JP2018156930A - 正極活物質、それを用いた正極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

正極活物質、それを用いた正極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた高温保存特性及び、サイクル特性を有する正極活物質、正極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池の提供。【解決手段】正極活物質が、LiaMb(PO4)cで表される化合物であって、結晶水を0.001〜0.2wt%含有し、(MはFe、Mn、Co、Ni、VO、Vから選ばれる少なくとも一種を含む、1≦a≦4、1≦b≦2、1≦c≦3)更に非水溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチルメチルカーボネート(EMC)から選ばれる少なくとも一種を含有するリチウムイオン二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質、それを用いた正極及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
従来、リチウムイオン二次電池の正極材料(正極活物質)としてLiCoOやLiNi1/3Mn1/3Co1/3等の層状化合物やLiMn等のスピネル化合物が用いられてきた。近年では、LiFePOに代表されるオリビン型構造の化合物が注目されている。オリビン構造を有する正極材料は高温での熱安定性が高く、安全性が高いことが知られている。
しかし、LiFePOを用いたリチウムイオン二次電池は、その充放電電圧が3.5V程度と低く、エネルギー密度が低くなるという欠点を有する。そのため、高い充放電電圧を実現し得るリン酸系正極材料として、LiCoPOやLiNiPO等が提案されている。しかし、これらの正極材料を用いたリチウムイオン二次電池においても、十分なサイクル特性が得られていないのが現状である。リン酸系正極材料の中でも4V級の充放電電圧を実現し得る化合物として、LiVOPOが知られている(非特許文献1)。
しかし、LiVOPOを用いたリチウムイオン二次電池においても、十分な高温保存特性やサイクル特性が得られていない。なお、以下では、場合により、リチウムイオン二次電池を「電池」と記す。
J. Baker et al. J. Electrochem.Soc., 151, A796 (2004)
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池の高温保存特性、及びサイクル特性を向上させることが可能な正極活物質、正極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記目標を達成するために、本発明に係る正極活物質は、下記一般式(1)で表される化合物であって、結晶水を含有することを特徴とする。
Li(PO ・・・(1)
(MはFe、Mn、Co、Ni、VO、Vから選ばれる少なくとも一種を含む、1≦a≦4、1≦b≦2、1≦c≦3)
かかる構成によれば、熱安定性の高いポリアニオン系リン酸化合物に結晶水が含有されることにより、選択的に結晶水が電解液との反応が起こるため、高温保存特性及び高温サイクル特性が向上する。
上記正極活物質は、結晶水が、0.001〜0.2wt%含まれることが好ましい。
結晶水が0.001wt%以上含まれることにより、上記効果がより一層現れ、0.2wt%以下であれば、結晶水と電解液との過剰な反応が抑制できる。
上記正極活物質は、一般式(1)におけるMがVOであることが好ましい。
本発明によれば、高い高温保存特性、及びレート特性を有する正極活物質、正極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の好適な実施の一例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明のリチウムイオン二次電池は、以下の実施形態に限定されるものではない。なお図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
(リチウムイオン二次電池)
本実施形態に係る電極、及びリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。リチウムイオン二次電池100は、主として積層体40、積層体40を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体40に接続された一対のリード60、62を備えている。また図示されていないが、積層体40とともに電解液をケース50に収容している。
積層体40は、正極20、負極30が、非水電解液を含んだセパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられたものである。負極30は、板状(膜状)の負極集電体32条に負極活物質層34が設けられたものである。正極活物質層24及び負極活物質層34がセパレータ10の両側にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード62、60が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。
以下、正極20及び負極30を総称して電極20、30といい、正極集電体22及び負極集電体32を総称して集電体22、32といい、正極活物質層24及び負極活物質層34を総称して活物質層24、34という。
本実施形態に係る正極活物質層は、正極活物質と正極バインダーと導電材から構成されている。
(正極活物質)
本実施形態に係る正極活物質は、下記一般式(1)で表される化合物であって、結晶水を含有することを特徴とする。
Li(PO ・・・(1)
(上記一般式1において、MはFe、Mn、Co、Ni、VO、Vから選ばれる少なくとも一種を含む、1≦a≦4、1≦b≦2、1≦c≦3。)
かかる構成によれば、熱安定性の高いポリアニオン系リン酸化合物に結晶水が含有されることにより、選択的に結晶水が電解液との反応が起こるため、高温保存特性及び高温サイクル特性が向上する。
本実施形態に係る正極活物質は、結晶水が、0.001〜0.2wt%含まれることが好ましい。
結晶水が0.001wt%以上含まれることにより、上記効果がより一層現れ、0.2wt%以下であれば、結晶水と電解液との過剰な反応が抑制できる。
本実施形態に係る正極活物質は、一般式(1)においてMがVOであることが好ましい。
本実施形態に係る正極活物質の結晶水の量は、120〜170℃の温度にて正極活物質に付着している吸着水を除去後、カールフィッシャー法により、300℃以上の温度にて測定することなどにより、求めることができる。なお、120〜170℃の温度にてカールフィッシャー法により、吸着水を測定、及び除去した後、300℃以上の温度にてカールフィッシャー法により、結晶水を測定することにより、吸着水と結晶水を区別することができる。
本実施形態に係る正極活物質の平均一次粒子径は、150〜600nmであることが好ましい。これにより、Li伝導率が向上し高いレート特性が得られる。
(正極集電体)
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(正極バインダー)
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と集電体22とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFPTFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電材の機能も発揮するので導電材を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の高分子化合物にリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。
(導電材)
導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極活物質層)
本実施形態に係る負極活物質層は、負極活物質と負極バインダーと導電材から構成されている。
(負極活物質)
負極活物質はリチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知のリチウムイオン電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ等のリチウムと化合することのできる金属、二酸化シリコン、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。単位重量あたりの容量の高く、比較的安定な黒鉛を用いることが好ましい。
(負極集電体)
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(負極導電材)
導電材としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極バインダー)
負極に用いるバインダーは正極と同様のものを使用できる。
(負極導電材)
同様に負極に用いる導電材も正極と同様のものを使用できる。
(セパレータ)
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
(非水電解液)
非水電解液は、非水溶媒に電解質が溶解されており、非水溶媒として環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有してもよい。
環状カーボネートとしては、電解質を溶媒和することができるものを使用できる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)及びブチレンカーボネートなどを用いることができる。
本実施形態に係る環状カーボネートとして、プロピレンカーボネートを用いることが好ましい。プロピレンカーボネートは沸点が低く、高温時に結晶水との反応が起こりやすく、被膜を速やかに形成する為であると推察される。
鎖状カーボネートとしては、環状カーボネートの粘性を低下させることができるものを使用できる。例えば、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)が挙げられる。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
本実施形態に係る環状カーボネートとして、エチルメチルカーボネートを用いることが好ましい。特に非水電解液の粘度上昇を抑えられ、結晶水と電解液との反応が起こりやすく、被膜を速やかに形成する為であると推察される。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして2:8〜4:6にすることがさらに好ましい。
電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、LiCF、CFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、LiBOB等のリチウム塩が使用できる。なお、これらのリチウム塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に、導電性の観点から、LiPFを含むことが好ましい。
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度が0.5mol/L以上であると、非水電解液の導電性を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度が2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度が0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
(正極活物質の製造方法)
以下では、本発明の一実施形態に係る活物質の製造方法について説明する。本実施形態に係る活物質の製造方法によれば、上述した本実施形態に係る活物質を形成することが可能となる。
<水熱合成工程>
本実施形態に係る活物質の製造方法は、以下の水熱合成工程を備える。水熱合成工程では、まず、内部を加熱、加圧する機能を有する反応容器(例えば、オートクレーブ等)内に、リチウム源、リン酸源、遷移金属源、水及び還元剤を投入して、これらが分散した混合物(水溶液)を調製する。なお、混合物を調製する際は、例えば、最初に、リン酸源、遷移金属源、水及び還元剤を混合したものを還流した後、これにリチウム源を加えてもよい。この還流により、リン酸源及びバナジウム源の複合体を形成することができる。
リチウム源としては、例えば、LiNO、LiCO、LiOH、LiCl、LiSO及びCHCOOLiからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
リチウム源は、LiOH、LiCO、CHCOOLi及びLiPOからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これにより、LiSOを用いた場合に比べて、電池のレート特性が向上する。
リン酸源としては、例えば、HPO、NHPO、(NHHPO及びLiPOからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
遷移金属源としては、2価の鉄化合物、2価のマンガン化合物、2価のコバルト化合物、2価のニッケル化合物及びバナジウム源からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
2価の化合物としては、例えば、フッ化鉄、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、リン酸鉄、シュウ酸鉄及び酢酸鉄からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
2価のマンガン化合物としては、例えば、フッ化マンガン、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガン、シュウ酸マンガン及び酢酸マンガンからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
2価のコバルト化合物としては、例えば、フッ化コバルト、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルト、硫酸コバルト、リン酸コバルト、シュウ酸コバルト、酢酸コバルトからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
2価のニッケル化合物としては、例えば、フッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫酸ニッケル、リン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル及び酢酸ニッケルからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
バナジウム化合物としては、例えば、Vに代表される酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
なお、二種以上のリチウム源、二種以上のリン酸源、又は二種以上の遷移金属源を併用してもよい。
還元剤としては、例えば、ヒドラジン(NHNH・HO)又は過酸化水素(H)、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、アンモニア水から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。還元剤としては、ヒドラジンを用いることが好ましい。ヒドラジンを用いた場合、他の還元剤を用いた場合に比べて、電池のレート特性が顕著に向上する傾向がある。
水熱合成工程では、混合物を加圧下で加熱する前に、混合物に含まれるリン元素のモル数[P]と混合物に含まれる遷移金属元素のモル数[M]との比[P]/[M]を0.9〜1.1に調整する。なお、[P]/[M]を1.1より大きくした場合であっても、本発明の効果を奏することは可能である。[P]/[M]は、混合物に含まれるリン酸源と遷移金属源との配合比によって調整すればよい。
水熱合成工程では、混合物を加圧下で加熱する前に、混合物に含まれるリチウム元素のモル数[Li]と[M]との比[Li]/[M]を0.9〜1.1に調整すればよい。なお、[Li]/[M]を1.1より大きくした場合であっても、本発明の効果を奏することは可能である。なお、[Li]/[M]は、混合物に含まれるリチウム源と遷移
金属源との配合比によって調整すればよい。
混合物のpHを調整する方法としては、様々な方法を採用し得るが、例えば、混合物に酸性試薬や塩基性試薬を添加することが挙げられる。酸性試薬としては、硝酸、塩酸又は硫酸等を用いればよい。塩基性試薬としては、例えば、アンモニア水溶液等を用いればよい。なお、混合物のpHは、混合物の量や、リチウム源、リン酸源及び遷移金属源の種類又は配合比に応じて変化する。したがって、酸性試薬や塩基性試薬の添加量は、混合物の量、リチウム源、リン酸源並びに遷移金属源の種類及び配合比に応じて適宜調整すればよい。
水熱合成工程では、密閉した反応器内の混合物を加圧しながら加熱することにより、混合物中で水熱反応を進行させる。これにより、活物質であるLi(POが水熱合成される。なお、混合物を加圧しながら加熱する時間は、混合物の量に応じて適宜調整すればよい。
水熱合成工程では、混合物を、加圧下で、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃に加熱する。混合物の加熱温度が高いほど、結晶成長が促進され、粒径が大きいLi(POを得易くなる。また、加熱温度が低いほど、結晶水の含有量が多くなる。
水熱合成工程における混合物の温度が低過ぎると、混合物の温度が高い場合に比べて、Li(POの生成及び結晶成長が進行し難い傾向がある。その結果、Li(POの結晶性が低下し、その容量密度が減少するため、Li(POを用いた電池の放電容量が増加し難い傾向がある。
また、混合物の温度が高過ぎると、Li(POの結晶成長が過剰に進行して、結晶におけるLiの拡散能が低下する傾向がある。そのため、得られるLi(POを用いた電池の放電容量及びレート特性が向上し難い傾向がある。また混合物の温度が高過ぎると、反応容器に高い耐熱性が求められ、活物質の製造コストが増大する。混合物の温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
水熱合成工程において混合物に加える圧力は、0.2〜1MPaとすることが好ましい。混合物に加える圧力が低過ぎると、最終的に得られるLiaMb(PO)cの結晶性が低下し、その容量密度が減少する傾向がある。混合物に加える圧力が高過ぎると、反応容器に高い耐圧性が求められ、活物質の製造コストが増大する傾向がある。混合物に加える圧力を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
<熱処理工程>
本実施形態に係る活物質の製造方法は、水熱合成工程後に混合物を更に加熱する熱処理工程を備えていてもよい。熱処理工程によって、水熱合成工程で反応しなかったリチウム源、リン酸源及び遷移金属源の反応を進行させたり、水熱合成工程で生成したLi(POの結晶成長を促進したり、結晶水の量を調整することができる。その結果、Li(POの容量密度が向上し、それを用いた電池の放電容量やレート特性が向上する傾向がある。
本実施形態では、水熱合成工程において200〜300℃の高温領域で混合物を加熱した場合、水熱合成工程単独で充分な大きさのLi(POを形成することが容易となる。また、本実施形態では、水熱合成工程において200℃未満の低温領域で混合物を加熱した場合であっても、水熱合成工程単独で所望の活物質を形成することは可能である。ただし、水熱合成工程において低温領域で混合物を加熱した場合、水熱合成工程に続いて熱処理工程を実施した方が、Li(POの合成及び結晶成長が促進され、本発明の効果が更に向上する傾向がある。
熱処理工程では、混合物を350〜700℃の熱処理温度で加熱することが好ましい。熱処理温度が低過ぎる場合、Li(POの結晶成長度が小さく、その容量密度の向上度が小さくなる傾向がある。熱処理温度が高過ぎる場合、Li(POの成長が過剰に進み、Li(POの粒径が増加する傾向がある。その結果、活物質におけるリチウムの拡散が遅くなり、活物質の容量密度の向上度が小さくなる傾向がある。熱処理温度を上記の範囲内とすることによって、これらの傾向を抑制できる。
混合物の熱処理時間は、1〜10時間であればよい。また、混合物の熱処理雰囲気は、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、又は空気雰囲気であればよい。
なお、水熱合成工程で得られる混合物を、熱処理工程で加熱する前に60〜150℃程度で1〜30時間程度、予熱してもよい。予熱により、混合物が粉体となり、混合物から余計な水分や有機溶媒が除去される。その結果、熱処理工程においてLi(POに不純物が取り込まれることを防ぎ、粒子形状を均一化することが可能となる。
<再水熱合成工程>
本実施形態に係る活物質の製造方法は、熱処理工程後、更に再水熱合成工程を備えていてもよい。再度水熱合成を行うことにより、熱処理工程で得られた混合物の結晶水の含有率を調整することができる。
再水熱合成工程では、混合物を、加圧下で、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃に加熱する。混合物の加熱温度が高いほど、結晶成長が促進され、粒径が大きいLi(POを得易くなる。また、加熱温度が低いほど、結晶水の含有量が多くなる。
再水熱合成工程では、密閉した反応器内の混合物を加圧しながら加熱することにより、混合物中で水熱反応を進行させる。これにより、活物質であるLi(POに含まれる結晶水の量を調整することができる。なお、混合物を加圧しながら加熱する時間は、混合物の量に応じて適宜調整すればよい。
また、再水熱合成工程後に、再度熱処理を行っても良い。これにより、活物質であるLi(POの結晶水の量を制御すると共に、再水熱合成工程において生成する不純物の除去や、活物質自体の結晶性を向上することができる。
熱処理温度及び、熱処理時間を調整することにより、結晶水の量を調整することができる。熱処理温度を低く、もしくは熱処理時間を短くすることにより、結晶水の量は増加し、熱処理温度を高く、もしくは熱処理時間を長くすることにより、結晶水の量を減少させることができる。
本実施形態の製造方法によって得られるLi(POを正極活物質として備える電池では、従来の製造方法によって得られるLi(POを用いた電池に比べて、放電容量を向上させることが可能となる。
水熱合成により得られた活物質は、通常、水熱合成後の液中に分散しており、水熱合成後の液体は懸濁液となっている。そして、水熱合成後の液を、例えば、ろ過して固体を捕集し、捕集された固体を水やアセトン等で洗浄し、その後乾燥させることによりLi(POを主成分として含有する活物質を高純度に得ることができる。
以上、本発明に係る活物質の製造方法の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、水熱合成工程において、加熱前の混合物に炭素粒子を添加してもよい。これにより、Li(POの少なくとも一部が炭素粒子表面に生成し、炭素粒子にLi(POを担持させることが可能となる。その結果、得られる活物質の電気伝導性を向上させることが可能となる。炭素粒子を構成する物質としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック(黒鉛)、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。
(電極20,30の製造方法)
次に、本実施形態に係る電極20,30の製造方法について説明する。
上記活物質、バインダー及び溶媒を混合する。必要に応じ導電材を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記塗料を、集電体22、32に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
続いて、集電体22、32上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去法は特に限定されず、塗料が塗布された集電体22、32を、例えば80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして正極活物質層24、負極活物質層34が形成された電極を必要に応じ、ロールプレス装置等によりプレス処理を行う。ロールプレスの線圧は例えば、100〜2500kgf/cmとすることができる。
以上の工程を経て、集電体22、32上に電極活物質層24,34が形成された電極が得られる。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
続いて、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、上述した活物質を含む正極20と、負極30と、正極と負極との間に介在するセパレータ10と、リチウム塩を含む非水電解液と、を外装体50内に封入する工程を備える。
例えば、上述した活物質を含む正極20と、上記負極30と、上記セパレータ10とを積層し、正極20及び負極30を、積層方向に対して垂直な方向から、プレス器具で加熱加圧し、正極20、セパレータ10、及び負極30を密着させる。そして、例えば、予め作製した袋状の外装体50に、上記積層体40を入れ、上記リチウム塩を含む非水電解液を注入することにより、リチウムイオン二次電池を作製することができる。なお、外装体に上記リチウム塩を含む非水電解液を注入するのではなく、積層体40を予め上記リチウム塩を含む非水電解液に含浸させてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
(正極の作製)
<水熱合成工程>
500mlのマイヤーフラスコに、23.06g(0.20mol)のHPO(ナカライテスク社製、純度85%)、及び、200gの蒸留水(ナカライテスク社製、HPLC用)を入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。続いて、18.37g(0.10mol)のV(ナカライテスク社製、純度99%)を加え、約2.5時間攪拌を続けた。次に、2.55g(0.05mol)の(NHNH・HO)を滴下し、1時間攪拌を続けた。その後、8.48g(0.20mol)のLiOH・HO(ナカライテスク社製、純度99%)を約10分かけて加えた。その直後の容器内の物質のpHを測定したところ、pHは6であった。そして、得られたペースト状の物質に、20gの蒸留水を追加した後、フラスコ内の物質を、0.5Lオートクレーブのガラス製の円筒容器内に移した。容器を密閉し、ヒータのスイッチをオンにし、4時間、200℃で保持し、水熱合成を行った。
ヒータのスイッチをオフにした後、放冷を行い、約5時間後に物質を取り出し、水色のペースト状の物質を得た。この物質のpHを測定したところ、pHは7であった。得られた物質に約100mlの蒸留水を加え、オーブンを用いて90℃で約24時間熱処理した後、粉砕することにより、38.23gの緑色の粉体を得た。
<焼成工程>
前記工程で得られた個体3.00gをアルミナ坩堝に入れ、大気雰囲気中、室温から500℃まで50分かけて昇温し、500℃で4時間熱処理することにより、黄緑色の粉体2.73gを得た。
<再水熱合成工程>
前記工程で得られた個体を500mlのマイヤーフラスコに入れ、200gの蒸留水(ナカライテスク社製、HPLC用)を入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。フラスコ内の物質を、0.5Lオートクレーブのガラス製の円筒容器内に移した。容器を密閉し、ヒータのスイッチをオンにし、4時間、150℃で保持し、水熱合成を行った。
ヒータのスイッチをオフにした後、放冷を行い、約5時間後に物質を取り出し、黄緑色のペースト状の物質を得た。得られた物質に約100mlの蒸留水を加え、オーブンを用いて170℃で約24時間熱処理した後、粉砕することにより、緑色の粉体を得た。
<結晶水の含有量測定>
実施例1の活物質における、結晶水の量を、得られた活物質をカールフィッシャー法により170℃にて測定した後、続けてカールフィッシャー法により300℃にて測定した。300℃にて測定した結果を、結晶水の量とした。実施例1の活物質における結晶水の含有量は0.15wt%であった。
[評価用セルの作製]
実施例1の活物質と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアセチレンブラックを混合したものを、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。なお、スラリーにおいて活物質とアセチレンブラックとPVDFとの重量比が84:8:8となるように、スラリーを調製した。このスラリーを集電体であるアルミニウム箔上に塗布し、乾燥させた後、圧延を行い、実施例1の活物質を含む活物質層が形成された電極(正極)を得た。
次に、得られた電極と、その対極であるLi箔とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネーターパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液として体積比でEC/PC/EMC=1/1/8となるように混合し、これに1.3mol/Lの濃度となるようにLiPFを溶解させたものを注入した後、真空シールし、実施例1の評価用セルを作製した。
(実施例2)
再水熱合成工程において、加熱温度を250℃とし、加熱保持時間を6時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電池を作製し、評価を行った。
(実施例3)
再水熱合成工程において、加熱温度を300℃とし、加熱保持時間を8時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の電池を作製し、評価を行った。
(実施例4)
再水熱合成工程において、加熱温度を100℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の電池を作製し、評価を行った。
(実施例5)
再水熱合成工程において、加熱温度を300℃とし、加熱保持時間を16時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の電池を作製し、評価を行った。
(実施例6)
再水熱合成工程において、加熱温度を100℃とし、加熱保持時間を2時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の電池を作製し、評価を行った。
(実施例7)
再水熱合成工程において、加熱温度を100℃とし、加熱保持時間を1時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の電池を作製し、評価を行った。
(実施例8)
水熱合成工程において、Vの代わりにフッ化鉄を投入したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の電池を作製し、評価を行った。
(実施例9)
水熱合成工程において、Vの代わりに硫酸コバルトを投入したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の電池を作製し、評価を行った。
(実施例10)
水熱合成工程において、Vの代わりにリン酸ニッケルを投入したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10の電池を作製し、評価を行った。
(実施例11)
水熱合成工程において、Vの代わりにシュウ酸マンガンを投入したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11の電池を作製し、評価を行った。
(実施例12)
評価用セルの作製工程において、電解液の溶媒として体積比でEC/PC/EMC=2/1/7となるように混合したこと以外は実施例1と同様にして、実施例12の電池を作製し、評価を行った。
(実施例13)
評価用セルの作製工程において、電解液の溶媒として体積比でEC/PC/EMC=2/2/6となるように混合したこと以外は実施例1と同様にして、実施例12の電池を作製し、評価を行った。
(実施例14)
評価用セルの作製工程において、EMCの代わりにDECを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例14の電池を作製し、評価を行った。
(実施例15)
評価用セルの作製工程において、PCの代わりにDECを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例15の電池を作製し、評価を行った。
(実施例16)
評価用セルの作製工程において、PC、EMCの代わりにDECを用い、体積比でEC/DEC=3/7としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例16の電池を作製し、評価を行った。
(実施例17)
水熱合成工程において、モル比でLi:V:P=3:2:3の割合でLiOH・HO、V、HPOを投入し、Vの投入量と同じモル比でNHNH・HOを投入したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例17の電池を作製し、評価を行った。
(比較例1)
焼成工程において、加熱温度を750℃とし、加熱保持時間を12時間とし、再水熱合成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電池を作製し、評価を行った。
(比較例2)
水熱合成工程において、Vの代わりにフッ化鉄を投入し、焼成工程において、加熱温度を750℃とし、加熱保持時間を12時間とし、再水熱合成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の電池を作製し、評価を行った。
(比較例3)
水熱合成工程において、Vの代わりに硫酸コバルトを投入し、焼成工程において、加熱温度を750℃とし、加熱保持時間を12時間とし、再水熱合成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の電池を作製し、評価を行った。
(比較例4)
水熱合成工程において、Vの代わりにリン酸ニッケルを投入し、焼成工程において、加熱温度を750℃とし、加熱保持時間を12時間とし、再水熱合成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の電池を作製し、評価を行った。
(比較例5)
水熱合成工程において、Vの代わりにシュウ酸マンガンを投入し、焼成工程において、加熱温度を750℃とし、加熱保持時間を12時間とし、再水熱合成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の電池を作製し、評価を行った。
実施例1と同様の方法で、実施例2〜17及び比較例1〜5の活物質をそれぞれ単独で用いた評価用セルを作製した。
<高温保存特性及びサイクル特性の測定>
実施例1〜17、比較例1〜5の各評価用セルを用いて、放電レートを0.1C(25℃で定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)とした場合の放電容量を25℃の恒温槽の中で測定し、その後、満充電状態にて80℃の恒温槽の中に4時間保存した後、放電レートを0.1Cで25℃の恒温槽の中で再度、定電流放電を行った。80℃にて高温保存した前後の放電容量の比を高温保存特性とし、結果を表1に示す。また、高温保存特性測定後の電池セルを用いて、上記充放電の手順により0.5C充電/1C放電を500サイクル繰り返した。また充放電は45℃の恒温槽の中で行った。初回の放電容量を100%とし、100サイクル後の放電容量の値をサイクル特性とした。なお、高温保存特性及び、サイクル特性は大きいほど好ましい。結果を500サイクル後サイクル特性として表1に示す。
Figure 2018156930
表1の結果から分かる通り、結晶格子中に結晶水を含むことにより、高温保存特性に優れると共に、高いサイクル特性を示すことが確認された。
10・・・セパレータ、20・・・正極、22・・・正極集電体、24・・・正極活物質層、30・・・負極、32・・・負極集電体、34・・・負極活物質層、40・・・発電要素、50・・・外装体、52・・・金属箔、54・・・高分子膜、60,62・・・リード、100・・・リチウムイオン二次電池

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物であって、
    前記化合物は、結晶水を含有する、
    正極活物質。
    Li(PO・・・(1)
    (MはFe、Mn、Co、Ni、VO、Vから選ばれる少なくとも一種を含む、1≦a≦4、1≦b≦2、1≦c≦3)
  2. 前記結晶水が、0.001〜0.2wt%含有する、請求項1に記載の正極活物質。
  3. 前記一般式(1)におけるMがVOである、
    請求項1〜2のいずれか一項に記載の正極活物質。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の正極活物質を用いた正極。
  5. 請求項4に記載の正極と、負極と電解質とを有するリチウムイオン二次電池。
  6. 非水溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチルメチルカーボネート(EMC)から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項5に記載のリチウムイオン二次電池。
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