JP2015028096A - 塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貯蔵安定性が良好で、かつ屋外暴露時において耐汚染性を維持でき、さらに加工性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物を提供すること。【解決手段】1.水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)、及びアニオン性界面活性剤(c)を含む塗料組成物であって、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、アニオン性界面活性剤(c)を1〜20質量部含有する塗料組成物。2.水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)を60〜95質量部、架橋剤(b)を5〜40質量部の割合で含有する1項に記載の塗料組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、貯蔵安定性が良好で、かつ屋外暴露時において長期間にわたって耐汚染性を維持でき、さらに塗膜硬度、加工性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物に関する。
従来、屋外の基材(例えば建造物、表示物、ガードフェンス、器具、機械等)には、装飾又は保護を目的として耐候性に優れた屋外用塗料が塗装されている。屋外用として使用されている塗料としては、ポリウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、シリコン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ポリエステル系塗料などが例示されるが、これらの塗装物は屋外に曝されることにより、煤煙、砂塵、鉄粉、雨(酸性雨)、太陽光線等の影響によって塗装物表面が汚れ易くなり耐汚染性が低下するという欠点がある。
従来から、(A)ポリオール樹脂、(B)アミノ樹脂、(C)アルコキシシラン化合物、(D)硬化触媒からなり、雨水等に対する耐汚染性、加工性に優れたプレコート鋼板用塗料組成物が開示されている(特許文献1)。
また、水酸基含有塗膜形成性樹脂とアミノ樹脂架橋剤100質量部に対して、オルガノシリケート及び/又はその縮合物、ホウ酸系化合物、無処理シリカ微粒子、及び着色顔料を含有し、雨水等に対して耐汚染性に優れた塗膜を形成できる塗料組成物が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の塗料組成物は、その組成中のアルコキシシラン化合物やオルガノシリケートが塗料組成物の貯蔵安定性に悪影響を与える場合があった。さらに該塗料組成物を塗装して得られた塗膜は、耐汚染性の持続が不十分であり、特にシリカ等の艶消し剤等を添加した半艶塗膜においては、屋外暴露により耐汚染性の低下が著しかった。
特開平10−67945号公報 特開2008−81719号公報
本発明が解決しようとする課題は、貯蔵安定性が良好で、かつ屋外暴露時において長期間にわたって耐汚染性を維持でき、さらに塗膜硬度、加工性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)、及びアニオン性界面活性剤(c)を含む塗料組成物であって、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、アニオン性界面活性剤(c)を1〜20質量部含有する塗料組成物によって課題を達成できることを見出した。
即ち、本発明は、
「1.水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)、及びアニオン性界面活性剤(c)を含む塗料組成物であって、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、アニオン性界面活性剤(c)を1〜20質量部含有する塗料組成物、
2.水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)を60〜95質量部、架橋剤(b)を5〜40質量部の割合で含有する1項に記載の塗料組成物、
3.水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)が、アミノ基含有ポリエステル樹脂及び/又はアミノ基含有アクリル樹脂である1項又は2項に記載の塗料組成物、
4.アニオン性界面活性剤(c)が、アルキルスルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤である1〜3項のいずれか1項に記載の塗料組成物、
5.尿素樹脂粒子(d)を、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して1〜50質量部含有する1〜4項のいずれか1項に記載の塗料組成物、
6.金属板上の片面又は両面上に、プライマー塗膜を形成し、プライマー塗膜の少なくとも片面上に1〜5項のいずれか1項に記載の塗料組成物による塗膜を形成してなることを特徴とする塗膜形成方法、
7.6項に記載の塗膜形成方法によって得られた塗装金属板」、に関する。
本発明は、貯蔵安定性が良好な塗料組成物であって、該塗料組成物を塗装して得られた塗膜は、屋外暴露時において長期間にわたって耐汚染性を維持でき、さらに塗膜硬度、加工性に優れている。
本発明の塗料組成物は、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)、及びアニオン性界面活性剤(c)を含む塗料組成物であって、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、アニオン性界面活性剤(c)、必要に応じて、尿素樹脂粒子(d)を含む塗料組成物である。以下、詳細に説明する。
[水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)]
水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)は、分子中にアミノ基及び水酸基を有する樹脂である。アミノ基としては、1級、2級、3級のアミノ基のいずれであってもよい。樹脂種としては、例えば、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。特に、これらの中でも、塗料安定性、加工性、耐食性、耐候性の面から、水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂、水酸基及びアミノ基を含有するアクリル樹脂を用いることが好ましい。
水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂
水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、下記の方法(1)、方法(2)及び方法(3)が挙げられる。以下、「水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂」を「アミノ基含有ポリエステル樹脂」と称することがある。
方法(1):酸成分(a1)及び/又はアルコール成分(a2)の一部としてアミノ基含有化合物を用いて、酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)のエステル化反応又はエステル交換反応によって、水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂を得る方法。
方法(2):酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)とのエステル化反応又はエステル交換反応によって得たポリエステル樹脂と、ポリイソシアネート化合物とモノヒドロキシ3級アミンとを反応させて得た生成物とを反応させて、水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂を得る方法。
方法(3):アミノ基含有ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸及び無水イタコン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸成分を含む酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)とのエステル化反応によって得た不飽和基含有ポリエステル樹脂と、1級及び/又は2級のアミノ基含有化合物とのマイケル付加反応によって、水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂を得る方法。
酸成分(a1)
上記酸成分(a1)としては、ポリエステル樹脂の製造に際して多塩基酸成分として通常使用される化合物を使用することができ、例えば、脂環族多塩基酸成分、脂肪族多塩基酸成分、芳香族多塩基酸成分等を使用することができる。
脂環族多塩基酸成分は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。該脂環族多塩基酸成分としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;これら脂環族多価カルボン酸の無水物;これら脂環族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂環族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
脂肪族多塩基酸成分は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物であって、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;これら脂肪族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂肪族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族多塩基酸成分としては、炭素数4〜18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸を使用することが好ましい。上記炭素数4〜18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等が挙げられ、なかでもアジピン酸を好適に使用することができる。
芳香族多塩基酸成分は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物のエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;これら芳香族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。また、安息香酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリル酸、ジメチロールブタン酸などのモノカルボン酸も使用できる。
他に、リシン、グリシン、アラニン等のアミノ酸;3−アミノフタル酸、3−ジメチルアミノ安息香酸、4−メチルアミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸等の芳香族アミノカルボン酸などのアミノ基含有酸化合物も使用できる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アミノ基含有酸化合物の使用により、ポリエステル樹脂中にアミノ基を導入することができる。
アルコール成分(a2)
アルコール成分(a2)としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコールとしては、例えば、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオール等を挙げることができる。
脂環族ジオールは、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個の水酸基を有する化合物である。該脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
脂肪族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物である。
該脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
芳香族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物である。該芳香族ジオールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
前記脂環族ジオール、脂肪族ジオール及び芳香族ジオール以外のアルコール成分(a2)として使用できる多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物等が挙げられる。
また、上記アルコール成分(a2)として、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル(商品名「カージュラE10」HEXION Specialty Chemicals社製)等のモノエポキシ化合物と酸とを反応させて得られたアルコール化合物等も必要に応じて使用することができる。
また、上記アルコール成分(a2)として、例えば、モノエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、N−オクチルグルカミン、ジエタノールアミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、3−メチルアミン−1,2−プロパンジオール、3−tert−ブチルアミノ−1,2−プロパンジオール等のアミノ基含有アルコール化合物を必要に応じて使用することができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アミノ基含有アルコール化合物を使用することによって、ポリエステル樹脂中にアミノ基を導入することができる。
アミノ基含有ポリエステル樹脂の製造について
アミノ基含有ポリエステル樹脂は、酸成分(a1)及び/又はアルコール成分(a2)の一部としてアミノ基含有化合物(a3)を含有させて、前記酸成分(a1)と前記アルコール成分(a2)とを窒素気流中、150〜250℃で5〜10時間反応させて、エステル化反応又はエステル交換反応により製造することができる。・・・方法(1)
なお、上記アミノ基含有化合物(a3)として、前記アミノ基含有酸化合物及び前記アミノ基含有アルコール化合物を挙げることができる。
前記、エステル化反応又はエステル交換反応では、上記酸成分及びアルコール成分を一度に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。また、はじめにカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を用いて、該ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部をエステル化してもよい。さらに、はじめにポリエステル樹脂を合成した後、酸無水物を反応させて、ポリエステル樹脂をハーフエステル化させてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるために、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の既知の触媒を使用することができる。
また、アミノ基含有ポリエステル樹脂は、該樹脂の調製中、もしくはエステル化反応後又はエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、モノエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性することができる。
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができる。油脂は、例えば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等が挙げられる。
上記変性に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビゥレット型付加物等を挙げることができる。これらは、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
また、アミノ基含有ポリエステル樹脂は、前記酸成分(a1)及び前記アルコール成分(a2)とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造したポリエステル樹脂と、ポリイソシアネート化合物とモノヒドロキシ3級アミンとを反応させて得た3級アミノ基含有ポリイソシアネート化合物とを反応させて、アミノ基含有ポリエステル樹脂を得ることができる。・・・方法(2)
上記のポリエステル樹脂は、通常、適当な有機溶媒中で、約150〜約250℃、好ましくは約160〜約230℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度、エステル化反応又はエステル交換反応によって得ることができる。
上記モノヒドロキシ3級アミンと反応させるポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類が挙げられる。上記モノヒドロキシ3級アミンは、例えば、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどのジアルキルアルカノールアミンなどが好適に用いられる。上記のポリイソシアネート化合物とモノヒドロキシ3級アミンの反応によって、3級アミノ基含有ポリイソシアネート化合物を生成することができる。
ポリイソシアネート化合物とモノヒドロキシ3級アミンとの反応は、通常、適当な有機溶媒中で、約40〜約110℃、好ましくは約50〜約100℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは2〜5時間程度で行なうことができる。なおポリイソシアネート化合物とモノヒドロキシ3級アミンの配合割合は、ポリイソシアネート化合物/モノヒドロキシ3級アミン(モル比)=1/1〜1/1.3、好ましくは1/1〜1/1.2の範囲が塗料安定性の面からも望ましい。
前記ポリエステル樹脂と3級アミノ基含有ポリイソシアネート化合物との反応は、通常、適当な有機溶媒中で、約80〜約200℃、好ましくは約110〜約180℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度で行なうことによって得ることができる。
また、アミノ基含有ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸及び無水イタコン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸成分を含む酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)とのエステル化反応によって得た不飽和基含有ポリエステル樹脂と、1級及び/又は2級のアミノ基含有化合物とのマイケル付加反応によって、アミノ基含有ポリエステル樹脂を得ることができる。・・・方法(3)
上記不飽和基含有ポリエステル樹脂は、通常、適当な有機溶媒中で、約150〜250℃、好ましくは約160〜230℃の温度で1〜5時間程度でエステル化反応またはエステル交換反応により得ることができる。
上記不飽和基含有ポリエステル樹脂と、1級及び/又は2級のアミノ基含有化合物とのマイケル付加反応は、通常、適当な有機溶媒中で、約40〜150℃の温度で1時間〜5時間程度行うことによって、水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂を得ることができる。
上記1級及び/又は2級のアミノ基含有化合物としては、例えば、ブチルアミン、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン等の公知の化合物を挙げることができる。上記不飽和基含有ポリエステル樹脂に含まれる不飽和基と、1級及び/又は2級のアミノ基含有化合物との配合割合(モル比)は2/1〜0.5/1、さらに1.3/1〜0.9/1の範囲が未反応の1級及び/又は2級のアミノ基含有化合物を少なくする観点から好ましい。
本発明の塗料組成物に使用するアミノ基含有ポリエステル樹脂は、アミン価は、1〜100mgKOH/g、好ましくは5〜30mgKOH/gであり、水酸基価は、10〜250mgKOH/g、好ましくは30〜200mgKOH/gであって、数平均分子量は1,000〜20,000、好ましくは2,000〜8,000であることが、貯蔵安定性、加工性、耐汚染性の点から好ましい。
なお、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した数平均分子量及び重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
水酸基及びアミノ基を含有するアクリル樹脂
本発明の塗料組成物には、要求される塗膜性能に応じて、水酸基及びアミノ基を含有するアクリル樹脂を使用することができる。水酸基及びアミノ基を含有するアクリル樹脂
の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、下記の方法(1)〜(3)が挙げられる。以下、「水酸基及びアミノ基を含有するアクリル樹脂」を「アミノ基含有アクリル樹脂」と称することがある。
方法(1):水酸基含有重合性不飽和モノマー、アミノ基含有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーの混合物を、例えば、窒素等の不活性ガスの存在下で、約50℃〜約300℃、好ましくは約60℃〜250℃に保持された有機溶剤中で、約1時間〜約24時間、好ましくは約2時間〜約10時間、ラジカル共重合することによって、アミノ基含有アクリル樹脂を得ることができる。
方法(2):水酸基含有重合性不飽和モノマー、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー
及びその他の重合性不飽和モノマーを、例えば、窒素等の不活性ガスの存在下で、約50℃〜約300℃、好ましくは約60℃〜250℃に保持された有機溶剤中で、約1時間〜約24時間、好ましくは約2時間〜約10時間、ラジカル共重合によってアクリル樹脂を得て、次いで該アクリル樹脂のエポキシ基に、1級または2級アミノ基を含有する化合物
を反応させてアミノ基含有アクリル樹脂を得ることができる。
方法(3):水酸基含有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーを、例えば、窒素等の不活性ガスの存在下で、約50℃〜約300℃、好ましくは約60℃〜250℃に保持された有機溶剤中で、約1時間〜約24時間、好ましくは約2時間〜約10時間、ラジカル共重合によってアクリル樹脂を得て、次いで該アクリル樹脂の水酸基に、ポリイソシアネート化合物とモノヒドロキシ3級アミンとを反応させて得た生成物を反応させてアミノ基含有アクリル樹脂を得ることができる。
前記、水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜20のグリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加生成物(例えばダイセル株式会社製の商品名としてプラクセルFA−2、及びFM−3)、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミドのN−置換されていてもよい(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
アミノ基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有(メタ)アクリルアミド化合物等のアミノ基含有アミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー等を挙げることができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーやアミノ基含有重合性不飽和モノマー以外のその他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステル、(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、窒素原子含有複素環を有する重合性不飽和モノマー、N−置換されていてもよい(メタ)アクリルアミド化合物、1分子中にイソシアネート基及び重合性不飽和基を併存するモノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル等を使用することができる。
上記(メタ)アクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステルとしては、例えば、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。エポキシ基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸、及びこれらの無水物やハーフエステル化物等が挙げられる。
窒素原子含有複素環を有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ビニル−3−ピロリドン等のビニルピロピドン化合物、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等のビニルピリジン化合物、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール等のビニルイミダゾール化合物、2−ビニルキノリン等のビニルキノリン化合物、3−ビニルピペリジン、N−メチル−3−ビニルピペリジン等のビニルピペリジン化合物、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリンのモルホリン化合物等を挙げることができる。
N−置換されていてもよい(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドブチルエーテル、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチル,N−エチルアクリルアミド、N−メチル,N−エチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドプロピルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドプロピルエーテル、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドブチルエーテル等を挙げることができる。なお、N−置換されていてもよい(メタ)アクリルアミド化合物は、アミノ基を有しないモノマーである。これらのモノマーは、それぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。上記その他の重合性不飽和モノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の塗料組成物に用いるアミノ基含有アクリル樹脂のアミン価は、1〜100mgKOH/g、好ましくは5〜50mgKOH/gであり、水酸基価は、10〜250mgKOH/g、好ましくは30〜200mgKOH/gであって、数平均分子量は、1,000〜100,000の範囲内、好ましくは、2,000〜30,000範囲内であることが、塗料安定性、加工性の面から好ましい。
[架橋剤(b)]
本発明の塗料組成物における架橋剤(b)は、加熱により水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)中の水酸基と反応して硬化させることができるものであれば、特に制限なく使用することができ、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂及びブロック化ポリイソシアネート等を挙げることができる。
上記メラミン樹脂としては、メチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂が挙げられる。
メラミン樹脂の市販品としては、例えばサイメル202、サイメル232、サイメル235、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267、サイメル272、サイメル285、サイメル301、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル701、サイメル703、サイメル1141(以上、日本サイテックインダストリーズ社製)、ユーバン20SE60(三井サイテック株式会社製)等が挙げられる。
ベンゾグアナミン樹脂は、ベンゾグアナミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化ベンゾグアナミン樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。また、このメチロール化ベンゾグアナミン樹脂を1種又は2種以上のアルコールによってエーテル化したものも上記ベンゾグアナミン樹脂に包含される。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等の1価アルコールが挙げられる。これらのうち、なかでもメチロール化ベンゾグアナミン樹脂のメチロール基の少なくとも一部を炭素数1〜4の1価アルコールでエーテル化してなるベンゾグアナミン樹脂が好適である。
上記ベンゾグアナミン樹脂の具体例としては、例えば、マイコート102、マイコート105、マイコート106[以上、いずれも三井サイテック社製]、ニカラックSB−201、ニカラックSB−203、ニカラックSB−301、ニカラックSB−303、ニカラックSB−401[以上、いずれも三和ケミカル社製]などのメチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂;サイメル1123[以上、三井サイテック社製]などのメチルエーテルとエチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂;マイコート136[以上、三井サイテック社製]、ニカラックSB−255、ニカラックSB−355、ニカラックBX−37、ニカラックBX−4000[以上、いずれも三和ケミカル社製]などのメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂;マイコート1128[以上、三井サイテック社製]などのブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂などを挙げることができる。
尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの縮合反応で得られ、溶剤又は水に溶解又は分散できる。ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びシクロペンタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;該ポリイソシアネートのビユーレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物;これらのポリイソシアネートと低分子量もしくは高分子量のポリオール化合物(例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなど)とをイソシアネート基過剰で反応させてなる遊離イソシアネート基含有プレポリマーなどが挙げられる。さらに、これらのポリイソシアネート化合物の遊離イソシアネート基をフェノール化合物、オキシム化合物、活性メチレン化合物、ラクタム化合物、アルコール化合物、メルカプタン化合物、酸アミド系化合物、イミド系化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、カルバミン酸系化合物、イミン系化合物などのブロック剤で封鎖したブロックポリイソシアネートも使用することができる。
なお水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)との混合割合としては、両者の固形分合計100質量部に基づき、固形分量で水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)60〜95質量部、好ましくは70〜90質量部、架橋剤(b)5〜40質量部、好ましくは10〜30質量部であることが、下地素材との付着性、硬化性、加工性の点から好適である。
[アニオン性界面活性剤(c)]
本発明の塗料組成物は、アニオン性界面活性剤(c)が存在することによって、塗膜
表面に固着した汚染物質の洗浄性を高めることができる。アニオン系界面活性剤(c)としては、例えば、スルホン酸基又はスルホン酸塩基を含有するアニオン性界面活性剤(c1)、脂肪酸塩型のアニオン性界面活性剤、及びその他のアニオン性界面活性剤が挙げ
られる。
スルホン酸基又はスルホン酸塩基を含有するアニオン性界面活性剤(c1)は、例えば、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルアミンオキサイドビストリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、イソデシルスルホコハク酸ジナトリウム、N−オクタデシルスルホコハク酸アミドジナトリウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸アミドテトラナトリウム等のスルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸系のアニオン性界面活性剤;ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩等のポリオキシアルキレン基を有する硫酸エステルアンモニウム塩系のアニオン性界面活性剤;モノ又はジドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等が挙げられる。これらのスルホン酸基又はスルホン酸塩基を含有するアニオン性界面活性剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪酸塩型のアニオン性界面活性剤としては、高級脂肪酸カリウム塩が挙げられる。その他のアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、特殊陰イオン配合型、ポリアクリル酸Na塩などが挙げられる。上記のアニオン性界面活性剤(c)の中でも、好ましくはスルホン酸基又はスルホン酸塩基を含有するアニオン性界面活性剤(c1)、特に好ましくは下記一般式(1)で表される構造式のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩が、耐汚染性の向上の為によい。
Figure 2015028096
式(1)
(式中のR、Rは、それぞれ同一又は異なって炭素数1〜15のアルキル基を表す)
なお、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤(c1)の市販品としては、ラピゾールA80(日本油脂(株))、AEROSOL TR−70、AEROSOL TR−601、OT−75、AEROSOL OT−100、AEROSOL WA−300、AEROSOL AY−100(以上、サイテック社)、ペレックスOT−P、ペレックスTR、ペレックスCS、ペレックスTA(以上、花王社製);ニューコール290−A、ニューコール290−M、ニューコール291−M、ニューコール291−PG、ニューコール291−GL、ニューコール292−PG、ニューコール293(以上、日本乳化剤社製)、ネオコールSW−C、ネオコールYSK、ネオコールP(以上、第一工業製薬(株)製)が挙げられる。
なお、アニオン性界面活性剤(c)の配合量は、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、アニオン性界面活性剤(c)を1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部であることが、耐汚染性、塗膜硬度、加工性に優れた塗膜を得ることができる点から好適である。
[尿素樹脂粒子(d)]
本発明の塗料組成物は、必要に応じて、尿素樹脂粒子(d)を配合することによって塗膜の光沢を低下させることができ、例えば60度鏡面光沢度が1〜65、好ましくは60度鏡面光沢度が5〜55の艶消塗膜を得ることができる。上記尿素樹脂粒子(d)は、尿素とアルデヒド成分との縮合反応により得られた樹脂を粉砕処理した粉末状のもので、平均粒子径1〜10μm、好ましくは2〜8μmのものが適している。上記平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置(商品名「MT3300」、日機装社製)を使用し、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)の値である。
アルデヒド成分としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が使用可能である。この中でもホルムアルデヒドを用いた場合、縮合反応が進み易く好都合である。尿素樹脂粒子(d)の市販品としては、パーゴパックM3、パーゴパックM4、パーゴパックM5(以上、ロンザジャパン社製、商品名)、SOOFINE JJ POWDER(杭州精彩化工社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の塗料組成物に、必要に応じて配合される尿素樹脂粒子(d)は、艶消し塗膜とする場合に、所望の艶消塗膜の度合に応じて配合され、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して通常、尿素樹脂粒子(d)量が1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部、さらに好ましくは3〜15質量部の範囲内であることが、塗料安定性、艶消塗膜を得る面から望ましい。
また、本発明の塗料組成物には、必要に応じて、潤滑性付与剤、着色顔料、体質顔料などの顔料、硬化触媒、顔料分散剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、消泡剤、表面調整剤、脱水剤、界面活性剤等の塗料添加剤、シリカ微粉末等の艶消し剤、有機溶剤等、その他の樹脂、従来から塗料に使用されている公知の材料も使用できる。
上記潤滑性付与剤としては、塗面外観を劣化させず、塗膜表面に滑り性を付与することができるものであれば、従来、塗料分野で既知の潤滑剤を使用することができ、代表例として、例えば、ポリエチレンワックスなどのポリオレフィンワックス;ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイル;マイクロクリスタリンワックスなどパラフィンワックス;モンタンワックス、ラノリンワックス、カルナウバワックス、蜜ロウ、鯨ロウなどの脂肪酸エステルワックス、四フッ化エチレンなどのフッ素系ワックスを挙げることができる。
上記顔料としては、具体的には、チタン白、亜鉛華などの白色顔料;シアニンブルー、インダスレンブルーなどの青色顔料;シアニングリーン、緑青などの緑色顔料;アゾ系やキナクリドン系などの有機赤色顔料、ベンガラなどの無機赤色顔料;ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、イソインドリン系及びキノフタロン系などの有機黄色顔料、チタンイエロー、黄鉛、黄色酸化鉄などの無機黄色顔料;カーボンブラック、黒鉛、松煙などの黒色顔料等の着色顔料;クレー、タルク、バリタ、炭酸カルシウム等の体質顔料;トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、五酸化バナジウムなどの防錆顔料;を挙げることができる。
上記硬化触媒は、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)との反応を促進するために必要に応じて配合されるものであり、架橋剤(b)がアミノ樹脂である場合には、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。
上記スルホン酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであってもよい。これらのうち、塗料安定性、反応促進効果、得られる塗膜物性などの点から、p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好適である。
架橋剤(b)が、ブロック化ポリイソシアネート化合物である場合には、硬化触媒としては、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリオクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物を挙げることできる。
硬化触媒量は、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計量100質量部に対して、0.1〜5.0質量部、好ましくは0.2〜1.5質量部が適している。
本発明の塗料組成物は、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)、アニオン性界面活性剤(c)、及び必要に応じて、尿素樹脂粒子(d)、上記その他の成分を均一に混合して得ることができる。
本発明の塗膜形成方法 本発明の塗料組成物を塗装するに際しては、フォードカップNo.4(20℃)で10〜100秒間の範囲の粘度が得られるように調整することが好ましい。本発明の塗料組成物を用いた塗膜形成方法は、金属板上の片面又は両面上に、プライマー塗膜を形成し、プライマー塗膜の少なくとも片面上に、塗料組成物による上塗塗膜を形成することを特徴とする。
詳細には、被塗物である金属板は、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金亜鉛メッキ鋼板(鉄−亜鉛、アルミニウム−亜鉛、ニッケル−亜鉛などの合金亜鉛メッキ鋼板)、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等が挙げられる。
金属板に塗装する場合に被塗装材である金属表面が油等汚染物質で汚染されていなければそのまま塗装してもかまわないが、塗膜との間の付着性、耐食性を改善するために公知の金属表面処理を施すのが望ましい。これら公知の表面処理方法としてリン酸塩系表面処理、クロム酸塩系表面処理、ジルコニウム系表面処理などが挙げられる。
金属板上にプライマー塗膜を形成するプライマーとしては、着色カラー鋼板塗装分野、産業用機械塗装分野、金属部品塗装分野等で用いられる公知のプライマーを適用することができる。環境保護の観点から、クロム系防錆成分を含有しないクロムフリープライマー塗料を使用することが好ましい。
クロムフリープライマー塗料は、被塗装材の種類、金属表面処理の種類によって適宜選択されるが、特にエポキシ系、ポリエステル系プライマー塗料及びそれらの変性プライマー塗料が好適であり、加工性が特に要求される場合はポリエステル系プライマー塗料が好適である。プライマー塗料は、プライマー塗膜厚が、1〜30μm、好ましくは2〜20μmとなるようにロール塗装、スプレー塗装等公知の塗装方法により塗装され、通常、雰囲気温度80〜300℃の温度で5秒間〜1時間程度、コイルコート塗装する場合には、好ましくは、素材到達最高温度が140〜250℃となる条件で15秒間〜120秒間加熱して硬化させる。
プライマー塗膜は一層であってもよいし、第1のプライマー塗膜の上に第2のプライマー塗膜(中塗塗膜)が形成された二層であってもよい。プライマー塗膜を二層とする場合、第1のプライマー塗膜に防食機能を持たせ、第2のプライマー塗膜(中塗塗膜)に、加工性、耐チッピング性能を持たせるなど、二層のプライマー塗膜に異なる機能を持たせることもできる。
本発明の塗膜形成方法における本塗料組成物は、上記プライマー塗膜の少なくとも片面上に塗装される。塗装方法としては、カーテン塗装、ロールコーター塗装、浸漬塗装及びスプレー塗装等を挙げることができ、通常、乾燥後の塗膜厚が5〜50μm、好ましくは8〜25μmの範囲内となるように塗装される。
本発明の塗料組成物をコイルコート塗装する場合、その塗装方法に制限はないがコイルコート塗装の経済性からカーテン塗装、ロールコーター塗装が推奨される。ロールコーター塗装を適用する場合には、実用的には通常の2本ロールによるボトムフィード方式(いわゆる、リバース塗装、ナチュラル塗装)が好適に行われるが、塗面の均一性を最良のものにするため3本ロールによるトップフィードもしくはボトムフィード方式を行うこともできる。
本発明に係る塗膜の形成方法は、上記工程で得られた本発明の塗料組成物の塗膜を硬化する工程を含んでいてもよい。本発明の塗料組成物による塗膜の硬化条件は、通常、素材到達最高温度120〜260℃で15秒間〜30分間程度である。コイルコーティングなどによって塗装するプレコート塗装分野においては、通常、素材到達最高温度160〜260℃で焼付時間15〜90秒間の範囲で行なわれる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとする。
水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)の製造
製造例1 アミノ基含有ポリエステル樹脂No.1溶液の製造
以下の工程1〜工程3によって、アミノ基含有ポリエステル樹脂No.1溶液を製造した。
工程1:温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置(1)に、イソフタル酸1079部、アジピン酸407部、ネオペンチルグリコール315部、トリメチロールプロパン802部を仕込み、160℃まで昇温して160℃〜230℃まで3時間かけて徐々に昇温した。次いで、230℃で30分間反応を続けた後、精留搭を水分離機と置換し、内容部と水分離機にキシレンを入れて、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去して冷却し、ポリエステル樹脂溶液を得た。
工程2:温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置(2)に、ジメチル
エタノールアミン69部、イソホロンジイソシアネート171部を仕込み、90℃まで徐々に昇温して3時間反応させて、3級アミノ基含有イソシアネート化合物を主体とする生成物を得た。
工程3:次いで、工程1で得られたポリエステル樹脂溶液中に、工程2で得た3級アミノ基含有イソシアネート化合物を主体とする生成物240部加えて160℃で1時間反応して、さらにシクロヘキサノンを加えて固形分を調整し、樹脂固形分60%のアミノ基含有ポリエステル樹脂No.1溶液を得た。アミノ基含有ポリエステル樹脂No.1は、アミン価18mgKOH/g、水酸基価160mgKOH/g、数平均分子量3,000を有していた。
製造例2 アミノ基含有ポリエステル樹脂No.2溶液の製造
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置に、イソフタル酸1079部、アジピン酸407部、ネオペンチルグリコール315部、トリメチロールプロパン802部、及びジエタノールアミン60部を仕込み、160℃まで昇温して160℃〜230℃まで3時間かけて徐々に昇温した。
次いで、230℃で30分間反応を続けた後、精留搭を水分離機と置換し、内容部と水分離機にキシレンを入れて、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去して冷却し、さらにシクロヘキサノンを加えて固形分を調整して、樹脂固形分60%のアミノ基含有ポリエステル樹脂No.2溶液を得た。アミノ基含有ポリエステル樹脂No.2は、アミン価13mgKOH/g、水酸基価164mgKOH/g、数平均分子量3,000を有していた。
製造例3 ポリエステル樹脂A溶液の製造
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置に、イソフタル酸1079部、アジピン酸407部、ネオペンチルグリコール466部及びトリメチロールプロパン802部を仕込み、160℃まで昇温し、さらに160℃〜230℃まで3時間かけて徐々に昇温した。次いで、230℃で30分間反応を続けた後、精留搭を水分離機と置換し、内容部にキシレン124部を加え水分離機にもキシレンを入れて、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去し、酸価が10mgKOH/gになるまで反応させ、冷却し、反応物にシクロヘキサノン855部を加えて、固形分55%のポリエステル樹脂A溶液を得た。得られたポリエステル樹脂Aは、アミン価0mgKOH/g、水酸基価184mgKOH/g、数平均分子量3,000を有していた。
製造例4 アミノ基含有アクリル樹脂溶液の製造
温度計、攪拌機、加熱装置及び精留搭を具備した反応装置に、プロピレングリコールモノメチルエーテル246部を仕込み、窒素置換後、110℃に保った。この中に、以下に示す「モノマー混合物」を3時間かけて滴下した。滴下終了後から1時間経過後、この中に2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)5部をプロピレングリコールモノメチルエーテル56部に溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、これをさらに1時間110℃に保持したのち、メチルイソブチルケトンを加え、アミン価35mgKOH/g、水酸基価80mgKOH/g、数平均分子量16,000、樹脂固形分75%のアミノ基含有アクリル樹脂を得た。
「モノマー混合物」
スチレン 30部
メチルメタクリレート 6部
n−ブチルアクリレート 6部
2−エチルヘキシルメタクリレート 24部
プラクセルFM−3(ダイセル化学工業社製 商品名) 24部
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート 10部。
実施例1 塗料組成物No.1の製造
製造例1で得た水酸基及びアミノ基を含有するポリエステル樹脂No.1溶液80部(固形分)、サイメル303(注1)20部(固形分)、ニューコール291−GL(注3)5部、及びタイペークCR−95(注8)120部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.5部に、有機溶剤(シクロヘキサノン/スワゾール1500=40/60(質量比)の混合溶剤)を加えて希釈し、粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)の塗料組成物No.1を得た。
実施例2〜18 塗料組成物No.2〜No.18の製造
表1に示す配合内容する以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物No.2〜No.18を得た。
Figure 2015028096
Figure 2015028096
(注1)サイメル303:日本サイテックインダストリーズ株式会社製、商品名、メチルエーテル化メラミン樹脂
(注2)ブロックポリイソシアネート化合物A:ヘキサメチレンジイソシアネート3量体のオキシムブロック化物、固形分37質量%、NCO含有率3.6%
(注3)ニューコール291−GL:商品名、日本乳化剤株式会社、前記式(1)で示される構造式のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩
(注4)ニューコール292−PG:商品名、日本乳化剤株式会社、前記式(1)で示される構造式のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩
(注5)ニューコール293:商品名、日本乳化剤株式会社、下記式(2)で表される構造式のモノアルキルスルホコハク酸ジナトリウム塩
Figure 2015028096
式(2)
(式中のRは、炭素数1〜15のアルキル基を表す)
(注6)SOOFINE JJ POWDER:杭州精彩化工社製、商品名、尿素樹脂粒子、平均粒子径2.5μm
(注7)サイリシア445:富士シリシア化学社製、商品名、シリカ微粉末、艶消し剤
(注8)タイペークCR−95:石原産業社製、商品名、チタン白。
比較例1 塗料組成物No.19
製造例1で得たポリエステル樹脂溶液80部(固形分)、サイメル303(注1)20部(固形分)、及びタイペークCR−95(注8)120部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.5部、有機溶剤(シクロヘキサノン/スワゾール1500、40/60の混合溶剤)を加えて希釈し、粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)の塗料組成物No.19を得た。
比較例2〜14 塗料組成物No.20〜No.32
表3に示す配合内容する以外は、比較例1と同様にして、塗料組成物No.20〜No.32を得た。
Figure 2015028096
(注9)バイロンKS−1430V:東洋紡績(株)社製、ポリエステル樹脂、数平均分子量12,000、アミン価0mgKOH/g。
(注10)貯蔵安定性:各塗料組成物を500mLのガラス容器に塗料組成物400mL入れて、40℃の恒温室に密閉貯蔵し、90日間貯蔵した後の状態を次の基準により評価した。
◎は、塗料組成物を、ヘラを用いて手攪拌すると直ぐに貯蔵前の状態に戻り問題なし
○は、塗料組成物が沈降してケーキ層がみられるが、10分間未満の攪拌(直径2cmの撹拌羽根を用い500rpm)にて、凝集ブツもなく貯蔵前の状態に戻る。
△は、塗料組成物が沈降してケーキ層がみられるが、10〜60分間の攪拌(直径2c
mの撹拌羽根を用い500rpm)にて、凝集ブツもなく貯蔵前の状態に戻る。
×は、塗料組成物が沈降してケーキ層がみられ、60分間を越えて攪拌(直径2cmの撹拌羽根を用い500rpm)しても凝集ブツが残る。
試験板の作成
乾燥膜厚3μmのプライマー塗膜を形成した亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板(G
L材、板厚0.35mm)上に、ロールコーターにて、上記の実施例及び比較例で得た塗料組成物No.1〜No.31を乾燥膜厚18μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となる条件で40秒間焼き付けて試験板を得た。各試験板を用いて、後記の試験条件に従って、試験した結果を前記表1〜表3に示す。
(注11)初期の塗面外観:
○は、塗面に、ハジキ、凹みなどの塗面異常が認められず、また、曇りも認められな
い。
△は、ハジキ、凹みなどの塗面異常が認められないが、塗面に曇りが認められる。
×は、塗面にハジキ、凹みなどの塗面異常が認められる。
(注12)鉛筆硬度:試験板の塗膜について、JIS K 5600−5−4(1999)に規定する鉛筆引っかき試験を行い、塗膜の破れによる評価を行った。硬度が高いほうが好ましい。
(注13)屋外曝露試験:試験板を屋外曝露試験片(100×300mm)として、軒先をモデル化した設置台に、塗膜が北側に面するように、垂直から4度の角度を付けて取り付け、東京都大田区の関西ペイント(株)屋上にて曝露試験を行い、「暴露開始から2ヶ月後」及び「暴露開始から12ヶ月後」において、初期塗板との色差(△E)をJIS Z8370に基づいて、スガ試験機(株)製の多光源分光測色計MSC−5Nを用いて測定し、以下の基準により評価した。
◎は、△Eが1未満
○は、△Eが1以上かつ2未満
△は、△Eが2以上かつ5未満、
×は、△Eが5以上。
(注14)加工性:20℃の室内において、塗面を外側にして万力にて試験板を180度折曲げて、折曲げ部分の塗膜にワレ発生程度を評価した。
◎は、2T折曲げ加工において、ワレが認められない
○は、2T折曲げ加工ではワレが認められるが、4T折曲げ加工においてワレが認められない
△は、4T折曲げ加工ではワレが認められるが、6T折曲げ加工においてワレが認められない
×は、6T折曲げ加工において、ワレが認められる。
(注15)60度鏡面光沢度:
JIS Z 8741(1997)に規定の60度鏡面光沢度に従い、60度鏡面反射率を測定した。
貯蔵安定性が良好で、かつ屋外暴露時において耐汚染性を維持でき、さらに加工性が良好な塗膜を形成できる塗料組成物を提供できる。

Claims (7)

  1. 水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)、及びアニオン性界面活性剤(c)を含む塗料組成物であって、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、アニオン性界面活性剤(c)を1〜20質量部含有する塗料組成物。
  2. 水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)、架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)を60〜95質量部、架橋剤(b)を5〜40質量部の割合で含有する請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)が、アミノ基含有ポリエステル樹脂及び/又はアミノ基含有アクリル樹脂である請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. アニオン性界面活性剤(c)が、アルキルスルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 尿素樹脂粒子(d)を、水酸基及びアミノ基を含有する樹脂(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して1〜50質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  6. 金属板上の片面又は両面上に、プライマー塗膜を形成し、プライマー塗
    膜の少なくとも片面上に請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗料組成物による塗膜を形成してなることを特徴とする塗膜形成方法。
  7. 請求項6に記載の塗膜形成方法によって得られた塗装金属板。
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