JP7173778B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

本願発明は、肘掛けを備えた椅子に関するものである。
椅子において、肘掛けはオプション品になっていることが多い。すなわち、肘掛け付きの椅子と肘掛け無しの椅子とを用意して、ユーザーが選択して購入できるようになっていることが多い。従って、椅子は、肘掛けが取り付かない構造を基準として、肘掛けをビス(ボルト)で固定するようにしている。
肘掛けの取付け位置や取付け構造は様々であり、例えば特許文献1には、ベースに後傾動自在に連結された背もたれ支持杆に背もたれを取付けたロッキング椅子において、背もたれ支持杆の外側面に、左右長手のボルトによって肘掛けを固定することが開示されている。
特開2007-325696号公報
特許文献1において、背もたれ支持杆は座の下方の空間のうち内側に寄っているため、肘掛けは、背もたれ支持杆から横向きに延びる水平状部と、水平状部の先端から上向きに延びる起立部とを有しており、起立部に肘当てが高さ調節可能に取付けられている。
従って、肘掛けは、使用者が手をつくことによる下向きの荷重により、背もたれ支持杆を支点にして下向き回動するようなモーメントを受けることになり、このため、背もたれ支持杆には、その軸心回りに捩じるような外力が作用する。このため、背もたれ支持杆は、強度を確保するために頑丈な構造にせねばならず、設計が面倒である。
他方、左右の背支柱の間に背もたれを配置して、背もたれを左右の背支柱に取り付けているタイプの椅子があり、このタイプの椅子では、背支柱に肘掛けを固定すると、背支柱には前倒れさせる外力が作用するだけであるため、特許文献1のような構造に比べて背支柱に対する負担は軽くなる。
本願発明はこのような知見に基づいて成されたものであり、背もたれの左右両側に背支柱を配置したタイプの椅子において、その特徴を利用して肘掛けを簡単かつ強固・美麗に取付けできるようにすること等を課題とするものである。
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、
「背もたれの左右両側方に立設されて前記背もたれが取り付けられた背支柱と、前記背支柱に固定された肘掛けとを有して、
前記肘掛けには、左右方向の外側から移動させて前記背支柱に嵌合するように凹所が形成されて、前記肘掛けを前記背支柱に嵌合させた状態で、前記背支柱の前後両面と上面と側面とが前記肘掛けで覆われており、
前記肘掛けは、前記凹所を挟んだ前後両側のうちいずれか一方又は両方がビスで前記背支柱に固定されている
という基本構成になっている。
そして、請求項1の発明は、上記基本構成において、
「前記背支柱のうち前記肘掛けの凹所が嵌合している部位はその下方の露出部よりも小さい断面積になっており、前記肘掛けの外周面と前記背支柱の露出部とは同一面を成している
という構成になっている。
請求項2の発明は、上記基本構成において、
「前記肘掛けは、前記背支柱に重なる上下長手の基部と、前記基部から手前に延びる上下のアーム部と、前記上下のアーム部の前端に繋がった先端連結部とを有するループ形状になっており、前記基部が、当該基部に前方から挿通されたビスによって前記背支柱に固定されている」
という構成になっている。
請求項の発明は、上記基本構成において、
「前記背支柱の上端部に、少なくとも左右方向の外側に開口した溝が形成されている一方、
前記肘掛けにおける凹部の上端部に、前記背支柱の溝に横から入り込むリブを形成している」
という構成になっている。
請求項の発明は、請求項において、
「前記背支柱の上端部に形成した溝は、前記背もたれを背支柱に対して後傾動可能に連結するための枢支ピンが落とし込まれる軸受け溝である」
という構成になっている。
請求項の発明は、上記基本構成において、
「前記肘掛けのうち前記背支柱の左右側面に重なっている部分の下端は、前記背支柱に形成した段部に重なっており、前記肘掛けの下端と背支柱の段部とは、手前に向けて低くなるように傾斜している」
という構成になっている。
本願発明において、左右の背支柱は背もたれの左右両側に位置しているため、肘掛けに作用した下向きの荷重は、背支柱に対しては、単に前倒れさせるような曲げ力として作用するに過ぎない。このため、過度に頑丈な構造にすることなく、必要な強度を確保できる。換言すると、背支柱は、できるだけスリム化してすっきりさせつつ、肘掛けを、必要な支持強度が保持された状態に取付けることができる。
更に、背支柱と肘掛けとは互いに嵌合しているため、肘掛けと背支柱との一体性を高めて、肘掛けの取付け強度(支持強度)を向上に貢献している。
肘掛けと背支柱との嵌合態様としては、例えば、肘掛けの基部を下向きに開口した筒状に形成し、これを背支柱に上から嵌め込む構造や、背支柱に左右方向の外向きに開口して嵌合溝を形成して、この嵌合溝に肘掛けの基部を横から嵌め込むといった構造も採用できるが、前者の態様では、背支柱は背もたれとの取付け部から上に延出しなければならないため、コンパクト性に欠けたり美観が悪化したりする問題があり、後者の態様では、背支柱を相当に太くせねばならず、スリム化が難しいといった問題がある。
これに対して本願発明のように、肘掛けに、嵌合部として横向き(背もたれに方向に向いた内向き)の凹部を形成してこれを背支柱に横から嵌め込むと、背支柱の高さを高くすることなく肘掛けを取付けできるため、コンパクトで美観も優れたものとすることができる。また、肘掛けの基部は樋状になっていて薄肉でも高い強度を確保できるため(特に、天板の存在によって強度が格段に高くなる)、肘掛けの基部が大型化して美観が低下するといった問題もない。従って、現実性に優れている。更に、ビスは前後方向からねじ込むものであるため、作業性にも優れている。
請求項の構成では、ビスの頭と取付け穴とはアーム部の下方に隠れるため、ビスの頭又は取付け穴が人目に触れて美観が悪化するという問題を防止できる。従って、美観の悪化を招来することなく、肘掛けを背支柱にビス止めすることができる。
肘掛けのアーム部に下向きの荷重が掛かると、肘掛けは、下向き回動させるようなモーメントにより、基部の上端を背支柱から手前に引き離そうとする作用を受ける。この点について、請求項の構成を採用すると、背支柱に形成した溝と肘掛けに形成したリブとが嵌合していることにより、肘掛けの前倒れに対して非常に高い抵抗が発揮される。従って、肘掛けや背支柱をできるだけスリム化しつつ、肘掛けに高い支持強度を保持させることができる。
背支柱の溝は、肘掛けの前倒れに対する抵抗増大のためだけに設けることも可能であるが、請求項のように、枢支ピンの取付けのための軸受け溝を利用すると、構造を複雑にすることなく、肘掛けの支持強度を向上させることができる利点がある。
肘掛けのアーム部に作用した下向きの荷重は、基部の下端を背支柱に押し付けるようにも作用する。従って、肘掛けの基部の下端と背支柱とは、できるだけ広い面積で当接しているのが好ましい。この点、請求項の発明では、肘掛けにおける基部の下端と背支柱の段部とが傾斜しているため、段部が水平である場合に比べて、肘掛けの下端を背支柱の段部で広い範囲で当てることができる。その結果、肘掛けに作用する負担を軽減して、支持強度の向上に貢献できる。
実施形態の外観図で、(A)は肘掛けを設けた状態での斜視図、(B)は肘掛けを設けていない状態での斜視図、(C)は背面斜視図、(D)は座を分離した状態の斜視図である。 (A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図、(D)は背面図である。 (A)は背もたれの一部破断斜視図、(B)は表皮材を省略して背もたれを後ろから見た一部破断斜視図、(C)は背もたれの部分的な分離側面図である。 背もたれの連結構造を示す図で、(A)は前から見た分離斜視図、(B)は背用傾動ユニットの分離斜視図である。 (A)は背もたれの連結手段を示す分離斜視図、(B)(C)は、背支柱とカバーとの関係を示す分離斜視図である。 (A)は肘掛けを取付けた状態の斜視図、(B)は肘掛けを分離した状態の斜視図である。 (A)は肘掛けを分離した状態での斜め後方からの斜視図、(B)は肘掛けを分離した状態での斜め前方からの斜視図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を説明する。本願発明は、オフィス等で使用されている回転椅子に適用している。まず、図1,2を参照して、椅子の概要を説明する。椅子は、座1と背もたれ2と脚装置3とを備えている。脚装置3は、5本の枝杆とガスシリンダよりなる脚支柱4とを備えており、各枝杆の先端にキャスタを設けている一方、脚支柱4の上端にベース(図示せず)を嵌着している。脚支柱4は、座1の前後中間点よりも少し後ろに配置されている。
図示していないが、ベースは平面視四角形(横長長方形) のブロック状の形態であり、ベースに、左右のフロントフレーム(座支柱)6と左右の背支柱(リアフレーム)7とを固定して、フロントフレーム6に座1を前後傾動可能に取付けて、背支柱7の上端部に背もたれ2を後傾動可能に取り付けている。
図1(D)に示すように、フロントフレーム6の上端には前後長手の受け部8が形成されており、座1は、この受け部8に後傾動可能に連結されている。図1(A)、図2(C)に示すように、背支柱7の上端部には、オプション品として肘掛け9を取り付けることができる。この肘掛け9の取付け構造に本願発明が具体化されている。
図2(B)(C)に明示するように、左右の背支柱7は、側面視では上に行くに従って前にずれるように傾斜しており、正面視では、上に行くに従って互いの間隔が広がるように傾斜している。
背支柱7は、図2(B)に明示するように、側面視では、ベース5から後傾姿勢で立ち上がって、概ね座1の高さ位置で前傾姿勢に変わるように屈曲したく字形になっており、正面視では、図2(D)に明示するように、概ね座1の高さまでは上に向けて外広がりに傾斜して、概ね座1よりも上の範囲ではほぼ直立している。
背支柱7の上部は背もたれ2の下部の左右外側に位置しており、背もたれ2は、その下部を支点にして後傾動するように背支柱7の上端部に取付けられている。従って、図2(B)に示すように、背もたれ2の回動支点O1(回動中心)は背もたれ2の肉厚部内に位置している。図2(B)に示すように、座1の回動支点O2も、座1の肉厚部内に位置している。
フロントフレーム6及び背支柱7の下半部は、図1(D)に示すように、いわば対角方向に向けて広がるように、正面視及び側面視で傾斜している。換言すると、フロントフレーム6と背支柱7とは、平面視四角形のベース5のコーナー部から略対角方向に傾斜姿勢で立ち上がっている。更に換言すると、4本のフレーム6,7が、座1の下方においてベース5に向けて収束するような外観を呈している。
左右のフロントフレーム6はアルミダイキャスト品又は樹脂成型品であり、平面視略角形(横長長方形)のフロント基体6aが一体に形成されている。他方、左右の背支柱7は互いに分離しており、それぞれ平面視略四角形のリア基体7aが一体に形成されている。そして、左右のリア基体7aは左右に連続するように重なって、左右のリア基体7aとフロント基体6aとは前後に重なるように重なっている。
従って、フロント基体6aと左右のリア基体7aとの三者は全体として1つの部材を成すかのように重なっており、この三者によってベースがすっぽりと覆われている。従って、2本のフロントフレーム6と2本の背支柱7とは、平面視略四角形の基部から対角方向に傾斜姿勢で立ち上がったような外観を呈しており、ベースは、椅子をひっくり返さないと視認できない状態になっている。
(2).背もたれの取付け構造
次に、背支柱7に対する背もたれ2の取付け構造を、図3~5を参照して説明する。図3(A)に示すように、背もたれ2は、樹脂製の背インナーシェル10の前面に背クッション11を重ね配置した構造であり、背インナーシェル10の左右側部が、背用傾動ユニット12を介して背支柱7の上端部に後傾動可能に取付けられている。背クッション11は、クロス等の表皮材で覆われている。また、背インナーシェル10の背面も表皮材で覆われている。従って、表皮材は袋状に形成されている。
例えば図4に示すように、背用傾動ユニット12は、背インナーシェル10と一体に動くアウターブラケット13と、アウターブラケット13の内部に配置されていて背支柱7に固定されたインナーブラケット14と、アウターブラケット13の外側面に重ね配置されたサイドブラケット15とを備えており、これらは、背インナーシェル10の曲がりに合わせて、側面視で略く字形になっている。
背インナーシェル10の屈曲部には、アウターブラケット13が嵌まり込む凹所16を形成している。サイドブラケット15の下半部には外向き凸部15aが形成されており、図3(C)に示すように、サイドブラケット15は、外向き凸部15aのみが背インナーシェル10の外側にはみ出ており、外向き凸部15aが、背支柱7の内側面に当接又は密接している。
アウターブラケット13とインナーブラケット14とは、左右横長の枢支ピン17によって連結されており、かつ、アウターブラケット13とインナーブラケット14との間には、枢支ピン17よりも上の位置においてばね(図示せず)が配置されている。図4(B)に示すように、アウターブラケット13とインナーブラケット14とには、ばねを位置決めするバーリング部19が形成されている。
アウターブラケット13とインナーブラケット14とは、それぞれ側板13a,14aとを備えている。また、アウターブラケット13は、前面板13bと後面板13cも有していて全体として筒状に形成されており、インナーブラケット14は樋状に形成されている。
図3(A)に示すように、背インナーシェル10の背面のうち屈曲部の箇所には、左右横長の補強板20が重ね配置されており、図4(A)から理解できるように、補強板20の端部と、背インナーシェル10と、アウターブラケット13の後面板13cの上部及び下部とが、ビス21で共締めされている。
図3(B)のとおり、背インナーシェル10の背面には、補強板20をずれ不能に保持する凹溝22が形成されており、補強板20は、凹溝22に設けた位置決め突起23によっても位置決めされている。
補強板20の左右両端には、アウターブラケット13の下端まで延びる下向き張り出し部20aが形成されており、下向き張り出し部20aが、下部のビス21によって背インナーシェルとアウターブラケット13とに共締めされている。着座した人が背もたれ2にもたれ掛かると、背もたれ2の下端部には大きなモーメントが掛かるが、補強板20が存在するため、モーメントに抵抗する強度を確保できる。
例えば図4(B)に示すように、アウターブラケット13の後面板13cには、後ろ向きに開口した透かし穴24が形成されており、ビス21による締結は、透かし穴24を挟んだ上と下との上下2か所において行われている。枢支ピン17は、アウターブラケット13とインナーブラケット14とにきっちり挿通している。
また、枢支ピン17は、サイドブラケット15における外向き凸部15aの外側にはみ出た露出部を備えており、この露出部が、背支柱7に形成した軸受け溝25に落とし込みによって嵌め込まれている。図5(B)に示すように、軸受け溝25は、手前と左右両側とに開口しつつ、下方に入り込んで背もたれ2に向けて内向きに開口した深溝部25aを有しており、枢支ピン17の露出部は深溝部25aによって安定的に支持されている。
敢えて述べるまでもないが、背用傾動ユニット12を先に背インナーシェル10の凹所16にセットしておく一方、背支柱7は予め所定の状態に取り付けておいて、枢支ピン17の露出部を手前から軸受け溝25に嵌め入れて深溝部25aに落とし込むことにより、背もたれ2は、背支柱7の上端部に回動可能に取付けられる。
既述のとおり,枢支ピン17は、インナーブラケット14にも貫通している。そして、図4に明示するように、背支柱7のうち軸受け溝25よりも下方の部位に外側から横向きボルト26が挿通されていて、横向きボルト26が、インナーブラケット14の内側板14aにねじ込まれている。
横向きボルト26は段付きボルトであり、インナーブラケット14にねじ込みきると、インナーブラケット14は、アウターブラケット13の外側板13aとの間に僅かのクリアランスを保持した状態で、背支柱7に連結されている。従って、インナーブラケット14は、アウターブラケット13の内部に配置されているものの、横向きボルト26によって前後動不能及び上下動に保持されて背支柱7と一体化しており、結果として、枢支ピン17も軸受け溝25から抜け不能に保持されている。また、アウターブラケット13は、ばね18を圧縮させて後傾可能になっている。
図4(B)から理解できるように、サイドブラケット15の上端部と下端部とには、アウターブラケット13に向けて突出した上下の係合爪27が形成されている一方、アウターブラケット13の外側の側板13aには、係合爪27が係合する係合穴28を形成している。
従って、サイドブラケット15は、アウターブラケット13と一体に回動する。そして、横向きボルト26はサイドブラケット15とアウターブラケット13とに貫通しているので、サイドブラケット15及びアウターブラケット13が背もたれ2と一体に回動することを許容するため、サイドブラケット15とアウターブラケット13とには、枢支ピン17を曲率半径の中心とした円弧穴29が空いている。
(3).上カバー
図1(A)のとおり、背支柱7の上端部に肘掛け9を取り付けることができるが、肘掛け9を取付けない状態では、例えば図5に示すように、背支柱7の上部は上カバー30で覆われている。上カバー30の外面は、背支柱7のうち上カバー30の下方に露出した部位と同一面になっている。従って、例えば図4(A)に明示するように、背支柱7のうち上カバー30で覆われている上部7cは、段部7bを介して少し細くなっている。段部7bのうち背支柱7の外面に位置した部分は、手前に向けて低くなる(後ろに向けて高くなる)ように傾斜している。
例えば図5に明示するように、上カバー30は、背支柱7を左右外側から覆うように溝形になっている。すなわち、背支柱7の上部7cの前後外面に重なる前後の側板30aと、背支柱7の上面に重なる天板30bと、背支柱7の上部7cの横向き外面に重なる外板30cとを有しており、内側と下方とに開口している。
そして、例えば図5のとおり、外板30cの内面に、横向きに突出した前後の係合爪31が固定されている一方、背支柱7の前後両面に、横向き係合爪31が嵌まり係合する前後の切り開き溝32を形成している。前後の横向き係合爪31は、板状のジョイント部31aを介して一体に繋がっており、ジョイント部31aが、1本の横向きビス33によって、上カバー30の外板30cに固定されている。
従って、上カバー30の外板30cには、横向きビス33がねじ込まれるボス部34を形成している。なお、図5(B)(C)に示すように、上カバー30における外板30cの内面には、縦横に延びる多数のリブ(或いは多数の角形凹部)を形成している。他方、背支柱7の上部7cに形成した切り開き溝32のうち背もたれ2に近い端部には、係合爪31の鉤部が嵌合する係合段部32aを形成している。
図5(B)(C)のとおり、上カバー30の内部には、背支柱7の軸受け溝25に嵌合する第1リブ36を形成している。また、背支柱7における上部7cのうち軸受け溝25よりも上の部分が、手前側にカットされていて前後厚さが小さくなっていることから、上カバー30の内部には、背支柱7の上部7cのカット部と嵌合する第2リブ37が形成されており、第1リブ36と第2リブ37とは一体に連続している。第1リブ36が軸受け溝25に嵌まり込でいることにより、上カバー30は上向き移動不能に保持されている。
(4).肘掛け及びその取付け構造
次に、肘掛け9とその取付け構造を、図6,7を参照して説明する。肘掛け9は固定式であり、前後に長いループ状になっている。すなわち、肘掛け9は、背支柱7の上部に重なる基部9aと、これから前向きに突出した上下のアーム部9b,9cと、上下のアーム部9b,9cの前端に繋がった先端連結部9dとで前後長手のループ形状になっている。基部9aの下端は、下アーム部9cの下方に突出した下向き突出部9eになっている。
肘掛け9は、合成樹脂製でもよいしアルミダイキャスト製であってもよい。また、上アーム部9bの上面に、エラストマー等のクッション層を設けることも可能である。
肘掛け9の基部9aは、上カバー30と同様に、左右外側から背支柱7の上部7cに嵌め込む(被嵌する)ようになっている。従って、肘掛け9の基部9aには、背支柱7の上部7cが入り込む凹部38を横向きに開口するように形成している。従って、肘掛け9の基部9aは天板を有していて、頑丈な構造になっている。また、基部9aは、これに手前から挿通される上下のビス39,40によって、背支柱7の上部7cに固定されている。
従って、肘掛け9の基部9aのうち凹部38の手前の部位には、ビス39,40が挿通する取付け穴41,42が前後に貫通して、背支柱7の上部7cには、ビス39,40がねじ込まれるタップ穴43が空いている。取付け穴41,42には、ビス39,40の頭が入り込む座繰り穴を形成している。従って、ビス39,40の頭を取付け穴41,42から殆ど露出しておらず、美観の問題は生じない。
美観の点について更に補足しておく。人が肘掛け9を見る場合、立った状態で見るにしても、他の椅子に腰掛けた状態で見るにしても、通常は、肘掛け9は人の頭よりも低い位置にあるため、人の視線は肘掛け9に対して斜め下向きに向いている。従って、取付け穴41,42は、肘掛け9の前向きアーム部9b,9cの影に隠れて殆ど視認できない。
特に、下部の取付け穴42は、下部のアーム部9cと下向き突出部9eとの連設部に形成されているため、人は身体を屈めて下方から覗き見ない限り、下部の取付け穴42を視認することはできない。従って、現実的には、下部の取付け穴42が人目に触れることは皆無であるといえる。結局、取付け穴41,42に起因した美観の悪化は、現実には生じないといえる。
アーム部9b,9cと前後に長いため、上部のビス39を動力式ドライバ工具(レンチ)で回転操作するにおいて、ドライバ工具の配置スペースは十分に確保されている。下部のアーム部9bの下方はオープンの空間になっているので、下部のビス40の回転操作は支障なく行える。従って、肘掛け9の取付け作業は容易に行える。
肘掛け9の凹部38にも、上カバー30と同様に、背支柱7の軸受け溝25に嵌合する第1リブ36と、背支柱7の上部7cのカット部と嵌合する第2リブ37とが形成されており、第1リブ36と第2リブ37とは一体に連続している。第1リブ36が軸受け溝25に嵌まり込でいることにより、肘掛け9は上下動不能に保持されている。
肘掛け9に下向きのモーメントが掛かるため、肘掛け9の基部9aは、その上端を背支柱7から手前に引き離そうとする作用を受けるが、肘掛け9の第1リブ36が背支柱7の軸受け溝25に嵌まっているため、肘掛け9に対して下向きモーメントが掛かっても、第1リブ36が引き離しに対する大きな抵抗として機能する。従って、肘掛け9で支持できる荷重を格段に高めて、高い信頼性を確保することができる。
また、第2リブ37の箇所は必然的に厚くなっているが、上部の取付け穴41は第2リブ37の箇所に設けているため、ビス39の頭を隠す座繰り穴を上部の取付け穴41に形成しても、強度低下の問題は生じない。従って、第2リブ37も、肘掛け9の取付け強度向上に貢献している。
肘掛け9に下向きの荷重が作用すると、基部9aは、その下端が背支柱7に対して押し付けられるような作用を受ける。そして、本実施形態では、図7に示すように、背支柱7における段部7bの側部と、肘掛け9における下端面の側部9fとは、手前に向けて低くなるように傾斜しているため、肘掛け9の下端と背支柱7の段部7bとが前後方向に広い範囲で当接する。その結果、肘掛け9の下端に対する負担を軽減して、支持強度の向上に貢献できる。
肘掛け9の基部9aは背支柱7の上部7cに嵌合しているため、肘掛け9の基部9aの外周面は、カバー30の場合と同様に、背支柱7のうち基部9aの下方に露出した部位と同一面を成している。
(4).その他
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、他にも様々に具体化できる。例えば、肘掛けはループ構造である必要はないのであり、略L字状であってもよい。また、高さ調節できる構造や、アーム部を上向きに跳ね上げできる構造も採用できる。
実施形態では、背支柱は略角柱状になっているが、円形な楕円などの形状も採用可能である。
また、本願発明の適用対象は回転椅子には限らず、会議用などに多用されている固定脚式椅子にも適用できる。背もたれ(及び座)の構造も、任意に設定できる。例えば、フレームにメッシュを張った構造も採用できる。また、敢えて述べるまでもないが、本願発明は、背もたれがロッキングしないタイプの椅子にも適用できる。
本願発明は、椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
2 背もたれ
7 背支柱
7b 段部
9 肘掛け
9a 基部
9b,9c アーム部
9d 先端連結部
9f 傾斜した下端面
10 背インナーシェル
11 背クッション
12 背用傾動ユニット
17 枢支ピン
25 軸受け溝
30 上カバー
36,37 リブ
38 凹部
39,40 ビス
41,42 取付け穴(ビス挿通穴)
43 タップ穴

Claims (5)

  1. 背もたれの左右両側方に立設されて前記背もたれが取り付けられた背支柱と、前記背支柱に固定された肘掛けとを有して、
    前記肘掛けには、左右方向の外側から移動させて前記背支柱に嵌合するように凹所が形成されて、前記肘掛けを前記背支柱に嵌合させた状態で、前記背支柱の前後両面と上面と側面とが前記肘掛けで覆われており、
    前記肘掛けは、前記凹所を挟んだ前後両側のうちいずれか一方又は両方がビスで前記背支柱に固定されている、という構成であって、
    前記背支柱のうち前記肘掛けの凹所が嵌合している部位はその下方の露出部よりも小さい断面積になっており、前記肘掛けの外周面と前記背支柱の露出部とは同一面を成している、
    椅子。
  2. 背もたれの左右両側方に立設されて前記背もたれが取り付けられた背支柱と、前記背支柱に固定された肘掛けとを有して、
    前記肘掛けには、左右方向の外側から移動させて前記背支柱に嵌合するように凹所が形成されて、前記肘掛けを前記背支柱に嵌合させた状態で、前記背支柱の前後両面と上面と側面とが前記肘掛けで覆われており、
    前記肘掛けは、前記凹所を挟んだ前後両側のうちいずれか一方又は両方がビスで前記背支柱に固定されている、という構成であって、
    前記肘掛けは、前記背支柱に重なる上下長手の基部と、前記基部から手前に延びる上下のアーム部と、前記上下のアーム部の前端に繋がった先端連結部とを有するループ形状になっており、前記基部が、当該基部に前方から挿通されたビスによって前記背支柱に固定されている、
    椅子
  3. 背もたれの左右両側方に立設されて前記背もたれが取り付けられた背支柱と、前記背支柱に固定された肘掛けとを有して、
    前記肘掛けには、左右方向の外側から移動させて前記背支柱に嵌合するように凹所が形成されて、前記肘掛けを前記背支柱に嵌合させた状態で、前記背支柱の前後両面と上面と側面とが前記肘掛けで覆われており、
    前記肘掛けは、前記凹所を挟んだ前後両側のうちいずれか一方又は両方がビスで前記背支柱に固定されている、という構成であって、
    前記背支柱の上端部に、少なくとも左右方向の外側に開口した溝が形成されている一方、
    前記肘掛けにおける凹部の上端部に、前記背支柱の溝に横から入り込むリブを形成している、
    椅子
  4. 前記背支柱の上端部に形成した溝は、前記背もたれを背支柱に対して後傾動可能に連結するための枢支ピンが落とし込まれる軸受け溝である、
    請求項3に記載した椅子。
  5. 背もたれの左右両側方に立設されて前記背もたれが取り付けられた背支柱と、前記背支柱に固定された肘掛けとを有して、
    前記肘掛けには、左右方向の外側から移動させて前記背支柱に嵌合するように凹所が形成されて、前記肘掛けを前記背支柱に嵌合させた状態で、前記背支柱の前後両面と上面と側面とが前記肘掛けで覆われており、
    前記肘掛けは、前記凹所を挟んだ前後両側のうちいずれか一方又は両方がビスで前記背支柱に固定されている、という構成であって、
    前記肘掛けのうち前記背支柱の左右側面に重なっている部分の下端は、前記背支柱に形成した段部に重なっており、前記肘掛けの下端と背支柱の段部とは、手前に向けて低くなるように傾斜している、
    椅子。
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