図1は、本実施形態に係る会計システム1の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、会計システム1は、登録装置2(2a、2b)と、会計装置3(3a、3b、3c、3d)とを備えている。登録装置2(2a、2b)はそれぞれカウンタ5の上に設置されている。会計装置3(3a、3b、3c、3d)の隣には、商品カゴを置くための載置台4(4a、4b、4c、4d)がそれぞれ設置されている。
登録装置2aは、2台の会計装置3a、3bと接続インタフェース6で接続されている。同様に、登録装置2bは、2台の会計装置3c、3dと接続インタフェース6で接続されている。また、登録装置2a、2bは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク7により、店舗のバックヤードに設置されたストアサーバ8と接続されている。
尚、図1では、会計システム1が、2台の登録装置2a、2bと、4台の会計装置3a、3b、3c、3dとを備えた例を示したが、各装置の台数はこの例に限定されない。また、図1では、登録装置2に接続される会計装置3の数を2台としたが、当該台数はこれに限定されず、登録装置2には複数台の会計装置3が接続されていればよい。
尚、各登録装置2a、2bはそれぞれ同じ構造と機能を備えているので、以下では特に各装置を限定しない場合、これを登録装置2と総称する。また、各会計装置3a、3b、3c、3dについても同様、それぞれ同じ機能構成であるので、以下では特に各装置を限定しない場合、これを会計装置3と総称する。
販売商品の登録作業中、店員Oと客Cとは、カウンタ5を挟んで対面する。一例として、登録装置2aによる登録処理が終了すると、店員Oまたは客Cは商品カゴを、会計装置3a、3bのうちいずれか1台に移動する。例えば図1に示すように、商品カゴを会計装置3aの載置台4aに移動した場合、客Cは会計装置3aにて代金の支払、即ち、会計処理を行う。このように、セミセルフ型の会計システム1では、会計処理を客自身が会計装置3を用いて行うので、店員Oは登録装置2において次の客の商品情報の登録処理に移行することができる。
次に、登録装置2の構成について、図2を用いて説明する。
図2は、登録装置2の外観を示した斜視図である。図2に示すように、カウンタ5の上面に設置された登録装置2は、読取窓112を有する縦型のスキャナ111をベースに構成されている。スキャナ111は、例えば撮像部としてCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサを備えたスキャナである。登録装置2は、OCR(Optical Character Recognition)、パターン認識、あるいは一般物体認識(オブジェクト認識)等の技術を用いて、撮像された画像から商品コードを読み取ったり、商品を識別したりする。あるいは、スキャナ111として、光学式のスキャナを用いてもよい。この場合、登録装置2は、バーコード等のコードシンボルをレーザ光で走査し、その反射光によりコードシンボルに含まれる商品コードを読み取る。
また、登録装置2は、スキャナ111の上部にオペレータ用表示器114および操作部115を備えている。オペレータ用表示器114は、スキャナ111にかざされた商品の商品名および価格等を表示する。オペレータ用表示器114の表面には、タッチパネル113が設けられている。タッチパネル113および操作部115は、商品情報の入力を補助するためのものである。
店員O側から見て登録装置2の左側には、プリンタ116が設けられている。店員O側から見て登録装置2の右側には、カードリーダ118が設けられている。カードリーダ118は、挿入口118Aから挿入された磁気カードに対して磁気的に情報を読み書きする。また、オペレータ用表示器114の反対側には、客Cに対して取引に必要な情報を表示する客用表示器117が設けられている。
次に、会計装置3の構成について、図3を用いて説明する。
図3は、会計装置3の外観を示した斜視図である。図3に示すように、会計装置3は、第一の筐体10と、第二の筐体11とを備えている。第一の筐体10は、入出金装置34とスキャナ35を備えている。第二の筐体11は、第一の筐体10の上面10aに載置されており、表示器61と、プリンタ9と、カードリーダ38とを備えている。
スキャナ35は、スキャナ111と同様の構造を有する。表示器61は、表面にタッチパネル62を備え、第二の筐体11の上方に取り付けられている。表示器61は、例えば液晶パネルで構成され、会計装置3の動作状態に関する情報を画像や文字で表示する。タッチパネル62は、表示器61の表面に設けられており、客Cが触れた位置に基づく情報を制御部50(図4参照)に出力する。
カードリーダ38は、第二の筐体11の左横であって第一の筐体10の上面10aに配されている。カードリーダ38は、カード挿入口38aから挿入されたクレジットカードや会員カード等に対して情報を読み書きする。
入出金装置34は、硬貨投入口46と、紙幣投入口41と、紙幣出金口42と、硬貨出金部43とを備えている。入出金装置34は、紙幣投入口41に投入された紙幣を紙幣収納部(図示せず)に収納する。また、入出金装置34は、硬貨投入口46に投入された硬貨を硬貨収納部(図示せず)に収納する。そして、入出金装置34は、制御部50からの釣銭の払い出し要求に応じて、紙幣の釣銭を紙幣出金口42に払い出す。また入出金装置34は、制御部50からの釣銭の払い出し要求に応じて、硬貨の釣銭を硬貨出金部43に払い出す。
プリンタ9は、第二の筐体11に内蔵された印刷部(不図示)と、第二の筐体11の前面11aに設けられたレシート発行口9aとを有している。プリンタ9は、制御部50の制御に従い、レシートを印字してレシート発行口9aから発行する。
また、会計装置3は、第一の筐体10の上面10aの後方側に立設された円柱状の表示ポール22を備えている。表示ポール22は、上方の先端部に発光部23を有している。
発光部23は、青色に発光する複数のLED(Light Emitting Diode)と、赤色に発光する複数のLEDとを備えている。尚、LEDを複数としたのは発光強度を得るためであるので、単数のLEDで強度が保たれるようならば各色のLEDは単数でもよい。発光部23は、青色、赤色とは異なる色のLEDを用いてもよいし、その他の発光素子を用いてもよい。発光部23は、高さのある表示ポール22の上端に設けられているため、登録装置2のオペレータである店員Oのみならず、他の店員からも目視しやすい。登録装置2の位置からも発光を確認しやすいので、登録装置2の前に立つ客にとっても目視確認しやすい。
発光部23は、会計装置3が登録装置2から取引データを受信すると、客を待ち受ける状態であることを示す第1の発光状態(例えば、青色点滅)で発光する。また、発光部23は、会計装置3が登録装置2から受信した取引データにかかる会計処理に対し、カゴ抜け等の不正が発生した可能性がある際に、第2の発光状態(例えば、赤色点滅)となって店員に異常を通知する。
このように発光部23の発光パターンを切替えることで、カゴ抜けが発生したおそれがある場合に、店員に注意を喚起することができる。カゴ抜け等の不正が発生したおそれがある場合に発光パターンが変わる構成としたことで、不正行為に対する監視を行っていることを客に知らしめ、これにより、不正行為の抑制を図るものである。不正発生の判定および発光パターンの切替え方法については、会計装置3の制御部50(図5参照)の機能構成とともに後述する。
また、表示ポール22は、発光部23の下方に、画像や文字を表示する表示器70を有している。表示器70は、例えば液晶パネルで構成される。表示器70は、例えば、会計装置3で発生したエラーの内容等を表示する。
客は、この会計装置3を操作して、現金、クレジットカード、電子マネー等により、商品の代金を支払う処理、即ち、会計処理を行う。会計装置3は、会計処理において、登録装置2から受信した取引データ(取引情報)に基づいて、一取引の合計請求金額を表示し、当該金額分の会計にかかる処理を制御する。取引データは、処理対象とする一取引の合計請求金額、取引対象商品の商品情報、データ送信元である登録装置2の装置ナンバー、担当店員名等の情報を含む。取引データは、レシート印字に必要なその他の情報を含んでもよい。例えば、取引データは、レシート印字用の販促情報を含んでもよい。
次に、登録装置2および会計装置3のハードウェア構成について説明する。図4は、登録装置2および会計装置3のハードウェア構成を示したブロック図である。
図4に示すように、登録装置2は、制御部150を備えている。制御部150は、制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等を備える。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。またRAMは、オペレータ用表示器114に表示する各種の画面表示データを記憶する。
制御部150は、通信I/F(Interface)140を介して、ネットワーク7で接続されているストアサーバ8(ともに図1参照)とデータ通信を行う。また、制御部150は、通信I/F140を介して、接続インタフェース6で接続されている会計装置3とデータ通信を行う。
また、制御部150は、I/O(Input/Output)機器制御部139およびバス138を介して、スキャナ111と、タッチパネル113とに接続される。また制御部150は、I/O機器制御部139およびバス138を介して、オペレータ用表示器114と、キーボード等の操作部115とに接続される。また、制御部150は、I/O機器制御部139およびバス138を介して、プリンタ116と、客用表示器117と、カードリーダ118と、HDD(Hard Disk Drive)136とに接続される。
操作部115は、現計キー、置数キー1150、確定キー1151、カゴ抜け解除キー1152等の操作キーを備えている。現計キーとは、一取引における商品読取を終了し、当該取引の合計請求金額を算出する指示を受付ける操作キーである。確定キー1151とは、一取引の合計金額を確定し、当該合計金額を含めた一取引分の取引データを生成し、会計装置3に送信する指示を受付ける操作キーである。
操作例としては、店員は現計キーを操作して合計金額を客用表示器117に表示させた後、会計装置3を見ていずれの会計装置3に取引データを送信すべきかを判断する。起動状態にあり、先客により占有されていない、会計処理の待ち受け状態である会計装置3には、取引データを送信することができる。店員は、このような待ち受け状態の会計装置3を選択し、当該会計装置3に割り当てられた装置番号を操作部115の置数キー1150から入力し、その後、確定キー1151を操作する。登録装置2は、確定キー1151の操作を受付けると、置数キー1150により入力された数値に対応付けられた会計装置3に対し、取引データの送信を開始する。
一方、置数キー1150および確定キー1151が操作されると、登録装置2は先の客の登録処理を終了し、次の客の登録処理に移行する。店員が、次の客の登録処理に取り掛かる一方で、先の客は登録装置2から店員に指示された会計装置3に移動して、会計処理を開始する。会計装置3では取引データを受信して、当該取引データに基づく支払処理が、客によって開始されるのを待ち受ける。
カゴ抜け解除キー1152は、カゴ抜け等の不正行為が発生した際に、会計装置3において未完了のまま取り残された会計処理を取り消して、次の会計処理を行える状態にするための操作キーである。
即ち、カゴ抜けにより先の客が会計を未完了のまま商品を持ち去ってしまうと、会計装置3は処理未完了で入力待ちの状態となり、次の取引データを受信することができない。従来、このようにいわばロック状態に陥った会計装置3を使用可能とするには、店員が登録装置2を離れて会計装置3まで駆けつけ、会計装置3にて未完了の処理を取り消す操作を行う必要があった。そこで従来、店員が登録装置2を離れずに会計装置3の状態を復旧できるようにしたいという要望があった。
そこで本実施形態では、操作部115にカゴ抜け解除キー1152を設け、当該キーの操作により、会計装置3における会計処理を強制終了させて、会計装置3における操作待ちの状態を解除し、次の取引データの受け入れをできるように構成した。これにより本実施形態では、不正行為の発生時に、会計装置3をすみやかに復旧させて、次の客を滞りなく会計処理に移行させることを図った。
尚、上述では各操作キーを操作部115のキーボードに設けるとしたが、これら操作キーをオペレータ用表示器114に表示し、タッチパネル113を介して選択操作を受付けるとしてもよい。
HDD136は、制御部150のCPUが実行するプログラム137と、PLUファイルF1と、売上ファイルF2とを格納している。PLUファイルF1は、各商品にユニークに割り当てられた商品コードと、その商品の名称、価格、商品分類等の商品に関する商品情報とを対応付けて格納している。また、登録装置2が商品を一般物体認識(オブジェクト認識)により特定する構成であれば、PLUファイルF1は、更に、各商品の特徴量または基準画像を記憶する。尚、特徴量とは、商品の基準画像から読み取られた色合いや表面の凹凸状況等のデータである。売上ファイルF2は、登録装置2が生成した取引データを格納するファイルである。
会計装置3は、CPUと、記憶媒体であるROMおよびRAM(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部50を備えている。制御部50は、I/O機器制御部32およびバス31を介して、センサ39、タッチパネル62、表示器61、スキャナ35、カードリーダ38、プリンタ9、入出金装置34、発光部23、表示器70、HDD36と接続している。制御部50は、通信I/F40を介して、接続インタフェース6で接続された登録装置2とデータ通信を行う。
センサ39は、赤外線式の人感センサであり、会計装置3の前に操作者が立ったことを検出する。尚、センサ39は赤外線式に限られるものではなく、超音波式、可視光式、あるいはそれらを組み合わせた方式の人感センサを用いてもよい。
カードリーダ38は、カード挿入口38aから挿入されたクレジットカードまたは会員カードから情報を読み取る。プリンタ9は、会計後にレシートを印刷して、これをレシート発行口9aから発行する。入出金装置34は、紙幣投入口41に投入された紙幣、または、硬貨投入口46に投入された硬貨の入金処理を行う。また、入出金装置34は、制御部50からの出金指示に応じて、紙幣出金口42または硬貨出金部43から釣銭を払い出す。
HDD36は、制御部50が実行するプログラム37と、取引ファイルF3と、不正記録ファイルF4とを格納している。取引ファイルF3は、登録装置2から受信した取引データ、および、会計装置3が実行した会計処理の詳細を記録した会計データ等を格納するためのデータファイルである。
不正記録ファイルF4は、カゴ抜け等の不正行為が発生した際に、その発生日時や取引データ、被害金額等を記録するためのデータファイルである。即ち、不正記録ファイルF4は、登録装置2から取引データが転送されたにも関わらず、当該取引データにかかる会計が不正に行われなかった際に、当該取引データを格納するファイルである。
次に、登録装置2が実行するプログラム137、および、会計装置3が実行するプログラム37について説明する。
図5は、登録装置2および会計装置3の機能構成を示したブロック図である。登録装置2が実行するプログラム137は、図5に示すように、表示制御部151、入力受付部152、登録部153、通信制御部154を含むモジュール構成となっている。制御部150のCPU(プロセッサ)は、HDD136からプログラム137を読み出して、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより上記各部が主記憶装置上に生成される。
また、会計装置3が実行するプログラム37は、図5に示すように、通信制御部51、表示制御部52、操作者検出部53、入力受付部54、会計処理部55、発光制御部56を含むモジュール構成となっている。制御部50のCPU(プロセッサ)は、HDD36からプログラム37を読み出して、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより、上記各部が主記憶装置上に生成される。また、会計装置3の制御部50は、RTC(Real-Time Clock)57を備えている。
次に、登録装置2の制御部150が実現する各部の機能について説明する。
表示制御部151は、オペレータ用表示器114、客用表示器117(ともに図2、図4参照)に出力する表示データを生成し、これら表示器における表示処理を制御する。例えば、表示制御部151は、商品の登録処理を行うための登録画面を、オペレータ用表示器114に表示する。
また、操作部115において置数キー1150と確定キー1151とが順に操作されると、表示制御部151は客用表示器117に、データ転送先の会計装置3に客を案内するメッセージを表示する。案内メッセージとしては、例えば、「1番の会計装置に移動して、会計を行ってください」等のメッセージが表示される。通常であれば、客はこの案内または店員の案内に従って、データ転送先の会計装置3に移動して会計処理を開始することとなる。表示制御部151は、上述のように確定キー1151が操作された後は、登録画面に表示された先の取引にかかるデータの表示をクリアして、次の取引の登録処理に移行する。
入力受付部152は、タッチパネル113、スキャナ111、カードリーダ118、操作部115、通信I/F140からの各種入力を受付ける。例えば、入力受付部152は、スキャナ111がコードシンボルから読み取った商品コードの入力を受付ける。また、入力受付部152は、オペレータ用表示器114に表示された各種画面に対して、タッチパネル113がタッチ操作されると、その入力操作を受付ける。
例えば、入力受付部152は、操作部115において、置数キー1150と、確定キー1151とが順に操作されると、データ転送先の会計装置3の選択操作、および、当該会計装置3へ取引データを転送する指示操作を受付ける。
また、入力受付部152(取消操作受付手段)は、操作部115において置数キー11150とカゴ抜け解除キー1152とが順に操作されると、置数キー1150により選択された会計装置3に対して、会計処理を取り消す指示操作を受付ける。
登録部153は、タッチパネル113、スキャナ111を介して販売商品の商品コードや商品の名称が入力されると、当該商品の商品情報をPLUファイルF1から読み込む。そして、登録部153は、確定キー1151が操作されると、一取引における商品の登録処理を終了して、当該取引にかかる請求金額を確定する。そして登録部153は、当該取引において登録された全商品の商品情報、請求金額、登録装置2の装置番号、および、担当店員を特定する店員情報等を含めて、取引データを生成する。
通信制御部154は、通信I/F140を介して接続された会計装置3またはストアサーバ8との間における、各種情報の送受信を制御する。例えば、通信制御部154(取引情報送信手段)は、登録部153が生成した取引データを、置数キー1150により選択された、データ転送先の会計装置3に送信する。
また、通信制御部154(取消指示送信手段)は、入力受付部152が置数キー1150およびカゴ抜け解除キー1152の操作を受付けると、置数キー1150で選択された会計装置3に対し、現在の会計処理を取り消す取消指示を送信する。これにより登録装置2は、当該会計装置3を、次の取引データを受信可能な状態に変更し、次の取引の会計処理を開始可能な状態とする。
次に、会計装置3の制御部50が実現する各部の機能について説明する。
通信制御部51は、通信I/F40を介して接続された登録装置2との間における、各種情報の送受信を制御する。例えば、通信制御部51(取引情報受信手段)は、登録装置2から、当該登録装置2が直近に行った一取引分の取引データを受信する。上述したように、取引データは、送信元の登録装置2が直近に行った一取引において販売登録した商品の商品情報、当該取引の請求金額等の情報を含んでいる。また、通信制御部51(取消指示受信手段)は、登録装置2から現在の取引の会計処理を取り消す取消指示を受信する。
表示制御部52は、表示器61、表示器70(ともに図3、図4参照)に出力する表示データを生成し、これら表示器における表示処理を制御する。例えば、表示制御部52は、通信制御部51が登録装置2から受信した取引データに基づいて、一取引の請求金額を表示器61の会計画面(不図示)に表示出力する。尚、会計画面の構成は、従来のセミセルフ型チェックアウトシステムの会計装置で用いられているような画面と同様の構成を用いればよい。例えば、会計画面には、現金、クレジットカード、電子マネー等のうちいずれか1つの支払方法を選択する選択アイコンが設けられる。客は当該選択アイコンから、所望する支払方法を選択し、代金の支払いを行う。
操作者検出部53(操作者検出手段)は、センサ39の検出レベル、あるいは、タッチパネル62への入力操作に基づいて、会計装置3の前に立った操作者を検出する。
入力受付部54(操作受付手段)は、タッチパネル62、スキャナ35、カードリーダ38、入出金装置34に対する操作を受付けて、会計処理にかかる入力操作を受付ける。
会計処理部55は、通信制御部51が受信した取引データに基づいて、当該取引データが含む請求金額の会計処理を制御する。即ち、会計処理部55は、上述のように客が会計画面(不図示)から支払方法を選択操作し、入力受付部54が当該操作入力を受付けると、当該支払方法に沿った会計処理を制御する。即ち、現金払いであれば、会計処理部55は、紙幣投入口41、硬貨投入口46を開き、これら投入口に投入された紙幣または硬貨をカウントし、釣銭を算出する。
そして会計処理部55は、入出金装置34を制御して、釣銭分の紙幣があれば紙幣出金口42から払い出し、釣銭分の硬貨があれば硬貨出金部43から払い出す。クレジットカード払いであれば、会計処理部55は、カードリーダ38に挿入されたクレジットカードから情報を読み取り、当該情報をクレジット会社のデータセンタに送信し、取引の可否を問い合わせる。会計処理部55は、取引可を受信すると、カード番号、支払金額等を含む情報を上記データセンタに送信する。
また、会計処理部55は、入出金装置34、カードリーダ38等の入出力状態に基づいて、一取引分の会計処理が正常に完了したことを判定する。例えば、プリンタ9のレシート発行口9aが備えるセンサ(不図示)が、レシート発行口9aからレシートが抜き取られたことを検出すると、会計処理部55は、一取引分の会計処理が完了したと判定する。或いは、入出金装置34の払い出し口に設けられたセンサ(不図示)が、入出金装置34に払い出された釣銭が客により回収されたことを検出すると、会計処理部55は、一会計処理が完了したと判定する。あるいは、カードリーダ38のカード挿入口38aに設けられたセンサ(不図示)が、カード挿入口38aから抜き取られたことを検出すると、会計処理部55は、一会計処理が完了したと判定してもよい。また、会計処理部55は、これらの検出結果を総合的に判定して、一取引分の会計処理の完了を判定してもよい。
また、会計処理部55(処理取消手段)は、登録装置2から現在の会計処理を取り消す取消指示を受信すると、直前に登録装置2から受信し、ワークメモリ上に展開されている取引データをクリアして、当該会計処理を取り消す。これにより、会計処理部55は、次の取引データを登録装置2から受信できる状態になる。
また、会計処理部55(取消記録手段)は、通信制御部51が登録装置2から現在の会計処理を取り消す取消指示を受信すると、取り消し対象の取引データを、不正行為に伴い取り消されたとして不正記録ファイルF4に記録する。
発光制御部56は、発光パターンに準じた発光制御信号を発光部23の各色のLEDに出力して、各LEDの連続点灯状態、点滅状態、消灯状態を切替える制御を行う。
発光制御部56は、通信制御部51が登録装置2から取引データを受信すると、発光部23を第1の発光状態で発光させる。また、発光制御部56は、通信制御部51が登録装置2から取引データを受信してから、一取引分の会計処理が終了するまでの間において、所定時間、会計処理の進行状況に変化がない場合に、発光部23を第1の発光状態から第2の発光状態に変更する。
一例を挙げれば、発光制御部56は、第1の発光状態において発光部23を青色に点滅させ、第2の発光状態において発光部23を赤色に点滅させる。尚、以降の例では、青色点滅により第1の発光状態、赤色点滅により第2の発光状態とする例をあげて説明するが、第1の発光状態、第2の発光状態はこの発光パターンに限定されない。第2の発光状態として、黄色またはオレンジ等、その他の色を点滅発光させてもよいし、複数色の発光素子を例えば交互に点滅させるなどしてアラート状態としてもよい。
また、発光制御部56は、通信制御部51が登録装置2から取引データを受信してから、操作者検出部53が会計装置3の操作者を検出せずに所定時間が経過した場合に、発光部23を第1の発光状態から第2の発光状態に変更する。
また、発光制御部56は、操作者検出部53が操作者を検出したが、会計処理が未完了のまま所定時間が経過した場合に、発光部23を第1の発光状態から第2の発光状態に変更する。
ここで、図6を用いて、不正行為が発生したとする判定基準と、その際の発光制御例について説明する。図6は、不正行為が発生したと判定する例と、その際の発光制御例を示した模式図である。
まず、図6(a)は、支払が正常に完了した場合における、発光部23の発光パターンの推移例を示した図である。ここでは図6(a)に示すように、時刻t0に通信制御部51が取引データを受信したとする。発光制御部56は、時刻t0から発光部23を青色で点滅発光させる。時刻t1にて操作者検出部53がセンサ39またはタッチパネル62を介して操作者を検出すると、発光制御部56は、発光部23を青色の連続点灯に切替えて発光させる。また、表示制御部52は、表示器70に「処理中」または「支払中」等と表示する。そして、時刻t2において会計処理部55が会計処理の完了を判定すると、発光制御部56は、発光部23を消灯とする。表示制御部52は、表示器70に「正常終了」または「支払完了」等のテキストを数秒間表示させてから、待ち受け用の表示メッセージ等に表示を切替える。
図6(b)は、不正行為の1つの例として、登録処理終了後、客が会計装置3に立ち寄らずに商品を持ち去るケースにおいて、発光部23の発光パターンの推移例を示した図である。時刻t0に通信制御部51が登録装置2から取引データを受信すると、会計処理部55は、時刻t0からの経過時間をRTC57によりカウントする。発光制御部56は、時刻t0から発光部23の青色点滅を開始する(第1の発光状態)。そして、時刻t3にて経過時間が所定の閾値T1を超えると、会計処理部55は、不正行為発生の可能性有りと判定する。発光制御部56は、時刻t3にて会計処理部55が不正発生と判定すると、発光部23を赤色で点滅させる(第2の発光状態)。その後、登録装置2でカゴ抜け解除キー1152が操作されて、時刻t4で通信制御部51が会計装置3から取消指示を受信すると、発光制御部56は発光部23を消灯させる。
図6(c)は、不正行為の別の例として、客は会計装置3に立ち寄ったが会計処理を完了せずに商品を持ち去ったケースについて、発光部23の発光パターンの推移例を示した図である。時刻t0に通信制御部51が登録装置2から取引データを受信すると、発光制御部56は発光部23を青色の点滅に発光させる(第1の発光状態)。そして、時刻t5にて操作者検出部53がセンサ39またはタッチパネル62を介して操作者を検出すると、発光制御部56は、発光部23を青色の連続点灯に切替える。会計処理部55は、時刻t5からの経過時間をRTC57によりカウントする。そして、時刻t6にて経過時間が所定の閾値T2を超えると、会計処理部55は、不正行為発生の可能性有りと判定する。発光制御部56は、時刻t6にて会計処理部55が不正発生を判定すると、発光部23を赤色で点滅させる(第2の発光状態)。その後、登録装置2でカゴ抜け解除キー1152が操作されて、時刻t7で通信制御部51が会計装置3から取消指示を受信すると、発光制御部56は発光部23を消灯させる。
尚、閾値T1と閾値T2とは同一であってもよいし、異なる値であってもよい。また、これら閾値の値を適宜変更できる構成としてもよい。
次に、本実施形態の会計システム1が実行する会計処理の手順例について説明する。
図7は、登録装置2が実行する登録処理の手順例を示したフローチャートである。登録装置2において、入力受付部152が商品コードを受付けると、登録部153は商品コードに対応する商品情報をPLUファイルF1から読み込んで商品登録する(ステップS1)。表示制御部151は読み込まれた商品情報を登録画面に表示する。
入力受付部152は、カゴ抜け解除キー1152が操作されたか否かを判定する(ステップS2)。尚、このステップは随時割り込み可能なステップとする。カゴ抜け解除キー1152が操作されなければ(ステップS2:No)ステップS4に移行する。会計装置3を特定する置数キー1150と、カゴ抜け解除キー1152とが順に操作された場合には(ステップS2:Yes)、通信制御部154は、置数キー1150で特定された会計装置3に会計処理の取消指示を送信する(ステップS3)。
入力受付部152が確定キー1151の操作を受付けない間(ステップS4:No)は、ステップS1に戻って商品登録を続ける。入力受付部152が確定キー1151の操作を受付けると(ステップS4:Yes)、登録部153は一取引の請求金額を算出し、当該請求金額、店員番号、レジ番号、取引日時、そして、各商品の商品情報を含めて取引データを生成する。通信制御部154は、生成した取引データを会計装置3に送信する(ステップS5)。また、登録部153は、生成した取引データを売上ファイルF2に格納する。表示制御部151は、取引データを送信した会計装置3を特定する装置番号と、客を会計装置3に誘導するメッセージとを含む案内画面を、客用表示器117に表示する(ステップS6)。その後、次の客の登録処理に移行する(ステップS1)。尚、入力受付部152は、次の取引の商品登録が開始しなくとも、割り込み処理としてステップS2の判定を所定時間ごとに実行する。
図8は、会計装置3が実行する会計処理の手順例を示したフローチャートである。通信制御部51が登録装置2から取引データを受信すると(ステップS11:Yes)、会計処理部55は、RTC57により経過時間tのカウントを開始する(ステップS12)。取引データを受信しない間(ステップS11:No)は、受信を待つ(ステップS11)。また、発光制御部56は、通信制御部51が取引データを受信すると、発光部23を青色で点滅させて発光させる(ステップS13)。
操作者検出部53が、センサ39またはタッチパネル62を介して会計装置3の操作者を検出すると(ステップS14:Yes)、会計処理部55は、ステップS12からカウントした経過時間をリセットして、新たに経過時間をカウントし始める(ステップS15)。そして、発光制御部56は、発光部23を青色の点滅状態から青色の点灯状態に切り替える(ステップS16)。客を検出しなければ(ステップS14:No)ステップS19に移行する。
ステップS11で受信した取引データについて、一連の会計処理が完了すれば(ステップS17:Yes)、発光制御部56は発光部23を消灯する。また、会計処理部55は経過時間tをクリアしてステップS11に移行し、次の取引データが受信されるのを待つ。会計処理が完了していなければ(ステップS17:No)、ステップS21に移行する。
ステップS19において、会計処理部55は、ステップS12でカウントを開始した経過時間tが閾値T1を超えたか判定する。経過時間tが閾値T1を超えた場合(ステップS19:Yes)には、発光制御部56は発光部23を青色点滅から赤色点滅に切替えて発光させる(ステップS20)。その後、ステップS23に移行する。ステップS19:Noであれば、ステップS14に移行する。
ステップS21において、会計処理部55は、ステップS15でカウントを開始した経過時間tが閾値T2を超えたか判定する。経過時間tが閾値T2を超えた場合(ステップS21:Yes)には、発光制御部56は発光部23を青色点灯から赤色点滅に切替えて発光させる(ステップS22)。その後、ステップS23に移行する。ステップS21:Noであれば、ステップS17に移行する。
ステップS23において、通信制御部51が登録装置2から会計処理の取消指示を受信すると(ステップS23:Yes)、発光制御部56は発光部23を消灯する(ステップS24)。会計処理部55は、ステップS11で受信した取引データを、不正行為に伴い取り消された取引データとして、受信日時、取消指示を受信した日時、取消処理の日時等とともに、不正記録ファイルF4に記録する(ステップS25)。その後はステップS11に移行する。取消指示を受信しない間(ステップS23:No)は、発光部23の赤色点滅を続ける(ステップS23)。
なお、不正発生の判定基準は上述の例に限定されない。その他の例として、会計処理部55は、取引データを受信してから一取引の会計処理が正常に完了するまでの間において、会計処理の進行状況に変化がない状態が所定時間続いた際に、不正の可能性有りと判定してもよい。
即ち、発光制御部56は、入力受付部54が一の入力操作を受付けたが次の入力操作を受付けずに、会計処理が未完了のまま所定時間が経過した場合に、発光部23を第1の発光状態から第2の発光状態に変更してもよい。具体例としては、一の入力操作の後、次の入力操作までの経過時間をカウントしておき、当該経過時間が所定の閾値を超えた際に、発光部23を赤色点滅に切替えればよい。
また、閾値に応じて発光パターンを変更する際に、より多段階に閾値を設けて、より多段階に発光パターンを切替えてもよい。例えば、上述の図6(b)のようなケースについては、閾値T1の替わりに、2段階の閾値T10、閾値T11とを設ける。会計処理部55は、時刻t0からの経過時間が閾値T10を超えると、発光部23を黄色で点滅させ、時刻t0からの経過時間がさらに閾値T11を超えると、発光部23を赤色で点滅させるとしてもよい。
また、上述では、不正発生のおそれがあると判定した際に、発光部23の発光パターンを変更してアラート通知するとしたが、通知方法はこれに限定されない。会計装置3は、発光部23の発光パターンを変更するとともに、警告メッセージの音声出力、あるいは、警告音を出力するなどして、アラート通知するとしてもよい。
以上説明した通り、本実施形態にかかる会計装置3は、不正発生のおそれがある際に、発光部23の発光パターンを変えてアラート通知することにより、店員に注意を喚起することができる。また、不正行為に対する監視を行っていることを客に知らしめて、これにより不正行為の抑制を図ることができる。従って、本実施形態にかかる会計装置3は、セミセルフチェックアウトシステムにおける不正行為の抑制を図ることができる会計装置およびプログラムを提供することができる。
尚、本実施形態の登録装置2が実行するプログラム137(図4参照)は、HDD136(図4参照)等に予め組み込まれて提供される。尚、本実施形態の登録装置2が実行するプログラム137は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の登録装置2が実行するプログラム137を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の登録装置2が実行するプログラム137をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の会計装置3が実行するプログラム37(図4参照)は、HDD36(図4参照)に予め組み込まれて提供される。本実施形態の会計装置3が実行するプログラム37は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の会計装置3が実行するプログラム37を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の会計装置3が実行するプログラム37をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
<付記>
<付記1>
登録装置と、会計装置とが接続された会計システムであって、
前記登録装置は、
一取引の請求金額を含む取引情報を生成して前記会計装置に送信する取引情報送信手段と、
前記会計装置における会計処理を取り消す指示操作を受付ける取消操作受付手段と、
前記取消操作受付手段が前記指示操作を受付けると、前記会計装置に、現在の取引の会計処理を取り消す取消指示を送信する取消指示送信手段と、を備え、
前記会計装置は、
前記登録装置から前記取引情報を受信する取引情報受信手段と、
前記請求金額の会計処理を行う会計処理手段と、
前記登録装置から前記取消指示を受信する取消指示受信手段と、
前記取消指示を受信すると、前記会計処理を取り消して、次の取引情報を受信できる状態とする処理取消手段と、
を備えた会計システム。
<付記2>
前記会計装置は、
前記取消指示受信手段が前記取消指示を受信すると、取り消す対象とする前記取引情報を、不正行為に伴い取り消されたとして記憶手段に記録する取消記録手段を更に備えた、付記1に記載の会計システム。
<付記3>
前記会計装置は、
前記取引情報を受信してから一取引分の前記会計処理が終了するまでの間において、所定時間、前記会計処理の進行状況に変化がない場合に、発光部を第1の発光状態から第2の発光状態に変更し、前記取消指示受信手段が前記取消指示を受信すると、前記発光部を消灯する発光制御手段を更に備えた、付記1または2に記載の会計システム。
付記1の会計システムによれば、登録装置2を操作する店員は、会計装置3の前まで行かずとも手元の登録装置2から会計装置3の取引を取り消して、不正発生によるエラー状態を解除することができる。これにより、後に続く客を当該会計装置3に速やかに案内することが可能となり、レジ待ちの時間短縮を図ることができる。
付記2の会計システムによれば、記録を収集することで、店舗側は不正行為に関する情報を収集し、不正行為への対策を講じることができる。
付記3の会計システムによれば、登録装置2を操作する店員が、不正行為に気づきやすくすることができる。また、不正行為のおそれがある際に会計装置3がアラート出力を行うことで、他の客にも不正行為を監視していることを知らしめて、不正行為の抑制を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以上説明した通り、本実施形態によれば、セミセルフ型のチェックアウトシステムにおける不正行為の抑制を図ることができる。