JP2018184257A - ダブルデッキエレベーターおよびダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法 - Google Patents

ダブルデッキエレベーターおよびダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カゴ枠内に上カゴと下カゴとを吊り下げるためのカゴ位置調整ロープの長さを調整する嵩上げ体を、容易に交換することが可能なダブルデッキエレベーターを提供する。【解決手段】カゴ枠に一端が固定され、中間部が上カゴを吊持すると共に、カゴ枠に他端が固定され、他端から延設された中間部が下カゴを吊持するカゴ位置調整ロープと、上カゴ、下カゴを吊持した部分との中間部が巻き付けられたシーブを有するカゴ位置調整駆動装置と、カゴ位置調整ロープの端部を固定するロープ固定部材25と、延伸部26cを有し移動自在に固定するロープ固定部材移動装置26の延伸部26cの先端に取り付けられてロープ固定部材25を支持する嵩上げ体28とを備え、嵩上げ体28は、ロープ固定部材移動装置26の延伸部26cの先端に取り付けられた状態でロープ固定部材移動装置26の延伸方向から側方に突出するフランジ部28cを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、ダブルデッキエレベーターおよびダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法に関する。
本発明の技術背景として下記特許文献1がある。この文献には「かご枠2と、上かご12と、下かご13と、カゴ位置調整駆動装置11と、索状体17とを備えたダブルデッキエレベーターにおいて、索状体17の一方、または両方の端部は、固定部材26a、26bに吊り下げられており、固定部材26a、26bを移動させる固定部材移動装置25a、25bを介してかご枠2に取り付けられていると共に、この固定部材移動装置25a、25bの伸長部先端に、固定部材26a、26b底面を支持する嵩上げ体28を取り付け可能とした」と記載されている。また「かご枠内で上下に配置されたかごを吊持するロープが経年的に伸びて固定部材移動装置のストロークでは対応できなくなった場合でも、固定部材移動装置の伸長部先端の嵩上げ体の高さを変えることで対応可能とし、これによって、ロープ切り詰め作業の低減を図ることができる。」と記載されている。
国際公開第2013/118167号
しかしながら、上記特許文献1に記載のダブルデッキエレベーターでは、固定部材移動装置に取り付けた嵩上げ体を、さらに大きな高さの嵩上げ体に取り替える際に、作業現場において固定部材移動装置を引き下げることが困難である。このため、固定部材移動装置の先端から元々取り付けられていた嵩上げ体を取り外し難く、嵩上げ体の交換が困難であった。
そこで本発明は、カゴ枠内の上下に上カゴと下カゴとを吊り下げるためのカゴ位置調整ロープの長さを調整する嵩上げ体を、容易に交換することが可能なダブルデッキエレベーターを提供すること、およびダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するための本発明は、昇降路内において昇降自在に配置されたカゴ枠と、前記カゴ枠内に収容された上カゴと、前記カゴ枠内において前記上カゴの下方に収容された下カゴと、前記カゴ枠に一端が固定され、前記一端から延設された中間部が前記上カゴを吊持すると共に、前記カゴ枠に他端が固定され、前記他端から延設された中間部が前記下カゴを吊持するように設けられたカゴ位置調整ロープと、前記カゴ位置調整ロープにおいて前記上カゴを吊持した部分と前記下カゴを吊持した部分との中間部が巻き付けられたシーブを有するカゴ位置調整駆動装置と、前記カゴ位置調整ロープを吊り下げる状態で前記カゴ位置調整ロープの端部を固定するロープ固定部材と、延伸部を有し前記ロープ固定部材と前記カゴ枠との間で延伸自在に配置され前記ロープ固定部材を前記カゴ枠に対して移動自在に固定するロープ固定部材移動装置と、前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端に取り付けられて前記ロープ固定部材を支持する嵩上げ体とを備えたダブルデッキエレベーターにおいて、前記嵩上げ体は、前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端に取り付けられた状態において前記ロープ固定部材移動装置の延伸方向から側方に突出するフランジ部を有する。
この様な構成の本発明のダブルデッキエレベーターによれば、カゴ枠内の上下に上カゴと下カゴとを吊り下げるためのカゴ位置調整ロープの長さを調整する嵩上げ体を、容易に交換することが可能となる。
第1実施形態のダブルデッキエレベーターの全体構成を説明するための概略構成図である。 第1実施形態のダブルデッキエレベーターの要部を説明するための構成図である。 第1実施形態のダブルデッキエレベーターのカゴ位置調整ロープの固定部分の構成を示す図である。 第1実施形態の変形例を示す図である。 第1実施形態のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法を説明するための工程図である。 第2実施形態のダブルデッキエレベーターの主要部を説明するための構成図である。 第2実施形態のダブルデッキエレベーターの主要部を分解した構成図である。 第2実施形態のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法を説明するための工程図である。 第2実施形態の変形例を示す図であり、ダブルデッキエレベーターの主要部を分解した構成図である。
以下、本発明のダブルデッキエレベーターおよびダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法に関する実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施形態においては、先ずダブルデッキエレベーターの概略構成を説明し、次いでこのダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法を説明する。
≪第1実施形態≫
<ダブルデッキエレベーターの構成>
図1は、実施形態のダブルデッキエレベーター1の全体構成を説明するための概略構成図である。この図に示すように、ダブルデッキエレベーター1は、建築物に設けられた昇降路1aおよび昇降路1aの上部に設けられた機械室1bを備えている。昇降路1a内には、カゴ枠2、一端がカゴ枠2に連結されてカゴ枠2を吊持する主索3、および主索3の他端に連結されて吊持されたつり合いおもり4が収容されている。カゴ枠2とつり合いおもり4とは、昇降路1a内において互いに上下反対に昇降する。一方、機械室1b内には、主索3を駆動する駆動装置6、主索3が巻き掛けられたそらせ車7、および駆動装置6他の駆動を制御することによりダブルデッキエレベーターの運転を制御する制御装置8が収容されている。
また、昇降路1a内に収容されたカゴ枠2には、その上部にカゴ位置調整駆動装置11が設けられている。またカゴ枠2内には、上カゴ12と、上カゴ12の下方に配置された下カゴ13とが収容されている。これらの上カゴ12および下カゴ13は、以降に説明するようにして、昇降路1aにおける上下の乗り場階Fの間隔Hが異なる場合であっても、異なる間隔H1,H2に合わせて、それぞれがカゴ枠2の内部において上下に昇降する構成となっている。
図2は、第1実施形態のダブルデッキエレベーター1の要部を説明するための構成図であり、図1とは異なる側方からダブルデッキエレベーター1の要部を見た図である。この図に示すように、カゴ枠2内には、上カゴ12および下カゴ13の他に、上カゴ12および下カゴ13を吊り下げるカゴ位置調整ロープ17が収容されている。またカゴ枠2には、カゴ位置調整ロープ17両端にそれぞれ固定されたロープ固定部材25、ロープ固定部材移動装置26、および嵩上げ体28が設けられている。以下、図1および図2を参照しつつ、第1実施形態のダブルデッキエレベーター1の要部を構成するこれら各要素の詳細を説明する。
[カゴ枠2]
カゴ枠2は、主索3の駆動により昇降路1a内を昇降するものである。昇降路1a内におけるカゴ枠2の昇降は、ここでの図示を省略したカゴ枠ガイドレールにガイドされた状態で実施される。このカゴ枠2は、上梁2a、上梁2aの両端から垂下された一対の縦枠2b,2c、縦枠2b,2cの高さ方向の中間部においてこれらの間に掛け渡された中間梁2d、縦枠2b,2cの高さ方向の下部においてこれらの間に掛け渡された下梁2eを備えている。このようなカゴ枠2は、上梁2aと中間梁2dとの間に上カゴ12を保持し、中間梁2dと下梁2eとの間に下カゴ13を保持する。
ここで、カゴ枠2が収容された昇降路1aの内壁には、各乗り場階Fに対応する高さ位置に、位置決め板20が設けられている。一方、カゴ枠2には、位置決め板20に基づいて昇降路1a内におけるカゴ枠2の位置を検出するカゴ枠位置センサー20aが設けられている。そして、カゴ枠位置センサー20aで検出された昇降路1a内におけるカゴ枠2の高さ位置が、制御装置8に伝達される構成となっている。
さらにここでの図示は省略したが、カゴ枠2の中間梁2d上には、上カゴ12がカゴ枠2内で下降しすぎた場合に、上カゴ12を下から支えて緩衝する緩衝器が設けられている。また同様に、カゴ枠2の下梁2e上には、下カゴ13がカゴ枠2内で下降しすぎた場合に、下カゴ13を下から支えて緩衝する緩衝器が設けられている。
[カゴ位置調整駆動装置11]
カゴ位置調整駆動装置11は、以降に説明するカゴ位置調整ロープ17の巻き取りおよび巻き出しを調整することにより、カゴ位置調整ロープ17に吊り下げされた上カゴ12および下カゴ13のカゴ枠2内における高さ位置を調整するためのものである。このカゴ位置調整駆動装置11は、カゴ枠2の上部に、ここでの図示を省略した防振ゴムを介して載置されている。
このようなカゴ位置調整駆動装置11は、カゴ位置調整ロープ17の中間部が巻き付けられたシーブ11a、シーブ11aを回転駆動するためのカゴ位置調整駆動部11b、およびカゴ位置調整駆動部11bの駆動を制御する制御部11cを備えている。制御部11cは、制御装置8に対して有線または無線で接続されているか、または制御装置8の一部として構成されていてもよい。
[上カゴ12、下カゴ13]
上カゴ12および下カゴ13は、カゴ位置調整ロープ17の駆動により、カゴ枠2内を昇降するものである。上カゴ12の下部には、両端にプーリー12aが設けられている。また下カゴ13の下部には、両端にプーリー13aが設けられている。上カゴ12および下カゴ13は、プーリー12a,13aに対してカゴ位置調整ロープ17の中間部を巻き掛けることにより、カゴ位置調整ロープ17に吊り下げられた状態となっている。
上カゴ12は、カゴ位置調整ロープ17に吊り下げられた状態において、カゴ枠2の上梁2aと中間梁2dとの間に収容され、これらの間において昇降する。また下カゴ13は、カゴ枠2の中間梁2dと下梁2eとの間に収容され、これらの間において昇降する。
また上カゴ12および下カゴ13は、カゴ位置調整ロープ17の駆動により上カゴ12と下カゴ13との間隔が自在に調整される構成となっている。このようなカゴ枠2内における上カゴ12および下カゴ13の昇降は、ここでの図示を省略したカゴガイドレールにガイドされた状態で実施される。
ここで、上カゴ12および下カゴ13が収容されたカゴ枠2において、その縦枠2b,2cのうちの一方には、上カゴ12に対応する高さ位置に位置決め板22が設けられている。また、下カゴ13に対応する高さ位置に位置決め板23が設けられている。そして、上カゴ12には、位置決め板22に基づいてカゴ枠2内における上カゴ12の位置を検出する上カゴ位置センサー22aが設けられている。また、上カゴ位置センサー22aで検出されたカゴ枠2内における上カゴ12の高さ位置は、制御装置8に伝達される構成となっている。同様に、下カゴ13には、位置決め板23に基づいてカゴ枠2内における下カゴ13の位置を検出する下カゴ位置センサー23aが設けられている。また、下カゴ位置センサー23aで検出されたカゴ枠2内における下カゴ13の高さ位置は、制御装置8に伝達される構成となっている。
さらに上カゴ12には、上カゴ12内に乗り込んだ人や積載された荷物などの総重量であるカゴ内に搭載された荷重を検出する荷重検出装置としての荷重センサー22bが設けられている。同様に下カゴ13には、下カゴ13内に乗り込んだ人や積載された荷物などの総重量であるカゴ内に搭載された荷重を検出する荷重検出装置としての荷重センサー23bが設けられている。これらの荷重センサー22b,23bで検出された搭載荷重は、制御装置8に伝達される構成となっている。
[カゴ位置調整ロープ17]
カゴ位置調整ロープ17は、上カゴ12および下カゴ13を吊り下げるための索状体である。このようなカゴ位置調整ロープ17は、一端が上梁2aに固定され、上梁2aから延設された中間部が上カゴ12のプーリー12aに巻き掛けられ、さらにカゴ枠2の上梁2aに固定されたシーブ11aに巻き掛けられたことにより、上カゴ12を吊り下げている。さらにカゴ位置調整ロープ17は、他端が中間梁2dに固定され、中間梁2dから延設された中間部が下カゴ13のプーリー13aに巻き掛けられ、さらにカゴ枠2の上梁2aに固定されたシーブ11aに巻き掛けられたことにより、下カゴ13を吊り下げている。
以上のように巻き掛けられたカゴ位置調整ロープ17は、シーブ11aを一方向に回転させた場合に、上カゴ12を降下させて下カゴ13を上昇させ、上カゴ12と下カゴ13との間隔を狭くする。これに対し、シーブ11aを他方向に回転させた場合には、上カゴ12を上昇させて下カゴ13を降下させ、上カゴ12と下カゴ13との間隔を広くする。
このような上カゴ12と下カゴ13のカゴ枠2内における移動は、制御部11cによりカゴ位置調整駆動部11bを駆動させて、カゴ位置調整ロープ17が掛け回されたシーブ11aの回転方向および回転角度を制御することによって実施される。
図3は、第1実施形態のダブルデッキエレベーターのカゴ位置調整ロープ17の固定部分の構成を示す図であり、上梁2aおよび中間梁2dに対するカゴ位置調整ロープ17の固定部分を示す図である。次に、この図に基づいて、カゴ位置調整ロープ17の固定部分の構成の詳細を説明する。なお、上梁2aおよび中間梁2dに対するカゴ位置調整ロープ17の固定部分は同様の構成であるため、ここでは上梁2aの固定部分の構成を説明し、中間梁2dの固定部分の構成についての重複する説明の一部を省略する。
図3に示すように、カゴ位置調整ロープ17は、複数本のワイヤーロープ17aで構成されている。これらの各ワイヤーロープ17aの端部には、ロープソケット40を介してシンブルロット41が接続されている。カゴ枠2の上梁2aには、ここでの図示を省略した貫通孔が設けられている。ワイヤーロープ17aに接続された各シンブルロット41は、この貫通孔を介して上梁2aの上部に摺動自在に引き出され、次に説明するロープ固定部材25を介して上梁2aに固定されている。
[ロープ固定部材25]
ロープ固定部材25は、板状の部材であって、その一主面側に設けた弾性体25aを介して上梁2aの上部に固定されている。弾性体25aは、一例として複数のコイルバネであってよい。板状のロープ固定部材25は、上梁2aの上部との間に、複数の弾性体25aを弾性方向において挟持する状態で上梁2aに固定されている。
このようなロープ固定部材25は、ここでの図示を省略した貫通孔を備えている。ロープ固定部材25は、この貫通孔に挿入されたシンブルロット41の先端にナット25bをねじ込むことにより、シンブルロット41に接続されたワイヤーロープ17aを、カゴ枠2の上梁2aに対して吊下げた状態で固定する。
[ロープ固定部材移動装置26]
ロープ固定部材移動装置26は、上梁2aに対し、弾性体25aを介して固定されたロープ固定部材25を、上下方向に移動させるためのものである。このようなロープ固定部材移動装置26は、例えば上梁2aとロープ固定部材25の両端との間に設けた油圧ジャッキであって、圧力流体が供給/排出される圧力発生装置26a、圧力発生装置26aに連通された外筒としての油圧シリンダー26b、油圧シリンダー26b内に摺動自在に挿入された延伸部としてのプランジャー26cとで構成されている。
このようなロープ固定部材移動装置26は、制御装置8からの信号によって圧力発生装置26aから油圧シリンダー26b内に圧力流体が給排されて、油圧シリンダー26bに対するプランジャー26cの伸縮量が変更可能となる。
したがって、ロープ固定部材移動装置26は、プランジャー26cを延伸させることで、カゴ位置調整ロープ17の端部が固定されたロープ固定部材25を、上梁2aおよび中間梁2dに対してそれぞれ個別に持ち上げる。これにより、カゴ枠2内における上カゴ12および下カゴを、それぞれ個別に持ち上げる。一方、ロープ固定部材移動装置26は、プランジャー26cを縮ませることで、カゴ位置調整ロープ17の端部が固定されたロープ固定部材25を、上梁2aおよび中間梁2dに対してそれぞれ個別に引き下げる。これにより、カゴ枠2内における上カゴ12および下カゴを、それぞれ個別に引き下げる。
[嵩上げ体28]
嵩上げ体28は、ロープ固定部材25とロープ固定部材移動装置26との間に挟持されるものであって、上梁2aおよび中間梁2dに対するロープ固定部材25の移動量、すなわち上梁2aおよび中間梁2dとロープ固定部材25との間隔をより大きくするためのものである。
このような嵩上げ体28は、柱形状を有し、柱形状の一方の底面にロープ固定部材移動装置26のプランジャー26cの先端を陥入させるための凹部28aを有する。また嵩上げ体28は、柱形状の他方の底面を支持面28bとし、この支持面28bにロープ固定部材25を載置して支持する。これにより、嵩上げ体28は、ロープ固定部材移動装置26のプランジャー26cを最大限に延伸させた高さよりも、嵩上げ体28を挟持させた高さの分だけさらにロープ固定部材25と上梁2aおよび中間梁2dとの間隔を大きく保持する。
このような嵩上げ体28は、柱形状の側壁にフランジ部28cが設けられている。フランジ部28cは、嵩上げ体28における柱形状の側壁から外側に突出して設けられた部分である。このようなフランジ部28cは、嵩上げ体28の支持面28bとの間に間隔Dが設けられるように、嵩上げ体28の側壁の高さ位置に形成されている。この間隔Dは、以降のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法において説明するように、嵩上げ体28を嵌合させたプランジャー26cを油圧シリンダー26b内に押し戻す際に用いる治具の先端が挿入できる程度の大きさであることとする。
またフランジ部28cは、嵩上げ体28の側壁の一部分に設けられていてもよく、側壁の全周にわたって設けられていてもよい。嵩上げ体28の側壁の一部分にフランジ部28cが設けられている場合には、フランジ部28cが弾性体25aの配置側に突出せず、カゴ位置調整ロープ17の固定部分の外側に向かって突出するように、ロープ固定部材移動装置26のプランジャー26cに対して嵩上げ体28を嵌合させる。一方、嵩上げ体28の側壁の全周にわたってフランジ部28cが設けられている場合には、ロープ固定部材移動装置26のプランジャー26cへの嵩上げ体28の嵌合に方向性はない。
以上のような構成の嵩上げ体28は、柱形状の高さによって複数のサイズのものが用意され、カゴ位置調整ロープ17が経年的な使用によって不可逆的に延伸した場合に、より高さの大きなものに交換される。このような嵩上げ体28の交換の手順は、以降に説明するダブルデッキエレベーター1のメンテナンス方法において詳細に説明する。
[嵩上げ体28’の変形例]
図4は、第1実施形態の変形例を示す図であり、嵩上げ体28’の形状のみが異なる。すなわち嵩上げ体28’は、柱形状の側壁に、柱形状の周方向に沿った溝部28dが設けられており、この溝部28dによってフランジ部28cが形成される構成であってもよい。この場合、溝部28dの開口幅Wが、図3を用いて説明した第1実施形態の嵩上げ体28’の間隔Dと同様であり、嵩上げ体28’を嵌合させたプランジャー26cを油圧シリンダー26b内に押し戻す際に用いる治具の先端が挿入できる程度の大きさとなっている。
このように、溝部28dによってフランジ部28cが構成された嵩上げ体28’とすることにより、第1実施形態の嵩上げ体28と比較して、支持面28bを広くすることも可能である。
<ダブルデッキエレベーターの駆動>
以上のように構成されたダブルデッキエレベーター1では、カゴ枠位置センサー20aによって検出されたカゴ枠2の現在位置に基づいて、制御装置8が駆動装置6を制御して主索3を駆動させることにより、カゴ枠2を目的とする乗り場階の高さ位置に移動させる。
また、上カゴ位置センサー22aおよび下カゴ位置センサー23aによって検出されたカゴ枠2内における上カゴ12および下カゴ13の現在位置に基づいて、制御部11cが、カゴ位置調整駆動部11bを制御してシーブ11aを回転させる。これにより、カゴ枠2内において、上カゴ12および下カゴ13を目的とする乗り場階の高さ位置に移動させる。
さらにダブルデッキエレベーター1では、カゴ枠2を昇降させるための駆動装置6は、防振ゴムを介して機械室1b内に固定されている。同様に、上カゴ12および下カゴ13を昇降させるためのカゴ位置調整駆動装置11は、防振ゴムを介してカゴ枠2に固定されている。これらの防振ゴムや、カゴ枠2を吊り下げている主索3、さらにカゴ位置調整ロープ17は、上カゴ12および下カゴ13への乗客の乗り降りによる荷重変化によって伸縮する。このため、乗客の乗り降りによって、カゴ枠2、上カゴ12、および下カゴ13の高さ位置に数十mmの位置変化が生じる。
このような位置変化が生じた場合、カゴ枠2の位置変化については、上述と同様にしてカゴ枠2を移動させることによって、カゴ枠2の高さ位置を補正する。
これに対し、カゴ枠2内における上カゴ12および下カゴ13の位置変化については、ロープ固定部材移動装置26によるロープ固定部材25の移動によって、上カゴ12および下カゴ13の高さ位置を補正する。この場合、乗客の乗り降りによる上カゴ12および下カゴ13の高さ位置の変化を、上カゴ位置センサー22aおよび下カゴ位置センサー23aによって検出する。そして検出された高さ位置の変化に基づいて、制御装置8が、ロープ固定部材移動装置26の圧力発生装置26aによる圧力流体の供給/排出を制御する。これにより、制御装置8は、カゴ位置調整ロープ17の両端の固定部分の高さ位置を、それぞれ個別に変更し、上カゴ12および下カゴ13のそれぞれの高さ位置の補正を実施する。
さらにダブルデッキエレベーター1のカゴ位置調整ロープ17は、エレベーター走行に従い、一定の荷重による一定量の伸びを生じる。この伸びは、荷重がなくなればほぼ元に戻るが、使用している間に経年的にも伸びが発生し、ついには永久的に延びたままになる特性がある。このようなカゴ位置調整ロープ17の経年的な使用による不可逆的な延伸も、ロープ固定部材移動装置26によるロープ固定部材25の移動によって補正される。
<ダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法>
図5は、第1実施形態のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法を説明するための工程図であり、カゴ位置調整ロープ17の固定部分に設けたロープ固定部材移動装置26とその周辺を拡大した工程図である。この図に示すメンテナンス方法は、カゴ位置調整ロープ17の経年的な使用による不可逆的な延伸の補正が限界に達した場合の、ロープ固定部材移動装置26に対する嵩上げ体28の交換の手順である。
カゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸の補正が限界に達したか否かの判定は、次のように行う。すなわち、荷重センサー22b,23bにより上カゴ12および下カゴ13内の搭載荷重がゼロであることが検出されているにもかかわらず、上カゴ位置センサー22aおよび下カゴ位置センサー23aによってカゴの高さ位置が変化していることが検出された場合に、カゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸の補正が限界に達したと判断する。このような判断は、例えば制御装置8によって実施され、ここでの図示を省略した報知手段によって作業者に連絡される構成としてもよい。
以下、図5、および先に説明した図1〜図3を参照し、第1実施形態のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法として、嵩上げ体28の交換の手順を説明する。
先ず図5(1)に示すように、上梁2aおよび中間梁2dのそれぞれに設けたロープ固定部材移動装置26は、ここでの図示を省略したカゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸の補正が限界に達しており、油圧シリンダー26bからプランジャー26cが最大限に近くまで押し出された状態となっている。このため、乗客の乗り降りによって上カゴ12および下カゴ13の高さ位置に変化が生じた場合に、ロープ固定部材移動装置26は、先のダブルデッキエレベーターの駆動において説明したように、上カゴ12および下カゴ13の高さ位置の補正を実施することが困難となっている。
このような状態において図5(2)に示すように、作業者は先ず、例えば別の油圧ジャッキ100を用いてロープ固定部材25の高さ位置を固定する。ロープ固定部材25の高さ位置を固定できれば、別の油圧ジャッキ100にかえて台座を用いてもよい。この状態で、作業者は、棒状の治具101を用いて嵩上げ体28のフランジ部28cに、棒状の治具101の先端を押し当て、嵩上げ体28を介してプランジャー26cを油圧シリンダー26b内に押し下げる。プランジャー26cを押し下げる高さは、嵩上げ体28とロープ固定部材25との間に、嵩上げ体28の交換作業を実施するための空間ができる程度とする。
その後、図5(3)に示すように、作業者は、プランジャー26cの先端から嵩上げ体28を取り外し、取り外した嵩上げ体28よりも大きな高さの嵩上げ体28を、プランジャー26cの先端に嵌合させる。
次いで図5(4)に示すように、作業者は、ロープ固定部材移動装置26の圧力発生装置26aを操作して油圧シリンダー26b内に圧力流体を供給し、交換した嵩上げ体28によってロープ固定部材25が支持される高さにまで油圧シリンダー26bからプランジャー26cを押し出す。この状態で、作業者は、上梁2aおよび中間梁2dとロープ固定部材25との間から別の油圧ジャッキ100を取り外し、作業を終了させる。
以上のように、より大きな高さの嵩上げ体28によってロープ固定部材25を支持したことにより、ロープ固定部材移動装置26は、プランジャー26cの延伸可動域hが確保される。そしてロープ固定部材移動装置26は、再び、上カゴ12および下カゴ13の高さ位置の補正、およびカゴ位置調整ロープ17のさらなる不可逆的な延伸の補正を実施することが可能な状態となる。
すなわち図5(5)に示すように、乗客の乗車によってカゴ位置調整ロープ17が延伸した場合、またカゴ位置調整ロープ17がさらに不可逆的に延伸した場合、ロープ固定部材移動装置26のプランジャー26cを押上げることにより、カゴ位置調整ロープ17の伸び分を吸収させることが可能となる。これにより上カゴ12および下カゴ13の高さ位置の補正およびカゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸の補正を実施することが可能になるのである。
そして、再びカゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸が、ロープ固定部材移動装置26のプランジャー26cの延伸による補正の限界に達した場合には、嵩上げ体28を、より高い嵩上げ体28に交換することで、嵩上げ体28の高さ寸法分のカゴ位置調整ロープ17の伸びをさらに吸収することができる。
なお、以上説明した手順は、図4を用いて説明した嵩上げ体28’を用いた場合であっても同様の手順で実施される。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態によれば、カゴ枠2の上梁2aおよび中間梁2dとロープ固定部材25との間隔をより大きくするための嵩上げ体28にフランジ部28cを設けた構成である。これにより、作業現場において、フランジ部28cに棒状の治具101を押し当て、嵩上げ体28を介してプランジャー26cを容易に押し下げることが可能である。すなわち、嵩上げ体にフランジ部28cが設けられていない場合には、作業現場においてプランジャー26cを押し下げようとしても、嵩上げ体及びプランジャーに引っ掛かり部分がないため、プランジャー26cを押し下げることが非常に困難であった。
これに対し第1実施形態の構成によれば、上述したように作業現場において、フランジ部28cに棒状の治具101を押し当てプランジャー26cを容易に押し下げることができるため、元々取り付けられていた嵩上げ体28を取り外すことが容易である。また、さらに大きな高さの嵩上げ体28を、プランギャー26cの先端に嵌入させることも容易となり、嵩上げ体28を交換するメンテナンス作業の作業性の向上を図ることが可能である。
≪第2実施形態≫
<のダブルデッキエレベーターの構成>
図6は、第2実施形態のダブルデッキエレベーターの主要部を説明するための構成図である。また図7は、第2実施形態のダブルデッキエレベーターの主要部を分解した構成図である。これらの図に示すように、第2実施形態のダブルデッキエレベーターが、第1実施形態のダブルデッキエレベーターと異なるところは、ロープ固定部材移動装置106および嵩上げ体108の構成にある。その他の構成は第1実施形態と同様である。このため以下においては、ロープ固定部材移動装置106および嵩上げ体108の構成について説明し、その他の第1実施形態のダブルデッキエレベーターと同様の構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。なお、上梁2aと中間梁2dとに対するカゴ位置調整ロープ17の固定部分は、同様の構成であるため、以下においては上梁2aの固定部分を例示して説明を実施し、重複する説明は省略する。
[ロープ固定部材移動装置106]
ロープ固定部材移動装置106が、第1実施形態のダブルデッキエレベーターのロープ固定部材移動装置26と異なるところは、油圧シリンダー26b内に挿入されたプランジャー26cに、位置決めピン50を差し込むための孔部Aが設けられているところにある。孔部Aは、油圧シリンダー26bから突出させたプランジャー26cの先端において、プランジャー26cの側壁に設けられている。このような孔部Aは、プランジャー26cの軸方向に沿って2箇所、またはそれ以上の複数箇所に設けられている。
[嵩上げ体108]
嵩上げ体108が、第1実施形態のダブルデッキエレベーターの嵩上げ体28と異なるところは、柱形状の側壁に位置決めピン50を差し込むための貫通孔Bが設けられているところにある。貫通孔Bは、嵩上げ体108をプランジャー26cの先端に嵌合させた状態において、プランジャー26cに設けられた複数の孔部Aのうちの1つと重なる位置および形状を有する。またプランジャー26cに対して嵩上げ体108の高さを変更することにより、プランジャー26cに設けた複数の孔部Aのそれぞれに対して、嵩上げ体108の貫通孔Bが重なる構成となっている。
このような嵩上げ体108は、プランジャー26cの孔部Aの1つに対して嵩上げ体108の貫通孔Bを重ねた状態で、孔部Aと貫通孔Bとの重なりに位置決めピン50を差し込むことにより、プランジャー26cの所定高さに固定される構成となっている。
以上のような嵩上げ体108が、ロープ固定部材移動装置106のプランジャー26cの先端を嵌入させるための凹部28aを有することは、第1実施形態およびその変形例と同様である。ただし、この凹部28aは、柱形状の嵩あげ体108を貫通して設けられていてもよい。
<ダブルデッキエレベーターの駆動>
以上のようなに構成されたロープ固定部材移動装置106および嵩上げ体108を備えたダブルデッキエレベーターの駆動は、第1実施形態で説明したダブルデッキエレベーターの駆動と同様に実施される。
<ダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法>
図8は、第2実施形態のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法を説明するための工程図であり、カゴ位置調整ロープ17の固定部分に設けたロープ固定部材移動装置106とその周辺を拡大した工程図である。この図に示すメンテナンス方法は、カゴ位置調整ロープ17の経年的な使用による不可逆的な延伸の補正が限界に達した場合の、ロープ固定部材移動装置106に対する嵩上げ体108の引き上げの手順である。カゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸の補正が限界に達したか否かの判定は第1実施形態で説明した手順と同様に実施される。
以下、図8、および先に説明した図6および図7を参照し、第2実施形態のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法を説明する。
先ず図8(1)に示すように、上梁2aおよび中間梁2dのそれぞれに設けたロープ固定部材移動装置106は、プランジャー26cにおいて最も油圧シリンダー26b側に設けられた孔部Aに対して、貫通孔Bを一致させた状態で配置されている。そして、孔部A,Bに位置決めピン50を貫通させることにより、プランジャー26cにおける最も油圧シリンダー26b側の位置に、嵩上げ体108が固定された状態となっている。
そして、上梁2aおよび中間梁2dのそれぞれに設けたロープ固定部材移動装置106は、ここでの図示を省略したカゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸の補正が限界に達しており、油圧シリンダー26bからプランジャー26cが最大限に近くまで押し出された状態となっている。このため、乗客の乗り降りによって上カゴ12および下カゴ13の高さ位置に変化が生じた場合に、ロープ固定部材移動装置26は、先のダブルデッキエレベーターの駆動において説明したように、上カゴ12および下カゴ13の高さ位置の補正を実施することが困難となっている。
このような状態において図8(2)に示すように、作業者は先ず、例えば別の油圧ジャッキ100を用いてロープ固定部材25の高さ位置を固定する。ロープ固定部材25の高さ位置を固定できれば、別の油圧ジャッキ100にかえて台座を用いてもよい。この状態で、作業者は、棒状の治具101を用いて嵩上げ体108のフランジ部28cに、棒状の治具101の先端を押し当て、嵩上げ体108を介してプランジャー26cを油圧シリンダー26b内に押し戻す。プランジャー26cを押し戻す高さは、嵩上げ体108とロープ固定部材25との間に、プランジャー26cに設けた孔部Aの間隔以上の作業空間ができる程度とする。
その後、図8(3)に示すように、作業者は、プランジャー26cの先端に嵌合させた嵩上げ体108から位置決めピン50を取り外す。そして、嵩上げ体108を持ち上げ、プランジャー26cに設けた孔部Aのうち、プランジャー26cの先端側に位置する孔部Aに対して嵩上げ体108の貫通孔Bを一致させ、一致させた孔部Aおよび貫通孔Bに対して位置決めピン50を貫通させる。これにより、プランジャー26cのより先端側に、嵩上げ体108を移動させて固定する。
次いで図8(4)に示すように、作業者は、ロープ固定部材移動装置106の圧力発生装置26aを操作して油圧シリンダー26b内に圧力流体を供給し、嵩上げ体108によってロープ固定部材25が支持される高さにまで油圧シリンダー26bからプランジャー26cを押し出す。この状態で、作業者は、上梁2aおよび中間梁2dとロープ固定部材25との間から別の油圧ジャッキ100を取り外し、作業を終了させる。
以上のように、プランジャー26cの先端側に移動させて固定した嵩上げ体108によってロープ固定部材25を支持したことにより、ロープ固定部材移動装置106は、プランジャー26cの延伸可動域hが確保される。そしてロープ固定部材移動装置106は、再び、上カゴ12および下カゴ13の高さ位置の補正、およびカゴ位置調整ロープ17のさらなる不可逆的な延伸の補正を実施することが可能な状態となる。
すなわち図8(5)に示すように、乗客の乗車によってカゴ位置調整ロープ17が延伸した場合、またカゴ位置調整ロープ17がさらに不可逆的に延伸した場合、ロープ固定部材移動装置106のプランジャー26cを押上げることにより、カゴ位置調整ロープ17の伸び分を吸収させることが可能となる。これにより上カゴ12および下カゴ13の高さ位置の補正およびカゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸の補正を実施することが可能になる。
以上においては、再びカゴ位置調整ロープ17の不可逆的な延伸が、ロープ固定部材移動装置106のプランジャー26cの延伸による補正の限界に達した場合には、嵩上げ体108を、より高い位置に引き上げて固定することにより、嵩上げ体108を引き上げた寸法分のカゴ位置調整ロープ17の伸びをさらに吸収することができる。
<第2実施形態の効果>
以上説明した第2実施形態によれば、カゴ枠2の上梁2aおよび中間梁2dとロープ固定部材25との間隔をより大きくするための嵩上げ体108にフランジ部28cを設けた構成である。これにより、第1実施形態と同様に、フランジ部28cに棒状の治具101を押し当て、嵩上げ体108を介してプランジャー26cを容易に押し下げることが可能である。この結果、プランジャー26cに対する嵩上げ体108の固定高さを変更する操作が容易となり嵩上げ体108の高さを変更するメンテナンス作業の作業性の向上を図ることが可能である。また本第2実施形態の構成によれば、プランジャー26cに対する嵩上げ体108の固定高さを変更するのみであって、嵩上げ体108を交換する必要がないため第1実施形態と比較して、メンテナンス作業が容易である。
≪第2実施形態の変形例≫
図9は、第2実施形態の変形例を説明するための図であり、ダブルデッキエレベーターの主要部を分解した構成図である。この図に示すように、ロープ固定部材移動装置106’のプランジャー26cに対する嵩上げ体108’の固定高さを変更する構成として、プランジャー26cに1つの孔部Aを設け、嵩上げ体108’に複数の貫通孔Bを設けた構成としてもよい。
すなわち、ロープ固定部材移動装置106’は、プランジャー26cの側壁に1つの孔部Aを有する。これに対して、嵩上げ体108’は、凹部28aの延設方向に沿って複数の貫通孔Bを有する。貫通孔Bは、図示したように2つであってもよいし、それ以上の複数であってもよい。
このような変形例の構成であっても、プランジャー26cの孔部Aと、嵩上げ体108の貫通孔Bのうちの1つとを重ねた状態で、孔部Aと貫通孔Bとの重なりに位置決めピン50を差し込むことにより、嵩上げ体108’をプランジャー26cの所定高さに選択的に固定可能であり、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、以上の第2実施形態およびその変形例は、第1実施形態およびその変形例と組み合わせた構成としてもよい。
本発明は、上記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…ダブルデッキエレベーター
1a…昇降路
2…カゴ枠
12…上カゴ
13…下カゴ
17…カゴ位置調整ロープ
11…カゴ位置調整駆動装置
11a…シーブ
25…ロープ固定部材
26,106,106’…ロープ固定部材移動装置
26c…プランジャー(延伸部)
28,28’,108,108’…嵩上げ体
28a…凹部
28b…支持面(柱形状の他方の底面)
28c…フランジ部
28d…溝部
50…位置決めピン
101…治具
A…孔部
B…貫通孔

Claims (10)

  1. 昇降路内において昇降自在に配置されたカゴ枠と、
    前記カゴ枠内に収容された上カゴと、
    前記カゴ枠内において前記上カゴの下方に収容された下カゴと、
    前記カゴ枠に一端が固定され、前記一端から延設された中間部が前記上カゴを吊持すると共に、前記カゴ枠に他端が固定され、前記他端から延設された中間部が前記下カゴを吊持するように設けられたカゴ位置調整ロープと、
    前記カゴ位置調整ロープにおいて前記上カゴを吊持した部分と前記下カゴを吊持した部分との中間部が巻き付けられたシーブを有するカゴ位置調整駆動装置と、
    前記カゴ位置調整ロープを吊り下げる状態で前記カゴ位置調整ロープの端部を固定するロープ固定部材と、
    延伸部を有し前記ロープ固定部材と前記カゴ枠との間で延伸自在に配置され前記ロープ固定部材を前記カゴ枠に対して移動自在に固定するロープ固定部材移動装置と、
    前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端に取り付けられて前記ロープ固定部材を支持する嵩上げ体とを備えたダブルデッキエレベーターにおいて、
    前記嵩上げ体は、前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端に取り付けられた状態において前記ロープ固定部材移動装置の延伸方向から側方に突出するフランジ部を有する
    ダブルデッキエレベーター。
  2. 前記嵩上げ体は、柱形状を有し、柱形状の一方の底面に前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端が陥入される凹部を有し、柱形状の側壁において柱形状の他方の底面との間に間隔を隔てた位置に前記フランジ部が設けられている
    請求項1記載のダブルデッキエレベーター。
  3. 前記嵩上げ体は、柱形状の側壁の全周にわたってフランジ部が設けられている
    請求項1または2に記載のダブルデッキエレベーター。
  4. 前記嵩上げ体は、柱形状の側壁の周方向に延設された溝部を有し、前記溝部の側壁が前記フランジ部を構成する
    請求項1または2に記載のダブルデッキエレベーター。
  5. 前記ロープ固定部材移動装置の延伸部は、延伸方向に沿って複数の孔部を有し、
    前記嵩上げ体は、柱形状の一方の底面に前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端が陥入される凹部と、柱形状の側壁に前記凹部に達する貫通孔とを有し、前記ロープ固定部材移動装置の延伸部に設けられた複数の孔部のうちの1つと、前記貫通孔とを一致させた状態で、前記貫通孔から前記孔部に位置決めピンを貫通させることにより、前記延伸部の所定高さに固定される
    請求項1または2に記載のダブルデッキエレベーター。
  6. 前記ロープ固定部材移動装置の延伸部は、側壁に孔部を有し、
    前記嵩上げ体は、柱形状の一方の底面に前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端が陥入される凹部と、前記凹部の延設方向に沿って複数の貫通孔とを有し、前記ロープ固定部材移動装置の延伸部に設けられた前記孔部と、前記貫通孔のうちの1つとを一致させた状態で、前記貫通孔から前記孔部に位置決めピンを貫通させることにより、前記延伸部の所定高さに固定される
    請求項1または2に記載のダブルデッキエレベーター。
  7. 昇降路内において昇降自在に配置されたカゴ枠と、
    前記カゴ枠内に収容された上カゴと、
    前記カゴ枠内において前記上カゴの下方に収容された下カゴと、
    前記カゴ枠に一端が固定され、前記一端から延設された中間部が前記上カゴを吊持すると共に、前記カゴ枠に他端が固定され、前記他端から延設された中間部が前記下カゴを吊持するように設けられたカゴ位置調整ロープと、
    前記カゴ位置調整ロープにおいて前記上カゴを吊持した部分と前記下カゴを吊持した部分との中間部が巻き付けられたシーブを有するカゴ位置調整駆動装置と、
    前記カゴ位置調整ロープを吊り下げる状態で前記カゴ位置調整ロープの端部を固定するロープ固定部材と、
    延伸部を有し前記ロープ固定部材と前記カゴ枠との間で延伸自在に配置され前記ロープ固定部材を前記カゴ枠に対して移動自在に固定するロープ固定部材移動装置と、
    前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端に取り付けられて前記ロープ固定部材を支持する嵩上げ体とを備え、
    前記嵩上げ体は、前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端に取り付けられた状態において前記ロープ固定部材移動装置の延伸方向から側方に突出するフランジ部を有する
    ダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法であって、
    前記カゴ枠に対する前記ロープ固定部材の固定状態を確保した状態で、前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端に取り付けられた前記嵩上げ体のフランジ部を治具で押し圧することにより、前記延伸部を短縮して前記嵩上げ体と前記ロープ固定部材との間に作業空間を形成し、
    前記嵩上げ体を前記延伸部から前記作業空間に引き上げることにより、前記嵩上げ体を介しての前記延伸部の延伸長さを嵩上げし、
    次いで前記延伸部を延伸させることにより、前記嵩上げ体によって前記ロープ固定部材を支持させる
    ダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法。
  8. 前記延伸部の延伸長さを嵩上げする際には、前記嵩上げ体を交換することにより前記延伸部の延伸長さを嵩上げする
    請求項7に記載のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法。
  9. 前記ロープ固定部材移動装置の延伸部は、延伸方向に沿って複数の孔部を有し、
    前記嵩上げ体は、柱形状の一方の底面に前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端が陥入される凹部と、柱形状の側壁に前記凹部に達する貫通孔とを有し、
    前記延伸部の延伸長さを嵩上げする際には、前記複数の孔部のうち前記延伸部のより先端側に設け有られた孔部と、前記貫通孔とを一致させた状態で、前記貫通孔から前記孔部に位置決めピンを貫通させる
    請求項7に記載のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法。
  10. 前記ロープ固定部材移動装置の延伸部は、側壁に孔部を有し、
    前記嵩上げ体は、柱形状の一方の底面に前記ロープ固定部材移動装置の延伸部の先端が陥入される凹部と、前記凹部の延設方向に沿って貫通孔とを有し、
    前記延伸部の延伸長さを嵩上げする際には、前記孔部と、前記貫通孔のうち前記凹部の開口部により近い位置に設けられた貫通孔とを一致させた状態で、前記貫通孔から前記孔部に位置決めピンを貫通させる
    請求項7に記載のダブルデッキエレベーターのメンテナンス方法。
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