく字形になっており、正面視では、図2(D)に明示するように、概ね座1の高さまでは上に向けて外広がりに傾斜して、概ね座1よりも上の範囲ではほぼ直立している。
背支柱7の上部は背もたれ2の下部の左右外側に位置しており、背もたれ2は、その下部を支点にして後傾動するように背支柱7の上端部に取付けられている。従って、図2(B)に示すように、背もたれ2の回動支点O1(回動中心)は背もたれ2の肉厚部内に位置している。図2(B)に示すように、座1の回動支点O2も、座1の肉厚部内に位置している。
フロントフレーム6及び背支柱7の下半部は、図1(D)に示すように、いわば対角方向に向けて広がるように、正面視及び側面視で傾斜している。換言すると、フロントフレーム6と背支柱7とは、平面視四角形のベース5のコーナー部から略対角方向に傾斜姿勢で立ち上がっている。更に換言すると、4本のフレーム6,7が、座1の下方においてベース5に向けて収束するような外観を呈している。
左右のフロントフレーム6はアルミダイキャスト品又は樹脂成型品であり、平面視略角形(横長長方形)のフロント基体6aが一体に形成されている。他方、左右の背支柱7は互いに分離しており、それぞれ平面視略四角形のリア基体7aが一体に形成されている。そして、左右のリア基体7aは左右に連続するように重なって、左右のリア基体7aとフロント基体6aとは前後に重なっている。
従って、フロント基体6aと左右のリア基体7aとの三者は全体として1つの部材を成すかのように重なっており、この三者によってベースがすっぽりと覆われている。従って、2本のフロントフレーム6と2本の背支柱7とは、平面視略四角形の基部から対角方向に傾斜姿勢で立ち上がったような外観を呈しており、ベースは、椅子をひっくり返さないと視認できない状態になっている。
(2).背もたれの取付け構造
次に、背支柱7に対する背もたれ2の取付け構造を、図3~5を参照して説明する。図3(A)に示すように、背もたれ2は、樹脂製の背インナーシェル10の前面に背クッション11を重ね配置した構造であり、背インナーシェル10の左右側部が、背用傾動ユニット12を介して背支柱7の上端部に後傾動可能に取付けられている。背クッション11は、クロス等の表皮材で覆われている。また、背インナーシェル10の背面も表皮材で覆われている。従って、表皮材は袋状に形成されている。
例えば図4に示すように、背用傾動ユニット12は、背インナーシェル10と一体に動くアウターブラケット13と、アウターブラケット13の内部に配置されていて背支柱7に固定されたインナーブラケット14と、アウターブラケット13の外側面に重ね配置されたサイドブラケット15とを備えており、これらは、背インナーシェル10の曲がりに合わせて、側面視で略く字形になっている。
背インナーシェル10の屈曲部には、アウターブラケット13が嵌まり込む凹所16を形成している。サイドブラケット15の下半部には外向き凸部15aが形成されており、図3(C)に示すように、サイドブラケット15は、外向き凸部15aのみが背インナーシェル10の外側にはみ出ており、外向き凸部15aが、背支柱7の内側面に当接又は密接している。
アウターブラケット13とインナーブラケット14とは、左右横長の枢支ピン17によって連結されており、かつ、アウターブラケット13とインナーブラケット14との間には、枢支ピン17よりも上の位置においてばね(図示せず)が配置されている。図4(B)に示すように、アウターブラケット13とインナーブラケット14とには、ばねを位置決めするバーリング部19が形成されている。
アウターブラケット13とインナーブラケット14とは、それぞれ側板13a,14a備えている。また、アウターブラケット13は、前面板13bと後面板13cも有していて全体として筒状に形成されており、インナーブラケット14は樋状に形成されている。
図3(A)に示すように、背インナーシェル10の背面のうち屈曲部の箇所には、左右横長の補強板20が重ね配置されており、図4(A)から理解できるように、補強板20の端部と、背インナーシェル10と、アウターブラケット13の後面板13cの上部及び下部とが、ビス21で共締めされている。
図3(B)のとおり、背インナーシェル10の背面には、補強板20をずれ不能に保持する凹溝22が形成されており、補強板20は、凹溝22に設けた位置決め突起23によっても位置決めされている。
補強板20の左右両端には、アウターブラケット13の下端まで延びる下向き張り出し部20aが形成されており、下向き張り出し部20aが、下部のビス21によって背インナーシェルとアウターブラケット13とに共締めされている。着座した人が背もたれ2にもたれ掛かると、背もたれ2の下端部には大きなモーメントが掛かるが、補強板20が存在するため、モーメントに抵抗する強度を確保できる。
例えば図4(B)に示すように、アウターブラケット13の後面板13cには、後ろ向きに開口した透かし穴24が形成されており、ビス21による締結は、透かし穴24を挟んだ上と下との上下2か所において行われている。枢支ピン17は、アウターブラケット13とインナーブラケット14とにきっちり挿通している。
また、枢支ピン17は、サイドブラケット15における外向き凸部15aの外側にはみ出た露出部を備えており、この露出部が、背支柱7に形成した軸受け溝25に落とし込みによって嵌め込まれている。図5(B)に示すように、軸受け溝25は、手前と左右両側とに開口しつつ、下方に入り込んで背もたれ2に向けて内向きに開口した深溝部25aを有しており、枢支ピン17の露出部は深溝部25aによって安定的に支持されている。
敢えて述べるまでもないが、背用傾動ユニット12を先に背インナーシェル10の凹所16にセットしておく一方、背支柱7は予め所定の状態に取り付けておいて、枢支ピン17の露出部を手前から軸受け溝25に嵌め入れて深溝部25aに落とし込むことにより、背もたれ2は、背支柱7の上端部に回動可能に取付けられる。
既述のとおり,枢支ピン17は、インナーブラケット14にも貫通している。そして、図4に明示するように、背支柱7のうち軸受け溝25よりも下方の部位に外側から横向きボルト26が挿通されていて、横向きボルト26が、インナーブラケット14の内側板14aにねじ込まれている。
横向きボルト26は段付きボルトであり、インナーブラケット14にねじ込みきると、インナーブラケット14は、アウターブラケット13の外側板13aとの間に僅かのクリアランスを保持した状態で、背支柱7に連結されている。従って、インナーブラケット14は、アウターブラケット13の内部に配置されているものの、横向きボルト26によって前後動不能及び上下動に保持されて背支柱7と一体化しており、結果として、枢支ピン17も軸受け溝25から抜け不能に保持されている。また、アウターブラケット13は、ばね18を圧縮させて後傾可能になっている。
図4(B)から理解できるように、サイドブラケット15の上端部と下端部とには、アウターブラケット13に向けて突出した上下の係合爪27が形成されている一方、アウターブラケット13の外側の側板13aには、係合爪27が係合する係合穴28を形成している。
従って、サイドブラケット15は、アウターブラケット13と一体に回動する。そして、横向きボルト26はサイドブラケット15とアウターブラケット13とに貫通しているので、サイドブラケット15及びアウターブラケット13が背もたれ2と一体に回動することを許容するため、サイドブラケット15とアウターブラケット13とには、枢支ピン17を曲率半径の中心とした円弧穴29が空いている。
(3).上カバー
図1(A)のとおり、背支柱7の上端部に肘掛け9を取り付けることができるが、肘掛け9を取付けていない状態では、例えば図5に示すように、背支柱7の上部は上カバー30で覆われている。上カバー30の外面はその下方の部位と同一面になっている。従って、例えば図4(A)に明示するように、背支柱7のうち上カバー30で覆われている上部7cは、段部7bを介して少し細くなっている。
例えば図5に明示するように、上カバー30は、背支柱7を左右外側から覆うように溝形になっている。すなわち、背支柱7の上部7cの前後外面に重なる前後の側板30aと、背支柱7の上面に重なる天板30bと、背支柱7の上部7cの横向き外面に重なる外板30cとを有しており、内側と下方とに開口している。
そして、例えば図5のとおり、外板30cの内面に、横向きに突出した前後の係合爪31が固定されている一方、背支柱7の前後両面に、横向き係合爪31が嵌まり係合する前後の切り開き溝32を形成している。前後の横向き係合爪31は、板状のジョイント部31aを介して一体に繋がっており、ジョイント部31aが、1本の横向きビス33によって、上カバー30の外板30cに固定されている。
従って、上カバー30の外板30cには、横向きビス33がねじ込まれるボス部34を形成している。なお、図5(B)(C)に示すように、上カバー30における外板30cの内面には、縦横に延びる多数のリブ(或いは多数の角形凹部)を形成している。
他方、背支柱7の上部7cに形成した切り開き溝32のうち背もたれ2に近い端部には、係合爪31が引っ掛かり係合する被係合部の例として、係合爪31の鉤部が嵌合する係合段部32aを形成している。従って、上カバー30を横方向から背支柱7の上部に嵌め込んで押さえると、係合爪31は、その鉤部が切り開き溝32に当たっている間は、弾性に抗して変形して前後外側に逃げ回動して、上カバー30を押し込みきると、係合爪31は弾性復元力によって戻り回動して、先端の鉤部が切り開き溝32の係合段部32aに嵌まり込んで、抜けない状態に不能に保持される。
背支柱7と上カバー30とをアルミダキャスト品として、銀色の金属色を強調したデザインとすることができるが、アルミダイキャスト品には係合爪31を一体成型することは不可能であり、さりとて、上カバー30をビスで背支柱7の上部7cに固定すると、ビスの頭が露出するため美観が良くない。
これに対して本実施形態のように、合成樹脂製の係合爪31を上カバー30に固定すると、上カバー30がアルミダイキャスト品であっても、背支柱7の上部7cにワンタッチ的に取り付けることができる。また、本実施形態では、上カバー30は、係合爪31と切り開き溝32との嵌まり合いによって上向き抜け不能に保持されているため、上カバー30をガタ付きのない状態に保持できる。従って、上カバー30の外面と背支柱7の外面とを同一面状に保持して、品質を向上できる。
図5(B)(C)のとおり、上カバー30の内部には、背支柱7の軸受け溝25に嵌合する第1リブ36を形成している。また、背支柱7における上部7cのうち軸受け溝25よりも上の部分の手前がカットされていて前後厚さが小さくなっていることから、上カバー30の内部には、背支柱7の上部7cのカット部と嵌合する第2リブ37が形成されており、第1リブ36と第2リブ37とは一体に連続しているが、互いに分離させてもよい。第1リブ36が軸受け溝25に嵌まり込でいることにより、上カバー30は上向き移動不能に保持されている。
(4).肘掛け及びその取付け構造
念のため、肘掛け9とその取付け構造を、図6,7を参照して説明しておく。肘掛け9は固定式であり、前後に長いループ状になっている。すなわち、肘掛け9は、背支柱7の上部に重なる基部9aと、これから前向きに突出した上下のアーム部9b,9cと、上下のアーム部9b,9cの前端に繋がった先端連結部9dとで前後長手のループ形状になっている。基部9aの下端は、下アーム部9cの下方に突出した下向き突出部9eになっている。
肘掛け9は、合成樹脂製でもよいしアルミダイキャスト製であってもよい。また、上面に、エラストマー等のクッション層を設けてもよい。
肘掛け9の基部9aは、上カバー30と同様に、左右外側から背支柱7の上部7cに嵌め込む(被嵌する)ようになっている。従って、肘掛け9の基部9aには、背支柱7の上部7cが入り込む凹部38を形成しており、基部9aは、上下のビス39,40によって背支柱7の上部7cに固定されている。
従って、肘掛け9の基部9aには、ビス39,40が挿通する取付け穴41,42が前後に貫通して、背支柱7の上部7cには、ビス39,40がねじ込まれるタップ穴43が空いている。取付け穴41,42には、ビス39,40の頭が入り込む座繰り穴を形成している。従って、ビス39,40の頭取付け穴41,42から殆ど露出しておらず、美観の問題は生じない。
美観の点について更に補足しておく。人が肘掛け9を見る場合、立った状態で見るにしても、他の椅子に腰掛けた状態で見るにしても、通常は、肘掛け9は人の頭よりも低い位置にあるため、人の視線は肘掛け9に対して斜め下向きに向いている。従って、取付け穴41,42は、肘掛け9の前向きアーム部9b,9cの影に隠れて殆ど視認できない。
特に、下部の取付け穴42は、下部のアーム部9cと下向き突出部9eとの連設部に形成されているため、人は身体を屈めて下方から覗き見ない限り、下部の取付け穴42を視認することはできない。従って、現実的には、下部の取付け穴42が人目に触れることは皆無であるといえる。結局、取付け穴41,42に起因した美観の悪化は、現実には生じないといえる。
肘掛け9にも、上カバー30と同様に、背支柱7の軸受け溝25に嵌合する第1リブ36と、背支柱7の上部7cのカット部と嵌合する第2リブ37とが形成されており、第1リブ36が軸受け溝25に嵌まり込んでいることにより、肘掛け9は上下動不能に保持されている。図では第1リブ36と第2リブ37とが一連に連続しているが、両者は分離させてもよい。
また、肘掛け9には下向きの大きなモーメントが掛かるが、肘掛け9の第1リブ36は、肘掛け9に対して下向きモーメントが掛かったときの抵抗としても機能するため、肘掛け9で支持できる荷重を格段に高めて高い信頼性を確保することができる。また、第2リブ37の箇所は必然的に厚くなっているが、上部の取付け穴41は第2リブ37の箇所に設けているため、ビス39の頭を隠す座繰り穴を上部の取付け穴41に形成しても、強度低下の問題は生じない。
(4).その他
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、本願発明の適用対象は背支柱を覆う上カバーには限らず、例えば、ベースを下方から覆うカバーや、背インナーシェルを後ろから覆う背カバー、背支柱やバックフレームなどにハンガーやヘッドレストを取り付けないときに使用するカバーなど、各種のカバーに適用できる。
また、1つのジョイント部に複数本ずつの係合爪を形成してもよい。係合爪は、必ずしも実施形態のような鉤部を有する形態である必要はないのであり、例えば、帯板状に形成して先端部に係合穴を空けた形態も採用できる(この場合は、椅子の本体部には、被係合部として、係合穴に嵌まる係合突起を設ける必要がある。)。係合爪をカバーに固定する手段としては、ビスの他に、リベットなどのファスナーを使用したり、カバーに形成したボス部でかしめ付けたりすることも可能である。
また、本願発明の適用対象は回転椅子には限らず、会議用などに多用されている固定脚式椅子にも適用できる。背もたれ(及び座)の構造も、任意に設定できる。例えば、フレームにメッシュを張った構造も採用できる。また、敢えて述べるまでもないが、本願発明は、背もたれがロッキングしないタイプの椅子にも適用できる。
本願発明は、椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
2 背もたれ
5 ベース
7 背支柱
10 背インナーシェル
11 背クッション
12 背用傾動ユニット
16 背インナーシェルに形成した凹所
17 枢支ピン
25 軸受け溝
30 上カバー
30a 側板
30b 天板
30c 外板
31 係合爪
31a ジョイント部
32 切り開き溝
32a 係合段部
33 横向きビス
36,37 リブ

Claims (4)

  1. 椅子の本体部と、弾性変形する係合爪を介して前記本体部に取付けられたカバーと、を有し、
    前記係合爪は、前記カバーとは別部材に作られていて前記カバーに固定されている構成であって、
    前記係合爪は、棒状又は板状であって前記椅子の本体部を逆方向から挟持するように一対配置されていて、前記一対の係合爪の基端がジョイント部によって一体に繋がっており、前記ジョイント部がビスで前記カバーに固定されている、
    椅子。
  2. 記カバーは、背もたれが取り付く背支柱に、当該背支柱を左右外側から覆う状態に装着されるものであり、
    前記背支柱は略平面視角形になっている一方、
    前記カバーは、前記背支柱の上面と前後面と外側面とを覆うように天板付きの樋状に形成されており、前記カバーの内部に、前記背支柱を前後から挟持して外向き離脱不能に保持する前後一対の係合爪が配置されており、前記一対の係合爪の基端は、前記カバーの内底面に重なるジョイント部によって一体に繋がっており、前記係合爪のジョイント部がビスによって前記カバーに固定されている、
    請求項1に記載した椅子。
  3. 前記背支柱の前後両面に、前記係合爪が嵌まり込む切り開き溝が形成されており、前記カバーを左右外側から前記背支柱に対して横向きに嵌め込むと、前記係合爪が前後方向にいったん逃げ回動してから戻り回動して前記背支柱に係合するようになっている一方、
    前記カバーの前後内面には、前記係合爪がいったん逃げ回動して前記切り開き溝に入り込むことを許容する逃がし溝が形成されている、
    請求項2に記載した椅子。
  4. 椅子の本体部を覆うカバーと、前記本体部に設けた被係合部に係合する弾性変形可能な係合爪とから成り、前記係合爪は、前記カバーとは別体に構成されていて前記カバーに固定されている構成であって、
    前記係合爪は、棒状又は板状であって前記椅子の本体部を逆方向から挟持するように一対配置されていて、前記一対の係合爪の基端がジョイント部によって一体に繋がっており、前記ジョイント部がビスで前記カバーに固定されている、
    椅子用カバー装置。
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