JP2018159829A - 転写部材及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気特性が維持されたままで表面硬度に優れる転写部材を提供する。【解決手段】転写部材111は、支持部材112と、前記支持部材上に配置された導電性弾性層113と、前記導電性弾性層上に配置された、イミド系樹脂、導電剤並びにウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群より選択される少なくとも1種の溶媒を含有する導電性樹脂層114と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、転写部材及び画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成において、より高速での良質な画像形成を可能とするため、転写ロールにクリーニング性能が要求される。
クリーニング性を付与された転写ロールとして、表面微小硬度がポリイミド樹脂に相当する値以上であるガード樹脂層を表面に設けると共に、このガード樹脂層の下地層としてガード樹脂層での電荷蓄積が抑えられる調整抵抗層を設ける転写部材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−182497号公報
転写部材にガード樹脂層(つまり、表面層)を設けた特許文献1に開示の転写部材は、表面層を設けない転写部材に比較して表面の硬度が高く、その結果としてクリーニング性に優れるため高速領域での電子写真方式による画像形成に好適に用いられる。
しかし、電子写真方式による更なる画像形成速度の向上が求められており、転写部材の表面の硬度を挙げることによるさらなるクリーニング性の向上が求められる。
転写部材の表面層の硬度を向上する方法の一例として、表面層に含まれるカーボンブラック等の導電材料の含有率を上げる方法が挙げられる。しかし、カーボンブラックの含有率が上昇するにつれて転写部材表面の抵抗率が低下する傾向にあり、転写部材表面の抵抗率が低下しすぎるとトナーの転写性に支障をきたす場合があるため、カーボンブラックの含有率の調整以外で表面層の硬度を向上する方法が求められる。
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、表面層がN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む場合に比較して、電気特性が維持されたままで表面硬度に優れる転写部材を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、請求項1に係る発明は、
支持部材と、
前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、
前記導電性弾性層上に配置された、イミド系樹脂、導電剤並びにウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群より選択される少なくとも1種の溶媒を含有する導電性樹脂層と、
を備える転写部材。
請求項2に係る発明は、
前記溶媒群が、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド及び3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドを含む請求項1に記載の転写部材。
請求項3に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして請求項1又は請求項2に記載の転写部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記記録媒体の表面に直接転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項4に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして請求項1又は請求項2に記載の転写部材を有し、前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を前記記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項1又は請求項2に係る発明によれば、表面層がN−メチル−2−ピロリドンを含む場合に比較して、電気特性が維持されたままで表面硬度に優れる転写部材が提供される。
請求項3又は請求項4に係る発明によれば、表面層がN−メチル−2−ピロリドンを含む場合に比較して、電気特性が維持されたままで表面硬度に優れる転写部材を備えた画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る転写部材の一例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る転写部材の一例を示す概略断面図であり、図1のA−A断面図である。 本実施形態に係る導電性ロールの導電性樹脂層を形成するために用いられる塗布装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 円形電極の一例を示す概略図であり、概略平面図(図6(A))及び概略断面図(図6(B))である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<転写部材>
本実施形態に係る転写部材は、支持部材と、前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、前記導電性弾性層上に配置された、イミド系樹脂、導電剤並びにウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群より選択される少なくとも1種の溶媒(以下、特定溶媒と称することがある。)を含有する導電性樹脂層と、を備える。
本実施形態に係る転写部材において、導電性樹脂層に含まれる特定溶媒は、導電性樹脂層の形成に用いた液体組成物の溶媒であり、形成された導電性樹脂層に残留した化学物質である。液体組成物の溶媒として用いられる特定溶媒は、導電性樹脂層を形成するための加熱の際にその大部分が揮発するが、形成された導電性樹脂層に検出可能な量が残留する。
従来、イミド系樹脂を含有する導電性樹脂層を備えた転写ロールにおいては、イミド系樹脂の溶解性がよいNMPを溶媒とする液体組成物を用いて導電性樹脂層が形成されている。本発明者は、特定溶媒を含む液体組成物を用いて形成した導電性樹脂層が、NMPを溶媒とする液体組成物を用いて形成した導電性樹脂層よりも、ヤング率が高いことを見出した。特定溶媒は、NMPよりも溶媒和しやすく、イミド系樹脂の生成反応を促進してより高分子量化する結果、導電性樹脂層のヤング率が高まると推測される。
本実施形態に係る転写部材では、導電性樹脂層のヤング率を向上させるためにカーボンブラック等の導電材料の含有率を上げることなく導電性樹脂層のヤング率を向上することができる。そのため、電気特性が維持されたまま表面硬度に優れる転写部材が得られるようになると推察される。
導電性樹脂層に含まれる上記化学物質の種類及び含有量(残留量)は、導電性樹脂層の一部を測定用試料として採取し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)等で測定する。
本実施形態に係る転写部材を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る転写部材の一態様である転写ロールを示す概略斜視図である。図2は、図1のA−A断面図であり、図1に図示する転写ロールを、軸方向に直交する方向且つ径方向に切断した断面図である。
図1及び図2に示すように、転写ロール111は、中空又は非中空の円柱状の支持部材112と、支持部材112の外周面に配置された導電性弾性層113と、導電性弾性層113の外周面に配置された導電性樹脂層114と、を有するロール部材である。転写ロール111は、本構成に限られず、例えば、支持部材112と導電性弾性層113との間に中間層を有していてもよく、導電性樹脂層114の外周面に離型層を有していてもよい。
本実施形態に係る転写部材において、導電性樹脂層のヤング率は、3300MPa以上3700MPa以下が好ましく、3400MPa以上3600MPa以下がより好ましい。
以下、本実施形態に係る転写部材を構成する各層の詳細を説明する。
[支持部材]
支持部材は、転写ロールを画像形成装置に搭載する際の支持部材として機能し、画像形成を行う際の電極として機能する。支持部材は、中空部材であってもよいし、中実部材であってもよい。
支持部材は、導電性部材であり、例えば、鉄(快削鋼等)、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属部材;外側の面にメッキ処理を施した、樹脂部材又はセラミックス部材;導電剤を含有する、樹脂部材又はセラミックス部材;が挙げられる。
[導電性弾性層]
導電性弾性層は、ゴム材料(弾性材料)を含有し、ほかに、導電剤及びその他の添加剤を含有してもよい。導電性弾性層は、発泡層でもよく非発泡層でもよく、発泡層と非発泡層とが積層されていてもよい。
ゴム材料(弾性材料)としては、例えば、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、及びこれらを混合したゴムが挙げられる。
導電剤は、ゴム材料の導電性が低い場合やゴム材料が導電性を有しない場合に用いる。導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられる。
電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の金属又は合金;酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物質;などの粉末が挙げられる。電子導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子導電剤の含有量は、ゴム材料100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、15質量部以上25質量部以下がより好ましい。
イオン導電剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム又は変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩又は塩化ベンジル塩)、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩、ベタイン、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。イオン導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン導電剤の含有量は、ゴム材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下がより好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、発泡剤、発泡助剤、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)などの、弾性層に添加され得る公知の材料が挙げられる。
導電性弾性層の厚さは、例えば3.5mm以上20mm以下であり、好ましくは4mm以上15mm以下である。
[導電性樹脂層]
導電性樹脂層は、イミド系樹脂と、導電剤と、特定溶媒とを含有し、さらにその他の添加剤を含有してもよい。
イミド系樹脂とは、イミド結合を有する構成単位を含む樹脂である。イミド系樹脂の種類は特に限定されるものではない。イミド系樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドが挙げられる。
ポリイミドとしては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重合体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)のイミド化物が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン等が挙げられる。
ポリアミドイミドとしては、酸無水物基を有する3価のカルボン酸(トリカルボン酸)と、イソシアネート又はジアミンとの重合体が挙げられる。
トリカルボン酸としては、トリメリット酸無水物及びその誘導体が好ましい。トリカルボン酸の他に、テトラカルボン酸二無水物、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを併用してもよい。
イソシアネートとしては、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,3’−ジイソシアネート、ビフェニル−3,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート等が挙げられる。ジアミンとしては、上記のイソシアネートと同様の構造を有し、イソシアナト基の代わりにアミノ基を有する化合物が挙げられる。
ポリエーテルイミドとしては、芳香族ビス(エーテルジカルボン)酸とジアミンとの重合体が挙げられる。芳香族ビス(エーテルジカルボン)酸としては、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン等が挙げられる。
導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられる。電子導電剤の具体例としては、導電性弾性層について前述した電子導電剤が挙げられる。イオン導電剤の具体例としては、導電性弾性層について前述したイオン導電剤が挙げられる。
導電性樹脂層には、特定溶媒が含有されている。
特定溶媒のうち、ウレア系溶媒としては、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,3−ジプロピル尿素、1,3−ジイソプロピル尿素、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラプロピル尿素、テトライソプロピル尿素、2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素等が挙げられる。
特定溶媒のうち、アルコキシ基含有アミド系溶媒としては、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等が挙げられる。
本実施形態においては、ウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群が、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド及び3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドを含むことが好ましく、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含むことがより好ましい。
導電性樹脂層における特定溶媒の含有率は、0.2質量%以上0.9質量%以下であることが好ましい。
導電性樹脂層には、特定溶媒以外のその他の溶媒が含まれていてもよい。その他の溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
導電性樹脂層に含まれることがある添加剤としては、例えば、充填剤、イミド化反応促進のための触媒、製膜品質向上のためのレベリング剤、離型性を向上させるための離型性材料(例えば、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂粒子)等が挙げられる。
導電性樹脂層には、イミド系樹脂以外の樹脂が含まれていてもよい。ただし、イミド系樹脂が、導電性樹脂層に含まれる樹脂全体の80質量%以上を占めることが好ましく、90質量%以上を占めることがより好ましく、樹脂は実質的にイミド系樹脂のみであることが更に好ましい。イミド系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート等が挙げられる。
導電性樹脂層の厚さは、例えば33μm以上47μm以下であり、好ましくは37μm以上43μm以下である。
[転写ロールの製造方法]
転写ロールは、支持部材の外周面に導電性弾性層が設けられたロール部材を用意し、その導電性弾性層の外周面に導電性樹脂層を配置することで得られる。導電性弾性層の外周面に導電性樹脂層を配置する方法は、特に限定されないが、例えば、イミド系樹脂と、導電剤と、特定溶媒とを含有する管状部材(チューブ)を用意し、この管状部材にロール部材を挿入することで、導電性弾性層の外周面に導電性樹脂層を配置する。管状部材の製造方法は、特に限定されないが、例えば下記の製造方法が挙げられる。
図3は、導電性樹脂層を構成する管状部材を形成するための塗布装置の一例を示す概略構成図である。この塗布装置は、円筒状金型91の外周面に沿った位置に、塗布液80を円筒状金型91の外周面上に吐出するためのノズル92が配置されている。ノズル92は、配管を通じて塗布液容器93に接続しており、塗布液容器93は、別の配管を通じて加圧装置94に接続している。また、ノズル92の下方には、吐出された塗布液80を円筒状金型91の外周面上において均すためのブレード95が配置されている。
まず、樹脂材料としてイミド系樹脂又はその前駆体、導電剤、特定溶媒等を含む塗布液を準備する。塗布液80には、導電性樹脂層に要求される表面抵抗率に応じた量の導電剤を溶解又は分散させる。分散方法としては、ジェットミル、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、又はペイントシェーカー等の公知の方法を用いてよい。
塗布液80の固形分濃度は、例えば10質量%以上40質量%以下としてよい。塗布液80の粘度は、塗布温度にて1Pa・s以上100Pa・s以下としてよい。
また、導電性樹脂層の内径(導電性弾性層の外径)に対応した外径を有する円筒状金型91を用意する。円筒状金型91の少なくとも外周面には、例えばシリコーン系離型剤などの離型剤を塗布し、焼き付け処理を施して、表面に離型剤層を形成しておく。
なお、導電性樹脂層の内周面側を粗面化するため、円筒状金型91の外周面に離型剤を塗布する前に円筒状金型91の外周面を粗面化してもよい。粗面化の方法としては、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法が挙げられる。
上記の塗布装置によって、離型剤層を有する円筒状金型91に塗布液80を塗布する。具体的には、円筒状金型91を円筒状金型の回転方向(矢印D)の向きに回転させ、ノズル92から塗布液80を円筒状金型91の外周面上に吐出し、ブレード95で円筒状金型91の外周面上に均す。ノズル92とブレード95は、ノズル及びブレード移動方向(矢印E)に一定速度で移動し、塗布液80が円筒状金型91の外周面上に一定の厚みで塗布される。塗布液80は加圧装置94によりノズル92から一定量吐出するように調節されている。これにより、円筒状金型91の外周面上に塗布液80の塗膜が形成される。得られる導電性樹脂層を構成する部材の厚みは、塗布液80の吐出量とノズル92及びブレード95の移動速度、さらに塗布液80の固形分濃度により調整される。
続いて、塗布液80の塗膜を加熱乾燥させ、さらに冷却後、円筒状金型91から剥離し、目標とするロール幅に応じて端部を切断することで、導電性樹脂層を構成する管状部材を得る。
塗布液80の樹脂材料としてポリイミド前駆体を用いる場合には、円筒状金型91の外周面上に塗布液80の塗膜を形成した後、80℃以上170℃以下で乾燥することにより溶媒を除去し(乾燥工程)、さらに200℃以上350℃以下に加熱することでイミド転化(焼成工程)させてポリイミド膜を形成する。冷却後、ポリイミド膜を円筒状金型91から剥離し、弾性層113の幅に応じた幅で切断し、導電性樹脂層114を構成する管状部材を得る。
なお、円筒状金型91の外周面を粗面化しておくことで、金型の表面粗さRaが反映された内周面を有する管状部材が得られる。
<画像形成装置>
以下、本実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、直接転写方式の画像形成装置を示す概略構成図である。
図4に示す画像形成装置200は、感光体207(像保持体の一例)と、感光体207の表面を帯電させる帯電ロール208(帯電手段の一例)と、帯電した感光体207の表面に静電荷像を形成する露光装置206(静電荷像形成手段の一例)と、トナーを含む現像剤により、感光体207の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像装置211(現像手段の一例)と、感光体207の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に直接転写する転写ロール212(転写手段の一例)と、を備える。転写ロール212として、本実施形態に係る転写部材が適用される。
図4に示す画像形成装置200は、さらに、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置215(定着手段の一例)と、感光体207の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置213と、感光体207の表面を除電する除電装置214と、を備える。
帯電ロール208は、接触帯電方式でもよく非接触帯電方式でもよい。帯電ロール208には電源209から電圧が印加される。
露光装置206としては、半導体レーザ、LED(light emitting diode)等の光源を備える光学装置が挙げられる。
現像装置211は、トナーを感光体207に供給する装置である。現像装置211は、例えば、ロール状の現像剤保持体を感光体207に接触又は近接させて、感光体207上の静電荷像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
転写ロール212は、記録媒体の表面に直に接する転写ロールであり、感光体207に対向した位置に配置されている。記録紙500(記録媒体の一例)が供給機構を介して転写ロール212と感光体207とが接触した隙間に供給される。転写バイアスが転写ロール212に印加されると、感光体207から記録紙500に向う静電気力がトナー像に作用し、感光体207上のトナー像が記録紙500上に転写される。
定着装置215としては、例えば、加熱ロールと、該加熱ロールに押圧する加圧ロールとを備える加熱定着装置が挙げられる。
クリーニング装置213としては、クリーニング部材としてブレード、ブラシ、ロール等を備える装置が挙げられる。
除電装置214は、例えば、転写後の感光体207の表面に光を照射して、感光体207の残留電位を除電する装置である。
画像形成装置は、感光体207、帯電ロール208、露光装置206、現像装置211、及び転写ロール212を1つの画像形成ユニットとし、この画像形成ユニットが4つ並んで搭載されたタンデム方式の画像形成装置であってもよい。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である、中間転写方式の画像形成装置を示す概略構成図である。図5に示す画像形成装置は、4つの画像形成ユニットを並列配置したタンデム方式の画像形成装置である。
図5に示す画像形成装置において、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段は、中間転写体と一次転写手段と二次転写手段とを備える転写ユニットとして構成される。
図5に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えている。これらの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に離間して並設されている。画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kはそれぞれ、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各画像形成ユニットを通して中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1の画像形成ユニット10Yから第4の画像形成ユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写ベルトクリーニング装置30が備えられている。
各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成及び動作を有しているので、以下において、画像形成ユニットについて説明する場合は、第1の画像形成ユニット10Yについて代表して説明する。
第1の画像形成ユニット10Yは、感光体1Yと、感光体1Yの表面を帯電させる帯電ロール2Yと、トナーを含む現像剤により、感光体1Yの表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像装置4Yと、感光体1Yの表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト20の表面に転写する一次転写ロール5Yと、一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置6Yと、を備える。
帯電ロール2Yは、感光体1Yの表面を帯電させる。帯電ロール2Yは、接触帯電方式でもよく非接触帯電方式でもよい。
帯電した感光体1Yの表面には、露光装置3からレーザ光線3Yが照射される。これにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電している。感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y上に形成された静電荷像がトナー像として現像される。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に配置されている。一次転写ロール5Yには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)が接続されている。一次転写ロール5Yは、静電気力により、感光体1Y上のトナー像を中間転写ベルト20上に転写する。
中間転写ベルト20上には、第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kから順に各色のトナー像が多重転写される。第1乃至第4の画像形成ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、支持ロール24と二次転写ロール26とから構成された二次転写手段へと至る。転写ロール26として、本実施形態に係る転写部材が適用される。
二次転写ロール26は、記録媒体の表面に直に接する転写ロールであり、中間転写ベルト20の外側において支持ロール24に対向した位置に配置されている。記録紙P(記録媒体の一例)が供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に供給される。二次転写バイアスが二次転写ロール26に印加されると、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。
トナー像が転写された記録紙Pは、一対のロールからなる定着装置28の圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー像が記録紙P上へ定着される。
本実施形態に係る画像形成装置において使用するトナー及び現像剤は特に限定されず、公知の電子写真用トナー及び現像剤をいずれも使用することができる。本実施形態に係る画像形成装置において使用する記録媒体は特に限定されず、例えば、電子写真方式の複写機やプリンターに使用される紙;OHPシート;等が挙げられる。
本実施形態に係る転写部材は電子写真方式の画像形成装置の転写ロールとして好適に用いることができる。特に、所謂高速機と称されるプロセススピードが220mm/s以上の画像形成装置に適用しても、長期にわたって良質な画像形成が可能となる。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(1)カーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液の調製
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミック酸が溶解した溶液であって、イミド化後の固形分が18質量%となるポリイミド前駆体DMI溶液を準備した。
ポリイミド前駆体DMI溶液に、ポリアミック酸の固形分100質量部に対してカーボンブラック(CB)粒子(Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社)を22.5質量部添加し攪拌して、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液を得た。
(2)導電性樹脂層となるポリイミドチューブの作製
外径20mm、長さ300mmのアルミニウム製円筒体を準備した。円筒体の長手方向を水平方向にした状態で300rpmで回転させながら、円筒体の外周面に、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体DMI塗布液をディスペンサーから2.4g/15秒の速度で滴下して塗布した。次いで、円筒体の長手方向を水平方向にした状態のまま、10rpmで回転させながら140℃で30分間加熱して塗膜を乾燥させた。次いで、最高到達温度320℃で110分間加熱焼成してポリイミド皮膜を形成した。次いで、円筒体からポリイミド皮膜を剥離して、厚さ40μmのポリイミドチューブを得た。
(3)導電性弾性層の形成
エピクロルヒドリンゴム(ダイソー社製エピクロマーCG−102)60質量部とアクリロニトリル−ブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製ニポールDN−219)30質量部とを混合し、硫黄(鶴見化学工業社製200メッシュ)1質量部と、加硫促進剤(大内新興化学工業社製ノクセラーM)1.5質量部と、発泡剤としてベンゼンスルホニルヒドラジド6質量部とを添加して、オープンロールで混練りして混合物を得た。次いで、この混合物を直径12mm、長さ280mmのSUS製シャフト(支持部材)に巻き付けた。シャフトを160℃に昇温し、巻き付けた混合物を加硫発泡させ、シャフト上に導電性弾性層を形成した。この導電性弾性層の外周面を研磨して、導電性弾性層付きロールを得た。導電性弾性層は、外径20.2mm、長さ230mmとした。
(4)ポリイミドチューブの被覆
ポリイミドチューブに導電性弾性層付きロールを挿入し、次いで、余分なチューブを切断して転写ロールを得た。
<実施例2>
実施例1において、ポリイミド前駆体DMI溶液に、ポリアミック酸の固形分100質量部に対してカーボンブラック粒子(Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社)を20.5質量部添加した以外は実施例1と同様にして転写ロールを得た。
<実施例3>
実施例1において、ポリイミド前駆体DMI溶液に、ポリアミック酸の固形分100質量部に対してカーボンブラック粒子(Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社)を24.5質量部添加した以外は実施例1と同様にして転写ロールを得た。
<比較例1>
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミック酸が溶解した溶液であって、イミド化後の固形分が18質量%となるポリイミド前駆体NMP溶液を準備した。
ポリイミド前駆体NMP溶液に、ポリアミック酸の固形分100質量部に対してカーボンブラック粒子(Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社)を22.5質量部添加し攪拌して、カーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液を得た。
カーボンブラック分散ポリイミド前駆体NMP塗布液を用いた以外は実施例1と同様にして転写ロールを得た。
<比較例2>
比較例1において、ポリイミド前駆体NMP溶液に、ポリアミック酸の固形分100質量部に対してカーボンブラック粒子(Special Black 4、オリオンエンジニアドカーボンズ社)を28質量部添加した以外は比較例1と同様にして転写ロールを得た。
<比較例3>
ポリイミドチューブを被覆しない以外は実施例1と同様にして転写ロールを得た。
<性能評価>
[導電性樹脂層の残留溶媒の有無]
転写ロールの導電性樹脂層から3mm四方の測定用試料を切り出し、ガスクロマトグラフ質量分析計(商品名:GCMS−QP2020、島津製作所社製)で、溶媒が残留しているか否か及び溶媒の種類を測定した。
[導電性樹脂層のヤング率]
転写ロールの導電性樹脂層から幅3mm、長さ50mm、厚さ方向全体に切り出したシートを測定用試料とした。測定用試料の厚さを膜厚計で測定した。測定用試料を、精密荷重測定器(アイコーエンジニアリング社製MODEL−1605N)に測定長30mmになるよう設置し、温度22℃下で20mm/分の速度で引っ張りながらSS曲線を測定しヤング率(MPa)を求めた。結果を表1に示す。
[導電性樹脂層の表面抵抗率]
表面抵抗率の測定方法は、次の通り行う。円形電極(例えば、三菱油化株式会社製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定する。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図6は、円形電極の一例を示す概略図であり、概略平面図(図6(A))及び概略断面図(図6(B))である。図6に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間にポリイミドチューブを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ポリイミドチューブの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出する。ここで、下記式中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化株式会社製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
[導電性弾性層の体積抵抗率]
体積抵抗率の測定は、円形電極(例えば、三菱油化株式会社製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911(1995年)に従って測定する。前記体積抵抗率の測定方法を、図6を用いて説明する。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定する。但し、図6に示す円形電極において、表面抵抗率測定時の板状絶縁体Bに代えて第二電圧印加電極B’とを備える。そして、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと第二電圧印加電極B’との間に、導電性弾性層から厚み4mm×100mm×100mmのサイズに切り出した測定試料を挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印加した時に流れる電流I(A)を測定し、下記式により、導電性弾性層の体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出する。ここで、下記式中、tは、導電性弾性層の厚さを示す。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化株式会社製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
また、上記式に示される19.6は、抵抗率に変換するための電極係数であり、円柱状電極部の外径d(mm)、試料の厚さt(cm)より、πd/4tとして算出される。また、導電性弾性層の厚さは、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eを使用し測定する。
[転写性]
各例で作製した転写ロールを、富士ゼロックス社製 商品名:DocuCentre−II C6500の改造機に二次転写ロールとして使用し、富士ゼロックス社製 JDコート157gsm紙(A3)を用いて50%のMagentaハーフトーンを印字した。
印字された画像を目視にて下記基準より評価した。
A:ハーフトーンの濃度ムラが確認されない。
B:ハーフトーンの濃度ムラが確認される。
[用紙裏面汚れ]
各例で作製した転写ロールを、富士ゼロックス社製 商品名:DocuCentre−II C6500の改造機に二次転写ロールとして使用し、富士ゼロックス社製 JDコート157gsm紙(A3)を1000枚×200回給紙して印刷した。印刷した10000枚目毎に、40mm×40mmの穴を空けた用紙に、50%のMagentaハーフトーンを印字し、二次転写ロール上にトナー像を形成させ、クリーニング後の用紙の裏面におけるトナーの付着(用紙裏面汚れ)の有無(二次転写ロール上のトナークリーニング性能)を目視にて下記基準により評価した。
A:トナーの付着が確認されない。
B:トナーの付着がわずかに確認される。
C:トナーの付着が全面でわずかに確認され、部分的に多く付着が確認される。
D:トナーの付着が全面で多く確認される。
111 転写ロール、112 支持部材、113 導電性弾性層、114 導電性樹脂層
200 画像形成装置、206 露光装置、207 感光体、208 帯電ロール、209 電源、211 現像装置、212 転写ロール、213 クリーニング装置、214 除電装置、215 定着装置、500 記録紙
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール
3 露光装置
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール
28 定着装置
30 中間転写ベルトクリーニング装置
P 記録紙

Claims (4)

  1. 支持部材と、
    前記支持部材上に配置された導電性弾性層と、
    前記導電性弾性層上に配置された、イミド系樹脂、導電剤並びにウレア系溶媒、アルコキシ基含有アミド系溶媒及びエステル基含有アミド系溶媒からなる溶媒群より選択される少なくとも1種の溶媒を含有する導電性樹脂層と、
    を備える転写部材。
  2. 前記溶媒群が、テトラメチル尿素、テトラエチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルプロピレン尿素、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド及び3−n−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドを含む請求項1に記載の転写部材。
  3. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
    記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして請求項1又は請求項2に記載の転写部材を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記記録媒体の表面に直接転写する転写手段と、
    を備える画像形成装置。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
    中間転写体と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
    記録媒体の表面に直に接する転写ロールとして請求項1又は請求項2に記載の転写部材を有し、前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を前記記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
    を備える画像形成装置。
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