JP2018166180A - 電磁波シールドフィルムおよび電磁波シールドフィルム付きプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の離型フィルムと絶縁樹脂層とが、熱プレス前の工程においては容易に剥離せず、かつ、熱プレス後の工程においては第1の離型フィルムと絶縁樹脂層とを容易に剥離することが可能であり、第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面における光の反射が抑えられた電磁波シールドフィルムおよび電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を提供する。【解決手段】絶縁樹脂層10と、絶縁樹脂層10に隣接する導電層20と、絶縁樹脂層10の導電層20とは反対側に隣接する第1の離型フィルム30とを有し;第1の離型フィルム30が、絶縁樹脂層10に接する粘着剤層34を有し;粘着剤層34が、粘着剤34aおよび粒子34bを含み;粘着剤層34と絶縁樹脂層10との界面における剥離強度が0.1N/cm以上2.0N/cm以下である、電磁波シールドフィルム1である。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波シールドフィルムおよび電磁波シールドフィルムが設けられたプリント配線板に関する。
フレキシブルプリント配線板から発生する電磁波ノイズや外部からの電磁波ノイズを遮蔽するために、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層に隣接する、金属薄膜層および導電性接着剤層から構成される導電層とからなる電磁波シールドフィルムを、絶縁フィルム(カバーレイフィルム)を介してフレキシブルプリント配線板の表面に設けることがある(例えば、特許文献1参照)。
電磁波シールドフィルムは、例えば、キャリアフィルムである第1の離型フィルムの片面に、熱硬化性樹脂と硬化剤と溶剤とを含む塗工液を塗布し、乾燥させて絶縁樹脂層を形成し、絶縁樹脂層の表面に導電層を設けることによって製造される。
第1の離型フィルムは、フレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルムを、導電性接着剤層が絶縁フィルムに接するように貼り付けた後、絶縁樹脂層から剥離される。
特開2016−086120号公報
上述のように第1の離型フィルムを絶縁樹脂層から剥離した際に、第1の離型フィルムを構成する粘着剤層が絶縁樹脂層の表面に残留することを防ぐ必要がある。
また、第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面は、第1の離型フィルムの表面の形状が転写されて平滑であり、鏡面光沢度が高い。電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板の最表面となる絶縁樹脂層の表面の鏡面光沢度が高い場合、以下のような不具合がある。
・絶縁樹脂層の表面に印刷を行った場合、光の反射によって印刷された文字や絵柄の視認性が悪くなる。
・光学センサ(カメラモジュールのCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)等の周辺にある絶縁樹脂層からの光の反射によって光学センサ等が影響を受けるおそれがある。
・絶縁樹脂層の表面に生じた傷等が目立ちやすい。
本発明は、第1の離型フィルムと絶縁樹脂層とが、熱プレス前の工程においては容易に剥離せず、かつ、熱プレス後の工程においては第1の離型フィルムと絶縁樹脂層とを容易に剥離することが可能であり、第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面における光の反射が抑えられた電磁波シールドフィルムおよび電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を提供する。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層に隣接する導電層と、前記絶縁樹脂層の前記導電層とは反対側に隣接する第1の離型フィルムとを有し、前記第1の離型フィルムが、前記絶縁樹脂層に接する粘着剤層を有し、前記粘着剤層が、粘着剤および粒子を含み、前記粘着剤層と前記絶縁樹脂層との界面における剥離強度が0.1N/cm以上2.0N/cm以下である、電磁波シールドフィルム。
[2] 前記剥離強度が、下記熱プレス後に0.01N/cm以上1.0N/cmである、[1]に記載の電磁波シールドフィルム。
(熱プレス)
厚さが2mmのシリコーンゴムクッション材、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さが12μmのポリイミドフィルムの片面に厚さが18μmの銅箔が積層された銅張積層板、電磁波シールドフィルムを用意する。一対の熱盤を備えたプレス機の熱盤間に、シリコーンゴムクッション材、ポリエチレンテレフタレートフィルム、銅張積層板、電磁波シールドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリコーンゴムクッション材を、この順に、かつ銅張積層板の銅箔と電磁波シールドフィルムの導電層とが接するように配置し、熱盤温度:170℃、圧力:2MPaで120秒間熱プレスする。
[3] 前記粒子の平均粒子径が、0.5μm以上15μm以下である、[1]又は[2]に記載の電磁波シールドフィルム。
[4] 前記粒子が、シリカ粒子およびアクリル粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]の何れか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[5] 前記粘着剤がアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又はゴム系樹脂である、[1]〜[4]の何れか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[6] 前記粘着剤層の厚さが、0.5μm以上10μm以下である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[7] 前記絶縁樹脂層が熱硬化性樹脂を含有する、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[8] 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、[7]に記載の電磁波シールドフィルム。
[9] 前記絶縁樹脂層の厚さが1μm以上20μm以下である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[10] 前記第1の離型フィルムを剥離した後の前記絶縁樹脂層の表面の鏡面光沢度が、0.5以上40以下である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[11] 前記第1の離型フィルムの前記粘着剤層の表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以上2.5μm以下である、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[12] 前記第1の離型フィルムの前記粘着剤層の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが、0.01mm以上0.1mm以下である、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[13] 前記導電層の前記絶縁樹脂層とは反対側に隣接する第2の離型フィルムをさらに有する、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
[14] 基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の表面に隣接する絶縁フィルムと、前記導電層が前記絶縁フィルムに隣接し、かつ前記導電層が前記絶縁フィルムに形成された貫通孔を通って前記プリント回路に電気的に接続された[1]〜[12]のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルムとを有する、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板。
本発明の電磁波シールドフィルムは、第1の離型フィルムと絶縁樹脂層とが、熱プレス前の工程においては容易に剥離せず、かつ、熱プレス後の工程においては第1の離型フィルムと絶縁樹脂層とを容易に剥離することができ、第1の離型フィルムの剥がれ残りを防いで絶縁樹脂層から確実に剥離することができる。
本発明の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板は、第1の離型フィルムと絶縁樹脂層とを容易に剥離することができ、第1の離型フィルムの剥がれ残りを防いで絶縁樹脂層から確実に剥離することができる。
本発明の電磁波シールドフィルムは、第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面における光の反射が抑えられる。
本発明の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板は、第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面における光の反射が抑えられる。
本発明の電磁波シールドフィルムの一実施形態を示す断面図である。 本発明の電磁波シールドフィルムの他の実施形態を示す断面図である。 本発明の電磁波シールドフィルムの他の実施形態を示す断面図である。 図1の電磁波シールドフィルムの製造工程を示す断面図である。 本発明の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の一実施形態を示す断面図である。 図5の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板から第1の離型フィルムを剥離した状態を示す断面図である。 図5および図6の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造工程を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「等方導電性接着剤層」とは、厚さ方向および面方向に導電性を有する導電性接着剤層を意味する。
「異方導電性接着剤層」とは、厚さ方向に導電性を有し、面方向に導電性を有しない導電性接着剤層を意味する。
「面方向に導電性を有しない導電性接着剤層」とは、表面抵抗が1×10Ω以上である導電性接着剤層を意味する。
算術平均粗さRaは、試験片についてレーザー顕微鏡を用いて粗さ曲線を測定し、この粗さ曲線から、JIS B 0601:2013(対応国際規格ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づいて求めた値である。
粗さ曲線要素の平均長さRSmは、試験片についてレーザー顕微鏡を用いて粗さ曲線を測定し、この粗さ曲線から、JIS B 0601:2013(ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づいて求めた値である。
鏡面光沢度は、JIS Z 8741:1997(対応国際規格ISO 2813:1994,ISO 7668:1986)に準拠し、入射角/受光角が60°/60°の条件で測定された値である。
粒子の平均粒子径は、粒子の顕微鏡像から30個の粒子を無作為に選び、それぞれの粒子について、最小径および最大径を測定し、最小径と最大径との中央値を一粒子の粒子径とし、測定した30個の粒子の粒子径を算術平均して得た値である。導電性粒子の平均粒子径も同様である。
フィルム(離型フィルム、絶縁フィルム等)、塗膜(絶縁樹脂層、導電性接着剤層等)、金属薄膜層等の厚さは、顕微鏡を用いて測定対象の断面を観察し、5箇所の厚さを測定し、平均した値である。
貯蔵弾性率は、測定対象に与えた応力と検出した歪から算出され、温度または時間の関数として出力する動的粘弾性測定装置を用いて、粘弾性特性の一つとして測定される。
表面抵抗は、石英ガラス上に金を蒸着して形成した、2本の薄膜金属電極(長さ10mm、幅5mm、電極間距離10mm)を用い、この電極上に被測定物を置き、被測定物上から、被測定物の10mm×20mmの領域を0.049Nの荷重で押し付け、1mA以下の測定電流で測定される電極間の抵抗である。
剥離強度は、JIS K 6854−2:1999(対応国際規格ISO 8510−2:1990)に基づいて求めた値である。
図1〜図7における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
<電磁波シールドフィルム>
図1は、本発明の電磁波シールドフィルムの第1の実施形態を示す断面図であり、図2は、本発明の電磁波シールドフィルムの第2の実施形態を示す断面図であり、図3は、本発明の電磁波シールドフィルムの第3の実施形態を示す断面図である。
第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態の電磁波シールドフィルム1は、絶縁樹脂層10と;絶縁樹脂層10に隣接する導電層20と;絶縁樹脂層10の導電層20とは反対側に隣接する第1の離型フィルム30と;導電層20の絶縁樹脂層10とは反対側に隣接する第2の離型フィルム40とを有する。
第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する金属薄膜層22と、第2の離型フィルム40に隣接する異方導電性接着剤層24とを有する例である。
第2の実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、絶縁樹脂層10に隣接する金属薄膜層22と、第2の離型フィルム40に隣接する等方導電性接着剤層26とを有する例である。
第3の実施形態の電磁波シールドフィルム1は、導電層20が、等方導電性接着剤層26のみからなる例である。
(絶縁樹脂層)
絶縁樹脂層10は、金属薄膜層22を形成する際のベース(下地)となる。また、絶縁樹脂層10は、電磁波シールドフィルム1をフレキシブルプリント配線板の表面に設けられた絶縁フィルムの表面に貼着し、第1の離型フィルム30を剥離した後には、金属薄膜層22の保護層となる。
絶縁樹脂層10としては、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化または硬化させて形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布して形成された塗膜;熱可塑性樹脂を含む組成物を溶融成形したフィルムからなる層等が挙げられる。ハンダ付け等の際の耐熱性の点から、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む塗料を塗布し、半硬化または硬化させて形成された塗膜が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、耐熱性に優れる点から、アミド樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じた公知の硬化剤が挙げられる。
絶縁樹脂層10は、プリント配線板のプリント回路を隠蔽したり、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板に意匠性を付与したりするために、着色剤(顔料、染料等)およびフィラーのいずれか一方または両方を含んでいてもよい。
着色剤およびフィラーのいずれか一方または両方としては、耐候性、耐熱性、隠蔽性の点から、顔料またはフィラーが好ましく、プリント回路の隠蔽性、意匠性の点から、黒色顔料、または黒色顔料と他の顔料もしくはフィラーとの組み合わせがより好ましい。
絶縁樹脂層10は、難燃剤を含んでいてもよい。
絶縁樹脂層10は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
絶縁樹脂層10の表面は、第1の離型フィルム30の粘着剤層34の表面の凹凸が転写されて形成された凹凸を有するため、表面の鏡面光沢度が低く抑えられる。
第1の離型フィルム30を剥離した後の絶縁樹脂層10の表面の鏡面光沢度は、0.5以上40以下が好ましく、1以上30以下がより好ましく、5以上20以下がさらに好ましい。絶縁樹脂層10の表面の鏡面光沢度が前記範囲の下限値以上であれば、粘着剤34aの性能を損なわない程度の粒子34bの添加量で粘着剤層34を作製することができる。絶縁樹脂層10の表面の鏡面光沢度が前記範囲の上限値以下であれば、第1の離型フィルム30を剥離した後の絶縁樹脂層10の表面における光の反射が十分に抑えられる。
絶縁樹脂層10の180℃における貯蔵弾性率は、5×10Pa以上5×10Pa以下が好ましく、1×10Pa以上1×10Pa以下がより好ましい。絶縁樹脂層10の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁樹脂層10が適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の絶縁樹脂層10における圧力損失を低減できる。その結果、導電性接着剤層とプリント配線板のプリント回路とが十分に接着され、導電性接着剤層が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。絶縁樹脂層10の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。その結果、電磁波シールドフィルム1が絶縁フィルムの貫通孔内に沈み込みやすくなり、導電性接着剤層が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。
絶縁樹脂層10の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω以上が好ましい。絶縁樹脂層10の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω以下が好ましい。
絶縁樹脂層10の厚さは、0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.5μm以上20μm以下がより好ましい。絶縁樹脂層10の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、絶縁樹脂層10が保護層としての機能を十分に発揮できる。絶縁樹脂層10の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。
(導電層)
導電層20としては、絶縁樹脂層10に隣接する金属薄膜層22と、導電層20において絶縁樹脂層10とは反対側の最表層となる導電性接着剤層(異方導電性接着剤層24または等方導電性接着剤層26)とを有する導電層(I);または等方導電性接着剤層26のみからなる導電層(II)が挙げられる。導電層20としては、電磁波シールド層として十分に機能できる点から、導電層(I)が好ましい。
(金属薄膜層)
金属薄膜層22は、金属の薄膜からなる層である。金属薄膜層22は、面方向に広がるように形成されていることから、面方向に導電性を有し、電磁波シールド層等として機能する。
金属薄膜層22としては、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンビーム蒸着、電子ビーム蒸着等)またはCVDによって形成された蒸着膜、めっきによって形成されためっき膜、金属箔等が挙げられる。面方向の導電性に優れる点から、蒸着膜、めっき膜が好ましく、厚さを薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れ、ドライプロセスにて簡便に形成できる点から、蒸着膜がより好ましく、物理蒸着による蒸着膜がさらに好ましい。
金属薄膜層22を構成する金属としては、アルミニウム、銀、銅、金、導電性セラミックス等が挙げられる。電気伝導度の点からは、銅が好ましく、化学的安定性の点からは、導電性セラミックスが好ましい。
金属薄膜層22の表面抵抗は、0.001Ω以上1Ω以下が好ましく、0.001Ω以上0.5Ω以下がより好ましい。金属薄膜層22の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、金属薄膜層22を十分に薄くできる。金属薄膜層22の表面抵抗が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールド層として十分に機能できる。
金属薄膜層22の厚さは、0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.05μm以上1μm以下がより好ましい。金属薄膜層22の厚さが0.01μm以上であれば、面方向の導電性がさらに良好になる。金属薄膜層22の厚さが0.05μm以上であれば、電磁波ノイズの遮蔽効果がさらに良好になる。金属薄膜層22の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の生産性、可とう性がよくなる。
(導電性接着剤層)
導電性接着剤層は、少なくとも厚さ方向に導電性を有し、かつ接着性を有する。
導電性接着剤層としては、厚さ方向に導電性を有し、面方向には導電性を有さない異方導電性接着剤層24、または厚さ方向および面方向に導電性を有する等方導電性接着剤層26が挙げられる。導電層(I)における導電性接着剤層としては、導電性接着剤層を薄くでき、導電性粒子の量が少なくなり、その結果、電磁波シールドフィルム1を薄くでき、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる点からは、異方導電性接着剤層24が好ましい。導電層(I)における導電性接着剤層としては、電磁波シールド層として十分に機能できる点からは、等方導電性接着剤層26が好ましい。
導電性接着剤層としては、硬化後に耐熱性を発揮できる点から、熱硬化性の導電性接着剤層が好ましい。熱硬化性の導電性接着剤層は、未硬化の状態であってもよく、Bステージ化された状態であってもよい。
熱硬化性の異方導電性接着剤層24は、例えば、熱硬化性接着剤24aと導電性粒子24bとを含む。
熱硬化性の等方導電性接着剤層26は、例えば、熱硬化性接着剤26aと導電性粒子26bとを含む。
熱硬化性接着剤としては、接着性を有する熱硬化性樹脂と硬化剤とを含むものが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、紫外線硬化アクリレート樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、耐熱性に優れる点から、エポキシ樹脂が好ましい。
硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じた公知の硬化剤が挙げられる。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、熱硬化性接着剤は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシ変性ニトリルゴム、アクリルゴム等)、粘着付与剤等を含んでいてもよい。
熱硬化性接着剤は、必要に応じて難燃剤を含んでいてもよい。
熱硬化性接着剤は、導電性接着剤層の強度を高め、打ち抜き特性を向上させるために、セルロース樹脂、ミクロフィブリル(ガラス繊維等)を含んでいてもよい。
熱硬化性接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
導電性粒子としては、金属(銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、アルミニウム、ハンダ等)の粒子、黒鉛粉、焼成カーボン粒子、めっきされた焼成カーボン粒子等が挙げられる。導電性粒子としては、導電性接着剤層が適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の導電性接着剤層における圧力損失を低減できる点からは、金属粒子が好ましく、銅粒子がより好ましい。
異方導電性接着剤層24における導電性粒子24bの平均粒子径は、2μm以上26μm以下が好ましく、4μm以上16μm以下がより好ましい。導電性粒子24bの平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24の厚さを確保することができ、十分な接着強度を得ることができる。導電性粒子24bの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、異方導電性接着剤層24の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。
等方導電性接着剤層26における導電性粒子26bの平均粒子径は、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.2μm以上1μm以下がより好ましい。導電性粒子26bの平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子26bの接触点数が増えることになり、3次元方向の導通性を安定的に高めることができる。導電性粒子26bの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着剤層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。
異方導電性接着剤層24における導電性粒子24bの割合は、異方導電性接着剤層24の100体積%のうち、1体積%以上30体積%以下が好ましく、2体積%以上10体積%以下がより好ましい。導電性粒子24bの割合が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24の導電性が良好になる。導電性粒子24bの割合が前記範囲の上限値以下であれば、異方導電性接着剤層24の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)が良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
等方導電性接着剤層26における導電性粒子26bの割合は、等方導電性接着剤層26の100体積%のうち、50体積%以上80体積%以下が好ましく、60体積%以上70体積%以下がより好ましい。導電性粒子26bの割合が前記範囲の下限値以上であれば、等方導電性接着剤層26の導電性が良好になる。導電性粒子26bの割合が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着剤層26の接着性、流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)が良好になる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率は、1×10Pa以上5×10Pa以下が好ましく、5×10Pa以上1×10Pa以下がより好ましい。導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、導電性接着剤層がさらに適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の導電性接着剤層における圧力損失を低減できる。その結果、導電性接着剤層とプリント配線板のプリント回路とが十分に接着され、導電性接着剤層が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。導電性接着剤層の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。その結果、電磁波シールドフィルム1が絶縁フィルムの貫通孔内に沈み込みやすくなり、導電性接着剤層が絶縁フィルムの貫通孔を通ってプリント配線板のプリント回路により確実に電気的に接続される。
異方導電性接着剤層24の表面抵抗は、1×10Ω以上1×1016Ω以下が好ましく、1×10Ω以上1×1014Ω以下がより好ましい。異方導電性接着剤層24の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子24bの含有量が低く抑えられる。異方導電性接着剤層24の表面抵抗が前記範囲の上限値以下であれば、実用上、異方性に問題がない。
等方導電性接着剤層26の表面抵抗は、0.05Ω以上2.0Ω以下が好ましく、0.1Ω以上1.0Ω以下がより好ましい。等方導電性接着剤層26の表面抵抗が前記範囲の下限値以上であれば、導電性粒子26bの含有量が低く抑えられ、導電性接着剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性がさらに良好となる。また、等方導電性接着剤層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)をさらに確保できる。等方導電性接着剤層26の表面抵抗が前記範囲の上限値以下であれば、等方導電性接着剤層26の全面が均一な導電性を有するものとなる。
異方導電性接着剤層24の厚さは、3μm以上25μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下がより好ましい。異方導電性接着剤層24の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができる。異方導電性接着剤層24の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
等方導電性接着剤層26の厚さは、5μm以上20μm以下が好ましく、7μm以上17μm以下がより好ましい。等方導電性接着剤層26の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、等方導電性接着剤層26の導電性が良好になり、電磁波シールド層として十分に機能できる。また、等方導電性接着剤層26の流動性(絶縁フィルムの貫通孔の形状への追随性)を確保でき、絶縁フィルムの貫通孔内を導電性接着剤で十分に埋めることができ、耐折性も確保でき繰り返し折り曲げても等方導電性接着剤層26が断裂することはない。等方導電性接着剤層26の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1を薄くできる。また、電磁波シールドフィルム1の可とう性がよくなる。
(第1の離型フィルム)
第1の離型フィルム30は、絶縁樹脂層10や導電層20のキャリアフィルムとなるものであり、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性を良好にする。第1の離型フィルム30は、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に貼り付けた後には、絶縁樹脂層10から剥離される。
第1の離型フィルム30は、離型フィルム本体32と、離型フィルム本体32の絶縁樹脂層10側の表面に設けられた粘着剤層34とを有する。
離型フィルム本体32の樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す。)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム、液晶ポリマー等が挙げられる。樹脂材料としては、電磁波シールドフィルム1を製造する際の耐熱性(寸法安定性)および価格の点から、PETが好ましい。
離型フィルム本体32は、着色剤(顔料、染料等)およびフィラーのいずれか一方または両方を含んでいてもよい。
着色剤およびフィラーのいずれか一方または両方としては、絶縁樹脂層10と明確に区別でき、熱プレスした後に第1の離型フィルム30の剥がし残しに気が付きやすい点から、絶縁樹脂層10とは異なる色のものが好ましく、白色顔料、フィラー、または白色顔料と他の顔料もしくはフィラーとの組み合わせがより好ましい。
粘着剤層34に含まれる粒子によって粘着剤層34が十分に白色等を呈している場合、離型フィルム本体32は、着色剤およびフィラーを含むことなく透明であってもよい。離型フィルム本体32が着色剤およびフィラーを含まなければ、第1の離型フィルム30を安価に製造できる。
離型フィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率は、8×10Pa以上5×10Paが好ましく、1×10Pa以上8×10Paがより好ましい。離型フィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の下限値以上であれば、第1の離型フィルム30が適度の硬さを有するようになり、熱プレスの際の第1の離型フィルム30における圧力損失を低減できる。離型フィルム本体32の180℃における貯蔵弾性率が前記範囲の上限値以下であれば、第1の離型フィルム30の柔軟性が良好となる。
離型フィルム本体32の厚さは、3μm以上75μm以下が好ましく、12μm以上50μm以下がより好ましい。離型フィルム本体32の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性が良好となる。離型フィルム本体32の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム1の導電性接着剤層を熱プレスする際に導電性接着剤層に熱が伝わりやすい。
粘着剤層34は、粘着剤34aおよび粒子34bを含む。
粘着剤層34は、例えば、離型フィルム本体32の表面に粘着剤34aおよび粒子34bを含む粘着剤組成物を塗布して形成される。第1の離型フィルム30が粘着剤層34を有することによって、第2の離型フィルム40を導電性接着剤層から剥離する際や電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に熱プレスによって貼り付ける際に、第1の離型フィルム30が絶縁樹脂層10から剥離することが抑えられ、第1の離型フィルム30が保護フィルムとしての役割を十分に果たすことができる。
粘着剤34aは、熱プレス前には第1の離型フィルム30が絶縁樹脂層10から容易に剥離することなく、熱プレス後には第1の離型フィルム30を絶縁樹脂層10から剥離できる程度の適度な粘着性を粘着剤層34に付与するとともに、粒子34bが粘着剤層34から脱落することを抑えるものである。
粘着剤34aとしては、アクリル系樹脂を含む粘着剤(アクリル系粘着剤)、ウレタン系樹脂を含む粘着剤(ウレタン系粘着剤)、天然ゴムやNBR(アクリルニトリルブタジエンゴム)、スチレンゴムなどのゴム系樹脂を含む粘着剤(ゴム系粘着剤)等が挙げられる。
粘着剤34aのガラス転移温度は、−100〜60℃が好ましく、−60〜40℃がより好ましい。
粒子34bは、粘着剤層34の表面に凹凸を付与するものである。
粒子34bとしては、無機粒子、ポリマー粒子等が挙げられる。無機粒子としては、シリカ粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子等が挙げられる。ポリマー粒子としては、アクリル粒子、メラミン粒子等が挙げられる。粒子34bとしては、粘着剤34aになじみやすく、均一な凹凸を生み出す点から、シリカ粒子およびアクリル粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
粒子34bは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粒子34bの平均粒子径は、0.5μm以上15μm以下が好ましく、1μm以上13μm以下がより好ましく、2μm以上10μm以下がさらに好ましい。粒子34bの平均粒子径が前記範囲の下限値以上であれば、粘着剤34aの膜厚と同程度なため、粘着剤層34に粒子34bの凹凸が埋もれてしまうことを防ぐことができる。粒子34bの平均粒子径が前記範囲の上限値以下であれば、粒子34bが粘着剤層34から脱離することがない。
粒子34bの添加量は、粘着剤34aの固形分100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上50質量部以下がより好ましい。粒子34bの添加量が前記範囲の下限値以上であれば、第1の離型フィルム30の粘着剤層34の表面の凹凸が絶縁樹脂層10の表面に十分に転写される。その結果、第1の離型フィルム30を剥離した後の絶縁樹脂層10の表面における光の反射が十分に抑えられる。粒子34bの添加量が前記範囲の上限値以下であれば、粒子34bが粘着剤34aの粘着性を阻害せず、粘着剤層34が適度な粘着性を有する。
粘着剤層34の厚さは、0.5μm以上10μm以下が好ましく、1μm以上8μm以下がより好ましく、2μm以上5μm以下がさらに好ましい。粘着剤層34の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、粒子34bが粘着剤層34から脱離することを防ぐとともに、作業性に必要な粘着力を保つことができる。粘着剤層34の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、粒子34bが粘着剤34aに埋もれず均一な凹凸が得られるとともに、軽剥離な粘着剤層34を得ることができる。
粘着剤層34の表面の算術平均粗さRaは、0.2μm以上2.5μm以下が好ましく、0.3μm以上2.5μm以下がより好ましく、0.4μm以上2μm以下がさらに好ましく、0.5μm以上1.5μm以下が特に好ましい。粘着剤層34の表面の算術平均粗さRaが前記範囲の下限値以上であれば、第1の離型フィルム30の粘着剤層34の表面の凹凸が絶縁樹脂層10の表面に十分に転写される。その結果、第1の離型フィルム30を剥離した後の絶縁樹脂層10の表面における光の反射が十分に抑えられる。粘着剤層34の表面の算術平均粗さRaが前記範囲の上限値以下であれば、第1の離型フィルム30と絶縁樹脂層10との接着性が高くなりすぎず、第1の離型フィルム30を絶縁樹脂層10から剥離しやすい。また、隣接する絶縁樹脂層10を、絶縁樹脂層形成用塗料を塗布することによって形成する際にピンホール等の原因にならず、平滑な絶縁樹脂層10を得ることができる。
粘着剤層34の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.01mm以上0.1mm以下が好ましく、0.02mm以上0.07mm以下がより好ましい。粘着剤層34の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが前記範囲の下限値以上であれば、第1の離型フィルム30と絶縁樹脂層10との接着性が高くなりすぎず、第1の離型フィルム30を絶縁樹脂層10から剥離しやすい。粘着剤層34の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが前記範囲の上限値以下であれば、第1の離型フィルム30の粘着剤層34の表面の凹凸が絶縁樹脂層10の表面に十分に転写される。その結果、第1の離型フィルム30を剥離した後の絶縁樹脂層10の表面における光の反射が十分に抑えられる。
第1の離型フィルム30の厚さは、25μm以上125μm以下が好ましく、38μm以上100μm以下がより好ましい。第1の離型フィルム30の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性が良好となる。第1の離型フィルム30の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、絶縁フィルムの表面に電磁波シールドフィルム1の導電性接着剤層を熱プレスする際に導電性接着剤層に熱が伝わりやすい。
(剥離強度)
本実施形態の電磁波シールドフィルム1において、第1の離型フィルム30と絶縁樹脂層10との界面における熱プレス前の剥離強度は、0.1N/cm以上2.0N/cm以下であり、0.13N/cm以上2.0N/cm以下であることが好ましく、0.15N/cm以上2.0N/cm以下であることがより好ましい。
剥離強度が熱プレス前に0.1N/cm以上であることで、熱プレス前の工程において第1の離型フィルム30が絶縁樹脂層10から意図せずに剥離してしまうことを防止できる。剥離強度が熱プレス前に2.0N/cm以下であることで、熱プレス後の剥離強度を後述の剥離に適した剥離強度にすることが容易になる。
本実施形態の電磁波シールドフィルム1において、第1の離型フィルム30と絶縁樹脂層10との界面における、下記熱プレス後の剥離強度は、0.01N/cm以上1.0N/cm以下であることが好ましく、0.01N/cm以上0.5N/cm以下であることがより好ましく、0.01N/cm以上0.3N/cm以下であることがさらに好ましい。
剥離強度が熱プレス後に0.01N/cm以上であることで、熱プレス後の工程において第1の離型フィルム30が絶縁樹脂層10から意図せずに剥離してしまうことを防止できる。剥離強度が熱プレス後に1.0N/cm以下であることで、熱プレス後の工程において第1の離型フィルム30を絶縁樹脂層10から容易に剥離することができ、絶縁樹脂層10の表面に粘着剤層34の一部が剥がれ残ることを防止できる。
前記剥離強度に関する「熱プレス」とは、厚さが2mmのシリコーンゴムクッション材、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さが12μmのポリイミドフィルムの片面に厚さが18μmの銅箔が積層された銅張積層板、電磁波シールドフィルムを用意し、一対の熱盤を備えたプレス機の熱盤間に、前記シリコーンゴムクッション材、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム、前記銅張積層板、前記電磁波シールドフィルム、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム、前記シリコーンゴムクッション材を、この順に、かつ銅張積層板の銅箔と電磁波シールドフィルムの導電層とが接するように配置し、熱盤温度:170℃、圧力:2MPaで120秒間熱プレスする操作を指す。
絶縁樹脂層10が熱硬化性樹脂であると、熱プレス時の加熱により絶縁樹脂層10の硬化を進ませることにより、熱プレス前よりも熱プレス後の剥離強度を軽くすることができる。
(第2の離型フィルム)
第2の離型フィルム40は、導電性接着剤層を保護するものであり、電磁波シールドフィルム1のハンドリング性を良好にする。第2の離型フィルム40は、電磁波シールドフィルム1をプリント配線板等に貼り付ける前に、導電性接着剤層から剥離される。
第2の離型フィルム40は、例えば、離型フィルム本体42と、離型フィルム本体42の導電性接着剤層側の表面に設けられた離型剤層44とを有する。
離型フィルム本体42の樹脂材料としては、離型フィルム本体32の樹脂材料と同様なものが挙げられる。
離型フィルム本体42は、着色剤、フィラー等を含んでいてもよい。
離型フィルム本体42の厚さは、5μm以上500μm以下が好ましく、10μm以上150μm以下がより好ましく、25μm以上100μm以下がさらに好ましい。
離型剤層44は、離型フィルム本体42の表面を離型剤で処理して形成される。第2の離型フィルム40が離型剤層44を有することによって、第2の離型フィルム40を導電性接着剤層から剥離する際に、第2の離型フィルム40を剥離しやすく、導電性接着剤層が破断しにくくなる。
離型剤としては、公知の離型剤を用いればよい。
離型剤層44の厚さは、0.05μm以上30μm以下が好ましく、0.1μm以上20μm以下がより好ましく、0.1μm以上1μm以下がさらに好ましい。離型剤層44の厚さが前記範囲内であれば、第2の離型フィルム40をさらに剥離しやすくなる。
(電磁波シールドフィルムの厚さ)
電磁波シールドフィルム1の厚さ(離型フィルムを除く)は、5μm以上50μm以下が好ましく、8μm以上30μm以下がより好ましい。離型フィルムを含まない電磁波シールドフィルム1の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、第1の離型フィルム30を剥離する際に破断しにくい。離型フィルムを含まない電磁波シールドフィルム1の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を薄くできる。
(電磁波シールドフィルムの製造方法)
本発明の電磁波シールドフィルムは、例えば、下記の工程(a)〜(c)を有する方法(α)によって製造できる。
工程(a):第1の離型フィルムの片面に絶縁樹脂層を形成する工程。
工程(b):工程(a)の後、絶縁樹脂層の表面に導電層を形成する工程。
工程(c):工程(b)の後、導電層の表面に第2の離型フィルムを貼り付ける工程。
また、本発明の電磁波シールドフィルムは、例えば、下記の工程(a’)、(b’1)、(b’2)、(c’)を有する方法(β)によって製造できる。
工程(a’):第1の離型フィルムの片面に絶縁樹脂層を形成する工程。
工程(b’1):絶縁樹脂層の表面に金属薄膜層を形成することによって、第1の離型フィルムと、絶縁樹脂層と、金属薄膜層とを順に備えた第1の積層体を得る工程。
工程(b’2):第2の離型フィルムの片面に導電性接着剤層を形成することによって、第2の離型フィルムと、導電性接着剤層とを順に備えた第2の積層体を得る工程。
工程(c’):第1の積層体と第2の積層体とを、金属薄膜層と導電性接着剤層とが接触するように貼り合わせる工程。
以下、図1に示す電磁波シールドフィルム1を方法(α)によって製造する方法について、図4を参照しながら説明する。
工程(a):
図4に示すように、第1の離型フィルム30の粘着剤層34の表面に絶縁樹脂層10を形成する。
第1の離型フィルム30は、例えば、離型フィルム本体32の表面に粘着剤34aおよび粒子34bを含む粘着剤組成物を塗布して粘着剤層34を形成することによって製造される。
絶縁樹脂層10の形成方法としては、リフロー方式のハンダ付け等の際の耐熱性の点から、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む絶縁樹脂層形成用塗料を塗布し、半硬化または硬化させる方法が好ましい。
絶縁樹脂層形成用塗料は、必要に応じて溶剤、着色剤、フィラー、難燃剤、または他の成分を含んでいてもよい。
工程(b):
図4に示すように、絶縁樹脂層10の表面に金属薄膜層22を形成し(工程(b1))、金属薄膜層22の表面に異方導電性接着剤層24を形成する(工程(b2))。
金属薄膜層22の形成方法としては、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法、めっきによってめっき膜を形成する方法、金属箔を貼り付ける方法等が挙げられる。面方向の導電性に優れる金属薄膜層22を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法、またはめっきによってめっき膜を形成する方法が好ましく、金属薄膜層22の厚さを薄くでき、かつ厚さが薄くても面方向の導電性に優れる金属薄膜層22を形成でき、ドライプロセスにて簡便に金属薄膜層22を形成できる点から、物理蒸着、CVDによって蒸着膜を形成する方法がより好ましく、物理蒸着によって蒸着膜を形成する方法がさらに好ましい。
異方導電性接着剤層24の形成方法としては、金属薄膜層22の表面に熱硬化性導電性接着剤組成物を塗布する方法が挙げられる。
熱硬化性導電性接着剤組成物としては、熱硬化性接着剤24aと導電性粒子24bとを含むものを用いる。
工程(c):
図4に示すように、異方導電性接着剤層24の表面に第2の離型フィルム40を貼り付けて、電磁波シールドフィルム1を得る。
(作用効果)
以上説明した電磁波シールドフィルム1にあっては、第1の離型フィルム30が、絶縁樹脂層10に接する粘着剤層34を有し、かつ粘着剤層34が、粘着剤34aおよび粒子34bを含むため、絶縁樹脂層10が、粘着剤層34の表面の凹凸が転写されて形成された凹凸を有する。そのため、第1の離型フィルム30を剥離した後の絶縁樹脂層10の表面の鏡面光沢度が低く抑えられる。その結果、第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面における光の反射が抑えられる。そして、絶縁樹脂層10の表面における光の反射が抑えられることによって、下記の利点が得られる。
・絶縁樹脂層10の表面に印刷を行った場合、文字や絵柄の視認性がよい。
・光学センサ等の周辺において絶縁樹脂層10からの光の反射が抑えられ、光学センサ等が光の反射の影響を受けにくい。
・絶縁樹脂層の表面に生じた傷等が目立ちにくい。
また、粘着剤層34の粘着性が粒子の配合によって適切に調節されているので、特定の剥離強度を呈する。この結果、第1の離型フィルム30が熱プレス前においては絶縁樹脂層10に対して充分に粘着しており、熱プレス後においては絶縁樹脂層10から容易に剥離し易く、剥がれ残りが起き難い。これにより、フレキシブルプリント配線板2の製造及び使用において電磁波シールドフィルム1の取り扱い性が向上している。
(他の実施形態)
本発明の電磁波シールドフィルムは、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層に隣接する導電層と、絶縁樹脂層の導電層とは反対側に隣接する第1の離型フィルムとを有し;第1の離型フィルムが、絶縁樹脂層に接する粘着剤層を有し;粘着剤層が、粘着剤および粒子を含むものであり、前述した特定の剥離強度を有するものであればよく、図示例の実施形態に限定はされない。
例えば、第2の離型フィルムは、導電性接着剤層の表面のタック性が少ない場合は、離型剤層の代わりに粘着剤層を有していてもよい。または、第2の離型フィルムを省略しても構わない。
第2の離型フィルムは、離型フィルム本体の離型性が高い場合は、離型剤層を有さず、離型フィルム本体のみからなるものであってもよい。
絶縁樹脂層は、2層以上であってもよい。
<電磁波シールドフィルム付きプリント配線板>
図5は、本発明の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の一実施形態を示す断面図である。
電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2は、フレキシブルプリント配線板50と、絶縁フィルム60と、第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1とを備える。
フレキシブルプリント配線板50は、ベースフィルム52の少なくとも片面にプリント回路54が設けられたものである。
絶縁フィルム60は、フレキシブルプリント配線板50のプリント回路54が設けられた側の表面に設けられる。
電磁波シールドフィルム1の異方導電性接着剤層24は、絶縁フィルム60の表面に接着され、かつ硬化されている。また、異方導電性接着剤層24は、絶縁フィルム60に形成された貫通孔(図示略)を通ってプリント回路54に電気的に接続されている。
電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2においては、第2の離型フィルム40は、異方導電性接着剤層24から剥離されている。
電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2において第1の離型フィルム30が不要になった際には、図6に示すように、第1の離型フィルム30は、絶縁樹脂層10から剥離される。第1の離型フィルム30を剥離した後、絶縁樹脂層10の表面には、第1の離型フィルム30の粘着剤層34の表面の凹凸が転写されて形成された凹凸が露出する。
貫通孔のある部分を除くプリント回路54(信号回路、グランド回路、グランド層等)の近傍には、電磁波シールドフィルム1の金属薄膜層22が、絶縁フィルム60および異方導電性接着剤層24を介して離間して対向配置される。
貫通孔のある部分を除くプリント回路54と金属薄膜層22との離間距離は、絶縁フィルム60の厚さと異方導電性接着剤層24の厚さの総和とほぼ等しい。離間距離は、30μm以上200μm以下が好ましく、60μm以上200μm以下がより好ましい。離間距離が30μmより小さいと、信号回路のインピーダンスが低くなるため、100Ω等の特性インピーダンスを有するためには、信号回路の線幅を小さくしなければならず、線幅のバラツキが特性インピーダンスのバラツキとなって、インピーダンスのミスマッチによる反射共鳴ノイズが電気信号に乗りやすくなる。離間距離が200μmより大きいと、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2が厚くなり、可とう性が不足する。
(フレキシブルプリント配線板)
フレキシブルプリント配線板50は、銅張積層板の銅箔を公知のエッチング法により所望のパターンに加工してプリント回路(電源回路、グランド回路、グランド層等)としたものである。
銅張積層板としては、ベースフィルム52の片面または両面に接着剤層(図示略)を介して銅箔を貼り付けたもの;銅箔の表面にベースフィルム52を形成する樹脂溶液等をキャストしたもの等が挙げられる。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
接着剤層の厚さは、0.5μm以上30μm以下が好ましい。
(ベースフィルム)
ベースフィルム52としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
ベースフィルム52の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω以上が好ましい。ベースフィルム52の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω以下が好ましい。
ベースフィルム52の厚さは、5μm以上200μm以下が好ましく、屈曲性の点から、6μm以上25μm以下がより好ましく、10μm以上25μm以下がより好ましい。
(プリント回路)
プリント回路54(信号回路、グランド回路、グランド層等)を構成する銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられ、屈曲性の点から、圧延銅箔が好ましい。
銅箔の厚さは、1μm以上50μm以下が好ましく、18μm以上35μm以下がより好ましい。
プリント回路54の長さ方向の端部(端子)は、ハンダ接続、コネクター接続、部品搭載等のため、絶縁フィルム60や電磁波シールドフィルム1に覆われていない。
(絶縁フィルム)
絶縁フィルム60(カバーレイフィルム)は、絶縁フィルム本体(図示略)の片面に、接着剤の塗布、接着剤シートの貼り付け等によって接着剤層(図示略)を形成したものである。
絶縁フィルム本体の表面抵抗は、電気的絶縁性の点から、1×10Ω以上が好ましい。絶縁フィルム本体の表面抵抗は、実用上の点から、1×1019Ω以下が好ましい。
絶縁フィルム本体としては、耐熱性を有するフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム、液晶ポリマーフィルムがより好ましく、ポリイミドフィルムがさらに好ましい。
絶縁フィルム本体の厚さは、1μm以上100μm以下が好ましく、可とう性の点から、3μm以上25μm以下がより好ましい。
接着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。エポキシ樹脂は、可とう性付与のためのゴム成分(カルボキシ変性ニトリルゴム等)を含んでいてもよい。
接着剤層の厚さは、1μm以上100μm以下が好ましく、1.5μm以上60μm以下がより好ましい。
貫通孔の開口部の形状は、特に限定されない。貫通孔62の開口部の形状としては、例えば、円形、楕円形、四角形等が挙げられる。
(電磁波シールドフィルム付きプリント配線板の製造方法)
本発明の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板は、例えば、下記の工程(d)〜(g)を有する方法によって製造できる。
工程(d):プリント配線板のプリント回路が設けられた側の表面に、プリント回路に対応する位置に貫通孔が形成された絶縁フィルムを設け、絶縁フィルム付きプリント配線板を得る工程。
工程(e):工程(d)の後、絶縁フィルム付きプリント配線板と、第2の離型フィルムを剥離した本発明の電磁波シールドフィルムとを、絶縁フィルムの表面に導電性接着剤層が接触するように重ね、これらを熱プレスすることによって、絶縁フィルムの表面に導電性接着剤層を接着し、かつ導電性接着剤層を、貫通孔を通ってプリント回路に電気的に接続し、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を得る工程。
工程(f):工程(e)の後、第1の離型フィルムが不要になった際に第1の離型フィルムを剥離する工程。
工程(g):必要に応じて、工程(e)と工程(f)との間、または工程(f)の後に異方導電性接着剤層を本硬化させる工程。
以下、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を製造する方法について、図7を参照しながら説明する。
(工程(d))
図7に示すように、フレキシブルプリント配線板50に、プリント回路54に対応する位置に貫通孔62が形成された絶縁フィルム60を重ね、フレキシブルプリント配線板50の表面に絶縁フィルム60の接着剤層(図示略)を接着し、接着剤層を硬化させることによって、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板3を得る。フレキシブルプリント配線板50の表面に絶縁フィルム60の接着剤層を仮接着し、工程(g)にて接着剤層を本硬化させてもよい。
接着剤層の接着および硬化は、例えば、プレス機(図示略)等による熱プレスによって行う。
(工程(e))
図7に示すように、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板3に、第2の離型フィルム40を剥離した電磁波シールドフィルム1を重ね、熱プレスすることによって、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24が接着され、かつ異方導電性接着剤層24が、貫通孔62を通ってプリント回路54に電気的に接続された電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2を得る。
異方導電性接着剤層24の接着および硬化は、例えば、プレス機(図示略)等による熱プレスによって行う。
熱プレスの時間は、20秒以上60分以下であり、30秒以上30分以下がさらに好ましい。熱プレスの時間が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24が接着される。また、絶縁樹脂層10が十分に硬化し、絶縁樹脂層10と第1の離型フィルム30との界面における剥離力が十分に低下する。熱プレスの時間が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
熱プレスの温度(プレス機の熱盤の温度)は、140℃以上190℃以下が好ましく、150℃以上175℃以下がより好ましい。熱プレスの温度が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24が接着される。また、熱プレスの時間を短縮できる。また、絶縁樹脂層10が十分に硬化し、絶縁樹脂層10と第1の離型フィルム30との界面における剥離力が十分に低下する。熱プレスの温度が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の劣化等を抑えることができる。
熱プレスの圧力は、0.5MPa以上20MPa以下が好ましく、1MPa以上16MPa以下がより好ましい。熱プレスの圧力が前記範囲の下限値以上であれば、絶縁フィルム60の表面に異方導電性接着剤層24が接着される。また、熱プレスの時間を短縮できる。熱プレスの圧力が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の破損等を抑えることができる。
(工程(f))
図7に示すように、第1の離型フィルムが不要になった際に、絶縁樹脂層10から第1の離型フィルム30を剥離する。
(工程(g))
工程(e)における熱プレスの時間が20秒以上10分以下の短時間である場合、工程(e)と工程(f)との間、または工程(f)の後に異方導電性接着剤層24の本硬化を行うことが好ましい。
異方導電性接着剤層24の本硬化は、例えば、オーブン等の加熱装置を用いて行う。
加熱時間は、15分以上120分以下であり、30分以上60分以下が好ましい。加熱時間が前記範囲の下限値以上であれば、異方導電性接着剤層24を十分に硬化できる。加熱時間が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2の製造時間を短縮できる。
加熱温度(オーブン中の雰囲気温度)は、120℃以上180℃以下が好ましく、120℃以上150℃以下が好ましい。加熱温度が前記範囲の下限値以上であれば、加熱時間を短縮できる。加熱温度が前記範囲の上限値以下であれば、電磁波シールドフィルム1、フレキシブルプリント配線板50等の劣化等を抑えることができる。
加熱は、特殊な装置を使用しなくてもよい点から、無加圧で行うことが好ましい。
(作用効果)
以上説明した電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板2にあっては、電磁波シールドフィルム1を用いているため、特定の剥離強度を有する第1の離型フィルム30が熱プレス前においては絶縁樹脂層10に対して充分な密着しており、熱プレス後においては絶縁樹脂層10から容易に剥離し易く、剥がれ残りが起き難い。これにより、フレキシブルプリント配線板2の製造及び使用において電磁波シールドフィルム1の取り扱いが向上している。
また、第1の離型フィルム30を剥離した後の絶縁樹脂層10の表面における光の反射が抑えられている。
(他の実施形態)
なお、本発明の電磁波シールドフィルム付きプリント配線板は、プリント配線板と、プリント配線板のプリント回路が設けられた側の表面に隣接する絶縁フィルムと、導電層が絶縁フィルムに隣接し、かつ導電層が絶縁フィルムに形成された貫通孔を通ってプリント回路に電気的に接続された本発明の電磁波シールドフィルムを有するものであればよく、図示例の実施形態に限定はされない。
例えば、フレキシブルプリント配線板は、裏面側にグランド層を有するものであってもよい。また、フレキシブルプリント配線板は、両面にプリント回路を有し、両面に絶縁フィルムおよび電磁波シールドフィルムが貼り付けられたものであってもよい。
フレキシブルプリント配線板の代わりに、柔軟性のないリジッドプリント基板を用いてもよい。
第1の実施形態の電磁波シールドフィルム1の代わりに、第2の実施形態の電磁波シールドフィルム1、第3の実施形態の電磁波シールドフィルム1等を用いてもよい。
以下、実施例を示す。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
(貯蔵弾性率)
貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(米国レオメトリック・サイエンティフィック社製、RSAII)を用い、温度:180℃、周波数:1Hz、昇温速度:10℃/分の条件で測定した。
(算術平均粗さRa)
第1の離型フィルムの粘着剤層の表面の算術平均粗さRaおよび粗さ曲線要素の平均長さRSmは、3D測定レーザー顕微鏡(OLYMPUS社製、LEXT OLS4000)を用いて粗さ曲線を測定し、この粗さ曲線からJIS B 0601:2013(対応国際規格ISO 4287:1997,Amd.1:2009)に基づいて求めた。
(鏡面光沢度)
第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面の鏡面光沢度は、デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて、JIS Z 8741:1997(対応国際規格ISO 2813:1994,ISO 7668:1986)に準拠し、入射角/受光角が60°/60°の条件で測定した。
(剥離強度)
第1の離型フィルムと絶縁樹脂層の界面の剥離強度は、熱プレス前の試験片及び熱プレス後の各試験片について、引張試験機(島津製作所、AGS−50NX)を用いて、JIS K 6854−2:1999(対応国際規格ISO 8510−2:1990)に基づいて求めた。
試験片として、後述するように第1の離型フィルムを備えた電磁波シールドフィルムを作製し、長さ180mm、幅10mmの試験片を切り出して使用した。
熱プレス前(加熱・加圧前)の剥離強度については、作製した電磁波シールドフィルムの第2の離型フィルムを剥がし、異方導電性接着剤層の表面に剥がれない強力粘着テープを張付け、第1の離型フィルムと絶縁樹脂層の剥離強度を上記のJIS規格に基づいて測定した。
熱プレス後(加熱・加圧後)の剥離強度の測定においては、作製した電磁波シールドフィルムの第2の離型フィルムを剥がし、下記の熱プレス処理を施した後、熱プレス前の試験片と同様に測定した。
(熱プレス処理)
厚さが2mmのシリコーンゴムクッション材、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さが12μmのポリイミドフィルムの片面に厚さが18μmの銅箔が積層された銅張積層板、電磁波シールドフィルムを用意する。一対の熱盤を備えたプレス機の熱盤間に、上記シリコーンゴムクッション材、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム、上記銅張積層板、上記電磁波シールドフィルム、上記ポリエチレンテレフタレートフィルム、上記シリコーンゴムクッション材を、この順に、かつ銅張積層板の銅箔と電磁波シールドフィルムの導電層とが接するように配置し、熱盤温度:170℃、圧力:2MPaで120秒間熱プレスする。
(実施例1)
アクリル系粘着剤(綜研化学社製、SKダイン(登録商標)1499M)の100質量部にアクリル粒子(綜研化学社製、ケミスノー(登録商標)MX−500、平均粒子径:5μm)の15質量部を添加後、イソシアネート系硬化剤溶液(綜研化学社製、L−45)を添加し、粘着剤組成物を調製した。
PETフィルム(厚さ:50μm)の表面に粘着剤組成物をアプリケータを用いて塗布して粘着剤層(厚さ:3μm)を形成し、第1の離型フィルムを得た。第1の離型フィルムの粘着剤層の表面の算術平均粗さRaおよび粗さ曲線要素の平均長さRSmを表1に示す。
第2の離型フィルムとして、非シリコーン系離型剤にて片面が離型処理されたPETフィルム(リンテック社製、T157、離型フィルム本体の厚さ:50μm、離型剤層の厚さ:0.1μm)を用意した。
絶縁樹脂層形成用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER(登録商標)828)の100質量部、硬化剤(昭和電工社製、ショウアミンX(登録商標))の20質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾールの2質量部、カーボンブラックの2質量部を溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解した塗料を用意した。
熱硬化性導電性接着剤組成物として、熱硬化性接着剤(エポキシ樹脂(DIC社製、EXA−4816)の100質量部と硬化剤(味の素ファインテクノ社製、PN−23)の20質量部とを混合してなる潜在硬化性エポキシ樹脂)、および導電性粒子(平均粒子径7.5μmの銅粒子)の40質量部を、溶剤(メチルエチルケトン)の200質量部に溶解または分散させたものを用意した。
工程(a):
第1の離型フィルムの粘着剤層の表面に絶縁樹脂層形成用塗料を塗布し、60℃で2分間加熱し、塗料を乾燥、半硬化させて、絶縁樹脂層(厚さ:10μm、180℃における貯蔵弾性率:1.8×10Pa)を形成した。
工程(b1):
絶縁樹脂層10の表面に、電子ビーム蒸着法にて銅を物理的に蒸着させ、金属薄膜層(蒸着膜、厚さ:0.07μm、表面抵抗:0.3Ω)を形成した。
工程(b2):
金属薄膜層の表面に熱硬化性導電性接着剤組成物を、ダイコーターを用いて塗布し、溶剤を揮発させてBステージ化することによって、異方導電性接着剤層(厚さ:7μm、銅粒子:4.5体積%、180℃における貯蔵弾性率:1×10Pa)を形成した。
工程(c):
異方導電性接着剤層の表面に第2の離型フィルムを貼り付けて、図1に示すような電磁波シールドフィルムを得た。
電磁波シールドフィルムの一部を試験片として切り出し、前述した方法により剥離強度を測定した。その結果を表1に示す。
工程(d):
厚さ25μmのポリイミドフィルム(表面抵抗:1×1017Ω)(絶縁フィルム本体)の表面に、ニトリルゴム変性エポキシ樹脂からなる絶縁性接着剤組成物を、乾燥膜厚が25μmになるように塗布し、接着剤層を形成し、絶縁フィルム(厚さ:50μm)を得た。プリント回路54のグランドに対応する位置に貫通孔(孔径:150μm)を形成した。
厚さ12μmのポリイミドフィルム(表面抵抗:1×1017Ω)(ベースフィルム)の表面に、プリント回路が形成されたフレキシブルプリント配線板を用意した。
フレキシブルプリント配線板に絶縁フィルムを熱プレスにより貼り付けて、絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板を得た。
工程(e):
絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板に、第2の離型フィルムを剥離した電磁波シールドフィルムを重ね、ホットプレス装置(折原製作所社製、G−12)を用い、熱盤温度:170℃、圧力:2MPaで120秒間熱プレスし、絶縁フィルムの表面に異方導電性接着剤層を仮接着して、電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を得た。
工程(f)、(g):
電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板を、高温恒温器(楠本化成社製、HT210)を用い、温度:160℃で1時間加熱することによって、異方導電性接着剤層を本硬化させた。
絶縁樹脂層から第1の離型フィルムを剥離した。絶縁樹脂層の表面の鏡面光沢度を表1に示す。
(実施例2)
アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業社製、ニッセツKP−1282)と、イソシアネート系硬化剤溶液(日本カーバイド工業社製、CK−101)を変更した以外は、実施例1と同様にして第1の離型フィルム、電磁波シールドフィルム及び電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を得た。
(実施例3)
アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業社製、ニッセツKP−1410)と、イソシアネート系硬化剤溶液(日本カーバイド工業社製、CK−103)を変更した以外は、実施例1と同様にして第1の離型フィルム、電磁波シールドフィルム及び電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を得た。
(実施例4)
アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業社製、ニッセツKP−2417)と、イソシアネート系硬化剤溶液(日本カーバイド工業社製、CK−103)を変更した以外は、実施例1と同様にして第1の離型フィルム、電磁波シールドフィルム及び電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を得た。
(実施例5)
アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業社製、ニッセツKP−1282)の100質量部にシリカ粒子(富士シリシア化学社製、サイロホービック200、平均粒子径:3.9μm)の15 質量部を添加後、イソシアネート系硬化剤溶液(日本カーバイド工業社製、CK−101)を添加し、実施例1と同様にして第1の離型フィルム、電磁波シールドフィルム及び電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を得た。
(比較例1)
アクリル粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にして第1の離型フィルム、電磁波シールドフィルム及び電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を得た。
(比較例2)
アクリル系粘着剤(日本カーバイド工業社製、ニッセツKP−2341)と、イソシアネート系硬化剤溶液(日本カーバイド工業社製、CK−101)を変更した以外は、実施例1と同様にして第1の離型フィルム、電磁波シールドフィルム及び電磁波シールドフィルム付きプリント配線板を得た。
Figure 2018166180
表1の剥離強度の結果において、熱プレス前の剥離強度が0.1N/cm以上2.0N/cm以下である実施例1〜5の電磁波シールドフィルムを用いて電磁波シールドフィルム付きプリント配線基板を作製する際に、第1の離型フィルムに不要な浮き上がりや剥がれは生じなかった。また、熱プレス後の剥離強度は実施例1〜5の電磁波シールドフィルムの何れにおいても低下していた。熱プレス後の剥離強度が0.01N/cm以上1.0N/cm以下である実施例1〜5の電磁波シールドフィルムにおける第1の離型フィルムの剥離は容易であり、粘着剤層の剥がれ残りが無く、電磁波シールドフィルムの他の層に対して剥離などの損傷は生じなかった。さらに、第1の離型フィルムを剥離した絶縁樹脂層の表面には第1の離型フィルムの表面のRa及びRSmをなす凹凸が転写されており、その表面における光の反射が低減されていた。
一方、比較例1においては、第1の離型フィルムを剥離した後の絶縁樹脂層の表面の鏡面光沢度が高く、光の反射が大きかった。比較例2の電磁波シールドフィルム付きプリント配線基板から、熱プレス後の第1の離型フィルムを剥がすと、剥離強度が大きすぎるために第1の離型フィルムが切断されてしまったり、粘着剤層の剥がれ残りが絶縁樹脂層の表面に散在したりする箇所が生じた。
本発明の電磁波シールドフィルムは、スマートフォン、携帯電話、光モジュール、デジタルカメラ、ゲーム機、ノートパソコン、医療器具等の電子機器用のフレキシブルプリント配線板における、電磁波シールド用部材として有用である。
1 電磁波シールドフィルム、
2 電磁波シールドフィルム付きフレキシブルプリント配線板、
3 絶縁フィルム付きフレキシブルプリント配線板、
10 絶縁樹脂層、
20 導電層、
22 金属薄膜層、
24 異方導電性接着剤層、
24a 熱硬化性接着剤、
24b 導電性粒子、
26 等方導電性接着剤層、
26a 熱硬化性接着剤、
26b 導電性粒子、
30 第1の離型フィルム、
32 離型フィルム本体、
34 粘着剤層、
34a 粘着剤、
34b 粒子、
40 第2の離型フィルム、
42 離型フィルム本体、
44 離型剤層、
50 フレキシブルプリント配線板、
52 ベースフィルム、
54 プリント回路、
60 絶縁フィルム、
62 貫通孔。

Claims (14)

  1. 絶縁樹脂層と、
    前記絶縁樹脂層に隣接する導電層と、
    前記絶縁樹脂層の前記導電層とは反対側に隣接する第1の離型フィルムとを有し、
    前記第1の離型フィルムが、前記絶縁樹脂層に接する粘着剤層を有し、
    前記粘着剤層が、粘着剤および粒子を含み、
    前記粘着剤層と前記絶縁樹脂層との界面における剥離強度が0.1N/cm以上2.0N/cm以下である、電磁波シールドフィルム。
  2. 前記剥離強度が、下記熱プレス後に0.01N/cm以上1.0N/cm以下である、請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
    (熱プレス)
    厚さが2mmのシリコーンゴムクッション材、厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さが12μmのポリイミドフィルムの片面に厚さが18μmの銅箔が積層された銅張積層板、電磁波シールドフィルムを用意する。一対の熱盤を備えたプレス機の熱盤間に、シリコーンゴムクッション材、ポリエチレンテレフタレートフィルム、銅張積層板、電磁波シールドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリコーンゴムクッション材を、この順に、かつ銅張積層板の銅箔と電磁波シールドフィルムの導電層とが接するように配置し、熱盤温度:170℃、圧力:2MPaで120秒間熱プレスする。
  3. 前記粒子の平均粒子径が、0.5μm以上15μm以下である、請求項1又は2に記載の電磁波シールドフィルム。
  4. 前記粒子が、シリカ粒子およびアクリル粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  5. 前記粘着剤がアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、又はゴム系樹脂である、請求項1〜4の何れか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  6. 前記粘着剤層の厚さが、0.5μm以上10μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  7. 前記絶縁樹脂層が熱硬化性樹脂を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  8. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項7に記載の電磁波シールドフィルム。
  9. 前記絶縁樹脂層の厚さが1μm以上20μm以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  10. 前記第1の離型フィルムを剥離した後の前記絶縁樹脂層の表面の鏡面光沢度が、0.5以上40以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  11. 前記第1の離型フィルムの前記粘着剤層の表面の算術平均粗さRaが、0.2μm以上2.5μm以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  12. 前記第1の離型フィルムの前記粘着剤層の表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが、0.01mm以上0.1mm以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  13. 前記導電層の前記絶縁樹脂層とは反対側に隣接する第2の離型フィルムをさらに有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルム。
  14. 基板の少なくとも片面にプリント回路が設けられたプリント配線板と、
    前記プリント配線板の前記プリント回路が設けられた側の表面に隣接する絶縁フィルムと、
    前記導電層が前記絶縁フィルムに隣接し、かつ前記導電層が前記絶縁フィルムに形成された貫通孔を通って前記プリント回路に電気的に接続された請求項1〜12のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルムと
    を有する、電磁波シールドフィルム付きプリント配線板。
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