以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(光てこに基づく表面測定方法の検討)
以下では、まず、本願発明者が行った検討結果について、図1~図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、光てこに基づく表面測定方法では、光源100から照射された線状光Lを、移動する被測定対象200の表面で反射させる。また、表面測定方法では、光源100と対向するように配置されたスクリーン300に、被測定対象200で反射した線状光Lの反射像400が投影される。そして、スクリーン300に投影された反射像400を撮像装置500で撮像し、得られた撮像画像内の反射像400を解析することで、被測定対象200の表面測定が行われる。
近年、このような表面測定方法を使用して、広い幅を有する被測定対象の表面測定を行う要求がある。しかしながら、1つの光源100では、光学系の制約又は光出力の制約から広い照射幅を有する線状光を十分なパワー密度で照射できない。そのため、広い幅を有する被測定対象の測定には容易に対応できないという課題がある。そこで、複数の光源を使用して線状光の実質的な照射幅を広げることが考えられる。
ここで、光てこに基づく表面測定方法とは異なり、一般的な表面測定手法である光切断法を用いるのであれば、被測定対象の幅方向の測定線に沿って複数のスリット光が一本続きになるように、複数の光源を配置しさえすればよく、容易に光源の配置を決定できる。なぜなら、光切断法は、被測定対象にスリット光を照射し、被測定対象の表面の反射光を直接測定する手法だからである。
一方で、光てこに基づく表面測定方法においても、図2に示すように、第1光源100aと第2光源100bとから被測定対象200の幅方向に一本続きになるように、第1線状光L1と第2線状光L2とをそれぞれ照射する手法が考えらえる。このとき、被測定対象200で反射した第1線状光L1及び第2線状光L2は、スクリーン300に向かってそれぞれ扇状に広がってゆくため、スクリーン300に投影される第1反射像400aと第2反射像400bとが一部重なってしまう。
上記のように、光てこに基づく表面測定方法では、光切断法と違って、被測定対象200で線状光Lを反射させ、スクリーン300上に投影された反射像400を撮像して測定する(図1)。このため、図2に示すように、第1反射像400aと第2反射像400bとが重なった領域Aでは、被測定対象200の正確な表面測定ができなくなってしまう。
また、図2とは逆に、図3に示すように、第1反射像400aと第2反射像400bとが、スクリーン300上で、被測定対象200の幅方向において重ならないで直線状に連なるように、第1光源100aと第2光源100bとから第1線状光L1と第2線状光L2とをそれぞれ照射することも考えられる。しかしながら、この場合、被測定対象200には、第1線状光L1と第2線状光L2とが反射する幅方向位置Cに第1線状光L1と第2線状光L2とが照射されない領域Bが生じる。被測定対象200の光照射されない領域Bは、表面測定されないため、測定漏れが発生してしまう。
以下に説明する各実施形態に係る表面測定装置及び表面測定方法では、第1反射像400aと第2反射像400bとがスクリーン300上で重なってしまい正確な表面測定ができないという課題や、被測定対象200の幅方向に測定漏れが発生してしまうという課題を解消することができる。
(表面測定装置及び表面測定方法の概要)
以下では、まず、本発明の実施形態の表面測定装置及び表面測定方法について、その概要を説明する。
本発明の実施形態の表面測定装置は、平面上を所定の移動方向に移動する被測定対象の表面、又は、ロールの曲面に沿って所定の移動方向に移動する被測定対象における曲面に沿った状態の表面、を測定するものであり、被測定対象の移動方向に直交する方向である幅方向にわたって線状光をそれぞれ照射する、幅方向に設けられたN(Nは、2以上の整数)個の光源と、N個の線状光が被測定対象の表面の反射領域でそれぞれ反射した反射像が投影されるスクリーンと、スクリーンに投影された反射像を撮像し、撮像画像を取得する撮像装置と、撮像画像を用いて被測定対象の表面を測定する演算処理装置と、備える。また、本発明の実施形態に係る表面測定装置は、反射像がスクリーンに対して互いに弁別可能なように投影されるように、構成されている。
以下に示す第1実施形態及び第2実施形態は、反射像がスクリーンに投影される位置という観点で、各反射像が弁別可能である場合について説明したものである。
また、以下に示す第3実施形態は、被測定対象の表面への線状光の照射タイミングという観点で、N個の光源から照射される各線状光が弁別可能であり、かつ、反射像がスクリーンに投影されるタイミングという観点で、各反射像が弁別可能である場合について説明したものである。
また、以下に示す第4実施形態は、N個の光源から照射される各線状光及びスクリーン上に投影される反射像が、波長という観点で弁別可能である場合について説明したものである。
以下で詳述する本発明の各実施形態の表面測定装置は、被測定対象の幅方向に設けられたN個(Nは、2以上の整数である。)の光源を有しており、各光源からN個の線状光が照射されるものとする。この際、N個の光源のうちの任意の一つである第1光源11から照射される線状光を第1線状光と称し、その他の光源の一つである第2光源12から照射される線状光を第2線状光と称することとする。なお、上記N個の光源は、被測定対象の移動方向における各光源とスクリーンとの間の離隔距離が一定となるように、被測定対象の幅方向に設けられる場合だけでなく、N個の光源間で、上記各光源とスクリーンとの間の離隔距離が異なるように、被測定対象の幅方向に設けられる場合をも含むものとする。
なお、表面測定装置における光源の個数の上限(換言すれば、Nの最大値)については、特に規定するものではなく、着目する被測定対象の幅に応じて、適宜設定することが可能である。また、以下の各実施形態では、表面測定装置において撮像装置が1個存在する場合を例に挙げて説明を行うが、表面測定装置における撮像装置の個数についても、特に規定するものではなく、着目する被測定対象の幅に応じて、適宜設定することが可能である。
以下で詳述する本発明の各実施形態では、第1光源から照射された線状光が、被測定対象の表面で反射して、反射像がスクリーンに投影されるまでの様子を、「第1光源から照射された第1線状光が、被測定対象の表面の第1反射領域で反射して、第1反射像が、スクリーンの第1投影領域に投影される。」のように表記するものとする。
また、表面測定装置に対して被測定対象が相対的に移動する方向を、移動方向MDと定義し、被測定対象の表面上で、移動方向MDに直交する方向を、幅方向WDと定義する。更に、スクリーンの投影面上で幅方向WDに平行な方向を、x方向と定義し、スクリーンの投影面上で幅方向WDに直交する方向を、z方向と定義する。
(第1実施形態)
以下で詳述する本発明の第1実施形態は、反射像がスクリーン上で互いに重ならないようにN個の光源が配置されており、被測定対象が平面上を所定の移動方向に移動している場合における表面測定装置について、説明するものである。ここで、上記の「平面」とは、狭義の平面だけでなく、例えば搬送ラインの搬送面等のように、平面とみなすことが可能な程度の凹凸を有する面をも含むものとする。
図4A~図4Cは、本発明の第1実施形態の表面測定装置1を模式的に示す図である。図5は、光源から照射される線状光の幅と平面上で反射してスクリーンに投影される反射像の幅の関係を説明するための模式図である。第1実施形態では、被測定対象5が平面上を移動する態様を例に挙げて説明する。
図4Aに示すように、本発明の第1実施形態の表面測定装置1は、N個の光源10(図4Aでは、N個の光源10のうちの任意の一つである第1光源11及びN個の光源10のその他の一つである第2光源12のみを図示し、それら以外の光源は図示していない。)と、スクリーン20と、撮像装置30と、演算処理装置40と、を備えている。光源10は、搬送ラインの平面上を移動する帯状の被測定対象5の表面に対して、被測定対象5の移動方向MDの上流側から、線状光Lを照射する。
光源10は、同一構成が望ましく、例えば、連続発振を行うCW(Continuous Wave)レーザ光源、SLD(Super Luminescent Diode)光源又はLED(Light Emitting Diode)光源等の光源部と、ロッドレンズ等のレンズ部とを組み合わせた構成を有する。光源10は、光源部から出射された光を、レンズ部によって、扇状の面に広げて被測定対象5の表面に向かって照射する。
光源10は、幅方向WDに沿って広がり、かつ、移動方向MDに狭い幅を有する線状光Lを照射する。なお、本発明において、光源10は、射出光が扇状に広がるものであればよく、例えば、レンズ部に、ロッドレンズ以外のシリンドリカルレンズ又はパウエルレンズ等のレンズを利用することも可能である。
スクリーン20は、光源10と対向する位置に設けられており、被測定対象5の表面により反射された線状光Lの反射光Sが投影される。スクリーン20は、例えば、被測定対象5の全幅分となるN個の反射光Sが投影できるだけの横幅を有している。また、スクリーン20の高さは、被測定対象5の形状や、被測定対象5の移動に伴って発生する振動、被測定対象5の厚み等に応じて変化するN個の反射光Sの投影位置(すなわち、投影領域)が、スクリーン20上に存在する高さに選定されている。被測定対象5は、特に限定されるものではないが、例えば帯状体であり、このような帯状体として、例えば帯状の金属板などを挙げることができる。
撮像装置30は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサ、又は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を有するエリアカメラであり、スクリーン20と対向する位置に設けられている。撮像装置30は、第1反射光及び第2反射光がそれぞれスクリーン20に投影されてできた第1反射像S1及び第2反射像S2を撮像し、これら第1反射像S1及び第2反射像S2が写った撮像画像を取得する。
ここで、撮像装置30は、演算処理装置40によって制御されており、被測定対象5が移動方向MDに所定距離だけ移動する毎に、演算処理装置40から撮像のためのトリガ信号を受け取る。撮像装置30は、演算処理装置40から出力されたトリガ信号に応じて、反射像Sが投影されているスクリーン20の投影面を順次撮像し、取得した撮像画像を演算処理装置40へと出力する。
図4Bは、図4Aの表面測定装置1を上側からみた平面図である。また、図4Cの右側には、図4Aの表面測定装置1の側面図を示し、図4Cの左側には、スクリーン20の正面図を示す。図4Bは、第1線状光L1及び第2線状光L2に着目したものであり、撮像装置30及び演算処理装置40が省略されている。図4A及び図4Bに示すように、第1実施形態の表面測定装置1では、平面上を移動する被測定対象5の上方に配置された第1光源11と第2光源12とが、幅方向WDにおいて、距離Mだけ離れた位置に配置されている。
第1光源11は、図4A~図4Cに示したように、被測定対象5の移動方向MDにおいてスクリーン20からそれぞれ距離e1の位置から、被測定対象5の移動方向MDにおいてスクリーン20から距離d1の位置に対し、開き角θ1の第1線状光L1を照射する。これにより、被測定対象5の表面に、反射領域R1が生じる。また、第2光源12は、被測定対象5の移動方向MDにおいてスクリーン20からそれぞれ距離e2の位置から、被測定対象5の移動方向MDにおいてスクリーン20から距離d2の位置に対し、開き角θ2の第2線状光L2を照射する。これにより、被測定対象5の表面に、反射領域R2が生じる。
第1線状光L1が被測定対象5の第1反射領域R1で反射することで、スクリーン20の第1投影領域に帯状の第1反射像S1が投影される。また同様に、第2線状光L2が被測定対象5の第2反射領域R2で反射することで、スクリーン20の第2投影領域に帯状の第2反射像S2が投影される。
図4Cに示すように、第1線状光L1の被測定対象5への入射角は角度φ1に設定され、第2線状光L2の被測定対象5への入射角は角度φ2に設定される。ここで、入射角は、被測定対象5の表面の法線と、第1線状光L1(第2線状光L2)の光軸とがなす角度である。また、図5に模式的に示したように、各光源から照射されるそれぞれの線状光Lのビーム径をB0と表記することとし、被測定対象5の表面における移動方向MDでの線状光の線幅を、WLと表記する。
ここで、図4Cに模式的に示したように、第1反射像S1及び第2反射像S2が被測定対象5の形状等に起因してスクリーン20上で位置が変動し、スクリーン20上で投影される可能性がある範囲を、それぞれ、変動範囲ER1及び変動範囲ER2とする。図4Cにおけるwは、変動範囲のz方向における幅(長さ)であり、第1反射像S1及び第2反射像S2それぞれのz方向における変動幅を示す。変動範囲ER1の変動幅であるwには、被測定対象5に想定される形状変化や振動によりスクリーン20のz方向で生じる第1反射像S1の変動領域に加え、図5に示すようにスクリーン20のz方向における第1反射像S1の線幅(太さ)WHを含めることができる。同様に、変動範囲ER2の変動幅であるwには、被測定対象5に想定される形状変化や振動によりスクリーン20のz方向で生じる第2反射像S2の変動領域に加え、スクリーン20のz方向における第2反射像S2の線幅(太さ)WHを含めることができる。なお、反射像の線幅WHは、光源から照射された線状光の幅Bよりも大きくなる。
なお、第1反射像S1及び第2反射像として、第1光源11及び第2光源12から照射された線状光の被測定対象5の表面での反射光が、異なる倍率でスクリーン上に投影されていることになる。そのため、第1反射像S1の変動範囲ER1のz方向での幅と、第2反射像S2の変動範囲ER1のz方向での幅とは、厳密には異なる値となるはずである。しかしながら、上記変動範囲の幅の差は小さいものと見なせるため、ここでは、その変動範囲の幅を、同じwとして説明している。一方で、かかる変動範囲の幅を、適宜異なる値とすることも可能である。その場合には、変動幅の大きい方の値を、wとすることが好ましい。
ここで、第1反射像と第2反射像がz方向において重ならなければ、第1反射像と第2反射像のx方向の位置の如何に関わらず、第1反射像と第2反射像はスクリーン上で互いに重ならず、互いに弁別可能となる。ここで、「z方向において重ならない」とは、第1反射像の線幅中心と、第2反射像の線幅中心と、のスクリーン上でのz方向の距離Δzが、変動幅w以上離れていることを意味し、以下の式(1)を満たすことを意味する。
なお、幾何学的な位置関係から、上記Δzは、以下の式(2)のように表すことができる。
一方、スクリーン上で、第1反射像と第2反射像がz方向において重なるとしても、第1反射像と第2反射像とが幅方向WDにおいて重ならなければ、第1反射像と第2反射像はスクリーン上で互いに重ならず、互いに弁別可能となる。この条件を満たすには、以下の式(3)に示す条件が満たされればよい。
すなわち、N個の光源10が、それぞれ式1、又は、式3を満足すれば、スクリーン20上でN個の反射像はそれぞれ重ならず、互いに弁別可能となる。
本実施形態では、第1線状光L1の被測定対象5への入射角φ1と第2線状光L2の被測定対象5への入射角φ2とに特に限定を設けていないが、例えば、入射角を互いに同一として、被測定対象5の表面で第1反射領域R1の位置d1と第2反射領域R2の位置d2を異なるように、被測定対象5の移動方向MDにおいて相互にずらすだけでもよい。
ここで、入射角が同一であるとは、φ1=φ2が成立する場合のみならず、凹凸の存在しない平面を第1光源11及び第2光源12で撮像した場合に、撮像蔵置30の分解能によって第1反射像S1と第2反射像S2の位置が互いに同じように見える範囲の角度差を有している場合をも含むものとする。
これにより、式(1)、又は、式(3)を満たせば、スクリーン20には、第1反射像S1と第2反射像S2とを、相互に重なることなく離れた状態で投影させることができる。したがって、撮像装置30で取得される撮像画像には、スクリーン20上でz方向に、第1反射像S1と第2反射像S2とが相互に重なることなく離れた状態で撮像される。
更には、N個の光源同士が式(1)又は式(3)を満たしたうえで、N個の光源から照射された線状光が照射された反射領域が、幅方向に沿って移動方向に交互に異なる千鳥配置となるようにしてもよい。このような千鳥配置は、反射領域として確保できる移動方向の範囲が限定される場合に有用である。なお、上記千鳥配置は、2列の配置に限定されず、複数列の配置も含むものとする。
一方、被測定対象5の表面での第1反射領域R1の位置d1と、第2反射領域R2の位置d2とを同一として、第1線状光L1の被測定対象5への入射角φ1と第2線状光L2の被測定対象5への入射角φ2を異なるものとしてもよい。このような構成は、反射領域として確保できる移動方向の範囲が極めて限定される場合に有用である。
ここで、位置が同一であるとは、d1=d2が成立する場合のみならず、凹凸の存在しない平面を、第1光源11及び第2光源12を用いながら測定した場合に、撮像蔵置30の分解能によって第1反射像S1と第2反射像S2の位置が互いに同じように見える範囲の位置ずれを有している場合をも含むものとする。
これにより、式(1)に示す条件を満たせば、スクリーン20には、第1反射像S1と第2反射像S2とを、相互に重なることなくz方向に離れた状態で投影させることができる。したがって、撮像装置30で取得される撮像画像には、スクリーン20上でz方向に、第1反射像S1と第2反射像S2とが相互に重なることなく離れた状態で撮像される。
更には、N個の光源のそれぞれが、上記式(1)又は式(3)を満たしたうえで、N個の光源から照射される線状光の反射領域の移動方向MDの位置を同じとし、被測定対象5への入射角が幅方向に沿って移動方向に交互に異なる配置としてもよい。このような構成は、反射領域に加えて、光源の配置位置の範囲が移動方向で限定される場合に有用である。
本実施形態の演算処理装置40は、撮像装置30で取得された撮像画像に基づいて、被測定対象5の表面の測定として、表面の凹凸等による形状の変化、表面粗さ等を測定することができる。
演算処理装置40は、例えば、下記のようにして、被測定対象5の表面形状を測定する。線状光Lが照射される被測定対象5の表面の位置に傾斜面があると、線状光Lは、傾斜面の傾き角に応じて反射方向が変化する。反射方向の変化は、線状光Lの基準位置からの変位量として現れる。そのため、光てこの原理により、反射像Sは、当該変位量に応じてスクリーン20上での位置が上下することになる。
演算処理装置40は、スクリーン20上を撮像して取得した撮像画像から、反射像Sのスクリーン上の位置を検出することで、表面変化を検出する。
なお、演算処理装置40のより詳細な構成については、以下で改めて説明する。
次に、図6を参照しながら、第1実施形態の演算処理装置40の構成について、詳細に説明する。
第1実施形態の演算処理装置40は、図6に示したように、撮像制御部41と、データ取得部42と、画像処理部43と、表示制御部44と、記憶部45と、を主に備える。
撮像制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信装置等により実現される。撮像制御部41は、第1実施形態の表面測定装置1による測定処理を統括して制御する。
より詳細には、撮像装置30がスクリーン20に投影された反射像の撮像を開始すると、撮像制御部41は、被測定対象5の搬送を制御している駆動機構等から定期的に送出されるPLG信号(例えば、被測定対象5が1mm移動する毎等に出力されるPLG信号)を取得する毎に、撮像装置30に対して、撮像を開始するためのトリガ信号を送出する。
データ取得部42は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。データ取得部42は、撮像装置30から出力された撮像画像データを取得する。データ取得部42は、取得した撮像画像データを、後述する画像処理部43に出力する。
画像処理部43は、例えば、CPU、ROM、RAM、通信装置等により実現される。画像処理部43は、撮像装置30が生成した撮像画像データを取得し、かかる撮像画像データに対して以下で説明する画像処理を行って、被測定対象5の表面を測定する。画像処理部43は、被測定対象5の表面の測定処理を終了すると、得られた測定結果に関する情報を、表示制御部44や記憶部45に伝送したり、表面測定装置1の外部に設けられた各種機器等に伝送したりする。
なお、この画像処理部43については、以下で改めて詳細に説明する。
表示制御部44は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置、通信装置等により実現される。表示制御部44は、画像処理部43から伝送された、被測定対象5の測定結果を、演算処理装置40が備えるディスプレイ等の出力装置や演算処理装置40の外部に設けられた出力装置等に表示する際の表示制御を行う。これにより、表面測定装置1の利用者は、被測定対象5に関する各種の測定結果を、その場で把握することが可能となる。
記憶部45は、演算処理装置40が備える記憶装置の一例であり、例えば、ROM、RAM、ストレージ装置等により実現される。この記憶部45には、表面測定装置1が有する光源や撮像装置の光学的な位置関係を示す情報や、表面測定装置1の外部に設けられた上位計算機(例えば、搬送ラインを全般的に管理している管理コンピュータ等)から伝送される情報といった、表面測定装置1の設計パラメータに関する情報も格納されている。また、記憶部45には、本実施形態に係る演算処理装置40が何らかの処理を行う際に保存する必要が生じた様々なパラメータや処理の途中経過(例えば画像処理部43から伝送された処理結果、事前に格納されている各種のデータやデータベース、及び、プログラム等)が、適宜記録される。この記憶部45は、撮像制御部41、データ取得部42、画像処理部43、表示制御部44及び上位計算機等が、自由にデータのリード/ライト処理を行うことが可能である。
次に、図7~図10を参照しながら、第1実施形態の演算処理装置40が有する画像処理部43について、詳細に説明する。
本実施形態に係る画像処理部43は、撮像装置30により生成された撮像画像を利用し、かかる撮像画像に対して画像処理を施すことで、被測定対象5の表面に関する各種の情報を算出する。この画像処理部43は、図7に示したように、傾き角算出部46と、高さ算出部47と、結果出力部48と、を有している。
傾き角算出部46は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。傾き角算出部46は、撮像装置30により生成された撮像画像を利用し、被測定対象5の表面に関する情報として、被測定対象5の表面の傾き角ωを算出する。以下では、傾き角算出部46により実施される表面の傾き角ωの算出処理について、詳細に説明する。
本実施形態の傾き角算出部46は、撮像画像における線状光の反射像の曲がり具合に基づき、被測定対象5の表面の傾き角ωを算出する。
図8の状態Aとして模式的に示したように、線状光が照射されている部位の被測定対象5の表面が平坦である場合には、撮像画像における線状光の反射像は、スクリーンの幅方向に沿ってほぼ一直線となる。また、図8の状態Bとして模式的に示したように、線状光が照射されている部位(図中、破線で囲った領域)において、被測定対象5の表面が移動方向MDに向かって下がるように傾斜している場合には、この傾斜面で反射した線状光の反射像は、平坦な部分の反射像の位置(以下、「基準位置」ともいう。)から、スクリーンの高さ方向の下方に向かって変位する。その結果、図8の状態Bに示したように、撮像画像には、スクリーンの幅方向と略平行となっている直線部分と、下に凸の部分と、が混在するようになる。逆に、図8の状態Cとして模式的に示したように、線状光が照射されている部位(図中、破線で囲った領域)において、被測定対象5の表面が移動方向MDに向かって上がるように傾斜している場合には、この傾斜面で反射した線状光の反射像は、平坦な部分の反射像の位置から、スクリーンの高さ方向の上方に向かって変位する。その結果、図8の状態Cに示したように、撮像画像には、スクリーンの幅方向と略平行となっている直線部分と、上に凸の部分と、が混在するようになる。
図8における状態B及び状態Cにおいて模式的に示したような、基準位置からの反射像の変位量は、被測定対象5の表面の傾き角ωの大きさに比例する。従って、傾き角算出部46は、まず、撮像画像において、スクリーン20の高さ方向(z方向)の輝度分布が最大となる位置を、輝度値を利用した重心演算により特定して、反射像の線幅の中心とする。その上で、傾き角算出部46は、撮像画像において、スクリーン20の幅方向WDに沿って、反射像の線幅の中心位置の変化を特定していく。これにより、傾き角算出部46は、撮像画像における幅方向WDの各座標において、基準位置(すなわち、スクリーンの幅方向と略平行となっている直線部分でのz座標)との差(すなわち、基準位置からの変位量ΔH)を特定することができる。
撮像画像における反射像の変位は、線状光の線幅WLよりも大きな表面形状の変化に起因しており、線状光の線幅WLよりも大きな表面形状の変化が生じている被測定対象5の表面で反射された線状光は、かかる部分の傾きの方向及び角度に応じて、スクリーン20の投影面上を上下する。ここで、撮像画像における反射像の基準位置からの変位量ΔHと、被測定対象5の表面の傾き角ωとの関係は、光てこの原理により、図9に示したようにΔH=d・tan2ωで与えられる。なお、dは、線状光の被測定対象5の表面への入射点からスクリーン20までの水平距離である。従って、着目する表面の傾き角ωは、ω=(1/2)×tan-1(ΔH/d)という演算を行うことで算出することができる。この際に、水平距離dは、撮像装置30の設計パラメータとして事前に把握することが可能であるため、傾き角算出部46は、撮像画像を解析することで得られる基準位置からの変位量ΔHを利用して、傾き角ωを算出することができる。
傾き角算出部46は、以上説明したような処理を実施することで、線状光が照射されている部位における被測定対象5の表面の傾きの分布を得ることができる。なお、このようにして得られる傾きの値のデータ群を、輝度値の高低や濃淡に置き換えることで、データ群を画像化することも可能である。
傾き角算出部46は、以上のようにして生成した被測定対象5の表面の傾き角に関するデータを、高さ算出部47に出力する。また、傾き角算出部46は、生成した被測定対象5の表面の傾き角に関するデータそのものや、画像化したもの等を、結果出力部48に対して出力してもよい。
高さ算出部47は、例えば、CPU、ROM、RAM等により実現される。高さ算出部47は、傾き角算出部46によって算出された被測定対象5の表面の傾き角を利用し、被測定対象5の表面に関する情報として、着目している被測定対象5の表面の高さを算出する。具体的には、高さ算出部47は、傾き角算出部46によって算出された被測定対象5の表面の傾き角ωを利用し、傾き角の正接tanωを、図10に示したように、被測定対象5の移動方向MDに沿って積分していくことで、被測定対象5の表面の高さ(基準高さからの差分値)を算出する。
高さ算出部47は、以上説明したような積分処理を、各撮像画像から得られた表面の傾き角に関するデータの全ての要素に対して実施することで、被測定対象5の表面全体についての表面の高さに関するデータ群(換言すれば、表面の高さに関するマップデータ)を得ることができる。ここで、かかる表面の高さに関する値を、輝度値の高低や濃淡に置き換えることで、表面の高さに関するデータ群を画像化することも可能である。
高さ算出部47は、以上のようにして生成した被測定対象5の表面の高さに関するデータを、結果出力部48に出力する。
結果出力部48は、例えば、CPU、ROM、RAM、出力装置等により実現される。結果出力部48は、傾き角算出部46及び高さ算出部47によって生成された被測定対象5の表面に関する各種の情報を、表示制御部44に出力する。これにより、被測定対象5の表面に関する様々な情報が、ディスプレイ等の表示部(図示せず。)に出力される。また、結果出力部48は、得られた表面に関する測定結果を、製造管理用プロセスコンピュータ等の外部の装置に出力してもよく、得られた測定結果を利用して、製品に関する各種の帳票を作成してもよい。また、結果出力部48は、被測定対象5の表面に関する情報を、当該情報を算出した日時等に関する時刻情報と関連づけて、記憶部45等に履歴情報として格納してもよい。
以上、本実施形態に係る演算処理装置40の機能の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、各構成要素の機能を、CPU等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係る演算処理装置の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、コンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
図11に示したように、表面測定装置1は、N個の光源が線状光を照射する(線状光照射工程:ステップS101)。スクリーン20には、線状光が被測定対象5の表面の反射領域で反射することで、反射像が投影される(反射像投影工程:ステップS103)。表面測定装置1では、撮像装置30でスクリーン20上の反射像を撮像し(撮像工程:ステップS105)、得られた撮像画像を用いて、演算処理装置40により被測定対象5の表面が測定される(演算処理工程:ステップS107)。
<第1実施形態の作用及び効果>
このように、表面測定装置1では、N個の光源から照射された線状光の反射像がスクリーン20上でそれぞれ重ならないように投影される。このため、広い幅を有する被測定対象5の表面を測定するためにN個の光源を配置しても、スクリーン20に投影される反射像同士が重なることで測定できない領域が発生することを防止できる。
ここで、図4Aに示すような第1実施形態において、4つの光源を設置して、スクリーン20に4つの反射像S1、反射像S2、反射像S3及反射像S4が投影される例について、図12を用いて以下説明する。図12は、スクリーン20の正面図を示している。
図12に示した場合においても、上記のような2つのいずれかの条件が成立している。
すなわち、図12に示すように、スクリーン20上では、スクリーン20のz方向に沿って、反射像S1、反射像S2及び反射像S3は、互いに重なりをもたない。同様に、反射像S2、反射像S3及び反射像S4は、互いに重なりをもたない。これは、式(1)の関係が満たされているためである。
また、スクリーン20の上において、反射像S1と反射像S4は、z方向において重なりを有するが、幅方向においては重なりをもたない。これは、式(3)の関係が満たされているためである。
(第2実施形態)
以下で詳述する本発明の第2実施形態は、被測定対象5がロール等に巻き付きながら移動する場合における表面測定装置について、説明するものである。
以下では、第2実施形態に係る表面測定装置について、第1実施形態と同様にN個の光源のうち任意の2個の光源での関係を例に挙げて、詳細に説明を行うこととする。図13A~図13Bは、本発明の第2実施形態に係る表面測定装置1aを模式的に示す図である。
第2実施形態では、被測定対象5を、ロール50の曲面に沿って湾曲させながら移動させる態様(換言すれば、被測定対象5がロール50に巻き付きながら移動する態様)を例に挙げて説明する。本実施形態では、被測定対象5がロール50に巻き付くことで拘束されていることから、振動が防止できる。被測定対象5の移動方向に張力が付与されていると、更に振動防止効果が向上する。
被測定対象5は、ロール50の曲面に当接することで、ロール50の曲面に沿った曲面Dが形成されながら、移動方向MDに移動する。そして、ロール50の曲面により形成された被測定対象5の曲面Dで、被測定対象5の表面測定が行われる。第2実施形態の表面測定装置1aの他の要素は、第1実施形態の表面測定装置1と同一であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる構成に着目して以下説明する。
図13Aに示すように、本発明の第2実施形態に係る表面測定装置1aは、ロール50の近傍に、幅方向に並ぶN個の光源10(N個の光源のうちの任意の一つである第1光源11及びその他の光源の一つである第2光源12のみを図示し、それら以外の光源は図示していない。)と、スクリーン20と、撮像装置30と、演算処理装置40と、を備えている。光源10は、ロール50を挟んで、スクリーン20と対向するように配置されている。第1光源11を例に挙げると、第1光源11は、搬送ラインのロール50に巻き付きながら移動する被測定対象5の曲面Dに対して、被測定対象5の移動方向MDの上流側から、第1線状光L1を照射する(線状光照射工程)。
線状光L1は、被測定対象5の曲面Dの第1反射領域R1で反射し、スクリーン20の第1投影領域に帯状の第1反射像S1が投影される(反射像投影工程)。第2光源12及びその他の光源についても、同様である。
図13Bの右側には、図13Aの側面図を示し、図13Bの左側には、スクリーン20の正面図を示す。図13Bに示すように、ロール50の軸心からスクリーン20までの水平方向の距離をgとし、ロール50の曲面により形成された被測定対象5の曲面Dの半径(すなわち、ロールの軸心から曲面Dの表面までの距離)をrとする。第1光源11は、スクリーン20から水平方向に距離h1だけ離隔した場所に位置し、第1線状光を被測定対象5の曲面Dの反射領域角ζ1の位置の反射領域R1に、入射角φ1で照射するように設定されている。同様に、第2光源11は、スクリーン20から水平方向に距離h2だけ離隔した場所に位置し、第2線状光を被測定対象5の曲面Dの反射領域角ζ2の位置の反射領域R2に、入射角φ2で照射するように設定されている。
ここで、入射角は、被測定対象5の反射領域で、表面の法線方向(ロール50の半径方向)と、光源から照射された線状光の光軸とがなす角度である。なお、第1実施形態と同様に、第1線状光L1は開き角θ1で照射され、第2線状光L1は開き角θ2で照射される。第1光源11と第2光源12は、幅方向WDにおいて距離Mだけ離れた位置に配置されている。
ここで、スクリーン上で幅方向WDに直交する方向であるz方向で、第1反射像と第2反射像とが重ならなければ、第1反射像と第2反射像の幅方向WDの位置の如何に関わらず、第1反射像と第2反射像はスクリーン上で互いに重ならず、互いに弁別可能となる。ここで、「z方向において重ならない」とは、第1実施形態と同様に、式(1)を満たすことを意味する。
なお、幾何学的な関係から、第2実施形態においては、Δzは、以下の式(4)のように表される。
一方、スクリーン上で、第1反射像と第2反射像とが、z方向において重なるとしても、第1反射像と第2反射像の幅方向WDにおいて重ならなければ、第1反射像と第2反射像はスクリーン上で互いに重ならず、互いに弁別可能となる。この条件を満たすには、以下の式(5)で表される関係が満たされていればよい。
第2実施形態では、第1反射像S1と第2反射像S2とが重ならないようにするために、式(1)又は式(5)の関係を満たすように、各光源の配置を定めればよい。
本実施形態では、第1線状光L1の被測定対象5への入射角φ1と、第2線状光L2の被測定対象5への入射角φ2と、に特に限定を設けていないが、例えば入射角を同一として、被測定対象5の表面で第1反射領域R1の反射領域角ζ1と第2反射領域R2の反射領域角ζ2を異ならせ、反射領域を被測定対象5の移動方向MDにおいて相互にずらすだけでもよい。なお、「入射角が同一である」という表現の意味については、第1実施形態で説明した通りである。
これにより、必然的に式(1)を満たすことになるため、スクリーン20には、第1反射像S1と第2反射像S2とを、相互に重なることなく離れた状態で投影させることができる。従って、撮像装置30で取得される撮像画像には、スクリーン20上でz方向に、第1反射像S1と第2反射像S2とが相互に重なることなく離れた状態で撮像される。
更には、N個の光源同士が式(1)又は式(5)を満たしたうえで、N個の光源からの線状光が照射された反射領域が、幅方向に沿って移動方向に交互に異なる千鳥配置となるようにしてもよい。このような千鳥配置は、反射領域として確保できる移動方向の範囲が限定される場合に有用である。
一方、被測定対象5の表面で第1反射領域R1の反射領域角ζ1と第2反射領域R2の反射領域角ζ2とを同一として、第1線状光L1の被測定対象5への入射角φ1と第2線状光L2の被測定対象5への入射角φ2を異なるものとしてもよい。このような構成は、反射領域として確保できる移動方向の範囲が極めて限定される場合に有用である。
これにより、必然的に式(1)を満たすことになるので、スクリーン20には、第1反射像S1と第2反射像S2とを、相互に重なることなく離れた状態で投影させることができる。従って、撮像装置30で取得される撮像画像には、スクリーン20上でz方向に、第1反射像S1と第2反射像S2とが相互に重なることなく離れた状態で撮像される。
更には、N個の光源同士が式(1)又は式(5)を満たしたうえで、N個の光源から照射される線状光の被測定対象5への入射角が幅方向に沿って移動方向に交互に異なる、千鳥配置となるようにしてもよい。このような構成は、反射領域に加えて、光源の配置位置の範囲が移動方向で限定される場合に有用である。
また、本実施形態においては、図14に示すように、光源から照射された線状光は、曲面Dで反射するため、スクリーン20上で反射像Sの線状光の太さ(z方向の太さ)WHは、反射領域角ζ及び線状光の入射角φに依存し、光源から照射された線状光のビーム径Bよりも大きく拡大される。従って、平面上で反射する第1実施形態に比べ、第2実施形態では、Δzを大きく設定する必要がある。
撮像装置30は、スクリーン20上のこれら第1反射像S1及び第2反射像S2を撮像し(撮像工程)、取得した撮像画像を演算処理装置40に出力する。演算処理装置40は第1反射像S1及び第2反射像S2の撮像画像を用いて画像処理することにより、被測定対象5の表面形状等を算出し、被測定対象5の表面を測定する(演算処理工程)。なお、演算処理装置40による被測定対象5の表面測定は、上述した第1実施形態と同様であるためここではその説明は省略する。
<第2実施形態による作用及び効果>
以上の構成において、第2実施形態による表面測定装置1aでは、曲面Dが形成された被測定対象5の表面を測定する際でも、N個の光源から照射された線状光の反射像がスクリーン20上でそれぞれ重ならないように投影される。このため、広い幅を有する被測定対象5の表面を測定するためにN個の光源を配置しても、スクリーン20に投影される反射像同士が重なることで測定できない領域が発生することを防止できる。
ここで、図13A、図13Bに示すような実施形態において、4つの光源を設置して、スクリーン20に4つの反射像S1、反射像S2、反射像S3及反射像S4が投影される例について、再び図12を用いて以下説明する。
図12に示した場合においても、上記のような2つのいずれかの条件が成立している。
すなわち、図12に示すように、スクリーン20上では、スクリーン20のz方向に沿って、反射像S1、反射像S2及び反射像S4は、重なりをもたない。同様に、反射像S2、反射像S3及び反射像S4は、重なりをもたない。これは、式(1)の関係が満たされているためである。
また、スクリーン20上では、反射像S1と反射像S4はz方向において重なりを有するが、幅方向においては重なりをもたない。これは、式(5)の関係が満たされているためである。
(第3実施形態)
以下で詳述する本発明の第3実施形態は、被測定対象の表面への線状光の照射タイミングという観点で、複数の光源から照射される各線状光が弁別可能である場合に着目している。この第3実施形態は、複数の光源は、撮像装置で撮像する時刻に、スクリーンに投影される被測定対象の表面からの反射像のいずれもが重複しないように、N個の光源からの線状光の照射時刻を制御することで、反射像はスクリーンに対して互いに弁別可能であるように投影される。
以下では、第3実施形態のN個の光源10を有する表面測定装置において、N個の光源10のうちの任意の一つである第1光源11から照射された線状光の反射像、及び、その他の光源の一つである第2光源12のから照射された線状光による反射像を例に挙げて、詳細に説明を行うこととする。
図15A及び図15Bは、第3実施形態に係る表面測定装置1bを説明するための図である。表面測定装置1bは、第1実施形態に係る表面測定装置1と同様に、搬送ラインの平面上を移動する被測定対象5の表面に対して、被測定対象5の移動方向MDの上流側から線状光Lを照射するN個の光源10(第1光源11及び第2光源12以外は図示せず。)、スクリーン20、撮像装置30及び撮像装置30が接続された演算処理装置40を備えている。反射像がスクリーン上で互いに重ならないように各構成が配置されるように制限されていない以外は、第1実施形態と同様であるため、各構成の説明と符号の説明は省略する。なお、図15Aは、光源11から線状光L1が照射され、スクリーン20に第1反射画像S1が投影された状態を示している。また、破線で示したS2は、光源12から線状光L2が照射された場合にスクリーンに投影される反射像S2を表している。図15Bは、光源11と光源12の照射時を入れ替えたものである。
上記構成に加え、第3実施形態の表面測定装置1bは、演算処理装置40が光源10にも接続された構成を有しており、演算処理装置40は、N個の光源10の各照射時刻を制御している。
ここでは、例えば図4Bに例示したような光源11と光源12との間の距離Mが小さく、第1線状光L1の被測定対象5への入射角と、第2線状光L2の被測定対象5への入射角とが同一となり、スクリーンから反射領域R1までの距離d1とスクリーンから反射領域R2までの距離d2とが同一となっている実施形態(すなわち、上記式1と式3を満たさない実施形態)を例に説明するが、入射角と反射領域の位置とを特に限定するものではない。
その結果、第3実施形態では、第1線状光L1及び第2線状光L2が被測定対象5で反射することでスクリーン20に投影される第1反射像S1と第2反射像S2とが、スクリーン20のz方向で同一となり、かつ、スクリーン20の幅方向xで一部重なる位置に投影される。
ここで、第3実施形態では、演算処理装置40が、第1光源11及び第2光源12の照射時刻をずらすように制御して、スクリーン20に第1反射像S1及び第2反射像S2が同時に表れないようにするとともに、演算処理装置40が撮像装置30を制御して、スクリーン20上で第1反射像S1及び第2反射像S2が重ならないタイミングで撮像が行われている。
図15A及び図15Bに示すように、第3実施形態に係る表面測定装置1bでは、第1反射領域R1と第2反射領域R2は、被測定対象5の移動方向MDにおいて、同じ位置に配置される。また、第1光源11と第2光源12とが、幅方向WDに沿って並んで配置されており、第1反射領域R1と第2反射領域R2は、幅方向WDにおいて、連続するように配置される。そして、第1光源11及び第2光源12は、第1線状光L1及び第2線状光L2を、被測定対象5の移動方向MDで同じ位置で、かつ、幅方向WDで連続する位置に照射する(線状光照射工程)。
被測定対象5で第1線状光L1及び第2線状光L2が反射して、第1反射光及び第2反射光がスクリーン20に向けて扇状に広がり、第1反射像S1と第2反射像S2とがスクリーン20に投影された場合を考える。この場合、第1反射像S1及び第2反射像S2は、スクリーン20のz方向における同じ高さ位置において、スクリーン20の幅方向xで一部が重なるような位置に投影される(反射像投影工程)。
表面測定装置1bでは、図15Aに示すように、まず、第1光源11から照射された第1線状光L1を被測定対象5の表面で反射させ、スクリーン20の第1投影領域上に第1反射像S1を投影させる。これにより、被測定対象5では第1線状光L1のみが反射し、スクリーン20には第1反射像S1のみが投影される。次に、図15Bに示すように、第1光源11による第1線状光L1の照射が停止された後に、第2光源12による第2線状光L2の照射が開始される。これにより、被測定対象5では第2線状光L2のみが反射し、スクリーン20の第2投影領域上には、第2反射像S2のみが投影される。このようにして、第1光源11及び第2光源12は、第1線状光L1及び第2線状光L2を交互に照射する。
このとき、撮像装置30は、演算処理装置40からの制御信号に基づいて、第1光源11及び第2光源12の照射時刻に同期して、スクリーン20を撮像する(撮像工程)。このようにして、撮像装置30は、第1光源11と第2光源12が異なる照射時刻で線状光を照射し、スクリーン20を撮像する時刻をそれぞれの照射時刻に合わせることで、第1反射像S1と第2反射像S2のいずれか一方だけが投影されているスクリーン20を撮像し、撮像画像を取得する。
なお、演算処理装置40は、例えば、PLG(Pulse Generator)を備えており、被測定対象5の移動によって発生するパルスによって、第1光源11及び第2光源12の照射時刻と、撮像装置30の撮像時刻とを同期させる。
撮像装置30は、第1光源11の照射時刻に合わせてスクリーン20の第1投影領域上の第1反射像S1を撮像することで取得した撮像画像と、第2光源12の照射時刻に合わせてスクリーン20の第2投影領域上の第2反射像S2を撮像することで取得した撮像画像とを交互に取得してゆき、取得した撮像画像を演算処理装置40に出力する。
これにより、演算処理装置40は、上述した第1実施形態と同様に、撮像装置30で取得された第1線状光及び第2線状光のいずれか一方からなる撮像画像に基づいて、被測定対象5の表面測定を行うことができる(演算処理工程)。なお、演算処理装置40による被測定対象5の表面測定は、上述した第1実施形態と同様であるため、ここではその説明は省略する。
<第3実施形態による作用及び効果>
以上の構成において、第3実施形態による表面測定装置1bでは、N個の光源から照射された線状光の反射像のいずれもが重複しないように、N個の光源からの線状光の照射時刻が制御されている。具体的には、図15A及び図15Bに示したように、N個の反射像のうち、任意の第1反射像S1と第2反射像S2とがスクリーン20上で一部重なる位置に投影されるように第1線状光L1及び第2線状光L2を照射する。この際、第1光源11及び第2光源12で照射時刻をずらし、スクリーン20上に第1反射像S1と第2反射像S2とを交互に投影させる。表面測定装置1bは、第1光源11及び第2光源12の各照射時刻に合わせて、撮像装置30の撮像時刻を同期させることにより、第1反射像S1と第2反射像S2とが重ならずに、第1反射像S1及び第2反射像S2のいずれか一方のみが撮像された撮像画像を取得する。
このため、第3実施形態の表面測定装置1bでは、第1、第2実施形態と違って、反射領域の移動方向MDの位置や、入射角φを限定することなく、スクリーン20に投影される第1反射像S1及び第2反射像S2が重なって測定できない領域が発生することを防止できる。
なお、上述した第3実施形態においては、例えば、幅方向に並んだ光源から照射された反射像が隣同士で重なりを生じるのであれば、幅方向に奇数番目の光源の照射時刻と幅方向に偶数番目の光源の照射時刻をずらし、撮像装置30の撮像時刻を同期させ、それぞれの照射時刻で撮像すればよい。隣だけでなく、一つ隣りにおいても反射像が重なるのであれば、幅方向に3k番目と(3k+1)番目と(3k+2)番目(kはゼロ以上の整数)の光源の照射時刻をずらし、撮像装置30の撮像時刻を同期させ、それぞれの照射時刻で撮像すればよい。もちろん、すべての光源で照射時刻をずらして、それぞれの照射時刻で撮像してもよい。この場合、一つの撮像画像に一つの反射像のみが撮像されることになるため、画像処理が容易となる。
また、上述した第3実施形態においては、1台の撮像装置30で撮像する場合について説明したが本発明はこれに限らず、例えば、複数の撮像装置で各反射像を個々に撮像してもよい。
(第4実施形態)
以下で詳述する本発明の第4実施形態は、複数の光源から照射される各線状光が、波長という観点で、複数の光源から照射される各線状光が弁別可能である場合に着目している。すなわち、以下で詳述する本発明の第4の実施形態は、スクリーン上で重なりあう反射像を構成する線状光の波長が互いに相違する。
以下では、第4実施形態に係るN個の光源を有する表面測定装置において、N個の光源のうちの任意の一つである第1光源11から照射された線状光の反射像の位置と、その他の光源の一つである第2光源12のから照射された線状光による反射像の位置とが重なる場合を例に挙げて、詳細に説明を行うこととする。
図16は、第4実施形態に係る表面測定装置1cを説明するための図である。図16では、N個の光源10のうちの任意の一つである第1光源11と、N個の光源10のその他の一つである第2光源12と、スクリーン20と、撮像装置30と、撮像装置30が接続された演算処理装置40とを図示しており、これら以外の光源、線状光、反射像等は図示していない。反射像がスクリーン上で互いに重ならないように各構成が配置されるように制限されていない以外は、第1実施形態と同様であるため、各構成の説明と符号の説明は省略する。なお。第1実施形態と異なり、各光源から照射される線光源の波長は後述の通り適宜設定される。
表面測定装置1cは、搬送ラインの平面上を移動する被測定対象5の表面に対して、被測定対象5の移動方向MDの上流側から第1線状光L1及び第2線状光L2を照射する第1光源11及び第2光源12を備えている。
ここでは、例えば図4Bに例示したような光源11と光源12との間の距離Mが小さく、第1線状光L1の被測定対象5への入射角と、第2線状光L2の被測定対象5への入射角とが同一となり、スクリーンから反射領域R1までの距離d1とスクリーンから反射領域R2までの距離d2とが同一となっている実施形態(すなわち、上記式1と式3を満たさない実施形態)を例に説明するが、入射角と反射領域の位置とを特に限定するものではない。
その結果、第4実施形態では、第1線状光L1及び第2線状光L2が被測定対象5で反射することでスクリーン20に投影される第1反射像S1と第2反射像S2とが、スクリーン20のz方向で同じ位置にあり、かつ、スクリーン20の幅方向xで一部重なっている。
第4実施形態では、第1光源11から照射される第1線状光L1と、第2光源12から照射される第2線状光L2の波長が相違しており、スクリーン20に投影される第1反射像S1及び第2反射像S2を、波長の違いにより分離できるように構成されている。
図16に示すように、第4実施形態の表面測定装置1cでは、第1光源11と第2光源12とは入射角φが同じであり、第1反射領域R1と第2反射領域R2は、被測定対象5の移動方向MDにおいて、同じ位置となる場所に配置される。そして、第1光源11及び第2光源12は、互いに異なる波長の第1線状光L1及び第2線状光L2を照射する(線状光照射工程)。
第4実施形態の表面測定装置1cでは、第1光源11から照射される第1線状光L1の波長を第1の波長とし、第2光源12から照射される第2線状光L2の波長を、第1の波長とは異なる第2の波長とすることで、スクリーン20上で第1反射像S1及び第2反射像S2が、波長の違いを基に分離可能に投影される(反射像投影工程)。
第1光源11から照射される第1線状光L1と、第2光源12から照射される第2線状光L2とを、公知の光学フィルタ(例えば、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ等)で分離できるような異なる波長帯に設定する。
また、第4実施形態の表面測定装置1cは、撮像装置30を備えており、スクリーン20に投影される第1反射像S1及び第2反射像S2を、撮像装置30により撮像する(撮像工程)。
第4実施形態では、スクリーン20に投影される第1反射像S1と第2反射像S2とがスクリーン20上で一部重なった状態で、撮像装置30で撮像して、撮像画像を取得する。
撮像装置30は、演算処理装置40に接続されており、スクリーン20上の第1反射像S1及び第2反射像S2を撮像した撮像画像を演算処理装置40に出力する。
これにより、演算処理装置40は、撮像装置30で取得された撮像画像に基づいて、撮像画像に含まれる、RGBの成分から、第1の波長の成分と第2の波長の成分とを、データ上で分離する。それぞれの波長の成分は、第1反射領域R1及び第2反射領域R2における、被測定対象5の形状に対応しているため、第1の波長に対応するデータと第2の波長に対応するデータとから、被測定対象5の表面を測定することができる。
なお、撮像装置30としては複数の撮像部を有している撮像装置30であってもよい。この場合、各撮像部により、それぞれに異なる透過波長帯を有する光学フィルタを付けて撮像することで、第1の波長の成分と第2の波長の成分とを分離するようにすることも可能である。その場合には、撮像装置30は、第1の波長と第2の波長の違いにより第1反射像S1と第2反射像S2とが分離された画像を個別に撮像する。このようにして、演算処理装置40では、第1反射像S1及び第2反射像S2が独立に撮像された撮像画像から、被測定対象5の表面をそれぞれ測定することもできる。
<第4実施形態による作用及び効果>
以上の構成において、第4実施形態による表面測定装置1cでは、N個の光源について、任意の隣り合う2つの光源から照射された線状光の波長が相違するように、各光源の波長が設定されている。具体的には、図16に示したように、第1反射像S1と第2反射像S2とがスクリーン20上で一部重なる位置に投影されるように第1線状光L1及び第2線状光L2を照射する。撮像装置30は、第1の波長の第1線状光L1が被測定対象5で反射することでスクリーン20に投影される第1反射像S1と、第2の波長の第2線状光L2が被測定対象5で反射することでスクリーン20に投影される第2反射像S2とを、一旦撮像した後、波長の違いによりデータ上で分離する。このようにして、演算処理装置40では、第1反射像S1及び第2反射像S2が撮像された撮像画像から、波長の違いにより第1反射像S1及び第2反射像S2を分離し、得られたデータを基に、被測定対象5の表面をそれぞれ測定することができる。
以上により、表面測定装置1cでも、広い幅を有する被測定対象5の表面を測定するために第1光源11及び第2光源12を配置しても、スクリーン20に投影される第1反射像S1及び第2反射像S2が重なって測定できない領域が発生することを防止できる。
上述した第4実施形態においては、図16に示すように、N個の光源のうち任意の2つの光源である第1光源11及び第2光源12に着目した場合について説明した。なお、本発明において、N個の光源のすべての波長が異なってもよいし、スクリーン上で重りうる光源同士でのみ波長が異なってもよい。
<各実施形態で共通する内容>
なお、上記の各実施形態において、N個の光源のうち、任意の一つの光源から照射される第1線状光L1の被測定対象5への入射角と、その他の一つの光源から照射される第2線状光L2の被測定対象5への入射角とが同じ角度φであるとは、全くずれのない同じ角度のみだけでなく、第1光源11及び第2光源12等を設置する際に生じる若干のずれ(誤差)をも含むものである。
また、N個の反射領域のうち任意の第1反射領域R1及び第2反射領域R2が、被測定対象5の移動方向MDにおいて同じ位置にあるとは、全くずれのない同じ位置のみだけでなく、N個の光源のうち任意の2つの光源である第1光源11及び第2光源12等を設置する際に生じる若干のずれをも含むものである。このような若干のずれが生じた場合でも、広い幅を有する被測定対象5の表面を測定する際に、スクリーン20に投影される第1反射像S1及び第2反射像S2が重なって測定できない領域が発生することを防止でき、また、被測定対象5に光照射されずに未測定となる領域が発生することがなく、被測定対象5の測定漏れを防止できる。
ここで、上記の各実施形態において、第1光源と第2光源が隣り合う関係の場合、第1反射領域R1と第2反射領域R2との間で、幅方向WDにおいて被測定対象5の表面が測定されない非測定部が生じないようにするため、それぞれの被測定対象の表面の反射領域を被測定対象の移動方向MDに投影した移動方向投影反射領域が幅方向WDで隣の移動方向投影反射領域と重なるように、光源が配置されることが好ましい。
具体的には、図4Bを用いて説明すると、第1光源と第2光源が隣り合っている場合、第1線状光L1の第1反射領域R1の両端部のうち第2反射領域R2に近い側の端部E1と、第2線状光L2の第2反射領域R2の両端部のうち第1反射領域R1に近い側の端部E3とが、幅方向WDにおいて同じ位置に配置されることが好ましい。これにより、第1反射領域R1と第2反射領域R2とを合成すると、被測定対象5において、第1反射領域R1の両端部のうち第2反射領域R2から遠い側の端部E2から第2反射領域R2の両端部のうち第1反射領域R1から遠い側の端部E4までの領域が、幅方向WDにおいて連続することになる。
なお、上述した第1実施形態においては、E1とE3とを、幅方向WDにおいて同じ位置に配置し、幅方向WDでは、第1反射領域R1と第2反射領域R2との間に隙間がなく連続するようにしたが、本発明はこれに限らない。例えば、幅方向WDで第1反射領域R1と第2反射領域R2とを、E1とE3とが、移動方法MDから見て一部重なる位置になるように配置することで、幅方向WDで第1反射領域R1と第2反射領域R2とが連続するようにしてもよい。
ここで、図4A、図13A,図15A、図16では、第1光源11及び第2光源12の2つの光源により、幅方向WDの所定領域に第1線状光L1及び第2線状光L2が照射され、被測定対象5の両端側に線状光が照射されていない。しかしながら、実際には、幅方向WDの全体に線状光が照射されることが好ましく、例えば、光源の数や線状光の幅などが調整される。これにより、線状光が照射されずに未測定となる領域が発生することがなく、被測定対象5の測定漏れを防止できる。その結果、広い幅を有する被測定対象5の表面でも全体に亘って信頼性よく測定することができる。
更に、上述したすべての実施形態においては、光源10を移動方向MDの上流側に配置し、スクリーン20を移動方向MDの下流側に配置した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、光源10を移動方向MDの下流側に配置し、スクリーン20を移動方向MDの上流側に配置してもよい。
また、第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせて実施してもよい。つまり、一部の反射像同士の組み合わせではスクリーン上で別々の位置に投影され、他の組み合わせでは反射像同士の照射タイミングが異なるようにしてもよい。また、一部又は全部の反射像同士の組み合わせで、別々の位置に投影され、かつ、照射タイミングが異なるようにしてもよい。
同様に、第1実施形態と第4実施形態とを組み合わせて実施してもよい。つまり、一部の反射像同士の組み合わせではスクリーン上で別々に投影され、他の組み合わせでは波長が異なるようにしてもよい。また、一部又は全部の反射像同士の組み合わせで、スクリーン上で別々の位置に投影され、かつ、波長が異なるようにしてもよい。
また、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせて実施してもよい。つまり、ロール50の曲面に沿った状態となった非測定対象5の表面を線状光の照射対象とし、一部の反射像同士の組み合わせではスクリーン上で別々の位置に投影され、他の組み合わせでは反射像同士の照射タイミングが異なるようにしてもよい。また、一部又は全部の反射像同士の組み合わせで、別々の位置に投影され、かつ、照射タイミングが異なるようにしてもよい。
同様に、第2実施形態と第4実施形態とを組み合わせて実施してもよい。つまり、ロール50の曲面に沿った状態となった非測定対象5の表面を線状光の照射対象とし、一部の反射像同士の組み合わせではスクリーン上で別々に投影され、他の組み合わせでは波長が異なるようにしてもよい。また、一部又は全部の反射像同士の組み合わせで、スクリーン上で別々の位置に投影され、かつ、波長が異なるようにしてもよい。
更には、第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態を組み合わせて実施してもよい。つまり、一部の反射像同士の組み合わせではスクリーン上で別々に投影され、他の一部の反射像同士の組み合わせでは反射像同士の照射タイミングが異なるようし、残りの反射像同士の組み合わせでは反射像同士の波長が異なるようにしてもよい。また、一部又は全部の反射像同士の組み合わせで、スクリーン上で別々の位置に投影され、照射タイミングが異なり、波長が異なるようにしてもよい。
また、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態を組み合わせて実施してもよい。つまり、ロール50の曲面に沿った状態となった非測定対象5の表面を線状光の照射対象とし、一部の反射像同士の組み合わせではスクリーン上で別々に投影され、他の一部の反射像同士の組み合わせでは反射像同士の照射タイミングが異なるようし、残りの反射像同士の組み合わせでは反射像同士の波長が異なるようにしてもよい。また、一部又は全部の反射像同士の組み合わせで、スクリーン上で別々の位置に投影され、照射タイミングが異なり、波長が異なるようにしてもよい。
(演算処理装置40のハードウェア構成の一例)
次に、図17を参照しながら、本発明の各実施形態の演算処理装置40のハードウェア構成について、詳細に説明する。図17は、本発明の各実施形態の演算処理装置40のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
演算処理装置40は、プロセッサを備え、より詳細には、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、演算処理装置40は、更に、バス907と、入力装置909と、出力装置911と、ストレージ装置913と、ドライブ915と、接続ポート917と、通信装置919とを備える。
CPU901は、中心的な処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置913、又はリムーバブル記録媒体921に記録された各種プログラムに従って、演算処理装置40内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるバス907により相互に接続されている。
バス907は、ブリッジを介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バスに接続されている。
入力装置909は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置909は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、演算処理装置40の操作に対応したPDA等の外部接続機器923であってもよい。更に、入力装置909は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。ユーザは、この入力装置909を操作することにより、演算処理装置40に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置911は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置や、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置911は、例えば、演算処理装置40が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、演算処理装置40が行った各種処理により得られた結果を、テキスト又はイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置913は、演算処理装置40の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置913は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置913は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、及び外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ915は、記録媒体用リーダライタであり、演算処理装置200に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ915は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体921に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体921は、例えば、CDメディア、DVDメディア、Blu-ray(登録商標)メディア等である。また、リムーバブル記録媒体921は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、又は、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体921は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)又は電子機器等であってもよい。
接続ポート917は、機器を演算処理装置40に直接接続するためのポートである。接続ポート917の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポート等がある。この接続ポート917に外部接続機器923を接続することで、演算処理装置40は、外部接続機器923から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器923に各種のデータを提供したりする。
通信装置919は、例えば、通信網925に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置919は、例えば、有線もしくは無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置919は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置919は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置919に接続される通信網925は、有線又は無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、社内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等であってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る演算処理装置40の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。