JP2020091395A - フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイ - Google Patents

フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイ Download PDF

Info

Publication number
JP2020091395A
JP2020091395A JP2018228353A JP2018228353A JP2020091395A JP 2020091395 A JP2020091395 A JP 2020091395A JP 2018228353 A JP2018228353 A JP 2018228353A JP 2018228353 A JP2018228353 A JP 2018228353A JP 2020091395 A JP2020091395 A JP 2020091395A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
hard coat
coat layer
optical film
flexible display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018228353A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7298146B2 (ja
Inventor
はるな 和田
Haruna Wada
はるな 和田
将徳 澤田
Masanori Sawada
将徳 澤田
宍戸 厚
Atsushi Shishido
厚 宍戸
範久 赤松
Norihisa Akamatsu
範久 赤松
香代子 徳光
Kayoko Tokumitsu
香代子 徳光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2018228353A priority Critical patent/JP7298146B2/ja
Publication of JP2020091395A publication Critical patent/JP2020091395A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7298146B2 publication Critical patent/JP7298146B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

【課題】視認性の低下を抑制し表面硬度を維持しつつ、屈曲性を向上させた折り曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルム、これを備えたフレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイの提供。【解決手段】曲げ線17で曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルム10において、これを光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層12を備え、ハードコート層は、ディスプレイの表示領域15に用いられる第一領域13において、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、ハードコート層のディスプレイの非表示領域16に用いられる端部の両端部において、曲げ線17に交差する方向に、線状に、第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が95%以下である第二領域14を有するフレキシブルディスプレイ用光学フィルムとする。【選択図】図1

Description

本開示は、フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイに関する。
フレキシブルディスプレイは、近年の薄型軽量化により、曲げて固定された形態(curved)だけでなく、折り曲げ可能な(bendable)形態、折り畳み可能な(foldable)形態に進化した後、更には巻き付け可能な(rollable)形態など、進化してきている。
フレキシブルディスプレイの表面には、取扱い時に傷をつけず、機能層を保護するために、一般に光学フィルム(偏光板保護フィルムや位相差フィルム、反射防止フィルム防眩性フィルム、帯電防止フィルム等)乃至表面保護用フィルムを貼着している。そのため、フレキシブルディスプレイ用光学フィルムについても、さらに丸めたり、折り曲げたり、更には折り畳んだりできることが求められるようになっている。
このような光学フィルムに用いられるプラスチックフィルムは、加工性、透明性などの理由から、例えば、アセチル化セルロース樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを基材フィルムとし、その表面に、硬くて耐擦傷性、耐摩耗性、耐溶剤性等に優れたハードコート層が設けられている。
ハードコート層は、基材フィルムに対する密着性が優れることや、生産性の観点から、一般に、重合性化合物(硬化性化合物)の重合物(硬化物)を含む。
フレキシブルディスプレイに適用される光学フィルムの場合、ハードコート層に求められる特性は、高硬度、耐擦傷性、耐摩耗性に優れているということだけでは十分でなく、丸めたり、折り曲げたり、折り畳んだりしても、クラック等が生じ難いこと、すなわち優れた屈曲耐性も求められている。
しかし、硬さと屈曲性とは従来トレードオフの関係にあり、これらを両立させることは困難であった。
高硬度で傷つき難く、しかも丸めたり折り曲げたりする仕様にも耐えることができる表面保護用フィルムとして、例えば特許文献1には、基材フィルム上に硬化性組成物の硬化物であるドット群からなるハードコート層が形成されている表面保護用フィルムが記載されている。特許文献1では、ハードコート層表面に凹凸を作ることで硬さと屈曲性とを両立している。しかしながら、特許文献1の表面保護用フィルムは、ハードコート層の場所によって光路長が異なったり、表面に凹凸があることによって視認性が低下するなど、別の課題が生じる。
また、特許文献2では、ハードコート層が、隙間を介して互いに離間して配置された複数の第1のハードコート層と、硬度が前記第1のハードコート層より低い第2のハードコート層とを有し、前記第1のハードコート層及び前記第2のハードコート層がこの順で積層された第1領域と、前記隙間に前記第2のハードコート層が埋め込まれている、第1の領域よりも硬度が低い第2領域を有する光学フィルムとすることにより、優れた硬度と優れた耐久折り畳み性能との両立を試みている。特許文献2の光学フィルムは、第1の硬い領域により優れた硬度を得て、第2の柔らかい領域の部分で折り畳む、すなわち第2の柔らかい領域の部分が曲げ線となるように折り畳むことにより耐久折り畳み性を得ている。しかしながら、特許文献2の光学フィルムは、ハードコート層の場所によって硬度が異なったり、更には、光路長が異なったり、第1のハードコート層と第2のハードコート層の境界が目視できたり、表示領域のハードコート層を二回塗布することにより段差が生じやすく、視認性が低下するなど、別の課題が生じる。
特開2016−93979号公報 国際公開第2017/119391号
フレキシブルディスプレイに適用される光学フィルムの場合、表面硬度と屈曲耐性を有することが求められるだけでなく、視認性が良好であることも求められる。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、視認性の低下を抑制し、表面硬度を維持しつつ、屈曲性を向上させた、折り曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルム、当該フレキシブルディスプレイ用光学フィルムを備えたフレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイを提供することを目的とする。
本開示の1実施態様は、曲げ線で曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムであり、
光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層を備え、
前記ハードコート層は、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域において、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、
前記ハードコート層のディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線の両端部において、曲げ線に交差する方向に、線状に、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二領域を有する、フレキシブルディスプレイ用光学フィルムを提供する。
本開示の1実施態様は、前記第二領域は、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層であるか、又は、光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域である、前記フレキシブルディスプレイ用光学フィルムを提供する。
本開示の1実施態様は、光透過性樹脂基材の一方の面側に隣接して位置する前記ハードコート層を備えるか、又は、光透過性樹脂基材の一方の面側に、硬化性化合物を含有する組成物の硬化物を含有する機能層と、前記ハードコート層とを隣接してこの順に備える、前記フレキシブルディスプレイ用光学フィルムを提供する。
本開示の1実施態様は、折り畳み可能な、前記フレキシブルディスプレイ用光学フィルムを提供する。
本開示の1実施態様は、前記本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムと、
前記光学フィルムの光透過性樹脂基材の他方の面側に配置された偏光子とを備える、フレキシブルディスプレイ用偏光板を提供する。
本開示の1実施態様は、表示素子と、前記表示素子よりも観察者側に配置された前記本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム、又は、前記本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用偏光板と、を備える、フレキシブルディスプレイを提供する。
本開示の実施態様によれば、視認性の低下を抑制し、表面硬度を維持しつつ、屈曲性を向上させた、曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルム、当該フレキシブルディスプレイ用光学フィルムを備えたフレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイを提供することができる。
本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例である図1のA−A’線方向の概略断面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例である図1のA−A’線方向の概略断面図の他の例である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例である図1のA−A’線方向の概略断面図の他の例である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例である概略断面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイ用偏光板の一例である概略断面図である。 本開示のフレキシブルディスプレイの一例である概略断面図である。 実施例で用いられたパターン1の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。 実施例で用いられたパターン2の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。 実施例で用いられたパターン3の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。 実施例で用いられたパターン4の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。 実施例で用いられたパターン5の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。 実施例で用いられたパターン6の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。
以下、本開示の実施の形態や実施例などを、図面等を参照しながら説明する。但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態や実施例等の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
「本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本開示において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタアクリロイルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表す。
また、本明細書において「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではなく、「フィルム面(板面、シート面)」とは、対象となるフィルム状(板状、シート状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状部材(板状部材、シート状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
本明細書において、「折り曲げ可能」や「折り畳み可能」とは、光学フィルムの曲げ線とすることのできる部分において光学フィルムを折り曲げたり、折り畳んだとき、光学フィルムに割れや破断が生じないことを意味する。また、「ハードコート層」とは、光透過性を有し、かつJIS K5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で少なくとも「HB」以上の鉛筆硬度を有する層である。ハードコート層は、防汚性等の他の機能を有してよい。
以下、本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイについて順に詳細に説明する。
A.フレキシブルディスプレイ用光学フィルム
本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムは、曲げ線で曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムであり、
光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層を備え、
前記ハードコート層は、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域において、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、
前記ハードコート層のディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線の両端部において、曲げ線に交差する方向に、線状に、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二領域を有する。
以下、図面を参照して本開示の一実施態様について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある場合がある。
図1は、本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。図2は、図1のA−A’線方向の概略断面図である。
本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム10は、曲げ線17で曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムであり、光透過性樹脂基材11の一方の面側にハードコート層12を備え、
前記ハードコート層12は、ディスプレイの表示領域15に用いられる第一領域13において、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、
前記ハードコート層12のディスプレイの非表示領域16に用いられる端部のうち曲げ線の両端部20及び20’において、曲げ線17に交差する方向に、線状に、前記第一領域13の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二領域14を有する。
図2の例では、第二領域14は、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層18である。
第二領域14において、第二ハードコート層18は、図3に示されるように、ハードコート層12とは高さが異なっていても良い。
また、第二領域14は、図4に示されるように、光透過性樹脂基材11の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域19であっても良い。
曲げて用いる態様には、例えば、曲げて固定された形態(curved)、折り曲げ可能な(bendable)形態、折り畳み可能な(foldable)形態、更には、巻き付け可能な(rollable)形態等が包含される。
本明細書において、曲げて用いる際の曲げ線とは、曲げられた際に中心となる線であり、折られたり、折り畳まれた場合は折れ線が生じる部分であり、曲げられた場合は生じた円弧の中央部分をいう。当該曲げ線は、線が生じる部分に限られず、線が生じない折り曲げ予定部乃至折り曲げ可能部をも含むものである。また、曲げ線は、1つに限定されることなく、折り曲げ予定部乃至折り曲げ可能部として複数存在してもよい。
本明細書において、ディスプレイの表示領域とは、ディスプレイの画像等が表示される領域をいい、ディスプレイの非表示領域とは、表示領域の表示面の周囲の少なくとも一部にあって表示面と同一または平行な面上の領域であり、ディスプレイの画像等が表示されない領域をいう。
本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム(以下、単に光学フィルムという場合がある)は、平面視で前記第一領域13と前記第二領域14とを有する。前記第一領域13は、ディスプレイの表示領域15に用いられる領域であり、前記第一領域の端部の一部はディスプレイの非表示領域16に用いられても良い。
本開示の光学フィルムの第一領域13においては、前記ハードコート層は、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下である。本開示の光学フィルムは、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域において、前記のようにハードコート層の表面粗さが小さく、表面硬度が実質的に同様であることから、ディスプレイの表示領域においては、ハードコート層の場所によって光路長が異なったり、凹凸があることによる視認性の低下を抑制することができ、且つ、表面硬度の均質性に優れる。
本開示の光学フィルムの第一領域においては、表面硬度の均質性及び表示領域の視認性の点から、前記ハードコート層は、表面のマルテンス硬度の変動係数が4%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
本開示の光学フィルムの第一領域における前記ハードコート層は、表面硬度、耐擦傷性、耐摩耗性等の点から、表面のマルテンス硬度が100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。一方で第一領域における前記ハードコート層表面のマルテンス硬度が極度に高いと、硬いが脆いフィルムとなり、使用時の耐衝撃性に劣る点から600N/mm以下であることが好ましく、550N/mm以下であることがより好ましい。
本開示の光学フィルムの第一領域においては、前記ハードコート層は、表示領域の視認性、タッチパネルの操作性向上の点から、表面の算術平均粗さRaが50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがより更に好ましい。
なお、表面のマルテンス硬度は、ナノインデンテーション法により測定することができる。ハードコート層表面のマルテンス硬度は、具体的には、微小硬さ試験機(フィッシャー・インスツルメント社製、ピコデンター HM−500)を用い、ハードコート層の表面(図2参照、基材11と反対側表面)に対して垂直方向から、対面角136°のダイヤモンド正四角錐形状のビッカース圧子を10秒かけて2mN押し込み、5秒間保持した後、10秒かけて除荷し、得られた荷重−変位曲線から、算出される。なお、上記マルテンス硬度は、ビッカース圧子の押し込みによりできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm)を計算し、試験荷重F(N)を割る(F/A)ことで求められる。
マルテンス硬度の平均値は、マルテンス硬度を5箇所について求め、その算術平均値とする。また、マルテンス硬度の変動係数は、以下の式によりを算出する。
マルテンス硬度の変動係数(%)=(マルテンス硬度の標準偏差/マルテンス硬度の平均値)×100
また、ハードコート層表面の算術平均粗さRaは、JIS B0601:2013に準拠して測定されるものであり、例えば、走査型プローブ顕微鏡(例えば、日立ハイテクサイエンス社製、L−trace II)を用いて、3μm角の視野観察から測定することができる。
一方、本開示の光学フィルムの前記第二領域14は、前記ハードコート層のディスプレイの非表示領域16に用いられる端部のうち曲げ線の両端部20及び20’において、前記曲げ線17に交差する方向に、線状に設けられる領域である(図1参照)。
ここで線状とは、線のような細長い形をなしていることをいう。線状に設けられる領域は、典型的には細長い長方形が挙げられるが、領域を区画する線は、直線状に限定されず、曲線が含まれていても良い。また、線状に設けられる領域は、前記曲げ線に交差すれば良く、実線だけでなく、点線や破線なども含むものとする。しかし、前記曲げ線に位置する位置合わせが容易な点や曲げ線の可能性を広範囲にすることができる点から、線状に設けられる領域は、実線状であることが好ましい。
そして、前記曲げ線17に交差する方向に線状に設けられる第二領域は、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下と、相対的に硬度を低くしている。
本開示の光学フィルムは、ディスプレイの非表示領域において、前記曲げ線17に交差する方向に線状に、表面硬度が低く、柔らかい第二領域を設けたことにより、前記曲げ線で曲げて用いる際に、第一領域のハードコート層にクラックが入り難くなり、屈曲耐性が向上したものとなる。
これは、一般的に柔らかいハードコート層にはクラックが入り難く、当該柔らかい第二領域がハードコート層端面を切っ掛けとするクラックの前記第一領域への伸長を抑制するためと考えられる。
図1の例では、線状領域である第二領域14の延在する方向は、前記曲げ線17に直交する方向に、設けられている。
曲げ線17に交差する方向に線状に設けられる第二領域は、当該線のような細長い形が延在する方向、例えば細長い長方形であれば長辺と、曲げ線17が交差すればよく、直交する場合に限られない。なお、線のような細長い形が延在する方向は、線状領域を区画する線に曲線が含まれる場合など長方形でない場合、線状領域を区画する線の2点間の距離の最大値に代表させることができる。
例えば、図5に示されるように、線状領域である第二領域14の延在する方向(長辺21)と、曲げ線17のなす角のうち、小さい方の角度(θ)は、屈曲耐性の点から30度以上90度以下であることが好ましく、45度以上であることがより好ましく、60度以上であることが更に好ましく、70度以上であることがより更に好ましい。
光学フィルムの製造上の点からは、線状領域である第二領域14は、前記ハードコート層のディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線の両端部において、曲げ線に交差する方向であって、光学フィルムの縁に平行に延在させることが好ましい。
第二領域は、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下であるが、中でも、屈曲耐性を向上する点から、90%以下であることが好ましく、75%以下であることがより好ましく、70%以下であることがより更に好ましい。
本開示の光学フィルムの第二領域の表面のマルテンス硬度は、ハードコート層よりも下層の機能層を保護する観点から、75N/mm以上であることが好ましく、100N/mm以上であることがより好ましい。一方でクラックの伸長を抑制する点から、第二領域の表面のマルテンス硬度は、500N/mm以下であることが好ましく、450N/mm以下であることがより好ましい。
前記第二領域は、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層であるか、又は、光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域であるが、中でも光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域であることが、屈曲時にクラックの発生を抑制しやすく、屈曲耐性を向上させやすい点から好ましい。
図6〜10はそれぞれ、本開示のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムの一例を模式的に示す概略平面図である。
前記第二領域14としては、前記ハードコート層12のディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17の両端部20及び20’において、曲げ線17に交差する方向に、線状に設けられれば良く、第二領域の数や第二領域の曲げ線方向の幅については、適宜選択されれば良い。
第二領域14は、例えば、図6に示されるように、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17の両端部20及び20’において、曲げ線17に交差する方向に、1本ずつ設けられても良い。
第二領域14は、例えば、図7及び8に示されるように、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17の両端部20及び20’において、曲げ線17に交差する方向に、1本ずつ設けられ、光学フィルムの曲げ線17の最両端部23及び23’側に、更に第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22を有していても良い。
また、第二領域14は、例えば、図9に示されるように、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17の両端部20及び20’において、曲げ線17に交差する方向に、3本ずつ設けられ、第二領域14の間に更に第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22を有していても良い。
また、第二領域14は、例えば、図10に示されるように、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17に位置する両端部20及び20’において、曲げ線17に交差する方向に、3本ずつ設けられ、第二領域14の間に更に第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22を有し、光学フィルムの曲げ線17の最両端部23及び23’側に、更に第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22を有していても良い。
ここで、前記第三領域としては、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%超過のマルテンス硬度を有する領域が挙げられる。
本開示の光学フィルムの製造時に1つのディスプレイ用に切断する際にクラックの発生を抑制しやすい点から、光学フィルムの曲げ線17の最両端部23及び23’において、光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域である第二領域14を有することが、好ましい。
一方で、図7〜10のように、光学フィルムの曲げ線17において、最両端部23及び23’よりもハードコート層の第一領域13側に第二領域14があると、光学フィルムを折り曲げ時にクラックが発生しにくく、最両端部23及び23’が第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22で、最両端部23及び23’でクラックが発生したとしても、ハードコート層の第一領域13にクラックが伝搬され難いため、好ましい。
光学フィルムの曲げ線17において、ハードコート層の第一領域13と光学フィルムの最両端部23及び23’の間の第二領域は、中でもハードコート層の第一領域13にクラックが伝搬され難い点から、光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域であることが好ましい。
また、図9及び10のように、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17の両端部20及び20’のそれぞれにおいて、第二領域14を2つ以上有する(第二領域を合計4つ以上有する)ことが、繰り返しの屈曲耐性が向上する点から好ましい。すなわち、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17の両端部20及び20’のそれぞれにおいて、曲げ線17に、第二領域14が2つ以上交差している(合計4つ以上交差している)と、光学フィルムを折り曲げ時にクラックが発生しにくく、最両端部23及び23’でクラックが発生しても、ハードコート層の第一領域13にクラックが伝搬され難く、繰り返しの屈曲耐性も向上する。
前記両端部20及び20’のそれぞれにおいて、第二領域14を複数有する場合の個数は、特に限定されるものではないが、製造上の点から、4つ以下であることが好ましく、3つ以下であっても良い。
なお、前記両端部20及び20’のそれぞれにおいて、第二領域14を2つ以上有する場合、第二領域の間は、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%超過である第三領域であって良い。
第二領域14の曲げ線方向の幅は、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部の大きさに合わせて適宜選択されれば良いが、曲げ線17に位置するハードコート層の両端部からクラックが伸長することを抑制する点から、50μm以上であることが好ましく、更に60μm以上であることが好ましい。
第二領域14の曲げ線方向の幅の上限は、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線17の両端部20及び20’の曲げ線方向の幅以下とすればよく、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部の大きさに合わせて適宜選択されれば良い。第二領域14の曲げ線方向の幅の上限は、ディスプレイの大きさに因るが、例えば20mm以下、更には10mm未満が挙げられる。
第二領域14の曲げ線方向の幅の両端部20及び20’の幅の合計は、ディスプレイの大きさや非表示領域に用いられる端部の大きさに合わせて適宜選択されれば良いが、光学フィルムの製造時に1つのディスプレイ用に切断する際の作業性向上の点から、例えば、200μm以上であることが好ましく、更に300μm以上であることが好ましい。
なお、図1、5、及び6〜10の例では、第二領域14は、曲げ線に交差する方向に、線状に、曲げ線に交差する方向の光学フィルムの両端部まで設けられているが、曲げ線に交差する方向の光学フィルムの両端部まで設けられていなくても良く、曲げ線の可能性を考慮し、曲げ線と交差する可能性がある領域まで、線状領域である第二領域14を延在すればよい。
巻き付け可能な形態など、曲げ線の可能性の範囲が大きくても対応可能な点、及び製造上の点から、第二領域14は、曲げ線に交差する方向に、線状に、曲げ線に交差する方向の光学フィルムの両端部まで設けられていることが好ましい。
また、第二領域14は、曲げ線17に交差する方向に、線状に設けられていれば良く、前記ハードコート層のディスプレイの非表示領域に用いられる端部であっても、曲げ線に平行の方向には設けられなくて良い。
(光透過性樹脂基材)
光透過性樹脂基材11としては、光透過性を有する樹脂で形成されている基材であれば特に限定されない。
光透過性樹脂基材の可視光領域における透過率としては、具体的には、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。上記透過率が上記範囲であることにより、光透過性に優れた光学フィルムを得ることができるからである。
ここで、本発明における光透過性の尺度とする透過率は、JIS K−7361で規定する方法により測定した全光線透過率とする。
光透過性を有する樹脂としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエステル樹脂、またはこれらの樹脂を2種以上混合した混合物等が挙げられる。
これらの中でも、屈曲時に割れ又は破断が発生し難いだけでなく、優れた硬度及び透明性をも有し、また、耐熱性にも優れ、焼成することにより、更に優れた硬度及び透明性を付与することもできる観点から、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、またはこれらの混合物が好ましい。
ポリイミド樹脂及びアラミド樹脂としては、例えば、国際公開第2017/119391号の段落0030〜0056に記載のポリイミド樹脂が挙げられる。また、光透過性樹脂基材としては、国際公開第2018/030410号や国際公開第2018/117145号に記載のポリイミドフィルムであっても良い。
セルロースアシレート樹脂としては、例えば、セルローストリアセテート樹脂、セルロースジアセテート樹脂が挙げられる。
セルローストリアセテート樹脂としては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートのようにセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であってもよい。また、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステル、或いは可塑剤、紫外線吸收剤、易滑剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
シクロオレフィン樹脂としては、例えばノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
アクリレート系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの少なくとも1種を構成成分とする樹脂等が挙げられる。
光透過性樹脂基材11の厚みは、特に限定されないが、10μm以上300μm以下であることが好ましい。光透過性樹脂基材11の厚みが10μm未満であると、光学フィルムのカールが大きくなり、また硬度も不充分となるおそれがある。一方、光透過性樹脂基材11の厚みが300μmを超えると、光学フィルムの屈曲耐性が不充分となるおそれがあり、また、光学フィルムが重くなり、軽量化の面で好ましくない。光透過性樹脂基材11の厚みは、厚み測定装置(製品名「デジマチックインジケーターIDF−130」、ミツトヨ社製)を用いて、光透過性樹脂基材11の厚みを10点測定し、その算術平均値を意味するものとする。
光透過性樹脂基材11の表面のマルテンス硬度は、屈曲耐性の点から、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域のハードコート層のマルテンス硬度よりも低いことが好ましく、450N/mm以下であることが好ましく、400N/mm以下であることがより好ましい。一方で鉛筆硬度試験の際に膜厚方向にかかる力を支える点から、光透過性樹脂基材11のマルテンス硬度は、50N/mm以上であることが好ましく、75N/mm以上であることがより好ましい。
光透過性樹脂基材11の表面のマルテンス硬度は、前述のハードコート層表面のマルテンス硬度と同様に測定することができる。
光透過性樹脂基材11には、例えば、けん化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理等の表面処理が施されていてもよい。
(ハードコート層)
本開示に用いられるハードコート層は、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域において、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下であって、更に、ディスプレイの非表示領域に用いられる端部において、曲げ線に交差する方向に、線状に、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二領域を有するように、設けられれば良い。
ハードコート層は、表面硬度を向上する点から、少なくとも重合性化合物(硬化性化合物)の重合体(硬化物)を含むことが好ましく、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域において、表面硬度を向上する点から、更に、重合性化合物(硬化性化合物)の重合体(硬化物)中に分散された粒子を含むことが好ましい。ハードコート層は、重合乃至硬化させるために通常光開始剤が用いられるが、前記重合性化合物が有する重合性官能基を反応させるために光照射した際に、全てが分解する可能性がある光開始剤については、ハードコート層には含まれていない場合もある。ハードコート層は、その他に、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含有していても良い。
重合性化合物は、分子内に重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。重合性官能基としては、ラジカル重合性基とカチオン重合性基が挙げられる。
前記重合性化合物が1分子中に有する重合性基の数は、ハードコート層の硬度を向上する点から、2つ以上であることが好ましく、更に3つ以上であることが好ましい。
ラジカル重合性基としては、ラジカル重合反応を生じ得る官能基であればよく、特に限定されないが、例えば、炭素−炭素不飽和二重結合を含む基などが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。なお、前記ラジカル重合性化合物が2個以上のラジカル重合性基を有する場合、これらのラジカル重合性基はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記ラジカル重合性化合物としては、反応性の高さの点から、中でも(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、1分子中に2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートと称される化合物や、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等と称される分子内に数個の(メタ)アクリロイル基を有する分子量が数百から数千の多官能(メタ)アクリレートオリゴマーを好ましく使用でき、またアクリレートポリマーの側鎖に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートポリマーも好ましく使用できる。中でも、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを好ましく使用できる。また、多官能(6官能以上)で重量平均分子量が1000〜1万のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー乃至ポリマーも好ましく使用できる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO、カプロラクトン等で変性したものが挙げられる。
これらの中でも表面硬度を向上しやすい点から、3〜6官能の多官能(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート等が好ましい。
なお、硬度やハードコート層形成用組成物の粘度調整、密着性の改善等のために、更に単官能(メタ)アクリレートモノマーを含んでいてもよい。上記単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、グリシジルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、及び、アダマンチルアクリレート等が挙げられる。
一方、カチオン重合性基としては、カチオン重合反応を生じ得る官能基であればよく、特に限定されないが、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基などが挙げられる。なお、カチオン重合性化合物が2個以上のカチオン重合性基を有する場合、これらのカチオン重合性基はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記カチオン重合性化合物としては、中でも、カチオン重合性基としてエポキシ基及びオキセタニル基の少なくとも1種を有する化合物が好ましい。エポキシ基、オキセタニル基等の環状エーテル基は、重合反応に伴う収縮が小さいという点から好ましい。また、環状エーテル基のうちエポキシ基を有する化合物は多様な構造の化合物が入手し易く、得られた機能層の耐久性に悪影響を与えず、ラジカル重合性化合物との相溶性もコントロールし易いという利点がある。また、環状エーテル基のうちオキセタニル基は、エポキシ基と比較して重合度が高い、低毒性であり、得られた機能層を、エポキシ基を有する化合物と組み合わせた際に塗膜中でのカチオン重合性化合物から得られるネットワーク形成速度を早め、ラジカル重合性化合物と混在する領域でも未反応のモノマーを膜中に残さずに独立したネットワークを形成する等の利点がある。
エポキシ基を有するカチオン重合性化合物としては、例えば、脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル又は、シクロヘキセン環、シクロペンテン環含有化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化する事によって得られる脂環族エポキシ樹脂;脂肪族多価アルコール、又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジル(メタ)アクリレートのホモポリマー、コポリマーなどの脂肪族エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFや水添ビスフェノールA等のビスフェノール類、又はそれらのアルキレンオキサイド付加体、カプロラクトン付加体等の誘導体と、エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル、及びノボラックエポキシ樹脂等でありビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記脂環族エポキシ樹脂としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアディペートが挙げられる。
また、上記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトルポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レソルチノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヒドロジビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジグリシジルフタレート、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、グリシジルフタルイミド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
また、その他の市販品のエポキシ樹脂を用いても良い。
オキセタニル基を有するカチオン重合性化合物としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス−3−エチルオキセタン−3−イルメトキシメチルベンゼン、ビス−1−エチル−3−オキセタニルメチルエーテル、3−エチル−3−2−エチルへキシロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタンや、商品名エタナコールEHO、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP、エタナコールOXMA(以上商品名、宇部興産製)が挙げられる。
前記ラジカル重合性化合物及び前記カチオン重合性化合物としては上記以外の重合性オリゴマーや重合性基を有するポリマーを含んでいてもよく、当該重合性オリゴマー又はポリマーは、ハードコート層の硬度を向上させる点から、重量平均分子量が、500以上2万以下であることが好ましく、500以上1万以下であることがより好ましく、1000以上7000以下であることが更に好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。
前記ハードコート層は、中でも、架橋密度が高くなり表面硬度を向上させられる点から、前記ラジカル重合性化合物の重合物を含有することが好ましく、前記多官能(メタ)アクリレートモノマーの重合物を含有することがより好ましい。
また、前記ハードコート層が含有するラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種の重合物の総量100質量%中、前記多官能(メタ)アクリレートモノマーの重合物の含有割合が、45質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
前記ハードコート層は、中でも、表面硬度と屈曲性の両立の点から、前記多官能(メタ)アクリレートモノマーと、前記多官能(メタ)アクリレートオリゴマー乃至ポリマーとの重合物を含有することがより好ましい。
硬化物の架橋密度を十分とするため、前記ハードコート層が含有するラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種の重合物の総量100質量%中、前記多官能(メタ)アクリレートモノマーと、前記多官能(メタ)アクリレートオリゴマー乃至ポリマーとの重合物の含有割合が、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
光開始剤としては、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種に合わせて、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、光照射及び加熱の少なくとも一種により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。
ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物の少なくとも1種としては、例えば、国際公開第2017/119391号の段落0105〜0107に記載の重合開始剤や、国際公開第2018/030410号の段落0138〜0141に記載の重合開始剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
粒子としては、硬度を向上させることができれば、特に限定されないが、優れた硬度を得る観点から、シリカ粒子が好ましい。シリカ粒子の中でも、反応性シリカ粒子が好ましい。上記反応性シリカ粒子は、上記多官能(メタ)アクリレートとの間で架橋構造を構成することが可能なシリカ粒子であり、この反応性シリカ粒子を含有することで、上記第1のハードコート層の硬度を充分に高めることができる。
上記反応性シリカ粒子は、その表面に反応性官能基を有することが好ましく、該反応性官能基とてしては、例えば、上記の重合性官能基が好適に用いられる。
上記反応性シリカ粒子としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、特開2008−165040号公報記載の反応性シリカ粒子等が挙げられる。
また、上記反応性シリカ粒子の市販品としては、例えば、日産化学工業社製;MIBK−SD、MIBK−SDMS、MIBK−SDL、MIBK−SDZL、日揮触媒化成社製;V8802、V8803等が挙げられる。
また、上記シリカ粒子は、球状シリカ粒子であってもよいが、異型シリカ粒子であることが好ましい。球状シリカ粒子と異型シリカ粒子とを混合させてもよい。なお、本明細書における球状シリカ粒子とは、例えば、真球状、楕円球状等のシリカ粒子を意味しまた、異型シリカ粒子とは、ジャガイモ状のランダムな凹凸を表面に有する形状のシリカ粒子を意味する。上記異型シリカ粒子は、その表面積が球状シリカ粒子と比較して大きいため、このような異型シリカ粒子を含有することで、上記多官能(メタ)アクリレート等との接触面積が大きくなり、上記ハードコート層の硬度(鉛筆硬度)をより優れたものとすることができる。上記異型シリカ粒子か否かは、上記第1のハードコート層の透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)による断面観察により確認することができる。
上記シリカ粒子の平均粒子径は、5nm以上200nm以下であることが好ましい。5nm未満であると、粒子自身の製造が困難になり、粒子同士が凝集したりすることがあり、また、異形にするのが極めて困難になることがあり、更に、上記塗工前のインキの段階で異形シリカ粒子の分散性が悪く凝集したりすることがある。一方、上記異形シリカ粒子の平均粒子径が200nmを超えると、上記ハードコート層に大きな凹凸が形成されたり、ヘイズの上昇といった不具合が生じたりすることがある。シリカ粒子が球形シリカ粒子の場合には、シリカ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した粒子の断面の画像から20個の粒子の粒子径を測定し、20個の粒子の粒子径の算術平均値とする。また、シリカ粒子が異形シリカ粒子である場合には、シリカ粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した上記ハードコート層の断面の画像から異形シリカ粒子の外周の2点間距離の最大値(長径)と最小値(短径)とを測定し、平均して粒子径を求め、20個の粒子の粒子径の算術平均値とする。
上記粒子の大きさ及び配合量を制御することでハードコート層の硬度(マルテンス硬度)を制御できる。例えば、硬度が高いハードコート層を形成する場合、上記シリカ粒子は直径が5nm以上200nm以下であり、上記重合性化合物100質量部に対して、25〜60質量部であることが好ましい。
前記任意添加成分は、ハードコート層に付与する機能に応じて適宜選択され、特に限定はされないが、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防眩剤、防汚剤、帯電防止剤等が挙げられ、更に、レベリング剤、界面活性剤、易滑剤、各種増感剤、難燃剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤等を含んでいても良い。これらの添加成分は従来公知の添加成分を適宜選択して用いることができる。例えば、紫外線吸収剤は、国際公開第2017/119391号の段落0088〜0093に記載の紫外線吸収剤が挙げられる。
ハードコート層12の厚みは、特に限定されないが、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域において、2μm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上18μm以下であることがより好ましく、5μm以上13μm以下であることがより更に好ましい。ハードコート層12の厚みが2μm未満であると、ハードコート層の硬度が不充分となるおそれがある。一方、ハードコート層12の厚みが20μmを超えると、光学フィルムの屈曲耐性が不充分となるおそれがある。
また、前記第二領域が第二ハードコート層の場合、当該第二ハードコート層は、前記第一領域におけるハードコート層の厚みと同じか、より小さい厚みであって良い。
本開示の光学フィルムは、図2〜4に示されるように、光透過性樹脂基材11の一方の面側に隣接して位置する前記ハードコート層12を備えるか、又は、図11に示されるように、光透過性樹脂基材11の一方の面側に、硬化性化合物を含有する組成物の硬化物を含有する機能層30と、前記ハードコート層12とを隣接してこの順に備えることが、ディスプレイの表示素子を保護する点から好ましい。
(機能層)
硬化性化合物を含有する組成物の硬化物を含有する機能層30としては、例えば、光透過性樹脂基材とハードコート層との屈折率差を調整するための屈折率調整層や、光透過性樹脂基材とハードコート層との密着性を向上するための接着性向上層等が挙げられる。
例えば、光透過性樹脂基材とハードコート層との屈折率差を調整するための屈折率調整層は、光学フィルムの干渉縞を抑制するために、当該屈折率調整層の屈折率が、光透過性樹脂基材の屈折率とハードコート層の屈折率との間の値となるように適宜調整されれば良い。屈折率調整層の屈折率は、例えば、金属酸化物粒子を含有させることにより調整することができる。屈折率調整層としては、例えば、特許6307205号に記載されている光学調整層を適宜参照して、形成することができる。
接着性向上層としては、従来公知の光透過性樹脂基材とハードコート層との密着性を向上するための層を適宜選択して用いることができる。
接着性向上層の材料は従来公知のものを適宜選択して用いて良く、例えば、熱硬化性又は熱可塑性のポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂が挙げられる。或いは、特開2013−号公報に記載のようなブロックイソシアネートと水酸基を有するポリマーとを含む層等が挙げられる。
また、例えば、機能層は、プライマー層、具体的には接着性向上層として機能するプライマー層に、面内屈折率差を付与することによって、前記屈折率調整層と接着性向上層とを兼ねるプライマー層であってもよい。
機能層の厚さは要求される性能に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。例えば、10nm以上1000nm以下とすることができる。
(光学フィルムの物性)
本開示の光学フィルムは、ハードコート層のディスプレイの表示領域に用いられる第一領域における硬度は高い方が好ましく、前記第一領域の表面は、JIS K5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で測定されたときの鉛筆硬度が、F以上であることが好ましく、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましい。鉛筆硬度は、鉛筆硬度試験において光学フィルムの表面に傷が付かなかった最も高い硬度とする。なお、鉛筆硬度の測定の際には、硬度が異なる鉛筆を複数本用いて行うが、鉛筆1本につき5回鉛筆硬度試験を行い、5回のうち4回以上光学フィルムの表面に傷が付かなかった場合には、この硬度の鉛筆においては光学フィルムの表面に傷が付かなかったと判断する。上記傷は、鉛筆硬度試験を行った光学フィルムの表面を蛍光灯下で透過観察して視認されるものを指す。また、以降の鉛筆硬度において、特に説明しない場合においても、鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4:1999で規定される鉛筆硬度試験で測定されたときの鉛筆硬度とする。
また、本開示の光学フィルムは、波長380nmの光の透過率が10%以下であることが好ましい。上記透過率が10%を越えると、光学フィルム10をモバイル端末に用いた場合、偏光子が紫外線に晒されて、劣化しやすくなるおそれがある。上記透過率の上限は8%以下であることがより好ましく、5%以下であることが最も好ましい。上記透過率は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いて測定することができる。波長380nmの光の透過率は、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
また、本開示の光学フィルムは、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。上記透過率が85%未満であると、光学フィルム10をモバイル端末に用いた場合に、表示画面が視認しにくくなるおそれがある。上記全光線透過率の下限は90%以上であることがより好ましい。上記全光線透過率は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7361−1:1997に準拠した方法により測定することができる。全光線透過率は、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
また、本開示の光学フィルムは、光学フィルム全体のヘイズ値は2.5%以下であることが好ましい。ヘイズ値が2.5%を越えると、光学フィルムをモバイル端末に用いた場合、表示画面が白化するおそれがある。上記ヘイズ値は、1.5%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(製品名「HM−150」、村上色彩技術研究所製)を用いてJIS K7136:2000に準拠した方法により測定することができる。ヘイズ値は、3回測定して得られた値の算術平均値とする。
(光学フィルムの製造方法)
前記本開示の光学フィルムの製造方法は、
光透過性樹脂基材の一方の面側に、ハードコート層形成用組成物を塗布する工程を用いて、前記第一領域に用いられるハードコート層と、前記第二領域をパターニングする工程を有する。
ここで、前記第一領域は、ハードコート層においてディスプレイの表示領域に用いられる領域であって、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下である領域である。
また、前記第二領域は、前記ハードコート層のディスプレイの非表示領域に用いられる端部において、光学フィルムの曲げ線に交差する方向に、線状に設けられた、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である領域である。
前記第二領域が、ハードコート層が形成されていない非形成領域である場合、例えば、光透過性樹脂基材の一方の面側に、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてはハードコート層形成用組成物を塗布し、前記第二領域にはハードコート層形成用組成物を塗布しないようにパターン印刷を行い、その後ハードコート層形成用組成物に光照射等を行って硬化させ、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてハードコート層を形成する方法が挙げられる。
パターン印刷法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スクリーン印刷法、スクリーンオフセット法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
なお、光照射に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、前記第二領域が、ハードコート層が形成されていない非形成領域である場合、例えば、光透過性樹脂基材の一方の面側に、前記第二領域にはハードコート層形成用組成物を塗布しないようにマスクを配置し、マスクを配置後に、光透過性樹脂基材の一方の面側に、バーコーター等の塗布装置によって、ハードコート層形成用組成物を塗布することにより、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてはハードコート層形成用組成物を塗布し、前記第二領域にはハードコート層形成用組成物を塗布しないようにして塗膜を形成する。その後、当該塗膜に光照射等を行って硬化させ、前記第二領域に配置していたマスクを除去することにより、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてハードコート層を形成し、前記第二領域を、ハードコート層が形成されていない非形成領域とする方法が挙げられる。
また、前記第二領域が、ハードコート層が形成されていない非形成領域である場合、フォトリソグラフィー法を用いることもできる。例えば、光透過性樹脂基材の一方の面側に、バーコーター等の塗布装置によって、ハードコート層形成用組成物を塗布後、前記第二領域上には光照射等で硬化反応が生じないようにマスクを配置し、マスクを配置後に当該塗膜に光照射等を行って硬化させることにより、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてハードコート層を形成する。その後、前記第二領域に配置していたマスクを除去し、現像液を用いて現像処理し、未露光部分を溶解、除去することにより、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてハードコート層を形成し、前記第二領域を、ハードコート層が形成されていない非形成領域とする方法が挙げられる。
また、前記第二領域が、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層である場合も、フォトリソグラフィー法を用いることができる。例えば、光透過性樹脂基材の一方の面側に、バーコーター等の塗布装置によって、ハードコート層形成用組成物を塗布後、前記第二領域上には光照射等で硬化反応が生じないようにマスクを配置し、マスクを配置後に当該塗膜に光照射等を行って第一領域を硬化させ、その後マスクを除去して当該塗膜に光照射等を行って第一領域を完全硬化させると共に第二領域を半硬化させることにより、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてハードコート層を形成し、前記第二領域を、第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層とする方法が挙げられる。なお、本明細書において、完全硬化とは、これ以上光を照射しても硬化が実質的に進行しないことをいい、半硬化とは、光を照射すると硬化が実質的に進行することをいう。
また、前記第二領域が、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層である場合、第一領域用ハードコート層形成用組成物と、第二領域用ハードコート層形成用組成物とを準備し、各ハードコート層形成用組成物を用いてパターン印刷を行い、その後塗膜に光照射等を行って硬化させ、前記第一領域に用いられるハードコート層を形成する部分についてハードコート層を形成し、前記第二領域を、第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層とする方法が挙げられる。
なお、第二領域用ハードコート層形成用組成物は、例えば、粒子の含有量を第一領域用ハードコート層形成用組成物に比べて低減したり、粒子を不含有としたり、重合性化合物中の多官能アクリレート含有量を低減する等、組成を変更することにより、硬化後のマルテンス硬度を相対的に小さくすることができる。
本開示の曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムは、光透過性樹脂基材11の他方の面側に更にハードコート層を備えていても良い。この他方の面側に備えていても良いハードコート層は、前記第一領域及び第二領域を有するハードコート層であっても良いし、そうでなくてもよい。
(光学フィルムの用途)
本開示の曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムは、視認性の低下を抑制し、表面硬度を維持しつつ、屈曲性を向上させたものであるため、曲げて用いる態様の各種フレキシブルディスプレイに好適に用いることができる。
本開示の折り曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムは、具体的には例えば、フレキシブルタイプの有機ELディスプレイや、スマートフォンなどの携帯端末、自動車内部の表示装置、腕時計などに使用するフレキシブルパネル等、フレキシブルディスプレイに好適に用いることができる。
また、曲げて用いるフレキシブルディスプレイの態様には、例えば、曲げて固定された形態(curved)、折り曲げ可能な(bendable)形態、折り畳み可能な(foldable)形態、更には、巻き付け可能な(rollable)形態等が挙げられるが、本開示の折り曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムは、中でも、折り畳んでもクラックの発生が抑制され易い点から、折り畳み可能なフレキシブルディスプレイに好適に用いられる。
B.フレキシブルディスプレイ用偏光板
本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用偏光板は、前記本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムと、
前記光学フィルムの光透過性樹脂基材の他方の面側に配置された偏光子とを備える。
本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用偏光板は、前記本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムと同様に、折り曲げて用いることができ、視認性の低下を抑制し、表面硬度を維持しつつ、屈曲性を向上させたものである。
図12は本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用偏光板の概略断面図である。図12に示されるように偏光板50は、保護フィルムとして機能する光学フィルム10と、偏光子51と、保護フィルム52とをこの順で備えている。偏光子51は、光透過性樹脂基材11の他方の面側に配置されている。保護フィルム52は、偏光子51の光学フィルム10が配置されている面とは反対側の面に配置されている。保護フィルム52は位相差フィルムであってもよい。
偏光子51は、特定方向に振動する光のみを通過させる板状のものであり、従来公知の偏光子の中から適宜選択して用いることができる。例えば、沃素又は二色性色素により染色し、延伸してなるポリビニルアルコール系樹脂フィルム等を用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂を鹸化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等を用いることもできる。
光学フィルム10と偏光子51とを積層する際には、予め光学フィルム10の光透過性樹脂基材11の他方の面に鹸化処理を施すことが好ましい。鹸化処理を施すことによって、偏光子51との接着性が良好になる。
C.フレキシブルディスプレイ
本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイは、表示素子と、前記表示素子よりも観察者側に配置された前記本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム、又は、前記本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイ用偏光板と、を備える、フレキシブルディスプレイである。
図13は、本実施態様に係るフレキシブルディスプレイの概略断面図である。図13に示されるように、フレキシブルディスプレイ60は、表示素子61と、表示素子61より観察者側に配置された前記本開示のフレキシブルディスプレイ用偏光板50とを備えている。ここで、光学フィルム10は、表示素子61よりも観察者側に配置され、かつハードコート層12が光透過性樹脂基材11より観察者側に位置するように配置されている。
表示素子61としては、例えば、有機発光ダイオード(OLED)、無機発光ダイオード、又は量子ドット発光ダイオード(QLED)を備えている表示素子、液晶表示素子、プラズマ表示素子、電子ペーパー表示素子等が挙げられるが、フレキシブルディスプレイの表示素子としては、有機発光ダイオードを備えていることがディスプレイの輝度及び色再現性の点から好ましい。
前記表示素子は、タッチパネル機能を備えている態様であっても、好適に用いられる。なお、図13における表示素子61は内部にタッチパネル機能を有するインセル構造となっているが、表示素子としては、タッチパネル機能を有していない表示素子を用いることも可能である。この場合には、表示素子と偏光板との間にタッチパネルを配置してもよい(オンセル構造)。表示素子としては、フレキシブルディスプレイに用いることが可能な、従来公知の表示素子を適宜選択して用いればよい。
図13のフレキシブルディスプレイ60においては、偏光板50において偏光子51上に光学フィルム10を配置しているが、当該構成に限定されず、光学フィルム10を、例えば、輝度向上フィルム、位相差フィルム、帯電防止フィルム上に配置してもよい。
本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイとしては、LEDフレキシブルディスプレイ、液晶フレキシブルディスプレイ、プラズマフレキシブルディスプレイ、電子ペーパーフレキシブルディスプレイ、量子ドットディスプレイ、有機ELディスプレイ、VFDディスプレイ等が挙げられる。
なお、液晶フレキシブルディスプレイの場合、表示素子の成形体とは反対側にバックライトを配置することを要する。
また、前記例示に限られることなく、本開示の1実施態様のフレキシブルディスプレイは、従来公知の構成を適宜選択して採用されれば良い。
以下、本開示について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本開示の実施形態を制限するものではない。
(実施例1)
(1)ハードコート層形成用組成物1の調製
下記に示す組成となるように各成分を配合して、ハードコート層形成用組成物1を得た。
<ハードコート層形成用組成物1の組成>
・側鎖に不飽和二重結合を有するアクリルポリマー(製品名「SMP−250A」、共栄社化学社製):40質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(製品名「アロニックスM−306」、東亞合成社製):60質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Omnirad 184」、IGM Resins社製):4質量部
・フッ素系レベリング剤(製品名「F477」、DIC社製):0.2質量部
・メチルイソブチルケトン:150質量部
(2)光学フィルムの製造
光透過性樹脂基材として、厚さ250μmのPETフィルム(ルミラーT60、東レ社製)を準備し、PET基材の一方の面側に上記ハードコート層形成用組成物1をスピンコートした後、80℃で3分加熱し、露光後膜厚8μmとなるように塗膜を形成した。その後、形成した塗膜表面に対して、前記第二領域が遮光部となるようにフォトマスクを配置後、フォトマスクを介して、超高圧水銀灯を用いて350mJ/cmの紫外線を照射した。
パターン露光した上記膜の上から厚さ75μmの離型PETフィルム(セパレーターSP−PET―OV−BU、三井化学東セロ社製)をラミネート後、超高圧水銀灯を用いて350mJ/cmの紫外線を膜全面に照射し、下記パターン1に示す第一領域及び第二領域を有する光学フィルムを作製した。
当該光学フィルムにおいて、前記第二領域は、第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層(第二HC層)である。
<パターン1>
図14は、パターン1の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。
パターン1は、図6において、曲げ線17と垂直方向の光学フィルムの長さは80mm、曲げ線17方向の光学フィルムの長さは20mm、曲げ線17方向の第一領域13の幅は15mm、曲げ線17方向の第二領域14の幅は各々2.5mmである。
(実施例2〜5)
実施例2〜5は、実施例1においてフォトマスクを変更し、第一の領域及び第二の領域の位置をパターン1から下記パターン2〜5へ変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
<パターン2>
図15は、パターン2の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。
パターン2は、図7において、曲げ線17と垂直方向の光学フィルムの長さは80mm、曲げ線17方向の光学フィルムの長さは20mm、曲げ線17方向の第一領域13の幅は15mm、曲げ線17方向の第二領域14の幅は各々0.2mm、曲げ線17に位置する光学フィルムの最両端部23及び23’側に、更に第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22の曲げ線17方向の幅が各々2.3mmである。
<パターン3>
図16は、パターン3の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。
パターン3は、図8において、曲げ線17と垂直方向の光学フィルムの長さは80mm、曲げ線17方向の光学フィルムの長さは20mm、曲げ線17方向の第一領域13の幅は11mm、曲げ線17方向の第二領域14の幅は各々2.5mm、曲げ線17に位置する光学フィルムの最両端部23及び23’側に、更に第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22の曲げ線17方向の幅が各々2mmである。
<パターン4>
図17は、パターン4の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。
パターン4は、図9において、曲げ線17と垂直方向の光学フィルムの長さは80mm、曲げ線17方向の光学フィルムの長さは20mm、曲げ線17方向の第一領域13の幅は13.4mm、曲げ線17方向に3本ずつ有する第二領域14の幅は、第一領域側から各々0.2mm、0.2mm、2.5mmであり、第二領域14の間に設けられた第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22の曲げ線17方向の幅が各々0.2mmである。
<パターン5>
図18は、パターン5の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。
パターン5は、図10において、曲げ線17と垂直方向の光学フィルムの長さは80mm、曲げ線17方向の光学フィルムの長さは20mm、曲げ線17方向の第一領域13の幅は12mm、曲げ線17方向に3本ずつ有する第二領域14の幅は、第一領域側から各々0.2mm、0.2mm、0.2mmであり、第二領域14の間に設けられた第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22の曲げ線17方向の幅が各々0.8mmであり、曲げ線17に位置する光学フィルムの最両端部23及び23’側に、更に設けられた第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22の曲げ線17方向の幅が各々1.8mmである。
(実施例6、7)
実施例6、7は、実施例1において離型PETフィルムをラミネート後の紫外線照射量をそれぞれ400mJ/cm、550mJ/cmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
(比較例1、2)
比較例1、2は、実施例1において離型PETフィルムをラミネート後の紫外線照射量をそれぞれ650mJ/cm、700mJ/cmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
(比較例3)
光透過性樹脂基材として、厚さ250μmのPETフィルム(ルミラーT60、東レ社製)を準備し、PET基材の一方面に前記ハードコート形成用組成物1をスピンコートした後、80℃で3分加熱し、露光後膜厚8μmとなるように塗膜を形成した。その後、形成した塗膜表面に対して、超高圧水銀灯を用いて350mJ/cmの紫外線を膜全面に照射した。
(実施例8)
光透過性樹脂基材として、厚さ250μmのPETフィルム(ルミラーT60、東レ社製)を準備し、PET基材の一方面に前記ハードコート形成用組成物1をスピンコートした後、80℃で3分加熱し、露光後膜厚8μmとなるように塗膜を形成した。その後、形成した塗膜表面に対して、前記第二領域が遮光部となるようにフォトマスクを配置後、フォトマスクを介して、超高圧水銀灯を用いて350mJ/cmの紫外線を照射した。
パターン露光した上記ハードコート膜の未露光部を、アセトンで除去し、光透過性樹脂基材上に前記パターン1に示すハードコート層と第二領域として非形成領域を有する光学フィルムを作製した。
(実施例9〜13)
実施例9〜13は、実施例8においてフォトマスクを変更し、第一の領域及び第二の領域の位置をパターン1から前記パターン2〜5及び下記パターン6へ変更したこと以外は、実施例6と同様にして光学フィルムを作製した。
<パターン6>
図19は、パターン6の光学フィルムの大きさを模式的に示す概略平面図である。
パターン6は、図7において、曲げ線17と垂直方向の光学フィルムの長さは80mm、曲げ線17方向の光学フィルムの長さは50mm、曲げ線17方向の第一領域13の幅は45mm、曲げ線17方向の第二領域14の幅は各々0.2mm、光学フィルムの曲げ線17の最両端部23及び23’側に、更に第一領域と同様のマルテンス硬度を有する線状の第三領域22の曲げ線17方向の幅が各々2.3mmである。
(実施例14)
(1)ハードコート層形成用組成物2の調整
下記に示す組成となるように各成分を配合して、ハードコート層形成用組成物2を得た。
<ハードコート層形成用組成物2の組成>
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(製品名「M403」、東亜合成社製):35質量部
・ジペンタエリスリトールEO変性ヘキサアクリレート(製品名「A−DPH−6E」、新中村化学社製):35質量部
・異型シリカ粒子(平均粒子径25nm、日揮触媒化成社製):30質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、製品名「Omnirad 184」、IGM Resins社製):4質量部
・フッ素系レベリング剤(製品名「F477」、DIC社製):0.2質量部
・メチルイソブチルケトン:45質量部
・メチルエチルケトン:105質量部
(2)光学フィルムの製造
光透過性樹脂基材として、厚さ250μmのPETフィルム(ルミラーT60、東レ社製)を準備し、PET基材の一方の面側に上記ハードコート層形成用組成物2をスピンコートした後、80℃で3分加熱し、露光後膜厚7μmとなるように塗膜を形成した。その後、形成した塗膜表面に対して、前記第二領域が遮光部となるようにフォトマスクを配置後、フォトマスクを介して、超高圧水銀灯を用いて200mJ/cmの紫外線を照射した。
パターン露光した上記膜の上から厚さ75μmの離型PETフィルム(セパレーターSP−PET―OV−BU、三井化学東セロ社製)をラミネート後、超高圧水銀灯を用いて200mJ/cmの紫外線を膜全面に照射し、前記パターン1に示す第一領域及び第二領域を有する光学フィルムを作製した。
当該光学フィルムにおいて、前記第二領域は、第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層(第二HC層)である。
(実施例15〜18)
実施例15〜18は、実施例14においてフォトマスクを変更し、第一の領域及び第二の領域の位置をパターン1から前記パターン2〜5へ変更したこと以外は、実施例14と同様にして光学フィルムを作製した。
(実施例19)
実施例19は、実施例14において離型PETフィルムをラミネート後の紫外線照射量を400mJ/cmに変更したこと以外は、実施例14と同様にして光学フィルムを作製した。
(比較例4、5)
比較例4,5は実施例14において離型PETフィルムをラミネート後の紫外線照射量をそれぞれ800mJ/cm、1200mJ/cmに変更したこと以外は、実施例14と同様にして光学フィルムを作製した。
(比較例6)
光透過性樹脂基材として、厚さ250μmのPETフィルム(ルミラーT60、東レ社製)を準備し、PET基材の一方面に前記ハードコート形成用組成物2をスピンコートした後、80℃で3分加熱し、露光後膜厚7μmとなるように塗膜を形成した。その後、形成した塗膜表面に対して、超高圧水銀灯を用いて200mJ/cmの紫外線を膜全面に照射した。
(実施例20)
光透過性樹脂基材として、厚さ250μmのPETフィルム(ルミラーT60、東レ社製)を準備し、PET基材の一方の面側に上記ハードコート層形成用組成物1をスピンコートした後、80℃で3分加熱し、露光後膜厚7μmとなるように塗膜を形成した。その後、形成した塗膜表面に対して、前記第二領域が遮光部となるようにフォトマスクを配置後、フォトマスクを介して、超高圧水銀灯を用いて200mJ/cmの紫外線を照射した。
パターン露光した上記ハードコート膜の未露光部を、アセトンで除去し、光透過性樹脂基材上に前記パターン1に示すハードコート層と第二領域として非形成領域を有する光学フィルムを作製した。
(実施例21〜25)
実施例21〜25は、実施例20においてフォトマスクを変更し、第一の領域及び第二の領域の位置をパターン1から前記パターン2〜6へ変更したこと以外は、実施例20と同様にして光学フィルムを作製した。
[評価]
(マルテンス硬度)
実施例及び比較例に係る光学フィルムの表面のマルテンス硬度は、微小硬さ試験機(フィッシャー・インスツルメント社製、ピコデンター HM−500)を用い、ナノインデンテーション法により測定した。ハードコート層表面のマルテンス硬度は、具体的には、ハードコート層の表面12A(図2参照、基材11と反対側表面)に対して垂直方向から、対面角136°のダイヤモンド正四角錐形状のビッカース圧子を10秒かけて2mN押し込み、5秒間保持した後、10秒かけて除荷し、得られた荷重−変位曲線から、算出した。なお、上記マルテンス硬度は、ビッカース圧子の押し込みによりできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm)を計算し、試験荷重F(N)を割る(F/A)ことで求めた。
マルテンス硬度の平均値は、5箇所について求め、その算術平均値とした。また、マルテンス硬度の変動係数は、以下の式によりを算出した。
マルテンス硬度の変動係数(%)=(マルテンス硬度の標準偏差/マルテンス硬度の平均値)×100
(ハードコート層表面の算術平均粗さRa)
ハードコート層表面の算術平均粗さRaは、走査型プローブ顕微鏡(例えば、日立ハイテクサイエンス社製、L−trace II)を用いて、JIS B0601:2013に準拠して、3μm角の視野観察から測定した。
(光学フィルムの屈曲耐性)
JIS−K5600−5−1に記載されているマンドレル試験(2mmから32mmの金属製円柱にサンプルを巻きつける試験)に準じ、ハードコート層が外側となるように光学フィルムを金属棒に長さ方向で巻き付けたときに、ハードコート層の第一領域にクラック(ひび)が発生しなかった棒の最小直径を記載した。
(光学フィルムの繰り返し屈曲耐性)
実施例1〜5及び実施例14〜18について、直径16mmの金属棒に対し、ハードコート層が外側となるよう、光学フィルムを金属棒に長さ方向で繰り返し巻きつけたときに、ハードコート層の第一領域にクラック(ひび)が発生しなかった最大巻きつけ回数を記載した。巻きつけは最大20回行った。
(光学フィルムの視認性)
充分な明るさの蛍光灯下での目視にて、ハードコート層の第一領域の膜中に境界線や不均一性の有無を確認した。
<評価基準>
A:ハードコート層の第一領域の膜中に境界線及び不均一性のいずれも確認されない。
B:第一の領域の膜中に境界線又は不均一性のいずれかが確認される。
(結果のまとめ)
実施例1〜25のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムは、視認性の低下を抑制し、表面硬度を維持しつつ、屈曲性が向上したフィルムであることが示された。
実施例の中でも、前記第二領域は、光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域である方が、同様のパターンにおいて、屈曲性がより向上することが示された。
10 光学フィルム
11 光透過性樹脂基材
12 ハードコート層
13 第一領域
14 第二領域
15 ディスプレイの表示領域
16 ディスプレイの非表示領域
17 曲げ線
18 第二ハードコート層
19 非形成領域
20、20’ 端部のうち曲げ線に位置する両端部
21 長辺
22 第三領域
23、23’ 曲げ線に位置する光学フィルムの最両端部
30 機能層
50 偏光板
51 偏光子
52 保護フィルム
60 フレキシブルディスプレイ
61 表示素子

Claims (8)

  1. 曲げ線で曲げて用いるフレキシブルディスプレイ用光学フィルムであり、
    光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層を備え、
    前記ハードコート層は、ディスプレイの表示領域に用いられる第一領域において、表面のマルテンス硬度の変動係数が5%以下かつ、表面の算術平均粗さRaが100nm以下であり、
    前記ハードコート層のディスプレイの非表示領域に用いられる端部のうち曲げ線の両端部において、曲げ線に交差する方向に、線状に、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二領域を有する、フレキシブルディスプレイ用光学フィルム。
  2. 前記第二領域は、前記第一領域の表面のマルテンス硬度の平均値に対して表面のマルテンス硬度が92%以下である第二ハードコート層であるか、又は、光透過性樹脂基材の一方の面側にハードコート層が形成されていない非形成領域である、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム。
  3. 光透過性樹脂基材の一方の面側に隣接して位置する前記ハードコート層を備えるか、又は、光透過性樹脂基材の一方の面側に、硬化性化合物を含有する組成物の硬化物を含有する機能層と、前記ハードコート層とを隣接してこの順に備える、請求項1又は2に記載のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム。
  4. 折り畳み可能な、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイ用光学フィルムと、
    前記光学フィルムの光透過性樹脂基材の他方の面側に配置された偏光子とを備える、フレキシブルディスプレイ用偏光板。
  6. 表示素子と、前記表示素子よりも観察者側に配置された請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフレキシブルディスプレイ用光学フィルム、又は、請求項5に記載のフレキシブルディスプレイ用偏光板と、を備える、フレキシブルディスプレイ。
  7. 前記表示素子が、有機発光ダイオードを備えている、請求項6に記載のフレキシブルディスプレイ。
  8. 前記表示素子が、タッチパネル機能を備えている、請求項6に記載のフレキシブルディスプレイ。
JP2018228353A 2018-12-05 2018-12-05 フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイ Active JP7298146B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018228353A JP7298146B2 (ja) 2018-12-05 2018-12-05 フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018228353A JP7298146B2 (ja) 2018-12-05 2018-12-05 フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020091395A true JP2020091395A (ja) 2020-06-11
JP7298146B2 JP7298146B2 (ja) 2023-06-27

Family

ID=71012791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018228353A Active JP7298146B2 (ja) 2018-12-05 2018-12-05 フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7298146B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114106388A (zh) * 2020-08-26 2022-03-01 京东方科技集团股份有限公司 保护膜及其制造方法、触控板和显示装置

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1083575A (ja) * 1996-09-10 1998-03-31 Canon Inc 光カード
JP2008012675A (ja) * 2006-06-30 2008-01-24 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、及びその製造方法
JP2013189007A (ja) * 2012-02-13 2013-09-26 Central Glass Co Ltd 耐指紋性透明基材
JP2014026259A (ja) * 2012-06-20 2014-02-06 Mitsubishi Rayon Co Ltd 成型品及びディスプレイ用前面板
JP2014115502A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Toppan Printing Co Ltd 光学フィルム
US20160085268A1 (en) * 2014-09-24 2016-03-24 Dell Products, Lp Protective Cover and Display Position Detection for a Flexible Display Screen
WO2017119391A1 (ja) * 2016-01-08 2017-07-13 大日本印刷株式会社 光学フィルム、偏光板および画像表示装置
JP2017207699A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 日油株式会社 耐指紋性反射防止フィルム
WO2018135433A1 (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 住友化学株式会社 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法
JP2018165835A (ja) * 2018-07-05 2018-10-25 ソマール株式会社 ハードコート膜
JP2018180274A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 大日本印刷株式会社 光学フィルムおよび画像表示装置
JP2019101469A (ja) * 2017-11-28 2019-06-24 Nissha株式会社 ハードコート付フィルムタイプタッチセンサとこれを用いたフレキシブルディバイス

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1083575A (ja) * 1996-09-10 1998-03-31 Canon Inc 光カード
JP2008012675A (ja) * 2006-06-30 2008-01-24 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、及びその製造方法
JP2013189007A (ja) * 2012-02-13 2013-09-26 Central Glass Co Ltd 耐指紋性透明基材
JP2014026259A (ja) * 2012-06-20 2014-02-06 Mitsubishi Rayon Co Ltd 成型品及びディスプレイ用前面板
JP2014115502A (ja) * 2012-12-11 2014-06-26 Toppan Printing Co Ltd 光学フィルム
US20160085268A1 (en) * 2014-09-24 2016-03-24 Dell Products, Lp Protective Cover and Display Position Detection for a Flexible Display Screen
WO2017119391A1 (ja) * 2016-01-08 2017-07-13 大日本印刷株式会社 光学フィルム、偏光板および画像表示装置
JP2017207699A (ja) * 2016-05-20 2017-11-24 日油株式会社 耐指紋性反射防止フィルム
WO2018135433A1 (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 住友化学株式会社 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法
JP2018180274A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 大日本印刷株式会社 光学フィルムおよび画像表示装置
JP2019101469A (ja) * 2017-11-28 2019-06-24 Nissha株式会社 ハードコート付フィルムタイプタッチセンサとこれを用いたフレキシブルディバイス
JP2018165835A (ja) * 2018-07-05 2018-10-25 ソマール株式会社 ハードコート膜

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114106388A (zh) * 2020-08-26 2022-03-01 京东方科技集团股份有限公司 保护膜及其制造方法、触控板和显示装置
WO2022042064A1 (zh) * 2020-08-26 2022-03-03 京东方科技集团股份有限公司 保护膜及其制造方法、触控板和显示装置
US11928274B2 (en) 2020-08-26 2024-03-12 Wuhan Boe Optoelectronics Technology Co., Ltd. Protective film and method for manufacturing same, touch panel, and display device

Also Published As

Publication number Publication date
JP7298146B2 (ja) 2023-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9650481B2 (en) Protective film for polarizing plate and polarizing plate using the same
KR101931212B1 (ko) 광학 필름, 방현성 필름 및 편광판
KR101202050B1 (ko) 광학 적층체의 제조 방법 및 제조 장치
KR101476964B1 (ko) 방현성 필름, 방현성 필름의 제조 방법, 편광판 및 화상 표시 장치
WO2009118820A1 (ja) 防眩性膜及びその製造方法
KR102022917B1 (ko) 방현 필름 및 그의 제조 방법
TWI760456B (zh) 防眩性薄膜及顯示裝置
JP6237796B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
WO2012147527A1 (ja) 反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP6873411B2 (ja) 光学積層体ならびにその製造方法および用途
JPWO2017061493A1 (ja) 光学シート、偏光板、光学シートの選別方法及び光学シートの製造方法、並びに表示装置
KR101649015B1 (ko) 광학 적층체, 편광판 및 화상 표시 장치
JP2008225195A (ja) 防眩性膜及びその製造方法
WO2019116661A1 (ja) 防眩フィルム並びにその製造方法及び用途
JP6521524B2 (ja) ハードコートフィルム及び表面部材付き表示素子
JP7298146B2 (ja) フレキシブルディスプレイ用光学フィルム、フレキシブルディスプレイ用偏光板、及びフレキシブルディスプレイ
WO2019116662A1 (ja) 防眩フィルム並びにその製造方法及び用途
JP6589425B2 (ja) 光学積層体
TWI813467B (zh) 防眩薄膜以及其製造方法及用途
CN107003556A (zh) 液晶显示元件、液晶显示装置及液晶显示元件的设计方法
JP5120490B2 (ja) 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置
JP7296196B2 (ja) ニュートンリング防止フィルム並びにその製造方法及び用途
JP2019113875A (ja) 防眩フィルム並びにその製造方法及び用途
TWI794430B (zh) 牛頓環防止薄膜以及其製造方法及用途
JP2019113874A (ja) 防眩フィルム並びにその製造方法及び用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7298146

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150