JP2018183059A - 種実加工品用コク味増強剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】種実加工品に添加することにより、該種実加工品が呈するコク味を増強できるコク味増強剤を提供すること。【解決方法】ごまのα−アミラーゼ処理物を有効成分とする種実加工品用コク味増強剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、種実加工品に用いるコク味増強剤に関する。
ごま、アーモンド等の種実類を粉砕又は磨砕して得られる種実加工品は、いわゆる「コク味」を呈する食品素材として、調味料等の飲食品に対して広く利用されている。種実加工品の呈するコク味は、種実類特有の香ばしい香りや濃厚な味わい等を総合した美味しさであるが、このような風味及び呈味は、種実加工品に豊富に含まれる油脂に由来するところが大きい。このため、飲食品に対して強いコク味を付与する目的で種実加工品を大量に配合すると、該飲食品中の油脂の含有量が高くなる傾向にある。
一方、近年、健康志向の高まりから、肥満、高脂血症、動脈硬化、心臓病等の原因となる油脂の過剰摂取が問題視され、油脂分を低減した飲食品が求められている。こうした背景から、飲食品に対する種実加工品の配合量の低減が課題となっていた。
しかし、単に種実加工品の配合量を低減するだけでは、飲食品のコク味が弱まり、これを喫食した際の満足感が低減してしまう。そこで、種実加工品の配合量を低減しながらも、飲食品に十分なコク味を付与できる方法が求められている。そのような方法としては、例えば、種実加工品以外の成分により飲食品にコク味を付与する方法や、種実加工品自体のコク味を増強し、低配合量でもコク味を感じられるようにする方法がある。
種実加工品以外の成分により飲食品にコク味を付与する方法としては、例えば、γ−Glu−Val−Gly等のγ−グルタミルペプチドと低DEデキストリンを含有する組成物を添加する方法(特許文献1)、飲食品にD−プシコースを含む希少糖を含有させて加熱する方法(特許文献2)、鎖長が3以上11以下のポリエチレングリコール及び/またはそのモノエチルエーテル及び/またはそのモノベンジルエーテルを含有することを特徴とするコク味付与剤を添加する方法(特許文献3)、2’−ヌクレオチド及び/または3’−ヌクレオチドを有効成分とするコク味付与剤を添加する方法(特許文献4)等が知られている。しかし、これらの方法では種実加工品特有のコク味を再現することは難しい。
一方、種実加工品自体のコク味を増強する方法としては、例えば、加工胡麻100重量部に対して1〜9重量部の範囲でウイスキー類を添加する方法(特許文献5)、脱脂したピ−ナッツバター、糖類、油脂が所定の比率で混有されたピーナッツスプレッドに、更に油脂を混合する方法(特許文献6)、ゴマ及びゴマ成分の少なくとも一方を含有するゴマ食品にスクラロースを配合する方法(特許文献7)等が提案されている。
これらの方法であれば、従来より少ない配合量でも種実加工品特有のコク味を飲食品に付与することができるが、未だコク味の増強効果が弱く、実用上満足できるほどには至っていない。そこで、種実加工品のコク味をより増強できる方法が求められていた。
特開2016−168045号公報 特開2014−113059号公報 特開2012−034645号公報 特開2000−300206号公報 特開2001−204436号公報 特開平11−164671号公報 特開2015−144611号公報
本発明は、種実加工品に添加することにより、該種実加工品が呈するコク味を増強できるコク味増強剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ごまのα−アミラーゼ処理物を種実加工品に添加することで、該種実加工品のコク味がより明瞭に発現することを見出し、この知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)からなっている。
(1)ごまのα−アミラーゼ処理物を有効成分とする種実加工品用コク味増強剤。
(2)前記(1)に記載の種実加工品用コク味増強剤を含有する種実加工品。
(3)前記(2)に記載の種実加工品を含有する飲食品。
本発明の種実加工品用コク味増強剤は、種実加工品に添加することで、該種実加工品が有する種実類特有の香ばしい香りや濃厚な味わいを明瞭に発現させ、コク味を増強することができる。
本発明の種実加工品用コク味増強剤を含有する種実加工品は、喫食した際、従来の種実加工品よりもコク味が明瞭に感じられる。従って、これを含有する飲食品は、従来の種実加工品を含有する飲食品に比べて、種実加工品由来のコク味が強く感じられる。
本発明の種実加工品用コク味増強剤(以下、「本発明のコク味増強剤」ともいう)は、ごまをα−アミラーゼ処理して得られる処理物を有効成分として含有する。
本発明で用いられるごまの種類に特に制限はなく、例えば、白ごま、黒ごま、金ごま、茶ごま等のいずれであってもよく、あるいはそれらの混合物でもよい。これらごまは、生のまま用いてもよく、乾燥又は焙煎したものを用いてもよい。焙煎したごまを用いる場合、焙煎方法に特に制限はなく、例えば、直火焙煎、熱風焙煎、マイクロ焙煎等の方法により焙煎したものを用いることができる。焙煎度合は、喫食可能な程度であれば特に制限はない。
また、ごまとしては、全粒で市販されている炒りごま、洗いごま、皮むきごま等をそのまま用いてもよいが、α−アミラーゼ処理を効率的に行う観点から、粉砕又は磨砕したものを用いることが好ましい。ごまを粉砕又は磨砕する方法に特に制限はなく、公知の粉砕機又は磨砕機等を用いて処理することができる。粉砕又は磨砕の程度に特に制限はなく、ごまの粒子が一部でも切断、破砕又は圧砕されていればよいが、ごまの粒子が細かいほどα−アミラーゼ処理の効率が高くなることから、ペースト状になるまで微粉砕又は磨砕することが好ましい。また、きりごま、すりごま、皮無しねりごま、皮付きねりごま、タヒニ等、既に粉砕又は磨砕した状態で市販されているごまを用いてもよく、とりわけ、皮無しねりごま、皮付きねりごま、タヒニ等、ペースト状のごまが好ましく用いられる。
本発明で用いられるα−アミラーゼは、食品加工用に使用できる品質のものであれば特に制限はない。α−アミラーゼとしては、例えば、クライスターゼE5CC(商品名;天野エンザイム社製)、ビオザイムLC(商品名;天野エンザイム社製)、ビオザイムA(商品名;天野エンザイム社製)、クライスターゼSD8(商品名;天野エンザイム社製)、クライスターゼT10S(商品名;天野エンザイム社製)、スビターゼCP−3(商品名;ナガセケムテックス社製)、スビターゼCP−40FG(商品名;ナガセケムテックス社製)、スビターゼXP−404V2(商品名;ナガセケムテックス社製)、長瀬酵素剤T−50(商品名;ナガセケムテックス社製)、スビターゼHL/R(商品名;ナガセケムテックス社製)、ビオテックスL#3000(商品名;ナガセケムテックス社製)、ビオテックスTS(商品名;ナガセケムテックス社製)、液化酵素T(商品名;エイチビィアイ社製)、フクタミラーゼ50(商品名;エイチビィアイ社製)、フクタミラーゼ30(商品名;エイチビィアイ社製)、液化酵素6T(商品名;エイチビィアイ社製)、フクタミラーゼ10L(商品名;エイチビィアイ社製)等が商業的に製造及び販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
ごまをα−アミラーゼ処理する方法に特に制限はなく、例えば、ごま、α−アミラーゼ及び水を混合し、α−アミラーゼの至適温度に調温して酵素反応を施すことができる。ごま、α−アミラーゼ及び水の仕込み量に特に制限はないが、例えば、ごま100gに対して、α−アミラーゼが10〜100000U、好ましくは100〜10000U、水が50〜2000gとなる割合で仕込むことができる。なお、上記α−アミラーゼについてのU(活性単位)の値は、商業的に販売されている酵素製剤の公称値に従うものとする。また、α−アミラーゼの至適pHに調整するため、醸造酢、果汁、酢酸、リン酸、乳酸、クエン酸及びそれらの塩、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤を加えてもよい。反応時間に特に制限はないが、製造効率の点から、0.5〜24時間が好ましい。反応中は、反応効率を高めるために撹拌を行うことが好ましい。反応後は、加熱処理や、pH調整剤、塩類又はアルコール類の添加等、公知の方法により酵素を失活させることが好ましい。
本発明のコク味増強剤としては、上記のようにして得られるごまのα−アミラーゼ処理物のみをそのまま用いてもよく、あるいは少なくともごまのα−アミラーゼ処理物を含有する組成物を調製し、これを用いてもよい。本発明のコク味増強剤をこのような組成物として調製する場合、ごまのα−アミラーゼ処理物以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で他の任意の成分を配合することができる。そのような成分としては、例えば、食塩、糖類、調味料、醸造酢、醤油、畜肉エキス、魚介エキス、野菜エキス、酵母エキス、澱粉、果汁、野菜、果実、食用油脂、増粘多糖類、鶏卵、乳化剤、酸味料、酒精、静菌剤、pH調整剤、香辛料抽出物、香料、色素、酸化防止剤、甘味料等が挙げられる。
本発明のコク味増強剤は、種実加工品に添加して使用することができる。これにより、該種実加工品が呈するコク味を増強することができる。なお、本発明において「コク味を増強する」とは、種実加工品の原料である種実類に由来する香ばしい香りや濃厚な味わい等の風味及び呈味を明瞭に発現させることをいう。とりわけ、本発明のコク味増強剤は、種実加工品を喫食してすぐに該風味及び呈味が感じられるようにする効果に優れることから、いわゆる先味としてのコク味を増強したい場合に好ましく用いられる。
本発明のコク味増強剤の使用対象となる種実加工品は、種実類を粉砕又は磨砕して得られる食品素材であれば特に制限はない。種実加工品の原料となる種実類に特に制限はなく、例えば、ごま、アーモンド、クルミ、カシューナッツ、ペカン、かぼちゃの種、かやの実、松の実、けしの実、ココナッツ、ピスタチオ、ひまわりの種、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ、落花生、クリ、銀杏、えごま等が挙げられる。種実加工品は、これら種実類のいずれか1種類のみを原料とするものであってもよく、2種類以上を原料とするものであってもよい。種実類の粉砕又は磨砕の程度に特に制限はなく、種実類の粒子が一部でも切断、破砕又は圧砕されていればよいが、ペースト状になるまで微粉砕又は磨砕したもの(即ち、種実ペースト)が好ましい。また、種実加工品は、単に上記種実類を粉砕又は磨砕しただけのものであってもよく、種実類以外に、水、食塩、糖類、調味料、醸造酢、醤油、畜肉エキス、魚介エキス、野菜エキス、酵母エキス、澱粉、果汁、野菜、果実、食用油脂、増粘多糖類、鶏卵、乳化剤、酸味料、酒精、静菌剤、pH調整剤、香辛料抽出物、香料、色素、酸化防止剤、甘味料等を配合したものであってもよい。
本発明のコク味増強剤を種実加工品に添加する方法に特に制限はなく、例えば、種実加工品に本発明のコク味増強剤を加え、公知の方法で混合することにより使用できる。また、所望により、さらに加熱、粉砕、乳化等の処理を行ってもよい。
本発明のコク味増強剤の種実加工品に対する添加量に特に制限はないが、例えば、種実加工品100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは1〜10質量部である。なお、本発明のコク味増強剤を使用して得られる、本発明のコク味増強剤を含有する種実加工品(以下、「本発明の種実加工品」ともいう)も本発明の1つの態様である。
本発明の種実加工品は、従来の種実加工品と同様、そのまま喫食することができる他、任意の飲食品の原材料として使用することもできる。本発明の種実加工品を使用できる飲食品としては、原材料として種実加工品を含有し得るものであれば特に制限はなく、液状、ペースト状、固形状、粉末状、顆粒状等いかなる性状のものであってもよいが、例えば、ドレッシング、タレ、つゆ、中華調味料等の調味料類、ピーナッツバター、チョコレートソース等のスプレッド類、バター、マーガリン、チーズ等の乳製品類、カレー、シチュー、中華料理の素、米飯加工品等の調理品類、調理用スープ、インスタントスープ等のスープ類、食パン、菓子パン等のパン類、シリアル類、チョコレート、ビスケット、クッキー、米菓、スナック等の菓子類、乳飲料、清涼飲料、コーヒー飲料等の飲料類等が挙げられる。
なお、本発明の種実加工品を飲食品の原材料として使用する場合、事前に本発明のコク味増強剤を種実加工品に添加し、本発明の種実加工品を調製してから使用することが好ましいが、原材料として種実加工品と本発明のコク味増強剤を別々に加えた後、飲食品の製造工程における任意の時点でこれらを他の原材料と共に混合して使用してもよい。本発明では、このように飲食品の製造工程中に種実加工品と本発明のコク味増強剤が混合され、本発明の種実加工品となる場合も、該飲食品の原材料として本発明の種実加工品が使用されたものとみなす。
本発明の種実加工品はコク味が増強されているため、これを飲食品の原材料として使用する場合、従来と同等の配合量であればより強いコク味を該飲食品に付与することができる。また、従来よりも少ない配合量であっても、該飲食品に十分なコク味を付与することができる。従って、本発明の種実加工品は、油脂分の低減が強く求められる飲食品に対して好ましく使用することができる。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するものだけのものであって、本発明を限定するものではない。
≪コク味増強剤の製造≫
[製造例1]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水79.5g、α−アミラーゼ(商品名:クライスターゼE5CC;天野エンザイム社製)0.5g(2250U)をよく混合し、60℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品1)を得た。
[製造例2]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水79.5g、α−アミラーゼ(商品名:ビオザイムLC;天野エンザイム社製)0.5g(3000U)、をよく混合し、45℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品2)を得た。
[製造例3]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水79.5g、β−アミラーゼ(商品名:β−アミラーゼF「アマノ」;天野エンザイム社製)0.5gをよく混合し、55℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品3)を得た。
[製造例4]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水79.5g、グルコアミラーゼ(商品名:グルグザイムAF;天野エンザイム社製)0.5gをよく混合し、60℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品4)を得た。
[製造例5]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水78g、ペクチナーゼ(商品名:ペクチナーゼG「アマノ」;天野エンザイム社製)0.5g、酢酸(90%純良酢酸;ダイセル化学工業社製)1.5gをよく混合し、60℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品5)を得た。
[製造例6]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水78g、セルラーゼ(商品名:セルラーゼA「アマノ」3;天野エンザイム社製)0.5g、酢酸(90%純良酢酸;ダイセル化学工業社製)1.5gをよく混合し、60℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品6)を得た。
[製造例7]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水79.5g、プロテアーゼ(商品名:プロテアーゼP「アマノ」3SD;天野エンザイム社製)0.5gをよく混合し、40℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品7)を得た。
[製造例8]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水79.5g、リパーゼ(商品名:リパーゼAY「アマノ」30SD;天野エンザイム社製)0.5gをよく混合し、50℃で1時間の酵素反応を施した。次に、90℃で10分間加熱して酵素を失活させ、コク味増強剤(試作品8)を得た。
[製造例9]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)20g、水80gをよく混合し、60℃で1時間加熱を行った後、90℃で10分間の加熱を行い、コク味増強剤(試作品9)を得た。
≪種実ペーストに対するコク味増強効果の評価≫
[ねりごまによる評価]
ねりごま(商品名:星印純ネリ胡麻No.7;九鬼産業社製)95gに前記コク味増強剤試作品1〜9のいずれかを5gずつ加えてよく混合し、ねりごま1〜9を得た。得られたねりごま1〜9のコク味について、コク味増強剤無添加のねりごま10を対照とし、下記の方法で官能評価を行った。結果を表2に示す。
[アーモンドペーストによる評価]
アーモンドペースト(商品名:アーモンドペーストT;筑波乳業社製)95gに前記コク味増強剤試作品1、3又は9を5gずつ加えてよく混合し、アーモンドペースト1〜3を得た。得られたアーモンドペースト1〜3のコク味について、コク味増強剤無添加のアーモンドペースト4を対照とし、下記の方法で官能評価を行った。結果を表3に示す。
[クルミペーストによる評価]
クルミペースト(商品名;正栄食品工業社製)95gに前記コク味増強剤試作品1、3又は9を5gずつ加えてよく混合し、クルミペースト1〜3を得た。得られたクルミペースト1〜3のコク味について、コク味増強剤無添加のクルミペースト4を対照とし、下記の方法で官能評価を行った。結果を表4に示す。
<官能評価の方法>
表1に示す評価基準に従って、10名のパネラーで官能評価を行った。結果はそれぞれ10名の評点の平均値を求め、下記基準にて記号化した。
〔記号化基準〕
◎:極めて良好 平均値3.5以上
○:良好 平均値2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均値1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均値1.5未満
Figure 2018183059
Figure 2018183059
Figure 2018183059
Figure 2018183059
表2〜4の結果から明らかなように、α−アミラーゼで処理した実施例のコク味増強剤試作品1又は2を添加したねりごま1及び2、アーモンドペースト1並びにクルミペースト1(即ち、本発明の種実加工品)は、対照よりもコク味が明瞭に感じられた。一方、α−アミラーゼ以外の酵素で処理した試作品3〜8又は酵素処理を行わなかった試作品9を添加したねりごま3〜9、アーモンドペースト2及び3並びにクルミペースト2及び3は、コク味が対照と変わらなかった。
≪飲食品におけるコク味の評価≫
[ねりごま含有調味料による評価]
(1)原材料
1)醤油(商品名:Pこいくちしょうゆ;ヒゲタ醤油社製)
2)醸造酢(商品名:高酸度酢HA−100;マルカン酢社製)
3)砂糖(商品名:HBSビートグラニュ糖;ホクレン農業協同組合連合会製)
4)食塩(商品名:ナイカイ食塩;ナイカイ塩業社製)
5)キサンタンガム(商品名:K−OB;CPケルコ社製)
6)ねりごま(前記ねりごま1〜10)
(2)ねりごま含有調味料の配合
上記原材料を用いて作製したねりごま含有調味料1〜10の配合組成を表5に示した。これらの内、ねりごま含有調味料1及び2は本発明の種実加工品であるねりごま1又は2を配合した実施例であり、ねりごま含有調味料3〜9はそれらに対する比較例、ねりごま含有調味料10はコク味増強剤無添加のねりごま10を配合した対照である。
Figure 2018183059
(3)ねりごま含有調味料の作製
表5に示した配合割合に従って、原材料を合計100gとなるように量りとった。この際、キサンタンガムは砂糖中に倍散した。まず醸造酢以外の原材料をよく混合し、80℃に達するまで加熱した。これを室温まで冷却した後、さらに醸造酢を加えて混合し、ノンオイルドレッシング様のねりごま含有調味料1〜10を作製した。その後、これらのコク味について、下記の方法で官能評価を行った。結果を表9に示す。
[アーモンドペースト含有調味料による評価]
(1)原材料
1)醤油(商品名:Pこいくちしょうゆ;ヒゲタ醤油社製)
2)醸造酢(商品名:高酸度酢HA−100;マルカン酢社製)
3)砂糖(商品名:HBSビートグラニュ糖;ホクレン農業協同組合連合会製)
4)食塩(商品名:ナイカイ食塩;ナイカイ塩業社製)
5)キサンタンガム(商品名:K−OB;CPケルコ社製)
6)アーモンドペースト(前記アーモンドペースト1〜3)
(2)アーモンドペースト含有調味料の配合
上記原材料を用いて作製したアーモンドペースト含有調味料1〜3の配合組成を表6に示した。これらの内、アーモンドペースト含有調味料1は本発明の種実加工品であるアーモンドペースト1を配合した実施例であり、アーモンドペースト含有調味料2及び3はそれに対する比較例、アーモンドペースト含有調味料4はコク味増強剤無添加のアーモンドペースト4を配合した対照である。
Figure 2018183059
(3)アーモンドペースト含有調味料の作製
表6に示した配合割合に従って、原材料を合計100gとなるように量りとった。この際、キサンタンガムは砂糖中に倍散した。まず醸造酢以外の原材料をよく混合し、80℃に達するまで加熱した。これを室温まで冷却した後、さらに醸造酢を加えて混合し、ノンオイルドレッシング様のアーモンドペースト含有調味料1〜4を作製した。その後、これらのコク味について、下記の方法で官能評価を行った。結果を表10に示す。
[クルミペースト含有調味料による評価]
(1)原材料
1)醤油(商品名:Pこいくちしょうゆ;ヒゲタ醤油社製)
2)醸造酢(商品名:高酸度酢HA−100;マルカン酢社製)
3)砂糖(商品名:HBSビートグラニュ糖;ホクレン農業協同組合連合会製)
4)食塩(商品名:ナイカイ食塩;ナイカイ塩業社製)
5)キサンタンガム(商品名:K−OB;CPケルコ社製)
6)クルミペースト(前記クルミペースト1〜3)
(2)クルミペースト含有調味料の配合
上記原材料を用いて作製したクルミペースト含有調味料1〜4の配合組成を表7に示した。これらの内、クルミペースト含有調味料1は本発明の種実加工品であるクルミペースト1を配合した実施例であり、クルミペースト含有調味料2及び3はそれに対する比較例、クルミペースト含有調味料4はコク味増強剤無添加のクルミペースト4を配合した対照である。
Figure 2018183059
(3)クルミペースト含有調味料の作製方法
表7に示した配合割合に従って、原材料を合計100gとなるように量りとった。この際、キサンタンガムは砂糖中に倍散した。まず醸造酢以外の原材料をよく混合し、80℃に達するまで加熱した。これを室温まで冷却した後、さらに醸造酢を加えて混合し、ノンオイルドレッシング様のクルミペースト含有調味料1〜4を作製した。その後、これらのコク味について、下記の方法で官能評価を行った。結果を表11に示す。
<官能評価の方法>
表8に示す評価基準に従って、10名のパネラーで官能評価を行った。結果はそれぞれ10名の評点の平均値を求め、下記基準にて記号化した。
〔記号化基準〕
◎:極めて良好 平均値3.5以上
○:良好 平均値2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均値1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均値1.5未満
Figure 2018183059
Figure 2018183059
Figure 2018183059
Figure 2018183059
表9〜11の結果から明らかなように、本発明の種実加工品を配合したねりごま含有調味料1及び2、アーモンドペースト含有調味料1並びにクルミペースト含有調味料1は、対照よりもコク味が明瞭に感じられた。一方、比較例の種実ペーストを配合したねりごま含有調味料3〜9、アーモンドペースト含有調味料2及3並びにクルミペースト含有調味料2及び3は、コク味が対照と変わらなかった。
≪すりごまに対するコク味増強効果の評価≫
すりごま(商品名:星印すりごま白濃;九鬼産業社製)95gに前記コク味増強剤試作品1、3又は9を5gずつ加えてフードプロセッサー(型式:MK−K48P;パナソニック社製)で15秒間混合し、すりごま1〜3を得た。得られたすりごま1〜3のコク味について、コク味増強剤無添加のすりごま4を対照とし、表12に示す評価基準に従って、10名のパネラーで官能評価を行った。結果はそれぞれ10名の評点の平均値を求め、下記基準にて記号化した。結果を表13に示す。
〔記号化基準〕
◎:極めて良好 平均値3.5以上
○:良好 平均値2.5以上、3.5未満
△:やや悪い 平均値1.5以上、2.5未満
×:悪い 平均値1.5未満
Figure 2018183059
Figure 2018183059
表13の結果から明らかなように、α−アミラーゼで処理した実施例のコク味増強剤試作品1を添加したすりごま1(即ち、本発明の種実加工品)は、対照よりもコク味が明瞭に感じられた。一方、α−アミラーゼ以外の酵素で処理した試作品3又は酵素処理を行わなかった試作品9を添加したすりごま2及び3は、コク味が対照と変わらなかった。

Claims (3)

  1. ごまのα−アミラーゼ処理物を有効成分とする種実加工品用コク味増強剤。
  2. 請求項1に記載の種実加工品用コク味増強剤を含有する種実加工品。
  3. 請求項2に記載の種実加工品を含有する飲食品。
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