JP6924409B2 - ウレタン塗料組成物、硬化塗膜、および樹脂部材 - Google Patents

ウレタン塗料組成物、硬化塗膜、および樹脂部材 Download PDF

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本発明は、ウレタン塗料組成物、硬化塗膜、および樹脂部材に関する。
従来から、合成樹脂成形品やガラスなどの基材の表面が露点温度以下になると、大気中の水分が細かい水滴となり、基材の表面に付着することが知られている。その結果、付着した水滴による光の散乱が起き、曇りが発生してしまうため、例えば、上記の基材をメガネなどに用いた場合、視界が妨げられてしまう。
上記の曇りの発生を防止する(防曇)方法として基材の表面に、親水性樹脂および界面活性剤などを混合した溶液を塗装し、塗膜(乾燥塗膜あるいは硬化塗膜)を形成させる方法が知られている。
この方法は、塗膜中に含まれる界面活性剤が、付着した水滴の接触角を下げ、光の散乱を起こさないことにより防曇効果を発現させる。また、当該方法は、界面活性剤による水滴の接触角低下が迅速に起こるため、防曇効果が速やかに発現できる。
しかし、上記の塗膜の実使用を考慮した場合(例えば、長期間使用した場合、あるいは塗膜表面を水拭きした場合など)、塗膜内部中の界面活性剤が容易に流出し、防曇性が低下してしまう。一方、界面活性剤を多量に添加することにより、防曇持続性を多少向上させることができるが、大幅に向上することはできず、また、塗膜が傷つき易くなり、塗膜の外観も低下してしまう問題がある。
このような界面活性剤の流出を防ぐために、水に溶けにくい界面活性剤を使用する方法(特許文献1)や、反応性界面活性剤を使用する方法(特許文献2および3)が報告されている。
特開2015−86370号公報 特開2005−29723号公報 特開2004−244612号公報
特許文献1で開示された硬化塗膜は、界面活性剤の水溶性が低いため、水に浸漬させても、界面活性剤が水中に流出しないため、防曇持続性が期待できる。また、塗膜最表面に界面活性剤が多く存在していると推定されるため、均一な水膜を形成することができる。しかし、防曇塗膜を水拭きした場合、塗膜最表面に存在する界面活性剤が取れてしまい、良好な防曇性を維持できなくなるといった懸念があった。
一方、特許文献2および3で開示された硬化塗膜は、イソシアネート成分とポリオール成分を含む2液硬化型樹脂に、イソシアネート成分と反応する官能基を有する反応性界面活性剤を導入することで、塗膜中の樹脂成分に当該界面活性剤を共有結合させることができるため、塗膜を水に浸漬させた場合においても、界面活性剤の流出が少なく、防曇持続性が期待できる。しかし、上記の反応性界面活性剤は、単官能であるため、塗膜中の架橋密度が低下し、耐擦傷性は不十分となってしまう問題があることがわかった。一方、上記の反応性界面活性剤の使用量を、耐擦傷性を維持できる程度の最少量にした場合では、防曇性および防曇持続性が発現しないことが分かった。
以上のように、従来の技術における塗膜(乾燥塗膜、あるいは硬化塗膜)の実使用中では、防曇性の低下、あるいは傷付きによる外観の低下といった問題点が依然として存在している。そのため、良好な耐擦傷性を発現できる膜強度を保ちつつ、塗膜表面の繰り返しの水拭き後にも良好な防曇性を発現できる防曇塗膜が求められている。
また、イソシアネート成分とポリオール成分を含む2液型硬化型樹脂組成物は、組成物中でイソシアネート成分とポリオール成分の反応が進んでしまため、使用可能な時間(ポットライフ)が限られるといった問題がある。よって、ロングポットライフを有する、もしくは1液型の組成物(製品)が求められている。
本発明は、良好な耐擦傷性を有しながらも、優れた防曇持続性を有する硬化塗膜を形成できる1液型のウレタン塗料組成物、および当該硬化塗膜を有する樹脂部材を提供することを目的とする。
本発明は、ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)を含むウレタン塗料組成物であって、前記ポリイソシアネート(a)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と熱解離性ブロック剤を反応して得られるブロックポリイソシアネート化合物であり、前記ポリエーテルポリオール(b)は、数平均分子量が300以上600未満であるポリエーテルポリオール(b−1)と、数平均分子量が600以上900未満であるポリエーテルポリオール(b−2)と、数平均分子量が900以上1800以下であるポリエーテルポリオール(b−3)であり、前記界面活性剤(c)は、一般式(1):
Figure 0006924409
(一般式(1)中、RおよびRは、独立して、直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、RおよびRの合計の炭素数は10以上30以下であり、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノールアンモニウム基を表す。)で表されるサクシネート型アニオン性界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤であり、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、前記(a)成分が35重量%以上85重量%以下であり、前記(b−1)成分が3重量%以上18重量%以下であり、前記(b−2)成分が8重量%以上38重量%以下であり、前記(b−3)成分が0.5重量%以上8重量%以下であり、前記(c)成分が1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするウレタン塗料組成物、に関する。
また、本発明は、前記ウレタン塗料組成物から形成されることを特徴とする硬化塗膜、に関する。
さらに、本発明は、前記硬化塗膜を有することを特徴とする樹脂部材、に関する。
本発明のウレタン塗料組成物は、特定の、ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)を、特定量含むウレタン塗料組成物である。前記ポリエーテルポリオール(b)は、異なる数平均分子量を有するポリエーテルポリオール(b−1)、(b−2)および(b−3)を用いるため、当該組成物から形成される硬化塗膜の架橋構造の粗密のバランスがとることができると推定されることから、硬化塗膜は、良好な耐擦傷性を有し、優れた防曇持続性を有するため、塗膜の繰り返しの払拭などに耐えることができ、実使用に適している。
また、本発明は、前記界面活性剤(c)として、サクシネート型アニオン性界面活性剤とフッ素系界面活性剤を併用する。当該サクシネート型アニオン性界面活性剤は、初期防曇性を向上させることができ、さらに、当該サクシネート型アニオン性界面活性剤が硬化塗膜中に存在することにより、単独で用いた場合には硬化塗膜中から除放されにくいフッ素系界面活性剤を、長期的に除放することができるため、防曇持続性を向上させることができるものと推定される。また、フッ素系界面活性剤は、表面張力低下能が高いため、ウレタン塗料組成物中の界面活性剤の使用量を減らすことができる。
本発明のウレタン塗料組成物は、ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)を含む。
<ポリイソシアネート(a)>
<ポリイソシアネート(a)>
本発明のポリイソシアネート(a)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と熱解離性ブロック剤を反応して得られるブロックポリイソシアネート化合物である。前記ポリイソシアネート(a)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ジイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。前記ジイソシアネートの誘導体としては、例えば、前記脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、および/または芳香族ジイソシアネートなどを出発原料として合成されたもので、ビュレット体、トリメチロールプロパンとのアダクト体、イソシアヌレート体、アロファネート体などの、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体、芳香族ジイソシアネートの誘導体などが挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ポリイソシアネート化合物は、硬化塗膜の架橋密度を高め、耐擦傷性を向上させる観点から、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体、芳香族ジイソシアネートの誘導体が好ましく、脂肪族ジイソシアネートの誘導体、脂環式ジイソシアネートの誘導体がより好ましく、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体、イソホロンジイソシアネートの誘導体がさらに好ましい。
前記ブロックポリイソシアネート化合物は、前記ポリイソシアネート化合物と熱解離性ブロック剤を反応して得られる。前記熱解離性ブロック剤は、前記ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、ブロック(保護)する化合物である。なお、「熱解離性」とは、加熱することで、ブロックポリイソシアネートから解離する性質をいう。
前記熱解離性ブロック剤は、活性水素を分子内に1個有する化合物であり、例えば、アルコール系化合物、アルキルフェノール系化合物、フェノール系化合物、活性メチレン系化合物、メルカプタン系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、オキシム系化合物、アミン系化合物、イミド系化合物、ピラゾール系化合物などが挙げられる。前記熱解離性ブロック剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記アルコール系化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノールなどが挙げられる。前記アルキルフェノール系化合物としては、例えば、n−プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、sec−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、n−ヘキシルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ノニルフェノールなどのモノアルキルフェノール類;ジ−n−プロピルフェノール、ジイソプロピルフェノール、イソプロピルクレゾール、ジ−n−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−sec−ブチルフェノール、ジ−n−オクチルフェノール、ジ−2−エチルヘキシルフェノール、ジ−n−ノニルフェノールなどのジアルキルフェノール類などが挙げられる。前記フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステルなどが挙げられる。前記活性メチレン系化合物としては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどが挙げられる。前記メルカプタン系化合物としては、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどが挙げられる。前記酸アミド系化合物としては、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどが挙げられる。前記酸イミド系化合物としては、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどが挙げられる。前記イミダゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。前記尿素系化合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素などが挙げられる。前記オキシム系化合物としては、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどが挙げられる。前記アミン系化合物としては、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。前記イミン系化合物としては、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。前記ピラゾール系化合物としては、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールなどが挙げられる。
前記熱解離性ブロック剤は、解離温度が低い観点からは前記活性メチレン系化合物、前記ピラゾール系化合物を使用することが好ましく、マロン酸ジメチル、3,5−ジメチルピラゾールを使用することがより好ましい。
前記ブロックポリイソシアネート化合物は、硬化塗膜の耐擦傷性および防曇性を向上させる観点から、前記脂肪族ジイソシアネートの誘導体と前記解離性ブロック剤を反応して得られる化合物(a1)、および前記脂環式ジイソシアネートの誘導体と前記解離性ブロック剤を反応して得られる化合物(a2)を併用することが好ましい。前記(a1)および前記(a2)を併用する場合、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、前記(a1)と前記(a2)の重量比((a1)/(a2))は、0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、そして、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。
前記ブロックポリイソシアネート化合物は、その製造方法は何ら限定されるものではないが、通常、前記ポリイソシアネート化合物と前記熱解離性ブロック剤を触媒存在下で0〜100℃の温度で加熱攪拌して反応させることで得ることができる。前記触媒としては、例えば、錫、亜鉛、鉛などの有機金属塩;ナトリウムメチラートなどのアルカリ金属アルコラートが挙げられる。また、上記の反応は、有機溶剤を使用してもよく、前記有機溶剤としては、イソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を用いることが好ましく、例えば、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤などが挙げられる。
前記ブロックポリイソシアネートは、全てのイソシアネート基がブロックされたものでも、または部分的にイソシアネート基がブロックさされたものでもよいが、ウレタン塗料組成物の可使時間(ポットライフ)を向上させる観点から、全てのイソシアネート基がブロックされていることが好ましい。
前記ブロックポリイソシアネート化合物の市販されているものとして、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体とマロン酸ジメチルのブロックポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:デュラネートMF−K60B)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体とマロン酸ジメチル/3,5−ジメチルピラゾールのブロックポリイソシアネート化合物(BAXENDEN社製、商品名:TRIXENE BI7992)、イソホロンジイソシアネートの誘導体と3,5−ジメチルピラゾールのブロックポリイソシアネート化合物(BAXENDEN社製、商品名TRIXENE BI7951)などが挙げられる。
<ポリエーテルポリオール(b)>
本発明のポリエーテルポリオール(b)は、少なくとも、数平均分子量が300以上600未満であるポリエーテルポリオール(b−1)と、数平均分子量が600以上900未満であるポリエーテルポリオール(b−2)と、数平均分子量が900以上1800以下であるポリエーテルポリオール(b−3)である。なお、当該数平均分子量は、ポリエーテルポリオール(b)の水酸基価を測定して次式により求めることができる。後述するポリカプロラクトンポリオール(e)の数平均分子量についても同様である。
数平均分子量=水酸基価×N×1,000/56.11
水酸基価:JIS K−1577の6.4に準じて測定した値
N:ポリオールの平均官能基数(ポリオール1分子中の水酸基の数平均数)
前記ポリエーテルポリオール(b−1)、(b−2)および(b−3)は、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキサイドからなる群より選ばれる少なくとも1種を付加させることにより得られるポリマーなどが挙げられる。前記アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキシドを含むものが好ましく、エチレンオキシドのみを付加するものがより好ましい。前記ポリエーテルポリオール(b−1)、(b−2)および(b−3)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記ポリエーテルポリオール(b−1)、(b−2)および(b−3)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールの共重合体ポリオール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ペンタエリスリトールポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテルなどが挙げられる。とくに、前記ポリエーテルポリオール(b−1)、(b−2)および(b−3)は、硬化塗膜の耐擦傷性、防曇性を向上させる観点から、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを用いることが好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(b−1)は、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点、及びふき取り後防曇性を向上させる観点から、数平均分子量が、350以上であることが好ましく、400以上であることがより好ましく、そして、550以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(b−2)は、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点、及びふき取り後防曇性を向上させる観点から、数平均分子量が、650以上であることが好ましく、700以上であることがより好ましく、そして、850以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(b−3)は、耐水後防曇性を向上させる観点から、数平均分子量が、1000以上であることが好ましく、1200以上であることがより好ましく、そして、1700以下であることが好ましく、1600以下であることがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオール(b−1)、(b−2)および(b−3)の1分子あたりの水酸基数は、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。前記ポリエーテルポリオール(b−1)、(b−2)および(b−3)の1分子あたりの水酸基数は、前記ポリイソシアネート(a)との相溶性を高める観点から、6以下であることが好ましく、4以下であることがさらに好ましい。
<界面活性剤(c)>
本発明の界面活性剤(c)は、一般式(1):
Figure 0006924409
(一般式(1)中、RおよびRは、独立して、直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、RおよびRの合計の炭素数は10以上30以下であり、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノールアンモニウム基を表す。)で表されるサクシネート型アニオン性界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤である。
<サクシネート型アニオン性界面活性剤>
前記一般式(1)中、RおよびRの合計の炭素数は12以上であることが好ましく、14以上であることがより好ましく、そして、24以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。また、前記一般式(1)中、Mは、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノールアンモニウム基であることが好ましく、アルカリ金属原子であることがより好ましい。前記サクシネート型アニオン性界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記サクシネート型アニオン性界面活性剤としては、例えば、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸アンモニウムなどが挙げられ、なかでも、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが好ましい。
<フッ素系界面活性剤>
本発明のフッ素系界面活性剤は、分子内に直鎖または分岐鎖のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤である。前記フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン性フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基と親水性基および親油性基を有するオリゴマーなどのノニオン性フッ素系界面活性剤;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン性フッ素系界面活性剤;パーオロアルキルベタインなど両性フッ素系界面活性剤が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤は、水に対する溶解性が10重量%以下であることが好ましい。前記フッ素系界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フッ素系界面活性剤は、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点、および硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、アニオン性フッ素系界面活性剤、カチオン性フッ素系界面活性剤、両性フッ素系界面活性剤が好ましく、アニオン性フッ素系界面活性剤がより好ましい。また、前記フッ素系界面活性剤は、分岐鎖のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤が好ましい。
前記分岐鎖のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤の分岐鎖は、パーフルオロアルケニル基が好ましく、下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される分岐鎖がより好ましい。
Figure 0006924409
Figure 0006924409
Figure 0006924409
前記分岐鎖のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルケニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント100、商品名:フタージェント110)、パーフルオロアルケニルオキシベンジルホスホン酸(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント140A)、パーフルオロアルケニルオキシフェニルスルホニル−N−メチルカルボン酸ナトリウム(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント150)などのアニオン型、α−ペルフルオロノネニルオキシ−ω−メチルポリエチレンオキシド(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント215M、商品名:フタージェント250)などのノニオン型;ヨウ化フルオロアルキルトリメチルアンモニウム(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント300)、臭化フルオロアルキルトリアルキルアンモニウム(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント320)などのカチオン型;フルオロアルキルベタイン(株式会社ネオス製、商品名:フタージェント400S、商品名:フタージェント400SW)などの両性型などが挙げられる。
さらに、本発明のウレタン塗料組成物は、HLBが10〜18であるシリコーンオイル(d)を含むことができる。前記シリコーンオイル(d)を含有することにより、硬化塗膜の平滑性が向上できる。また、前記シリコーンオイル(d)を用いることにより、長期の防曇持続性を向上させることができる。なお、HLB(親水性−親油性のバランス、Hydrophilic−Lypophilic Balance)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものである。HLBは、グリフィン(Griffin)の式により求められる。前記シリコーンオイル(d)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記シリコーンオイル(d)としては、シリコーンオイルの側鎖および/または末端の炭化水素基が有機基で置換された構造を有する化合物が好ましい。前記有機基としては、例えば、ポリエーテル基、長鎖アルキル基、高級脂肪酸エステル基などが挙げられ、なかでも、ポリエーテル基が好ましい。
前記ポリエーテル基としては、例えば、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基(EO)とプロピレンオキシ基(トリメチレンオキシ基またはプロパン−1,2−ジイルオキシ基;PO)がブロック状またはランダムに付加したポリアルキレンオキシ基が挙げられる。
前記シリコーンオイル(d)のHLBは、硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、12以上が好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点から16以下が好ましい。
前記シリコーンオイル(d)としては、例えば、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=12、信越化学工業株式会社製、商品名:KF‐642)、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=14、信越化学工業株式会社製、商品名:KF‐640)、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=12、信越化学工業株式会社製、商品名:KF‐351A)などが挙げられる。
本発明のウレタン塗料組成物は、ポリカプロラクトンポリオール(e)を含むことができる。前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、数平均分子量が300以上1800以下である。前記ポリカプロラクトンポリオール(e)を含有することにより、硬化塗膜の耐擦傷性が向上できる。前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、当該数平均分子量は、上述のとおり、ポリカプロラクトンポリオール(e)の水酸基価によって算出できる。
前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコールと、ε−カプロラクトンとを開環重合して得られる化合物であり、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、ポリカプロラクトンヘキサオールなどが挙げられる。
前記ポリカプロラクトンポリオール(e)の数平均分子量は、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点から、400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、そして、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、1500以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。前記ポリエーテルポリオール(b)の1分子あたりの水酸基数は、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、3以上であることであることが好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点から、6以下であることが好ましい。
以下に、本発明のウレタン塗料組成物の各成分の配合量について説明する。なお、以下、前記ポリイソシアネート(a)は(a)成分とも称し、(a)以外の他の成分(例えば、(b))についても同様に称す。
前記(a)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、35重量%以上85重量%以下である。前記(a)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、そして、硬化塗膜の柔軟性を高める観点から、75重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましい。
前記(b−1)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、3重量%以上18重量%以下である。前記(b−1)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、5重量%以上であることが好ましく、7重量%以上であることがより好ましく、そして、ふき取り後防曇性を向上させる観点から、15重量%以下であることが好ましく、12重量%以下であることがより好ましい。
前記(b−2)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、8重量%以上38重量%以下である。前記(b−2)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させる観点から、10重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、そして、ふき取り後防曇性を向上させる観点から、35重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましい。
前記(b−3)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、0.5重量%以上8重量%以下である。前記(b−3)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、耐水後防曇性を向上させる観点から、1重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましく、そして、ふき取り後防曇性を向上させる観点から、5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましい。
前記(a)成分および前記(b)成分は、(a)成分のイソシアネート基/(b)成分の水酸基の当量比が、0.4以上2以下で配合されることが好ましく、0.5以上1.7以下で配合されることがより好ましい。
前記(c)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、1重量%以上10重量%以下である。前記(c)成分は、前記(a)〜(c)成分の合計重量において、硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、2重量%以上であることが好ましく、3重量%以上であることがより好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点、および硬化塗膜に透明性を付与する観点から、9重量%がより好ましい。
前記(c)成分において、前記サクシネート型アニオン性界面活性剤に対する前記フッ素系界面活性剤の重量比は、0.1以上であることが好ましく、0.15以上であることがより好ましく、そして、0.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。
また、前記ウレタン塗料組成物に、前記(d)成分を含む場合、前記(d)成分は、前記(a)〜(d)成分の合計重量において、硬化塗膜の平滑性を高める観点から、0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましく、そして、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点、および硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましい。
また、前記ウレタン塗料組成物に、前記(e)成分を含む場合、前記(e)成分は、前記(a)〜(e)成分の合計重量において、ウレタン塗料組成物中の各成分との相溶性を高める観点、および硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。なお、前記(e)成分は、前記(a)〜(e)成分の合計重量において、0.5重量%以上であれば、硬化塗膜の耐擦傷性の向上が期待できる。
前記ウレタン塗料組成物に、前記(e)成分を含む場合、前記(a)成分、前記(b)成分および前記(e)成分は、(a)成分のイソシアネート基/{(b)成分と(e)成分の合計水酸基}の当量比が、0.2以上4以下で配合されることが好ましく、0.3以上2.5以下で配合されることがより好ましい。
本発明のウレタン塗料組成物は、有機溶媒で希釈して調製することができる。
前記有機溶媒としては、例えば、アルコール系、カルボン酸エステル系、ケトン系、アミド系、エーテル系、脂肪族および芳香族炭化水素系の溶媒などが挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、ターシャリーアミルアルコールなどが挙げられる。カルボン酸エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、ギ酸ブチルなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、メトキシトルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。脂肪族および芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ペンタンキシレン、トルエン、ベンゼンなどが挙げられる。前記有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前記有機溶媒は、ジアセトンアルコール、ターシャリーアミルアルコールなどの極性溶媒と、カルボン酸エステルおよび/またはケトン系溶媒を混合させた溶媒が、溶解性、揮発性および密着性の観点から好ましい。
前記ポリイソシアネート(a)のイソシアネート基は、前記ポリエーテルポリオール(b)の水酸基、および前記ポリカプロラクトンポリオール(e)の水酸基と反応し、ウレタン結合を形成する。ウレタン結合を形成する反応には、必要に応じ公知の触媒を加えることができる。公知の触媒としては、例えば、トリエチルアミン、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。これら触媒を用いる場合の使用量は、前記ポリイソシアネート(a)100重量部に対して、通常0.001〜10重量部である。前記触媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のウレタン塗料組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤などの安定剤、着色剤、難燃剤、前記ポリイソシアネート(a)以外のイソシアネート化合物、前記ポリエーテルポリオール(b)およびポリカプロラクトンポリオール(e)以外のポリオール、前記シリコーンオイル(d)以外のレベリング剤、を用いることができるが、前記(a)〜(c)成分の合計100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
<硬化塗膜>
本発明のウレタン塗料組成物は、通常の塗料において行われる塗装方法により基材に塗装し、加熱硬化することによって、基材の表面に硬化塗膜を形成することができる。
前記基材としては、その種類は問わず、公知の樹脂基材(部材)が使用可能である。前記樹脂基材(部材)例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
本発明のウレタン塗料組成物を、前記樹脂基材(部材)に塗装する方法としては、特に限定がなく、バーコーター塗装、はけ塗り、流し塗り、浸漬塗り、スプレー塗り、スピンコート、フローコートなど、公知の方法が採用できる。
本発明のウレタン塗料組成物を加熱硬化する温度は、60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上130℃以下がさらに好ましいが、使用する基材樹脂の耐熱性や熱変形性などに応じて適宜調整すればよい。加熱時間は、加熱温度により異なるが、数分から数時間程度である。
前記硬化塗膜の膜厚は、硬化塗膜の防曇性を向上させる観点から、1.0μm以上が好ましく、3.0μm以上がより好ましい。前記硬化塗膜の膜厚は、硬化塗膜の平滑性を高める観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
以下に本発明を実施例などによって説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
各実施例および比較例で使用した原料は、次の通りである。
<原料>
<ポリイソシアネート(a)>
a−1:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体とマロン酸ジメチル/3,5−ジメチルピラゾールのブロックポリイソシアネート化合物(固形分70重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル30重量%、対溶液イソシアネート基含有率9.2%、BAXENDEN社製、TRIXENE BI7992)
a−2:イソホロンジイソシアネートの誘導体と3,5−ジメチルピラゾールのブロックポリイソシアネート化合物(固形分65重量%、酢酸ブチル12.5重量%、C9Aromatic12.5重量%、対溶液イソシアネート基含有率7.8%、BAXENDEN社製、TRIXENE BI7951)
<ポリエーテルポリオール(b)>
b−1:ポリオキシエチレングリセリルエーテル(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量450、日油株式会社製、ユニオックスG450)
b−2:ポリオキシエチレングリセリルエーテル(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量750、日油株式会社製、ユニオックスG750)
b−3:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量1500、三洋化成工業株式会社製、サンニックスGP1500)
<界面活性剤(c)>
c−1:ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
c−2:アニオン性フッ素系界面活性剤(固形分100%、スルホン酸ナトリウム塩、株式会社ネオス製、フタージェント100)
c−3:ノニオン性フッ素系界面活性剤(固形分100%、株式会社ネオス製、フタージェント215M)
c−4:カチオン性フッ素系界面活性剤(固形分100%、4級アンモニウム塩(I塩またはBr塩)、株式会社ネオス製、フタージェント300)
c−5:両性フッ素系界面活性剤(固形分50%、株式会社ネオス製、フタージェント400SW)
<シリコーンオイル(d)>
d−1:ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=12、信越化学工業株式会社製KF−642)
d−2:ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(HLB値=14、信越化学工業株式会社製KF−640)
<ポリカプロラクトンポリオール(e)>
e−1:ポリカプロラクトントリオール(固形分100%、1分子あたりの水酸基数3、数平均分子量800、株式会社ダイセル製、プラクセル308)
<その他成分>
b´−1:ポリエチレングリコール(固形分100%、1分子あたりの水酸基数2、数平均分子量200、東京化成工業株式会社製、PEG200)
b´−2:ポリエチレングリコール(固形分100%、1分子あたりの水酸基数2、数平均分子量2000、東京化成工業株式会社製、PEG2000)
c´−1:臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
<有機溶剤>
ダイアセトンアルコール(DAA)
<ウレタン塗料組成物の調製>
<実施例1〜11、比較例1〜11>
上記原料を表1および表2に示す割合で配合し、さらに、それぞれ、触媒として、ポリイソシアネート100重量部に対し、0.5重量部のジラウリル酸ジ−n−ブチルスズを加え、実施例および比較例のウレタン塗料組成物を得た。
上記得られた各ウレタン塗料組成物を、ポリカーボネート樹脂板(7.5cm×10cm×2mm、三菱ガス化学社製ユーピロン)上に、硬化後の膜厚が8μm程度になるように、バーコーターを用いて塗装を行い、120℃に設定したオーブンにて60分間熱硬化し、硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)を得た。下記試験方法にて評価を行った。結果を表1および表2に示す。
<外観の評価>
硬化塗膜の表面を目視によって判断し、下記の評価基準で評価した。
○:正常
×:不透明、白化などの異常がある、あるいは平滑でない
<耐擦傷性の評価>
荷重500gを載せたスチールウール(#0000)を硬化塗膜の表面上に置き、ラビングテスターで11往復させる試験条件で試験した後、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製NDH5000)によって、試験後の硬化塗膜を有する樹脂部材のヘイズ(%)を測定し、下記の評価基準で評価した。
○:試験後のヘイズの値が10未満
×:試験後のヘイズの値が10以上
<密着性の評価>
硬化塗膜を10×10マス(1mm間隔)にクロスカットした後、セロハンテープ剥離試験を行い、目視により残っているマスを確認した。
○:剥離なし
×:剥離あり
<初期防曇性の評価>
25℃の恒温室内で、硬化塗膜の表面を50℃の温水蒸気に1分間さらし、目視にて曇りの有無を下記の評価基準で評価した。
◎:速やかに水膜を形成する
○:一瞬曇った後に水膜を形成する
×:曇りが発生する
<耐水後防曇性の評価>
常温の蒸留水に、硬化塗膜を有する樹脂基材を1時間浸積させた後、取り出して室温で1時間静置させた。その後、上記の初期防曇性の評価の試験を行い、曇りの有無を確認した。
◎:速やかに水膜を形成する
○:一瞬曇った後に水膜を形成する
×:曇りが発生する
<ふき取り後防曇性の評価>
蒸留水を5ml程度染み込ませたウェス(BEMCOT M−3II、250mm×250mm、小津産業株式会社製)を硬化塗膜の表面に置き、3往復させる。さらに、この硬化塗膜を有する樹脂基材(部材)を25℃50%RHの室内で1時間静置した後、25℃の恒温室内で、硬化塗膜の表面を50℃温水蒸気に5分間さらした。当該操作を5回繰り返した後、目視にて曇りの有無を下記の評価基準で評価した。硬化塗膜の表面にのみ界面活性剤が存在する場合、界面活性剤がウェスに拭き取られ、曇りが発生しやすい傾向にある。
◎:5回目の評価で速やかに水膜を形成する
○:5回目の評価で一瞬曇った後に水膜を形成する
×:5回目の評価で曇りが発生する
Figure 0006924409
Figure 0006924409

Claims (5)

  1. ポリイソシアネート(a)、ポリエーテルポリオール(b)、および界面活性剤(c)が配合されたウレタン塗料組成物であって、
    前記ポリイソシアネート(a)は、ジイソシアネートおよびその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリイソシアネート化合物と熱解離性ブロック剤を反応して得られるブロックポリイソシアネート化合物であり、
    前記ポリエーテルポリオール(b)は、数平均分子量が300以上600未満であるポリエーテルポリオール(b−1)と、数平均分子量が600以上900未満であるポリエーテルポリオール(b−2)と、数平均分子量が900以上1800以下であるポリエーテルポリオール(b−3)であり、
    前記界面活性剤(c)は、一般式(1):
    Figure 0006924409
    (一般式(1)中、RおよびRは、独立して、直鎖または分岐鎖を有するアルキル基を表し、RおよびRの合計の炭素数は10以上30以下であり、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノールアンモニウム基を表す。)で表されるサクシネート型アニオン性界面活性剤、およびフッ素系界面活性剤であり、
    配合前の前記(a)〜(c)成分の合計重量において、前記(a)成分が35重量%以上85重量%以下であり、前記(b−1)成分が3重量%以上18重量%以下であり、前記(b−2)成分が8重量%以上38重量%以下であり、前記(b−3)成分が0.5重量%以上8重量%以下であり、前記(c)成分が1重量%以上10重量%以下であることを特徴とするウレタン塗料組成物。
  2. HLBが10〜18であるシリコーンオイル(d)が配合され
    配合前の前記(a)〜(d)成分の合計重量において、前記(d)成分が3重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のウレタン塗料組成物。
  3. ポリカプロラクトンポリオール(e)が配合され
    前記ポリカプロラクトンポリオール(e)は、数平均分子量が300以上1800以下であって、
    配合前の前記(a)〜(e)成分の合計重量において、前記(e)成分が10重量%以下であることを特徴とする請求項2記載のウレタン塗料組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のウレタン塗料組成物から形成されることを特徴とする硬化塗膜。
  5. 請求項4記載の硬化塗膜を有することを特徴とする樹脂部材。
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