JP5078390B2 - 椅子 - Google Patents

椅子 Download PDF

Info

Publication number
JP5078390B2
JP5078390B2 JP2007048701A JP2007048701A JP5078390B2 JP 5078390 B2 JP5078390 B2 JP 5078390B2 JP 2007048701 A JP2007048701 A JP 2007048701A JP 2007048701 A JP2007048701 A JP 2007048701A JP 5078390 B2 JP5078390 B2 JP 5078390B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
tilting frame
view
tilting
standing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007048701A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008132297A (ja
Inventor
智士 管
信治 井上
潤 龍野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Itoki Corp
Original Assignee
Itoki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Itoki Corp filed Critical Itoki Corp
Priority to JP2007048701A priority Critical patent/JP5078390B2/ja
Publication of JP2008132297A publication Critical patent/JP2008132297A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5078390B2 publication Critical patent/JP5078390B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本願発明は、後傾動可能な背フレームに背もたれを取り付けているロッキング椅子に関するものである。
椅子において、背もたれを後傾動させるための機構として、後傾動する背フレームに背もたれを取り付けたものがある(背フレームはばね手段に抗して後傾動する。)。この場合は、背フレームを全体として一体に製造する場合と、複数の部材からなる複合品として製造する場合とがある。
背フレームを複数の部材からなる複合品として製造すると、各部材が小さくなるため製造・加工の手間が省ける利点や、背フレームを強度が必要な部分は金属製として他の部分は軽量な樹脂製にするというように素材の特性を活かせるといった利点がある。背フレームはかなり大きな寸法があるため、全体をダイキャストや射出成形で製造するとおおがかりな設備が必要になり、このため、加工・製造の面において複数の部材に分離するのはメリットがあると言える。
背フレームを複数の部材で構成する場合、部材の相互間は互いに重ね合わせてねじ類等のファスナーで締結する必要がある。その例として特許文献1には、座が固定されているベース部材に後傾動可能に連結された後部支持体に左右一対の起立部を設ける一方、背支柱を左右の縦枠部とその上端に連結した水平部とを有する背面視で下向き開口コ字状に形成して、背支柱の左右縦枠部を後部支持体の左右起立部にボルト(ビス)で締結することが記載されている。更に、この特許文献1では、背支柱の縦枠部と後部支持体の起立部とは、背支柱の縦枠部が前に位置する状態で前後に重なり合っており、両者を前後方向に延びる姿勢のボルトで締結している。
特許第3278170号公報
背もたれには人の体圧が大きな荷重として作用するが、この荷重は背フレームの下部に大きなモーメントとして作用する。従って、背フレームは堅牢な構造になっている必要があり、複数の部材を締結して構成されている場合、その締結部は十分な強度を要する必要がある。
しかして、特許文献1のように背支柱の縦枠部と後部支持体の起立部とが前後に重なり合っているに過ぎない構成では、背支柱に作用した荷重は背支柱の縦枠部と後部支持体の起立部とに単純な曲げ力として作用するに過ぎないため、十分な強度を得るには背支柱と後部支持体との重合部を分厚い構造にしなければならず、また、ボルトには背支柱に作用した荷重が軸方向の力として作用するが、ボルトによる縦枠及び背支柱の支持面積はだいたい決まっている(頭の座面の面積はおおむね決まっている)ため、高い締結強度を得るにはボルトの本数を増やさねばならないという問題である。
例えば事務用に多用されているロッキング式の回転椅子では、背もたれは大きな角度で後傾するが、背もたれの後傾角度が大きくなるとそれだけ背フレームに作用するモーメントは大きくなるため、背フレームを複数の部材で構成している場合の連結部の強度保持は椅子を設計する上で必要不可欠の問題として要請されるが、特許文献のような単純な締結構造ではこのような要請に応えることはできないと言える。
更に述べると、特許文献1では背支柱の縦枠部は後部支持体の前面に重なっているため、ロッキングによって背もたれに作用した荷重(背もたれ荷重)により、背支柱の縦枠部は後部支持体の上端を支点にして回動する(後傾動する)傾向を呈し、そのため、ロッキングにより背もたれに作用するモーメントは、背支柱の縦枠部を後部支持体から離反させるように作用する。このためボルトに大きな負担が掛かって、高い締結強度を確保し難いと言える。
本願発明は、このような現状に鑑み成されたものであり、傾動フレームに背支柱を固定することで背フレームを構成している椅子において、傾動フレームと背支柱との締結部を、ロッキングに際してのモーメントを的確に支持して高い締結強度を確保できる構成とすることを課題とするものである。
本願発明は、「ベースに後傾動可能に連結された傾動フレームと、前記傾動フレームの後端部に固定された背支柱と、前記背支柱に取り付けた背もたれとを備えており、前記傾動フレームと背支柱とで背フレームが構成されている」という基本構成の椅子を対象にしている。
そして、請求項1の発明では、前記傾動フレームは、前記ベースから後方に延びる主部とこの主部の後端から略上向きに延びる起立部とを備えており、前記傾動フレームの起立部は非傾動状態において側面視で鉛直線に対して前傾姿勢になっている一方、前記背支柱の下部は前記傾動フレームの起立部に後方から重なる重合部になっており、前記傾動フレームの起立部と背支柱の下部とが前後離反不能に固定されている。
更に、前記傾動フレームの起立部には、上向きに突出したボス部が、当該ボス部と前記起立部とで側面視でく字の形態を成すように形成されている一方、前記背支柱には、前記ボス部に上から嵌合する中空部が、前記重合部と連続した状態に形成されており、着座した人のもたれ掛かりで前記背支柱に作用したモーメントが前記重合部を介して前記起立部の背面に作用するようになっている。なお、前記中空部は「袋状部」又は「ポケット部」と呼ぶことも可能である。
請求項2の発明は、請求項1において、前記起立部のうちボス部の左右両側に、前記背フレームの重合部が重なる背面が存在している。また、請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記背支柱の中空部と下重合部とも全体として側面視で後ろ向き凹状に屈曲した略くの字の形態を成しており、前記背支柱の中空部と下重合部とのいずれか一方又は両方がねじで前記傾動フレームに固定されている。
人が背もたれに凭れかかることによる荷重(背もたれ荷重)は背支柱を後ろに倒す外力として作用する。従って、特許文献1のように単に後部支持体の起立部と背支柱とが前後に重なっているに過ぎない構成では、背支柱はその下端を中心にして後部支持体の起立部から後ろ側に離反する傾向を呈し、その結果、ボルトにも過大な負担がかかる。
これに対して本願発明では、傾動フレームの起立部が側面視で前傾していることと、背支柱の下部(重合部)が傾動フレームの起立部に後方から重なっていることとの相乗効果により、ロッキングによって背もたれに作用したモーメントは背支柱の下部を傾動フレームの起立部に後方から押し付ける(密着させる)ように作用し、その結果、傾動フレームの起立部と背支柱の下部とは、多数本のボルトで締結するというような過度の固定手段を講じることなくしっかりと固定された状態に保持される。
更に、傾動フレームのボス部と背支柱の筒状部とが嵌合していることにより、背支柱は起立部から離反することが阻止されているのであり、これに加えて、筒状部から下重合部が下向きに延びているため、筒状部に作用するモーメント(負担)は小さくなり、その結果、特許文献1に比べて格段に高い耐荷重強度を確保することができる。また、背支柱の筒状部が傾動フレームのボス部に嵌まることで背支柱は自動的に位置決めされるため、椅子の組み立ての手間も軽減できる。
椅子の背もたれは非ロッキング状態で若干後傾していることが殆どである。また、椅子の背もたれの下部は側面視で前向き突状に湾曲(又は屈曲)していることも多い(主として、人の腰部を支えるランバーサポート機能を確保するためである。)。従って、背フレームを傾動フレームと背支柱とで構成して、背支柱を後傾姿勢とする一方、傾動フレームの後端部は側面視で前傾姿勢に形成すると、傾動フレームは座と干渉することを回避できると共に背もたれの形状への追従性も確保できて好適であると言える。
そして、仮に、背支柱の筒部を傾動フレームのボス部に嵌めただけの形態であって背支柱に下重合部が存在しない場合は、傾動フレームの後部を前傾姿勢に形成すると、背支柱の下部を前傾姿勢の筒部に形成してこれを傾動フレームの後部に嵌め込む構造を採用せざるを得ず、すると、背支柱の下端部に荷重が集中して強度が低下する。これに対して本願発明では、背支柱に下重合部が存在するため高い強度を確保することができる。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図10では第1実施形態(主たる実施形態)を示している。本実施形態は事務用に多用されている回転椅子に適用しており、まず、椅子の概要を図1,2に基づいて説明する。図1のうち(A)は前方から見た斜視図、(B)は右側面図、図2のうち(A)は背面図、(B)は後方から見た斜視図である。
(1).概要
椅子は、脚1と座2と背もたれ3とを備えている。脚1は、放射状に延びる枝足4とガスシリンダよりなる脚支柱5とを備えており、脚支柱5の上端には上向き開口箱状のベース6が固定されている。背もたれ3は、その全体がエラストマーを配合した樹脂板からなっており、一般成人が両手で持ってごく軽い力で折り曲げできるほどの柔軟性を有している。
ベース6の後端部でかつ左右両側部には、側面視で略後傾姿勢の左右一対の傾動フレーム7が左右長手の軸(図示せず)によって連結されている。傾動フレーム7の後端には上下長手の背支柱8がボルトで固定されており、背支柱8の上端部に背もたれ3の上部が固定されている。傾動フレーム7はアルミ等の金属製(ダイキャスト製品)で、背支柱8は合成樹脂製であり、傾動フレーム7と背支柱8とで背フレーム(バックフレームと呼んでも良い)が構成されている。
座2は、ベース6の前部に連結した左右一対のフロントリンク9と、傾動フレーム材7に回動自在に取り付けられた左右一対のリアリンク10とに連結されており、人が腰掛けると、座2は、リンク9,10の回動によって下降しつつ後退動する。
他方、背もたれ3の下部はアッパーリンク11及びロアリンク12によって連結されており、人が着座して座2が下降すると背もたれ3の下部が前進動するようになっている。従って、人が浅く腰掛けても、背もたれ3の下部のランバーサポート部3a(側面視で前向き突状に湾曲している部分)で人の腰が支えられる。左右傾動フレーム材7の前部にはそれぞれ肘掛け装置13を取り付けている。
また、図2(B)から理解できるように、アッパーリンク11は平面視で前向き凹状に湾曲した弓形に形成されており、その左右両端部が背もたれ3におけるランバーサポート部3aの左右両端部に連結されている。このため、ランバーサポート部3aは人の体圧によって伸び変形し得る。このためフィット性に優れている。特に、ロッキングに際してはランバーサポート部3aが伸び変形することで背もたれ3は側面視で平坦状に伸びる傾向を呈しており、このため、非ロッキング時にはランバーサポート機能を発揮しつつ、ロッキング時には人の背は全体にわたって違和感のない状態に支えられる。
左右の傾動フレーム7の間には、座2の下降動によって背もたれ3のランバーサポート部3aを前進させる連動装置が配置されており、アッパーリンク11とロアリンク12とは、連動装置を構成する前後傾動式で上下長手のバックリンク14(図2(B)参照)に連結されている。なお、背もたれ3のランバーサポート部3aは前進した位置に固定的に保持される訳ではなく、ある程度の後ろ向き外力がかかるとばね手段に抗して後退し得る(人が椅子に深く腰掛けると、ランバーサポート3aは前進しない。)。
図2から理解できるように、背支柱8は、上下長手の左右の縦枠8a、左右縦枠8aの下端に一体に繋がった下水平枠8b、左右縦枠8aの上端に一体に繋がった上水平枠8c、の4つの部分を備えており、全体として前後開口の四角枠状になっている。そして、上水平枠8cに、背もたれ板3の背面に重なる横長長方形のアッパープレート8dを一体に形成している。アッパープレート8dは左右縦枠8aの左右外側に張り出しており、背もたれ板3の左右横幅とほぼ同じ(若干だけ短い)幅寸法になっている。アッパープレート8dは大小のカバー15,16で覆われている。
次に、図3以下の図面も参照して、傾動フレーム7及び背支柱8の構造の詳細と連結構造を説明する。図3は傾動フレーム7の斜視図、図4のうち(A)は傾動フレーム7を内側から側面図(実際の姿勢より寝かせて描いている)、(B)は傾動フレーム7の平面図、図5は背支柱8の一部省略部分斜視図、図6のうち(A)は傾動フレーム7に背支柱8を固定した状態での背面図、(B)は傾動フレーム7の背面図、(C)は背支柱8の部分的な背面図である。
更に、図7のうち(A)は傾動フレーム7に背支柱8を締結した状態での側面図、(B)は背支柱8の部分側面図、(C)は(B)のC−C視図、(D)は(C)のD−D視断面図、図8は傾動フレーム7と背支柱8との分離側断面図、図9のうち(A)は傾動フレーム7と背支柱8とを締結した状態での縦断側面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
(2).傾動フレーム
まず、傾動フレーム7の構造を説明する。図3,4に示すように、傾動フレーム7は、側面視で水平に対して例えば25〜30°程度の角度で後傾した主部7aと、主部7aの後端から前傾姿勢で立ち上がった起立部7bと、起立部7bから略鉛直に近い姿勢で立ち上がったボス部7cとで構成されており、全体としては側面視略L字状になっており、後部のみを見ると、起立部7bとボス部7cとが略くの字状の形態になっている。主部7aと起立部7bとは側面視で略直交している。従って、非ロッキング状態において起立部7bが鉛直線に対して前傾した角度は25〜30°程度になっている。以下、具体的な構造を説明する。
主部7aの前端部には、ベース6に連結するための軸が嵌まる軸受け穴18が形成されており、軸受け穴18のやや後部でかつ上部には、背もたれ3の後傾動に連動して座2を後退及び後傾させるためのシンクロ用軸が嵌まる軸受け筒部19が形成されており、更に、前部には、肘装置13を取り付けるための中空状の肘受け部20が左右外向きに張り出した状態に一体に形成されている。また、主部7aの内側部には、既述した連動装置を構成する受け部材(図示せず)を固定するための受け部21が形成されている。主部7aは内向き開口の中空状で内部には補強リブ22が形成されている。
傾動フレーム7の起立部7bは主部7aと略同じ程度の横幅になっており、背面はフラットになっている。また、起立部7bと主部7aとが繋がっているコーナー部の外角部には、側断面視で後傾状の底面23aを有する下切欠き部23が形成されている。そして、下切欠き部23の手前側に横向き開口の下ナット収納穴24が形成されており、下ナット収納穴24と下切欠き部23とを連通するボルト挿入穴25が空いている。下ナット収納穴24には六角ナット26を横方向から嵌め入れることができる。
下ナット収納穴24は主部7aの後部空所27と連通しているが、必ずしも連通させる必要はない。なお、下切欠き部23の底面23aは側面視において主部7aの下面に対して55°前後の角度で傾斜しており、また、下切欠き部23の底面23aは側面視でボス部35の延び方向と平行に延びている。
例えば図4(B)や図6(B)から理解できるように、傾動フレーム7のボス部35は起立部7bよりも幅狭であり、かつ、起立部7bの背面28はボス部35の左右外側に広がっている。従って、図6(B)に示すように、起立部7bの背面28は背面視で上向き開口コ字状の形態を成しており、この背面28の下部に下切欠き部23が形成された状態になっている。
例えば図4や図8に明示されているように、傾動フレーム7のボス部7cは、側面視で先窄まり形状の基部29と、側面視で略平行形状な先端部30とを備えており、全体としては先窄まり形態になっている。基部29の上面と先端部30の上面とは側面視でくの字状に屈曲しているが、基部29の背面と先端部30の反面とは滑らかに連続している。また、図6(B)や図9(B)から理解できるように、ボス部7cは、平断面視で後ろ側が幅狭の台形に近い断面形状になっている。
そして、ボス部7cを構成する基部29の下端部には、左右片側に開口した上ナット収納穴32と、上ナット収納穴32に連通して手間側に開口した上ボルト挿通穴33とが形成されている。図9(C)に示すように、上ナット収納穴32の内部には、ナット34の挿入位置を規制するストッパー部35が形成されている。また、上ボルト挿通穴33の軸線は側面視で水平に対してやや後傾姿勢になっている。また、基部29のうち上ボルト挿通穴33が開口している部分は、ナット34の座面と平行な段部36になっている。
図3から容易に理解できるように、起立部7bの上面には逆台形状の上向き凹所37が形成されている。また、起立部7bの背面28には、ボス部7cに連続して下向きに延びる尾根部38が一体に形成されている。ボス部7c及び尾根部38には、左右両側に開口した横向き凹所39が形成されている。
(3).背支柱及びその締結構造
次に、背支柱8の形態と締結構造とを説明する。例えば図5や図7(D)に示すように、背支柱8の縦枠8aは前向きに開口した樋状に形成されており、その内部には多数の補強リブ41が形成されている(図5において右側の縦枠8aの凹所とリブは省略している。)。また、背支柱8の下水平部8bも前向きに開口した樋状になっており、その内部にも補強リブ41が形成されている。
背支柱8における縦枠8aの下部は、傾動フレーム7における起立部7bとボス部7cとの側面視形態に倣って側面視で略くの字状の形態を成している。すなわち、背支柱8の縦枠8aは、その下端部を構成する前傾部42とこれに連続した後傾部43とで側面視略くの字の形態を成している。本実施形態では、前傾部42が請求項に記載した下重合部に該当する。そして、後傾部43の下部は、傾動フレーム7のボス部7cに嵌合する下向き開口の中空部(筒状部)43aになっており、縦枠8aの前傾部42は前向きに開口した樋状に形成されている。
図8及び図9(A)から理解できるように、縦枠8aの中空部43aは傾動フレーム7のボス部7cにきっちり嵌合するようになっている。他方、縦枠8aの前傾部42は、傾動フレーム7の尾根部38を覆った状態で起立部7bの背面28に密着している、また、傾動フレーム7における起立部7bの左右側面と背支柱8における前傾部42の左右側面とは略同一面状に揃っている。
例えば図8や図9(A)に示すように、背支柱8における中空部43aの前壁部下端には、傾動フレーム7における起立部7bの上向き凹所37に嵌合する突部43が形成されている。かつ、背支柱8における中空部43aの前壁部下端部には、ボス部7cの付け根箇所の段部36に嵌合する段違い部44が形成されており、この段違い部44にボルト挿通穴45が空いている。段違い部44の前面にはボルト46の頭が嵌まる座ぐり穴47が形成されている。
背支柱8における前傾部42の下端には、傾動フレーム7の下切欠き部23に後方から嵌合する下突起部48が形成されている。下突起部48は略袋状に形成されており、また、下切欠き部23の底に重なる下向き開口袋状の下重合部48aを備えており、下重合部48aにボルト挿通穴49が空いている。下重合部48aにはボルト50の頭が入り込むようになっている。
(4).まとめ
以上の説明から既に理解できているように、背支柱8は、その中空部43aを傾動フレーム7のボス部7cに挿入してから、上下のボルト46,50をナット34,26にねじ込むことにより、傾動フレーム7に締結される。そして、図9(A)に白抜き矢印Aで示すように、ロッキングによって背支柱8には後ろ向きの外力が作用するが、背支柱8の中空部43aが傾動フレーム7のボス部7cに嵌まっているため、背もたれ荷重に対して高い支持強度が保持されている。
また、上下のボルト46,50はボス部7cに対する背支柱8の差し込み方向と略直交した方向に延びる姿勢になっているため、特に中空部43aがボス部7cにしっかりと固定されることになり、その結果、特定箇所に外力が集中することを抑制して高い締結強度を得ることができる。また、本実施形態のように上部のボルト46を前方からねじ込むと、中空部43aの前板がボス部7cにしっかりと固定されるため、中空部43aが変形することを抑制していっそう高い強度を確保できる。
なお、傾動フレーム7に雌ねじ穴を形成してこれにボルト46,50をねじ込むことも可能であるが、本実施形態のように構成すると、ナット収納穴24,32は傾動フレーム7のダイキャスト加工で形成されるため、加工の手間を抑制できる利点がある。本実施形態のように背支柱8の縦枠8aにリブ41を形成すると、縦枠8aのねじれ等に対する強度が格段に向上する利点がある。
仮に中空部43aとボス部7cのみの嵌合に過ぎない場合は、本実施形態のように傾動フレーム7の後部がくの字状に形成されていると、中空部43aとボス部7cとの嵌まり合い寸法を大きくできないため高い締結強度を確保することができないが、本実施形態では、背支柱8は中空部43aから下方に延びる前傾部42を有しており、この前傾部42の存在によって背支柱8と傾動フレーム7との重合部の上下長さを格段に長くできるため、締結強度が格段に高くなるのである。
また、傾動フレーム7の後部(起立部7bとボス部7cとからなる略上向き姿勢の後部)を略くの字状に形成すると、傾動フレーム7と背支柱8とからなる背支持フレームは背もたれの形態に倣った自然なプロフィールになるが、本願発明では、背支柱8の前傾部42が中空部43aの下方においても傾動フレーム7に重なっているため、傾動フレーム7の起立部7bとボス部7cとが側面視で屈曲した姿勢であっても、背もたれ荷重の大きなモーメントに抗し得る高い強度を得ることができるのである。
なお、傾動フレーム7における起立部7bが鉛直線に対して前傾した角度(或いは背支柱8における縦枠8aの前傾部42が鉛直線に対して前傾した角度)は背もたれ3の形状等に応じて任意に設定できる。実施形態では既述のとおり25〜30°程度になっているが、例えば10〜35度程度と成すことも可能である。
本実施形態のように傾動フレーム7の後部及び背支柱8の下部とが側面視でくの字状の形態になっていると、ロッキングに伴う荷重(モーメント)は背支柱8の前傾部42を傾動フレーム7の起立部7bに対して密着させるように作用するため、すなわち、モーメントが広い面積にわたって分散して支持されるため、支持強度がいっそう向上する利点がある。この点も含めて、起立部7bを前傾させたことの利点を図10の模式図に基づいて説明する。
図10のうち(A)では本実施形態における傾動フレーム7と背支柱8との骨組みを示している。他方、(B)(C)は比較例であり、(B)では傾動フレーム7の起立部7bと背支柱8の下部(重合部)42とは側面視で鉛直姿勢になっており、更に(C)では傾動フレーム7の起立部7bと背支柱8の下部(重合部)42とは側面視で鉛直線に対して後傾姿勢になっている。傾動フレーム7の主部7aは三者とも同じ傾斜角度になっている。
ロッキングによって背支柱8に背もたれ荷重が作用すると背フレームにはその回動支点を中心にして後傾させようとするモーメンが作用する。三者の共通した箇所に作用するモーメントを仮にFとすると、背もたれ荷重は傾動フレームの回動支点を中心にした円弧の方向を向いているため、Fは水平分力F1と垂直分力F2との合力として捉えることができる。
そして、三者とも背支柱8の下部42に対するモーメントFの作用方向は同じであるが、本実施形態では傾動フレーム7の起立部7bが前傾しているため、背支柱8の下部42に作用したモーメントFのうち垂直分力は背支柱8の下部(前傾部)42を傾動フレーム7の起立部7bに密着させるように作用する。このため、背支柱8の下部42を傾動フレーム7の起立部7bから離反させようとする外力はFよりも相当に小さくなっている。このため、背支柱8の下部(前傾部)42と傾動フレーム7の起立部7bとは高い締結強度が確保されている。
また、ロッキングに際して背支柱8の下部(起立部7bに対する重合部)42は起立部7bの上端を中心にして図面の状態で時計回りに回動するように作用するが、傾動フレーム7の主部7aと起立部7bとが側面視で略直交しているため、矢印F3で示すように、背支柱8の下部42の下端部に作用したモーメントは主部7aに対してこれを軸方向に圧縮しようとする外力として作用することになり、このため、傾動フレーム7の対荷重強度が格段に高く保持されている(圧縮応力は曲げ応力やせん断応力よりも格段に高いからである)。なお、ロッキングによって傾動フレーム7と背支柱8との姿勢は変わるが、両者に作用する力の関係は一定である。
他方、非ロッキング状態で起立部7b鉛直姿勢にしてある比較例である(B)では、ロッキングに際して背支柱8に作用するモーメントFの垂直分力は起立部7bから滑るように作用するに過ぎず、このため、モーメントFの大部分は水平分力となって背支柱8の下部42を傾動フレーム7の起立部7bから離反させようとするように作用する。従って、両者を単にボルトで締結しただけのような場合は、高い締結強度を確保するにはボルトの本数を増やす等の対策を講じる必要がある。
更に起立部7bが後傾している比較例である(C)では、背支柱8に作用したモーメントFの垂直分力F2も背支柱8の下部42を傾動フレーム7の起立部7bから離反させるように作用するため、両者をボルトで締結しているに過ぎない場合は当該ボルトに大きな負荷が作用することになり、このため単にボルト類で締結したに過ぎない状態では高い締結強度を確保し難い。
以上のように、本実施形態では、側面視で起立部7bが前傾していることと、背支柱8の下部(前傾部)42が起立部7bに後方から重なっていることとにより、高い締結強度を確保できるのである。
(5).他の実施形態(図11)
図11では他の実施形態を模式的に示している。起立部7bは前傾姿勢になっている。そして、(A)に示す例では、背支柱8に下向き開口の中空部43aを設けることに加えて、起立部7bの下端にも上向き開口の中空部7dを設けており、上向き開口の中空部7dに背支柱98の下部(前傾部)42の下端部を嵌め入れている。この場合は、起立部7bと前傾部42とは例えば1本のビスで固定するだけでも十分な締結強度が確保される。
(B)に示す例では、起立部7bの下端に上向き開口の中空部7dを設けて、上向き開口の中空部7dに背支柱の下部(前傾部)42の下端部を嵌め入れている。この(B)の場合は、起立部7bの上端部と背支柱8とはボルト類で離反不能に締結する必要がある。
(C)に示す例では、背支柱8の下部42を傾動フレーム7における起立部7bの前面に重ねており、かつ、傾動フレーム7における主部7aの後端に上向き開口の中空部7dを形成して、この中空部7dに背支柱98の下部(前傾部)42の下端部を嵌め入れている
(6).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、傾動フレームは全体を一体化することも可能であり、更に、板金製品としたり樹脂成形品としたりするなど、素材や加工方法は任意に選択できる。また、背支柱も、例えば下向き開口の門形に形成するなど、形状に限定はない。更に、本願発明は、背もたれの荷重支持面をネット(網状体)で構成したネット椅子にも適用できる。
(A)は前方から見た斜視図、(B)は右側面図である。 (A)は背面図、(B)は後方から見た斜視図である。 傾動フレームの斜視図である。 (A)は傾動フレームを内側から側面図、(B)は傾動フレームの平面図である。 背支柱の一部省略部分斜視図である。 (A)は傾動フレームに背支柱を固定した状態での背面図、(B)は傾動フレームの背面図、(C)は背支柱の部分的な背面図である。 (A)は傾動フレームに背支柱を締結した状態での側面図、(B)は背支柱8の部分側面図、(C)は(B)のC−C視図、(D)は(C)のD−D視断面図である。 傾動フレームと背支柱との分離側断面図である。 (A)は傾動フレームと背支柱とを締結した状態での縦断側面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。 作用を示すための説明図である。 他の実施形態を示す模式図である。
3 背もたれ
7 傾動フレーム
7a 主
7b 起立部
7c ボス部
8 背支柱
8a 縦枠
42 背支柱の前傾部(重合部)
43 背支柱の後傾部
43a 背支柱の中空部
32,45 ナット収納穴
26,34 ナット
46,50 ボルト

Claims (3)

  1. ベースに後傾動可能に連結された傾動フレームと、前記傾動フレームの後端部に固定された背支柱と、前記背支柱に取り付けた背もたれとを備えており、前記傾動フレームと背支柱とで背フレームが構成されており、
    前記傾動フレームは、前記ベースから後方に延びる主部とこの主部の後端から略上向きに延びる起立部とを備えており、前記傾動フレームの起立部は非傾動状態において側面視で鉛直線に対して前傾姿勢になっている一方、前記背支柱の下部は前記傾動フレームの起立部に後方から重なる重合部になっており、前記傾動フレームの起立部と背支柱の下部とが前後離反不能に固定されている構成であって、
    前記傾動フレームの起立部には、上向きに突出したボス部が、当該ボス部と前記起立部とで側面視でく字の形態を成すように形成されている一方、前記背支柱には、前記ボス部に上から嵌合する中空部が、前記重合部と連続した状態に形成されており、着座した人のもたれ掛かりで前記背支柱に作用したモーメントが前記重合部を介して前記起立部の背面に作用するようになっている
    椅子。
  2. 前記起立部のうちボス部の左右両側に、前記背フレームの重合部が重なる背面が存在している、
    請求項1に記載した椅子。
  3. 前記背支柱の中空部と下重合部とも全体として側面視で後ろ向き凹状に屈曲した略くの字の形態を成しており、前記背支柱の中空部と下重合部とのいずれか一方又は両方がねじで前記傾動フレームに固定されている、
    請求項1又は2記載した椅子。
JP2007048701A 2006-08-30 2007-02-28 椅子 Active JP5078390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007048701A JP5078390B2 (ja) 2006-08-30 2007-02-28 椅子

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006233195 2006-08-30
JP2006233195 2006-08-30
JP2006288341 2006-10-24
JP2006288341 2006-10-24
JP2007048701A JP5078390B2 (ja) 2006-08-30 2007-02-28 椅子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008132297A JP2008132297A (ja) 2008-06-12
JP5078390B2 true JP5078390B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=39557552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007048701A Active JP5078390B2 (ja) 2006-08-30 2007-02-28 椅子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5078390B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5512951B2 (ja) * 2008-10-29 2014-06-04 株式会社岡村製作所 椅子の背凭れ
JP5611541B2 (ja) * 2009-05-25 2014-10-22 株式会社イトーキ 椅子
JP6059504B2 (ja) * 2012-10-19 2017-01-11 株式会社岡村製作所 椅子
JP6220120B2 (ja) * 2012-10-24 2017-10-25 タカノ株式会社 椅子の体支持部材の取付構造およびこれを利用した椅子

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4427178B2 (ja) * 2000-10-30 2010-03-03 株式会社岡村製作所 椅子における背板の取付構造
JP4202784B2 (ja) * 2003-02-19 2008-12-24 株式会社岡村製作所 椅子の背凭れ装置
JP4486465B2 (ja) * 2004-10-05 2010-06-23 株式会社岡村製作所 椅子の背凭れ取付け構造
JP4295266B2 (ja) * 2005-11-04 2009-07-15 株式会社岡村製作所 椅子の背凭れ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008132297A (ja) 2008-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7896439B2 (en) Chair
US7654616B2 (en) Chair having integrally formed back frame and seat frame
JP2009106421A (ja) 椅子
JP5078390B2 (ja) 椅子
JP2006271622A (ja) 椅子
CN109310208B (zh) 椅子
JP2011101762A (ja) 椅子の背凭れ装置
JP2008104543A (ja) 肘掛け装置付き椅子
JP2008104594A (ja) 背もたれ付き椅子
JP5096869B2 (ja) 椅子
JP5096870B2 (ja) 背もたれ付き椅子
EP1614370A1 (en) Swing stowed-type chair
JP4805246B2 (ja) 座跳ね上げ式椅子
JP6656136B2 (ja) 椅子用背凭れ、及び、椅子
JP4960628B2 (ja) 椅子
JP6960824B2 (ja) 椅子
KR102251795B1 (ko) 의자 등받이의 탄성 결합구 체결구조
JP7173778B2 (ja) 椅子
JP5078311B2 (ja) 椅子
JP4486465B2 (ja) 椅子の背凭れ取付け構造
JP4119332B2 (ja) 肘掛け装置付き椅子
JP6695218B2 (ja) 背凭れ、ランバーサポート、及び椅子
KR200367083Y1 (ko) 싱크로 틸트 타입 의자의 팔걸이 구조
JP6765281B2 (ja) 椅子用背凭れ、及び、椅子
JP6282084B2 (ja) 椅子の背もたれ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120822

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120828

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5078390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350