JP3399914B2 - 玄米成分強化剤 - Google Patents

玄米成分強化剤

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JP3399914B2 JP2000180510A JP2000180510A JP3399914B2 JP 3399914 B2 JP3399914 B2 JP 3399914B2 JP 2000180510 A JP2000180510 A JP 2000180510A JP 2000180510 A JP2000180510 A JP 2000180510A JP 3399914 B2 JP3399914 B2 JP 3399914B2
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信雄 森山
功 金山
育夫 福本
伸治 矢富
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アルファー食品株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精白米やその加工
食品に添加して、栄養価を玄米に類似せしめるための玄
米成分強化剤に関する。更に詳細には、本発明は、イノ
シトール、γ−アミノ酪酸及びγ−オリザノールを有効
成分とする玄米成分強化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】玄米は、その栄養価の面から非常に好ま
しいものであるが、食感、色調、炊飯技術、消化等の面
で必らずしも満足できるものではない。そこで、現在、
お米(白飯)は、食味などの追求から、搗精度つまり精
白度の高いものが主に好まれ、食されている。この点
は、うるち米に限らず、もち米においても同様である。
【0003】一方、搗精により、飼料などに使われる
糠、胚芽部分には人体にとって非常に有効な物質が多く
含まれている事が近年の諸研究により明らかになってき
た。例えば、γ−アミノ酪酸は神経の主要な伝達物質と
して脳の血流を活発にし頭痛、意欲低下などの症状を改
善する作用や血圧の上昇を抑制する作用、中性脂肪を抑
えて肝臓機能を改善する作用、BUN低下させるなどの
腎臓機能の改善作用がある。さらに、イノシトール、γ
−オリザノールにはラジカルを抑える抗酸化作用や動物
実験レベルで抗腫瘍効果なども認められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した技
術の現状に鑑み、搗精度の高いお米(白飯)でありなが
ら、玄米と同じように、糠・胚芽部分に含まれている機
能性物質を多く含み、食べやすい加工米、つまり食べや
すく且つ調理もしやすい玄米成分を強化した加工米を創
製することのできる玄米成分強化剤を新たに開発する目
的でなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、玄米成分として、
イノシトール、γ−アミノ酪酸、γ−オリザノールに着
目し、これら玄米抽出エキス3種類(イノシトール、γ
−アミノ酪酸、γ−オリザノール)を各々単品、あるい
は2種類の組み合わせで米に添加して加工した場合、玄
米含有量近くまで添加すると、食味が悪くとても食べれ
る状態ではなかった。ところが、3種類を一定の配合
で、米に混合し加工したところ、食味が改善され、玄米
を調理したものの食味より明らかにすぐれ、精白米を炊
いたものに遜色のないものができ、更に添加範囲も大き
く広がるという有用な新知見が得られ、またうるち米で
ももち米でも、すべての米に適用できるだけでなく、米
を原料として加熱、炊飯、蒸煮、粉砕、成形その他各種
加工処理して得られる加工食品に適用できることも確認
され、これらの有用新知見に基づき更に研究の結果、遂
に完成されたものである。以下、本発明について詳述す
る。
【0006】すなわち本発明は、イノシトール、γ−ア
ミノ酪酸及びγ−オリザノールを有効成分としてなる玄
米成分強化剤を基本的技術思想とするものである。そし
て、本発明に係る玄米成分強化剤を使用するに当って
は、後記する比較例、実施例からも明らかなように、イ
ノシトール、γ−アミノ酪酸(GABAということもあ
る)及びγ−オリザノールの3者を米等の強化対象物に
混合、加工する必要がある。3者の添加は、同時でもよ
いし、同種のものを複数回に分けてもよいし、異種のも
のを適宜分けて行ってもよい。また、米等の強化対象物
を蒸煮、炊飯、電子レンジ加熱等加熱処理する場合も、
そして更に、強化対象物としてもち等の食品に加工する
場合も、3者の添加は上記のとおりに行えばよい。
【0007】米としては、各種搗精度のものが適宜使用
でき、精白米、7分づき米、胚芽米その他精白程度の異
なる各種精米を適宜使用することができる。強化対象物
の米としては、うるち米、もち米、赤米、黒米、その他
各種の米がすべて包含される。そして強化対象物として
は、米のほか、飯、おこわ、具入りごはん、せいろごは
ん、もち、米粉、米菓透米を各種加工処理してなる加工
食品もすべて包含される。
【0008】本発明は、玄米成分を有効成分としてなる
玄米成分強化剤に関するものであるが、玄米成分(イノ
シトール、γ−アミノ酪酸、γ−オリザノール)は、も
ち米の玄米、うるち米の玄米、米糠、米胚芽、米糠油、
米胚芽油、その他天然物から抽出したものが使用できる
ほか、合成したものも使用可能であり、これら玄米成分
含有物も、本発明においては、玄米成分に包含される。
いずれも、市販品が適宜単用又は2種又は3種併用可能
である。なお、玄米成分、玄米成分含有物としては、も
ち米のほか、うるち米由来のものも、単用又はもち米由
来のものと混合使用できる。以下、うるち米由来のもの
を例にとって説明する。
【0009】玄米成分含有物としては、玄米成分を含有
するものがすべて包含され、例えば、玄米成分を含有す
る天然物のもち米玄米成分含有画分、その濃縮物、ペー
スト化物等が例示され、また、玄米成分の水溶液、アル
コール溶液、乳化液、そ(れら)の濃縮物、ペースト化
物等も例示される。
【0010】玄米成分、例えばγ−オリザノールのよう
に非水溶性成分の場合、乳化液としてもよい。その際、
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、大豆レシチン、卵黄レシチン、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステルその他食品に使用可能な乳化剤を用い
て、玄米成分を乳化してもよい。
【0011】本玄米成分強化剤で精米を強化する方法
は、強化米製造の常法にしたがって行えばよく、精米と
玄米成分強化剤を混合したり、精米を玄米成分強化剤溶
液に浸漬したり、精米に玄米成分強化剤溶液をスプレー
したり、糊化した精米表面に玄米成分強化剤を付着せし
めたり、各種常法が適宜利用できる。また、精米と玄米
成分強化剤を別々に用意しておき、炊飯(あるいは蒸
煮)前に、炊飯(あるいは蒸煮)時に又は炊飯(あるい
は蒸煮)中に玄米成分強化剤を添加して両者を混合して
もよい。
【0012】本発明において、玄米成分強化剤の処理対
象物としては、米自体分のほか、上記したようにこれを
炊飯(蒸煮)した白飯といった加工食品も包含するもの
である。本発明に係る該加工食品としては、白飯、おか
ゆ、おもゆ、もち米白飯のほか、おこわ、具入りおこわ
(山菜おこわやを粟おこわ等;あずきにかえて、ささ
げ、大豆、エンドウ等を入れたもち米白飯;山菜、栗、
アサリ等の貝類その他、各種の具材を入れたもち米白
飯);具材を入れてもよいせいろ飯;これらはさらにダ
シ汁、スープ、調味料、香辛料等を調味してもよい)、
もち、もち類(ヨモギを入れたり、中にあんをいれたも
ち等、もちの加工品)、もちやもち類を入れた食品(ぜ
んざい、雑煮等;即席食品も含む)等、うるち米、もち
米や蒸煮(炊飯)したうるち米、もち米を各種加工処理
した食品が広く包含される。したがって本発明において
は、もちにはもちのほかに、もち類、もちやもち類を入
れた食品が包含される。
【0013】また本発明は、玄米成分強化剤の存在下、
処理対象物を、蒸煮(蒸し)、炊飯、電子レンジ処理そ
の他加熱処理することにより実施することができる。そ
の態様としては、上記したうるち米やもち米を加熱処理
したり、炊飯(又は蒸煮)前〜炊飯(又は蒸煮)中のい
ずれかの工程において玄米成分を存在せしめておいた
り、場合によっては炊飯(又は蒸煮)後の飯に玄米成分
を添加混合してもよい。
【0014】また、本発明においては、玄米成分3成分
を同時に使用するほか、各成分を1種または2種別々に
使用してもよく、しかもその回数に制限はなく、トータ
ルで3成分が添加されればよい。おこわ、具入りおこ
わ、せいろ飯、もちその他加工食品の場合も同様であ
る。
【0015】例えば処理対象物が加工食品であるもちの
場合、玄米成分強化剤で処理製造した強化米白飯をつい
てもちに加工したり、強化していない通常のもち米白飯
をついてもちにする工程中あるいはもち製品に玄米成分
強化剤を添加混合してもよい。
【0016】本発明に係る玄米成分強化剤の対象物とし
ては、うるち米やもち米を粉砕加工処理等することなく
通常の粒状のままのもののほか、これを粉砕したり、粉
末化したりしたものも包含され、例えば、米粉、上新
粉、寒ざらし粉、道明寺粉、早みじん粉タイプのものも
包含される。また、これらで製造した団子、せんべい、
おかき等の米菓のほか、各種和菓子等の米菓も加工食品
の例として挙げられる。
【0017】本発明に係る玄米成分強化剤は、イノシト
ール、γ−アミノ酪酸、γ−オリザノールを有効成分と
するものであり、その態様としては、これら3成分すべ
てを混合してなる強化剤はもちろんのこと、これら3成
分のうちの1ないし2成分を別個に用意しておき、これ
を使用時に混合するいわゆる用時調製タイプの強化剤と
してもよいし、また所望するのであれば、これは3成分
の内の1ないし2成分を(必要をあれば製剤化してお
き)玄米成分強化対象物にそれぞれ添加するタイプとし
てもよい。
【0018】本発明に係る玄米成分強化剤は、有効成分
を増量剤、分散剤と混合するほか、医薬品の製剤化にし
たがって、粉状、顆粒状、粒状、錠剤、ペースト状、液
状、乳化液状、懸濁液状その他の剤型に製剤化すればよ
い。もちろん、製剤化することなく各成分をそのまま対
象物と接触せしめてもよいし、例えば各成分をそのまま
少量の対象物(例えば米)と混合してプレミックスとし
ておき、これを残りの対象物に添加、混合してもよい。
【0019】粉状の玄米成分強化剤を調製するには、有
効成分を増量剤と混合すればよく、増量剤としては例え
ば米粉、米澱粉その他各種澱粉、オリゴ糖、デキストリ
ン、セルロース、マンナン、ガラクタン、キシラン、イ
ヌリンその他各種多糖類等が使用できる。そして液状の
玄米成分強化剤を調製するには、有効成分を水、乳化
剤、分散剤等を用いて常法にしたがって処理すればよ
い。
【0020】本発明に係る玄米成分強化剤の調製におい
て、各玄米成分の配合量は、うるち米精米に1kgに対
して、イノシトールを0.5〜5〜7.5g、γ−アミ
ノ酪酸を0.002〜0.03〜0.045g、及びγ
−オリザノールを0.05〜0.5〜0.75gとする
のがよい。また、必要あれば、ビタミン類(ビタミンB
1、B2、B6、B12、A、D、E等)を添加してもよ
く、その場合、玄米における含有量を参考にして配合量
を決めればよい。例えばビタミンB1の場合は1〜50
mg、好ましくは約10mg、ビタミンB2の場合は
0.5〜50mg、好ましくは約6mg程度を配合すれ
ばよい。
【0021】本発明によれば、後記するところからも明
らかなように、玄米成分を3種類同時にあるいは別個に
併用することによって、従来のように風味、食感等を劣
化させることなく、玄米成分を玄米と同等に強化できる
だけでなく、玄米以上に強化できるという著効が奏され
る。加工食品の場合も同様である。
【0022】すなわち本発明においては、玄米成分は、
同時に使用する場合及び各成分を別個に使用する場合の
いずれにおいても、精米に対して重量比で下記の添加量
となるように精米に添加すればよい。 イノシトール:0.05〜0.5〜0.75% γ−アミノ酪酸:0.0002〜0.003〜0.00
45% γ−オリザノール:0.005〜0.05〜0.075
【0023】これに対して、玄米における各成分の含有
量(一般値)は、下記のとおりである。 イノシトール:0.1〜0.12% γ−アミノ酪酸:0.00075〜0.0015% γ−オリザノール:0.03〜0.04%
【0024】したがって両者を比較すれば明らかなよう
に、本発明においては、玄米と同程度に玄米成分を強化
することができるだけでなく、きわめて特徴的なこと
に、玄米よりも多量に玄米成分を強化できるという著効
が特に奏される。具体的には、上記した各添加範囲にお
いて、本発明においては、中央〜右側の範囲という非常
に多量の玄米成分を強化することが可能となった点で特
徴的である。なおこの場合、添加量を多くすると、米が
薄く着色し、玄米臭が多少認められ、厳密な意味で白米
とはいえないが、これを炊飯又は蒸煮した場合、おいし
く食べられ、目的とする玄米成分強化加工米及び各種加
工食品を充分に得ることができる。
【0025】なお、胚芽及び精米における玄米成分含有
量は、それぞれ下記のとおりであって、本発明に係る加
工米における玄米成分の強化割合がきわめて卓越してい
ることが明らかに認められる。 胚芽米の含有量(市販品の測定値) イノシトール:0.08% γ−アミノ酪酸:0.0008% γ−オリザノール:0.032% 精米の含有量(島根県産コシヒカリの測定値) イノシトール:0.04% γ−アミノ酪酸:0.0006% γ−オリザノール:0.017%
【0026】以下、本発明の比較例及び実施例について
述べる。
【0027】(比較例1)玄米成分について、その種
類、組合わせ、配合割合をかえて、精白米と共に炊飯
し、得られた加工飯について、下記により評価試験(パ
ネルテスト)を行った。なお、米としてはうるち米を使
用したが、もち米についても同様の評価が得られた。 (評価試験)精白米との比較試験とした。評価試験は官
能評価とし、パネラーは20代から50代の男女各5名
ずつ計10名で5点評価法で行った。1点(まずい)、
2点(ややまずい)、3点(変わらない)、4点(やや
うまい)、5点(うまい)
【0028】(1)米にイノシトール添加(配合比を変
えたもの3種) a.玄米含有と同程度の添加(精米に対する重量比0.
1%添加・以下同じ) 甘みがあり、後味が悪い。食べれなくはないがまずい (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 6人 4人 0人 0人 0人 1.4点
【0029】b.玄米含有の2倍程度の添加(0.2
%) 甘みがあり、後味がかなり悪い。食べれる限界 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 10人 0人 0人 0人 0人 1.0点
【0030】c.玄米含有の1/2程度の添加(0.0
5%) やや甘みがあり後味悪い、食べれなくはないがまずい (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 4人 6人 0人 0人 0人 1.6点
【0031】(2)米にγ−アミノ酪酸添加(配合比を
変えたもの2種) a.玄米含有と同程度の添加(0.001%) 生臭みが強くまずい。食べれる限界 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 10人 0人 0人 0人 0人 1.0点
【0032】b.玄米含有の1/2程度の添加(0.0
005%) やや生臭みがありまずい。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 7人 3人 0人 0人 0人 1.3点
【0033】(3)米にγ−オリザノール添加(配合比
を変えたもの3種) a.玄米含有と同程度の添加(0.035%) 舌にまとわりつくようなエグミを感じ、とても食べられ
るものではない。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 10人 0人 0人 0人 0人 1.0点
【0034】b.玄米含有の1/2程度の添加(0.0
175%) 舌にまとわりつくようなエグミを感じる。食べれる限
界。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 10人 0人 0人 0人 0人 1.0点
【0035】c.玄米含有の1/5程度の添加(0.0
07%) 甘みを感じる。舌にまとわりつくような感じはなくな
る。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 0人 8人 2人 0人 0人 2.2点
【0036】以上の結果から明らかなように、各玄米成
分は、いずれも単用の場合には食味、食感の面で満足で
きるものではなかった。
【0037】(比較例2)(1)〜(3)の単品添加の
データを元に2種類ずつ可食限界量と思われる添加量の
組み合わせで添加し、上記と同様にパネルテストを行っ
た。 イノシトール 玄米含有の2倍程度(0.2%) γ−アミノ酪酸 玄米含有の1倍程度(0.001%) γ−オリザノール 玄米含有の1/2倍程度(0.0175%)
【0038】(4)米にイノシトールとγ−アミノ酪酸
2種類を添加 (イノシトール 0.2%、γ−アミノ酪酸 0.00
1%) 精白米に比べてまずく、何か口の中に残るような感じが
する。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 0人 6人 4人 0人 0人 2.4点
【0039】(5)米にイノシトールとγ−オリザノー
ル2種類を添加 (イノシトール 0.2%、γ−オリザノール 0.0
175%) 精白米に比べてまずく、炊きあげ時の臭いと、口の中に
違和感が残る。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 0人 8人 2人 0人 0人 2.2点
【0040】(6)米にγ−アミノ酪酸とγ−オリザノ
ール2種類を添加 (γ−アミノ酪酸 0.001%、γ−オリザノール
0.0175%) 舌にまとわりつく感じが残りまずい。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 2人 8人 0人 0人 0人 1.8点
【0041】以上の結果から明らかなように、各玄米成
分は、これを2種類併用しても、食味、食感の面で未だ
満足できるものではなかった。
【0042】
【実施例1】玄米成分3種類を添加して得た玄米成分強
化加工飯について、上記と同様にパネルテストを行っ
た。
【0043】(A)3種類を玄米含有量と同等量(イノ
シトール 0.1%、γ−アミノ酪酸 0.001%、
γ−オリザノール 0.035%)を混合添加した場
合、やや味、臭いが気になるものの、単品添加、2種混
合添加に比べ大幅に味の改善が見られた。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 0人 2人 8人 0人 0人 2.8点
【0044】(B)単品添加で可食限界と見られた配合
で添加(イノシトール 0.2%、γ−アミノ酪酸
0.001%、γ−オリザノール 0.0175%)し
た場合、精白米を炊飯したものと遜色の無いものが得ら
れた。 (炊飯テスト) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 0人 1人 3人 6人 0人 3.5点
【0045】(B)の結果よりγ−オリザノールの添加
量の変化が味の変化に一番多く影響されると思われる。
【0046】3種類の添加物を(A)、(B)のデータ
を参考に配合率を変化させ、3種混合で添加テストを実
施した結果、下記配合範囲であれば、色調、食味等に問
題はなく、ご飯として食されると判断された。 (添加範囲) イノシトール (0.05〜0.5%〜0.75) γ−アミノ酪酸 (0.0002〜0.003%〜0.0045) γ−オリザノール (0.005〜0.05%〜0.075)
【0047】
【実施例2】上記と同様にして、各玄米成分の配合率を
変化させ、3種混合で添加テストを行った。その結果を
下記するが、その結果から明らかなように、3種混合添
加によって卓越した効果が奏されることが明らかにされ
た。 (炊飯テスト) 3種混合添加(イノシトール 0.05%、γ−アミノ酪酸 0.000 2%、γ−オリザノール 0.005%) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 0人 3人 7人 0人 0人 2.7点 3種混合添加(イノシトール 0.5%、γ−アミノ酪酸 0.003% 、γ−オリザノール 0.05%) 1点 2点 3点 4点 5点 平 均 0人 4人 6人 0人 0人 2.6点
【0048】
【実施例3】γ−オリザノール0.5gをうるち米粉1
0gと充分に混合しておき、これにイノシトール5g、
γ−アミノ酪酸0.03gを加え、更にうるち米粉を加
えて全量を50gとし、充分に混合した。このようにし
て得られた粉状の玄米成分強化剤は、うるち米1kg玄
米成分で強化するのに好適であった。
【0049】
【実施例4】水100kgを70℃に加温し、これにγ
−イノシトール3.3kg、含有量としてGABA
1.3g、乳化処理したγ−オリザノールをオリザノー
ルとして0.025gをそれぞれ溶解して、液状の玄米
成分強化剤を製造した。
【0050】
【実施例5】原料米3000Kg(1000Kg×3)
を洗米(60分)、浸漬(90分)、水切り(20分)
した後、蒸煮した(蒸煮時間12分、蒸気圧力0.15
Kg/cm2、米流量約750Kg/時間)。蒸煮工程
中、上記実施例によって得た液状の玄米成分強化剤を
1.5kg/分の噴霧量で噴霧添加した。次いでこれを
乾燥して(乾燥温度50〜75℃)、水分含量15±1
%の玄米成分加工うるち米を得た。同様にして、玄米成
分加工もち米も得た。
【0051】
【実施例6】(1)あずき300gに水2Lを加えて2
0分間沸とう加熱処理した後、あずきと煮汁とを分離し
た。実施例5で得た玄米成分強化加工もち米3kgにあ
ずきとあずき煮汁を加え、食塩10gを添加した後、蒸
し器で50分間蒸して、おこわを製造した。
【0052】(2)実施例5で得た玄米成分強化もち米
280g(2合分)を洗米することなくそのまま電気炊
飯器の内釜に入れ、食塩1g、あずき30gと水250
mlの20分間加熱処理物を加え、軽く撹拌し、スイッ
チを入れた。そしてスイッチが切れた後、10分間蒸ら
して、おこわを製造した。何れの方法で製造したおこわ
も、常法にしたがって精白したもち米を使用して製造し
たおこわと、風味、食感ともにそん色のないものであっ
た。
【0053】
【実施例7】もち米10kg、水1.5kg、更にイノ
シトール33g、γ−アミノ酪酸0.1g、乳化処理し
たγ−オリザノール0.75gを加え、市販の自動もち
つき器(商品名:自動餅搗機(中井機械工業
(株))))で処理して、玄米もちを製造した。このよ
うにして得た玄米成分強化加工もち米食品の1例でやる
玄米もちは、常法にしたがい、通常のもち米を用いて、
しかも臼と杵でついたもちと、風味、食感ともに全くそ
ん色のないにすぐたものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明によって得た玄米成分を強化した
加工米(飯)は、精白米でありながら玄米と同等、更に
はそれ以上の玄米成分を含有しており、しかもその風
味、食感は玄米の場合よりもきわめてすぐれており、精
白米の場合と何らそん色のないものであった。したがっ
て、本発明によれば、玄米よりも更にすぐれた精白米を
得ることができる。そして本発明は、うるち米およびも
ち米のいずれにも適用可能である。
【0055】本発明によって製造された、玄米成分強化
加工米及び同加工もち米の栄養成分の分析例は、下記の
とおりであって、玄米(四訂 日本食品成分表)と何ら
そん色のないものであった。
【0056】 (栄養成分表:100g中含有量) 玄米 加工米 加工もち米(水分15%) エネルギー 351kcal 347kcal 360kcal タンパク質 7.4g 5.7g 6.4g 脂質 3.0g 0.8g 1.2g 糖質 71.8g 79.3g 77.0g ナトリウム 2mg 8mg 3mg 食物繊維 1.0g 0.8g 0.3g イノシトール 0.1g 0.24g 0.24g γ−アミノ酪酸 1.0mg 0.9mg 0.9mg γ−オリザノール 30mg 7.5mg 7.5mg
【0057】このようにして製造した加工米は、常法に
したがって炊飯することにより、食味、食感がすぐれた
玄米成分強化加工飯とすることができる。例えば、上記
加工うるち米(実施例5)(280g:2合分)を洗米
することなくそのまま電気炊飯器の内釜に入れ、水を内
釜のカップ(2合)の目盛りまで入れ、軽くかき混ぜ、
すぐにスイッチを入れる。そしてスイッチが切れた後、
10分程度蒸らせばよい。このようにして、きわめて手
軽に玄米風のごはんあるいはそれ以上のすぐれたごはん
を食べることができる。
【0058】また、本発明によれば、玄米成分を強化し
たすぐれたもち米精白米といった加工もち米が得られる
だけでなく、すぐれた玄米成分強化加工もち米食品も得
ることができる。該加工もち米食品としては、飯、おこ
わ、具入りおこわ、せいろごはん、具入りせいろごは
ん、もち、もち類、米菓その他加工もち米に由来する食
品が広く包含される。うるち米についても各種加工した
食品が広く包含される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/30 A23L 1/30 B 1/305 1/305 (72)発明者 矢富 伸治 島根県簸川郡大社町大字北荒木645 ア ルファー食品株式会社内 (72)発明者 沖田 健一 島根県簸川郡大社町大字北荒木645 ア ルファー食品株式会社内 (56)参考文献 特開2001−128627(JP,A) 特開 平7−255393(JP,A) 特開 平11−56276(JP,A) 特開 平7−213252(JP,A) 特開 平9−140361(JP,A) 特開 平9−275933(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イノシトール、γ−アミノ酪酸及びγ−
    オリザノールを有効成分としてなること、を特徴とする
    玄米成分強化剤。
  2. 【請求項2】 有効成分の配合比率が、重量部として、
    イノシトール:0.05〜0.5〜0.75部、γ−ア
    ミノ酪酸:0.0002〜0.003〜0.0045
    部、γ−オリザノール:0.005〜0.05〜0.0
    75部であること、を特徴とする請求項1に記載の玄米
    成分強化剤。
  3. 【請求項3】 更に、ビタミン類を有効成分としてなる
    こと、を特徴とする請求項1又は2に記載の玄米成分強
    化剤。
  4. 【請求項4】 イノシトール、γ−アミノ酪酸、γ−オ
    リザノール及び必要に応じてビタミン類を、玄米成分強
    化対象物に対して、同時にあるいは別々にてんかするこ
    と、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載し
    た玄米成分強化剤の使用方法。
  5. 【請求項5】 精米に対する重量比で、イノシトールを
    0.05〜0.5〜0.75%、γ−アミノ酪酸を0.
    0002〜0.003〜0.0045%、及びγ−オリ
    ザノールを0.005〜0.05〜0.075%を精米
    に添加してなること、を特徴とする請求項4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 玄米成分強化対象物が、うるち米、もち
    米、その加工食品の少なくともひとつであること、を特
    徴とする請求項4又は5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 加工食品が、飯、おこわ、具入りおこ
    わ、せいろごはん、もち、米粉、米菓の少なくともひと
    つであること、を特徴とする請求項に記載の方法。
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