JP2018165305A - ウレタン塗料組成物、硬化塗膜、および樹脂部材 - Google Patents

ウレタン塗料組成物、硬化塗膜、および樹脂部材 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な耐擦傷性を有し、優れた防曇持続性を有する硬化塗膜を形成できるウレタン塗料組成物、及び当該硬化塗膜を有する樹脂部材の提供。【解決手段】ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、及び界面活性剤(c)を含むウレタン塗料組成物であって、前記(a)が、ジイソシアネート及びその誘導体から選ばれる1種以上のポリイソシアネート化合物であり、前記(b)が、数平均分子量が300〜1800であり、前記(c)が、分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤と、イソシアネート基との反応性基を有さないアニオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤であり、(a)〜(c)成分の合計重量において、(a)成分が30〜60重量%で、(b)成分が35〜65重量%で、(c)成分が1〜10重量%のウレタン塗料組成物。更に、シリコーンオイル、ポリカプロラクトンオール、及び反応遅延剤を含む組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン塗料組成物、硬化塗膜、および樹脂部材に関する。
従来から、合成樹脂成形品やガラスなどの基材の表面が露点温度以下になると、大気中の水分が細かい水滴となり、基材の表面に付着することが知られている。その結果、付着した水滴による光の散乱が起き、曇りが発生してしまうため、例えば、上記の基材をメガネなどに用いた場合、視界が妨げられてしまう。
上記の曇りの発生を防止する(防曇)方法として基材の表面に、親水性樹脂および界面活性剤などを混合した溶液を塗装し、塗膜(乾燥塗膜あるいは硬化塗膜)を形成させる方法が知られている。
この方法は、塗膜中に含まれる界面活性剤が、付着した水滴の接触角を下げ、光の散乱を起こさないことにより防曇効果を発現させる。また、当該方法は、界面活性剤による水滴の接触角低下が迅速に起こるため、防曇効果が速やかに発現できる。
しかし、上記の塗膜の実使用を考慮した場合(例えば、長期間使用した場合、あるいは塗膜表面を水拭きした場合など)、塗膜内部中の界面活性剤が容易に流出し、防曇性が低下してしまう。一方、界面活性剤を多量に添加することにより、防曇持続性を多少向上させることができるが、大幅に向上することはできず、また、塗膜が傷つき易くなり、塗膜の外観も低下してしまう問題がある。
このような界面活性剤の流出を防ぐために、水に溶けにくい界面活性剤を使用する方法(特許文献1)や、反応性界面活性剤を使用する方法(特許文献2および3)が報告されている。
特開2015−86370号公報 特開2005−29723号公報 特開2004−244612号公報
特許文献1で開示された硬化塗膜は、界面活性剤の水溶性が低いため、水に浸漬させても、界面活性剤が水中に流出しないため、防曇持続性が期待できる。また、塗膜最表面に界面活性剤が多く存在していると推定されるため、均一な水膜を形成することができる。しかし、防曇塗膜を水拭きした場合、塗膜最表面に存在する界面活性剤が取れてしまい、良好な防曇性を維持できなくなるといった懸念があった。
一方、特許文献2および3で開示された硬化塗膜は、イソシアネート成分とポリオール成分を含む2液硬化型樹脂に、イソシアネート成分と反応する官能基を有する反応性界面活性剤を導入することで、塗膜中の樹脂成分に当該界面活性剤を共有結合させることができるため、塗膜を水に浸漬させた場合においても、界面活性剤の流出が少なく、防曇持続性が期待できる。しかし、上記の反応性界面活性剤は、単官能であるため、塗膜中の架橋密度が低下し、耐擦傷性は不十分となってしまう問題があることがわかった。一方、上記の反応性界面活性剤の使用量を、耐擦傷性を維持できる程度の最少量にした場合では、防曇性および防曇持続性が発現しないことが分かった。
以上のように、従来の技術における塗膜(乾燥塗膜、あるいは硬化塗膜)の実使用中では、防曇性の低下、あるいは傷付きによる外観の低下といった問題点が依然として存在している。そのため、良好な耐擦傷性を発現できる膜強度を保ちつつ、塗膜表面の繰り返しの水拭き後にも良好な防曇性を発現できる防曇塗膜が求められている。
本発明は、良好な耐擦傷性を有しながらも、優れた防曇持続性を有する硬化塗膜を形成できるウレタン塗料組成物、および当該硬化塗膜を有する樹脂部材を提供することを目的とする。
本発明は、ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)を含むウレタン塗料組成物であって、前記ポリイソシアネート(a)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物であり、前記ポリエーテルポリオール(b)は、数平均分子量が300以上1800以下であり、前記界面活性剤(c)は、分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤と、イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤であり、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、前記(a)成分が30重量%以上60重量%以下であり、前記(b)成分が35重量%以上65重量%以下であり、前記(c)成分が1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするウレタン塗料組成物、に関する。
また、本発明は、前記ウレタン塗料組成物から形成されることを特徴とする硬化塗膜、に関する。
さらに、本発明は、前記硬化塗膜を有することを特徴とする樹脂部材、に関する。
本発明のウレタン塗料組成物は、特定の、ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)を、特定量含むウレタン塗料組成物である。これら成分から形成される硬化塗膜は、良好な耐擦傷性を有し、優れた防曇持続性を有するため、塗膜の繰り返しの払拭などに耐えることができ、実使用に適している。
また、本発明は、前記界面活性剤(c)として、分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤と、イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤を併用する。分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤と、イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤は、それぞれ初期防曇性を向上させることができる。さらに、単独で用いた場合には硬化塗膜中から容易に除放されてしまう両界面活性剤成分が、共存することにより、会合体を形成し除放されにくくなるため、防曇持続性を向上させることができるものと推定される。
本発明のウレタン塗料組成物は、ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)を含む。
<ポリイソシアネート(a)>
本発明のポリイソシアネート(a)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物である。前記ジイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。前記ジイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、および/または芳香族ジイソシアネートなどを出発原料として合成されたもので、ビュレット体、トリメチロールプロパンとのアダクト体、イソシアヌレート体、アロファネート体などの、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体、芳香族ジイソシアネートの誘導体などが挙げられる。前記ポリイソシアネート(a)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ポリイソシアネート(a)は、硬化塗膜の架橋密度を高め、耐擦傷性を向上させる観点から、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体、芳香族ジイソシアネートの誘導体が好ましく、脂環式ジイソシアネートの誘導体がより好ましく、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンの誘導体、イソホロンジイソシアネートの誘導体がさらに好ましい。また、前記誘導体は、トリメチロールプロパンとのアダクト体が好ましい。とくに、前記ポリイソシアネート(a)は、硬化塗膜の耐擦傷性および防曇性を向上させる観点から、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとトリメチロールプロパンのアダクト体と、イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体との併用が好ましい。
前記ポリイソシアネート(a)は、市販されているものとして、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネート24A−100)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートTPA−100)、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:デスモジュールXP2679)、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:デスモジュールZ4470BA)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのトリメチロールプロパンアダクト体(三井化学株式会社製、商品名:タケネートD−120N)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのイソシアヌレート体(三井化学株式会社製、商品名:タケネートD−127N)、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(三井化学株式会社製、商品名:タケネートD−140N)などが挙げられる。
<ポリエーテルポリオール(b)>
本発明のポリエーテルポリオール(b)、数平均分子量が300以上1800以下である。なお、当該数平均分子量は、ポリエーテルポリオール(b)の水酸基価によって算出できる。
前記ポリエーテルポリオール(b)としては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキサイドからなる群より選ばれる少なくとも1種を付加させることにより得られるポリマーが挙げられる。前記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキシドを含むものが好ましく、エチレンオキシドのみを付加するものがより好ましい。前記ポリエーテルポリオール(b)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ポリエーテルポリオール(b)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの共重合体ポリオール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテルなどが挙げられる。とくに、前記ポリエーテルポリオール(b)は、硬化塗膜の耐擦傷性、防曇性を向上させる観点から、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを用いることが好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(b)の数平均分子量は、前記ポリイソシアネート(a)との相溶性を高める観点から、400以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、700以上であることがさらに好ましい。また、前記ポリエーテルポリオール(b)の数平均分子量は、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(b)の1分子あたりの水酸基数は、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。前記ポリエーテルポリオール(b)の1分子あたりの水酸基数は、前記ポリイソシアネート(a)との相溶性を高める観点から、6以下であることが好ましく、4以下であることがさらに好ましい。
<界面活性剤(c)>
本発明の界面活性剤(c)は、分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤と、イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤である。
前記分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、両性の界面活性剤である。前記分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤としては、カチオン性の界面活性剤として、例えば、ジアルカノールアミン塩、トリアルカノールアミン塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミンエーテル塩、脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩、ポリオキシアルキレンジアルカノールアミンエーテル塩、ポリオキシアルキレントリアルカノールアミンエーテル塩、ジ(ポリオキシアルキレン)アルキルベンジルアルキルアンモニウム塩、アルキルカルバモイルメチルジ(ポリオキシアルキレン)アンモニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルアンモニウム塩、ポリオキシアルキレンジアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
さらに、前記分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤において、カチオン性の界面活性剤として、例えば、一般式(1):
−NH−(CH−N
(一般式(1)中、Rは炭素数8〜24の直鎖または分岐鎖を有する飽和または不飽和のアシル基を表し、かつ1つ以上の水酸基を有し、nは1〜10を表し、R〜Rは、独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xはアニオンを表す。)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、リシノールアミドプロピルジメチルアミン、リシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、リシノールアミドプロピルトリモニウムクロライド、リシノールアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、コカミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、コカミドプロピルトリモニウムクロライド、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、イソステアリルアミドプロピルジメチルアミン、ステアリルアミドプロピルジメチルアミン、クオタニウム−33、ウンデシレンアミドプロピルトリモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
前記分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤としては、アニオン性の界面活性剤として、例えば、ひまし油モノサルフェート、ひまし油モノホスフェート、ソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ソルビトール脂肪酸エステルサルフェート、ソルビトール脂肪酸エステルホスフェート、ショ糖脂肪酸エステルサルフェート、ショ糖脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレンひまし油エーテルモノホスフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルサルフェート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルホスフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノサルフェート、ポリオキシアルキレングリセリンエーテルモノホスフェートなどが挙げられる。
前記分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤としては、両性の界面活性剤として、例えば、N,N−ジ(β−ヒドロキシアルキル)N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−β−ヒドロキシアルキル−N,N−ジポリオキシアルキレン−N−カルボキシアルキルアンモニウムベタイン、N−アルキル−N,N−ジ(ポリオキシアルキレン)アミンとジカルボン酸のモノエステル、N−(ポリオキシエチレン)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)アミノアルキル−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N,N−ジ(ポリオキシエチレン)−N−アルキル−N−スルホアルキルアンモニウムベタイン、N−(β−ヒドロキシアルキルアミノエチル)−N−(β−ヒドロキシアルキル)アミノエチルカルボン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシアルキル)−N,N′−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン塩、N−(β−ヒドロキシアルキル)−N′,N′−ジ(ポリオキシエチレン)−N−カルボキシエチルエチレンジアミン塩などが挙げられる。
前記分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤は、前記ポリイソシアネート(a)および前記ポリエーテルポリオール(b)と相溶しやすく、塗膜の外観を良好に保つことができる観点から、カチオン性の界面活性剤が好ましく、前記一般式(1)で表される化合物がより好ましく、リシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェートがさらに好ましい。
前記イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤は、当該界面活性剤の分子内に、前記反応性基として、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、チオール基などを有さない界面活性剤である。前記イソシアネート基との反応性基を有さないアニオン性および/または両性の界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記イソシアネート基との反応性基を有さないアニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの高級アルコール硫酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩およびアルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;一般式(2):
Figure 2018165305
(一般式(2)中、RおよびRは、独立して、直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、RおよびRの合計の炭素数は10以上30以下であり、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノールアンモニウム基を表す。)で表されるサクシネート型アニオン性界面活性剤;アニオン性フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記サクシネート型アニオン性界面活性剤において、前記一般式(2)中、RおよびRの合計の炭素数は12以上であることが好ましく、14以上であることがより好ましく、そして、24以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。また、前記一般式(2)中、Mは、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノールアンモニウム基であることが好ましく、アルカリ金属原子であることがより好ましい。
前記サクシネート型アニオン性界面活性剤としては、例えば、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸アンモニウムなどが挙げられ、なかでも、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。
前記アニオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
前記イソシアネート基との反応性基を有さない両性界面活性剤としては、例えば、ジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリルベタインなどの脂肪酸型両性イオン系界面活性剤;ジメチルアルキルスルホベタインなどのスルホン酸型両性イオン系界面活性剤;両性フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーオロアルキルベタインなどが挙げられる。
前記アニオン性フッ素系界面活性剤、前記両性フッ素系界面活性剤は、直鎖または分岐鎖のパーフルオロアルキル基を有するものであってよいが、分岐鎖であることが好ましく、分岐鎖のパーフルオロアルケニル基であることがより好ましく、下記一般式(3)または(4)で表される分岐鎖のパーフルオロアルケニル基であることがさらに好ましい。
Figure 2018165305
Figure 2018165305
前記分岐鎖のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント100、商品名:フタージェント110)、パーフルオロアルケニルオキシベンジルホスホン酸(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント140A)、パーフルオロアルケニルオキシフェニルスルホニル−N−メチルカルボン酸ナトリウム(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント150)などのアニオン型;フルオロアルキルベタイン(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント400S、商品名:フタージェント400SW)などの両性型などが挙げられる。
さらに、本発明のウレタン塗料組成物は、HLBが10〜18であるシリコーンオイル(d)を含むことができる。前記シリコーンオイル(d)を含有することにより、硬化塗膜の平滑性が向上できる。また、前記シリコーンオイル(d)を用いることにより、長期の防曇持続性を向上させることができる。なお、HLB(親水性−親油性のバランス、Hydrophilic−Lypophilic Balance)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものである。HLBは、グリフィン(Griffin)の式により求められる。前記シリコーンオイル(d)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記シリコーンオイル(d)としては、シリコーンオイルの側鎖および/または末端の炭化水素基が有機基で置換された構造を有する化合物が好ましい。前記有機基としては、例えば、ポリエーテル基、長鎖アルキル基、高級脂肪酸エステル基などが挙げられ、なかでも、ポリエーテル基が好ましい。
前記ポリエーテル基としては、例えば、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基(EO)とプロピレンオキシ基(トリメチレンオキシ基またはプロパン−1,2−ジイルオキシ基;PO)がブロック状またはランダムに付加したポリアルキレンオキシ基が挙げられる。
前記シリコーンオイル(d)のHLBは、硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、12以上が好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点から16以下が好ましい。
前記シリコーンオイル(d)としては、例えば、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=12、信越化学工業株式会社製、商品名:KF‐642)、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=14、信越化学工業株式会社製、商品名:KF‐640)、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=12、信越化学工業株式会社製、商品名:KF‐351A)などが挙げられる。
本発明のウレタン塗料組成物は、ポリカプロラクトンポリオール(e)を含むことができる。前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、数平均分子量が300以上1800以下である。前記ポリカプロラクトンポリオール(e)を含有することにより、硬化塗膜の耐擦傷性が向上できる。前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、当該数平均分子量は、ポリカプロラクトンポリオール(e)の水酸基価によって算出できる。
前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールと、ε−カプロラクトンとを開環重合して得られる化合物であり、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、ポリカプロラクトンヘキサオールなどが挙げられる。
前記ポリカプロラクトンポリオール(e)の数平均分子量は、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点から、400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、そして、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、1500以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。前記ポリエーテルポリオール(b)の1分子あたりの水酸基数は、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、3以上であることであることが好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点から、6以下であることが好ましい。
本発明のウレタン塗料組成物は、カルボン酸、および/または無機酸である反応遅延剤(f)を含むことができる。前記反応遅延剤(f))は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記反応遅延剤(f)としては、例えば、ギ酸、プロピオン酸、安息香酸、フタル酸、シュウ酸、コハク酸などの有機酸;塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸が挙げられる。
以下に、本発明のウレタン塗料組成物の各成分の配合量について説明する。なお、以下、前記ポリイソシアネート(a)は(a)成分とも称し、(a)以外の他の成分(例えば、(b))についても同様に称す。
前記(a)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、30重量%以上60重量%以下である。前記(a)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、40重量%以上であることが好ましく、そして、硬化塗膜の柔軟性を高める観点から、50重量%以下であることが好ましい。
前記(b)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、35重量%以上65重量%以下である。前記(b)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、40重量%以上であることが好ましく、そして、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、50重量%以下であることが好ましい。
前記(a)成分および前記(b)成分は、(a)成分のイソシアネート基/(b)成分の水酸基の当量比が、0.2以上4以下で配合されることが好ましく、0.3以上2.5以下で配合されることがより好ましい。
前記(c)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤と、イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤の合計重量は1.0重量%以上10重量%以下である。前記(c)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、2重量%以上であることが好ましく、3重量%以上であることがより好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点、および硬化塗膜に透明性を付与する観点から、8重量%以下であることが好ましい。
前記(c)成分において、分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤に対する、イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤の重量比は、0.1以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、そして、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましい。
また、前記ウレタン塗料組成物に、前記(d)成分を含む場合、前記(d)成分は、前記(a)〜(d)成分の合計重量において、硬化塗膜の平滑性を高める観点から、0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点、および硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましい。
また、前記ウレタン塗料組成物に、前記(e)成分を含む場合、前記(e)成分は、前記(a)〜(e)成分の合計重量において、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点、および硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。なお、前記(e)成分は、前記(a)〜(e)成分の合計重量において、0.5重量%以上であれば、硬化塗膜の耐擦傷性の向上が期待できる。
前記ウレタン塗料組成物に、前記(e)成分を含む場合、前記(a)成分、前記(b)成分および前記(e)成分は、(a)成分のイソシアネート基/{(b)成分と(e)成分の合計水酸基}の当量比が、0.2以上4以下で配合されることが好ましく、0.3以上2.5以下で配合されることがより好ましい。
また、前記ウレタン塗料組成物に、前記(f)成分を含む場合、前記(f)成分は、前記(a)〜(d)および(f)成分の合計重量、または前記(a)〜(f)成分の合計重量において、5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることが好ましい。なお、なお、前記(f)成分は、前記(a)〜(d)および(f)成分の合計重量、または前記(a)〜(f)成分の合計重量において、0.1重量%以上であれば、ウレタン硬化反応の抑制効果(ウレタン塗料組成物のポットライフの向上)が期待できる。
本発明のウレタン塗料組成物は、有機溶媒で希釈して調製することができる。
前記有機溶媒としては、例えば、アルコール系、カルボン酸エステル系、ケトン系、アミド系、エーテル系、脂肪族および芳香族炭化水素系の溶媒などが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、ターシャリーアミルアルコールなどが挙げられる。カルボン酸エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、ギ酸ブチルなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、メトキシトルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。脂肪族および芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ペンタンキシレン、トルエン、ベンゼンなどが挙げられる。前記有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前記有機溶媒は、ジアセトンアルコール、ターシャリーアミルアルコールなどの極性溶媒と、カルボン酸エステルおよび/またはケトン系溶媒を混合させた溶媒が、溶解性、揮発性および密着性の観点から好ましい。
前記ポリイソシアネート(a)のイソシアネート基は、前記ポリエーテルポリオール(b)の水酸基、および前記ポリカプロラクトンポリオール(e)の水酸基と反応し、ウレタン結合を形成する。ウレタン結合を形成する反応には、必要に応じ公知の触媒を加えることができる。公知の触媒としては、例えば、トリエチルアミン、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。これら触媒を用いる場合の使用量は、前記ポリイソシアネート(a)100重量部に対して、通常0.001〜10重量部である。前記触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のウレタン塗料組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などの安定剤、着色剤、難燃剤、前記ポリイソシアネート(a)以外のイソシアネート化合物、前記ポリエーテルポリオール(b)およびポリカプロラクトンポリオール(e)以外のポリオール、前記シリコーンオイル(d)以外のレベリング剤、を用いることができるが、前記(a)〜(c)成分の合計100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
<硬化塗膜>
本発明のウレタン塗料組成物は、通常の塗料において行われる塗装方法により基材に塗装し、加熱硬化することによって、基材の表面に硬化塗膜を形成することができる。
前記基材としては、その種類は問わず、公知の樹脂基材(部材)が使用可能である。前記樹脂基材(部材)例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
本発明のウレタン塗料組成物を、前記樹脂基材(部材)に塗装する方法としては、特に限定がなく、バーコーター塗装、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート、フローコートなど、公知の方法が採用できる。
本発明のウレタン塗料組成物を加熱硬化する温度は、60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上130℃以下がさらに好ましいが、使用する基材樹脂の耐熱性や熱変形性などに応じて適宜調整すればよい。加熱時間は、加熱温度により異なるが、数分から数時間程度である。
前記硬化塗膜の膜厚は、硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、1.0μm以上が好ましく、3.0μm以上がより好ましい。前記硬化塗膜の膜厚は、硬化塗膜の平滑性を高める観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
以下に本発明を実施例などによって説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
各実施例および比較例で使用した原料は、次の通りである。
<原料>
<ポリイソシアネート(a)>
a−1:1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとトリメチロールプロパンとのアダクト体(固形分75重量%、酢酸エチル25重量%、対溶液イソシアネート基含有率11.0%、三井化学株式会社製、タケネートD−120N)
a−2:イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(固形分75重量%、酢酸エチル25重量%、対溶液イソシアネート基含有率11.0%、三井化学株式会社製、タケネートD−140N)
<ポリエーテルポリオール(b)>
b−1:ポリオキシエチレングリセリルエーテル(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量750、日油株式会社製、ユニオックスG750)
b−2:ポリオキシエチレングリセリルエーテル(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量450、日油株式会社製、ユニオックスG450)
b−3:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量1500、三洋化成工業株式会社製、サンニックスGP1500)
<界面活性剤(c)>
c−1:リシノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート(固形分100%、VANTAGE Specialty Ingredient,Inc製、Lipoquat R)
c−2:ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
c−3:アニオン性フッ素系界面活性剤(固形分100%、スルホン酸ナトリウム塩、株式会社ネオス製、フタージェント100)
c−4:両性フッ素系界面活性剤(固形分50%、株式会社ネオス製、フタージェント400SW)
<シリコーンオイル(d)>
d−1:ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=12、信越化学工業株式会社製KF−642)
d−2:ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=14、信越化学工業株式会社製KF−640)
<ポリカプロラクトンポリオール(e)>
e−1:ポリカプロラクトントリオール(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量800、株式会社ダイセル製、プラクセル308)
<反応遅延剤(f)>
f−1:安息香酸
<その他成分>
b´−1:ポリエチレングリコール(固形分100%、1分子あたりの水酸基数2、数平均分子量200、東京化成工業株式会社製、PEG200)
b´−2:ポリエチレングリコール(固形分100%、1分子あたりの水酸基数2、数平均分子量2000、東京化成工業株式会社製、PEG2000)
c´−1:ノニオン性フッ素系界面活性剤(固形分100%、株式会社ネオス製、フタージェント215M)
c´−2:カチオン性フッ素系界面活性剤(固形分100%、4級アンモニウム塩(I塩またはBr塩)、株式会社ネオス製、フタージェント300)
<有機溶剤>
ダイアセトンアルコール(DAA)
酢酸エチル
<ウレタン塗料組成物の調製>
<実施例1〜15、比較例1〜9>
上記原料を表1および表2に示す割合で配合し、さらに、それぞれ、触媒として、ポリイソシアネート100重量部に対し、0.5重量部のジラウリル酸ジ−n−ブチルスズを加え、実施例および比較例のウレタン塗料組成物を得た。なお、原料の配合において、(a)成分は、最後に添加して混合した。
上記得られた各ウレタン塗料組成物を、ポリカーボネート樹脂板(7.5cm×10cm×2mm、三菱ガス化学社製ユーピロン)上に、硬化後の膜厚が8μm程度になるように、バーコーターを用いて塗装を行い、120℃に設定したオーブンにて30分間熱硬化し、硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)を得た。下記試験方法にて評価を行った。結果を表1および表2に示す。
<外観の評価>
硬化塗膜の表面を目視によって判断し、下記の評価基準で評価した。
○:正常
×:不透明、白化などの異常がある、あるいは平滑でない
<耐擦傷性の評価>
荷重500gを載せたスチールウール(#0000)を硬化塗膜の表面上に置き、ラビングテスターで11往復させる試験条件で試験した後、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製NDH5000)によって、試験後の硬化塗膜を有する樹脂部材のヘイズ(%)を測定し、下記の評価基準で評価した。
○:試験後のヘイズの値が10未満
×:試験後のヘイズの値が10以上
<密着性の評価>
硬化塗膜を10×10マス(1mm間隔)にクロスカットした後、セロテープ剥離試験を行い、目視により残っているマスを確認した。
○:剥離なし
×:剥離あり
<初期防曇性の評価>
25℃の恒温室内で、硬化塗膜の表面を50℃の温水蒸気に1分間さらし、目視にて曇りの有無を下記の評価基準で評価した。
◎:速やかに水膜を形成する
○:一瞬曇った後に水膜を形成する
×:曇りが発生する
<耐水後防曇性の評価>
常温の蒸留水に、硬化塗膜を有する樹脂基材を1時間浸積させた後、取り出して室温で1時間静置させた。その後、上記の初期防曇性の評価の試験を行い、曇りの有無を確認した。
◎:速やかに水膜を形成する
○:一瞬曇った後に水膜を形成する
×:曇りが発生する
<ふき取り後防曇性の評価>
蒸留水を5ml程度染み込ませたウェス(BEMCOT M−3II、250mm×250mm、小津産業株式会社製)を硬化塗膜の表面に置き、3往復させる。さらに、この硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)を25℃50%RHの室内で1時間静置した後、25℃の恒温室内で、硬化塗膜の表面を50℃温水蒸気に5分間さらした。当該操作を5回繰り返した後、目視にて曇りの有無を下記の評価基準で評価した。硬化塗膜の表面にのみ界面活性剤が存在する場合、界面活性剤がウェスに拭き取られ、曇りが発生しやすい傾向にある。
◎:5回目の評価で速やかに水膜を形成する
○:5回目の評価で一瞬曇った後に水膜を形成する
×:5回目の評価で曇りが発生する
Figure 2018165305
Figure 2018165305

Claims (6)

  1. ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)を含むウレタン塗料組成物であって、
    前記ポリイソシアネート(a)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物であり、
    前記ポリエーテルポリオール(b)は、数平均分子量が300以上1800以下であり、
    前記界面活性剤(c)は、分子内に水酸基を有するイオン性界面活性剤と、イソシアネート基との反応性基を有さない、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤であり、
    前記(a)〜(c)成分の合計重量において、前記(a)成分が30重量%以上60重量%以下であり、前記(b)成分が35重量%以上65重量%以下であり、前記(c)成分が1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするウレタン塗料組成物。
  2. HLBが10〜18であるシリコーンオイル(d)を含み、
    前記(a)〜(d)成分の合計重量において、前記(d)成分が3重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のウレタン塗料組成物。
  3. ポリカプロラクトンポリオール(e)を含み、
    前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、数平均分子量が300以上1800以下であって、
    前記(a)〜(e)成分の合計重量において、前記(e)成分が10重量%以下であることを特徴とする請求項2記載のウレタン塗料組成物。
  4. カルボン酸、および/または無機酸である反応遅延剤(f)を含み、
    前記(a)〜(d)および(f)成分の合計重量、または前記(a)〜(f)成分の合計重量において、前記(f)成分が5重量%以下であることを特徴とする請求項2または3記載のウレタン塗料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のウレタン塗料組成物から形成されることを特徴とする硬化塗膜。
  6. 請求項5記載の硬化塗膜を有することを特徴とする樹脂部材。
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