JP2018165835A - ハードコート膜 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、上記構成の防眩フィルムでは、拡散・防眩性を低下させることなく、透過鮮明性を向上し、且つギラツキを低下させることができることが記載されている。しかしながら、特許文献1の防眩性フィルムのギラツキ現象の防止効果は、未だ十分なものとはいえない。
そして、上記構成のコーティング組成物では、樹脂粒子等を含有しなくても、凹凸を有する樹脂層が形成されるため、映り込み、白ぼけ等が改善された防眩フィルムが得られることが示されている。
このギラツキ現象を防止するためには、マット剤粒子の粒子径を小さくすることが有効である。しかしながら、特許文献1のように、マット剤粒子を突出させることにより凹凸を形成する場合、マット剤粒子の粒子径を小さくすると同時に、ハードコート膜の厚さを薄くする必要がある。このようにハードコート膜を薄くすると、十分な硬度及び耐擦傷性が得られず、光沢の上昇による防眩性の低下も問題となる。一方、十分な硬度を得るため、ハードコート膜を厚くした場合には、粒子が膜表面に配置されることなく膜内部に埋もれ、表面に凹凸が形成されないため、光沢が上がり、防眩性が得られない。
また、特許文献2のように、マット剤等の粒子を用いないで表面に凹凸を形成した防眩層を高精細化されたカラーディスプレイに設置した場合、防眩性とギラツキ現象の抑制を両立させることは困難で、これら両方の性能を満たす材料は得られていない。
このように、現状では、十分な硬度を有し、防眩性及び透明性に優れ、高精細化されたカラーディスプレイに使用してもギラツキ現象を防止できるハードコート膜は得られていない。
さらに、本発明者は、所定のSP値差を有する2種類の樹脂成分を含み、粒子の平均粒子径とハードコート膜の平均厚さが所定の関係を満たすハードコート膜で、上記課題が解決できることを見出した。すなわち、本発明のハードコート膜は、樹脂成分及び粒子を含有するハードコート膜であって、樹脂成分は、少なくとも(A)電離放射線硬化性オリゴマー又はモノマーと(B)(A)成分のSP値との差が1.0(cal/cm3)1/2以上、3.0(cal/cm3)1/2未満である樹脂成分から形成され、粒子の平均粒子径は、ハードコート膜の平均厚さの5%〜30%であることを特徴とする。
また、本発明のハードコート膜用コーティング組成物中の粒子の0.1μm以上の粒度分布のピークは一つであることが好ましい。
さらに、(A)成分のSP値(SP1)及び(B)成分のSP値(SP2)が、SP1<SP2を満たすことが好ましい。
そして、(A)成分は、エネルギー線(電離放射線)硬化性官能基数が6〜20の範囲である多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましく、(B)成分は、アセタール樹脂であることが好ましい。
また、(B)成分は、ガラス転移温度が90℃以上であり、OH基を1以上有する樹脂であることが好ましい。
また、本発明のハードコート膜中に含有される粒子は、樹脂成分との屈折率差が0.03〜0.10であることが好ましい。
本発明のハードコート膜は、さらに一次粒子の平均粒子径が5nm〜50nmの無機微粒子を含み、無機微粒子は、樹脂成分との屈折率差が0.03以上あることが好ましい。
本発明のハードコート膜中の粒子の含有量は、ハードコート膜の全質量を100として、1質量%〜10質量%であることが好ましく、無機微粒子の含有量は、ハードコート膜の全質量を100として、1質量%〜12質量%であることが好ましい。
そして、本発明のハードコート膜のJIS B0601による算術平均粗さ(Ra)は、0.05μm以上0.20μm未満であることが好ましい。
本発明のハードコート膜用コーティング組成物は、樹脂成分及び粒子を含有するハードコート膜用コーティング組成物であって、樹脂成分は、少なくとも(A)電離放射線硬化性オリゴマー又はモノマーと(B)(A)成分のSP値との差が1.0(cal/cm3)1/2以上、3.0(cal/cm3)1/2未満である樹脂成分を含み、粒子は粒度分布が、D50=0.5μm〜1.5μm、D90=1.5μm〜4.0μm、D90−D50=1〜3.5の関係を満たす粒子を含有することを特徴とする。
以下に、本発明のハードコート膜用コーティング組成物の詳細について説明する。
粒子、レベリング剤、光重合開始剤、光重合開始助剤及び溶剤等を加えて調製することができる。
以下に、それぞれの成分の詳細について説明する。
本発明の(A)電離放射線硬化性オリゴマー又はモノマーは、ハードコート膜の主成分であり、高硬度で可撓性を有する膜を構成するために用いられる。(A)成分としては、多官能性モノマー等のモノマー、(メタ)アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリシラン樹脂、ポリイミド樹脂又はフッ素樹脂を骨格構造に含むオリゴマーを用いることができる。
上記のなかでも、官能基数が6〜20の多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー又はモノマーを用いることが好ましい。このような多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー又はモノマーを用いることによって、膜の架橋密度が高まり、ハードコート膜に必要な硬度、耐擦傷性等の基材保護性能が得られる。また、上記オリゴマー又はモノマーを用いることにより、柔軟性、可撓性が高く加工性に優れた膜が得られるため、抜き加工等の加工工程におけるクラックの発生等を抑制することができる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー又はモノマーの電離放射線硬化性官能基数を6以上とすることにより膜の硬度が十分上昇するため、耐擦傷性が向上する。一方、多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー又はモノマーの官能基数は、20以下、さらには、16以下とすることが好ましい。これにより、架橋密度の過度の上昇による立体障害を抑制し、硬化阻害による硬度低下の発生を防止することができる。
(A)成分の含有量は、コーティング組成物中の全樹脂成分を100として、70質量%〜99質量%であることが好ましく、80質量%〜95質量%であることがさらに好ましい。(A)成分の含有量を前記範囲とすることにより、さらに優れた基材保護特性及び加工性を有するハードコート膜が得られる。
(B)成分としては、(A)成分のSP値との差が1.0(cal/cm3)1/2以上、3.0(cal/cm3)1/2未満である樹脂成分を用いる。ここで、SP値とは、溶解度パラメータ(Solubility Parameter)のことであり、親和性を示すパラメータである。SP値が近い2つの成分は、親和性が高いため、混ざりやすく(溶解度が大きい)、一方、SP値が離れている2つの成分は、親和性が低いため、混ざりにくい(溶解度が小さい)。
(B)成分として、(A)成分のSP値との差が1.0(cal/cm3)1/2以上、3.0(cal/cm3)1/2未満である樹脂を用いることにより、膜形成時に(A)成分と(B)成分との適度な相分離によりうねりが生じ、膜表面に凹凸が形成され、膜表面のうねりに沿って粒子が配置した構造を有するハードコート膜が得られる。
このため、本発明のハードコート膜用コーティング組成物を用いることにより、ハードコート膜の厚さに比べて、粒子径の小さい粒子を用いた場合でも、粒子を表面に配置させることができる。したがって、膜表面に粒子を突出させて凹凸を形成させていた従来のハードコート膜のように、膜厚に対して粒子径が十分大きなマット粒子を用いる必要がない。そのため、本発明のハードコート膜用コーティング組成物では、高精細化したカラーディスプレイのギラツキ現象の防止に有効な微小な粒子径を有する粒子を添加し、かつハードコート膜として十分な硬度が得られる膜厚に調製することができる。このように、本発明のハードコート膜用コーティング組成物を用いることにより、高硬度で、防眩性に優れ、高精細化したカラーディスプレイに使用した場合でもギラツキ現象を抑えることができるハードコート膜が得られる。
(A)成分と(B)成分のSP値の差が1(cal/cm3)1/2未満では、両者の親和性が高いため、相分離によるうねりが十分形成されず、粒子を膜表面に配置させる効果が生じにくい。このため、得られるハードコート膜表面は平坦となり、十分な防眩性を得ることができない。一方、(A)成分と(B)成分のSP値の差が3(cal/cm3)1/2を超えると、両者の親和性が低いため、相分離により膜表面が粗くなり、表面粗さが高くなる。このため、高精細化されたカラーディスプレイに対応することができず、また、ヘーズの上昇により、十分な透明性が得られない。
また、(B)成分のガラス転移温度(Tg)は、90℃以上であることが好ましい。このようにガラス転移温度の高い樹脂を用いることにより、耐熱性に優れたハードコート膜を得ることができる。これにより、従来、成膜工程で熱処理を行う場合に、分散剤等の影響で生じる可能性のあった耐擦傷性の低下、加熱白化によるヘーズの上昇等の問題を防止することができる。なお、通常、Tgの高い(B)成分を用いると(A)成分との溶解性が低下するが、本発明では、後述する電離放射線硬化性モノマーを添加することにより、(A)成分と(B)成分との溶解性を向上させることができる。
また、(B)成分は、OH基を1以上有する樹脂であることが好ましい。これにより成膜工程で架橋が進行し、膜の硬度をより向上させることができる。
上記(B)成分としては、アセタール樹脂が好ましく、中でも、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等が好ましい。
本発明のコーティング組成物には、(A)成分とは異なる電離放射線硬化性モノマー(光重合性モノマー)を添加することができる。光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能アクリルモノマー等の少なくとも1種を用いることができる。これらを添加することにより、ハードコート膜の硬度をさらに向上させることができる。
また、上述したように、通常、ガラス転移温度の高い(B)成分(分散樹脂)は、(A)成分である電離放射線硬化性オリゴマー又はモノマーとの溶解性が低い。ここで、上記光重合モノマーを添加することにより、(A)成分と(B)成分とのクッション剤として機能し、両者の溶解性を向上させることにより、均一なコーティング組成物を得ることができる。
光重合性モノマーの含有量は、コーティング組成物中の全樹脂成分を100として、5質量%〜30質量%であることが好ましく、10質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。光重合性モノマーの含有量を前記範囲とすることにより、(A)成分と(B)成分の溶解性や得られる膜の硬度をさらに高めることができる。
本発明のハードコート膜用コーティング組成物は、粒度分布がD50=0.5μm〜1.5μm、好ましくはD50=0.6μm〜1.4μmであり、D90=1.5μm〜4.0μm、D90−D50=1〜3.5の関係を満たす粒子を含有する。上述のとおり、本発明ではコーティング組成物の膜形成時、膜表面に、(A)成分と(B)成分の相分離によるうねりが形成され、上記粒子が膜表面に配置される。そして、膜表面のうねりに沿って上記粒子が配置した構造の凹凸形状が形成される。
ここで、コーティング組成物中の粒子の粒度分布を上記のように規定することにより、高精細化されたカラーディスプレイに設置した場合でもギラツキ現象を効果的に防止可能なハードコート膜が得られる。また、上記範囲の微細な粒子を用いることにより、ヘーズの上昇が抑えられ、透明性の高いハードコート膜が得られる
本発明のコーティング組成物中の粒子の粒度分布のD50が0.5μm未満では、防眩性(映り込み防止性)が十分でない。一方、D50が1.5μmを超えると、高精細化されたカラーディスプレイに設置した場合、十分なギラツキ現象の防止効果が得られず、ヘーズの上昇により、透明性が低下する。
また、本発明のコーティング組成物中の粒子の粒度分布のD90が1.5μm未満では、防眩性の性能を得るために必要な凹凸形状を得ることができない。一方、D90が4.0μmを超えると、高精細化されたカラーディスプレイに設置した場合、十分なギラツキ現象の防止効果が得られず、またヘーズの上昇により、透明性が低下する。
さらに、本発明のコーティング組成物中の粒子の粒度分布のD90−D50が1μm未満では、粒子の大きさが揃いすぎてるため、十分なギラツキ現象の防止効果が得られない。一方、D90−D50が3.5μmを超えると、粗大粒子の影響により十分なギラツキ現象の防止効果が得られない。
なお、上記粒子の粒度分布は、硬化前のコーティング組成物中での粒度分布であり、コーティング組成物中に粒子を添加後、分散させることにより調整することができる。具体的な分散方法としては、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル等を用いることができる。
また、後述するように、分散安定性を向上させるため、上記粒子より微細な無機微粒子を添加することもあるが、ここでは、膜表面の凹凸形状形成に関与する粒子の粒度を規定している。コーティング組成物中の粒子の粒度分布は、後述するようにレーザー回折式粒子径分布測定装置等により測定することができる。ここで、測定粒度範囲の下限値を0.1μm以上とすることにより、無機微粒子の値を省き、膜表面の凹凸形成に関与する粒子の粒度分布を算出することができる。
このような膜表面の凹凸形成に関与する0.1μm以上の粒子の粒度分布のピークは一つであることが好ましい。凹凸形成に関与する粒子をこのようにすることにより、優れたギラツキ現象の防止効果が得られる。
粒子としては、有機粒子及び無機粒子を用いることができる。具体的な有機粒子の材料としては、アクリル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、等が挙げられる。一方、無機粒子の材料としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらの中から使用する樹脂成分の屈折率等を考慮して選択するのが好ましい。上記粒度分布を有する粒子であれば、単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。ギラツキ現象の抑制の観点からは無機粒子を用いることが好ましい。さらに、本発明のより優れた効果を得るためには、粒子としてシリカを用いることが好ましい。
また、粒子として、上記有機粒子の表面に、無機層を被覆した有機・無機複合粒子を用いることもできる。無機層としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、又はこれらの複合材料等を用いることもできる。また、粒子として、中空ガラスビーズ、中空シリカビーズ、中空アクリルビーズ等の中空粒子を用いることもできる。
本発明のコーティング組成物には、前記粒子の他に、コーティング組成物にチクソ性を付与して、粒子や樹脂成分の分散安定性を高める目的で無機微粒子を添加することもできる。無機微粒子の一次粒子の平均粒子径は5nm〜50nmで、無機微粒子と、硬化後のハードコート膜の樹脂成分との屈折率の差は0.03以上で、無機微粒子と、粒子との屈折率の差は0.03以下であることが好ましい。無機微粒子の一次粒子の平均粒子径を前記範囲とすることにより、無機微粒子がコーティング組成物中に均一に分散しやすく、効果的にコーティング組成物にチクソ性を付与することができる。これにより、コーティング組成物中の粒子や樹脂成分の分散性が維持できるとともにコーティング組成物の塗布特性を向上させることができる。
また、無機微粒子の屈折率を前記範囲とすることにより、光散乱効果により光沢を抑え、防眩性を向上させることができるとともに、膜のヘーズの上昇を抑え、透明性を維持することができる。
具体的な無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらの中から使用する樹脂成分や粒子の屈折率等を考慮して選択するのが好ましい。上記平均粒子径及び屈折率を有する無機微粒子であれば、単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。無機微粒子としてのより優れた効果を得るためには、シリカを用いることが好ましい。
無機微粒子の含有量が硬化後のハードコート膜全体の質量を100として、1質量%〜12質量%、さらには、3〜12質量%となるように、コーティング組成物中に無機微粒子を添加するのが好ましい。無機微粒子の含有量を上記範囲とすることにより、コーティング組成物の塗布特性を向上させることができ、得られるハードコート膜の透明性を維持することができる。
(A)成分である電離放射線硬化性オリゴマー又はモノマーを紫外線で硬化させる場合には、光重合開始剤を添加するのが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2、2−ジエトキシ−2−フェ二ルアセトフェノン、1、1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシー2−メチルーフェ二ルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェ二ルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ二ル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、2−t−ブテルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、2、4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフイド、4、4’−ビスメチルアミノベンゾフエノン等のベンゾフェノン類、2、4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のコーティング組成物には、光重合開始助剤を添加することが好ましい。光重合開始助剤を添加させることにより、本発明のコーティング組成物を電離放射線の照射により硬化させる際に、硬化物表面に酸素阻害が生じることを防止することができるため、より硬度の高い硬化物を得ることができる。このような光重合開始助剤としては、例えば、アミン化合物、カルボン酸化合物、多官能チオール化合物等が挙げられる。光重合開始助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ラジカル重合反応の効率を向上させるためには、多官能チオール化合物を用いることが好ましい。
さらに、ハードコート膜用コーティング組成物にレベリング剤を添加することにより、より平滑で均一なハードコート膜を得ることができる。レベリング剤としては、変性シリコーン系化合物、フッ素系化合物、アクリル系化合物等を用いることができる。
溶剤は、特に限定されないが、前記成分と反応し得る官能基を含まないものであれば好適に用いることができる。好ましい溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブテル、メトキシブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1、3−ジオキソラン、1、4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。使用する有機溶媒の種類は得られる樹脂の溶解性、重合温度を考慮して決められるが、乾燥時の残存溶媒の残りにくさという観点からメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン等の沸点が120℃以下の有機溶媒が好ましい。これらのものは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。コーティング組成物中の溶剤の含有量は特に限定されないが、コーティング組成物の粘度が塗工方式に適した粘度になるように調整することが好ましい。通常は、ハードコート膜用コーティング組成物全体の5〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
次に本発明のハードコート膜について以下に説明する。本発明のハードコート膜は、上述したハードコート用コーティング組成物を支持体に塗布して硬化することにより得られる。また、透明支持体の少なくとも一方の面にハードコート膜からなるハードコート層を設けることにより、ハードコートフィルムが得られる。
透明支持体としては、透明性の高いガラスや樹脂基材等を用いることができる。樹脂基材を構成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素樹脂、ナイロン、アクリル、シクロオレフィン、ノルボルネン化合物、セロファン等が挙げられる。機械的強度や寸法安定性を考慮すると、これらの中でも、延伸加工、特に、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
透明支持体の厚みは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定される。一般に、ガラスの場合は、0.3mm〜5mmが好ましく、樹脂基材の場合には、25μm〜500μm、さらには、50〜300μmが好ましい。
樹脂成分は、少なくとも(A)電離放射線硬化性オリゴマー又はモノマーと(B)(A)成分のSP値との差が1.0(cal/cm3)1/2以上、3.0(cal/cm3)1/2未満である樹脂成分から形成され、粒子の平均粒子径は、ハードコート膜の平均厚さの5%〜30%であることを特徴とする。ハードコート膜中の各成分については、コーティング組成物中の成分として既に説明したので、以下では、特にハードコート膜の構成及び物性について説明する。
上述のとおり、(A)成分、(B)成分及び粒子を含有するコーティング組成物を硬化すると、(A)成分と(B)成分の相分離により形成される膜表面のうねりに沿って粒子が配置し、表面に凹凸形状が形成されたハードコート膜が形成される。ここで、粒子の平均粒子径は、ハードコート膜の平均厚さの5%〜30%とする。粒子の平均粒子径は、ハードコート膜の平均厚さの8%〜25%とするのが好ましく、10%〜25%とするのがより好ましい。
粒子の平均粒子径とは、表面の凹凸形成に関与している粒子の平均粒子径であり、粒子径0.1μm未満の微粒子は除外して算出した値である。具体的には、ハードコートフィルムを、光学顕微鏡を用い透過で、倍率1000倍で写真撮影し、1cm×1cmの面積あたり、0.1μm未満の微粒子を除外した任意の粒子30個の粒子径を算出し、それらのうち最大値と最小値を除いた28個の平均値を粒子の平均粒子径とした。
上記方法で測定した粒子の平均粒子径は、0.3μm〜1.8μmが好ましく、0.6μm〜1.3μmがさらに好ましい。粒子の平均粒子径を上記範囲にすることにより、さらに優れた防眩性(映り込みが防止性)が得られ、高精細化されたカラーディスプレイに設置した場合でも、十分なギラツキ現象の防止効果が得られ、透明性も維持できる。
粒子の粒子径の標準偏差は、0.3μm〜1.5μmが好ましく、0.5μm〜1.0μmがさらに好ましい。また、粒子の粒子径の変動係数、すなわち、粒子の粒子径の標準偏差/粒子の平均粒子径(算術平均値)の値は、0.2〜5が好ましく、0.4〜2がさらに好ましく、0.3〜1.5が最も好ましい。標準偏差及び変動係数が上記範囲の粒子を用いることにより、さらに優れた防眩性が得られ、高精細化されたカラーディスプレイに設置した場合でも、十分なギラツキ現象の防止効果が得られる。
一方、ハードコート膜の平均厚さとは、ハードコート膜を被覆した支持体表面から、ハードコート膜の凸部先端までの距離の平均値である。具体的には、マイクロメーターを使用して、ハードコートフィルムの全厚を測定する。そして、得られた値から予め測定したハードコート膜を形成する前の支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の厚みを減ずることにより算出する。
本発明において、粒子の平均粒子径とハードコート膜の平均厚さを上記のように設定することにより、ハードコート膜に対して、小さい粒子径の粒子が膜表面に配置され凹凸形状が形成されるため、高精細化されたカラーディスプレイに使用した場合でも十分な防眩性を発揮できる。また、ハードコート膜中の粒子を微細化できるため、ヘーズの上昇が抑制され、透明度の高い膜が得られる。さらに、本発明のハードコート膜では、粒子の粒子径に対して膜厚を十分厚くすることができるため、高硬度で耐擦傷性に優れた膜が得られる。本発明の粒子の平均粒子径は、ハードコート膜の平均厚さの8%〜25%であることが好ましく、10%〜25%であることがより好ましい。
また、本発明のハードコート膜又はハードコートフィルムのJIS K5600−5−4:1999における鉛筆引っかき値は、H以上であることが好ましい。鉛筆引っかき値をこの範囲にすることにより、より基材保護性能の優れたハードコート膜又はハードコートフィルムが得られる。
本発明のJIS B0601による算術平均粗さ(Ra)は、0.05μm以上0.20μm未満であることが好ましい。ハードコート膜のRaをこの範囲にすることにより、さらに優れた防眩性及び透明性が得られる。
図1に、従来のハードコートフィルム及び本発明のハードコートフィルムのヘーズ(曇り度)と60度鏡面光沢度(光沢度)の関係の一例を示す。一般に、映り込みを抑え防眩性を高めるために、ハードコート膜の光沢度を下げると、ヘーズが上昇して透明性が低下する傾向がある。そのため、従来は、ヘーズが低く透明度の高いハードコート膜を得ようとすると、光沢度が高くなり、防眩性(映り込み防止効果)が低下していた。これに対して、本発明のハードコート膜では、映り込みを抑え防眩性を高めるために光沢度を下げても、ヘーズが低く維持され、優れた透明性と防眩性(映り込み防止効果)を実現することが可能となった。
図1より、従来のハードコートフィルムでは、光沢度を90%にすると、ヘーズが11%となり、透明度が低下したのに対して、本発明のハードコートフィルムでは、光沢度を90%としても、ヘーズが6%と低く透明度が高いことがわかる。
本発明では、ハードコートフィルムのヘーズを3%としても、120%以下の60度鏡面光沢度が得られた。また、ヘーズが7%では、80%以下の60度鏡面光沢度が得られ、ヘーズが10%では、60%以下の60度鏡面光沢度が得られ、さらに、ヘーズが20%では、40%以下の60度鏡面光沢度が得られた。
ここで、透明支持体の一方の面に、本発明のハードコート膜を設置し、他方の面に、その他の機能層を設けることもできる。また、透明支持体の一方、又は両方の面に、本発明のハードコート膜を設置し、ハードコート層上に、機能層を設けることもできる。機能層としては、ハードコート層、アンチブロッキング層、アンチニュートン層、帯電防止層、粘着層、印刷層、導電層、紫外線防止層、遮熱層、インク受容層、易接着層、金属蒸着層、等が挙げられる。
また、導電性膜1a、1bを有する一対のパネル板の導電性膜同士1a、1bが対向するようにスペーサー3を介して配置されている抵抗膜方式のタッチパネル10において、パネル板のうち上部電極となるパネル板2aに、本発明のハードコートフィルム4、5を用いることもできる。
さらに、透明基板の少なくとも片面に導電膜を有する静電容量方式のタッチパネルにおいて、透明基板の表面に、本発明のハードコート膜を有する構成としてもよい。また、透明基板の少なくとも片面に導電膜を有してなる静電容量方式のタッチパネルにおいて、透明基板として、本発明の透明ハードコートフィルムを用いることもできる。
支持体として、厚み188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(コスモシャインA4300、東洋紡株式会社製)を用い、その一方の面に以下の組成のハードコート用コーティング組成物を、ベーカー式アプリケータを用いて塗布した。この塗膜を乾燥した後、高圧水銀灯で紫外線を照射して、厚み5μmのハードコート膜及びハードコートフィルムを得た。なお、シリカ粒子は、分散機(ビーズミル分散機:井上製作所社製)により、直径1mmのガラスビーズを用いて、流速:10l/分で所定粒度になるまで循環分散した。得られたコーティング組成物を、後述するレーザー回折式粒子径分布測定装置を用いて測定した結果、シリカ粒子の粒度は、D50=0.8μm、D90=3.0μm、D90−D50=2.2μmであった。
・A成分
A1(ライトアクリレートDPE−6:共栄社化学社製)
全樹脂固形分に対する質量%:87%
・B成分
B1(エスレックKS1:積水化学工業社製)
全樹脂固形分に対する質量%:3%
・粒子
シリカ(ファインシールX80:トクヤマ社製)
固形分全体に対する質量%:3.5%、メーカカタログ値:平均粒子径2.4μm)
・電離放射線硬化性モノマー
(ライトアクリレートPE−3A:共栄社化学社製)
全樹脂固形分に対する質量%:10%
・光重合開始剤
(イルガキュア2959:BASFジャパン社製)
融点87℃〜92℃、(A)成分及び電離放射線硬化性モノマーの固形分合計に対し3質量%
・溶剤
プロピレングリコールモノメチルエーテル (固形分40質量%になるよう希釈)
・レベリング剤
(BYK331:ビックケミー・ジャパン社製)
(コーティング組成物中、0.1質量%)
コーティング組成物中の粒子の粒度分布は、HELOSレーザー回折式粒子径分布測定装置(Sympatec社製)を用いて測定し、D50及びD90の値を得た。
表1に示すように、B成分としてB1に変えて、以下のB2を用いた他は実施例1と同様にコーティング組成物を調製後、塗膜して、ハードコート膜及びハードコートフィルムを得た。
B2(NKエステルA9300−1CL:新中村化学工業社製)
表1に示すように、A成分としてA1に変えて、以下のA2を用いた他は実施例1と同様にコーティング組成物を調製後、塗膜して、ハードコート膜及びハードコートフィルムを得た。
A2(アートレジンUN904:根上工業社製)
表1に示すように、B成分としてB1に変えて、以下のB’を用いた他は実施例1と同様にコーティング組成物を調製後、塗膜して、ハードコート膜及びハードコートフィルムを得た。
B’(エスレックBL−S:積水化学社製)
表1に示すように、B成分としてB1に変えて、以下のB”を用いた他は実施例1と同様にコーティング組成物を調製後、塗膜して、ハードコート膜及びハードコートフィルムを得た。
B”ポリビニルアルコール樹脂に極性の官能基を導入することにより、樹脂のSP値を調製した。得られたポリビニルアルコール樹脂のSP値は、14.0(cal/cm3)1/2であった。
表1に示すように、粒子を添加しなかった他は実施例1と同様にコーティング組成物を調製後、塗膜して、ハードコート膜及びハードコートフィルムを得た。
シリカ粒子の分散時間を変えた他は実施例1と同様にコーティング組成物を調製後、塗膜して、ハードコート膜及びハードコートフィルムを得た。表1に、それぞれのコーティング組成物中のシリカの粒度分布を前述のレーザー回折式粒子径分布測定装置を用いて測定した結果を示す。
実施例1〜3及び比較例1〜7のハードコート膜又はハードコートフィルムの算術平均粗さ(Ra)、鉛筆硬度、耐擦傷性、光沢度、ヘーズ、全光線透過率、及び高精細化されたカラーディスプレイのギラツキ現象防止(抑制)効果と防眩性を測定又は評価した結果を表1に示す。なお、それぞれの測定、又は評価は以下のとおりに行った。
JIS B0601に準拠した方法で、表面粗さ計(surfcom480B:ACCRETECH東京精密社製)を用いて算術平均粗さ(Ra)を測定した。
(鉛筆硬度測定)
JIS K5600−5−4:1999に準拠した方法で、鉛筆硬度を測定した。
(耐擦傷性評価)
#0000のスチールウールを3cm2の円柱の治具に被せて巻き、実施例及び比較例のハードコート膜上に載せ、荷重500gを負荷した状態で、速度200mm/secで100回往復した後のハードコート膜の状態を目視で観察した。目視評価の結果、傷が全くない場合は、○、傷が10本未満である場合は、△、傷が10本以上ある場合は、×とした。
(光沢度測定)
JIS Z8741に準拠して、グロスメータ(VG 7000:日本電色工業社製)を用いて、60度鏡面光沢度を測定した。測定光は、ハードコート膜側から入射した。
(透明性評価)
ハードコート膜の透明性は、ハードコートフィルムのヘーズ(HAZE)及び全光線透過率を測定することにより、評価した。ヘーズはJIS K7136に準拠して、全光線透過率はJIS K7361に準拠して、ヘーズメータ(NDH 4000:日本電色工業社製)を用いて測定した。測定光は、ハードコート膜側から入射した。
(高精細化されたカラーディスプレイのギラツキ現象防止効果及び防眩性の評価)
高精細化したカラー画像を表示させた液晶画面上にハードコート膜を積層した場合に、外部光の映り込みやギラツキ現象により表示画面が見難くなるか否かを目視で評価した。目視評価の結果、映り込みが防止できているものは、防眩性が、○、出来ていないものは×とした。ギラツキ現象防止効果については、表示画面が見難くならなかった場合は○、見難くなった場合は×とした。
一方、比較例2のハードコート膜及びハードコートフィルムでは、耐擦傷性、高精細化されたカラーディスプレイの防眩性は良好であったが、ヘーズが比較的高く、全光線透過率が低いことから透明性が低く、高精細化されたカラーディスプレイに対するギラツキ防止効果が得られなかった。これは、比較例2では、(A)成分と(B)成分のSP値の差が3.3(cal/cm3)1/2と高く、両者の親和性が低いため、相分離により膜表面が粗くなり、表面粗さが0.21μmと高くなっていることに起因すると考えられる。このように、表面が粗いハードコート膜では、高精細化されたカラーディスプレイに対応することができない。
比較例4では、実施例1と同様の組成だが、分散時間を長くして、シリカ粒子のD50が0.3μmとなるように調製した。このため、ハードコート膜のRaは、0.04μmと実施例1と比べて小さく、粒子を添加していない比較例3よりは改善されているものの、光沢度が108%となり、高精細化されたカラーディスプレイに対する防眩性が得られなかった。
比較例5も、実施例1と同様の組成だが、分散時間を短くして、シリカ粒子のD50が1.8μmとなるように調製した。比較例5では、耐擦傷性、透明性、高精細化されたディスプレイに対する防眩性は問題なかったが、ギラツキ防止効果は得られなかった。
比較例6及び比較例7も、実施例1と同様の組成だが、分散条件を変えることにより、D90−D50が、それぞれ0.3μm及び4.3μmとなるように調製した。表1に示すように、比較例6及び7のいずれにおいても高精細化ディスプレイのギラツキを防止することができないことが確認された。このことから、コーティング組成物中の粒子の粒子径のバラツキは小さくても大きくてもギラツキ防止効果は得られず、本発明のように所定のバラツキに調製することが必要であることが確認された。
ハードコート膜の平均膜厚を6μmと一定にして、添加するシリカ粒子の粒子径や分散条件を変えて、異なる平均粒子径を有する粒子を含有するハードコート膜を調製した。なお、その他の組成や製造方法は実施例1と同様にした。それぞれのハードコート膜中の粒子の平均粒子径を前述の方法で測定した結果、0.3μm(実施例4)、0.42μm(実施例5)、0.6μm(実施例6)、1.3μm(実施例7)及び1.8μm(実施例8)であった(表2参照)。得られたハードコート膜の平均粒子径及び(平均粒子径/ハードコート膜平均厚さ)×100の値を算出した結果を表2に示す。また、それぞれのハードコート膜又はハードコートフィルムの鉛筆硬度、耐擦傷性、光沢度、ヘーズ、全光線透過率、及び高精細化されたカラーディスプレイのギラツキ現象防止効果と防眩性を測定又は評価した結果も表2に示す。
ハードコート膜の平均膜厚を6μmと一定にして、添加するシリカ粒子の粒子径や分散条件を変えて、平均粒子径が0.18μm(比較例8)及び2.1μm(比較例9)の粒子を含有するハードコート膜を調製した。なお、その他の組成や製造方法は実施例1と同様にした。得られたハードコート膜の平均粒子径及び(平均粒子径/ハードコート膜平均厚さ)×100の値を算出した結果を表2に示す。また、それぞれのハードコート膜又はハードコートフィルムの鉛筆硬度、耐擦傷性、光沢度、ヘーズ、全光線透過率、及び高精細化されたカラーディスプレイのギラツキ現象防止効果と防眩性を測定又は評価した結果も表2に示す。
シリカ粒子の分散条件を変えた他は、実施例1と同様に調製したハードコート膜様コーティング組成物を用いて、平均厚さを変えたハードコート膜及びハードコートフィルムを調製した。得られたハードコート膜中のシリカ粒子の平均粒子径は、いずれも0.8μmであった。実施例9及び10の膜厚は、それぞれ、5.3μm及び2.7μmで、(平均粒子径/ハードコート膜平均厚さ)×100の値は、15及び30であった。実施例9及び10のハードコート膜又はハードコートフィルムの鉛筆硬度、耐擦傷性、光沢度、ヘーズ、全光線透過率、及び高精細化されたカラーディスプレイのギラツキ現象防止効果と防眩性を測定又は評価した結果を表3に示す。
実施例9及び10と同様に調製したハードコート膜用コーティング組成物を用いて、平均厚さが27μm(比較例10)及び1μm(比較例11)のハードコート膜を作製した。比較例10及び11のハードコート膜又はハードコートフィルムの鉛筆硬度、耐擦傷性、光沢度、ヘーズ、全光線透過率、及び高精細化されたカラーディスプレイのギラツキ現象防止効果と防眩性を測定又は評価した結果も表3に示す。
シリカ粒子の添加量を変えた他は、実施例1と同様に調製したハードコート膜様コーティング組成物を用いて、ハードコート膜及びハードコートフィルムを調製した。実施例11粒子の含有量は、ハードコート膜全体の質量に対して、それぞれ、2.9質量%とした。また、ハードコート膜中のシリカ粒子の平均粒子径は、0.8μmであり、(平均粒子径/ハードコート膜平均厚さ)×100の値は、16であった。実施例11のハードコートフィルムの鉛筆硬度、耐擦傷性、光沢度、ヘーズ、全光線透過率、及び高精細化されたカラーディスプレイのギラツキ現象防止効果と防眩性を測定又は評価した結果を表4に示す。なお、比較として実施例1及び比較例1の結果も示す。
2a、2b・・・パネル板
3・・・スペーサー
4・・・ハードコート膜
5・・・透明プラスチックフィルム(基材)
6・・・硬化物層
7・・・ガラス基板
10・・・タッチパネル
Claims (9)
- 樹脂成分及び粒子を含有するハードコート膜であって、
前記樹脂成分は、少なくとも(A)電離放射線硬化性オリゴマー又はモノマーと(B)(A)成分のSP値との差が1.0(cal/cm3)1/2以上、3.0(cal/cm3)1/2未満である樹脂成分から形成され、
前記粒子の平均粒子径は、前記ハードコート膜の平均厚さの5%〜22%であることを特徴とするハードコート膜。 - 前記ハードコート膜の平均厚さは、0.5μm〜10μmであることを特徴とする請求項1に記載のハードコート膜。
- 前記粒子は、樹脂成分との屈折率差が0.03〜0.10であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハードコート膜。
- 前記ハードコート膜はさらに一次粒子の平均粒子径5nm〜50nmの無機微粒子を含み、前記無機微粒子は、樹脂成分との屈折率差が0.03以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のハードコート膜。
- 前記粒子の含有量は、ハードコート膜全体の質量に対して、1質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のハードコート膜。
- 前記無機微粒子の含有量は、ハードコート膜全体の質量に対して、1質量%〜12質量%であることを特徴とする請求項4に記載のハードコート膜。
- JIS B0601による算術平均粗さ(Ra)が0.05μm以上0.20μm未満であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のハードコート膜。
- 透明支持体の少なくとも一方の面に請求項1から7のいずれか1項に記載のハードコート膜からなるハードコート層を有することを特徴とするハードコートフィルム。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載のハードコート膜を備えることを特徴とするタッチパネル。
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