JP2018168118A - 口腔用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯周病予防及び治療効果に優れた口腔用組成物を提供する。【解決手段】2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸又はその塩を少なくとも含有させた口腔用組成物。該口腔用組成物は、歯周病予防及び治療に優れた効果が認められるものである。【選択図】なし
Description
本発明は、歯周病予防及び治療効果に優れた口腔用組成物に関する。
歯周病はう蝕症と並んで口腔の二大疾患の一つに挙げられ、治療には局所的処置、全身的処置がある。
局所的処置としては、クロルヘキシジンに代表されるような殺菌剤が応用される。全身的処置としては、ホルモン剤、ビタミン剤等がある。さらに、歯肉の発赤、腫脹にはステロイド、非ステロイド系の化学的薬剤が繁用されている。
しかしながら、これらの化学的薬剤を含有させた口腔用組成物は、副作用あるいは毒性の点で問題があるため、現在では副作用及び毒性がない化合物を含有させた、歯周病予防や治療に効果的な口腔用組成物が用いられている。
しかしながら、これらの化学的薬剤を含有させた口腔用組成物は、副作用あるいは毒性の点で問題があるため、現在では副作用及び毒性がない化合物を含有させた、歯周病予防や治療に効果的な口腔用組成物が用いられている。
特許文献1には、2−O−α−グルコシル−L−アスコルビン酸を含有する口腔用組成物が開示されている。該口腔用組成物は、歯周病予防、治療に効果的であり、ほとんどあらゆる歯周病に対して効果があると記載されているが、まだ十分な歯周病予防及び治療効果が得られているとは言えず、より優れた歯周病予防及び治療効果を有する口腔用組成物が求められていた。
歯周病予防及び治療効果に優れた口腔用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記事情に鑑み、歯周病予防及び治療効果に優れた口腔用組成物を鋭意研究した結果、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸又はその塩を少なくとも含有させた口腔用組成物は、歯周病予防及び治療に優れた効果が認められることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明によれば、歯周病予防及び治療効果に優れた口腔用組成物を提供することができる。
以下本発明の構成について説明する。
第一の発明は、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸又はその塩を少なくとも含有することを特徴とする口腔用組成物である。
第二の発明は、口腔用組成物全量における2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸又はその塩の含有量が、0.0005〜5.0質量%であることを特徴とする第一の発明に記載の口腔用組成物である。
以下本発明の構成について説明する。
本発明に用いる2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸は、下記化合物(1)で表されるものである。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の製造方法を以下に説明する。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸は、2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸にβ−アミラーゼを作用させることで得ることができる。
本発明に用いる2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸は例えば以下のような工程によって得ることができる。
(1)L−アスコルビン酸とα−グルコピラノシル糖化合物とを含有する溶液に、糖転移酵素を作用させ、2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1〜7糖類)の混合溶液を得、次いで当該混合溶液にβ−アミラーゼを作用させることによって4糖類以上となる糖鎖を切断し、2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1〜3糖類)含有溶液を作製する。
(2)当該2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1〜3糖類)含有溶液を、イオン交換樹脂等を用いて、未反応のL−アスコルビン酸と2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1糖類、3糖類)を除去し精製する。
(3)溶媒を除去して粉末の2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸(2糖類)を得る。
(1)L−アスコルビン酸とα−グルコピラノシル糖化合物とを含有する溶液に、糖転移酵素を作用させ、2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1〜7糖類)の混合溶液を得、次いで当該混合溶液にβ−アミラーゼを作用させることによって4糖類以上となる糖鎖を切断し、2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1〜3糖類)含有溶液を作製する。
(2)当該2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1〜3糖類)含有溶液を、イオン交換樹脂等を用いて、未反応のL−アスコルビン酸と2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸(1糖類、3糖類)を除去し精製する。
(3)溶媒を除去して粉末の2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸(2糖類)を得る。
<2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸塩>
本発明の2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸は、塩であってもよく、好ましくは金属塩であってもよい。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の塩にすることで、粉末状及び溶液中でそのもの自体が安定であり、かつ、他の成分を分解することがなくなるため、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の塩を含有させた組成物は安定な状態となる。
本発明の2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸は、塩であってもよく、好ましくは金属塩であってもよい。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の塩にすることで、粉末状及び溶液中でそのもの自体が安定であり、かつ、他の成分を分解することがなくなるため、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の塩を含有させた組成物は安定な状態となる。
(金属塩)
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸と、金属塩と、を反応させることで2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の金属塩を製造することができる。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の金属塩の金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンのようなアルカリ金属;マグネシウムイオン、カルシウムイオンのような第2族元素の金属イオン;鉄イオン、銅イオンのような遷移金属イオン;及び亜鉛イオン、アルミニウムイオン等のその他の金属イオンからなる群より選ばれる金属イオンが好ましく挙げられる。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸と、金属塩と、を反応させることで2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の金属塩を製造することができる。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の金属塩の金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンのようなアルカリ金属;マグネシウムイオン、カルシウムイオンのような第2族元素の金属イオン;鉄イオン、銅イオンのような遷移金属イオン;及び亜鉛イオン、アルミニウムイオン等のその他の金属イオンからなる群より選ばれる金属イオンが好ましく挙げられる。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸と反応させる金属塩としては、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム等があげられる。水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化金属塩は、反応による副生成物が水であるため、特に好ましく挙げられる。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸は、2−O−α−D−グルコピラノシル(グルコシル)−L−アスコルビン酸と比較すると、格段に歯周病予防及び治療効果に優れている特徴がある。
口腔用組成物全量における2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸又はその塩の含有量は、0.0005〜5.0質量%が好ましく、0.001〜2.0質量%がより好ましく挙げられる。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸に加えて、さらに抗歯周病剤を含有させると、効果が相乗的に高まるので好ましく挙げられる。
抗歯周病剤としては、抗炎症剤、抗プラスミン剤、細胞賦活剤、酵素剤、ビタミン剤等が挙げられる。抗炎症剤としてはアラントイン、ヒノキチオール、カルサミン、グリチルリチン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、ジヒドロコレステリン及びその誘導体等、抗プラスミン剤としてはε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸等、細胞賦活剤、酵素剤として塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、溶菌酵素、ムタナーゼ、クロルヘキシジン、ソルビタン酸、アレキシジン、セチルピリジニウムクロライド、アルキルグリシン、アルキルジアミノエチルグリシン塩、アズレン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、水溶性第一又は第二リン酸塩、第四級アンモニウム化合物、塩化ナトリウム等、ビタミン剤としてはビタミンB6、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンC、パントテン酸及びそれらの誘導体等を挙げることができる。
口腔用組成物全量における抗歯周病剤の含有量は、0.0001〜20質量%の範囲、好ましくは0.001〜10質量%の範囲、特に好ましくは0.01〜2質量%の範囲である。
口腔用組成物全量における抗歯周病剤の含有量は、0.0001〜20質量%の範囲、好ましくは0.001〜10質量%の範囲、特に好ましくは0.01〜2質量%の範囲である。
本発明の口腔用組成物の投与量は、対象疾患、投与方法、年齢、個人差、病状等によって影響を受けることもあるので、下記範囲外の量を投与する場合も生じるが、成人男子で1日0.2〜600mgとするのが望ましく挙げられる。
投与方法は、歯磨で使用する場合には、歯磨剤約1gを1回に取り、1日2〜3回食後、朝起床後又は就寝前に1〜3分間刷掃を行なう。
歯肉マッサージクリーム類の場合は、1日数回適量を取り約1分間歯肉をマッサージする。その他一般に考えられる口腔投与方法でもよい。
本発明の口腔用組成物には、前記の必須成分に加えて口腔用組成物のタイプに応じて、水、湿潤剤、研磨剤、粘結剤、系面活性剤、低級アルコール、甘味剤、香料、防腐防黴剤、色素、殺菌剤、消炎剤、口臭除去剤あるいはフッ素化合物等の薬剤等、通常口腔用組成物に用いられる成分を含有させて用いることができる。
次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれにより限定されるものではない。
<2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の合成>
水1000gに液化澱粉125gとL−アスコルビン酸50gを加えて溶解させ、pHを5に調整した。これに、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ酵素製剤(Toruzyme3.0L、Novozymes社製)を20g加えて、50℃にて48時間反応させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトトリオシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトテトラオシル−L−アスコルビン酸等の2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸を含有する反応液を得た。
水1000gに液化澱粉125gとL−アスコルビン酸50gを加えて溶解させ、pHを5に調整した。これに、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ酵素製剤(Toruzyme3.0L、Novozymes社製)を20g加えて、50℃にて48時間反応させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトトリオシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトテトラオシル−L−アスコルビン酸等の2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸を含有する反応液を得た。
得られた反応液を加熱することで酵素失活させて反応を停止させた後、β−アミラーゼ酵素製剤(β−アミラーゼ F「アマノ」、天野エンザイム(株)製)を0.7g加えて、50℃にて2時間反応させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトトリオシル−L−アスコルビン酸を含む反応液を得た。反応後、加熱することで酵素を失活させて反応を停止させた。
(2)2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の精製
得られた反応液に活性炭を加えて脱色、ろ過した。ろ液を、H型カチオン交換樹脂を充填したカラムに通液して金属イオンを取り除いた後、OH型アニオン交換樹脂を充填したカラムに通液して2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトトリオシル−L−アスコルビン酸を吸着させた。吸着したアニオン交換樹脂を水洗して未反応の糖類を除去した後、0.1Nの水酸化ナトリウムを通液することで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトトリオシル−L−アスコルビン酸、それぞれを分離させて溶出させた。
さらに、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を含有する精製液を、H型カチオン交換樹脂を充填したカラムに通液することで、金属イオンを除去した2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を含有する組成物の精製液を得た。
得られた反応液に活性炭を加えて脱色、ろ過した。ろ液を、H型カチオン交換樹脂を充填したカラムに通液して金属イオンを取り除いた後、OH型アニオン交換樹脂を充填したカラムに通液して2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトトリオシル−L−アスコルビン酸を吸着させた。吸着したアニオン交換樹脂を水洗して未反応の糖類を除去した後、0.1Nの水酸化ナトリウムを通液することで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−D−マルトトリオシル−L−アスコルビン酸、それぞれを分離させて溶出させた。
さらに、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を含有する精製液を、H型カチオン交換樹脂を充填したカラムに通液することで、金属イオンを除去した2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を含有する組成物の精製液を得た。
(3)2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の噴霧乾燥
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を含有した水溶液を固形分15%程度まで加熱減圧濃縮した後、活性炭を加えて脱色精製を行い、ろ過した。ろ液をスプレードライヤー(日本ビュッヒ社製、B−290)にて入口温度160℃、出口温度75℃で噴霧乾燥を行うことで、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の粉末を13.2部得た。
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を含有した水溶液を固形分15%程度まで加熱減圧濃縮した後、活性炭を加えて脱色精製を行い、ろ過した。ろ液をスプレードライヤー(日本ビュッヒ社製、B−290)にて入口温度160℃、出口温度75℃で噴霧乾燥を行うことで、2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸の粉末を13.2部得た。
<2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸の合成>
水1000gに液化澱粉125gとL−アスコルビン酸50gを加えて溶解させ、pHを5に調整した。これに、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ酵素製剤(Toruzyme3.0L、Novozymes社製)を20g加えて、50℃にて48時間反応させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−ジグルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−トリグルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−テトラグルコピラノシル−L−アスコルビン酸等の2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸の含有する反応液を得た。
得られた反応液を加熱することで酵素失活させて反応を停止させた後、グルコアミラーゼ酵素製剤(グルクザイムAF6、天野エンザイム(株)製)を1.5g加えて、50℃にて16時間反応させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸を含む反応液を得た。反応後、加熱することで酵素を失活させて反応を停止させた。
水1000gに液化澱粉125gとL−アスコルビン酸50gを加えて溶解させ、pHを5に調整した。これに、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ酵素製剤(Toruzyme3.0L、Novozymes社製)を20g加えて、50℃にて48時間反応させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−ジグルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−トリグルコピラノシル−L−アスコルビン酸、2−O−α−テトラグルコピラノシル−L−アスコルビン酸等の2−O−α−D−グリコシル−L−アスコルビン酸の含有する反応液を得た。
得られた反応液を加熱することで酵素失活させて反応を停止させた後、グルコアミラーゼ酵素製剤(グルクザイムAF6、天野エンザイム(株)製)を1.5g加えて、50℃にて16時間反応させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸を含む反応液を得た。反応後、加熱することで酵素を失活させて反応を停止させた。
得られた反応液を加熱して酵素を失活させて反応を停止させた後、活性炭を加えて脱色、ろ過した。ろ液を、H型カチオン交換樹脂を充填したカラムに通液して金属イオンを取り除いた後、OH型アニオン交換樹脂を充填したカラムに通液して2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸を吸着させた。2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸が吸着したアニオン交換樹脂を水洗して未反応の糖類を除去した後、0.1Nの水酸化ナトリウムを通液することで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸を溶出させた。さらに、この溶出液を、H型カチオン交換樹脂を充填したカラムに通液することで、金属イオンを除去した2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸の精製液を得た。
得られた精製液を50℃にて加熱減圧濃縮を行い、固形分濃度60%程度まで濃縮した後、水溶液を10℃に冷却することで結晶を析出させた。析出物をろ過にて回収、少量の水にて洗浄した後、析出物を減圧乾燥させることで、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸の粉末21gを得た。
(練歯磨1)
下記成分を混合させて練歯磨1を得た。
第二リン酸カルシウム・2水和物 40.0質量%
グリセリン 10.0質量%
ソルビット 10.0質量%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5質量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5質量%
サッカリン 0.1質量%
香 料 1.0質量%
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸 0.5質量%
精製水 35.4質量%
下記成分を混合させて練歯磨1を得た。
第二リン酸カルシウム・2水和物 40.0質量%
グリセリン 10.0質量%
ソルビット 10.0質量%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.5質量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5質量%
サッカリン 0.1質量%
香 料 1.0質量%
2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸 0.5質量%
精製水 35.4質量%
(練歯磨2)
練歯磨1に記載の2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸に代えた以外は、練歯磨1と同様にして練歯磨2を作製した。
練歯磨1に記載の2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸を、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸に代えた以外は、練歯磨1と同様にして練歯磨2を作製した。
(歯周病の評価)
歯周疾患をもつ患者20名を、症状の程度が各グループで同じになるように10名ずつの2グループに分けた。各グループにそれぞれ実施例1、比較例1の練歯磨にて1日3回3分間のブラッシングを14日間に渡って行なった。この期間中は他の口腔用組成物の使用を禁止し、ブラッシングの指導は特に行なわなかった。10人の平均値を算出し、表1にまとめた。
歯周疾患をもつ患者20名を、症状の程度が各グループで同じになるように10名ずつの2グループに分けた。各グループにそれぞれ実施例1、比較例1の練歯磨にて1日3回3分間のブラッシングを14日間に渡って行なった。この期間中は他の口腔用組成物の使用を禁止し、ブラッシングの指導は特に行なわなかった。10人の平均値を算出し、表1にまとめた。
効果の評点は以下の基準で行なった。
歯周疾患に対して顕著な効果が認められた :3
歯周疾患に対して明らかに効果が認められた :2
歯周疾患に対してわずかに効果が認められた :1
歯周疾患に対して効果が認められなかった :0
歯周疾患に対して顕著な効果が認められた :3
歯周疾患に対して明らかに効果が認められた :2
歯周疾患に対してわずかに効果が認められた :1
歯周疾患に対して効果が認められなかった :0
表1よりわかる通り、比較例1よりも実施例1の方が、歯周病予防及び治療効果に優れていることがわかる。
本願発明の口腔用組成物は、歯周病の予防及び治療効果に優れているため、様々な各種用途に用いることが可能である。
Claims (2)
- 2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸又はその塩を少なくとも含有することを特徴とする口腔用組成物。
- 口腔用組成物全量における2−O−α−D−マルトシル−L−アスコルビン酸又はその塩の含有量が、0.0005〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03139288A (ja) * | 1989-05-19 | 1991-06-13 | Hayashibara Biochem Lab Inc | α―グリコシル―L―アスコルビン酸とその製造方法並びに用途 |
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JPH06211636A (ja) * | 1993-01-13 | 1994-08-02 | Lion Corp | 口腔用組成物 |
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2017
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