JP2010150351A - 防曇塗料組成物、その製造方法及びその塗装物品 - Google Patents

防曇塗料組成物、その製造方法及びその塗装物品 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜が良好な防曇性と耐熱性を発揮することができると共に、水垂れ跡等による外観不良の発生を抑制することができる防曇塗料組成物、その製造方法及びその塗装物品を提供する。
【解決手段】防曇塗料組成物は、下記に示す単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)を含む単量体から形成される共重合体と、該共重合体中の単量体(C)に基づく水酸基と反応して架橋構造を形成するためのイソシアネート基を有する架橋剤(D)と、界面活性剤(E)とを含有するものである。
単量体(A):非架橋性の水溶性ビニル系単量体
単量体(B):非架橋性の非水溶性ビニル系単量体
単量体(C):単量体(A)及び単量体(B)以外であって水酸基を有するビニル系単量体
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば自動車のヘッドランプ等の被塗装物上に形成され、防曇性と耐熱性に優れ、水垂れ跡を抑制できる塗膜を与えるための防曇塗料組成物、その製造方法及びその塗装物品に関する。
自動車のヘッドランプ等の車両灯具において、灯室内に高湿度の空気が入り込み、外気や降雨等によってレンズが冷やされ、内面に水分が結露することによって曇りが生じることがある。その結果、車両灯の輝度が低下し、またレンズ面の美観が損なわれることにより、ユーザーの不快感を引き起こす場合がある。このようなレンズの曇りを防ぐために、曇りが発生する部位に防曇塗料を塗布する方法が知られている。
具体的には、第4級アンモニウム塩を含む(メタ)アクリレートとその他の単量体との共重合体からなる常温硬化型被覆組成物(例えば、特許文献1を参照)が提案されている。この組成物によれば、常温で硬化被膜を形成でき、該硬化被膜は優れた防曇性と密着性を発揮することができる。また、ポリアルキレングリコール構造を有する重合反応性単量体、アニオン性重合反応性単量体、N−アルキル(メタ)アクリルアミド単量体及びこれらの単量体と共重合可能な単量体から形成される重合物を含有する防曇塗料(例えば、特許文献2を参照)が提案されている。この防曇塗料によれば、長期熱安定性に優れると共に、外観、防曇性、耐水性及び耐熱性に優れた透明防曇性塗膜を形成することができる。
さらに、本願出願人は親水性重合体部分及び疎水性重合体部分から構成されるブロック又はグラフト共重合体と、フッ素系界面活性剤と、酸性リン酸アルキルエステルとを含有する防曇塗料組成物(例えば、特許文献3等を参照)を提案した。この防曇塗料組成物では、防曇性と密着性が維持され、流水汚れの発生が抑制された塗膜を形成することができる。
特開2002−265853号公報(第2頁、第4頁及び第5頁) 特開2006−28335号公報(第2頁、第6頁、第17頁及び第19頁) 特開2004−250601号公報(第2頁、第13頁及び第17頁)
ところが、特許文献1に記載の常温硬化型被覆組成物では、優れた防曇効果が得られるものの、車両灯具のような耐熱性が要求される物品に適用すると、第4級アンモニウム塩がランプからの熱によって分解するため、経時的に防曇性が低下するという問題があった。
また、特許文献2に記載の防曇塗料では、ポリアルキレングリコール構造のもつ耐熱性が不足しているため、車両灯具のような耐熱性が要求される被塗装物に適用するのは難しい上に、シラノール縮合反応しなかった共重合体に起因して水垂れ跡が残るという問題があった。しかも、防曇性に関して初期性能や持続性能も悪いという問題があった。
さらに、特許文献3に記載の防曇塗料組成物では、例えばN−アルキロール(メタ)アクリルアミドを共重合させたブロック又はグラフト共重合体を加熱により縮合、架橋させているが、その架橋主体となるN−アルキロール基同士の縮合反応は速度が比較的遅いため、共重合体の一部が未架橋で残存する。そのため、防曇塗膜表面に水膜の形成に続いて発生した水垂れ中には界面活性剤と未架橋の共重合体が塗膜内から溶け出してきており、それが乾燥すると水垂れ跡として析出するという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、塗膜が良好な防曇性と耐熱性を発揮することができると共に、水垂れ跡等による外観不良の発生を抑制することができる防曇塗料組成物、その製造方法及びその塗装物品を提供することにある。
前記の目的を達成するために、第1の発明の防曇塗料組成物では、下記に示す単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)を含む単量体から形成される共重合体と、該共重合体中の単量体(C)に基づく水酸基と反応して架橋構造を形成するためのイソシアネート基を有する架橋剤(D)と、界面活性剤(E)とを含有することを特徴とする。
単量体(A):非架橋性の水溶性ビニル系単量体
単量体(B):非架橋性の非水溶性ビニル系単量体
単量体(C):単量体(A)及び単量体(B)以外であって水酸基を有するビニル系単量体
第2の発明の防曇塗料組成物では、第1の発明において、単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部中に、単量体(A)の含有量が50〜95質量部及び単量体(B)の含有量が50〜5質量部であり、かつ単量体(C)の含有量が単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部に対して3〜30質量部であることを特徴とする。
第3の発明の防曇塗料組成物では、第1又は第2の発明において、前記共重合体の質量平均分子量が30,000〜500,000であることを特徴とする。
第4の発明の防曇塗料組成物の製造方法は第1の発明の防曇塗料組成物の製造方法であって、前記単量体(A)、単量体(B)の総量の70質量%以下、単量体(C)及び有機溶媒を仕込んだ反応容器中に、単量体(B)の総量の30質量%未満及びラジカル重合開始剤からなる混合液を滴下しながら共重合して共重合体を得た後、該共重合体に架橋剤(D)及び界面活性剤(E)を配合することを特徴とする。
第5の発明の塗装物品では、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物を被塗装物に塗布、乾燥し、次いで硬化して形成されることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
本発明の防曇塗料組成物では、共重合体を形成する単量体(A)の性質に基づいて良好な防曇性と耐熱性が発現され、単量体(B)の性質に基づいて良好な耐水性が発現される。また、界面活性剤(E)の機能によって良好な防曇性が発現される。加えて、共重合体を形成する単量体(C)の水酸基と架橋剤(D)のイソシアネート基とが速やかに付加反応し、架橋構造が形成され、未架橋の共重合体が減少する。
従って、防曇塗料組成物より得られる塗膜は良好な防曇性と耐熱性を発揮することができると共に、水垂れ跡等による外観不良の発生を抑制することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
<防曇塗料組成物>
本実施形態の防曇塗料組成物は、下記に示す単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)を含む単量体から形成される共重合体と、該共重合体中の単量体(C)に基づく水酸基と反応して架橋構造を形成するためのイソシアネート基を有する架橋剤(D)と、界面活性剤(E)とを含有するものである。
単量体(A):非架橋性の水溶性ビニル系単量体
単量体(B):非架橋性の非水溶性ビニル系単量体
単量体(C):単量体(A)及び単量体(B)以外であって水酸基を有するビニル系単量体
この防曇塗料組成物は例えばヘッドランプ等の車両灯具の防曇塗料として用いられるものであり、それを硬化させて得られる塗膜(防曇塗膜)は良好な防曇性と耐熱性とを兼ね備えており、さらに水垂れ跡等の外観不良の発生が抑制されている。
〔単量体(A)〕
まず、共重合体を形成する単量体(A)すなわち非架橋性の水溶性ビニル系単量体について説明する。この水溶性ビニル系単量体は、共重合体に吸水性を発現させ、防曇性を高める機能を発揮させる単量体である。ここで、水溶性ビニル系単量体とは、25℃で水100質量部に対して10質量部以上の溶解度を有するビニル系単量体のことを意味する。水溶性ビニル系単量体の溶解度は、25℃で水100質量部に対して10質量部以上であれば特に上限はない。また、非架橋性とは、縮合反応又は付加反応に基づく架橋反応が起らないことを意味する。
水溶性ビニル系単量体としては、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、(メタ)アクロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド系単量体;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩を含むビニル系単量体、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基含有ビニル系単量体、及びこれらのアンモニウム塩、有機アミン塩、アルカリ金属塩等が挙げられる。これらの水溶性ビニル系単量体は1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
これら水溶性ビニル系単量体の中では、被塗装物への塗膜の密着性を高めることができるという観点から、(メタ)アクリルアミド系単量体が好ましい。この(メタ)アクリルアミド系単量体のうち、4級アンモニウム塩を含むものは熱によって分解しやすいため好ましくない。塗膜の耐熱性を高めることができるという観点から、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド系単量体が特に好ましい。N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド系単量体を用いる場合、それらの単量体が主成分として含まれておればよい。なお、水溶性ビニル系単量体としてメタクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体を使用すると、そのカルボキシル基が架橋剤(D)のイソシアネート基と反応して架橋構造が形成され、吸水性が得られず、防曇性が発揮されないことから、単量体(A)の非架橋性水溶性ビニル系単量体には含まれない。
単量体(A)の含有量は、単量体(A)と単量体(B)の合計100質量部中に50〜95質量部であることが好ましく、60〜90質量部であることがより好ましい。単量体(A)の含有量が50質量部より少ない場合には防曇塗料組成物より得られる塗膜の防曇性が低下し、95質量部より多い場合には塗膜の耐水性が低下する傾向にある。
〔単量体(B)〕
続いて、単量体(B)すなわち非架橋性の非水溶性ビニル系単量体について説明する。この非水溶性ビニル系単量体は、共重合体の強度や硬度を高めると共に、密着性を高める機能を発揮する単量体である。ここで、非水溶性ビニル系単量体とは、25℃で水100質量部に対して10質量部未満の溶解度を有するビニル系単量体のことを意味する。また、非架橋性とは、縮合反応又は付加反応に基づく架橋反応が起らないことを意味する。
非水溶性ビニル系単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単量体;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体等が挙げられる。これら非水溶性ビニル系単量体の中では、塗膜の硬度を高めると共に、被塗装物に対して優れた密着性が得られるという観点から、(メタ)アクリレート系単量体が好ましい。これらの非水溶性ビニル系単量体は、1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
単量体(B)の含有量は、単量体(A)と単量体(B)の合計100質量部中に5〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。単量体(B)の含有量が5質量部より少ない場合には得られる塗膜の耐水性が低下し、50質量部より多い場合には塗膜の防曇性が低下する傾向にある。
〔単量体(C)〕
次いで、単量体(C)すなわち前記単量体(A)及び単量体(B)以外であって水酸基を有するビニル系単量体について説明する。該単量体(C)は、イソシアネート基を有する架橋剤(D)との付加反応(架橋反応)により架橋させて共重合体の分子内に架橋構造を形成するための水酸基(ヒドロキシル基)を有するビニル系単量体である。単量体(C)がこのような架橋性官能基を有することにより、共重合体の製造後に加熱等の手段によって共重合体に架橋構造を形成することができる。単量体(C)の水酸基としては、架橋剤(D)のイソシアネート基との反応性が高い点から、一級の水酸基が二級又は三級の水酸基に比べて好ましい。
水酸基を有するビニル系単量体(C)としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロシキプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物、ポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリレートエステル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
単量体(C)の含有量は、単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部に対して3〜30質量部であり、好ましくは5〜20質量部である。単量体(C)の含有量が3質量部より少ない場合には共重合体の未架橋成分が多くなって塗膜に水垂れ跡が発生しやすくなり、30質量部より多い場合には共重合体の架橋密度が高くなって塗膜の防曇性や密着性が低下するため好ましくない。
〔その他の単量体〕
共重合体を形成する単量体として、共重合体の質量平均分子量を高める目的で上記単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)以外に、多官能ビニル系単量体を併用することができる。なお、多官能ビニル系単量体は架橋性官能基を有しているが、縮合反応又は付加反応による架橋性官能基ではない。この多官能ビニル系単量体としては、N,N’−メチレンビス〔(メタ)アクリルアミド〕、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が用いられる。この多官能ビニル系単量体の含有量は、単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部に対して1質量部以下であることが好ましい。
〔共重合体〕
本実施形態における共重合体は、前述の単量体(A)、単量体(B)、単量体(C)及び必要に応じて多官能ビニル系単量体等のその他の単量体を共重合することにより得られる。この共重合体の質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算で示される質量(重量)基準の平均分子量である。その測定条件は以下の通りである。
カラム:連結3本カラム(第1カラム:Shodex KD−802.5、第2カラム:Shodex KD−803、第3カラム:Shodex KD−80M、いずれも昭和電工(株)製)、カラム温度:55℃、展開溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド、流速:1.0ml/min
該共重合体のGPCで測定される質量平均分子量は、好ましくは30,000〜500,000であり、より好ましくは50,000〜300,000である。共重合体の質量平均分子量が30,000未満である場合、未架橋の共重合体の割合が多くなり、塗膜表面の水垂れ跡が目立ちやすくなる傾向にある。一方、質量平均分子量が500,000を超える場合、防曇塗料組成物の粘度が高くなり、塗料として取り扱いが困難となる。その結果、防曇塗料組成物の塗装が難しくなり、塗膜の外観が悪化する等の問題が発生する。
本実施形態の共重合体としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体及びグラフト共重合体のいずれの構造であってもよいが、防曇性をはじめとする防曇塗料組成物の効果を向上させることができると共に、防曇塗料組成物を容易に調製することができるという観点からランダム共重合体が好ましい。共重合体を得るための重合方法は、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法等の公知の各種重合方法が採用されるが、特に工業的な生産性の容易さ、多義にわたる性能面より、ラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法としては、通常の塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合法等が採用されるが、重合後にそのまま塗料として使用することができる点で溶液重合法が好ましい。
〔架橋剤(D)〕
架橋剤(D)とは、前記単量体(C)の水酸基と付加反応を起こして共重合体を架橋させるためのイソシアネート基を1分子中に2個以上(複数)有する化合物である。この架橋剤(D)としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する化合物であれば特に制限されない。架橋剤(D)として具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリデンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のイソシアネート基含有化合物;これらのイソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体等の誘導体等が挙げられる。これらの架橋剤(D)は1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
上記架橋剤(D)としては、そのイソシアネート基をブロック化剤でブロックしたものも使用することができる。ブロック化剤としては、例えば、ε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、オキシム、アルコール等の化合物等が挙げられる。このブロック化された化合物は、そのブロック化されたイソシアネート基と単量体(C)の水酸基との反応が遅いため、ブロック化されていないイソシアネート基を有する化合物が好ましい。
架橋剤(D)は防曇塗料組成物を被塗装物に塗装する直前に、共重合体に配合することが好ましい。予め架橋剤(D)を防曇塗料組成物に配合しておいた場合には、経時的に防曇塗料組成物が増粘する場合がある。
架橋剤(D)の含有量は、架橋剤(D)の官能基(イソシアネート基)数が単量体(C)の官能基(水酸基)数に対して、架橋剤(D)の官能基数/単量体(C)の官能基数=0.2〜2.0であることが好ましく、0.3〜1.8であることがより好ましい。架橋剤(D)の官能基数/単量体(C)の官能基数が0.2より小さい場合には共重合体の未架橋成分が多くなって塗膜表面に水垂れ跡が発生しやすくなり、2.0より大きい場合には共重合体の架橋密度が高くなって塗膜の防曇性や密着性が低下する傾向にある。架橋剤(D)の含有量は、上述した単量体(C)の官能基数との比率に基づいて算出され、共重合体100質量部に対して0.1〜100質量部であることが好ましく、0.15〜90質量部であることがより好ましい。
前述のように、水酸基とイソシアネート基との付加反応による共重合体の架橋反応を起こさせる際に、反応を促進させるための硬化触媒を使用することができる。硬化触媒としては、例えばオクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジオクテート、モノブチル錫トリオクテート、ジブチル錫脂肪酸塩等の金属有機化合物;塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;リン酸モノアルキルエステル、リン酸ジアルキルエステル等の酸性リン酸アルキルエステル;p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸;テトラメチルブタンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5等の3級アミン、又はこれら3級アミンのオクチル酸塩、フェノール塩、オレイン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。これらの硬化触媒は1種又は2種以上が適宜選択して使用される。
硬化触媒の含有量は、架橋剤(D)のイソシアネート基1当量に対して好ましくは10当量未満、より好ましくは5当量未満である。硬化触媒の含有量がイソシアネート基1当量に対して10当量以上である場合、防曇塗料組成物のポットライフが短くなり、また貯蔵安定性が低下する傾向にある。ここでいうポットライフとは、空気中に放置した場合の防曇塗料組成物の可使時間を意味する。
この硬化触媒は防曇塗料組成物を被塗装物に塗装する直前に配合することが好ましい。予め硬化触媒を防曇塗料組成物に配合しておいた場合には、経時的に防曇塗料組成物が増粘したり、着色したりする場合がある。
〔界面活性剤(E)〕
本実施形態における防曇塗料組成物には界面活性剤(E)が配合される。該界面活性剤(E)としては、一般に使用されるもので、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤及び両性イオン系界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤である。これらのうち、効果の持続性の点から、非イオン系界面活性剤又は陰イオン系界面活性剤が好ましく、特にポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類とジアルキルスルホコハク酸塩の組み合わせが、防曇性の持続性及び防曇塗膜の外観変化を防止する観点から好適である。
非イオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレングリコールモノステアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル類、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のリン酸エステル類、シュガーエステル類、セルロースエーテル類等が使用される。
陰イオン系界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルホスフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンサルフェート塩等が使用される。
陽イオン系界面活性剤としては、例えばエタノールアミン類、ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミンモノ蟻酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩等のアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等が使用される。
両性イオン系界面活性剤としては、例えばジメチルアルキルラウリルベタイン、ジメチルアルキルステアリルベタイン等の脂肪酸型両性界面活性剤、ジメチルアルキルスルホベタインのようなスルホン酸型両性界面活性剤、アルキルグリシン等が使用される。
これら界面活性剤(E)の含有量は、固形分質量比で、共重合体:界面活性剤(E)=100:0.5〜100:50が好ましく、共重合体:界面活性剤(E)=100:1〜100:30がさらに好ましい。界面活性剤(E)の含有量が0.5質量部に満たない場合、長期にわたる防曇塗膜の防曇持続性が得られず、50質量部を越える場合、防曇塗膜の外観や耐水性が低くなる傾向となる。
共重合体と界面活性剤(E)との混合方法としては、共重合体を有機溶剤に溶解したその中に界面活性剤(E)を加えてもよく、また共重合体を製造する際に単量体と一緒に界面活性剤(E)を加えてもよい。
〔その他の成分〕
本実施形態の防曇塗料組成物には、必要によりレベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の慣用されているその他の成分を配合することができる。
<防曇塗料組成物の製造方法>
次に、防曇塗料組成物は、単量体(A)、単量体(B)の総量の70質量%以下、単量体(C)及び有機溶媒を仕込んだ反応容器中に、単量体(B)の総量の30質量%未満及びラジカル重合開始剤からなる混合液を滴下しながら共重合した後、得られた共重合体に架橋剤(D)及び界面活性剤(E)を配合することにより製造される。共重合体の製造方法としては、特に溶液重合法による製造方法について以下に説明する。
撹拌装置、温度計、窒素導入管及び還流管を備えた反応容器に重合溶媒としての有機溶媒及び単量体(A)、単量体(B)の総量の70質量%以下及び単量体(C)を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら所定の温度に加熱する。次いで、単量体(B)の総量の30質量%未満とラジカル重合開始剤との混合液を30分から10時間をかけて滴下し、さらに30分から10時間の重合反応を行うことによって共重合体溶液を得ることができる。
単量体(A)又は単量体(C)は、有機溶媒とともに最初に全部を反応容器に仕込むことによって、得られる共重合体の質量平均分子量を高くすることができる。しかし、必ずしも最初に全部を反応容器に仕込む必要はなく、質量平均分子量や重合発熱を調節したい場合には、重合溶媒とともに、その総量の30質量%以上を最初に反応容器に仕込んだ後、残部を滴下して重合を行うこともできる。最初に仕込む量が総量の30質量%未満であると、得られる共重合体の質量平均分子量が低くなる傾向にあり、好ましくない。
単量体(B)は、その総量の70質量%以下を単量体(A)、単量体(C)及び有機溶媒とともに最初に反応容器に仕込み、残部は滴下して重合を行う。このような条件下に単量体(B)を反応容器中に滴下して重合を行うことにより、重合反応による発熱を小さくすることができるため、工業的に製造するうえで好ましい。最初に仕込む量が総量の70質量%を超えると、重合発熱が大きくなり、工業的な製造をするうえで重合反応の制御が難しくなる傾向にある。
また、ほとんどの場合には単量体(A)と単量体(B)との重合反応速度は異なっているため、単量体(B)を滴下しながら重合することによって単量体(A)と単量体(B)の重合反応速度の差を埋め合わせ、共重合体の組成の偏りを抑制する効果もある。前記単量体(B)を最初に仕込む量は、総量の10〜50質量%であることが重合発熱をより制御しやすくなる点で好ましい。
有機溶媒について、著しい高沸点を有する有機溶媒の使用は、塗膜の乾燥、加熱硬化時における溶媒の残留によって被塗装物に対する塗膜の密着性を損なう場合もあり、180℃未満の沸点を有する有機溶媒を使用することが好ましい。そのような有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、t−アミルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコールエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤等が使用される。これら有機溶媒のうち、架橋剤(D)との反応性が低い又は反応性がなく、共重合体の溶解性が高いという観点から、t−ブタノール、t−アミルアルコール、ジアセトンアルコール等の第3級アルコール系溶剤、ケトン系溶剤又はエステル系溶剤が好ましい。これらの有機溶媒(重合溶媒)は1種又は2種以上が組み合わせて使用される。
単量体(A)と単量体(B)の合計量と重合反応に使用する有機溶媒の割合は、質量比で、単量体(A)と単量体(B)の合計量/有機溶媒=20/80〜80/20であることが好ましく、30/70〜70/30であることがより好ましい。有機溶媒の割合が80質量部を超える場合、得られる共重合体の分子量が低くなる傾向にあり、20質量部未満の場合、重合発熱が大きくなり工業的な製造が難しくなる傾向にある。共重合体溶液中の共重合体の含有量(固形分)は、好ましくは3〜70質量%、より好ましくは20〜50質量%である。この共重合体の含有量が3質量%を下回る場合には共重合体の含有量が少なくなり過ぎ、防曇塗料組成物中の共重合体量が減少して塗膜が薄くなり過ぎたり、生産性が低下したりする傾向があり、70質量%を上回る場合には共重合体溶液の粘度が高くなり、取扱いが難しくなって好ましくない。
ラジカル重合開始剤としては、一般的に使用される有機過酸化物、アゾ化合物等を使用することができる。有機化過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート等が挙げられ、アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の添加量は、単量体(A)と単量体(B)の合計100質量部に対して0.01〜3質量部であることが好ましい。ラジカル重合開始剤は、反応容器中に滴下しながら重合を行うことが重合発熱を制御しやすくなる点で好ましい。重合反応を行う温度は使用するラジカル重合開始剤の種類によって適宜変更されるが、工業的に製造を行う上で重合温度は好ましくは30〜150℃、より好ましくは40〜100℃である。
次いで、重合によって得られた共重合体又は共重合体の溶液は、塗装に適した粘度調整を目的として、一般的に溶剤を加えて溶解、分散又は希釈をする。そのような溶剤としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコールエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤;n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン等の炭化水素系溶剤等が挙げられる。これら溶剤のうち、架橋剤(D)との反応性が低い又は反応性がないという観点から、t−ブタノール、t−アミルアルコール、ジアセトンアルコール等の3級アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が好ましい。これらの溶剤は1種又は2種以上が組み合わせて使用される。
<塗装物品>
次に、前述の防曇塗料組成物を用いて形成される塗装物品について説明する。該塗装物品は、防曇塗料組成物を被塗装物に塗布、乾燥し、次いで硬化して被塗装物上に塗膜が形成されたものである。塗膜の具体的な形成方法として、まず防曇塗料組成物を通常の塗料において行われる塗装方法により被塗装物に塗装する。この際、被塗装物に対する防曇塗料組成物の濡れ性を高め、はじきを防止する目的で、塗装前における被塗装物表面の付着異物除去や脱脂、洗浄を行うことが好ましい。具体的には高圧エアやイオン化エアによる除塵、洗剤水溶液又はアルコール溶剤による超音波洗浄、アルコール溶剤等を使用したワイピング、紫外線とオゾンによる洗浄等が挙げられる。
塗装後、30〜40℃の温度で1〜15分間塗膜中に含まれる溶剤を揮発乾燥させる。次いで、60〜150℃の温度で5〜180分間、望ましくは70〜130℃の温度で5〜120分間加熱硬化することによって塗膜が形成される。このとき、共重合体に含まれる単量体(C)の架橋性官能基である水酸基と架橋剤(D)の官能基であるイソシアネート基との付加反応(架橋反応)が起こり、共重合体に架橋構造が形成される。但し、被塗装物が合成樹脂材料である場合には、硬化温度を合成樹脂材料の熱変形温度以下に設定することが必要である。塗装方法としては浸漬法、フローコート法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法等が適している。
防曇塗料組成物によって被塗装物上に形成される塗膜の膜厚は、良好な防曇性と塗膜外観を得るために0.5〜20μmであることが好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。この膜厚が0.5μmより薄い場合には塗膜の防曇性が低下する傾向にあり、20μmを超える場合には塗膜外観が悪くなる傾向にある。
防曇塗料組成物が塗装される被塗装物は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明樹脂素材のフィルム、板材、成形品及びその加工品が好適に使用される。この被塗装物としては、車両灯具が特に好ましい。車両灯具として具体的には、前照灯、補助前照灯、車幅灯、番号灯、尾灯、駐車灯、制動灯、後退灯、方向指示器灯、補助方向指示器灯、非常点滅表示灯等が挙げられる。
<本実施形態の作用、効果のまとめ>
・ 本実施形態の防曇塗料組成物では、共重合体を形成する単量体(A)の性質に基づいて良好な防曇性と耐熱性が発現されると共に、単量体(B)の性質に基づいて良好な耐水性が発現される。また、界面活性剤(E)の界面活性作用によって良好な防曇性が発現される。加えて、共重合体を形成する単量体(C)の水酸基と架橋剤(D)のイソシアネート基とが速やかに付加反応し、架橋構造が形成され、未架橋の共重合体が減少する。
従って、防曇塗料組成物より得られる塗膜は良好な防曇性と耐熱性を発揮することができると共に、水垂れ跡等による外観不良の発生を抑制することができる。
・ 前記単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部中に、単量体(A)の含有量が50〜95質量部及び単量体(B)の含有量が50〜5質量部であり、かつ単量体(C)の含有量が単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部に対して3〜30質量部である。このため、単量体(A)に基づく機能を主体とし、単量体(B)に基づく機能をも発揮することができると共に、単量体(C)の含有量も十分であるため共重合体の架橋構造を架橋密度の高いものにすることができる。
・ 前記共重合体の質量平均分子量が30,000〜500,000であることにより、水垂れ跡がより目立ち難くなる上に、防曇塗料組成物の粘度が適切となって塗装が容易となるため、塗膜の外観を改善することができる。
・ 防曇塗料組成物の製造方法では、単量体(A)、単量体(B)の総量の70質量%以下、単量体(C)及び有機溶媒を仕込んだ反応容器中に、単量体(B)の総量の30質量%未満及びラジカル重合開始剤からなる混合液を滴下しながら共重合して共重合体を得た後、該共重合体に架橋剤(D)及び界面活性剤(E)を配合する。そのため、重合発熱を抑えることができ、工業的な製造をする上で重合反応の制御が容易になり、簡便かつ安定した状態で防曇塗料組成物を製造することができる。
・ 塗装物品は、前記防曇塗料組成物を被塗装物に塗布、乾燥し、次いで硬化して形成される。従って、塗装物品表面の塗膜は良好な防曇性と耐熱性を発揮することができると共に、水垂れ跡等の外観不良の発生を抑制することができる。
以下に、参考例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。参考例では、実施例及び比較例で使用した材料の製造方法を示す。
〔参考例1、共重合体溶液1の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのt−アミルアルコール200gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド96gと、単量体(C)としての2−ヒドロキシエチルアクリレート10gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.2gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてt−ブチルペルオキシピバレートの炭化水素希釈品〔日油(株)製の商品名:パーブチルPV〕0.36gをt−アミルアルコール30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、単量体(B)としてのメチルメタクリレート4gをt−アミルアルコール100gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液1を得た。
ガスクロマトグラフィー(以下、GCという)にて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという)にて共重合体の質量平均分子量を測定したところ276,000であった。この共重合体溶液の固形分は25.1質量%であった。
〔参考例2、共重合体溶液2の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのt−アミルアルコール200gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド80gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート5gと、単量体(C)としての4−ヒドロキシブチルアクリレート10gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.2gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV0.57gをt−アミルアルコール30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート15gをt−アミルアルコール100gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液2を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ233,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は25.2質量%であった。
〔参考例3、共重合体溶液3の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に有機溶媒としてのメチルイソブチルケトン170gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド45gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート35gと、単量体(C)としての2−ヒドロキシエチルアクリレート5gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.25gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV1.0gをメチルイソブチルケトン30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート20gをメチルイソブチルケトン45gに溶解させたものを4時間かけて滴下した。さらに5時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液3を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ199,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は30.2質量%であった。
〔参考例4、共重合体溶液4の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのt−アミルアルコール200gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド80gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート5gと、単量体(C)としての4−ヒドロキシブチルアクリレート2.5gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.2gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV0.57gをt−アミルアルコール30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート15gをt−アミルアルコール80gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液4を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ225,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は24.9質量%であった。
〔参考例5、共重合体溶液5の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのt−アミルアルコール275gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド80gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート5gと、単量体(C)としての2−ヒドロキシエチルアクリレート35gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.15gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV0.85gをt−アミルアルコール30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート15gとチオグリセロール0.1gをt−アミルアルコール100gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液5を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ280,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は25.3質量%であった。
〔参考例6、共重合体溶液6の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのt−アミルアルコール200gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド60g及び2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸10gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート10g及びn−ブチルアクリレート10gと、単量体(C)としての4−ヒドロキシブチルメタクリレート15gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.2gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV1.0gをt−アミルアルコール30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート10gとチオグリセロール0.4gをt−アミルアルコール40gに溶解させたものを4時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液6を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ98,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は30.0質量%であった。
〔参考例7、共重合体溶液7の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に有機溶媒としてのt−アミルアルコール200gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド60g及び2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート10gとブチルアクリレート10gと、単量体(C)としてのポリエチレングリコールモノアクリレート〔日油(株)製の商品名:ブレンマーAE−400〕20gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.2gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV1.0gをメチルイソブチルケトン30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート15gとチオグリセロール0.4gとをメチルイソブチルケトン50gに溶解させたものを4時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液7を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ405,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は30.0質量%であった。
〔参考例8、共重合体溶液8の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのメチルイソブチルケトン200gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド70gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート10g及びn−ブチルアクリレート10gと、単量体(C)としての4−ヒドロキシブチルメタクリレート20gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.9gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV2.1gをメチルイソブチルケトン30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート10gとチオグリセロール0.6gとをメチルイソブチルケトン50gに溶解させたものを4時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液8を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ29,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は30.1質量%であった。
〔参考例9、共重合体溶液9の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に有機溶媒としてのt−アミルアルコール170gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド60gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート15gとブチルアクリレート10gと、単量体(C)としての4−ヒドロキシブチルアクリレート10gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV0.7gをt−アミルアルコール30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、メチルメタクリレート15gをt−アミルアルコール130gに溶解させたものを4時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液9を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて質量平均分子量を測定したところ561,000であった。さらに、この共重合体溶液の固形分は25.0質量%であった。
〔参考例10、共重合体溶液10の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのメチルイソブチルケトン130gと、単量体(B)としてのメチルメタクリレート50gと、単量体(C)としての2−ヒドロキシエチルアクリレート10gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV0.7gをメチルイソブチルケトン30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、単量体(B)としてのメチルメタクリレート50gをメチルイソブチルケトン100gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液10を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて共重合体の質量平均分子量を測定したところ113,000であった。この共重合体溶液の固形分は29.9質量%であった。
〔参考例11、共重合体溶液11の製造〕
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び冷却管を備えた反応容器に、有機溶媒としてのt−アミルアルコール250gと、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド50gと、単量体(C)としての2−ヒドロキシエチルアクリレート10gと、連鎖移動剤としてのチオグリセロール0.1gとを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。そこへ、ラジカル重合開始剤としてパーブチルPV0.29gをt−アミルアルコール30gに溶解させたものを3時間かけて滴下した。同時に、単量体(A)としてのN,N−ジメチルアクリルアミド50gをt−アミルアルコール160gに溶解させたものを4時間かけて滴下した。さらに6時間重合を行った後、80℃に昇温し、その温度で1時間重合を行って共重合体溶液11を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて共重合体の質量平均分子量を測定したところ182,000であった。この共重合体溶液の固形分は20.2質量%であった。
〔参考例12、共重合体溶液12の製造〕
最初に反応容器に仕込むt−アミルアルコールの量を165gとし、単量体(C)としての4−ヒドロキシブチルメタクリレートを添加しない以外は参考例6と同様にして共重合体溶液12を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて共重合体の質量平均分子量を測定したところ95,000であった。この共重合体溶液の固形分は30.0%であった。
〔参考例13、共重合体溶液13の製造〕
単量体(C)としての4−ヒドロキシブチルメタクリレート15gをN−メチロールアクリルアミド15gに変更する以外は参考例6と同様にして共重合体溶液13を得た。GCにて仕込み単量体の重合転化率を測定したところ100%であった。また、GPCにて共重合体の質量平均分子量を測定したところ110,000であった。この共重合体溶液の固形分は30.0質量%であった。
以上の参考例1〜13で得られた共重合体溶液1〜13のビニル系単量体の仕込組成と重合結果を表1にまとめて示した。なお、表1における記号は、以下の意味を表している。
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド、AMPS:2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、MMA:メチルメタクリレート、BA:ブチルアクリレート、2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート、AE−400:ポリエチレングリコールモノアクリレート〔日油(株)製の商品名:ブレンマーAE−400〕、N−MAA:N−メチロールアクリルアミド、質量平均分子量:GPCで測定された質量平均分子量
Figure 2010150351
〔実施例1〕
(1)防曇塗料組成物の製造
参考例1で得られた共重合体溶液1を40gにt−アミルアルコール30g、ダイアセトンアルコール30gを加えて固形分を10質量%に調整し、架橋剤(D)としてヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体〔旭化成ケミカルズ(株)製の商品名:デュラネート24A−100〕を1.5g、界面活性剤(E)としてn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム〔日油(株)製の商品名:ニューレックスR(有効成分50%)〕0.6g、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル〔第一工業製薬(株)製の商品名:ノイゲンEA−140〕0.5g、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレート0.003g、レベリング剤としてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン〔ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名:BYK302〕0.02gを混合し、防曇塗料組成物を得た。
(2)塗膜試験片の作製
上記防曇塗料組成物をポリカーボネート樹脂板に硬化後の塗膜の膜厚が3μmとなるようにスプレーコート法にて塗装を行い、40℃で5分間乾燥を行った後、120℃で20分加熱硬化を行い、塗膜試験片を得た。
(3)塗膜性能の評価
上記塗膜試験片を使用して以下の方法によって塗膜性能の評価を行った。
(3−1)初期性能試験
(塗膜外観)
塗膜の外観について目視により次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:平滑である。○:わずかに平滑性が劣る。△:平滑性が劣る。×:平滑ではなくオレンジピール状(柚子肌状)である。
(密着性)
JIS K 5400 8.5.1に準拠し、塗膜の剥離の有無を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:全く剥離が認められない。○:わずかに剥離が認められる。△:一部に剥離が認められる。×:全て剥離している。
(呼気防曇性)
常温で呼気を吹きかけ、曇りの有無を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:全く曇らない。○:一瞬わずかに曇るがすぐに曇りが晴れる。△:わずかに曇る。×:はっきりと曇りが認められる。
(40℃スチーム防曇性)
40℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からのスチームを塗膜に連続照射し、照射から60分後の曇りの有無を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:曇りが全く認められない。○:曇りは認められないが、塗膜表面がわずかに荒れている。△:わずかに曇りが認められるか、又は曇りは認められないが塗膜表面が平滑ではなく荒れた状態である。×:はっきりと曇りが認められる。
(80℃スチーム防曇性)
80℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からのスチームを塗膜に連続照射し、照射から10秒後の曇りの有無を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:曇りが全く認められない。○:曇りは認められないが、塗膜表面がわずかに荒れている。△:わずかに曇りが認められるか、又は曇りは認められないが塗膜表面が平滑ではなく荒れた状態である。×:はっきりと曇りが認められる。
(水垂れ跡)
80℃に保った温水浴の水面から5cmの高さの所に、試験片を塗膜面が下になるように設置し、温水浴からのスチームを塗膜に10秒間連続照射した後、試験片を垂直に立てた状態で室温にて1時間乾燥させた。乾燥後に水垂れ跡の有無を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:水垂れ跡が認められない。○:水垂れ跡は認められないが、わずかに塗膜表面が荒れた状態である。△:わずかに水垂れ跡が認められる、又は塗膜表面が荒れた状態である。×:はっきりと水垂れ跡が認められる。
(3−2)耐水性試験
上記塗膜試験片を40℃温水に240時間浸漬し、室温にて1時間乾燥した後の塗膜外観を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:試験前と外観に変化がない。○:わずかに塗膜表面が荒れている。△:塗膜表面が荒れているか、又はわずかに白化やシミが認められる。×:塗膜の一部又は全部が溶解している、又ははっきりと白化やシミが認められる。
また、試験後の密着性と呼気防曇性を上記初期性能試験と同様にして評価した。
(3−3)耐熱性
上記塗膜試験片を130℃雰囲気下に240時間放置し、室温にて1時間冷却した後の塗膜外観を目視によって次の4段階で評価した。なお、評価が△以上であれば実用上問題なく、○であればより好ましく、◎であれば非常に好ましい。
◎:試験前と外観に変化がない。○:わずかに塗膜表面が荒れている。△:塗膜表面が荒れている、又はわずかに白化や黄変、亀裂が認められる。×:はっきりと白化や黄変、亀裂が認められる。
また、試験後の密着性と呼気防曇性を上記初期性能試験と同様にして評価した。
実施例1における防曇塗料組成物の組成と塗膜性能の評価結果を表2に示した。
〔実施例2〜9及び比較例1〜6〕
実施例2〜9及び比較例1〜6の防曇塗料組成物を原料の種類、含有量及び被塗装物の種類と硬化条件を変えること以外は、実施例1に準じた方法で製造し、塗膜試験片を作製して塗膜性能の評価を行った。それぞれの防曇塗料組成物の原料の種類、含有量及び被塗装物の種類と硬化条件及び塗膜性能の評価結果を表2及び表3に示した。なお、表2及び表3における記号は次の意味を表している。
24A−100:ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体〔旭化成ケミカルズ(株)製の商品名:デュラネート24A−100〕、TPA−100ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体〔旭化成ケミカルズ(株)製の商品名:デュラネートTPA−100〕、ニューレックスR:n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム〔日油(株)製の商品名:ニューレックスR(有効成分50質量%)〕、ラピゾールA−80:ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム〔日油(株)製の商品名:ラピゾールA−80(有効成分80質量%)〕、ノイゲンEA−140:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル〔第一工業製薬(株)製の商品名:ノイゲンEA−140〕サーフロンS−131:パーフルオロアルキルベタイン〔AGCセイミケミカル(株)製の商品名:サーフロンS−131(有効成分30質量%)〕、DBTDL:ジブチル錫ジラウレート、SA1:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7のフェノール塩〔サンアプロ(株)製の商品名:U−CAT SA1〕、PTS:p−トルエンスルホン酸、PC:ポリカーボネート樹脂板、PMMA:ポリメタクリル酸メチル樹脂板。
Figure 2010150351
Figure 2010150351
表2及び表3に示されるように、実施例1〜9の防曇塗料組成物から形成された塗膜は、優れた防曇性を有しており、曇りや水垂れ跡の発生による外観不良が抑制されているうえ、良好な耐水性と耐熱性を兼ね備えていた。それに対し、防曇塗料組成物の共重合体に単量体(A)が含有されていない場合(比較例1)には、塗膜の親水性が低下するため防曇性が低かった。単量体(B)が含有されていない場合(比較例2)には、共重合体の親水性が高くなり過ぎて、水垂れ跡が生ずると共に、耐水性が不良であった。単量体(C)が含有されていない場合(比較例3)や架橋剤(D)が含有されていない場合(比較例4)には、共重合体が架橋されず、水垂れ跡が生ずると共に、耐水性が著しく不良であった。また、防曇塗料組成物に界面活性剤(E)が含有されていない場合(比較例5)には、塗膜の防曇性が大きく低下した。さらに、単量体(C)としてN−メチロールを用い、p−トルエンスルホン酸を硬化触媒としてメチロール基の縮合反応によって共重合体を架橋した場合(比較例6)には、未架橋の共重合体が多く存在するために、はっきりと水垂れ跡が認められた。
〔実施例10〜13〕
実施例2、6又は7の防曇塗料組成物につき、実際に自動車の前照灯のレンズ内面にスプレーコート法又はフローコート法で塗装を行い、40℃で5分間乾燥を行った後、120℃で20分加熱硬化を行い、表4に示す膜厚を有する塗膜を形成させた。得られた塗膜の外観を前記塗膜外観の評価方法と同様にして評価した。
さらに、この塗膜を形成させたレンズを灯具に組み込み、実際の自動車に取り付けた。この自動車を実際に1年間使用して実使用環境下における試験を行った。この試験期間において、環境温度は60〜140℃まで上昇した。試験期間中にレンズ内面に曇りや水垂れ跡がないかを目視にて評価した。レンズ内面の曇りについては前記40℃スチーム防曇性の評価基準と同じ4段階にて評価し、水垂れ跡については前記水垂れ跡の評価基準と同じ4段階にて評価を行った。表4にそれらの評価結果をまとめて示した。
〔比較例7及び8〕
比較例7及び8では、比較例6の防曇塗料組成物を使用し、自動車の前照灯のレンズ内面にスプレーコート法又はフローコート法で塗装を行い、40℃で5分間乾燥を行った後、120℃で20分加熱硬化を行い、表5に示す膜厚を有する塗膜を形成させた。得られた塗膜の外観の評価と1年間の実使用環境下における試験を実施例10と同様にして行った。表5にそれらの評価結果をまとめて示した。
〔比較例9〕
この比較例9では、防曇塗装を行っていない前照灯レンズを使用して実施例10と同様の試験を行った。そして、表5に評価結果をまとめて示した。
Figure 2010150351
Figure 2010150351
表4において、実施例10〜13の前照灯レンズ内面に形成した塗膜は良好な塗膜外観を有しており、実使用環境下において曇りや水垂れ跡などの外観不良が抑制されるという結果が得られた。従って、実施例10〜13の塗膜は、車両灯具のレンズ内面に極めて長期に防曇性を付与することができ、格別有用であることが確認された。
一方、比較例7及び8では、防曇塗料組成物に含まれる共重合体のうち、未架橋の成分が多く存在するために、実使用環境下においてレンズ内面に水膜が形成され、この水膜から水が流れ落ちて水垂れが発生し、水垂れが乾燥した後に未架橋の共重合体に由来する水垂れ跡がはっきりとみられた。比較例9では、実使用環境化においてレンズ内面に曇りが発生し、車両灯具として不適当であった。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 防曇塗料組成物を構成する共重合体として、単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)の組成が異なる共重合体や質量平均分子量の異なる共重合体を複数混合して使用することもできる。
・ 防曇塗料組成物を塗装し、室温で1〜7日間静置することによっても単量体(C)の水酸基と架橋剤(D)のイソシアネート基に基づく架橋反応が進行し、架橋構造を有する塗膜を得ることも可能である。
・ 被塗装物として、金属、セラミック、ガラス、木材等を用いることもできる。具体的には、窓ガラス、レンズ、ミラー等に貼着される防曇シート、計器カバー等が挙げられる。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
・ 前記単量体(A)がN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド系単量体を主成分とする単量体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれか1項に係る発明の効果に加えて、被塗装物への塗膜の密着性を向上させることができると共に、塗膜の耐熱性を高めることができる。
・ 前記単量体(B)が(メタ)アクリレート系単量体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、得られる塗膜の硬度を高めることができると共に、被塗装物に対する塗膜の密着性を向上させることができる。
・ 前記単量体(C)が一級の水酸基を有するビニル系単量体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、架橋反応の効率を高めることができるため未架橋成分が減少し、塗膜表面における水垂れ跡の発生を抑制することができる。
・ 前記共重合体はランダム共重合体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果を向上させることができると共に、防曇塗料組成物を容易に調製することができる。
・ 前記被塗装物が車両灯具であることを特徴とする請求項5に記載の塗装物品。このように構成した場合、車両灯具について請求項5に係る発明の効果を有効に発揮させることができる。

Claims (5)

  1. 下記に示す単量体(A)、単量体(B)及び単量体(C)を含む単量体から形成される共重合体と、該共重合体中の単量体(C)に基づく水酸基と反応して架橋構造を形成するためのイソシアネート基を有する架橋剤(D)と、界面活性剤(E)とを含有することを特徴とする防曇塗料組成物。
    単量体(A):非架橋性の水溶性ビニル系単量体
    単量体(B):非架橋性の非水溶性ビニル系単量体
    単量体(C):単量体(A)及び単量体(B)以外であって水酸基を有するビニル系単量体
  2. 単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部中に、単量体(A)の含有量が50〜95質量部及び単量体(B)の含有量が50〜5質量部であり、かつ単量体(C)の含有量が単量体(A)及び単量体(B)の合計100質量部に対して3〜30質量部であることを特徴とする請求項1に記載の防曇塗料組成物。
  3. 前記共重合体の質量平均分子量が30,000〜500,000であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防曇塗料組成物。
  4. 前記単量体(A)、単量体(B)の総量の70質量%以下、単量体(C)及び有機溶媒を仕込んだ反応容器中に、単量体(B)の総量の30質量%未満及びラジカル重合開始剤からなる混合液を滴下しながら共重合して共重合体を得た後、該共重合体に架橋剤(D)及び界面活性剤(E)を配合することを特徴とする請求項1に記載の防曇塗料組成物の製造方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防曇塗料組成物を被塗装物に塗布、乾燥し、次いで硬化して形成されることを特徴とする塗装物品。
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